東北再生可能エネルギー利活用大賞 省エネルギー優良工場 事例集

平成26年度
東北再生可能エネルギー利活用大賞
省エネルギー優良工場
事例集
表彰制度の紹介
目 次
●低炭素社会実現につながる取組への表彰制度です………………… 1 ページ
東北再生可能エネルギー利活用大賞
●工藤建設株式会社……………………………………………………… 2 ページ
●一般社団法人福島復興ソーラー・アグリ体験交流の会…………… 3 ページ
エネルギー管理優良工場等東北経済産業局長表彰
●大石産業株式会社 パルプモウルド事業部東北工場……………… 4 ページ
●株式会社川徳 パルクアベニュー・カワトク…………………… 5 ページ
●山形サンケン株式会社………………………………………………… 6 ページ
東北経済産業局
低炭素社会実現につながる取組への表彰制度です
東北再生可能エネルギー利活用大賞
東北地域における二酸化炭素の排出削減を加速するため、再生可能
東北地域における二酸化炭素の排出削減を加速するため、再生可能
東北地域における二酸化炭素の排出削減を加速するため、再生可能
エネルギーを活用した発電、熱利用及び燃料製造事業の実施、発電等
エネルギーを活用した発電、熱利用及び燃料製造事業の実施、発電等
エネルギーを活用した発電、熱利用及び燃料製造事業の実施、発電等
の設備の導入などの地域的取組事例に対して東北経済産業局長が表彰
の設備の導入などの地域的取組事例に対して東北経済産業局長が表彰
の設備の導入などの地域的取組事例に対して東北経済産業局長が表彰
するものです。
するものです。
するものです。
表彰は、太陽エネルギー、風力エネルギー、バイオマスエネルギー、水
表彰は、太陽エネルギー、風力エネルギー、バイオマスエネルギー、水
表彰は、太陽エネルギー、風力エネルギー、バイオマスエネルギー、水
力エネルギー、地熱エネルギー、氷雪エネルギー、海洋エネルギー及び
力エネルギー、地熱エネルギー、氷雪エネルギー、海洋エネルギー及び
力エネルギー、地熱エネルギー、氷雪エネルギー、海洋エネルギー及び
これらの複合の再生可能エネルギーの各部門が対象。
これらの複合の再生可能エネルギーの各部門が対象。
これらの複合の再生可能エネルギーの各部門が対象。
自薦、他薦で応募があった案件の中から、有識者による選考委員会の
自薦、他薦で応募があった案件の中から、有識者による選考委員会の
自薦、他薦で応募があった案件の中から、有識者による選考委員会の
審査を経て受賞者を決定しています。
審査を経て受賞者を決定しています。
審査を経て受賞者を決定しています。
≪これまでの受賞者≫
≪これまでの受賞者≫
≪これまでの受賞者≫
平成25年度
平成25年度
平成25年度
 株式会社グリーン発電会津

 株式会社グリーン発電会津
株式会社グリーン発電会津
 秋田県信用組合

 秋田県信用組合
秋田県信用組合
平成24年度
平成24年度
平成24年度
 株式会社バイオマスパワーしずくいし

 株式会社バイオマスパワーしずくいし
株式会社バイオマスパワーしずくいし
 川西町

 川西町
川西町
エネルギー管理優良工場等東北経済産業局長表彰
エネルギーの使用合理化(省エネ)において、先進的な取り組みや他
エネルギーの使用合理化(省エネ)において、先進的な取り組みや他
エネルギーの使用合理化(省エネ)において、先進的な取り組みや他
の模範となる実績を有する事業者、工場や事業場に対して、東北経済産
の模範となる実績を有する事業者、工場や事業場に対して、東北経済産
の模範となる実績を有する事業者、工場や事業場に対して、東北経済産
業局長が表彰するものです。
業局長が表彰するものです。
業局長が表彰するものです。
選考の対象となる事業者等は一般財団法人省エネルギーセンター東北
選考の対象となる事業者等は一般財団法人省エネルギーセンター東北
選考の対象となる事業者等は一般財団法人省エネルギーセンター東北
支部、東北七県電力活用推進委員会、東北6県及び仙台市からの推薦に
支部、東北七県電力活用推進委員会、東北6県及び仙台市からの推薦に
支部、東北七県電力活用推進委員会、東北6県及び仙台市からの推薦に
よるもので、有識者による選考委員会の審査を経て受賞者を決定してい
よるもので、有識者による選考委員会の審査を経て受賞者を決定してい
よるもので、有識者による選考委員会の審査を経て受賞者を決定してい
ます。
ます。
ます。
≪これまでの受賞者≫
≪これまでの受賞者≫
≪これまでの受賞者≫
平成25年度
平成25年度
平成25年度
 ニチコン岩手株式会社

 ニチコン岩手株式会社
ニチコン岩手株式会社
 NECトーキン株式会社

 NECトーキン株式会社
NECトーキン株式会社
仙台事業所
仙台事業所
仙台事業所
 東日本興業株式会社

 東日本興業株式会社
東日本興業株式会社
電力ビル
電力ビル
電力ビル
平成24年度
平成24年度
平成24年度
 NECパーソナルコンピュータ株式会社

 NECパーソナルコンピュータ株式会社
NECパーソナルコンピュータ株式会社
米沢事業場
米沢事業場
米沢事業場
 TDK庄内株式会社

 TDK庄内株式会社
TDK庄内株式会社
鶴岡工場
鶴岡工場
鶴岡工場
 株式会社ハチカン

 株式会社ハチカン
株式会社ハチカン
冷凍食品工場
冷凍食品工場
冷凍食品工場
 福島ゴム株式会社

 福島ゴム株式会社
福島ゴム株式会社
 アサヒビール株式会社

 アサヒビール株式会社
アサヒビール株式会社
福島工場
福島工場
福島工場
1
11
地熱・雪氷エネルギーの部
工藤建設株式会社
〒023-0841 岩手県奥州市水沢区真城字北館38番地1
TEL. 0197-23-4642
~再生可能エネルギーの複合利活用による寒冷地向け低炭素社会の実現を目指して~
平成26年度 東北再生可能エネルギー利活用大賞
取 組 の 概 要
施
設
概
要
○工藤建設株式会社は様々な自然エネルギー  地中熱ヒートポンプ
の活用を研究・実践し、その販売・施工を行っ  雪氷冷熱システム:貯雪量462t
て い る 。 ま た 、 「 奥 州 市 を 世 界 の 環 境 首 都  太陽光発電:20kW×1、50kW×3
に!」を目標に、本社への見学受入れや、地域  風力発電:30W×1、350W×1
の各種環境団体への参画、地元学生への指導等、  薪ストーブ
自然エネルギーの普及・啓蒙活動に積極的に取
エネルギー削減量
り組んでいる。
 化石燃料エネルギー削減率
取 組 の 特 長
………………………77.3%(本社社屋)
同社では、浅い層の地中熱を利用した空調シ
ステム「ジオプロロード」をはじめ、外壁を移
動式にすることで効率的な貯雪を可能とした雪
氷庫「雪貯瑠磨(ゆきだるま)」、本社正面に設
置された太陽光パネル、小型風力発電による夜
間照明、間伐材を利用した薪ストーブ等、様々
地中熱システム施工状況
雪氷冷熱システム集雪状況
な自然エネルギーが導入されている。
また、これらのシステムに窓や断熱材等の省
エネ技術を組み合わせ、高い省エネ性能を誇る
モデルハウスを建築。世界最高レベルの省エネ
基準をクリアした住宅『パッシブハウス』とし
て、東北で初めて認定を受けた。
太陽光パネル(本社正面)
風力発電システム
さらに、自然エネルギー設備の研究開発に
よって得た知見を生かし、スーパーサイエンス
ハイスクール運営指導委員やいわて環境学習応
援隊として地元高校生や住民への指導を行うほ
か、本社社屋を環境学習の場として活用し見学
者を多数受入れる等、再エネ・省エネの普及啓
発を積極的に行っている。
東北初のパッシブハウス
薪ストーブ
参加プレーヤーと役割
 (独)産業技術総合研究所……地中熱システムの基礎研究に係る技術指導
 積水化学工業(株)……………地中熱、風力システムに用いる樹脂製パーツの共同開発
 北海道大学……………………雪氷冷熱エネルギーの評価手法に係る指導
 岩手大学………………………木質系断熱材の開発及び評価に係る指導
 工学院大学……………………大学が所有する特許を活用し風力発電システムを共同開発
 一関工業高等専門学校………小型風力発電技術に係る開発協力
 小岩井農牧(株)………………・技術情報の交換および海外事業視察の共同実施
 那須建設(株)…………………・地中熱システムに係る技術提供
 トヨタ自動車東日本(株)……・地中熱、雪氷冷熱システムに係る技術提供
2
太陽エネルギーの部
〒975-0023 福島県南相馬市原町区泉字前向15
一般社団法人福島復興ソーラー・アグリ体験交流の会 TEL. 03-3456-0407
~本物の太陽光発電所を舞台とした体験学習による子どもたちの成長支援~
平成26年度 東北再生可能エネルギー利活用大賞
体験学習は地元小中学校の総合学習に位置付
けられているほか、サマー及びウインタース
南相馬ソーラー・アグリパークは津波で被災 クールを南相馬市と共催する等、地域や行政と
した敷地に太陽光発電所(500kW)、植物工場、 の連携のもと、オープン後1年半で市内小中学
再生可能エネルギーをテーマとした体験学習の 生3,400人の半数以上が体験学習を行っている。
施設として設立。2013年4月にオープンした。 復興事業を学ぶという視点から、高校生、大
一般社団法人福島復興ソーラー・アグリ体験 学生及び社会人の研修も実施しており、フィー
交流の会はここで、小中学生の体験学習を行い、 ルドワークの場としての活用や、新たな社会的
南相馬をはじめ福島の子供たちの成長を支援し、 事業の立案に取り組んでいる。
ひいては福島の復興を担う人材の育成を目指し
植物工場は地元農業法人が運営しており、太
ている。太陽光発電所は、東北電力への売電だ 陽光発電による発電のうち100kW分を割安な
けではなく、植物工場に電力を供給、農業を再 料金(15円/kWh)で供給しており、植物工場
生可能エネルギーで支えている。
のコストダウンに貢献している。生産されるサ
ラダ菜とセロリは大手スーパーに卸している。
取 組 の 特 長
取 組 の 概 要
本物の発電所内での「巡視点検」、太陽光パ
ネルの方位や角度変える「発電研究」、太陽光
発電の電気を電気自動車に充電したり家電製品
を動かす「給電体験」を中心に「水力発電体
験」、植物工場を活かした「食育体験」等体験
を通した学びによって子供たちの「考える力」
と「行動する力」を育んでいる。
さらに、より深く学び・体験したいという小
中学生に対し、東北大学と連携した週末スクー
ルでは「発表する力」の育成にも取組んでいる
ほか、いわき明星大学と連携し福島県沖の洋上
風力を見学するスクールも開催している。
本物の太陽光発電所を巡視点検
生ゴミから発生させたガスで湯沸し
再生可能エネルギーの導入状況
 太陽光発電:500kW
参加プレーヤーと役割
 (一社)福島復興ソーラー・アグリ体験交流の会
:再生可能エネルギー体験学習の企画・運営
 福島復興ソーラー㈱:太陽光発電所の運転
 農業生産法人泉ニューワールド:植物工場の運営
 南相馬市:植物工場の建設、体験学習を小中
学校の総合学習に位置付け
エネルギー削減量
 化石燃料エネルギー削減率
パネル角度と向きを変え発電量研究
感じたことや将来の夢を発表
37.4%
水力発電体験
洋上風力発電所を見学
3
エネルギー管理優良工場等
大石産業株式会社 パルプモウルド事業部 東北工場
〒039-2129 青森県上北郡おいらせ町中平下長根山1-145
TEL. 0178-56-3112
平成26年度 東北経済産業局長表彰
改善例1
表面温度がもったいない!乾燥炉全面保温による使用燃料の削減
【改善の背景及び概要】
製品の乾燥工程で使用する乾燥炉の表面温度
を測定したところ、高いところで80℃前後の
温度が確認された。
この乾燥炉の表面温度がもったいないのでは
と社員から声が上がり、乾燥炉全面に保温材・
断熱材を施し、また、開閉箇所にパッキンを付
けて密閉性を良くしたところ、乾燥炉の燃料使
用量を削減することができた。
【省エネ効果】
 LPG削減量 72t/年(削減率 約10%)
 CO2削減量 216tCO2/年
《保温材施工前表面温度》
保
温
材
設
置
《保温材施工前》
《保温材施工後表面温度》
《保温材施工後》
改善例2 電気とガス併用で省エネ!ヒートポンプ導入による使用燃料量の削減
【改善の背景及び概要】
LPGで昇温することで、LPGだけで温水供給
従前、温水ボイラーの燃料をLPGとしていた。 していた時よりヒートポンプを併用して温水供
使用燃料量の削減を模索していたところ、勤務
給した方が使用燃料量を削減することができた。
体制等から夜間電力を使うヒートポンプ導入が
【省エネ効果】
有効であることがわかった。
 燃料削減量
11kl/年(削減率 約17%)
温水ボイラーの運用にあたり、ある一定温度
 CO2削減量
27tCO2/年
までヒートポンプで昇温し、最終温度までを
70℃
ヒートポンプ(電気)で
20℃から70℃へ
LPG で 70 ℃
から80℃へ
【省エネ改善のポイント】
【受賞企業諸元】
「省エネの余地はないのか!」と常に問題意識 本
社 福岡県北九州市
を持ち、工場全体で省エネに取組んでいる。既 資 本 金 466百万円
存設備に「気づき」を施し、ひと工夫して省エ 従業員数 346名(うち、東北工場48名)
ネに繋げている。
事業内容 他に分類されないパルプ・紙・
紙加工品製造業
この取組みが同社他工場の省エネの模範となり、
URL
http://www.osk.co.jp
会社全体の省エネ意識の醸成に繫がっている。
4
エネルギー管理優良工場等
株式会社川徳
パルクアベニュー・カワトク
〒020-8655 岩手県盛岡市菜園1-10-1
TEL. 019-651-1111
平成26年度 東北経済産業局長表彰
改善例1
照明のLED化による電気使用量の削減
【改善の背景及び概要】
店舗内蛍光灯を複数年かけほぼ全館LED
化。売り場の雰囲気を損なわないよう、LE
Dメーカー担当者と試作品を作成し、取り付
け後の演色性や配光等を確認した。
改善例2
エネルギー使用合理化等事業者支援補助等
支援策を活用しコストを抑えている。
【省エネ効果】
 電力削減
110MWh/年(削減率35.7%)
 コスト削減 2,201千円/年
チラー等起動時間を工夫、負荷平準による契約電力の低減を達成
【改善の背景及び概要】
この負荷平準化により東北電力との契約電
店舗開店前のチラー起動時間を早め、冬場
力を低減しコスト削減を達成した。
のロードヒーティングを夜間のみの起動と 【削減効果】
した。また夏場はチラーに散水対応するこ
 契約電力削減量
500kW
とで、ピーク時間の最大電力の抑制に成功。  コスト削減
9,261千円/年
屋上に並ぶヒートポンプチラー
チラー起動を早める対策でピーク時間が前に移動し、最大電力抑制
【省エネ改善のポイント】
【受賞企業諸元】
必要な設備投資を行うだけではなく、人材教 本
社 岩手県盛岡市
育に注力。店舗に出入りする外部の販売員、警 資 本 金 1億円
備員や清掃員に至るまで約1,600名に毎年省エ 従業員数 493名(平成26年4月現在)
ネを含む環境教育の講習を行い、自社作成のハ 事業内容 百貨店業
ンドブックを配布したり、定期的にエコ通信を URL http://kawatoku.com/index.html
発行する等、省エネ意識の醸成に努めている。
5
エネルギー管理優良工場等
山形サンケン株式会社
〒999-3701 山形県東根市大字東根甲5600-2
TEL. 0237-43-5511
平成26年度 東北経済産業局長表彰
改善例1
純水製造装置の逆浸透膜装置・ポンプ更新による電力低減
【改善の背景及び概要】
【省エネ効果】
純水製造装置の老朽化更新に伴い当該システ
 削減電力量
526 MWh/年
ムを見直しを行い、逆浸透膜(RO膜)の材質を
(削減率 約74%)
見直し、その結果ろ過水の送水圧力の低圧化を
 投資回収期間 6.1 年
可能とした。
 付帯効果
不純物除去率の向上
この事により高圧ポンプを低圧ポンプに替え、
RO膜交換費用の低減
大幅なポンプ電力の低減が実現出来た。
設備
改善後
表.更新前後の仕様
項目
更新前
更新後
RO膜
材質
酢酸セルロース
不純物除去率 94%
ポリアミド系複合膜
新設のRO膜とポンプの
写真
99.7%
ポンプ
供給圧力
3.5MPa 0.7MPa
稼働時
82kW
電力
改善例2
22kW
LED照明による電力使用量の低減
【改善の背景及び概要】
工場棟(24時間操業)、付属棟、厚生棟の蛍光
灯照明を高効率LED照明へ交換し電力使用
量の削減を実現した。
交換本数:5710本、自社施行範囲を拡
げ工事費削減を図った。
【省エネ効果】
 削減電力量
302 MWh/年
(削減率 約13%)
 投資回収期間 9.3 年
改善後の写真
【省エネ改善のポイント】
【受賞企業諸元】
単純更新ではなく最新技術を導入した高効率 本
社 山形県東根市
機器を導入する事により使用エネルギーの低減 資 本 金 100百万円
が図られた。
従業員数 480名
定期的に開催される全社会議で目標設定、重 事業内容 半導体素子製造業
http://www.sanken-elec.co.jp
点施策進捗表、原単位分析などPDCAの廻る URL
運用を実施している。
6
●発行日:2015 年 2 月
●発行元:経済産業省東北経済産業局
●本パンフレットに関するお問い合せ:東北経済産業局資源エネルギー環境部エネルギー対策課
TEL 022-221-4932 FAX 022-213-0757
本パンフレットの印刷に伴い排出された温室効果ガスは、東北地域で創出されたJ-クレジットに
よりカーボン・オフセットされております。