二次電池の総合解析 大気非暴露分析 電池特性解析 • 最適化手法によるFRA解析 • 多変量解析 GC/MS, LC/MS, ESR, NMR, solid NMR, X-CT, SIMS, TOF-SIMS, MALDI-TOF, Raman, FT-IR, SEM, FIB-SEM, STEM, XRD, XANES 劣化部材の特定 ArグローブBox内での解体 劣化による変化の特定 第一原理計算, FPMD計算 A e Anode Cathode C6Li Electrolyte LiCoO2 劣化メカニズムの推定 2014/04/17 旭化成基盤技術研究所 1 電池内部発生ガスの組成分析 Li-ion 二次電池(LIB) に生じる問題の一つに、ガス発生がある。 ガスは主に電解液の分解による生じるが、発生ガスの特定や、電解液の反 応生成物、分解機構の特定は電池や部材の開発・選定にとって重要である。 ガスの採取 ガスの分析 分析対象に最適な装置及び最適なカラムで測定 (1)GC-TCD (H2分析;定性、定量) 分析対象ガス:H2、(Ar)、CH4 (2)GC/MS-1 (無機ガス,C1~C2分析;定性、定量) 分析対象ガス:(Ar)、CO、CH4、 CO2、C2H6 ラミネートセル 大気下でガス採取 (Ar下でも可能) 2014/04/17 等 (3)GC/MS-2 (無機ガス,C1~C6程度分析;定性、定量) 分析対象ガス:(Ar)、CH4、 CO2、 C2H6、C3H8、溶媒 等 (4)IC(HF;定性、定量) 分析対象ガス: HF 旭化成基盤技術研究所 2 高電位長期保存試験後の発生ガス分析 [ファイル名] N0.1 : C:\GCMS\GAS10\1204MS1_21.SPE N0.2 : C:\GCMS\GAS10\1204MS1_31.SPE [クロマトグラム] [100] [積層①13MI0802-1_25ul] [積層②13MI0911-8_25ul] (1)GC-TCD (H2分析;定性、定量) TIC Y軸 : 相対値(%) TCD1A, フロントシグナル(W:\YAMAHATA\131202(GAS10)\GCデータ\1202GC-STD04.D) 採取ガスの GC,GC/MS結果 発生ガス組成 350000 - 0 25µV 6.549 面 積: 9.85 769 面積2.432 : 35 .419 3 H2 CH4 3.502 面 積: 5.93 164 20 15 10 5 0 -5 残存Ar 0 1 2 3 4 TCD1A, フロントシグナル(W:\YAMAHATA\131202(GAS10)\GCデータ\1202GC-STD05.D) 5 6 7 8 CH 4 min 12% 9 25µV [クロマトグラム] [100] TIC 25µV No.2 R.T--> 20 15 10 5 0 -5 CO CH4 05:00 CO2 18% 3.517 面 積: 3.03 814 [40(5)-10-240(5)-100:1,50uL] 5 6 7 CO2 10:00 3.548 面 積: 1.84 787 残存Ar 面積 2.440 : 69 .592 5 10 5 0 Y軸 : 相対値(%) -5 0 1 2 3 4 TCD1A, フロントシグナル(W:\YAMAHATA\131202(GAS10)\GCデータ\1203GC-STD06.D) 8 (3)GC/MS-2 (無機ガス,C 0 1 2 3 4 5 6 1~C 6程度分析;定性、定量) No.1[0] R.T--> 05:00 2014/04/17 min 7 CO 10% 6000000 - 0 No.2 20:00 25:00 8 残存Ar+CO CO2 CH4C H 2 6 9 C2H6 15:00 H2 46% No.1 350000 - 0 6.545 面 積: 29.3 164 N0.1 : C:\AK\一般受託\テーマ受託\LIC\201212 2400F ガス分析\121212-GCMS-2\AIAEXPRT.AIA\AFEC2400F11.SPE 6.556 面 積: 3.50 293 [ファイル名] (2)GC/MS-1 20 (無機ガス,C 1~C2分析;定性、定量) 15 2.423 面 積: 17.2 198 No.1 [0] C3H8 RF,EMC等 C2H6 4% 3% 7% 9 30:00 溶媒の酸化ガスだけでなく、還元ガ min スと推定されるガスも検出された。 アルキメデス法によるガス量(cc)と 掛け合わせて、各ガスの絶対量(cc) も求められる。 No.1 C3H8 10:00 溶媒 15:00 20:00 25:00 旭化成基盤技術研究所 3 電極SEI層の解析 リチウムイオン電池(LIB)では、初充放電時に電解液成分や添加剤の分解によっ て活物質表面にSEIが形成され、電解液の分解を抑制する。 SEIはLi含有化合物 から成るため、経年劣化により被膜が厚くなると抵抗が増大するなど、特性が低 下する。従って、SEI成分の定性・定量分析は、電池性能の低下要因を究明する のに有用である。 XPS, μ-XRF, ICP 2014/04/17 旭化成基盤技術研究所 4 保存試験前後の負極堆積物(SEI)抽出分析 単位:μg/cm2 16 保存前 保存後 12 保存後(添加剤有) 8 4 0 2014/04/17 ② 有 機 SEI ① 有 機 SEI 有 機 SEI SEI 無 機 ③ 長期保存試験により、堆積物の増 加が認められ、抵抗増大の要因と なっている ことが、示唆された。 また、添加剤を加えることで、保存 中のSEI増大を抑制する効果がある ことが分かった。 旭化成基盤技術研究所 5 大気非暴露TEM観察 V/電圧 SEI Thickness; full charged (30nm) > discharged (10nm) SEIが充電過程で生成し、放電過程で分解 C 4 3 B D A Anode C ; Charge 4.2V 未 充電 放電 通電過程 SEI(thicker) 2014/04/17 Anode D ; discharge 3.0V 旭化成基盤技術研究所 SEI(thinner) 6 非暴露SEM観察例(LIB負極表面の形態観察) 試料 未充電品 3V充電品 4V充電品 放電品 観察倍率 (5000) 観察倍率 (50000) 充放電品では、負極活物質表面にSEIが観察される 2014/04/17 旭化成基盤技術研究所 7 非暴露SEMの例(LIB負極表面の形態観察) 電極表面に付着物が偏在している ・付着物部 ・電極部 2014/04/17 柱状・紐状に成長したような付着物が確認できる 旭化成基盤技術研究所 8 非暴露TEMの例(LIB負極断面の形態観察) (a) (d) ←表面付着物 Li C ←電極 (b) (c) (a)断面SEM像(5000倍観察)、(b)断面SEM像(15000倍観察)、(c)断面TEM像(15000倍観察)、 (d) EELS map : 緑(Li)、赤(C) 2014/04/17 旭化成基盤技術研究所 9 非暴露TEMの例(LIB負極断面の形態観察) 試料 未充電品 3V充電品 放電品 4V充電品 観察倍率 (5000) チューブ状付着物 観察倍率 (45000) 2014/04/17 SEI 旭化成基盤技術研究所 10 In-situ XRD測定 負極 (活物質面下) He雰囲気 電解液 正極 (活物質面上) 2014/04/17 旭化成基盤技術研究所 11 In-situ XRD測定 in-situ XRD:正極充電 in-situ XRD:正極充電 in-situ XRD:正極充電 (003) (101) 2.5 4.0 4.0 (006) (104) 3.5 (012) 3.0 2.0 X線強度(規格化) ブランク 2.5 充:3.6V,1min X線強度(規格化) X線強度(規格化) 3.0 ブランク 1.5 充:3.6V,1min 2.0 充:3.6V,2min 充:3.6V,1min 2.0 充:3.6V,2min 充:3.6V,2min 充 電 深 度 充:3.8V,1min 1.5 充:4.0V,2min 充:3.8V,1min 1.0 ブランク 充:3.8V,1min 充:4.0V,2min 充:4.0V,2min 充:4.2V,2min 1.0 充:4.2V,2min 充:4.2V,5min 充:4.2V,5min 充:4.2V,5min 充:4.2V,11min 0.5 充:4.2V,11min 充:4.2V,11min 充:4.0V,20min 0.0 36.5 充:4.0V,20min 0.0 44.0 充:4.2V,2min 1.0 0.5 0.0 18.0 18.5 19.0 2θ / 度 19.5 20.0 37.5 39.5 充:4.0V,20min 44.5 45.0 2θ / 度 45.5 46.0 in-situ XRD:正極(LiCoO2)の充電過程 in-situ XRD:正極(LiCoO2)の充電過程 14.14 2.86 格子定数(c/Å) 格子定数(a/Å) 2.84 格子定数[c] / Å 格子定数[a] / Å 38.5 2θ / 度 2.82 2.80 14.12 14.10 14.08 Co c 充電深度 充:4.0V,20min 充:4.2V,11min 充:4.2V,5min 充:4.2V,2min 充:4.0V,2min 充:3.8V,1min 充:3.6V,2min 充:3.6V,1min 充:4.0V,20min 充:4.2V,11min 充:4.2V,5min 充:4.2V,2min 充:4.0V,2min 充:3.8V,1min 充:3.6V,2min ブランク 充:3.6V,1min 充電深度 ブランク 14.06 2.78 O b Li a hexagonal,R -3 m H(166) a=2.817, b=2.817, c=14.06 α=90, β=90, γ=120 充電による結晶格子の変化を、リアルタイムで観測 12 旭化成基盤技術研究所 2014/04/17 大気非暴露 XRD 測定 (正極) ラミセルを用いて測定 V/電圧 (003),(009) → c axis expand (101),(012),(015),(113) → a axis shrink → Liは層間結束因子 放電 B(充3.0V) (101) C(充4.2V) (012)※ ※ 0.1 D;放3.0V ※ 18.5 19.0 2θ / 度 19.5 20.0 0.07 0.06 35.0 36.0 37.0 38.0 2θ / 度 39.0 40.0 (009) 0.08 0.07 0.06 0.06 0.04 0.04 0.04 0.03 0.03 0.03 0.02 50.0 D(放3.0V) 0.07 0.05 48.0 49.0 2θ / 度 C(充4.2V) 0.08 0.05 47.0 (113) 0.09 0.05 0.02 0.0 18.0 0.08 B(充3.0V) 0.10 D(放3.0V) 0.09 X線規格化強度 0.2 0.0 C(充4.2V) 0.10 (015) 0.09 A(未) 0.11 B(充3.0V) D(放3.0V) ※ 0.1 A(未) C(充4.2V) 0.10 ※ ラミ正極:大気非暴露XRD 0.12 0.11 B(充3.0V) D(放3.0V) C;充4.2V 0.2 C(充4.2V) D(放3.0V) B;充3.0V ラミ正極:大気非暴露XRD A(未) 0.11 X線規格化強度 0.3 通電過程 X線規格化強度 A(未) B(充3.0V) A;未 0.4 X線規格化強度 A(未) 放電 充電 0.12 0.12 X線規格化強度 (003) D 未 ラミ正極:大気非暴露XRD ラミ正極:大気非暴露XRD 0.3 0.5 B → 抜ければ層間(c軸)が伸びる ラミ正極:大気非暴露XRD 0.6 3 A 正極 充電 C 4 0.02 57.0 58.0 59.0 2θ / 度 60.0 67.0 68.0 69.0 2θ / 度 70.0 ※;ラミ由来 2014/04/17 旭化成基盤技術研究所 13 71.0 大気非暴露XANES測定 ラミセルを用いて測定 Liの増減によって電荷補償先の元素の電荷が変化 C 4 V/電圧 構成主元素の平均化数の変化を捉えることが可能 3 B D A 正極 → Liは正電荷 → 抜ければ電荷補償先が必要 Ni 未 放電 通電過程 Mn Co nmc正極:大気非暴露XANES(Co-K) nmc正極:大気非暴露XANES(Ni-K) 充電 nmc正極:大気非暴露XANES(Mn-K) B;充3.0V C;充4.2V A(未) D;放3.0V -20 -10 0 10 20 ⊿E / eV 2014/04/17 30 X線吸収係数(規格化値) X線吸収係数(規格化値) X線吸収係数(規格化値) A;未 A(未) A(未) B(充3.0V) B(充3.0V) B(充3.0V) C(充4.2V) C(充4.2V) C(充4.2V) D(放3.0V) D(放3.0V) D(放3.0V) 40 50 -20 -10 0 10 20 30 40 50 -20 ⊿E / eV 旭化成基盤技術研究所 -10 0 10 20 30 40 50 ⊿E / eV 14 QMD計算 モンテカルロ 分子力学 分子動力学 量子化学計算 第一原理計算 Monte Calro (MC) Molecular Mechanics Molecular Dynamics (MM/MD) Ab initio/First principles (QM, AI, FP) スケール 構造: - 時間: 静的 構造: ~数百nm 時間: f sec ~ n sec 構造: ~数nm 時間: f sec ~ p sec 計算 対象 安定配置・構造 熱力学量 安定配置・構造 熱力学量・輸送係数 安定配置・構造 電子状態・反応・MD 計算 手法 基礎 物理 2014/04/17 古典力学 古典力学 解析力学 統計力学 統計力学 旭化成基盤技術研究所 量子力学 統計力学 15 QMD計算応用例:固液反応 電解液/電極界面モデル(より大規模モデル) H 2014/04/17 旭化成基盤技術研究所 Li C O F P 16 シミュレーションで求めた反応経路 Li+ Li+ +H 2 −7.4 12.8 −H +2H −26.8 2 2014/04/17 −12.1 2 2 −2.5 2 −2H 36.4 −2H +H 6.2 旭化成基盤技術研究所 27.7 (数値はkcal/mol) 17
© Copyright 2024 ExpyDoc