目 次 【第 1 編】 機械設備工事費の積算 1 章 積算の定義 3 1 − 1 積算の位置付け 3 1 − 2 積算の必要性 3 1 − 3 公共請負工事の契約方法と予定価格 3 2 章 公共請負工事の積算 6 2 − 1 積算に必要な外的条件と資料 3 章 請負工事費の構成 6 11 3 − 1 請負工事費の構成 11 3 − 2 請負工事費の構成要素 13 4 章 設計書 15 4 − 1 設計書の作成手順 15 4 − 2 設計書の様式 17 5 章 工期の設定 20 5 − 1 工期設定の手順 20 5 − 2 工期の算定 20 ɪ ─ ─ 【第 2 編】 機械設備工事積算基準の解説および積算例 1 章 一般共通 23 第 1 目 的 23 第 2 適用範囲 23 第 3 請負工事費の構成 24 第 4 請負工事費の費目 25 第 5 請負工事費の積算 33 2 章 河川用水門設備 55 2 − 1 概 要 55 2 − 2 積算基準の解説 58 2 − 3 積算例 96 3 章 ダム用水門設備 123 3 − 1 概 要 123 3 − 2 積算基準の解説 131 3 − 3 積算例 180 4 章 ゴム引布製起伏ゲート設備 229 4 − 1 概 要 229 4 − 2 積算基準の解説 230 5 章 揚排水ポンプ設備 237 5 − 1 概 要 237 5 − 2 積算基準の解説 246 5 − 3 積算例 278 6 章 除塵設備 295 6 − 1 積算基準の解説 295 6 − 2 積算例 310 ɪɪ ─ ─ 7 章 ダム施工機械設備 341 7 − 1 概 要 341 7 − 2 積算基準の解説 351 7 − 3 積算例 358 8 章 トンネル換気設備 361 8 − 1 概 要 361 8 − 2 積算基準 366 8 − 3 積算基準の解説 369 8 − 4 積算例 370 9 章 トンネル非常用施設 383 9 − 1 概 要 383 9 − 2 積算基準 388 9 − 3 積算基準の解説 392 9 − 4 積算例 393 10章 消融雪設備 403 10− 1 概 要 403 10− 2 積算基準の解説 408 10− 3 積算例 426 11章 道路排水設備 445 11− 1 概 要 445 11− 2 積算基準の解説 446 11− 3 積算例 450 12章 共同溝付帯設備 463 12− 1 概 要 463 12− 2 積算基準の解説 464 12− 3 積算例 470 ɪɪɪ ─ ─ 13章 車両重量計設備 471 13− 1 概 要 471 13− 2 積算基準の解説 471 13− 3 積算例 474 14章 ダム管理設備 475 14− 1 概 要 475 14− 2 積算基準の解説 481 14− 3 積算例 486 15章 鋼製付属設備 491 15− 1 概 要 491 15− 2 積算基準の解説 493 15− 3 積算例 502 16章 塗 装 525 16− 1 概 要 525 16− 2 積算基準の解説 525 16− 3 積算例 539 ɪV ─ ─ 【第 3 編】 機械設備点検・整備積算基準の解説および積算例 1 章 一般共通 549 第 1 目 的 549 第 2 適用範囲 549 第 3 点検・整備費の構成 550 第 4 点検・整備費の費目 550 第 5 点検・整備費の積算 552 2 章 水門設備 561 2 − 1 積算基準の解説 561 2 − 2 積算例 575 3 章 揚排水ポンプ設備 585 3 − 1 〔揚排水ポンプ設備〕積算基準の解説 585 3 − 2 積算例 593 3 − 3 〔コラム形水中ポンプ設備〕積算基準の解説 612 3 − 4 積算例 614 4 章 トンネル換気設備・非常用施設 621 4 − 1 積算基準の解説 621 4 − 2 積算例 625 5 章 道路排水設備 641 5 − 1 積算基準の解説 641 5 − 2 積算例 642 6 章 消融雪設備 651 6 − 1 積算基準の解説 651 6 − 2 積算例 652 V ─ ─ 第 1 編 機械設備工事費の積算 2 章 公共請負工事の積算 2 - 1 積算に必要な外的条件と資料 予定価格の算出にあたっては,当該工事の図面・仕様書などはもちろんのこと,製作条件,現場条件, 施工時期,資材の価格など必要とされる各種条件が事前に明確にされていなければならない。 そこで,個々の工事積算作業に先立って,必要となる一般的な条件等の資料を示すと,次図のよう なものがあげられる。 (積算基準類) (契約図書等) 工事費の構成と範囲 費 用 算 出 方 法 標 準 歩 掛 標 準 諸 経 費 率 機械損(賃)料額 各種単価等設定基準 そ の 他 資 料 資(機)材価格 契 図 約 (施工条件等) 書 面 自然条件 仕 様 書 (特記を含む) 数 量 人為的条件 そ の 他 (契約条件となる資料) そ の 他 (環境,公害等) 労 務 単 価 積 (施工計画書) 社会的条件 製作, 据付計画 試 運 転 計 画 仮 設 計 画 輸 送 計 画 工 程 計 画 そ の 他 (任意仮設等数量) 任意仮設等の 各種数量,数値 その他 各種料金等 算 作 業 図− 2 ・ 1 積算に必要な条件等の資料 ⑴ 積算基準類 公共請負工事の積算は,的確・公平・合理的・迅速に行うよう努めなければならない。そのため には,積算に次のような運用が求められる。 すなわち, ① 積算担当者の一方的な考え方による運用を避け,公平な判断に基づくこと。 ② 各種の発注する工事相互間において公平を保つこと。 ③ 工事の施工対象業者の標準施工能力,工法に対応した実績調査等に基づく単価・歩掛等を用いた 合理的な積算であること。 ④ 積算を円滑・迅速かつ正確に処理できるものであること。 ⑤ 積算関係者(基準を制定する立場,利用する立場,審査する立場等)が共通に理解・認識でき るよう,工事の範囲や内容の区分の定義・名称・表現等の統一がなされていること。 ( 1 ・②・ ) 1 6 ─ ─ 2章 公共請負工事の積算 各公共事業の発注機関は,積算基準等を設け,これによって積算を行っている。積算基準類につ いて,国土交通省の場合を例にとると次のような種類と内容のものがある。 〔国土交通省の積算基準〕 a 土木請負工事工事費積算要領 積算における工事費の構成とその範囲・請負工事費の費目と算定方法等の大綱を定めたもの。 b 土木請負工事工事費積算基準 前項aの要領をうけて,各区分費用の細目,内容,算定方法等を詳細に定義したもの。 c 土木工事標準歩掛 細分工種を構成する労務・資材・機械等の標準的な歩掛および市場単価等を定めたもの。 d 請負工事機械経費積算要領 建設機械の経費(機械損(賃)料,運転経費等)算出の基準を定めたもの。 e 共通仮設費算定基準 工事に共通に使用される仮設等にかかる積算基準を定めたもの。 f 機械設備工事積算基準 土木事業における機械設備の請負工事費の構成・内容・算定方法および標準的な歩掛等を定 めたもの。 g 電気通信設備積算基準 土木事業における電気通信設備の請負工事費の構成・内容・算定方法および標準的な歩掛等 を定めたもの。 以上に示した国土交通省の積算基準類は,国土交通省は勿論のこと,都道府県,市町村等の公共 団体もこれを基本に基準を一部補足して積算基準を制定し,公共土木工事の積算を行っている。 ⑵ 契約図書等 公共工事において,発注者と受注者との間で交わす契約内容は,建設業法第34条に定められてい るが,標準的に使用されている中央建設業審議会が定めた「公共工事標準請負契約約款」によると, 発注者と受注者は「契約書,契約約款,図面および仕様書等を契約書類として取り交わすこと」と されており,その内容等は次のとおりである。 ① 契約書 その工事固有の工事名,工事場所,工期,請負代金額等,契約内容のもっとも基本的事項につ いて記載している(ただし,請負金額等は予定価格作成の時点では未定である)。 ② 契約約款 公共工事標準請負契約約款を基本とし,発注者がこれに必要事項を一部修正を加えたもの。 ③ 図 面 目的物の内容を一定のルールに基づいて誰にも共通に理解させるための図書を指し,通常これ を「設計図」という。 ④ 仕様書(共通仕様書および特記仕様書) 作業順序,施工の程度,使用材料の規格,品質,数量,仕上げの程度等が記載される。 これらの契約書類のうち,図面および仕様書等を総称して「設計図書」ともいい,工事の内容を 明らかにするものである。 7 ( 1 ・②・ ) 2 ─ ─ 第 1 編 機械設備工事費の積算 ⑶ 工事現場の施工条件等 機械設備工事は高精度の機械加工を伴うため,工場で製作するものと現場での据付工事に分かれる。 工場での機械設備の製作は,生産体制が整っており,気象や立地条件等に影響されることは少な いが,工事の種類,規模によって生産能力が不足する場合もあるので注意が必要である。 据付工事には,水門設備,ダム施工設備等の屋外工事と,ポンプ設備,トンネル換気設備等の屋 内工事があり,屋外作業では,自然的現象,人為的・社会的条件を受ける。 据付工事全般に共通するのは,先行する土木および建築工事に併行あるいは追随して作業を進め るため,先行する工事との協調が重要になるということである。 特に,機械を据付ける基礎,箱抜き等の位置の確認,アンカー埋込み,大型機器等の機材の搬入 時期等の決定には,綿密な工程調整が必要である。 また,機械設備工事では,重量物を高所あるいは狭隘な場所に設置したり,電気,アセチレンガス, 揮発油等を使用することがあるので,労働安全のための環境対策は十分に行う必要がある。 そのほか,現場周辺の環境保全にも十分な配慮が必要である。これらの条件を十分に考慮し, 「工事施工計画書」を作成した後に,積算作業を行う。 施工計画作成時に留意すべき点は,次のような調査項目である。 1 )工場製作 ① 生産能力 a 機械設備の種類 b 規模 c 数量 ② 設計協議,承認等 a 自社品 b 外注品 c 購入品 ③ 試運転,総合試験等 a 性能確認方法 b 総合試運転方法 2 )据付施工 ① 地形,地質 a 構造物の位置と地形の関係 b 排水の状況 c 仮設建物の設置場所 d 仮設備の設置場所 e 地下水位 f 地下湧水の有無 ② 施工箇所 a 屋外,屋内 b 設置高さ,広さ c 足場の状況 d 換気 e 作業環境 8 3 ─ ─ ( 1 ・②・ ) 2章 公共請負工事の積算 ③ 気 象 a 降雨(月別降雨日数,降雨量) b 降雪(降雪開始時期,降雪量,融雪期,雪崩) c 気温(最高気温,最低気温の変化) d 日照時間 e 風向,風力 ④ 水位,流況等 a 水位(高水位,低水位,融雪等の水位の変化) b 流量(流量の変化) c 潮位・波浪(潮位の変化,干満の差) d 地震 ⑤ 動力,用水 a 電力(電圧,容量,引込み距離) b 用水(水量,水質,取水設備) c 代替動力(自家発電設備,ディーゼル機関の使用) d 排水設備 ⑥ 輸 送 a 搬入道路(幅員,曲線,勾配,制限荷重,制限高さ,路面の状態) b 材料の輸送(輸送ルート,輸送距離,輸送手段,走行速度) c 労働者の輸送(輸送ルート,輸送距離,輸送形態,走行速度) d 機械および仮設材料等の輸送(基地,輸送ルート,輸送距離,輸送手段,走行速度) e 鉄道(最寄駅までの距離,荷役設備,始終発時刻,運行回数) f 船舶(港までの距離,荷役設備) ⑦ 労務,材料の調達 a 労務の調達(その地方からの募集可能人員,他の地方からの募集人員) b 材料の調達(各材料の生産地,生産量,輸送費の積算方法) ⑧ 環 境 a 環境保全・指定関係(国立・自然・都市公園・保安林・騒音・振動・水質・大気保全・地 下水汚染・土壌汚染その他) b 相隣関係(近隣の住宅,商店,学校,病院と工事現場との関係) c 地上障害物(送電線,通信線,鉄塔,電柱,索道などの有無) d 地下埋設物(上下水道,ガス,電力,電信等の管路,その他の有無) e 作業時間の制限(昼間作業に対する制限,作業時間に対する制限) f 交通関係(交通量,定期バス通路,その運行回数,通学路,鉄道等の関係) g 利権関係(水利権,漁業権,鉱業権等) ⑨ 仮設建物などの位置 a 仮設建物設置場所の確保(借地料,飲料水,電灯,電話,道路) b 仮設備の設置(借地料,道路) ⑩ 他工事との関係 a 直接または隣接工事との競合関係 9 ( 1 ・②・ ) 4 ─ ─ 第 1 編 機械設備工事費の積算 ⑷ 工事施工計画書 請負工事費の積算は,定められた契約条件等に基づき,工期内に工事目的物を安全・確実に,かつ 経済的に施工できる内容でなければならない。 そのため, 発注者は工事に係わる種々の外的制約条件や, 工事目的物に期待する諸条件を考慮して, 工場製作および現地での施工手順,工法,使用機械や仮設物,必要とする労務,資材,工期・ 工程などを総合的に検討しておかなければならない。 これらの事項をとりまとめたものを「工事施工計画書」という。これは積算には重要不可欠な資 料である。 工事施工計画は,必ず組織的に検討し作成する必要がある。 工事の施工計画は,全体が施工計画書によって決められることが望ましいが,実際には細部の工 法や工程は,積算の段階で決められることも多く,積算の結果によって,修正されることを考慮し, 施工計画にある程度の弾力性をもたせておく必要がある。 発注者が作成する施工計画は,予定価格算出のためのもので,工事の実行計画書でないため,設 備の種類,規模等に応じて標準的な製作,施工方法,機械の種類,労務者の人員編成,仮設備等を 想定して作成する。 一方,受注者の作る施工計画は,自社の個別的事情を十分考慮して,得意な製作,施工方法,保 有機械等を使用することを前提として作成するもので,発注者の作成した施工計画とは,工法,工 程などは必ずしも一致しないが,これらは契約上からも許されている。 ⑸ 任意仮設等数量計算書 工事目的物や指定仮設物に係わる諸数量は,仕様書・設計書等によって,受注者に提示されるため, 積算上必要な資料を把握することができる。 しかし,工事実施の方法・手段・仮設物等は,特に指定する場合を除き,受注者の自由な裁量に 委ねられている(「公共工事標準請負契約約款第 1 条第 3 項」)ので,これらにかかる積算上必要な 数量は,受注者が安全に十分配慮して設計する。 したがって,発注者も受注者も,以下に示すような任意仮設物の諸数量表を別途作成しておく必 要がある。 (任意仮設数量の内容の例) 足場工,支保工数量,仮締切,水替え日数等の数量 ⑹ その他 前記⑴~⑸以外にも,積算に対して外的な制約を課する事項があれば,それを特記した図書等を 作成しておく必要がある。 (例) 1 .支給品,貸付機械等の調書 2 .その他条件明示として処理したもの等 10 ( 1 ・②・ ) 5 ─ ─ 3章 請負工事費の構成 3 章 請負工事費の構成 機械設備工事は,工場製作と現地据付の複合形の工事であり,河川,道路等の土木構造物の施工に 合わせた条件のもとで施工されている。 このような形態の工事の積算業務を統一化するためには,名称,区分,内容,考え方,算定の方法 などを明確に定義しておく必要がある。 このような観点から組立てた体系を,通常「請負工事費の構成」という。 3 - 1 請負工事費の構成 機械設備の請負工事費の構成は,工事原価を製作原価と据付原価に分けて,設備の種類別に価格 を算定する。 機械設備は,技術力,生産設備,試験設備等が整った工場で,厳格な品質管理のもとに製作する ことが必要である。 このため,企業経営に必要な技術力の維持と技術開発,製造設備の償却費,製造設備の維持管理 費等の間接経費は,製品の製作原価に反映させる必要がある。 また,現地据付工事においても,製作した企業から据付けに必要な高度な技術を有した据付工の 派遣が必須であり,企業経営の点からも据付間接費は必要である。 ( 1 ・③・ ) 1 11 ─ ─ 第 1 編 機械設備工事費の積算 1 .請 負 工 事 費 製 作 原 価 工 事 価 格 工 事 原 価 据付工事原価 設計技術費 請負工事費 一般管理費等 消費税等相当額 2 .製 作 原 価 材 直 接 製 作 費 料 費 機器単体費 労 務 費 塗 装 費 直 接 経 費 製 作 原 価 間 接 製 作 費 純 製 作 費 間接労務費 工場管理費 3 .据付工事原価 直 接 工 事 費 輸 送 費 材 労 塗 料 務 装 費 費 費 直 接 経 費 仮 設 費 据付工事原価 共通仮設費 間 接 工 事 費 現場管理費 据付間接費 12 ( 1 ・③・ ) 2 ─ ─ 純 工 事 費 3章 請負工事費の構成 3 - 2 請負工事費の構成要素 ⑴ 請負工事費 請負工事費とは,工事価格と消費税等相当額の和で,請負に付そうとする工事の施工にあたり, 必要とされる費用である。 ⑵ 工事価格 工事価格とは,工事原価と一般管理費等の和で,請負工事費のうち消費税等相当額を含まない 価格である。 ⑶ 工事原価 工事原価とは,製作原価と据付工事原価および設計技術費の和で,製作工場における間接労務費 と工場管理費,工事現場(据付け)におけるすべての費用である。 ⑷ 製作原価 製作原価は,製品を製作するために必要な直接製作費と間接製作費からなる。 直接製作費は,製作に必要な材料費,機器単体費,労務費,塗装費および直接経費(製品の製作 に必要な木型費,試運転経費,特別経費等)である。 ここで使用する主要部材(鋼材,鋳鋼品等),主要部品(軸受,継手,パッキン,ボルト・ ナット,計器,リレー等)および機器または単体の製品(原動機,減速機,架台,電気制御盤等)は, 機械設備の機能,信頼性,耐久性を確保するため,それぞれに該当する規格,基準に適合したも のおよび規定された性能試験に適合したものの価格を計上する。 これは,機能を重視する機械設備では,特に重要な点である。 機械設備機器,材料に適用される規格,基準等を以下に示す。 ① 日本工業規格(JIS) ② 電気規格調査会標準規格(JEC) ③ 日本電機工業会規格(JEM) ④ 電池工業会規格(SBA) ⑤ 日本溶接協会規格(WES) ⑥ 日本水道協会規格(JWWA) ⑦ 日本ダクタイル鉄管協会規格(JDPA) ⑧ 空気調和・衛生工学会規格(SHASE︲S) 間接製作費は,工場における間接工・工場管理業務に従事した従業員に支払われる給料および 製造設計に直接従事した従業員ならびに間接工に支払われる間接労務費と,工場の維持管理運営 に必要な工場管理費である。 ⑸ 据付工事原価 据付工事原価は,製作した製品を現場(目的地)に据付けるために必要な直接工事費と間接工 事費である。 直接工事費は,製品の工場から現場までの輸送費,現場での据付けに必要な材料費,労務費, 塗装費,直接経費(特許使用料,水道光熱電力料,機械経費,試運転経費,特別経費等),仮設費 である。 間接工事費は,共通仮設費,現場管理費,据付間接費からなる。 13 ( 1 ・③・ ) 3 ─ ─ 第 1 編 機械設備工事費の積算 ⑹ 試運転・総合試運転経費 機械設備は,機能を確保するために,製作の段階から,作業工程の節目ごとに材料検査,材料 試験,組立検査,必要に応じ工場で性能試験または試運転を行い,最終的には据付後の総合試運 転を実施して,機能を確認する。 これらの製作・据付けにかかる検査・試験の経費は,通常,製作原価の直接製作費の機器単体費, 労務費等に,また据付工事原価では労務費に含まれる。 一方,試運転,総合試運転は,設備の種類,規模,構成機器の多少,試験設備の有無等により 性能試験方法は異なる。 大型水門では,工場で仮組検査を実施し,据付完了後に開閉動作試験および水密ゴムの止水状 況の確認等を行う。 ポンプ設備,送風機設備等は,工場の試験設備で主機の性能試験を行い,現地で補機を含めた 総合的な機能試験を実施する。 このように,試運転の経費は対象とする機械設備によって,試験,期間,労務費,試験設備機 器等が変わるので,必要な試験の詳細を定めて,必要経費を直接経費に計上する。 ⑺ 設計技術費 ① システム設計に係る従業員ならびに間接工の給料手当等 製作品・機器の製造設計以外のシステム設計等に直接従事した従業員ならびに間接工の基準 内給与,通勤手当,諸手当,賞与,退職金および退職給与引当金繰入額。 ② システム設計に係る管理費等 システム設計等に関して設計部門を管理運営するために要する備品,消耗品,事務用品費, 維持修繕費,通信交通費,会議費,交際費,法定福利費,福利厚生費,動力用水光熱費,印刷 製本費,教育訓練費,雑費等の費用である。 ⑻ 一般管理費等 一般管理費等の項目および内容は,次のとおり。 ① 一般管理費 施工にあたる企業の経営管理および活動に必要な本店および支店における経常的な費用である。 役員報酬,従業員給料手当等,退職金,事務用品費,修繕維持費,通信交通費,交際費,法 定福利費,福利厚生費,動力・用水光熱費,調査研究費,広告宣伝費,寄付金,試験研究費償却, 開発費償却,地代家賃,保険料,租税公課,減価償却費,契約保証費,雑費が,これに含まれる。 ② 付加利益 機械設備の加工(設計,製作,試運転,据付け)にあたる企業が継続して経営するために必 要な費用で,イ法人税等,ロ株主配当金,ハ役員賞与金,ニ内部留保金,ホ支払利息割引料, 支払保証料その他の営業外費用である。 参考:一般に工事価格は,当該 1 件工事の規模に応じて,一般管理費等で端数調整を行う。 ⑼ 消費税等相当額の計上方法 消費税等相当額は設計書に計上する。その計上方法は,工事価格に取引にかかる消費税および 地方消費税の税率を乗じて得た額とし,課税業者,非課税業者の入札等参加を問わず工事価格に 税率( 8 %)を乗じた消費税等相当額を工事価格に加算する。 (消費税等相当額=落札工事価格×税率(0.08)) 14 ─ ─ ( 1 ・③・ ) 4 第 2 編 機械設備工事積算基準の解説および積算例 4 一般管理費等 ⑴ 一般管理費等の積算は,(工事原価)×(一般管理費等率)とする。 ⑵ 一般管理費等率は,次式により算定した値とする。 一般管理費等率=(標準一般管理費等率)×(前払金支出割合補正係数)×(機器単体費補正係数) 1 )標準一般管理費等率は,基準 表− 1 ・10による。 2 )前払金支出割合補正係数は,基準 表− 1 ・11による。 3 )機器単体費補正係数は,基準 表− 1 ・12による。 4 )契約保証に係る費用は,別途積算する。 5 消費税等相当額 消費税等相当額は,工事価格に消費税および地方消費税の税率を乗じて得た額とする。 6 材料等の価格等の取扱い 工事価格に係る各費目の積算に使用する材料等の価格は,消費税等相当分を含まないものとする。 7 支給品の取扱い ⑴ 支給品とは,設備の製作,据付けに際して,別途契約により取得した材料,電力,機器単体品, 製作品等を受注者に支給するものをいう。 ⑵ 支給品の現場管理費に対する取扱いは,次のとおり。 1 )直接材料,電力(ダム関係を除く)は,全額を現場管理費算定の対象とする。 2 )機器単体品費および製作品等は,現場管理費算定の対象としない。 ⑶ 支給品は,一般管理費等の算定の対象としない。 8 「処分費等」の取扱い 「処分費等」とは,下記のものとし,「処分費等」を含む工事の積算は,当該処分費等を直接 工事費に計上し,間接工事費等の積算は表のとおりとする。 1 )処分費(再資源化施設の受入費を含む) 2 )上下水道料金 3 )有料道路利用料 区 分 処分費等が「共通仮設費対象額+準備費に含 まれる処分費」に占める割合が 3 %以下でか つ処分費等が 3 千万円以下の場合 処分費等が「共通仮設費対象額+準備費に含 まれる処分費」に占める割合が 3 %を超える 場合または処分費等が 3 千万円を超える場合 全額を率計算の対象とする。 処分費等が「共通仮設費対象額+準備費」に 占める割合の 3 %を超える金額は,率計算の 対象としない。ただし,対象となる金額は 3 千万円を上限とする。 共通仮設費 現場管理費 一般管理費等 (注) 1 .上表の処分費等は,準備費に含まれる処分費を含むものとする。 なお,準備費に含まれる処分費は伐開,除根等に伴うものである。 2 .設計技術費については,処分費等を率計算の対象としない。 3 .これにより難い場合は別途考慮するものとする。 44 ( 2 ・①・ ) 22 ─ ─ 1 章 一般共通 9 間接製作費の項目別対象表 項 目 材 料 機 器 単 体 間接労務費 工場管理費 費 × × 費 × × 労 務 費 ○ ○ 塗 装 費 × ○ 費 × ○ 費 × × 間 接 労 務 費 − ○ 工 場 管 理 費 × − 直 料 × × 力 × × 機 器 単 体 品 × × 製 × × 共通仮設費 現場管理費 直 接 輸 送 間 接 製作費 支 品 経 給 費 接 材 電 作 品 ○:対象とする ×:対象としない 10 間接工事費の項目別対象表 項 目 輸 送 費 ○ ○ 材 料 費 ○ ○ 労 務 費 ○ ○ 塗 装 費 ○ ○ 費 ○ ○ 費 ○ ○ 共 通 仮 設 費 − ○ (事業損失防止施設費) ○ (○) 据 付 間 接 費 − × 現 場 管 理 費 − − 直 料 ○ ○ 力 ○* 1 ○* 1 機 器 単 体 品 × × 製 品 × × 無 償 貸 付 評 価 額 ○ ○ 直 接 仮 設 間 接 工事費 支 品 経 給 費 接 材 電 作 ○:対象とする ×:対象としない * 1 :ダム関係は除く 45 ( 2 ・①・ ) 23 ─ ─ 第 2 編 機械設備工事積算基準の解説および積算例 11 設計技術費,一般管理費等の項目別対象表 項 目 材 製 作 原 価 機 料 器 単 体 設計技術費 一般管理費等 費 ○ ○ 費 ○ ○* 2 労 務 費 ○ ○ 塗 装 費 ○ ○ 費 ○ ○ 間接労務費 ○ ○ 工場管理費 ○ ○ 直 接 間 接 製作費 経 輸 送 費 ○ ○ 材 料 費 ○ ○ 労 務 費 ○ ○ 塗 装 費 ○ ○ 費 ○ ○ 費 ○ ○ 共通仮設費 ○ ○ 据付間接費 ○ ○ 現場管理費 ○ ○ 無償貸付機械等評価額 × × 設 計 技 術 費 − ○ 支 給 品 費 直 接 材 料 ○ × 力 × × 品 × × 品 × × 据 付 工 事 原 価 直 接 仮 経 設 間 接 工事費 電 機 製 器 単 作 体 ○:対象とする ×:対象としない * 2 :補正あり 46 ( 2 ・①・ ) 24 ─ ─ 2 章 河川用水門設備 2 章 河川用水門設備 2 - 1 概 要 河川用水門設備とは,河川を横断して設けられる堰および堰以外で,河川または水路に設けられる 制水施設・取水施設の水門や樋門である。 本積算マニュアルに適用できる水門設備の区分および構成は,次表のとおり。 基準 表− 2 ・ 1 区分および構成 区 分 小 河川用 中 ・ 水門設備 起 付 属 形 大 構 成 水 形 水 門 門, 伏 堰 扉体,戸当り,開閉装置,操作制御設備等 堰 設 備 操作橋,管理橋,階段,手摺等 (注) 1 .小形水門とは,樋門・樋管,水路等に使用される河川用水門のうち,扉体面積が10㎡ 未満のプレートガーダ構造のローラゲートまたはスライドゲートをいう。 2 . 中・大形水門とは,樋門・樋管,水門等に使用されるプレートガーダ構造のローラ ゲート,水門・堰等に使用されるシェル構造のローラゲート,施設の修理時に使用される プレートガーダ構造の角落しゲートを指す。 ただし,津波対策を目的とした水門設備は対象としない。 3 .起伏堰とは,堰等に使用される鋼製の起伏ゲートを指し,トルク軸式のものを対象と する。 4 .河川用水門は,構造用炭素鋼製,ステンレス鋼製を対象としており,全鋳鉄製・全ア ルミニウム製および FRP 製の設備には適用できないので,別途積上げる。 5 .水門設備に付随する管理橋,階段,防護柵等の付属設備の製作据付は,「15章 鋼製付 属設備」による。 6 .プレートガーダ構造ヒンジ式ゲート,プレートガーダ構造横引きゲートおよび他の特 殊構造ゲートには適用できないので,別途積上げる。 基準 表− 2 ・ 1 における区分に該当する設備は,以下のとおり。 河川用水門設備 中・大形水門,堰 プレートガーダ構造ローラゲート シェル構造ローラゲート プレートガーダ構造角落しゲート 小形水門 プレートガーダ構造ローラゲート プレートガーダ構造スライドゲート 起伏堰 起伏ゲート(トルク軸式) ゴム引布製起伏ゲート 特殊ゲート マイタゲート,スイングゲート 横引きゲート ( 2 ・②・ ) 1 55 ─ ─ 第 2 編 機械設備工事積算基準の解説および積算例 ① プレートガーダ構造ローラゲート ② シェル構造ローラゲート ③ プレートガーダ構造スライドゲート 56 ( 2 ・②・ ) 2 ─ ─ 2 章 河川用水門設備 ④ 起伏ゲート ⑤ プレートガーダ構造角落しゲート 57 ( 2 ・②・ ) 3 ─ ─ 第 2 編 機械設備工事積算基準の解説および積算例 《解説 1 》 ⑴ 材料算出要領 主要部材 主要部材の範囲は,基準 表− 2 ・ 4 「主要部材・副部材の範囲」に示す。 以上をもとに,主要部材費計上の一例を次に示す。 <中・大形水門プレートガーダ構造ローラゲート(三方水密,ワイヤーロープウインチ式)の場合> (第 1 号扉体鋼材内訳書参照) 純径間: 9 m 有効高: 6 m 扉体面積:X= 9 m × 6 m =54㎡ 設計水深: 6 m(中・大形水門は基準 表− 2 ・ 3 設計水深による補正係数なし) ① 扉体主要部材所要量の算定(扉体鋼材内訳) y=602×X−7,164 =25,344㎏ 各主要部材所要量(基準 表− 2 ・ 2 主要部材所要量算定式より) 部材名称 算定式 数量(㎏) スキンプレート y×20% 5,069 桁等 y×65% 16,474 主ローラ y× 5 % 1,267 主ローラ軸 y× 5 % 1,267 シーブ y× 5 % 1,267 25,344 計 ② 扉体主要部材費の算定(扉体鋼材内訳) 部材名称 規 格 数量(㎏) 単価(円/㎏) 価格(円) スキンプレート SM400A 鋼板t= 9 5,069 130.62 662,112 桁等 SM400A 鋼板t=12 16,474 130.62 2,151,833 主ローラ クロムモリブデン鋼鋼材 SCM φ 480 1,267 186.80 236,675 主ローラ軸 熱間仕上げステンレス丸鋼 SUS 304 φ110 1,267 622.70 788,960 シーブ 鋳物 FC 1,267 417.34 528,769 25,344 計 ( 2 ・②・ ) 20 74 ─ ─ 4,368,349 2 章 河川用水門設備 ≪解説 2 ≫ 材料算出要領 ⑴ プレートガーダ構造のゲートのカバープレートは副部材費率に含まれないため,所要量を 別途積上げ,鋼材単価を乗じて計上する。 ⑵ 起伏ゲートの開閉装置は油圧式開閉装置であるが,油圧配管材料費は副部材費率に含まれ ないため,所要量を別途積上げ,鋼材単価を乗じて計上する。 なお,油圧配管は直接製作費での計上を原則とする。 副部材費の積算例 <中・大形水門プレートガーダ構造ローラゲートの場合> 扉 体 主 要 部 材 費=4,368,349円/式(第 1 号単価表参照) 戸当り主要部材費=2,476,311円/式(第 4 号単価表参照) 扉 体 副 部 材 費=扉体主要部材費×副部材費率(基準 表− 2 ・ 5 より SS400・SM400の場合) =4,368,349円/式×15.5%≒677,094円/式 戸当り副部材費=戸当り主要部材費×副部材費率(基準 表− 2 ・ 5 より) =2,476,311円/式×29%≒718,130円/式 ≪解説 3 ≫ 部品費の積算例 <中・大形水門プレートガーダ構造ローラゲートの場合> 扉 体 主 要 部 材 費=4,368,349円/式(第 1 号単価表参照) 戸当り主要部材費=2,476,311円/式(第 4 号単価表参照) 扉 体 部 品 費=扉体主要部材費×部品費率(基準 表− 2 ・ 5 より SS400・SM400の場合) =4,368,349円/式×22%≒961,036円/式 戸当り部品費=戸当り主要部材費×部品費率(基準 表− 2 ・ 5 より) =2,476,311円/式×2.5%≒61,907円/式 (注) 小形水門プレートガーダ構造ローラゲートの扉体の部品費率には,水密ゴムおよび 主ローラ軸受が含まれていないので,別途積上げる。 ( 2 ・②・ ) 21 75 ─ ─ 第 2 編 機械設備工事積算基準の解説および積算例 ≪解説 4 ≫ その他の水門設備の材料費算出要領 プレートガーダ構造ヒンジ式ゲート,プレートガーダ構造横引きゲートおよび他の特殊構造 ゲートの材料費は,主要部材・副部材,部品費とも積上げによる。 補助材料費の積算例 <前項における主要部材費,副部材費の場合> 扉 体 主 要 部 材 費=4,368,349円/式(第 1 号単価表参照) 扉 体 副 部 材 費=677,094円/式 扉 体 補 助 材 料 費=(4,368,349+677,094)×6.5%(補助材料費率は基準 表− 2 ・ 5 より) ≒327,953円/式 戸当り主要部材費=2,476,311円/式(第 4 号単価表参照) 戸 当 り 副 部 材 費=718,130円/式 戸当り補助材料費=(2,476,311+718,130)×6.5%(補助材料費率は基準 表− 2 ・ 5 より) ≒207,638円/式 ⑵ 機器単体費 機器単体費として計上する品目は,次のとおり。 電動機,原動機,減速機,クラッチ,制動機,油圧シリンダ,油圧ユニット, 油圧ポンプ,油圧モータ,自動濾過装置,電動油圧シリンダ,ラック式開閉装置, スピンドル式開閉装置,バルブ駆動装置,集中給油装置,ワイヤーロープ, ワイヤ弛過負荷検出装置,開度計,電気防食用流電陽極,自家発電装置,始動用抵抗器, 速度制御用抵抗器,自動制御機器,監視操作盤類,接続端子盤,凍結防止装置,計装機器, 水位測定装置,流量測定装置,天井走行クレーン,ホイスト,チェーンブロック, 弁および管継手等 ≪解説 5 ≫ 機器単体費算出要領 ① ラック式またはスピンドル式開閉装置を使用する場合の機器単体品の範囲は,開閉装置本体, ラック棒,スピンドル棒,吊り金具,振れ止め金具(中間軸受)とし,扉体付きの吊り金具 (吊りピンおよび軸受)は扉体の副部材費率に含まれる。 ② 各機器単体費の積算は,必要なものをそれぞれ積上げる。 76 ( 2 ・②・ ) 22 ─ ─ 2 章 河川用水門設備 ⑶ 製作工数 1 )製作工数は,次式による。 Y=y×Km×Ks×Kn Y:製作区分ごと 1 門当たりの製作工数(人/門) y:製作区分ごと 1 門当たりの標準製作工数(人/門) Km:使用材料による補正係数 K s :構造による補正係数 Kn:製作数による補正係数 2 )標準製作工数 水門の製作工数は,次表を標準とする。 基準 表− 2 ・ 7 標準製作工数 構 成 区 分 扉 体 戸 当 り 小形水門 中・大形水門,堰 プレートガーダ構造スライドゲート y=3.87 x 1+2.19 (三方水密) x 1:10㎡未満 y=0.59 x 2+2.67 x 2:25m未満 プレートガーダ構造スライドゲート y=3.87 x 1+2.19 (四方水密) x 1:10㎡未満 y=0.59 x 2+2.67 x 2:25m未満 プレートガーダ構造ローラゲート y=5.28 x 1+0.35 (三方水密) x 1:10㎡未満 y=1.53 x 2+3.67 x 2:25m未満 プレートガーダ構造ローラゲート y=5.23 x 1+4.94 (四方水密) x 1:10㎡未満 y=1.71 x 2+0.38 x 2:25m未満 プレートガーダ構造ローラゲート y=6.88 x 1−15 x 1:10~300㎡ (三方水密) 開閉装置 − 起伏堰 シェル構造ローラゲート y=11.47 x 1−23.6 x 1:20~300㎡ 1M1D y=6.58 x 2−75 y=6.64 x 3 0.6388 x 2:15~85m x 3:100~2,500kN 1M2D y=5.42 x 2−66 y=2.74 x 3 0.8016 x 2:15~65m x 3:100~1,200kN 2M2D y=10.49 x 2−206 y=34.8 x 3 0.4368 x 2:30~90m x 3:200~5,500kN プレートガーダ構造角落しゲート y=2.8 x 1+10 x 1:10~60㎡ y=0.8 x 2+1.5 x 2:10~30m − 起伏ゲート y=7.94 x 1− 1 x 1: 5 ~60㎡ y=4.57 x 2−10 x 2: 7 ~35m y=0.05 x 3+11.97 x 3:100~600kNm x 1:扉体面積(㎡) x 2 : 戸当り延長(m) x 3:開閉荷重(kN) プレートガーダ構造ローラゲート y=7.4 x 1−15 (四方水密) x 1:10~80㎡ 四方水密の場合 四方水密の場合 なお,起伏ゲートの 純径間(樋管内空幅) (m) 片側側部戸当り高さ(m) 場合の x 3 は,開閉 ×有効高(樋管内空高) (m) × 2 +純径間 (m) × 2 トルク (kNm) とする。 適用範囲 三方水密の場合 純径間(堰 (門)柱面 間距離) ( m)×有効 高(扉高) (m) 三方水密の場合 片側側部戸当り高さ(m) × 2 +純径間(m) 77 ( 2 ・②・ ) 23 ─ ─ 第 2 編 機械設備工事積算基準の解説および積算例 (注) 1 .yは標準製作工数(人/門,門分,基), x 1~ x 3は適用範囲に記載している 1 門当たりの各々の 要素である。 2 .扉体の標準製作工数は,一般構造用圧延鋼材および溶接構造用圧延鋼材について,その機械的性質 にかかわらず適用できる。 3 .戸当りの標準製作工数は,次に示す条件では使用できないので別途積上げる。 ⑴ 小形水門 片側側部戸当り高>有効高×3.0 ⑵ 中・大形水門,堰 プレートガーダ構造ローラゲート 片側側部戸当り高>有効高×4.5 シェル構造ローラゲート 片側側部戸当り高>有効高×5.0 4 .標準製作工数に含む内容は,次のとおり。 ゲート形式ごとの構成(扉体,戸当り,開閉装置)の製作工数 ⑴ 扉 体 扉体および扉体付点検梯子・手摺・歩廊等 ⑵ 戸当り 戸当りおよび戸当りに設置される空気箱等 ⑶ 開閉装置 (注)7. 項による。 5 . 2 段式シェル構造ゲートとする場合は,次による。 ⑴ 扉体の製作工数は,上段扉,下段扉毎に工数を算定し合算する。 ⑵ 戸当りの製作工数は,上段扉用と下段扉用の戸当り延長を合算したものを x 2として標準製作 工数式に代入し工数を算定する。 6 .「シェル構造ローラゲート」+「フラップゲート」の製作工数は,上段扉(フラップゲート)を起 伏ゲート工数算定式により算出し,下段扉(シェル構造ローラゲート)をシェル構造ゲート工数 算定式により算出し,各々を合算する。 7 .開閉装置の標準製作工数 ⑴ ラック式またはスピンドル式開閉装置は,機器単体費で計上するものとし,製作工数は計上し ない。 ⑵ 1M1D,1M2D,2M2D開閉装置は,ドラムをオープンギヤで減速駆動する方式で,休止装置 が設けられるものを標準とする工数であり,標準以外のものは,基準 表− 2・9 により補正する。 ⑶ 起伏ゲートの開閉装置は,油圧シリンダ式であり, 中・大形水門, 堰の開閉装置はワイヤーロープ ウインチ式である。なお,開閉装置本体が機器単体品の場合は,「⑵ 機器単体費」による。 ⑷ 標準製作工数に含む内容は,次のとおり。 ① ワ イ ヤ ー ロ ー プ ウ イ ン チ 式 ……開閉装置全体,大形開閉装置付の点検梯子等 ② 油圧シリンダ式(起伏ゲート)……トルクアーム等 8 .下記については,標準工数に含まれないため別途積上げる。 ⑴ 開閉装置の点検設備(オーバーブリッジ形の通路,転向シーブ架台),ロープダクト,油圧開 閉装置の油圧配管等 ⑵ ガントリクレーン形式の開閉装置 ⑶ 据付架台(設備の現地組立等に際して使用する架台のうち工場製作され埋設されるもの) ⑷ 河川用水門設備に付帯する管理橋,階段,防護柵等の付属設備。なお,付属装置の製作工数は, ⑶製作工数 4 )付属設備製作工数による。 78 ( 2 ・②・ ) 24 ─ ─ 第 3 編 機械設備点検・整備積算基準の解説および積算例 3 - 4 積算例 点検・整備概要 本点検整備の内容は,コラム形水中ポンプ設備の年点検 1 回,月点検 5 回を行うものである。 点検・整備対象設備 コラム形水中ポンプ ポンプ形式 コラム形着脱式立軸斜流水中モータポンプ 計画吐出量 1 ㎥ /s 揚 程 6~9m ポンプ口径 700㎜ 台 数 2台 ポンプ ポンプ本体,付属品 電源・操作設備 発電装置 (原動機,交流発電機,内臓燃料層,始動用蓄電池, 充電器,発電機盤,操作盤) 接地端子箱,ケーブル,ケーブルリール, 保護装置,接続盤 コラムパイプ,配管,弁類 コラムパイプ,吐出弁,吐出管,継手 水位計 水位計 除塵設備 除塵機 付属設備 スクリーン,照明設備,補助燃料タンク 点検頻度 年点検 1 回,月点検 5 回 614 ( 3 ・③・ ) 30 ─ ─ 3 章 揚排水ポンプ設備 ○○コラム形水中ポンプ設備点検・整備設計書 工 事 名 工 事 地 名 ○○県○○市○○町○○地先 工 期 平成○○年○○月○○日から平成○○年○○月○○日 設 計 説 明 合 点検・整備価格2,187,000円 計 2,361,960円(消費税及び地方消費税 174,960円を含む) 点 検・ 整 備 内 容 コラム形水中ポンプ設備 2 台の年点検 1 回と月点検 5 回を実施するものである。 内 訳 工事区分 工 種 点検・整備費 種 別 細 別 規格 単位 数量 単 価 金 額 摘 要 式 1 1,862,876 〃 1 677,546 〃 1 315,240 コラム形水中 ポンプ設備 月点検・整備 補助材料費 回 5 1,719 直接経費 〃 5 4,012 20,060 第 2 号 〃 直接労務費 〃 5 57,317 286,585 第 3 号 〃 年点検・整備 式 1 362,306 補助材料費 〃 1 直接経費 〃 1 81,473 第 5 号 〃 直接労務費 〃 1 273,345 第 6 号 〃 共通仮設費 〃 1 163,330 〃 1 142,000 第 1 号内訳書 〃 1 派遣費 〃 1 宿泊費 〃 1 0 (必要に応じて計上する) 共通仮設費 (率分) 共通仮設費 (積上げ分) 8,595 第 1 号単価表 7,488 第 4 号単価表 21,330 21,330 第 2 号内訳書 運搬費 〃 1 0( 〃 ) 安全費 〃 1 0( 〃 ) 技術管理費 〃 1 0( 〃 ) 〃 1 (純点検・整備費) 819,546 コラム形水中ポンプ設備 +共通仮設費−派遣費 (つづく) 615 ( 3 ・③・ ) 31 ─ ─ 第 3 編 機械設備点検・整備積算基準の解説および積算例 (つづき) 工事区分 工 種 種 別 細 別 規格 単位 数量 単 価 金 額 摘 要 現場管理費 式 1 165,000 第 3 号内訳書 点検整備間接費 〃 1 857,000 第 4 号 〃 点検・整備原価 〃 1 一般管理費等 〃 1 点検・整備価格 〃 1 消費税等 相当額 〃 1 点検・整備費 〃 1 616 ( 3 ・③・ ) 32 ─ ─ 1,862,876 324,124 第 5 号内訳書 2,187,000 174,960 点検・整備価格×0.08 2,361,960
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