Thermal Desktop 関連製品 CRTech SpaceClaimⓇ CRTech TD DirectTM Introduction and Demonstration CRTech SpaceClaimⓇ PLANET, Inc. Apr. 2014 SpaceClaim CRTech SpaceClaim is devoted to the preparation of CAD models for thermal analysis. 概要 CRTech社の SpaceClaimは、CADベースの設計データにアクセスできない場合やシミュレーションの 対象物の CADデータが緻密過ぎてそのままモデル化することが困難な場合、または CAD専門家でな い熱設計技術者が目的の形状を手軽に作成できない場合などといった熱解析モデル作成時に起こり うる問題を取り除きます。従来、STEPや IGESといった中間ファイルは ThermalDesktopの機能で インポートすることができましたが、それらの形式のみならず、他の主要な CADシステムである Pro/Eや CATIA、SolidWorksなどのデータをダイレクトに流用することができ、熱解析ソフトウエ アの ThermalDesktopをご利用のユーザには必携のツールです。単純に CADデータとの I/Fを提供 するだけではなく、幾何形状をユーザが任意に編集・修正が可能となっております。そのため、 ThermalDesktopとは独立となっており、ThermalDesktopへインポートする前に SpaceClaim自身 でパラメトリックに形状を修正可能です。具体的には、形状の簡略化や、熱数学モデルに適合する ような簡素化やフィッティング、新たな形状追加などです。 今までお困りだった CADデータとの I/F問題を解決するため、是非とも SpaceClaimをご利用下さい。 機能 データインポート 標準機能 · ACIS, STEP, IGES, ECAD, Rhinoceros, SketchUp, CGR, DWG, DXF, STL, OBJ, XAML, VRML, and 3D PDF (requires Adobe Acrobat 9 Pro Extended) 追加機能 · · · オプション 1: Pro/E, Inventor, CATIA v4, VDA オプション 2: SolidWorks, Parasolid, NX オプション 3: CATIA v5 形状の追加・修正 · · スケッチ、プッシュプル、パラメトリックな寸法修正(Sketch, push-pull, parametric driving dimensions) 3D マークアップ機能による自動修正(Automatically identify changes using 3D Mark-up) 形状認識と削除 · 埋め込み、除去、結合、引き出し、拡張(Fill, remove, combine, pull, extend) · 穴やフィレット、面取りの自動認識(Recognize holes, fillets, rounds) · パワーセレクション機能による同一サイズの自動選択(Select similarly-sized features using power selection) 修復 · ギャップ面と微小面の特定(Identify and eliminate gaps and small faces) · 失われた面の特定と追加(Identify and add missing faces) · 干渉部の特定と修復(Identify and fix interference) · 分割部と不正確な端部の特定と修復(Locate and correct split and inexact edges) · 面のマージとアジャスト(Merge adjacent surfaces) · 面のスティッチ処理とソリッド化(Stitch surfaces into solid bodies) SpaceClaim デモンストレーション CRTech SpaceClaim を使って複雑な部品から Thermal Desktop モデルを作成する過程をデモンストレーショ ンします。 図 A に示すような複雑な形状のジャンクションボックスを例にとります。内部には流体の冷却路が備わって おり、外表面は大気との対流熱伝達があり、マウント部分は土台の構造物(デモではモデル化せず)との熱伝 導があります。 STEP ファイルだけがこの複雑な形状を定義するのに有効です。このファイルは外部形状のみならず、図 A に 示すようなオリジナルの内部の流体流路までも描写します。流路の両端面にはボルトが付いており、固定用の 穴空きアングルブラケットも付いています。 複雑なこの形状を簡素化し、Thermal Desktop にモデルをエクスポートする前に解析モデルとして使うための 前準備を行います。解析を担当する経験者であれば、この作業に大よそ 30 分かかります。 図A Part 1: リペア CRTech SpaceClaim は自動的に形状をチェックする機能を有してますが、デモではこの機能をオフにしてい ます。 BEFORE AFTER パーツは一体のソリッドとなりました。 このエッジは不連続です Part 2 : CAD フィーチャーの削除 Part 1 では STEP ファイルにより形状がインポートされ、一体のソリッドにリペアされました。その結果、特 に CAD データとしては問題はありませんが、解析モデルとしては余計なパーツの削除が必要です。 BEFORE ボルトの削除 穴埋め テーパーや段差の削除 AFTER Part 3: 簡素化 ここでは 2 つのボルトヘッドを簡素化し、3D のマウントブラケットをサーフェイス化します。 BEFORE AFTER Part 4: 流体解析のための前処理 ここではThermal Desktop の FloCAD で流体解析を行うための前処理についてデモンストレーションします。 ボリューム抽出 一時的な可視化のため、流路のためのボリ ュームを持つソリッドを作成します。 このボリュームの目的のひとつは体積を調 べるためです。 ビーム抽出 ボリュームのもうひとつの目的は自動的にボ リュームで示される流路の中心軸を抽出す ることです。そして生成された中心軸は FloCAD の Pipe 要素で使用することができ ます。 Part 5: Thermal Desktop ここまでで熱モデル用のソリッド、サーフェイス、流路中心軸などの前準備が整いました。最終的には計算精 度が高く、体積や表面積などの各種属性が正しく反映された、そのような熱モデルを作ります。 以下では、CAD データでの前準備から簡素化、各種の修正などに焦点をあてて、Thermal Desktop(以下、TD) でどのように熱モデルを作っていくのかを紹介します。 エクスポートとインポート Part 4 までの操作で TD にデータをエクスポー トする準備が整いました。データはジャンクシ ョンボックスのソリッドとアングルブラケッ トのサーフェイス、そして FloCAD のための流 路中心軸です(右図)。 “Import CAD Geometry“オプションを用いてモデルをイン ポートします(右図)。 メインのソリッドは視覚効果を高める ためのもので、作成するメッシュが正しく外表面に配置され るか確認することができます。 3 次元ボックスのメッシュ解像度は 2 次元のアングルブ ラケットのメッシュにとっても適度にマッチするよう 選ばれています。最終的に TD Mesher 機能を使って TD のノードとエレメントにより右図のような熱モデルが 作られます。(※ここでは後述する TD Direct は用いて おりません) CRTech TD DirectTM CRTech TD Direct は、CAD 設計による幾何形状と Thermal Desktop(以下、TD)の熱モデルとの間のギャッ プを埋める強力なソフトウエアです。TD が AutoCAD ベースで動作するのと同じように、TD Direct は SpaceClaim ベースで動作します。TD Direct により、長い間熱解析エンジニアにとって難題だった数多くの 問題を解決することができます。メリットは、Pro/E や SolidWorks、CATIA V5 といったメジャーな CAD フ ォーマットをダイレクトにインポートできることです。それらの CAD 形状を出発点にして最終的には TD で 熱解析することが目的ですが、その間の重要な役割を TD Direct が果たします。SpaceClaim/TD Direct は、初 心者でも使いやすい幾何形状の簡素化やリペアなどの機能と、有能なメッシュ作成機能を備えています。 TD Direct は、CAE による幾何形状と TD による熱モデルをリンク(同期)します。リンクが張られる際には、 幾何形状は AutoCAD データの一部となり、熱モデル用のメッシュも自動的に生成して TD にインポートしま す。このリンクは双方向で機能します。即ち、TD 側で予め定義した熱物性や光学特性などを TD Direct 側に ロードします。リンクは同期機能が備わっており、TD Direct のどんな変化でも、ワンクリックで TD 側が更 新されます。TD の熱モデルとの迅速な同期機能と TD Direct の幾何形状変更操作の容易さは、反復設計プロ セスとそれに関連した数多くの問題を解消します。 まず初めに、CAD ソフトウエアにより形状を作成します。場合によっては、他のプロジェクトから CAD 情報 をインポートする場合もあるかもしれません。SpaceClaim は各種の CAD フォーマットを読み込むことがで きますので(一部機能はオプションです)、CAD 形状をファイルに保存した後、SpaceClaim でデータを読み 込みます。次に、SpaceClaim で熱モデル用に幾何形状を簡素化し、TD Direct で熱モデルのための前準備を 行います。この時、TD 側とリンクを張ることで事前に材料熱物性や表面光学特性を SpaceClaim モデルに割 り当てることができます。最後に、TD 側の SpaceClaim リンクコマンドにより、ソリッド表面及びサーフェ イス面にのみ作成された熱モデル用の FEM メッシュを TD にインポートします。この時、必要であればチェ ック用に幾何形状も同時にインポートすることができます。 TD Direct デモンストレーション 簡単な形状を用いて、SpaceClaim での形状作成から前準備、TD へのメッシュインポートまでをデモンスト レーションします。ここでは簡単な円柱を例にとります。 Part 1:CAD 形状作成 SpaceClaim を起動します。この時、TD とのリンクのためにバックグラウンド処理はオフにします。 チェックオフ 最初に、ベースとなる円(サークル)を描画します。長さの単位はデフォルトが mm です。 続いて、デザインメニューの編集>プルを選択し、円の中にマウスを移動してマウスクリックしながらマウス を上下に移動することで、形状が立体に引き出されて円柱となります。ドラッグ中にスペースキーを押すこと で直接寸法をテンキーから入力することもできます。これで CAD 形状としての円柱が完成です。 Part 2:熱モデルの前準備 ここでは、TD 用の熱モデルの前準備として TD Direct 上でタグを作成します。このタグにより、メッシュの 基本情報や各種物性、TD 用のサブモデルなどを定義していきます。TD Direct は SpaceClaim のメニューに “Thermal”というのがありますので、そこから操作を始めます。まず形状を全て選択し、Edit Tags>Mesh Ctrl ボタンを押します。 例として、相対メッシュを選択し、0.1 を入力 メッシュタイプは三角形を選択 続いて、形状を選択したまま、Edit Tags>Thermal ボタンを押します。 サブモデル名として“MAIN”を入力 材料名として“A5052”を入力 ※これらの情報は、予め TD とのリンクを先に実 行すると、TD 側の情報がロードされて選択でき るようになります。 タグの作成が終わったら、一旦ファイルを SpaceClaim フォーマット(拡張子 scdoc)で保存します。保存し たファイルを介して TD とリンクしますので、必ずファイルを保存して下さい。 Part 3:TD とのリンク 保存した SpaceClaim ファイルを使って TD とのリンクを張ります。最初に、TD を起動して空のモデルファ イルを開きます。単位系を SpaceClaim 側と合わせておく必要があるので、必ず TD のプリファレンスで長さ を mm に設定します。 TD 画面左側の Create SpaceClaim Link アイコンをクリックするか、Thermal メニューから SpaceClaim> Create SpaceClaim Link コマンドを実行して下さい。 Create SpaceClaim Link アイコン 上記コマンド実行後、scdoc ファイルを選択すると下記の画面が表示されます。Generate Finite Element Mesh を選択すると FEM メッシュが自動生成されて TD 側にモデルがインポートされます。幾何形状が必要な場合 はその上の Import CAD…にチェックを入れます。Synchronize ボタンでインポートが開始されます。 幾何形状のインポートが必要な場合はこちらに チェックを入れます インポートされた TD の FEM メッシュです。外表面にメッシュが作成されています。 モデルブラウザを開き、MAIN というサブモデルでノードが作成されていることを確認します。また、TD Direct のタグで材料として A5052 を定義しましたが、材料はインポートされないので TD 側で A5052 というプロパ ティを作成する必要があります。続いて、SpaceClaim 側で修正を行った場合(例としてメッシュを四角形に 設定変更した場合)、再度リンクコマンドを実行すると以下のように同期します。 TD Direct により、簡単にモデルをインポートしてメッシュを作成することができました。後は、TD で熱解析 を実施します。
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