CSR REP RT 2014

CSR
REP RT
2014
ジーシーグループ CSR 報告書 2014
1
ジーシーグループのステークホルダー
コアステークホルダーとのCSRコミュニケーション
ユーザー(歯科医師、歯科技工士、歯科衛生士、生活者)
●「GC
お客様
お客様
友の会」(講演会、セミナー、情報提供)
GC Corporate Center(講演会、セミナー、行動型展示)
● モニター
●
ディーラー
デンタルカレッジ(講習会)
コンサルティング・セールス・アカデミー(勉強会)
● 特約店技術講習会
● 物流研究会
●
●
なかま
お取引先
お取引先
ジーシーグループ
なかま(社員)
編集方針
ジーシーグループでは、これまで株
式会社ジーシーとして毎年CSR報
告 書 を 発 行 してきました。2011
年度版からはその報告対象範囲を
広げ、ジーシーグループ 全体の取り
組み内容を記載しています。
また、ジーシーグループのCSRへの
取り組み姿勢をわかりやすくお伝
えするため、
「超高齢社会への対応」
と「Green Dentistry」を特集と
して取りあげました。さらに、「経
営理念」に環境活動を加えた 4つの
カテゴリーを軸に展開し、より読み
やすい報告書をめざしています。
地域社会
地域社会
株主
サプライヤー
QA パートナー活動
グリーン調達
● サプライヤー評価制度
●
●
My Vision、My Mission
各種研修
● 社員満足度調査
●
●
大学、研究機関(共同研究、情報交換など)
工場見学会
● 各種展示会
● 地域のボランティア活動、イベントへの参加
● NGO や市民団体の活動支援
● 学校、企業でのブラッシング教室
●
●
[ 報告対象組織 ] [ 報告対象期間 ] 株式会社ジーシーの本社および国内
本報告書は、2014 年 9 月期(2013 年
外の営業拠点、工場、配送センター、下
10 月 1 日から 2014 年 9 月 30 日まで
記の関連会社における活動内容を記
の事業年度)の活動内容を記載してい
載しています。なお、39 ページ以降の
ますが、一部内容については同期前後
「 環境負荷の低減 」のグラフについて
の活動を含んでいます。
は、海外、関連会社のデータを含みま
せん。
報告対象範囲の主な関連会社
株式会社ジーシーデンタルプロダクツ
大成歯科工業株式会社
株式会社デンタルダイヤモンド社
株式会社日本歯科商社
[ 参考にしたガイドライン ] 本報告書は、主に環境省の「環境報告
ガイドライン(2007 年版)」とGRIの
「サステナビリティ・リポーティング・
ガイドライン 2006 」、および日本規
格協会発行の「 日本語訳 ISO26000
社会的責任に関する手引( 第一版 )」
を参考とし、記載しています。
ジーシーグループ CSR 報告書 2014
目次
ジーシーグループのステークホルダー・編集方針
1
目次
2
トップメッセージ
3
ジーシーの概要
6
CSRマネジメント
10
東日本大震災への対応
11
特集 :1
特集 :2
超高齢社会への対応 ...................12
Green Dentistry .......................14
ニュースフラッシュ ...............................16
安全・安心な製品・サービスや情報の提供
ユーザーの声を活かした製品開発
19
ジーシーの品質管理・品質保証
21
ユーザーへのサポート
23
ディーラーの皆様とともに
25
サプライヤーの皆様とともに
26
生活者への啓発活動
27
働きがいのある職場づくり
多様な人財の活用と育成
29
働きやすい職場づくり
31
地域社会との共生
国内における地域貢献活動
33
海外における地域貢献活動
35
環境負荷の低減
環境マネジメント
37
地球温暖化防止への取り組み
39
廃棄物の削減とリサイクル 40
環境に配慮した製品の開発
41
グループの環境活動
43
2
3
トップメッセージ
ジーシーは21世紀を「健康世紀」
と位置づけ、
世界中の人々の生きる力を支え続けていく、
世界NO.1の歯科医療総合メーカーをめざします。
口や歯の健康にかかわる歯科医療は、人々のQOL
(Quality Of
Life)
の向上に直結するもので、
「生きる力を支える医療」
として一
層の役割を果たすことが求められています。ジーシーは、世界的
な高齢化・健康志向などの世の中の変化に対応し、
「健康長寿社
会」
づくりを通した
「健康世紀」
の実現に貢献してゆく所存です。
東京・本社:GC Corporate Centerは、創業90周年を機に最
新の歯科医療情報の発信拠点であるとともに、歯科医療に従事
される皆様方とのコミュニケーションの場として2011年に完成
しました。学術セミナー、学習プログラムなど、様々なイベント
を企画・運営し、おかげさまで2014年10月にはオープン以来、
約9万人のお客様をお迎えすることができました。これからも口
腔医療を支える最新の製品、技術をはじめ、さまざまな情報を発
信してまいります。また、ジーシーがプロデュースしております
食支援施設
『Kamulier
(カムリエ)
』がこの度、
「2014年度グッド
取締役会長 中尾眞 代表取締役社長 中尾潔貴
デザイン賞」
ならびに
「空間デザイン賞 2014 企画・研究特別賞」
を受賞しました。それぞれ、カムリエの
「公共向けの活動・取り
組み」
や
「空間におけるコミュニケーションデザインの創造性」
が評価されたものです。食業界と歯科医療業界をつなぐカムリエは、
企業が持続して社会貢献・支援活動が行える循環型の新しい社会創出活動をめざします。
また、ジーシーのスペースコンセプトである
“コミュニケーションループ”
の原点である開発拠点
「GC R&D Center」
、ジーシー
グループの製造拠点として海外
(ベルギー、米国、中国)
に展開するマザー工場機能を発揮する
「富士小山工場」
。これ等国内の三
大基本機能の有機的な結合を促進するとともに、グローバル市場には地域・地域の特性に合わせた活動を強化する意味で、
“マル
チナショナル”
化を推進すべく、スイスに欧州、米国、アジアの統括拠点として、GC International AGを新設しております。
今後これ等の拠点で活動する世界の
“なかま
(社員)
”
は、
「GQM2021」
の実践により、来るべき100周年をターゲットとする
「Vision2021」
の実現に向け、思いを一つにし、健康と笑顔を世界の人々へお届けする企業として努力してまいります。
創業より90余年間に亘り、ジーシーを支えていただきました皆様に心から感謝を申し上げ、これからの
「可能性に満ちた歯科界
づくり」
へ向け、皆様と一緒に取り組んでいきたいと思います。
VISION 2021
健康長寿社会に貢献する世界一の歯科企業への挑戦
4
トップメッセージ
ジーシーのCSRの原点
■ 失敗から始まったジーシーの歴史
1921年、東京帝国大学(現在の東京大学)工学科応用化学科
の失敗。この経験から、
「お客様の身になって製品をつくる
を卒業した 3人の青年たちが集まり、東京・池袋にわずか 15
ことの大切さ」
「品質へのこだわり」を学び、3年後、輸入品に
坪の小さな研究所をつくりました。歯科材料を輸入品に頼っ
劣らない品質の「クリスタリンセメント」を完成させたのです。
ていたこの時代、3人は新事業に大きな展望を抱き、研究所
後に、創業者の一人である中尾清は第 1号製品の失敗をもと
の名前をヂーシー化学研究所(GC:General Chemical)
に、観音経にある相手の立場に立ってすべてを行うという意
としました。
味の「施無畏(せむい)」の教えをジーシーの社是としました。
翌年、第 1 号製品「スタンダードセメント」を発表するもの
真の製品とは自己を空しうして
相手の身になってつくったもの
いわば相依る存在である 中尾 清
本社玄関の「施無畏」の額
3 人の創業者 左から 中尾 清 / 圓城 芳之助 / 水野 徳右衛門
■ 創業の学びを受け継ぐ記念の日
■ CSRの原点は創業のこころざし
創業者たちは、同じ失敗を繰り返すことなく学んだことを受
ジーシーグループにとってCSRとは、創業以来変わることな
け継ぐため、第 1 号製品発売日の 2 月 11 日を創業記念日と
く受け継がれてきた、創業者のこころざしです。製品、社員、
定めました。創業者たちの製品づくりへの思いは、こうして
そして社会への思いを頑ななまでに引き継ぎ、製品を通じて
脈々と受け継がれ、
ジーシー発展の原動力になっています。
社会に貢献するため、
全社をあげて取り組んでいます。
さらに、ジーシーでは社是である「施無畏」の教えをもとに、社
s Quality Control )
1981年に独自の全社的品質管理GQC
(GC’
員にあっては個我を離れてお互いに敬愛する「なかま」の集
s Quality Management)活動へ
を導入し、その後GQM(GC’
団として行動し、またお客様の立場に立ち、お客様から見た
と発展。品質追求のこだわりは、すべての部署すべての社員
価値の実現を第一に考えた真の製品づくりを実践し続けて
に根付き、かけがえのない財産となっています。
います。
ジーシーグル ープは今後も品質にこだわり、21世紀を「健康
世紀」とすべく、歯科医療
分野を通して社会に貢献
してまいります。
第 1号製品「スタンダードセメント」
ヂーシーの学会展示
ジーシーグループ CSR 報告書 2014
ジーシー チャレンジの軌跡
■ 1951年(昭和 26 年)
■ 1956 年(昭和 31 年)
■ 1971 年(昭和 46 年)
世界品質に向けた第一歩
歯科医療を支える会員組織の誕生
グローバル展開の先駆け
米国歯科使節団一行 5名が来日。パッ
情報サービスの会員組織の草分けと
ジーシーインターナショナル設立を機
フェンバーガー博士の教示を受け、米
して「而至友の会」が誕生。歯科医療
に、他社に先駆けて本格的な海外進出
国規格にもとづいて製品品質を調整
従事者と歯科材料製造者が唇歯輔車
に乗り出しました。現在では、ヨーロッ
し、ブルーバンドシリーズを発表。 今
の関係を築き、情報を共有して、歯科
パ、アメリカ、アジア各国で活動を展
では世界が認める「 品質のジーシー」
医療を積極的にサポートする画期的
開。 世界 110ヵ国以上に製品を提供
の、世界品質に向けた第一歩となりま
なビジネスモデルとなっています。
しています。
した。
米国歯科使節団
初年度「而至友の会」の広告
「GC Global Site」トップ画面
http://www.gc-dental.com/
■ 1981年(昭和 56 年)
■ 1999 年(平成 11 年)
安全と安心をお届けする仕組みの確立
デミング賞への挑戦
創業 60 周年、中尾敏男社長が社是を体
1994年のISO9001認証取得、
1995
2011年 6 月まで弊社社長中尾眞が
現した経営理念「社会貢献、品質第一、な
年のGQCからGQMへの発展、
1999
理事長を務めた日本歯科商工協会
かま集団」
を掲げ、独自の品質管理システ
年のGQM強化宣言により企業体質
は、日本歯科医師会、日本歯科医学会
ムGQCの導入を宣言。 世界トップレベ
の再強化がなされました。2000年に
のご協力により歯科界としては初め
ルの品質経営に向けた仕組みの追求は、
デミング賞に挑み、11月に認証を獲
てのビジョンをまとめ上げ政府に提
なかま一人ひとりに品質への意識を根付
得。2004 年には日本の品質管理の
言しました。現政権の「新成長戦略」
最高峰「日本品質管理賞」
を受賞して
にも織り込まれています。
かせています。
(関連情報:21ページ参照)
います。
(関連情報:22ページ参照)
中尾敏夫社長による
「GQC宣言」
デミング賞の賞状
■ 2007 年(平成 19 年)
「歯科医療機器産業ビジョン」提言
5
6
ジーシーの概要
ジーシーグループの事業概要
ジーシーの優れた技術から生まれる歯科医療用製品は、日本はもちろん世界中の歯科医師、技工士、衛生士
の皆様を通じ、
多くの市民の健康に貢献しています。
そして今、ジーシーは世界的な歯科医療総合メーカーとして 5つの事業領域を総合し、
「地球市民の口腔保健
の向上」
を実現すべく新しい価値を創造していきます。
5 つの事業領域
地球市民の口腔保健の向上
多様な市場ニーズに対応し、グ
「サービスと情報」というもう一
ローバル・スタンダードの品質
つの品質にもこだわり、皆様に
と信頼を世界の人々にお届けす
サービスの新しい価値をお届け
るため、ジーシーではネットワー
します。
サービスと
情報提供
クを強化しています。
世界最高水準の品質を維持し、フ
レキシビリティー、
スピード、
コス
ネットワーク
トを追求した世界最適地生産お
研究開発
よび品質管理システムを確立し
製造技術・品質
ます。
世界の“ なかま ”
潜在的なニーズを捉えることに
より、まだ市場にない創造性豊か
ジーシーでは社員を“ なかま ”と
呼びます。
“ なかま”
な製品や技術、独創的な価値を
明るく活力にあふれた“ なかま ”
次々に生み出していきます。
の力が企業の源です。
会社概要
株式会社ジーシー
従業員数
955名(連結 2,646名)
代 表 者
代表取締役社長 中尾 潔貴
本
〒 113-0033 東京都文京区本郷 3-2-14
設
1921 年 2 月 11 日
事業目的
歯科材料および関連機械・器具の製造販売
8億 8 千万円
製
歯科材料および関連機械・器具 17,625品目
連結経常利益(億円)
’
10
’
11
’
12
’
13
’
14(年度)
0
’
09
’
10
48
40
’
09
’
10
’
11
2,646
’
09
2,549
107
2,000
72
80
47
400
0
3,000
59
779
751
731
691
800
948
120
879
1,200
グループ社員数(名)
2,470
連結売上高(億円)
品
2,387
資 本 金
2,368
立
社
2,346
名
63
社
’
11
’
12
1,000
’
13
’
14 (年度)
0
’
12
’
13
’
14(年度)
ジーシーグループ CSR 報告書 2014
関連会社
[ 国内 10社 ]
株式会社ジーシーデンタルプロダクツ .............................................................................................
(歯科材料および関連器具の製造販売)
株式会社ジーシーアサヒ ...........................................................................................
(歯科材料およびプラスチック射出成形品の製造販売)
株式会社ジーシーデータランド ........................................................................................................................
(歯科業界用システム開発)
株式会社ジーシーアイコミュニケーションズ .............................................................................
(歯科診療用ソフトウェアの販売および保守)
大成歯科工業株式会社 ................................................................................................................................................
(歯科材料の製造)
株式会社 日本歯科商社 .........................................................................................................
(歯科材料の輸入および卸・販売)
新見化学工業株式会社 .................................................................................................................
(歯科材料および関連機械・器具の製造)
株式会社デンタルダイヤモンド社 ................................................................................................................
(歯科に関する出版物の刊行)
株式会社ジーシーインターナショナル ...............................................................
(医療用具、医薬品および医薬部外品の輸出入ならびに売買)
(医療器具、
歯科材料、
医療用器材、
医薬品、
医薬部外品、
毒劇物、
化学工業薬品の販売および歯科技工の業務)
株式会社ジーシーオルソリー ..............
[ 海外 27社(一部掲載)]
GC International AG ......................................................................................................... (歯科材料および関連機械・器具の販売)
GC AMERICA INC. .........................................................................................................
(歯科材料および関連機械・器具の製造販売)
GC EUROPE N.V. ...........................................................................................................
(歯科材料および関連機械・器具の製造販売)
GC GERMANY GmbH. .........................................................................................................
(歯科材料および関連機械・器具の販売)
GC ITALIA s.r.l ......................................................................................................................
(歯科材料および関連機械・器具の販売)
GC UNITED KINGDOM LTD. ..............................................................................................
(歯科材料および関連機械・器具の販売)
GC KOREA CO. LTD. ............................................................................................................
(歯科材料および関連機械・器具の販売)
GC TAIWAN CORP. .............................................................................................................
(歯科材料および関連機械・器具の販売)
GC ASIA DENTAL PTE LTD. .................................................................................................
(歯科材料および関連機械・器具の販売)
而至歯科(蘇州)有限公司 GC DENTAL(Suzhou)CO. LTD. ...........................................
(歯科材料および関連機械・器具の製造販売)
GC SOUTH AMERICA ............................................................................................................(歯科材料および関連機械・器具の販売)
GC ORTHODONTICS ............................................................................................................(歯科材料および関連機械・器具の販売)
KLEMA ..............................................................................................................................(歯科材料および関連機械・器具の製造販売)
CREATION .............................................................................................................................(歯科材料および関連機械・器具の販売)
7
8
ジーシーの概要
ジーシーグループ3拠点体制
ジーシーは創業90 周年を迎えた2011年、
東京・本郷に
「GC Corporate Center」
を新設して、
情報発信の拠点、
歯科医療に関わる皆様とのコミュニケーションの場として活用しています。
そして研究開発機能を担う東京・板橋の
「GC R&D センター」、
ジーシーグループの世界のマザー工場で富士
山の裾野にある「富士小山工場」と併せて、この 3事業所を事実上の事業の 3大拠点として各々の機能強化
を図っています。
ユーザーと
情報共有
コミュニケーション拠点
サービスと情報提供
GC
Corporate
Center
世界の
“なかま ”
と
情報共有
研究開発拠点
GC R&D
センター
富士小山
工場
研究開発
製造技術・品質
世界の
ジーシー工場と
情報共有
製造拠点
[ GC Corporate Center ]
[ GC R&D センター ]
[ 富士小山工場 ] 2011 年 にお 客
2006 年 にジー
1976 年に 竣 工
様 とジーシーの
シー の本社( 当
し、歯科材料製
コ ミュニ ケー
時)
・研究所とし
品 3 ,361 品 目、
ションの新拠点
て 開 設。2011
歯科機械製品
としてオープン。
年 の 春 、本 社
1,511品目を厳
本社機能、DIC
移転の後、製品
しい品質管理の
( デンタルインフォメーションセンター)
、
東京支店を構えるほか、
「 カスタマー
エンタープライズエンタテインメント」
「価値の共有と癒しの空間」という 2つ
の設計コンセプトをもとにした、国内
外のお客様との情報共有のためのフ
ロア(5〜 8階)を設けています。
歯科材料・機器を、臨床学的な環境で
擬似体験して特性を確認できる「研究
ラボ」などの施設、実際の診療空間を
体験できる「ショールーム」、講演会や
ハンズ オンセミナーなどを開催する
「セミナールーム」などを完備。
(関連情報:19ページ参照)
開発に特化した活動拠点として 2012
もとで生産しています。
年 9月にフルオープンしました。
医療機器GMP
(Good Manufacturing
なかま同士のコミュニケーションを活発
化させるコミュニケーション・ループ ※
の理念にもとづいて設計された建築
となっており、営業を通じて得られた
ユーザーの皆様からの声などをもとに、
研究者同士の創造性が触発され合う
空間の中で、新たな価値創造に向けた
研究・開発に取り組んでいます。
※ コミュニケーション・ループ
研究・開発に従事する人々が、互いの理解を
深めていくこと。
Practice)工場である富士小山工場は、
第四工場で最高レベルのクラスⅢ・ Ⅳ
のGMP認定を取得し、現在インプラン
ト製造の中核としてフル稼働中です。
また独自の工場革新活動「GC Factory
Way」を実行しています。併設の専門
教育訓練機関である「ものづくり大学」
では、高い技能を持った人材を海外の
製造拠点へ送り出しています。
ジーシーグループ CSR 報告書 2014
グローバルネットワーク
弊社は、欧・米・中国の海外生産拠点を含め海外 27 社で運営し、現地化を担う海外生産拠点は国内工
場と同様に品質管理の最高峰:デミング賞などを受賞しています。また昨年、Smart Qualit yシリーズ
の生産を担うインド工場を開設しました。欧・米に開設したミリングセンターでのCAD/CAM関連サー
ビス提供や、トレーニングセンターでの各種研修会開催などユーザー支援活動を展開しています。 海
外市場においては、基となる医療制度・教育制度などにより歯科医療への取り組みも大きく異なり、弊
社はグローバル化という世界統一概念ではなく、各々の地域特性に即した活動「マルチナショナル化」
を進めています。 海外統括本部:GC Internat ional AGを昨年 2 月にスイスに設立し、世界市場向
け新製品開発、マーケティング活動支援など最前線での本格的活動を強化しています。
GC EUROPE
GC International AG
GC EUROPE CAMPUS
[ 地域の特性に応える研究開発 ]
ジーシーは、製品をご利用いただく世界 110ヵ国あまりの地
域で、
それぞれにご満足いただけるよう、
各地でのさまざまな地
域事情やご要望に適応した新製品・技術を生み出しています。
而至歯科(蘇州)有限公司
GC AMERICA
東京本社 スイス本社
海外グループ会社・営業所
生産拠点
海外サービスベース
海外契約販売店
ISO13485 認証を取得し、世界市場においても「品質のジー
シー」として評価をいただいています。
[ 世界へ向けたタイムリーな情報発信 ] 国内外の拠点を合わせて総勢 300 名を超える研究・開発ス
「GC Corporate Center」で国内外のお客様との情報共有
タッフがチームを組み、国内・国外の大学や研究機関と連携
を図るほか、各地域向けのWebサイトを通じて世界中のユー
して、新たな製品・技術の開発に挑んでいます。
ザーへ製品・情報・サービスをお届けしています。
新製品専用ページ、
全製品を掲載したカタログ、製品に関する
[「世界最適地生産」の実現 ]
さまざまな市場ニーズに対処するため、ジーシーでは現地生
重要なお知らせ、開業支援Web、講演会・セミナーなどの学
術情報や企業情報などは、
いつでも閲覧可能となっています。
産体制を構築してきました。
まず市場規模の大きな欧米で「世界最適地生産」を実現。高
まるニーズに応え、2010 年にはアメリカの工場を石膏の世
界供給基地としました。 ヨーロッパにおいても、全ヨーロッ
パ市場向けの石膏・埋没材生産基地の充実を図っています。
中国の工場では、
新たな生産拠点として世界標準に適応した
品質のつくり込みを進めた結果、2010年 10月にデミング賞
を受賞しました。
(関連情報:22ページ参照)
アメリカ・ ヨーロッパ・ 中国の世界 3 大製造拠点すべてが、
GCWeb(海外版の例) 左:GCAmerica 右:GCChina
9
10
C S Rマネジメント
ジーシーグループのCSRの基本的な考え
ジーシーグループのCSRの原点は「施無畏」という創業の精神にあり、相手の立場に立ってすべてを行うとい
うこの教えは、93周年を迎えた現在も社是として受け継がれています。世界中の
「なかま」
が社是のもと思い
を一つにするとともに、一人ひとりが行動規範にもとづいて行動し、事業活動を通じて「健康長寿社会」の
実現に貢献するグループであり続けたいと考えています。
CSRの理念体系
社 是
施無畏
真の製品とは自己を空しうして相手の身になってつくったもの
いわば相依る存在である 中尾 清
1.「口腔保健の向上を通じ、
地域社会に貢献する」
経営理念
2.「企業品質の向上を図り、
お客様の信頼にお応えする」
3.「敬愛に満ち、明るく活力にあふれた
“なかま集団”
を形成する」
企業スローガン
みんなで築こう健康世紀
Vision 2021
健康長寿社会に貢献する世界一の歯科企業への挑戦
1.グローバルビジネス環境に適応する“GCのこころ”を礎とした人財の育成と職場環境の創出
2.パラダイムシフト下におけるCSRの向上(世界の人々のQOL向上への貢献)をめざした
Mission
スピードある質経営の展開
3.健康長寿社会実現をめざすグローバルニーズに合致した創造性豊かな新製品の創出とブランド力の強化
4.絶対品質実現への挑戦と、フレキシビリティー・スピード・コストを追求した
世界最適地での生産・量管理システムの確立
5.世界のお客様の口腔健康向上にお応えする製品・サービス・情報のオンタイムな提供
ジーシー社員は、
施無畏の精神を念頭におき、
常に行動規範に基づいて行動し、
ジーシーの社会的信頼の維持・向上を図ります。
1. 法令の遵守
企業人として、
すべての法令を遵守した活動を行います。
2.社会的責任の遂行
行動規範
口腔保健に携わる企業人としての社会的責任を自覚し、
社会に望まれる企業を目指します。
3.地球環境の保持
地球環境に優しい製品の創出とサービス活動を通じ、
環境保全に貢献します。
4.ステークホルダーへの配慮
お客様、
お取引先、
社員、
株主、
地域社会を中心とするステークホルダーとの共生を図り、
企業品質の向上を目指します。
5.社会とのコミュニケーション
歯科医療に携わる企業人として、
社会とのコミュニケーションに努めます。
ジーシーグループ CSR 報告書 2014
11
東日本大震災への対応
歯科界総力をあげての復興支援活動
ジーシーグループの被害状況と対応
2011年 3月 11日の東日本大震災発生後、歯科界では
ジーシーグループでは東北営業所が被災
し、建物の亀裂や一部には破損した天井
多くの歯科医師の先生方が、被災者のご遺体の身元確
から外の光が見えるような被害がありま
認作業を被災地で担当されました。 また、被災された
した。前面の歩道もうねり、一部が陥没
方々の歯科的な治療、避難所生活をしている方々の口
していました。 その場所での業務継続
腔健康の維持、回復のため、歯科医師、歯科衛生士、歯科
は危険であると判断し、営業の機能を駅
技工士の訪問巡回を行いました。
さらに緊急支援物資として、機材、薬剤、歯ブラシ、口腔
清掃材、義歯洗浄材などを日本歯科医師会に集結させ、
前のテナントビルに移して活動を再開。
被災した多くの歯科医院の復興をお手
伝いするため、
いち早く営業所の機能を復活させました。
トラック 12 台分( 総額 1 億 3,000 万円相当 )を岩手、
宮城、福島の歯科医師会経由で被災地の活動現場に届
「BCP」への取り組み
け、
歯科医療従事者の活動にお役立ていただきました。
自然災害、大火災などの緊急時に、事業資産の損害を最小限にとど
ジーシーの復興支援活動
シーでも防災対応マニュアル(BCP)を再度見直し、業界のトップ
[ 義捐金の寄付 ]
めつつ、中核となる事業を継続あるいは早期復旧させるためには、
事前の計画書策定が非常に重要です。東日本大震災を機に、ジー
メーカーとしての供給責任を果たすべく、事業継続へのリスク回
避に取り組んでいます。
国内外のジーシーグループ企業を含むほぼすべての
「なかま」
からの義捐金を取りまとめ、同業他社からのお問い合わせに
応じて義捐金をお預かりし、日本歯科医師会を通じて被災
自家発電設備の導入
地に寄付しました。特にヨーロッパでは同業他社にも声をか
主力製品の生産拠点である富士小山
けて数社から義捐金を集め、日本歯科医師会からも感謝状
工場では、東日本大震災後、大型の自
をいただきました。また、2011年10月に計画していた「『GC
家発電機を導入しました。 これによ
友の会』55周年国際歯科シンポジウム」は、
“日本の元気・
り停電発生時も、
国内だけでなく世界
東北の復興を願って新しいエネルギーを創出する ”との考
中に歯科用セメントなどを安定供給
えのもと敢行しました。 参加登録費は全額復興支援のため
できるようになりました。また、夏の
に寄付しました。
[ 救援物資などの提供 ]
震災直後にロジスティックパートナーの協力を得て、
マスク・
グローブ・歯ブラシ・卓上コンロ・水などトラック 3台分の
電力需給の逼迫に備えて一日平均 9時間稼動とし、東京電力から
の受電を低く抑えることができました。最大出力は 1,005kWで、
小山工場の総電力の 77%をカバーします。
救援物資を岩手・宮城・福島などの被災県に提供。 さらに、
配送での緊急事態対応
日本歯科商工協会を通じて、被災された県の歯科医師会に
ジーシーでは、当初から緊急事態を想定して、東西に配送センター
製品や義捐金を寄付したほか、板橋では地元住民の皆様と
ともに、被災された方々に歯ブラシなどのジーシー製品をお
届けしています。
また、岩手・宮城県を中心に、ほぼすべての先生方を訪問し
てのお困りごとを伺う活動や、仮診療所建設のお手伝いな
ども行いました。海外では業界に広く呼びかけ「リストア・
ジャパン・キャンペーン」に賛同する企業に雑誌広告などの
協力をしていただきました。
を設けています。2010年 9月の台風や東日本大震災による計画
停電などで、東日本配送センター(静岡県)が出荷不能に陥った際
にも、西日本配送センター( 滋賀県 )
から無事に製品をお届けすることが
できました。
また原発事故による放射能汚染対策
として、出荷前製品の放射線量測定
を行い、
日々安全を確認しています。
12
歯科医療を通じて健康長寿社会に
貢献する、
ジーシーのとりくみ。
世界一の健康長寿大国となった日本。その理由の一つに、医療・歯科医療技術の高さがあげられます。4人に1人が高齢者
となる
「超高齢社会」
の入り口に立ついま、
「生きる力を支える医療=歯科医療」
の役割はますます大きくなっています。歯科医
療を通じて
「健康寿命」
の延伸に貢献する、ジーシーのとりくみをご報告します。
“超高齢社会への対応”
[特集 :1]
「いつまでも、
自分の口で噛み続けること」を
サポートします。
いま日本では、80歳以上で自分の歯を20本以上維持して
いる人が、人口の40%近くに上ります。これは、国がめざした
の活動を推進します。
“いつまでも自分の口で美味しく食べたい”
—口腔ケアは、
“健康日本21”
活動の目玉となった8020運動の成果とも云
身体の健康維持のみならず、生きようとする心を支えるケア
えます。ものを噛み、食べる機能は、全身の健康と密接な関
です。これを応援するため、ジーシーでは保健所などとの連
係にあり、自分の歯が20本以上残っている人、義歯などが
携による患者さんの在宅・訪問診療用のポータブル器材の
あっても自分の口で食べている人は、高齢になっても健康で
開発を推進しています。また、義歯補修セットの開発を進め、
医療費が少ない傾向にあることが明らかになっています。ま
高齢者専用の口腔ケアブラシ
「プラティカ」
シリーズを発売。
た適切な口腔ケアが、誤嚥性肺炎の予防や感染症対策など
ジーシーは、日本発の健康長寿社会のモデルづくりを通して
に効果を上げている高齢者施設も増えています。
「健康寿命」
を伸ばし、世界の健康づくりに貢献します。
一方、先進国を除く国々での口腔の健康状態は充分なも
のではありません。全身の健康につながる口腔ケアについ
て、ジーシーはWHO
(世界保健機関)
やFDI
(国際歯科連盟)
の方針に協力し、特に若年層を中心とした
「予防」
の視点から
左:義歯ブラシ「プラティカ デンチャーブラシ」
右:ディスポーザブル歯ブラシ「プラティカ ディスポーザブル口腔ケアブラシ」
ジーシーグループ CSR 報告書 2014
13
歯科医療品質の向上をうながす、
さまざまなとりくみ。
健康長寿社会に貢献するためには、歯科医療そのものの
昨今、インプラント治療に関わる問題がマスコミで取り上
品質向上が欠かせません。ジーシーは、デミング賞や日本
げられています。一部の問題とはいえ、社会の不信感を一掃し、
品質管理賞を受賞するなど品質経営を進める一方、歯科医
インプラント治療の優れた点を再認識していただくためには、
院で医療機器を適切にご使用いただくための講演会・セミ
歯科医療界全体の活動が求められます。器材の品質向上や、
ナーを開催するなどの歯科医療に従事される皆様のサポー
歯科医療従事者の技術向上、個人情報に配慮しての医療
トを通じて、歯科医療品質向上のための多様なとりくみを続
情報の共有化など、さまざまな課題の解決策をジーシーは
けています。
積極的に追求し、提案していきます。
口腔機能を回復させる、再生医療へのアプローチ。
ジーシーは、口腔機能を回復させる再生医療に、材料・成
長因子・細胞の3つのアプローチからとりくんでいます。いま、
iPS細胞
(人工多能性幹細胞)
やES細胞
(胚性幹細胞)
など、
さまざまな細胞へ分化する万能細胞が注目を集めています。
ジーシーでは、これまで広く研究されてきている幹細胞の一
つである間葉系幹細胞を用いた歯槽骨の再生や、歯周組織
の再生をめざす研究・開発を推進しています。
国内初の吸収性歯周組織再生用材料として開発された
ジーシーメンブレンは広く臨床に利用され、保険にも収載さ
れています。
また、この吸収性材料の技術を応用した足場材料(細胞を
培養する苗床)を研究用器材として開発し、幅広い分野の細
胞治療の研究に利用されています。
めざすのは、安全・安心な社会づくりのお手伝いです。
ジーシーはまた、情報収集~研究開発~製造~販売までの
ジーシーは、販売したすべての医療機器を製造番号で管理
全工程の品質向上を図っています。たとえば歯科医療機器の
し、必要に応じて、いつ・どこに・いくつ販売したかを特定でき
販売に当たっては、製造段階、流通段階、購入後など、それ
るトレーサビリティ・システムをいち早く導入し、製造番号で
ぞれの過程において適切な状態での保管が求められます。
販売先を追跡できる体制を整えています。
ジーシーは、歯科医療の発展を通じて健康長寿社会に貢献するとともに、
「楽しい会話・明るい笑顔・美味しい食事」を実現する、
世代をこえた「安全・安心な社会づくり」のお手伝いをしてまいります。
14
地球とヒトの健康のために、
ジーシーにできること。
Green Dentistry — それは、歯科の業務による地球環境への影響を抑え、患者さんの健康的な生活の維持を支援する、
FDI
(国際歯科連盟)
が提唱する考え方。その実践のためにFDIは4つの指針を提示しています。ジーシーはGreen Dentistry
の考え方を以前から実践し、先端的な技術や製品開発、サービスに活かしてきました。ジーシーがとりくむ、地球とヒトの健康
のための活動をご報告します。
“GreenDentistry”
[特集 :2]
使い捨て保護材類の削減や、水銀を含む歯
科材料、鉛を含むフィルム・定着液を使用
する従来型X線システムからの切り替えなど、
CO2排出量や廃棄物の削減と環境汚染につ
廃棄物と
汚染の削減
ながる物質の削減に努めます。
デジタルX線システムや蒸気滅菌、
CAD/CAMなど、患者さんの健康維
持と地球環境の保全に役立つ先端
技術の開発と導入を進めます。
先端技術の導入
GreenDentistry
水とエネルギー
の削減
の4つの指針
健康的な
ライフスタイル
の支援
ブラッシング時の流しっぱなしの水
や製造工程の見直しなどによる節水
に努めます。節電を推進し、エネル
ギー使用量を削減します。
個人レベルと全世界の健康価値を共
に考える歯科専門家の育成を支援しま
す。地球環境にやさしく、長期的な健
康と美を求めるライフスタイルを支援
します。
廃棄物と
汚染の削減
地球環境を汚さない歯科医療に、
ずっと以前からとりくんでいます。
国連環境計画は、水銀の生産・販売・流通・輸出を原則禁止
減少しています。データの保存・検索やネットワーク化も容易
する
「水銀規制条約」
の2013年成立をめざし活動を行ってい
となるなど、業務効率を向上させ、CO2削減にも結びついて
ます。これに先駆け、ジーシーは、水銀を含むアマルガム充
います。
填材の代替品への切り替えを行ってきました。現在、アマル
ガム代替製品として
「EQUIA
(エクイア)
」
を世界展開しており、
“水銀を使わない生体材料”
を採用する動きが、ジーシーを
起点に広がろうとしています。
また、歯科医療に欠かせないX線画像は、デジタル方式の
導入によりX線フィルム、定着・現像液などの廃棄物が大幅に
製品包装などの減量化・減容化も推進しています。廃棄物
の減量、移動時の軽量
化、ポリ袋簡易包装の
採用など、より踏み込
んだ環境への配慮を実
践します。
”
ジーシーグループ CSR 報告書 2014
水とエネルギー
の削減
独自の指標で、製品の開発段階から
環境負荷削減を組み込んでいます。
地球環境への配慮は、ジーシーの製品開発そのものに組
み込まれています。ジーシーは、1994年に品質マネジメン
品づくりに反映しています。
また、1998年には環境マネジメントシステムのISO14001
トシステムの国際規格ISO9001を取得。その一環として、
を、2004年には医療機器の品質保証のための国際規格
製品開発の全工程を7段階のステップで厳しく評価するデザ
ISO13485の認証を取得しています。ジーシーは、厳格な
インレビュー
(DR)
を導入しています。デザインレビューでは、
基準に基づいてデザインレビューを進化させ、原料調達段
独自の指標である
「エコインデックス
(環境負荷指数)
」
を重
階から製品の寿命が尽きるまで、全工程の環境負荷を低減
要なポイントとして位置付け、地球環境への影響を抑える製
していきます。
先端技術の導入
15
先端技術の導入で、患者さんにも地球にも
やさしい診療を実現します。
政府が進める先進医療として認定されている
「咀嚼効率判
献しています。
定器」
は、歯科医療技術として難しい咀嚼機能の能力判定を
また、歯科医院で使われる滅菌器は、器械内の残留空気
客観的に行うもので、術者をアシストするとともに患者さん
などにより完全な滅菌ができないとの指摘がありました。
の負担も大幅に削減します。また、従来からある金属製口腔
ジーシーでは、数回の真空工程を繰り返し、あらゆる被滅菌
内修復物の代わりに、強度と安全性を有した特殊なファイ
物を滅菌する
「バキュクレーブ31B+」
(右写真)
を2012年に
バーなどの新素材を用いることにより、使用材料削減と
発売。これまで難しかった完璧
CO2削減を実現するシステムを開発しました。この様に、
な滅菌と、EOGなどの廃棄物
ジーシーは先進歯科医療に積極的にとりくんでいます。
ゼロを実現しています。
また先端技術によるとりくみでは、CAD/CAMシステムや
X線システムのデジタル化による効率化と、CO2削減を進め
ています。特にCTの登場は、インプラントなどの最先端治
療において革新的な進歩をもたらすとともに、効率化にも貢
健康的な
ライフスタイル
の支援
健康的なライフスタイルを支援する、
歯科の専門家を育てます。
いくつになっても美味しく食べられる…。そんな健康的な
センター・GC Europe Campusでさまざまなセミナーを開
ライフスタイルを支えるため、ジーシーは歯科専門家の育
催し、すでに7,396名の歯科医療従事者が受講されました。
成を支援しています。
GC友の会は、著名な講師による講演会やセミナーを中
また、歯科医療に貢献する
研究開発のために、国内外の
心に58年間活動しており、発足以来743,537名が受講さ
歯科大学と共同研究を推進。
れました。2012年4月からは、東京・文京区の新本社GC
歯科大学や歯科専門学校では、
Corporate Centerの半分を歯科医療従事者向けのスペー
実習のお手伝いのほか、R&D
スとし、これまでにはない形での専門情報をお届けしています。
Centerや富士小山工場見学
海外においては、2008年に完成したGCヨーロッパの研修
などにより支援しています。
Green Dentistryの指針を実践しながら、将来の歯科医療のモデルケースを提示し、
世界の健康長寿を支援すること。ジーシーの使命は正にここにあります。
News
Flash
ニュースフラッシュ
16
ジーシーグループ CSR活動
2013年10月〜2 014 年 11月
多様なステークホルダーと対話しながら、ジーシーグループ
は社会的責任を果たします。
歯科医療への貢献
2014年1月
GCCC への歯科医療従事者来訪人数が5万人を突破
GC Corporate Centerは2011年3月にオープンし、本年の1月に歯科医療従事者
5万人目のご来館者をお迎えすることができました。5万人目のお客様に弊社社長・中
尾潔貴から、記念品としてドイツ・シュタイフ社製テディベアをお贈りしました。セミナー
参加の皆様など年間約2万名のお客様がご来館されますので、2015年に1月に、7万人
様に達する予定です。
2014年1月
「ポイント解説シート」
「トレーニングDVD」
「クリニカルベーシックセミナー」などによる基本テクニックの支援活動
弊社では製品販売のみならず、歯科医師、歯科衛生士、歯科技工士の皆様方への
様々な支援活動を行っています。中でもGC友の会では積極的に歯科臨床情報を提供
しています。近年では、
これからを担う若い臨床家の皆様向けの講演会やセミナー、
DV
D、冊子などを通じて、基礎的プログラムを提供するなどの支援を強化しています。
2014年4月
「セラスマート」が新規に保険導入
「セラスマート」
は国内4大学病院で実施された、5年にわたる先進医療での臨床評価
の結果が良好であると評価され、2014年4月に
「CAD/CAM冠」
が健康保険に収載さ
れました。
「セラスマート」
は先進医療で評価された
「グラディアブロック」
の技術とGC独
自のナノフィラーテクノロジーを融合したCAD/CAM用ブロックです。
2014年7月
「DENTAPAC KOKORO(デンタパック ココロ)
」発売
経済産業省委託の歯科における臨・学・産連携開発事業として、
2009年より開発を進
めてきた
「訪問歯科診療用器材パッケージ『DENTAPAC KOKORO』」
が、本年7月に
完成・発売となりました。健康寿命延伸に貢献する
「健康な口腔環境」
を実現するため、
施設や自宅を訪れての
「訪問歯科診療」
専用の器材を10社共同で開発したものです。
2014年10月
CAD / CAMシステム「Aadva Mill LW-I」のユーザーミティング開催
2014年4月に弊社
「セラスマート」
がCAD/CAM冠として健康保険適用となりまし
た。ミリングマシーン
「Aadva Mill LW-I」
ご使用のユーザーの皆様にご参加いただき、
GCの取り組みの説明や情報交換の会を開催しました。今後は最新技術であるCAD/
CAM冠普及のため、
ユーザーの皆様との協働活動を継続して実施してまいります。
ジーシーグループ CSR 報告書 2014
歯科医療への貢献
2014年11月
「感染予防ガイドブック」
「感染予防の基本」などによるインフェクションコントロール支援活動
感染予防についてまとめた動画
「おさえておきたい感染予防の基本」
をWeb配信し
ました。また、GC Corporate Centerでは、
ステリライゼーションルームでの器材見学
や体験を通じて使用上の注意点を確認いただくセミナー
「整理してスッキリ!器材の洗
浄・消毒・滅菌」
を開催しました。今後も院内感染対策に関する情報発信をさらに充実し
てまいります。
ユーザーの声を活かした製品づくり
2013年10月
GC International AG(GCIAG)が本格稼働
昨年4月に9名でスタートしたスイスの海外統括本部
(東アジアを除く)
GCIAGは、
10月には16名に増員し、様々な国々の様々なユーザーに対応する
「マルチナショナル
化」
を進めるべく、海外拠点への様々なサポート活動を本格化しました。
GC本社の現会
長・中尾眞が自らスイスに赴任して、各拠点へのGQM
(GCのTQM)
の展開、
「ジーシー
のこころ」
の浸透を進めています。
2013年10月
インド工場でスマートクォリティ製品 「FLEXCEED」の製造開始
インド工場
(GC INDIA)
においては、
シリコーン印象材の新ラインナップ
「FLEXCE
ED」
を2013年11月より製造・販売開始し、弊社のスマートクォリティ製品製造工場の先
がけとして稼働しています。また、2014年6月には国際規格であるI
SO9001及びI
SO1
3485を取得し、世界各地への安定供給が可能となる環境整備も整いました。
2014年10月
「企業の品質経営度調査」で2位獲得
日本科学技術連盟と日本経済新聞社による
「品質経営度調査」
で弊社は過去最高の
2位の評価をいただきました。マザー工場・富士小山工場における
「ものづくり大学」
の
活動とその海外展開、弊社会長・中尾眞、社長・中尾潔貴と継続されている現場を訪れ
ての
「社長診断」
、その後の
「課題を解決するまで続ける社長と現場のコミュニケーショ
ン」
が品質を支える源泉であると評価いただきました。
2014年10月
ワールドデンタルショーでGCブースは注目ブースに
「第7回日本国際歯科大会・併催 第7回ワールドデンタルショー2014」
が10月10日
~12日に開催され、GCブースは世界的建築家、隈研吾氏の設計により、弊社の先進技
術と医療という身体的な部分を
「アルミの森」
で表現していただきました。展示コーナー
では先進技術
「Aadva Lab Scan」
をはじめ、先進医療機器・器材を中心に展示し、
ブー
スデザインとのコラボレーションによる独創的なブースで多数のお客様にお立ち寄り
いただきました。
17
18
品質管理・品質保証
2013年10月
中尾会長が I A Q(International Academy for Quality:国際品質アカデミー)会員に
世界の品質経営のAcademician・100名で構成されるIAQ
(International
Academy for Quality:国際品質アカデミー)
の会員に、弊社会長・中尾眞が昨年認証
されました。また同時期開催のANQ
(Asia Network for Quality)
で、中尾眞が基調
講演として報告しましたGCのTQM:
「たゆまぬ質経営の推進による健康長寿社会の実
現」
が
「最優秀講演論文賞」
を受賞しました。
2014年2月
「QCサークル活動優良企業」として表彰
弊社は1981年の
「GQC宣言
(GCのTQC)
」
以来、
より積極的な品質経営
(TQM)
を
推進してきました。このたび過去10年間において積極的な品質管理改善活動を行った
企業として、弊社と日産自動車横浜工場の2社が、
QCサークル関東支部・日本科学技術
連盟より表彰されました。今後も製品の質・仕事の質を高める改善活動を推進いたしま
す。
2014年6月
中尾眞会長が第 98 回品質管理シンポジウムで主担当組織委員を務めました
「品質管理シンポジウム」
は、日本の品質管理の重要なイベントとして50年にわたっ
て行われ、
その発展に大きく寄与してきました。日本を代表する企業・大学関係者が合宿
して討議し、そのまとめの報告は日本の品質管理の指針となっています。今回は
「グ
ローバル時代におけるダイバーシティを取り込んだ品質経営の実践」
をテーマに、弊社
会長・中尾眞が運営企画を担う主担当組織委員を務めてました。
2014年10月
弊社アメリカ拠点・GCAが「デミング賞」受賞
実践的な品質向上活動に取り組み、成果を挙げた企業に贈られる賞であるデミング
賞をGCAが受賞しました。精力的に総合的品質管理
(TQM)
を実施し、売上高増大、製
造製品数増大、顧客・ディーラー・従業員満足度向上など顕著な成果を挙げたことをご
評価いただきました。GCグループではGC本社、
GCデンタルプロダクツ、GC蘇州に続
き4社目の受賞となりました。
2014年10月
中尾会長が I C Q(International Conference on Quality:品質国際会議)のパネリストに
欧米および日本の品質管理に関わる公式団体による、持ち回り開催の国際会議
「IC
Q’
14」
が9年ぶりに東京で開催され、日本および海外から各500名参加しての盛大な
大会となりました。メインイベントの一つ
「トップマネジメントによるパネル討論会」
では、
弊社会長・中尾眞がパネリストとしてGCのTQMをご紹介するとともに、
“イノベーショ
ンにおけるTQMの役割”
などの意見を交わしております。
ジーシーグループ CSR 報告書 2014
生活者への啓発活動
2014年3月
「小学生 歯科わくわく体験デー」
毎年夏休みに開催している
「小学生 歯科わくわく体験デー」
は今年で4回目となり
ました。地元文京区の小学生と保護者の皆さんに
「歯科医師」
の仕事を体験いただき、
歯と口の大切さや歯科医療の社会的な役割について関心を深めていただくことを目的
に、
継続的に実施しています。
2014年9月
「カムリエ」1 周年記念講演会
昨 年 9 月オープンの K a m u l i e (
r カムリエ)が 1 周 年を迎え、9 月1 4日(日)G C
Corporate Centerにて、
「Kamulier
(カムリエ)
1周年記念講演会 地域における食支
援を推進するために」
を開催しました。日本歯科大学教授・口腔リハビリテーション多摩
クリニック院長の菊谷武先生、日本介護支援専門員協会会長の鷲見よしみ先生にご講
演いただきました。歯科医師、歯科衛生士、
ケアマネージャー、管理栄養士の方など様々
な業種の皆様にご参加いただきました。
2014年10月
『カムリエ』が「空間デザイン賞 2014」と「2014 年度グッドデザイン賞」を受賞
日本空間デザイン協会が主催する、本年で48年を迎える世界最大規模の空間環境
系のデザイン賞
「空間デザイン賞 2014」
の
「企画・研究特別賞」
を受賞しました。また、
財団法人日本産業デザイン振興会の
「公共向けの活動・取り組み、社会貢献活動」
にお
いて、
「対象者を
『患者』
としてケアするだけではなく、健常な家族と一緒に生活しやすく
するケアを提案している」
ことを評価いただき
「2014年度グッドデザイン賞」
を受賞しま
した。
働きがいのある職場づくり
2013年11月
アビリンピックで弊社・古川氏が歯科技工で銀メダル獲得
ジーシー CAD/CAM加工センターにおいて最新の技工を担当している古川氏が障
害者の就業、自立等を目的とした全国障害者技能競技大会
(アビリンピック)
の歯科技
工部門において銀賞を受賞しました。2009年の同大会銅賞に続き2度目受賞です。母
校では講演も行い、障害を持ちながら歯科技工士を目指す後輩の皆さんの大きな希望
となっています。
2014年2月
GC R&D Centerが「緑のカーテンコンテスト団体部門賞」受賞
GC R&D Centerは、快適で機能的なオフィスを表彰する賞である
「日経ニューオ
フィス賞」
を受賞しました。また夏場の省エネの一環として、お客様へのおもてなしの一
つとして、癒しの空間でお迎えするための緑のカーテン
(ゴーヤ・ヘチマ)
の育成に取り
組みました。この育成の過程と完成した緑のカーテンが、板橋区主催の
「緑のカーテン
コンテスト」
で団体部門賞を受賞しました。
19
20
安全・安心な製品・サービスや情報の提供
ユーザーの声を活かした製品開発
ジーシーは、世界各地で異なるご要望に合わせ、
それぞれの製品開発を推進しています。
各地での大学や研究機関との協働や、まだ顕在化していないニーズまでを探求することで、
獲得した成果や知り得た情報を世界中のジーシーで共有し、
製品開発に活かしています。
そして、まだ市場にない創造性豊かな製品や技術、
独創的な価値を次々に生み出していきます。
お客様の声に対する姿勢
ユーザーの声を活かす仕組み
ジーシーでは新製品開発や製品改良において、お客様の
ジーシーでは、お客様に使いやすい製品や製品情報を提
ご意見、ご要望を活かすため、以下のように取り組んで
供するため、モニター結果を活かした製品開発やリアル
います。
な情報展開に努めています。
よいご意見が大多数の場合でも、少数のネガティ
●
ブなご意見に耳を傾けて製品化に取り組むことに
より、
満足度の高い製品開発をめざします。
[ モニターの実施 ]
新製品開発段階において臨床使用ができる適切な時期
に、臨床家の先生方に開発中の新製品をお試しいただ
き、その使用感、操作性、物性、色調調和性など種々の設
お客様への操作性、諸物性、審美性などを向上させ
計した品質の完成度を確認しています。そして、
モニター
た高い品質の製品を適正な価格で販売できるよ
結果より、さらに操作性などを向上させて新製品として
う、また正しくお使いいただけるように情報展開に
開発し、
お届けしています。
●
努めます。
[ 情報展開 ]
現状に満足せず、常にお客様に喜んでいただけるよ
モニターを含む、臨床家のご意見やご臨床での写真など
うに、お客様の声を聴き取れる社員の教育、スキル
を活用して、製品パンフレットやリーフレット、
「GC友
アップを推進していきます。
の会」会員向け季刊誌であるジーシーサークルなどにも、
●
使いやすさや臨床での利点などを紹介しています。
ジーシーの新拠点「GC Corporate Center」
2011年 3 月、東京・本郷に
「GC Corporate Center」
お客様フロア利用者間のコミュニケーション・ループの形成
コミュニケーションの循環系「コミュニケーション・ループ」
を形成
情報の共有や意思の疎通を促す
を開設しました。
「医療従事者」
「流通の皆様」
「社会(団
医療従事者
体)
」
そして
「ジーシー社員」が、館内の設備や製品を通じ
歯科医師(開業医、病院勤務医)
医師(開業医、病院勤務医)
歯科研究者、歯科衛生士
歯科技工士、看護師
歯科大学生、専門学校生
て情報の共有や意思の疎通を図り、新しい価値の創造
を生み出す「コミュニケーション・ループ」の場とするこ
とを目的とし、
お客様フロアとなっている 5〜 8階には、
多くのお客様にご来館いただいています。
ジーシーでは、
「GC Corporate Center」をご利用い
ただくことで生まれる活発なコミュニケーションを、世界
中の人々の口腔健康の向上および歯科医療業界のさら
なる発展へとつなげるべく、
これからも活動していきます。
流通の皆様
ジーシー社員
研究者、商品開発者
DR(歯科医療情報担当者)
営業担当者、特約店担当者
社会
(団体)
歯科医師会、学会、行政、市民
医療従事者と歯科医療器材、
サービス・流通の研究、
商品開発、
マーケティング部門関係者との情報交換
ジーシーグループ CSR 報告書 2014
製品開発ストーリー(製品事例)
デンタルフロス「ルシェロ フロス/フロッサー」
ジーシーでは新しい市場となる
“フロス”
の製品開発において、歯科医
師、歯科衛生士にモニターとしてご協力いただき、予防製品としてシ
リーズ展開するルシェロシリーズに「ルシェロ フロス」を追加しまし
た。歯科医院用の大容量タイプの要望に応え、200m包装も販売し
ています。また、
患者様への説明・教育が難しいフロスの使い方をリー
フレットや動画で情報展開し、
お客様から高い評価をいただきました。
さらに、ハンドフロスでのケアが困難な患者様向けにホルダー付き
フロスの要望を受け、歯ブラシ感覚で使える「ルシェロ フロッサー」
を開発、
追加発売し、
ご好評いただいています。
歯科用ユニット「イオム レガロ」
EOM (人間工学にもとづいた有機的なデザインで多様化する診療形態に
的確に対応する) のDNAを継承し、多様化する現代の要求に対応した新
ユニット「EOM Regalo(イオム レガロ)」
を開発しました。
EOM Regaloは、デザイン性はもちろんのこと、曲面を滑らかにつなぐこ
とで清掃性を向上させたり、手を使わずに術中のチェア操作を可能にした
りなど、
衛生面を特に考慮しました。また、
センサーテクノロジーを多用し、
患者様や術者の安全性の向上を図り、
さらに、
LEDオペレーティングライト
を搭載可能とするなど、環境面にも配慮しています。また、開発においては、
歯科医師や歯科衛生士さんのご意見を伺うことで顧客ニーズを収集し、操
作性、
機能性とのバランスもとりました。
インプラント
インプラント治療は、骨にチタン製スクリューを埋入しそれを土台にして人工の歯をつく
りあげるものです。何十年にもわたって骨の中に存在し続ける製品であるため、特に安全
で堅実性の高い製品づくりを行っています。
「 手術 」に必要となる器具もユーザーの使い
やすさを第一に開発しています。また昨今注目されている、CAD/CAM技術とインプラ
ント治療の連携についても開発に取り組んでいます。
VOICE
「MIフィル」は、「削らない診療」に不可欠なパートナー。
当医院では、健全歯質を極力残す
「削らない診療」
が最も患者利益になるという信念のもと、MI診
療を行っています。ジーシーのコンポジットレジンは「ユニフィルシリーズ」以来ずっと使用して
おり、今や
「MIフィル」
「Gボンドプラス」
は日々の診療に欠かせない存在です。
「MIフィル」
は、か
洞にダイレクトに填入でき、そのまま臼歯の隆線や裂溝が付与できるという抜群の操作性を持っ
た材料です。ボンディング~充填~研磨が短時間でスムーズ、審美的にも優れ、治療後患者さん
長野県松本市
に見てもらうと、
治療した場所がわからず驚かれることも少なくありません。今後はより多くのケー
小出歯科医院
スでマイクロを使用して、さらなる削らない診療をめざしていきたいと考えています。
小出 哲先生
21
22
安全・安心な製品・サービスや情報の提供
ジーシーの品質管理・品質保証
ジーシーの製品は、歯科医療を通じて世界の人々の歯の健康に貢献し続けなければなりません。
よりよい製品を提供することは私たちの使命であり、安全であることはもちろん、
目的に沿った効果を発揮する品質づくりを実現できるよう、
なかまの一人ひとりが努めています。
GQMの 7 つの特徴
(1 )
GQMを経営管理手法の核としたVision経営の推進
(2 )
「世界最適地」指向を基本としたグローバル戦略の推進
(3 )
「世界No.1製品」
づくりと、新規分野への進出を実現する製品戦略
(4 )
お客様ニーズを満たした“質”をつくり込む生産力の実現
(5 )
「創る人・売る人・使う人」
の役割分担を徹底した営業戦略の展開
(6 )
ITを活用したデジタル経営による業務の質向上
(7 )
「ひと」
こそが企業の力の源泉とする「なかま」
の会社
GQMにもとづく品質向上への取り組み 右上:社長診断(GC America) 右下:K I 活動発表大会(2011 年 6 月)
GQM : GC’
s Quality Management
ジーシーは 1981年、創業時からの普遍的社是「施無畏」
社長は半年に一回、約1ヵ月をかけて各部署をまわり、方
を体現した経営理念「社会貢献、品質第一、なかま集団」
針や目標の実施状況や社員の意見や要望を聞き「 診断
を掲げて独自の全社的品質管理GQC(GC’
s Quality
書」
にまとめ、
PDCAを回しながら取り組みのレベルアッ
Control)の導入を宣言しました。1995年にはGQCを
プを図っています。2014 年度は 73 回実施しました。
GQM(GC’
s Quality Management)活動に発展さ
せて、
「お客様満足の向上、社員満足の向上、仕事の質の
向上」
の3つの柱を経営管理手法の中核に据えました。
2000 年からは、GQMの特徴として上記 7項目を定め、
企業品質向上に向けた取り組みを推進しています。
[ 社長診断 ]
会社の方針が各部内でどのように理解され展開されて
いるか、
どの程度実施され末端まで浸透しているのかを、
社長が各部の現場に出向いて自身の眼で確かめようと
いう目的で行ってきました。現在は、結果管理だけでな
く、社員と経営陣が課題を見つけ合い、互いに解決に向
けて活動するためのプロセス指向の場となっています。
[ K I活動 ]
「仕事の質の向上」の実現に向け、KI(改善・イノベーショ
ン)活動を推進しています。各部門でテーマを設定し、毎
年 6 月と 11 月に開催するKI活動発表大会で相互に啓
発することで、
全社的な質の向上を図っています。
[ CFT活動 ]
経営上の緊急かつ重要な課題については、CFT(Cross
Function Team)活動として、部門を横断して多様な
経験とスキルをもったメンバーを集めてチーム編成し、
トップダウンで全社的な課題解決に向け、集中的に取り
組んでいます。
ジーシーグループ CSR 報告書 2014
安全と安心をお届けする品質保証システム
ジーシーでは、製品の開発段階から販売・サービス、最終
の使用段階に至るまで、一貫して品質保証活動を行う
品質マネジメントシステムを確立しています。 品質保
証体系の中では、各プロセスの役割、インプット・アウ
外部評価・表彰
GCアメリカ デミング賞受賞
2000年のGC本社、2003年のGCデンタルプロダク
ツ、2010年のGC蘇州に続きGCアメリカがグループ
として 4社目となるデミング賞*を受賞しました。
トプットがきめ細かく定められています。
1990年から始まったアメリカでの生産では、マザー工
ジーシーは、
品質マネジメントシステムの国際規格「ISO
場である富士小山工場の「ものづくり大学」で習得され
9001」を 1994年に業界他社に先駆け取得。2004年に
は、
医療機器に対応した「ISO13485」も取得しています。
特に
「ISO13485」
は国内外の製造拠点、ジーシーの全協
力会社でも認証を取得しています。
た知識や技術を展開しながら品質管理向上を図ってき
ました。 今回、最も権威ある第三者評価であるデミン
グ賞を受診し、
「精力的に総合的品質管理(TQM)を
実施し、売上高増大、製造製品数増大、顧客・ディー
ラー・従業員満足度向上など顕著な成果を挙げた」
とご
評価いただいての受賞となりました。
原材料から患者様までをつなぐシステム
ジーシーでは、安全と安心という目標へ向けすべての部門
※ デミング賞
日本科学技術連盟が事務局となり、全社的・総合的に品質管理を
実施して顕著な業績の向上が認められる企業(または個人)に授
与される品質管理業界における最高の栄誉。
が一丸となって活動することで、万一製品に問題が発生
した場合でも、
原材料から一貫して記録した情報により問
題の発生場所や原因を究明し、速やかに対策をとること
が可能です。 開発・製造から製品をお使いいただくまで
徹底して品質を管理し、歯科医療に携わる皆様や患者様
に安心してご使用いただくための努力を続けています。
歯科医療機器トレーサビリティ概念図
通常データ登録
1
生産拠点
原材料・製造履歴管理
品質・安全トラブル情報一斉発信
原材料/部品などの数量・保管場所、製造工程
における材料/部品/工程/作業者などの情報を
電子管理。
品質・安全トラブル発生
サーバ ※登録基本情報
受注センター
マスタ
出荷
履歴情報
販売店出荷
マスタ
LOT 単位の入荷管理
● 製品バーコードとの照合
● 出荷処理・データ登録
●
2
ジーシー受注・
配送センター
出入荷管理
3
販売店 様
4
歯科医院・
歯科技工所 様
5
患者 様
QA認定セクション制度
製造工程でのトラブルを低減させ品質つくり込みのレ
医療機器の入出荷経路、配送状態などを製造
LOT単位でデータ管理し、万一の際には追跡
システムが稼働。
ベルアップを図る目的で、1992 年から導入している制
度です。製造現場の各セクション単位で、それぞれの課
●
LOT 単位の入荷管理
題項目について評価チェックシートにもとづいて、品質
●
出荷処理・データ登録
保証部によるプレ予備審査・予備審査、社長・担当役員
●
使用医療機器の
製造 LOT のカルテ記入
●
連絡先を確認、
登録しておく
● 自社コードとの照合
による本審査を経て、合格したセクションにQA認定証
が授与されます。
現在 77 セクションが認定を受けており、認定後も 2 年
患者様の特定
ごとに更新審査が行われています。
23
24
安全・安心な製品・サービスや情報の提供
ユーザーへのサポート
国民の口腔健康の向上実現をサポートするべく
ジーシーでは歯科医師をはじめ歯科技工士、歯科衛生士の皆様へ、
さまざまな形で情報提供を行うとともに、
最新の学術・歯科臨床について情報交換を行っています。
ジーシーでは、今後もこうした連携を密にして、
歯科医療の発展に寄与していきます。
「GC友の会」の活動 ジーシーには、歯科医療従事者の方々を対象とした会員
[ 新製品情報の提供 ]
組織「GC友の会」
があります。この会は、
1956年に
「而至
・ 一般発売に先駆けた新製品紹介
友の会」
として誕生。以来、
設立58年目の現在に至るまで、
・ 会員誌「ジーシーサークル」
での新製品による
臨床歯科医師と歯科材料製造者が唇歯輔車の関係を構
築し有益な情報を共有することで、歯科医療の新時代の
研究や新製品・新技術をより発展させるべく、画期的な
ビジネスモデルとして歯科医療を積極的にサポートし
続けています。
現在、日本国内の約半数の歯科医院が会員で、韓国や台
湾でも同様の組織を展開しています。2013年からは、米
国カリフォルニア歯科医師会(会員約 2 万 5 千名)と提
携し、活動を充実させるとともに、日米交流にも貢献し
ています。
最新臨床情報の提供(年 4回発行)
[ 学術情報の提供 ]
・ 学術講演会やシンポジウムの開催
・「GC友の会」
コミュニティの活動
・ 患者説明用ツールの提供
「デンタルなぜ?なに?」
「スタッフマナーガイド」
など
[ 臨床テクニック・医院スタッフ教育 ]
・ 講演会、
GCセミナーの開催
・ Webサイトでの情報提供、
セミナー
[ ホームページでの情報発信 ] 「会員専用ページ」では、日常の臨床場面で役立つ情報
やツール・素材集などを閲覧・体験・活用できるコンテ
ンツとして、
学術的臨床動画の配信を行っています。ま
た、最新の学術情報をリアルタイムで提供するメールマ
ガジン「GCインターネットだより」は、現在 1 万 8 千名
近くの会員の方に利用されています。
セミナーの様子
会員誌「ジーシーサークル」
韓国での患者説明用ツール
台湾の広報物
ジーシーグループ CSR 報告書 2014
ジーシー創業90周年「GC友の会」55周年シンポジウム
GC Corporate Centerで、2011年 4月から毎月「プレミア
ムシンポジウム&レクチャー」を開催しました。10月 22・23
日には、東京国際フォーラムで
「第3回国際歯科シンポジウム」
「お客様窓口」による活動
ジーシーでは、歯科医療従事者様からの製品関連
のお問い合わせ窓口として「 お客様窓口 」を設置
し、ジーシーフリーダイヤルとして 1993 年に発足
を開催しました。国際シンポジウムでは、国内外の 70名の著
して以来、主に製品の取り扱い方法・物性・仕様・
名な研究者・臨床家の先生方を講師に迎え、多様な分野にわ
価格などのお問い合わせに対応しています。 お問
たる 29のセッションを開催しました。2日間で、4,975名様
のご来会で、立ち見のセッションが発生するなど大変盛況で
した。また参加登録費は、東日本大震災の復興支援に全額寄
付しました。 同時開催の市民向けフォーラム「 歯と口から始
まる健康ファミリー」も両日とも満員となりました。
い合わせ件数は発足当時に比べ 50倍に増え、
内容
も多岐にわたる中、歯科医療従事者様はもとより
エンドユーザーの皆様までを視野に入れた、 ジー
シーの最前線基地としての機能を果たしています。
ホームページの「製品Q&A」などのさらなる充実を
図り、いつでもアクセスできる媒体による情報提
供も強化しています。
「第 3回国際歯科シンポジウム」会場の様子(東京国際フォーラム)
VOICE
知識の更新と充実に欠かせない存在、
「GC 友の会」
。
VOICE
お客様窓口を活用して、
より多くの情報を収集しています。
大学卒業後から現在まで、講演会などへ出かけ現在の歯科医療業
開業医は自分の得意分野だけでなくすべての分野で平
界の流れや展望について情報を得てきました。 これは医師である
均点以上を要求されますので、新しい技術を積極的に
私にとっても、そして患者さんに最善の治療を提供することにもつ
勉強しています。 日常の診療で製品の物性を充分に
ながるという点でもとても重要です。 ほかにも最新の製品情報を
使いこなすためにも、また患者さんに対し納得いただ
得られたり、実際に製品に触れる機会を持ったりすることができる
ける丁寧な説明をするためにも、ジーシーのお客様窓
ので、自分ではあまり気に止めていなかった臨床の領域を知るよ
口(フリーダイヤル)をよく活用しています。他メーカー
い契機になります。会員誌であるジーシーサークルも、掲載されて
と比べてもジーシーのお客様窓口には、返答内容、受付
いる臨床の写真が特に参考になっています。当医院では歯科衛生
時間、言葉遣いなどすべての面で満足しています。 疑
士も「GC友の会」に入会しセミナーなどを活用しており、最近の患
問をすぐに解消できますし、製品の保存の注意などの
者さんは歯科治療に対する意識が
具体的で丁寧な情報も
高いので、私どももますます勉強し
得 られるのでとても 助
なくてはと思っています。
かっています。
東京都中央区
東京都品川区
岸本歯科クリニック
塩野目歯科医院
岸本 英之先生
塩野目 学先生
25
26
安全・安心な製品・サービスや情報の提供
ディーラーの皆様とともに
歯科医療関係者の皆様に製品の正確な情報を伝えたり、
製品に対する生の声を聞くためには、
特約店や代理店などのディーラーの方々との連携が欠かせません。
ディーラーへの専門教育サポート
[ ジーシー独自のデンタルカレッジ ]
技術情報の提供
[ 特約店技術講習会 ]
高性能、高機能化して
いる歯科医療機器を安
心・ 安全・ 有効にお使
いいただくため、より迅
速で的確なサービスの
提供をめざし、定期的
な特約店向け技術講習会を開催しています。 定期開催
特約店デンタルカレッジでは、若手社員の方々に歯科知
地区は東京・大阪の 2拠点でしたが、
2011年度より九州・
識や製品の使用方法についての見識を深めていただくた
東北の2拠点を追加しました。また特約店からの依頼で、
め、製品の基礎知識を学ぶ講座を全国各地区で毎年開催
スポットの技術講習会も実施しています。
しています。また、代理店デンタルカレッジでは、東京と
大阪の 2ヵ所で開催。臨床家の先生による歯科材料の特
性の勉強や、外部講師による販売の実践的な講習を実施
しています。
ジーシーでは、参加者の歯科分野の知識向上やセールス
スキルの向上の一助となるような企画・実施に努め、デ
ンタルカレッジを通じて、ディーラーの皆様に正しい医療
技術や詳しい製品情報をお伝えしながら、お客様一人ひ
とりの声のフィードバックをお願いしています。
[ コンサルティング・セールス・アカデミー ]
[ ディーラー向け専門サイト「Greenページ」]
ジーシー製品を安全に使うための適切な手順や使用方
法などをわかりやすく紹介しています。 新製品や製品
販売中止などタイムリーな話題を素早く発信すること
ができると喜ばれています。
物流システムの改善活動
物流システムについて、
全国のディーラーから客観的な評
価をあおぐため、定期的に「物流システム満足度調査」を
患者様のさまざまなニーズ(審美性、機能性、快適性、経
実施しています。システム全体をはじめ、電話対応、荷造
済性など)に合った歯科医院経営方法を学び、提案型の
梱包など 9項目にわたり個別の評価をいただいています。
セールスマンを育成するための勉強会で、2001 年の開
調査であがってきた改善要望を的確に解決するために、
始から 12年が経過しました。
運送会社やシステム機器メーカーなどの物流パートナー
全国から多くのディーラーが集まり、歯科医院経営コン
との「物流研究会」を開催。ジーシーと物流パートナーが
サルタントを講師に迎え、多岐にわたる講義内容を展開
協業して、多様化するお客様ニーズに応え、満足度の向上
してきました。現在では、ディーラーへジーシー社員が赴
を図っています。
き、最新のマーケティング情報をもとに共学する内容
また、
改正薬事法や個人情報保護法など、
市場環境の変化
へと発展しています。今後は、
「提案型」営業の成功事
にも迅速に対応できる物流システムの構築をめざしてい
例を全国展開していきます。
ます。
ジーシーグループ CSR 報告書 2014
サプライヤーの皆様とともに
ジーシーは、歯科医療従事者様への安全・安心な製品の提供と生活者の皆様の口腔保健の向上のため、
サプライヤーとともに安全性・有効性に優れた製品の供給を推進していきます。
CSR調達 サプライヤーとのコミュニケーション
ジーシーでは、原料・資材の調達や製品購買におけるサプ
サプライヤーの皆様とは、継続かつ定期的に双方向の提
ライヤーの皆様と良好な関係を構築するため、
次のような
案活動を行い、市場環境の変化に即応した協業体制の
基本的な考え方にもとづいて取り引きを進めています。
確立を図っています。 品質確保の面においてもサプラ
サプライヤーとジーシーは対等な関係のもとで情報を
共有して意思決定に参画し、特性や能力を活かした役
割分担で共通の目的および目標を達成するために協業
すること
イヤーとの良好な関係が重要と考え、ジーシーではQA
パートナー活動を行っています。サプライヤーの工場を
訪問し、互いに工程を見ながら意見交換をすることで、
よりよい品質を協力してつくりあげています。
また、一定の条件を満たしたパートナー企業の中から、
またジーシーはお客様満足の向上のため、必要な製品を
特にジーシーがめざす国民の歯科口腔保健の向上に対
必要な時に必要な数量、確実にお届けする仕組みを運用
してご理解とご支援をいただき、顕著な貢献のあった
して、ビジネスプロセスの全体最適をめざした事業活動
企業へ 5 年ごとにベストパートナー 賞を贈っています。
を行っています。刻々と変化する市場に対して敏感に反
90 周年を迎えた
応し、精度の高い需要予測とフレキシブルな生産対応の
2011 年は、世界
融合をもって、リアルタイムなサプライチェーンマネジメ
で 500 社を超え
ントをめざしています。今後は、よりグローバルな視点で
るサプライヤー
のサプライチェーンマネジメントの確立に向け、事業活
から、国内外 14
動のスピードアップを進めていきます。
社に感謝状を贈
そのほか、国内を中心により環境負荷の少ない原料や資
呈しました。
材への切り替えを図る「グリーン調達」や「サプライヤー
評価制度 」によるCO2 削減状況の定期的再評価なども
行っています。
サプライヤーの工場訪問の様子
VOICE
ジーシーとの協力関係を、非常に心強く感じています。
ジーシーは、我が社にとって最も重要なビジネス・パートナーです。10 年以上にわ
たる戦略同盟関係を通じ、我々は非常に強力な協力関係を築いてきました。ジーシー
では社内の全階層に情報が共有化され、不具合に対しても粘り強く継続的に改善を
めざす姿勢があり、パートナー企業として非常に心強く感じます。 またジーシーは、
高度な技術で生み出された我が社の各製品を、さらに日本の市場特性に調和させて
プランメカ社
くれると同時に、日本市場のニーズを我々にフィードバックしてくれます。顧客サー
Tuomas Lokki 副社長
ビスの向上のために、今後も引き続き協力関係を堅持していきたいと思います。
Jouko Nykanen 営業担当取締役
27
28
安全・安心な製品・サービスや情報の提供
生活者への啓発活動
ジーシーは、生活者の皆様の口腔健康を支えるべく、
歯科医療従事者へのさまざまな情報提供および製品・システムの提供などにより、
「生きる力を支える医療としての歯科医療」の発展に寄与しています。
また、生活者の皆様の関心が高いむし歯や歯周病、
口臭、
お子様・高齢者の口腔ケアなどについて、
情報提供に努めています。
歯と健康のための情報提供 左から 「MI21.net」http://www.mi21.net/ 「歯とお口の健康情報サイト」http://www.gcdental.jp/
「口腔保健フォーラム 2011」会場の様子 小学生親子向け夏休みイベント「歯医者さん わくわく体験デー」
すべての人々のQOL向上のために
歯と健康のための情報提供
[ 歯科の総合情報サイト「MI21.net」]
MI コンセプトにもとづく治療プログラムをサポートす
患者様の求めるもの
るため、 インターネットでの情報提供を行っています。
診断
医療関係者だけでなく一般の方までを対象に、さまざま
なコンテンツが充実しています。
予防
処置・管理
患者様
すべての人々
ジーシーでは、1999 年にFDIが提唱した『Minimal
Intervention(最小の侵襲)』の概念を、日本の臨床
現場で使いやすいよう「診断」
「予防」
「処置・管理」の
3 つのアプローチから展開する、独自のMIコンセプト
として 2000 年に提唱し、さまざまな角度から製品お
よび情報の展開を行ってきました。その結果、MIコン
セプトはう蝕の理想的な治療プログラムとして歯科
[ 歯とお口の健康情報サイト ] 国民の皆様に、歯とお口の健康を守るために知っていた
だきたい情報を提供。 さまざまなお口の悩みにお答え
するコンテンツを掲載しています。
[ 口腔保健フォーラム2011「歯と口からはじまる健康ファミリー」]
2011年 10月に東京国際フォーラムで開催(主催:日本
歯科医師会、ステージ制作:NHK)
し、3,120名の親子の
皆様にお口の健康の勉強、相談をしていただきました。
また、地域歯科医師会との連携による口腔健康情報の普
及活動なども行っています。
[ ブラッシング教室 ]
界で認識されつつあります。
ジーシーでは、地域の歯科医師会と協力して、クリーン
ジーシーでは、
すべての人々のQOL
(クオリティ・オブ・
フェアなどの市民イベントへの参加、学校や企業へ出向
ライフ)の維持・向上を目標に、MI関連製品の開発や
いてのブラッシング教室などを定期的に行っています。
情報提供を行っています。
ジーシーグループ CSR 報告書 2014
子ども向けイベントの開催
中学校での
「ブラッシング教室」
「歯医者さん わくわく体験デー」
2011年 6月、学校歯科医の先生のご依頼で、江東区東陽
ジーシーではこれまで、市民参加型健康イベント「歯とお口
中学校の1年生140名にブラッシング教室を実施しました。
の健康市民フォーラム」
(社団法人東京都歯科医師会主催・
会場は江東区東陽中学校の体育館で、むしむしとした悪
ジーシー特別協賛)やインターネットを活用した「歯と歯ぐ
環境の中でも生徒の皆さんは 60 分間の講義を真剣に聴
きの健康についての基礎知識検定」
を実施してきました。
き、ブラッシングを行ってくれました。汚れに見立てて硬
2011年 8月には夏休みイベントとして、GC Corporate
さBの鉛筆で歯に印をつけ、毛先磨きを実践。 生徒の皆
Centerにて地域の小学生親子を対象とした「 歯医者さん
さんは、
「 こんな軽い力でも落ちるんだ〜!!」と驚いてい
わくわく体験デー」を開催。 歯科医療を身近に感じていた
る様子でした。
だくとともに、歯科の業務内容を正しく理解し、未来の歯科
医療従事者になっていただくための啓発活動の一環として、
テーマ:プロスペック歯ブラシによる毛先磨き
ジーシーがお手伝いできることを考え実施したイベントです。
講義内容:40分間「歯の健康」
「なぜむし歯になってしまうのか」
歯科材料に触ったり、デンタルユニットを実際に動かして
「歯と全身疾患との関わり」
「毛先磨き」
の 4つの原則についてのお話
15分間 プロスペック歯ブラシによる毛先磨きの実践
みる体験により、楽しみながら歯科治療の仕組みを学んで
いただきました。
ジーシーでは今後も、 口腔健康の大切さを広く生活者の
方々にお伝えする活動の一環として、
このようなイベントを
開催していく予定です。
[ 実施した歯科医療体験 ]
・シリコン印象材による指の型取り
・プロスペック歯ブラシにて歯磨き指導
・プラークの酸産生能検査
・デジタルX線撮影装置、
ユニット、
タービンなどの見学
・バキューム操作
VOICE
正しい歯磨き習慣が、中学生の充実した生活につながります。
東陽中学校では、健康の自己管理能力を育てる健康教育の一環として、この数年間継続して毎年 1年生(140名)にブラッシン
グ指導授業を 60分間行っています。ジーシーの歯科衛生士さんによる解説やデモンストレーションを聞き、歯磨きの実践で
「力
を入れない毛先磨き」の効率の良さを学びます。生徒たちからは、正しい歯磨きの効果の違いや、無意識に摂取している糖分の
量に関して、
「びっくりした」という感想が多くあがります。これらの活動を認められ毎年、東京都歯科保健優良校として表彰
されています。
29
30
働きがいのある職場づくり
多様な人財の活用と育成
ジーシーは「社員の力こそが企業の源泉」という社員をとても大切にする創業の精神を受け継ぎ、
社員を「なかま」と呼んでステークホルダーの重要な一員と位置づけています。
失敗を恐れずチャレンジでき、お互いに敬愛の心を持ち、
個々の能力を発揮して前向きな考え方を実践できる社内環境を整備・構築しています。
女性の登用と活躍できる風土醸成
全社一丸となったVision経営の推進
ジーシーでは近年、多くの女性社員を採用しており、事
務部門だけでなく、研究開発、営業などさまざまな領域
でめざましい活躍をしています。 組織をリードしていく
女性社員も増え、それがさらにロールモデルや会社への
刺激となり、
女性が活躍できる風土を醸成しています。
ジーシーでは現在、強力にグローバル化を推進しており、
ジーシー
Visionカード
留学生の積極的採用など、男女問わず広く海外で活躍で
きる人材を採用・育成しています。 今後は、国内にとど
まらず世界を舞台に女性が活躍し、世界中の人々の健康
の維持・向上に直接貢献できる機会も増えていきます。
会社として実現すべき壮大なVisionを実現するために、
「なかま」も一人ひとりVisionを掲げています。社是や
経営方針などが記され、
「 部のVision」
「 課のVision」
そしてMy Visoin、My Missionを書き込むことができ
障がい者の雇用
る「ジーシー Visionカード」を常に携行し、日々のモチ
ベーションアップを図るため活用しています。 なかま
ジーシーは障がい者雇用を進めるにあたり、障がいの
一人ひとりのVisionが達成され、 その結果が企業
特性に配慮した適切な雇用の場の確保を重要視して
Visionの実現につながる。 これがジーシーの実践する
います。業務は、技工関連、品質保証、営業事務、施設
Vision経営です。
管理や営繕など多岐にわたり、障がいのある「なかま」
も、得意とする技術を武器に、個々の経験や知識を積
み重ねています。今後も業務範囲をさらに広げ、障が
い者雇用を促進していきます。
VOICE
「なかま」
とともに、
自分らしい成長の過程を描いています。
定年退職者の再雇用
ジーシーでは、定年を迎えた社員が一定の基準を満た
して引き続き働くことを希望する場合は、雇用を継続
します。この制度は、高度な知識と熟練した技能、い
わば永年培ったジーシーのDNAの後進への伝承と、厚
生年金支給時期の後退に対応して社員の生活安定を
図ることを目的としています。制度発足後、55歳以上
の社員の 7 割が希望して再雇用となり、少子高齢社会
における活力の維持向上にもつながっています。
私は聴覚障がいを持っていますが、歯科技工士の資格を活か
して、お客様からの苦情処理や技工関連製品を中心とした他
社製品比較、自社製品評価などを担当しています。聴覚障が
いは情報障がいとも言われますが、そのハンディを乗り越え、
また歯科技工以外に求められるスキルアップのための支援を
得ながら、今の業務に取り組んでいます。周囲に支えられなが
らもそれに甘んじることなく、自分の目標を
「MY Visionカー
ド」
に記載し、
自己実現や仕事の質の向上を図っています。
品質保証部 材料品質保証課
水野 薫
ジーシーグループ CSR 報告書 2014
キャリア形成支援
ジーシーでは、 仕事を通じて必要な知識を覚えていく
[ 社内デンタルカレッジの実施 ]
「OJT」
(On the Job Training)以外に「Off-JT」と
してさまざまな教育制度や研修体制を設けています。
医科のMRと同様の活動を行うDRの社員を対象に、
「社内デンタルカレッジ」およびe-ラーニングを実施し
また、刻々と変化するニーズに応えるため、「歯科医療
ています。 お客様への歯科器材の情報伝達に必要な知
のプロ 」を育てる独自の教育システムを構築。「 社内
識を習得し、質の高い営業活動ができるよう、以下を目
デンタルカレッジ 」の中で、社内資格の「DR(Dental
的に教育を進めています。ジーシーでは、本人の意欲次
Representative:歯科医療情報担当)」を取得できる
第で仕事の幅を広げ、スキルアップできる環境を整え
プログラムを用意し、製品の正しい情報、効能やリスク
ています。
を歯科医師の先生方に提供できる体制を整えています。
社内デンタルカレッジの目的 [ 体系だてた教育「Off-JT」]
デンタルカレッジやテクノセンターでは、歯科材料製品
各分野の基礎的な臨床術式を身につけること。
●
や歯科機械に関する高度な専門知識を体系だてた教育
実際の診療に近い実習、高度な技工の実習を行うこと
●
の中で習得し、成長していくことができます。専門知識
により、
ユーザーに近い知識を身につけること。
以外にも、新入社員から役員に至るまで、階層別、部門別
材料の特性、物性値の測定方法、化学式の読み方等を
●
の教育を随時実施。
「なかま」全員が教育の機会を与え
学習することによって、苦情対応力、開発部門に情報を
られ、
幅広くスキルを磨いています。
フィードバックできる知識を身につけること。
[ 能力向上と適材適所のための評価制度 ]
歯科界トップクラスの臨床家から診療の実際を学習
●
年 4 回、上司との個人面談にて、評価内容のすり合わせ
することによって、深い臨床知識を身につけること。
を行い、それをもとに目標を設定。成長度合いを自己申
告することによって目標を明確にし、必要な研修やセミ
ナーへの参加を促しています。3年目以降に他部署への
異動を希望できるフリーエージェント制や、海外赴任も
可能です。
社員教育
(Off-JT)の体系
階層別教育
5 年目社員研修
問題解決能力向上研修
パソコン教育
Basic スキル研修
SQC 入門コース(選抜)※3
コンプライアンス教育
リーダーシップ研修
テクノセンター
方針管理
デンタルカレッジ
G2
※2
I
S
O
教育
G3
発表会
G4
全社
マネジメント研修(マネジメントの基本)
K
I
K
I
発表会
マネジメント研修(目標設定・人事評価研修)
DENTAL
※1
部課長
選抜管理者研修
経営研究会
G5
QC 教育
新入社員導入教育・フォロー教育
※1【QC 教育】QC: Quality Control 品質管理教育 ※2【KI】Kaizen Innovation 仕事の質向上活動=KI 活動 ※3【SQC】統計的手法
31
32
働きがいのある職場づくり
働きやすい職場づくり
ジーシーでは、経営管理手法の中核を担うGQM活動(関連情報:23ページ参照)
の 3本柱の一つに
「社員満足の向上」を掲げています。社員満足の向上を図る一つの手段として
「働きがいのある職場づくり」を行っており、さまざまな人財が安心して働き活躍できる環境を整えています。
社員満足度調査の実施
メンタルヘルスケアの充実
日本経済新聞社が毎年実施している「働きやすい会社」
ジーシーでは外部機関と提携し、面談や電話での相談を
調査では、重視されている項目として、
「 有給休暇の取
無料(面談回数制限あり)
で提供しています。本人だけで
りやすさ」
「実労働時間の適正さ」があげられています。
なく被保険者である家族も利用でき、さまざまな相談が
ジーシーでも毎年社員満足度調査を実施し、社員の考え
なされています。 また、個人情報が会社に漏れることは
方の傾向、要望、不満を吸い上げています。「有休などが
ないため安心です。近年はストレスを感じて健康を損な
適度に取得できるか」
「時間外労働時間や休出は適度と
う社員も出てきているので、今後より充実したサービス
思うか」という調査項目については、70%近くの満足度
を提供し、
メンタルヘルスケアの充実を図っていきます。
となっています。
結果はトップを含め役員全員が共有し、不満な点に関し
ては改善に努めるとともに、翌年度方針の施策に取り入
仕事と育児・介護の両立支援
れています。
ジーシーでは、介護・育児へのケアなど、休職中・復職後
も安心して働ける環境を整えています。
ジーシーの育児休暇制度は子どもが 2 歳になるまで取得
「なかま」の安全と健康
でき、法で定める期間よりも長く育児に専念することが
安全であることは、職場環境の必須条件です。ジーシーの
できます。また、育児期間中は国からの補助に加え、会
本郷(GC Corporate Center)
と板橋( GC R&D セン
社からも支援金を支給する独自の支援も行っています。
ター)
では、会社側と組合から委員を選出し、月 1回安全
これらの制度やフレックスタイム制度を利用して、育児
衛生委員会を開催して、課題を話し合っています。安全
および介護と仕事を両立する「なかま」も年々増加して
衛生週間と労働
います。
安 全 週 間 には、
今後は多様化する育児や介護のスタイルに合わせた両
職場巡回を実施
立支援を進め、
「 なかま 」のワークライフバランスのさ
して職場の安全
らなる充実に取り組んでいきます。
と衛生維持に努
職場巡回による点検の様子
めています。
また健康については、40 歳以上の社員には 5 年ごとの
人間ドックの受診を勧めており、通常の年 1 回の健康診
断(35歳以上は生活習慣病健診)の結果にもとづいて、
要 2 次検査者のフォローも 100%をめざしています。今
後は生活習慣病予防のアドバイスなどを展開し、要 2次
検査者 0をめざします。
ジーシーグループ CSR 報告書 2014
福利厚生制度
労使関係
すべての「なかま」が健康でゆとりのある生活を送るこ
ジーシーでは、戦後いち早く労働組合に代わる
「社内業務
とができるように、さまざまな福利厚生制度を導入して
委員会」
が設立され、1955年には
「而至化学労働組合」
が
います。また、2007 年に制度全体をデータベース化し、
結成されました。 上部団体を持たない単一組合となり、
制度や施設の周知と利用促進を図っています。
設立当初から現在まで良好な関係が保たれています。
団体交渉は春の賃上げ、夏・冬の賞与と主に 3度行って
[ リフレッシュ休暇制度 ] 勤続年数 10 年ごとに休暇を取得する制度で、企業品質
の向上やゆとりの創造、個人と職場の活性化につながっ
ています。1991 年の導入以来、2014 年度までに 81%
の
「なかま」
が取得しています。
おり、
「なかま」との対話を重視しています。また、労使
共同で解決すべき課題があるときは、別途労使協議会を
開催し速やかな解決をめざしています。毎年夏には労使
共催でお祭も開催し、
盛りあがっています。
[ 中尾勤労報奨金制度 ] 会社の利益配分の一部を株主だけでなく「なかま」にも支
給するもので、創業者である中尾清会長の思想を受け継
ぎ1946年から続く制度です。役員を除く「なかま」に対
して、
賞与とは別に毎年 2月に支給しています。
[ 褒称制度 ]
「なかま」
の働く意欲と情熱を称え、感謝の気持ちを表す
ために1995年にスタートしました。あえて「褒称」とし、
さまざまな職種、
できるだけ多くの
「なかま」
が該当するよ
VOICE
リフレッシュ休暇でヨーロッパ鉄道旅行。
うに 14種類の賞を設けています。
勤続 10年のリフレッシュ休暇はヨーロッパ 5 ヶ国を
毎月の昼礼会では、顧客担当アソシエイト賞、努力賞を
めぐる旅をしました。初めて訪れた国ばかりでしたの
表彰しています。また、特に顕著な業績を残した
「なかま」
に対しては、毎年 2
月の創業記念式典
などで、功績賞、発
明特許賞ほかを授
与。2014 年 度 は
101件、135名の個
人・グループに賞状
と記念品を贈呈しました。
[ カフェテリアプラン ] で毎日が新鮮な刺激にあふれ、挨拶や食事が街の雰
囲気とともに変わっていく楽しい体験ができました。
妻の夢であったモンサンミッシェルとウィーン学友協
会にも訪れることができ、支えてくれている家族への
恩返しにもなりました。また、ベルギー、スイス、オー
トリアではそれぞれの場所に赴任中の先輩や同期達
と再会し街を案内してもらいました。ご家族も集まっ
て会食したり、ゲストルームに泊めていただいたりと
「なかま」に助けられ、異国でも不自由なく過ごす事
ができました。 仕事から離れ異文化で暮らしたこの
10日間は、今後の人生と働き方を考える重要な時間
でした。
複数の福利厚生メニューから、自分のニーズに合わせて
必要なメニューを選択して利用する制度です。保険、貯
蓄、住宅、自己啓発、保養所など 45のメニュー(2011年
度)から、各自の持ち点の範囲内で組み合わせて利用。
近年は、
自己研鑽や啓発メニューの充実を図り、
「なかま」
の自立意識の確立に役立てています。
営業部 東京支店
DR係
鮫田 泰一
33
34
地域社会との共生
国内における地域貢献活動
ジーシーは、地域社会との共生を最も大切に考えています。
そこで、富士小山工場では地元小山町との連携による活動、
企業同士の交流である小山町企業懇話会活動、
また密接に関係する中日向地区との交流やボランティア活動などを盛んに実施しています。
工場見学を通じたコミュニケーション 左:静岡歯科衛生士専門学校の皆さん 右:JICA(独立行政法人 国際協力機構)の皆さん
工場見学の受け入れ
工場周辺の清掃活動
富士小山工場では、主に歯科系学生などを対象として毎
富士小山工場では年 2 回(春と秋)、健康増進活動も合
年 50 組ほどのグループ( 年間約 800 名 )の工場見学を
わせ、中日向地区と大御神地区の清掃活動を行ってい
受け入れています。 ジーシー製品がどのようにつくられ
ます。いずれも休日を活用して実施され、
約 100名が参
ているかを実際に見てもらうことで、高度な技術と製品
加しています。活動範囲には富士スピードウェイ東ゲー
品質のつくり込みへの理解を深め、さらにジーシーのファ
ト前も含まれ、イベント後にはかなりのゴミが廃棄され
ンづくりにもつなげていきたいと考えています。
ていることがあるため、
地域住民からも喜ばれています。
工場の案内役は社内から選抜されたメンバーが行い、見
今後も活動を継続するとともに、近接する棚頭工業団地
学者へ十分な説明ができるよう、自社製品についての知
とも協力して一斉清掃をするなど、地域とより密着した
識を身につける勉強をしたり、自ら説明用パンフレット
活動にしていきます。
を作成したりするなど、日々改善に努めています。
また近隣の一般の方々へは、環境負荷低減に向けた取り
地域と連携した活動
組みへの理解を深めたり、歯や口腔への関心を高めたり
世界遺産登録をめざす富士山では、地域の団体などによ
していただく機会を設けています。
る美化運動が盛んに行われており、ジーシーもこの運動
に賛同し協力しています。夏山シーズンが終わる毎年 8
月末に行われる小山町企業懇話会主催の富士山清掃へ
積極的に参加しているほか、新入社員小山研修のプログ
ラムでも富士山清掃活動を実施しています。
また、ジーシーの歯科医療関係者向けWebサイトでは、
富士小山工場から見える富士山の姿を 10分ごとに写真
にとらえて公開し、
富士山の魅力を伝えています。
ジーシーグループ CSR 報告書 2014
VOICE
工場見学の経験が、
学校での学びをより豊かにします。
当校では、工場見学は開校当初からカリキュラムに組
み込んでおり、ジーシーを含むメーカー各社にお願い
して実施しています。工場見学をすることで、学生に
は製品を大切にする気持ちが養われますし、最新のユ
ニットなど機械の使い方を聞くことにより診療時の歯
科衛生士の関わり方をよく理解でき、その後の学習の
参考になっています。 研修後のレポートでは、特に工
場でお話しいただく説明内容に対し「熱心で大変わか
りやすかった」との感想が多く、みんなジーシーファン
になっているようです。 今後も工場見学だけでなく、
実習の研修でもご協力いただければいいなと思ってい
ます。
工場周辺の清掃活動
静岡県磐田市
学校法人 染葉学園
静岡歯科衛生士専門学校
地元歯科医師会との連携
ジーシーでは、地元歯科医師会による社会貢献活動への
サポートを行っています。 東京都文京区や板橋区では、
毎年開催される「歯と口の健康づくり」や「すこやかシル
バー 8020」などのイベントにジーシーも参加し、記念品
の提供や予防関連製品の展示説明などを行っています。
またジーシー本社(GC Corporate Center)のある
東京都文京区の白山神社では、毎年 6 月に長い歴史のあ
る
「歯ブラシ供養」
も行われており、こちらにも歯ブラシ
の提供などの協力をしています。
VOICE
清掃という野外活動には、
楽しく取り組んでいます。
環境ボランティアの清掃活動は、職場のみんなでピク
ニックのような野外活動を楽しむ気分で取り組むこと
ができました。 富士小山工場の周辺は山林と田んぼ
道に囲まれていますが、意外とたくさんのゴミが捨て
られています。民家や人目が少ないことから、ついつ
い大胆にゴミを捨て去っていくのだと思います。また
近くに富士スピードウェイがあり、多くの人が集まる
イベントがあった翌日にはかなりのゴミが落ちている
ようです。約 1時間、軽い汗をかく程度の奉仕作業で
すが、私たちの心もクリーンになった気分です。 次も
ぜひ参加したいと思います。
富士小山工場
材料製造部
岩田 あゆ美
35
36
地域社会との共生
海外における地域貢献活動
ジーシーは、歯科医療製品を通じて、
世界中の人々に「生きる力を支える医療」をお届けすることをVisionに掲げています。
地球市民の口腔保健の向上をめざし、海外においてもよりよい歯科医療環境となるよう、
社会とともにさまざまな支援活動を行っています。
左上:中国の四川大学付属華西口腔医院
中央:ニカラグアにおける支援活動
左下:チリでの学生実習支援
右:ドイツの新聞(健康保険適用)
教育支援活動
[中国]大型病院で歯科材料の教育実習
[ラテンアメリカ]学生実習、
学生指導
中国では歯科衛生士の資格はなく、看護師の有資格者
GC America では、
“ACTDENT(Actualidades
が歯科に配属されるため、歯科材料に対する知識や経験
Dentales) ”
の名のもと、2007年から中・南米で計 4
が不足傾向にあります。而至歯科(蘇州)有限公司は
回学生向けにジーシーの歯科材料を活用した実習・学
大型病院と協力し、ジーシー製品を正しくお使いいただ
生指導を行いました。地元の開業医に講師として無償
くための、歯科アシスタント向け材料の教育実習を実施
で協力いただき、
運営面の準備は学校が行います。ジー
しました。材料の練り方の指導、練習用材料の提供を経
シーでもラテンアメリカの歯科医師向けに開設してい
て、1ヵ月後にはコンテストを実施し、とても活気のある
る会員サイト「Club GC.com」を通じて活動を報告。
活動となりました。
会場の外にジーシーの材料を展示し、実際に手にとる
この活動は病院のホームページに掲載されるなど、現場
こともでき、新しい技術や新製品情報を提供するアカ
の歯科レベル向上活動として重視・評価されています。
デミックな場として学生たちに認識されています。
全国の歯科病院
今後も学校の教育ス
40 ヵ 所以上で実
タッフ、学生、講師であ
施しており、 今後
る地 元 医 師との 連 携
さらにその輪を広
を深め、さらに円滑な
げていきたいと考
活動にしていきます。
えています。
北京大学付属口腔病院でのコンテスト
ジーシーグループ CSR 報告書 2014
歯科診療援助活動
[ヨーロッパ ]発展途上国への援助活動に協力
[オーストラリア]歯科材料支援活動
GC Europeでは、オランダのACTA(Academic Center
GC Australasiaでは、 支援団体Medical Sailing
for Dentistry Amsterdam)やNijmegen大学を中心とし
Ministries(MSM)
の活動を支援しています。この団体
た発展途上国での歯科診療援助活動に協力しています。
は、南太平洋上の大小 83の島から成り立つバヌアツ共
支援した活動は2000年から2010年の10年間で15件、
和国を活動拠点に、医療従事者と医療用具や製品を島か
活動地域はケニア、タンザニア、ニカラグア、カメルーン
ら島へ運搬、歯科診療、教育活動を行っています。 ジー
等アフリカ諸国を中心に12ヵ国にわたっています。また、
シーからはフジⅨ ARTと診療器具を無償提供するとと
ACTAを通じて、発展途上国での支援を希望するアメ
もに、
ARTテクニックを用いた診療、
現地での診療者の育
リカなどの医師向けに、材料提供をしています。
成、
継続的な現地活動のための教育等に貢献しています。
[ニカラグア]歯科治療環境の整備
[アジア]さまざまな取り組み
2011年 5月、GC Americaの社員がアメリカ コロラド
GC Asiaは、歯科診療の支援活動に必要となる材料の提
州のSteve医師とともに、
歯科治療のためニカラグアを訪
供をさまざまな地域で行っています。ベトナムでは、
“EMW
問しました。ジーシーは、ARTテクニックに活用できる充
Dental Program”として、数千人の子どもたちに世界中
填用グラスアイオノマーフジⅨを提供。現地の歯科医師、
の歯科医師、歯科衛生士、学生などがボランティアで歯科
PIETと呼ばれる地元ボランティアの協力を得て、無料で
治療を行っています。 またカンボジアでは、NGO団体に
歯科治療を実施し、ジーシーからはフジⅨを現地に寄贈
よる
“Cambodia Tooth Angel Project”
として、孤児院
しました。今後は歯科への
の子どもたちに歯科治療や健康と口腔衛生についての
関 心 が 低 いラテンアメリ
教育を行っています。さらに、アフリカでも“Six-Year-
カの多くの国々で、一般の
Molar Focus oral health
人々に対して口腔内衛生の
project ”として、ARTテ
重要性を教育していく必要
クニックを用いた診療や
があると考えています。
予防に関する教育を広め
ています。
「フジⅨ」がドイツの健康保険適用に
国連環境計画(UNEP)
の水銀規制条約
ジーシーは、MI(Minimum Intervention)コンセプト
ジーシーは、1999 年にアマルガム合金、デンタルマー
にもとづいた製品開発を行っています。 歯髄刺激が少
キュリーの販売を自主的に中止し、代替製品への切り
ないグラスアイオノマーセメント「フジⅨ」は、歯質の
替えを積極的に行ってきました。そして現在国連環境
削除量を削減し、
小さな形成、
小さな修復、
少ないステッ
計画は、2013年の水銀規制条約をめざして生産・販売・
プを実現させる、MIコンセプトに完璧に合致した歯冠
流通・輸出の原則禁止などを検討しています。FDI(国
修復材です。 簡便な操作性もあいまって、発展途上国
際歯科連盟)は、すでにUNEPと協力して活動するこ
からさらに 先 進 諸 国に 使 用 が 拡 大 されてきました。
とを発表しており、ジーシーの所属する国際歯科製造
2011年、ドイツでの活動が認められ、「フジⅨGP」と
者協会(IDM)も、会員企業にアマルガム代替材料の
表面滑沢硬化材「Gーコート」
をセットにした
「EQUIA
(エ
開発を提言しています。ジーシーも引き続き、世界の歯
クイア)
」
が健康保険に採用されました。
科業界の動向に対し機敏な対応をしていきます。
37
38
環境負荷の低減
環境マネジメント
ジーシーは、ガイア(地球生命圏)との共生を大切にし、
社員全員が「環境方針」をよく理解して地球環境への配慮に努めています。
製品の製造工程からご使用段階での環境負荷を考慮したクリーンなものづくり、
オフィス・工場での環境活動の徹底など、積極的に取り組んでいます。
環境方針と解説
環境マネジメントシステム
1997年に
「環境方針」を制定し、本格的な環境管理活動
「環境方針」にもとづいて策定した中期経営計画を踏ま
をスタートさせました。2005 年 4 月には「環境方針」の
え、各事業所においてもそれぞれに目標を策定し、具体
解説を作成し、
「なかま」が具体的に何をすべきかを明
策を検討して環境負荷の低減に取り組んでいます。 実
確にしました。
施状況は「環境管理委員会」や内部環境監査で確認し、
株式会社ジーシーは、歯科医療を通じて健康を提供する企業
として、
自然環境との調和及び地域社会との共生を大切にし、
環境管理活動を推進することを重要課題の一つとして掲げ、
下記の事項を定める。
1. 事業活動を通じて、環境に配慮した製品の創出、省資源・
省エネルギーの推進、廃棄物の削減を行ない、健全な環境
の維持・向上に努める。
解説:リサイクル・リユース・リデュース・バイオマス等を意識した
環境影響低減の製品開発、資源・エネルギー(電気・水道・ガス・重
油等)
の節約、再資源化、再生資源利用等を推進し、環境影響評価に
基づく事業活動全体での省資源・省エネルギーに努めます。
2. 環境に関連する法規制、及び組織が同意するその他の
要求事項を遵守する。
解説:環境に関連する法基準・法規制や自治体との協定、地域や業
界団体などからの要求事項を最低限の遵守事項とします。
監査結果は「経営者による見直し会議」等で報告され、
必要に応じた見直しを行い、次年度以降の活動に反映
させています。
こうした一連のサイクルを継続的に進めていくことで、
システムの完成度を増し、目標の達成度をさらに高めて
いきます。
環境マネジメントの概念図
経営理念
行動規範
3.環境目的・目標を定め、
その実現を図る努力をし、年に一
度環境方針と共に見直すことにより、環境管理システムの
継続的改善を推進する。
解説:目標達成の施策を明確にし、各種監査等の実施により、環境
保全・ 製品の環境影響の低減に関するマネジメントシステムの一
層の改善・強化を図ります。また、年度末に開催する経営者による
見直し会議で環境方針と全てのマネジメントシステムの妥当性を
確認します。
4. 通常時はもちろん、異常時及び事故等の緊急時において
も、
地域社会に迷惑をかけないように汚染の予防を図る。
法的要求事項など
解説:環境保全・製品の環境影響に関して組織のために働く全ての
人々に対し教育計画の下に教育を行い、その意識を高めるとともに
環境方針に沿った行動を促します。
6.環境方針は、カード等を通じて一般の人が入手可能な
ものとする。
解説:環境方針カードの配布、ホームページの活用により、環境管理
活動に関する情報を積極的に社内外に公開し、その評価を活動に活
かします。
中期経営計画
環境目標
環境側面
環境影響
本社(当時)
・富士小山工場
環境目的
環境目標
環境目的・目標実施計画書
経営者による
環境マネジメントレビュー
環境活動
環境方針の見直し
環境管理委員会
中期経営計画の見直し
解説:地域環境への悪影響の発生もしくは発生の懸念または製品使
用における事故等の問題が発生した場合は、誠意をもって迅速かつ
適切な解決を図るとともに、徹底してその再発防止に努めます。ま
た、普段より緊急時の訓練を行い、その手順を明確にし、社内に周知
徹底させます。
5.全社員が環境に対する基本的な考え方を認識し、環境
方針に沿った行動を行なうように、
教育を行なう。
環境方針
進捗管理
達成度評価/見直し
環境管理責任者整合会
進捗管理
達成度評価/見直し
環境目標の見直し
ジーシーグループ CSR 報告書 2014
環境管理推進体制と社員への環境教育
「環境方針」
にもとづき、各サイトが一丸となって環境管
また、環境マネジメントの運用は、
「なかま」一人ひと
理活動を推進していくために、社内横断的な組織として
りの改善意識と積極的な行動なしには成り立ちません。
「 経営者による見直し会議 」
「 環境管理責任者整合会 」
システムの維持・向上と継続的に環境管理活動を推進
「環境管理委員会」
を設置するなど、組織体制を整備して
していくため、ジーシーでは社員に対する環境教育に力
います。
を入れています。
推進体制図(組織と役割)
社長
議長:環境に係わる経営者 メンバー:関係部署長(20名) 開催:1回/年
役割:環境管理の中期計画の策定および「環境方針」や環境目的・目標の進捗把握・評価を行う
環境に係わる経営者
議長:環境に係わる経営者 メンバー:環境管理責任者、代行者(5名) 開催:1回/3ヵ月
役割:環境管理責任者からの実施状況報告によって情報共有し、各サイトの環境活動の整合を図る
経営者による見直し会議
議長:環境管理責任者 メンバー:各サイト関係部署長(20名) 開催:1回/1ヵ月
役割:「経営者による見直し会議」での決定事項にもとづき、具体的な活動計画を策定し実行に移す
環境管理責任者整合会
事務局
環境管理委員会
分科会
環境管理活動の統括管理を行う
(総務部、富士小山工場総務課)
「環境管理委員会」が必要に応じて招集し、テーマごとの環境活動について検討する
環境教育の主な内容
環境方針の徹底
行動規範の徹底
環境教育体系の整備
環境関連の資格取得奨励
●
●「ジーシー行動規範」
の
「3.
地球環境に優しい製品の創出とサービス活動を通じ、環境保全に貢献します。
」
に沿った自覚ある行動を促す
●
●
●
環境情報の共有化
環境方針の唱和(創立記念日、KI 活動発表大会、月 1 回の昼礼会、各部署朝礼など)
Vision カード」の配付、意識の向上を促す個人の Vision 設定
●「ジーシー
●
●
●
法的に必要な資格はもちろんのこと、
社内の基準で認定する社内資格の取得も積極的に奨励
内部環境監査の質を向上させるため、
監査員教育を継続的に実施
各資格者の掲示
社内 LAN を利用したデータベース「環境フォーラム」での情報共有
エコインフォメーションセンターの設置や地球環境問題のビデオ上映
エコフェア
(ジーシーデンタルプロダクツ)
の開催
エコフェア
ISO 14001認証取得状況
本社(本社)
・富士小山工場は、1998 年 11 月に国内の
歯科業界で初めて「ISO 14001」認証を取得しました。
その後、グループ会社の
(株)
ジーシーデンタルプロダクツ
が 2000年 12月、大成歯科工業(株)が 2009 年 12月に
認証を取得しています。
39
40
環境負荷の低減
地球温暖化防止への取り組み
ジーシーでは地球温暖化防止に向けて、環境マネジメントシステムを展開しながら
事業活動から生じるCO2 排出量の削減に積極的に取り組んでいます。
生産時の省エネ・省資源化、包材軽量化、製品使用時の省エネ・省資源化、
廃棄方法など
製品に関わる各段階での資源・環境への影響を検証し、
最小限にとどめるよう配慮しています。
CO2 削減の取り組み
クリーンな輸送
ジーシーでは、
地球温暖化防止のためCO2 排出量の削減
ジーシーのロジスティクス部門では輸送手段の転換を図
に取り組んでいます。 主要排出源であるエネルギー消
り、
トラック輸送から鉄道や船舶への代替輸送を行ってい
費量(電気・ガス・水道・重油・廃棄物・コピー用紙)の
ます。 デンタルユニットやデジタル機器の大型製品は
削減計画と連動し、中期の環境目的(2016 年までに対
北海道・九州・北東北と中国方面の一部地域でJR貨物
2012年比 4%削減)に沿った活動を推進しています。
輸送を行い、材料製品は北海道方面で、JR貨物と船舶に
よる輸送を実施しています。
[ オフィスでの取り組み ] 省エネタイプの照明を使用し、廊下などの消灯を実施。
モーダルシフトにより期待される効果 空調設定温度の調整や空調運転時間の短縮により電力
消費を抑え、離席時のパソコンやモニターの電源OFF
●
省エネルギー
を徹底するなどの節電を奨励しています。
●
交通渋滞の緩和
さらに、COOL BIZ運動や社用車のハイブリッド車への
●
窒素酸化物などの排気ガスによる大気汚染の削減
切り替え、グリーン購入などによるCO2 排出量削減も
●
CO2 排出量の削減による地球温暖化防止
進めています。
●
少子高齢化による労働不足の緩和
電気使用量(万kWh)
ガス使用量(m3)
0
’
09
’
10
’
11
’
12
’
13
’
14(年度)
0
4,501
4,482
’
09 ’
10 ’
11 ’
12 ’
14
13 ’
(年度)
10,000
0
126,587
114,500
21,848
15,450
20,000
4,578
34,951
30,000
33,602
20,000
13 ’
’
09 ’
10 ’
11 ’
12 ’
14
(年度)
水道使用量(m3)
40,000
1,000
0
21,726
2,000
14
’
09 ’
10 ’
11 ’
12 ’
13 ’
(年度)
21,983
0
134,686
738
700
688
50,000
200
142,261
400
103,669
3,022 3,148
25,099
2,872
24,605
3,090
100,000
92,377
2,943
3,246
576
600
727
150,000
694
800
4,000
3,000
A 重油使用実績(ℓ)
26,453
トータルエネルギー CO2 排出量( t )
(電気・重油・廃棄物・コピー用紙・ガス・水道の合計)
’
09 ’
10 ’
11 ’
12 ’
14
13 ’
(年度)
ジーシーグループ CSR 報告書 2014
廃棄物の削減とリサイクル
ジーシーグループでは、2007年にゼロエミッション工場を達成した富士小山工場を中心に、
グループ全体でのゼロエミッションをめざしていきます。
また、ジーシー独自の評価基準にもとづき職場の環境管理活動を審査する制度を導入し、
オフィスの環境改善も図っています。
工場での廃棄物削減
オフィスでの廃棄物削減
富士小山工場では、2007 年にゼロエミッション工場を
ジーシーでは、
環境管理活動が総合的に優れ、
一定基準を
達成し、現在までそれを維持しています。細かな分別で
クリアしたセクションを「環境オフィス制度認定セクショ
すべてのゴミがリサイクル、リユースされるようになり、
ン」として社内資格認定をしています。2001年より、結
各職場では、間違った廃棄をしないよう分別について継
果系、要因系からなるジーシー独自の評価基準にもとづ
続的に教育しています。 今後は、ジーシーグループで廃
き審査するこの制度を導入し、現在 52セクションが認定
棄に困っているゴミを富士小山工場で引き受けるなど、
されています。
グループ全体でのゴミゼロエミッションをめざします。
この活動により、
廃棄物やコピー用紙の削減、
省エネなど、
また、製造工程では歩留まりの向上、廃棄物の削減を積
オフィス環境の改善が図れるようになりました。
極的に行い、環境負荷低減のための改善を実施していま
す。 特に、
「からくり改善」と称した環境負荷のかから
ない工夫をした工程づくりを心がけています。
廃棄物量(m3)
199
200
150
コピー用紙購入枚数(千枚)
258
204
2,000
121
2,485
2,500
179
112
2,453
2,575
’
13
’
14
2,294
1,869
1,857
’
09
’
10
1,500
100
1,000
50
0
500
’
09
’
10
’
11
’
12
’
13
’
14
(年度)
0
’
11
’
12
(年度)
VOICE
オフィスでの日常の活動が、そのまま環境に配慮した活動になっています。
私たちの職場では、ゴミ箱はフロアの一箇所のみに集中させています。 このゴミ捨てスペース
には分別内容がわかりやすく掲示されており、各自がしっかり責任をもって分別しゴミを捨て
ています。自分がどれだけのゴミを出しているのかがわかるので、大変よい制度だと思います。
また、オフィス移転を機に取り組んだ書類のペーパレス化は、プリンタ用紙削減のみならず、す
ぐに必要なデータを取り出せるようになったことや、保管スペースを削減できた点でも、作業効
率UPになる活動だったということに気がつきました。 このような仕組みを日常に取り入れる
デンタルインフォメーションセンター
ことで、いつもの会社での生活そのものが環境に配慮した活動になっていると思います。
下口 純子
41
42
環境負荷の低減
環境に配慮した製品の開発
環境に対する意識が高まる中、
ジーシーでは 3R(リサイクル、リユース、リデュース)
やバイオマスに配慮して、
地球環境への負荷をできるだけ小さくした製品づくりをしています。
環境配慮型製品の開発
新製品開発において、製品アセスメントにより製品の原
VOICE
料調達〜製造〜ユーザー使用〜廃棄までのCO2 排出量
ユーザーとジーシーが、
一つになって取り組む環境配慮。
を評価し、
環境に優しい製品づくりに努めています。
また、歯科医院や歯科技工所、訪問診療における訪問先
歯科材料の資材は、使用後は医療廃棄物として廃棄
(各ご家庭)
での作業環境を改善する製品づくり、
廃棄物
され再利用はできないため、ユーザーの心理的負担と
をできるだけ出さない包装材料の採用や、容器の使い勝
手への配慮などにも積極的に取り組んでいます。
ジーシーでは今後も、包装容器におけるアプローチ以外
ならないよう、無駄のない資材開発を心がけています。
「MIフロー」
「MIフィル」のシリンジ開発にあたって
は、中身のペーストを使い切って捨てられるように、
に、材料そのものや、設備の入れ替えなど製造工程にお
最後まで無駄なくペーストを押出しきれる形状にし
たり、外装を廃棄時にかさばらない軟包装( ポリ袋
ける環境改善のアプローチなども積極的に行い、全社的
包装)
を採用して、特に環境へ配慮しました。軟包装
な活動として継続的に取り組んでいきます。
化は資材重量を軽減できるため、メーカー側にとって
も資材在庫時や流通時のメリットがあります。 この
環境に配慮した製品創出数(件)
61
60
50
50
48
ような環境配慮思考が幸いユーザーにもご理解いた
62
52
だけていますので、今後も環境へ配慮した資材開発
58
を進めていきたいと思います。
40
機能包材研究センター
30
鈴木 文子
20
10
0
’
09
’
10
’
11
’
12
’
13
’
14
(年度)
2014年度の環境配慮型製品一覧(主な製品)
製品名
削減内容
製品名
削減内容
製品名
削減内容
ディアーナ
環境負荷低減
ユニファストラボ
CO2 削減、減容化
バイトトレー
減量化
リライン Ⅱ
環境負荷低減
Aadva Zr カラーリキッド
CO2 削減
フィットチェッカーⅡ
減量化
カバースクリュー 3個入り
環境負荷低減
スキルドライバー(スリムタイプ) CO2 削減
メラクイック12+
減容化、
減量化
セラスマート 30 個入り
環境負荷低減
減容化
コニカルアバットメント(六角なし・キーなし) 減量化、
オーラルステリ
廃棄時減容化
減容化、
減量化
ディスポーザブルクリーンバッグ 環境負荷低減
MI フロー
減容化
バイトトレー
G-aenial FloⅩ
CO2 削減
MI ローフロー
減容化
Vリングシステムイントロダクトリーセット Ⅱ 減量化
ペリオブラシ
(医院用)
CO2 削減
MI フィル
減容化
EOM Regalo Smaet
減容化、
減量化
セラミックプライマー Ⅱ
廃棄時減容化
ラボコーン パテ
減量化
PGL LED
省電力化
イニシャル IQ セラスマート
CO2 削減
セラスマート
減量化
スチームクリーナー ST-Ⅲ
環境負荷低減
ジーシーグループ CSR 報告書 2014
環境配慮型製品の例
省資源化
紙函の設計を簡素化し、
紙使用量を削減
省資源化
液体材料用のボトル開発
歯科技工用材料のリン酸亜鉛
外観
系埋没材である
「イノベストMP
液用」のボトルは、従来 500mL
の包装仕様でしたが、液を増量
して 2L仕様とすることで 1Lあ
10.23g
たりの包装資材の使用量を削
6.97g
減しました。
また、ボトル容器には取っ手付
構造
の減容ボトルを採用。 使用後
にボトルを容易に潰すことができるので、包装資材の廃棄
容量を削減することができます。
国内販売向けの歯科用インプラント製品「スクリューイン
プラントRe 滅菌コンポーネント」の従来の紙函は、蓋に相
当する部分が二重になっており、過剰包装との声も聞かれ
ました。そこで、
包装としての保護、
表示機能を維持しつつ、
函の設計を簡素化することで紙の使用重量を 1函あたり
作業環境の改善
入れ歯修理時の防塵ボックス
10.23gから 6.97gに削減しました。CO2 排出量に換算す
ると、102CO2 -gから70CO2 -gとなり、約 30%のCO2 排
[ 製品の特長 ]
出量削減となりました。
・ボックスの前面は斜面で視
野が広く、修理作業がしや
すい
・薄 いプラスチックシートで
できており、使用前は折り
畳まれているので、 とても
軽く持ち運びも大変容易
省エネ
LEDライトの導入
機械製品では、以前より研究を重ねてきた高出力LED応
・作業終了時にはボックスを
簡単に潰してゴミを小さく
することができ、訪問先で
の片付けも容易
用技術を活かし、省電力化や長寿命化を実現しています。
製品でいえば、歯科用ユニットのオペレーティングライト
や、 材料製品のポテン
シャルを 引 き 出 すため
小サイズ
大サイズ
のハンディタイプ 光 照
歯科医療従事者が高齢者のご家庭を訪問して、入れ歯(義
射 器「G ライトプリマ
歯)修理を行う際に使用する作業用の透明ボックスです。
Ⅱ」、ホワイトニングラ
専用の切削工具で樹脂を削ったり磨いたりするため、粉塵が
イト「コスモブルー」な
飛び散って周囲を汚してしまうという問題を解決しました。
どがあります。
簡単に潰して
ゴミを小さく
43
44
環境負荷の低減
グループの環境活動
ジーシーグループ各社では、それぞれ環境負荷低減のための施策として、
事業活動における取り組みやオフィスでの対策を行っています。
今後もジーシーグループは、環境改善活動を進めるとともに、
地域社会との共生を図っていきます。
各社の施策[ 事業活動]
各社の施策[オフィス]
(株)
ジーシーデンタルプロダクツ
大成歯科工業(株)
[ 歯科材料および関連器具の製造・販売 ]
[ 歯科材料の製造 ]
2000 年 12 月にISO14001 の認証を取得し、環境改善
使用エネルギー CO2 換算15%削減(2015年目標)をめ
活動を進めています。 2014年度は、
簡易包装による廃棄
ざして活動しています。また、周辺道路を清掃するクリー
物の少ない製品を開発しました。 また低炭素社会実現
ンロード作戦を、
毎月1日と15日の始業前 30分程度実施
に向けて、2014 年度は対 1990 年比CO2 排出量 25 %
し、
周辺環境の美化に努めています。
削減を目標に取り組み、達成することができました。廃
① 環境にやさしいエコ製品の創出
棄物削減については、2015 年度のゴミゼロ工場達成を
簡易包装によるムダを排除した製品の開発を行ってい
めざして活動を推進しています。
ます。
② 節電アクションの実施
(株)
デンタルダイヤモンド社
[ 歯科に関する出版物の刊行 ]
① 著者校正におけるPDF化
活動の目的:OA用紙の削減
活動内容と状況:従来の校正紙による校正にかわり、
歩留率向上活動による電気料の削減などの改善活動
により、
電気使用量の削減を行っています。
③ エコ機器への更新
コピー機、
蛍光灯、
パソコン、
エアコンなどエネルギー
効率のよい設備への更新を図っています。
コンピュータとメール通信機能を駆使したPDF校正
(株)日本歯科商社
を活用。
[ 歯科材料の輸入および卸・販売 ]
② 印刷のCTP化
活動の目的:産業廃棄物の産出防止
2008年度より、電気使用量の削減に取り組んでいます。
活動内容と状況:印刷工程をCTP(Computer to
2011年からは国の方針に則り、15%削減を達成するため
Plate)化することで、従来発生していたフィルムもし
多くの対策を講じています。
くは印画紙を出力せず直接刷版を出力する。
① エアコンの一時停止を実施
③ 印刷用紙の低減
日本テクノで設置している電力監視メーターの目標デ
活動の目的:紙使用量の削減
マンドを従来の15%ダウンの 50kW/hに設定、警報
活動内容と状況:印刷業者に対して、印刷時の印刷用
アラームが鳴ると全館放送でエアコンの一時停止を実
紙の予備枚数を少なくするよう協力を働きかけている。
施
② エアコン28℃設定を徹底
サーキュレーター、
扇風機との併用
③ 人の移動についてはエレベーター使用を禁止
④ 社屋リニューアル時の計画的照明配置と蛍光灯と
LEDの併用
⑤ 西側窓への断熱フィルム貼付とブラインドの使用
ジーシーグループ CSR 報告書 2014
地域社会との共生
(株)ジーシーデンタルプロダクツでは、緑化・美化・地域
貢献活動として地域での清掃活動イベントに積極的に
参加しています。会社が所在する愛知県春日井市および
春日井防犯協会主催の花壇コンクールには、毎年応募し
入選を果たしています。
また、 ジーシーデンタルプロダクツの創業 50 周年記念
事業として 2010 年6月に竣工したプロソリサーチセン
ター(補綴研究所)は、地域社会との調和をめざした建
左:春日井クリーン大作戦(地域のゴミ拾いイベント)に参加
右:総務部員が丹精を込めて育てている中庭の花壇
物であるとともに、環境に優しい建築技法を取り入れて
います。
今後も環境改善活動目標の達成をめざしつつ、地域社会
との共生を図っていきます。
外部評価・表彰
愛知まちなみ建築賞受賞
プロソリサーチセンターは、環境省の 2009年テーマと合致
する “安らぎと新しいエネルギーを創出する空間”をコン
今後は新製品の開発だけでなく、咬合・咀嚼に関する国内外
の最先端情報を収集するとともに、臨床家の先生方への情報
セプトにした、金属製の釘を使わない千鳥格子の木造立体
発信基地としての機能を発揮し、これからの超高齢化社会に
地域コミュニティの場としても開かれています。また、建設
※ 愛知まちなみ建築賞
格子に包まれた解放感のある建物です。社員だけではなく、 おける歯科補綴臨床の発展に役立つよう努力していきます。
で使用した型枠を外壁の化粧としてそのまま残すことで、
廃
棄物の削減になるとともに断熱効果も期待できます。
これらの特長が認められ、2011年 2月に愛知県主催の愛知
まちなみ建築賞 ※を受賞しました。 各方面からの注目も大
きく、2010 年 6 月の竣工以来 1,948 名の見学者がみえま
した。
愛知県が主催し、良好なまちなみ
景観の形成や、潤いのあるまちづく
りに寄与するなど、良好な地域環
境の形成に貢献していると認めら
れる建築物、または、まちなみを表
彰するもの。18 回目となる 2011
年は、応募総数 146 点から本セン
ターを含む 6 点が受賞。
左:プロソリサーチセンター外観 木材を多用し、
周囲の環境に威圧感を与えない設計になっています。
右:展示室 歯科関係であることをアピールするオブジェ。その奥には伎芸天像。それらを木組み構造が包み込んでいます。
45
ジーシーグループのCSR活動や、本報告書をご覧になってのご意見、ご感想を、
下記メールアドレスまで是非お寄せ下さい。今後の活動の参考とさせていただきます。
[email protected]
株式会社ジーシー CSR報告書担当まで
http://www.gcdental.co.jp/
株式会社ジーシー
〒113-0033 東京都文京区本郷 3-2-14 TEL:03-3815-1815 発行:2014 年 11月