RC報告書2014 - 中国化薬株式会社

R C 報 告 書 2014
R e s p o n s ib l e C a r e R e p o r t
中国化薬株式会社
目 次
会社概要
頁
03
ごあいさつ
04
環境・安全の理念と基本方針およびRCに関する方針
RC活動への取り組み
RC推進体制
05
RC活動の実施状況
2013年度RC活動の目標・実績
07
06
1.マネジメントシステム
監査システム
08
2.環境保全
主な環境負荷、環境投資
省エネルギー、化学物質の排出量削減
大気汚染、水質汚濁の防止
産業廃棄物の削減
10
3.保安防災
保安防災投資、保安防災訓練・教育
4.労働安全衛生
労働安全衛生活動、メンタルヘルス・ケア
5.地域社会とのコミュニケーション
11
12
13
14
15
6.サイト環境活動
16
17
6.1 江田島工場の活動
6.2 吉井工場の活動
表紙写真説明
「 城南緑地(高崎市) 」
撮影者: 桑原 良一 (吉井工場 安全環境管理課)
高崎市を流れる「烏川」沿いにある緑地で、
休日などには家族で散策に訪れる人もいます
19
会社概要
【社 名】 中国化薬株式会社
【資本金】 297百万円
【創 業】 1947年(昭和22年)3月28日
【売上高】 98億円(平成25年度)
【本 社】 〒737-8507
広島県呉市天応塩谷町1番6号
【事業拠点】 本社、東京支店、大阪営業所
江田島工場(広島県)
吉井工場(群馬県)
【従業員】 492名(平成26年8月1日現在)
【主な営業種目】 防衛火工品、産業火薬品、
工業薬品の製造及び販売
医薬品の製造及び販売
本社(呉)、
江田島工場
(江田島)
吉井工場
(高崎)
東京支店
大阪営業所
RC活動対象組織
本社、東京支店、大阪営業所、江田島工場、吉井工場
※環境負荷データの集計対象:江田島工場、吉井工場
対象期間
2013年4月21日~2014年4月20日
(一部2014年4月21日以降の情報を含みます)
RC(レスポンシブル・ケア)とは
「化学物質を製造し、または取り扱う事業者が、自己決定・自己責任の原則に基づき、化学
物質の開発から製造,流通,使用,最終消費を経て廃棄に至る全ライフサイクルにわたって
環境・安全・健康を確保することを経営方針において公約し、環境・安全・健康の対策を実行
し、改善を図って行く自主管理活動」のことです。
03
ご挨拶
当社は火薬類の製造を使命として発足し、
に実施していくため、2003年5月に日本
これを基幹とした化学工業分野の事業を営ん
レスポンシブル・ケア協議会(現:日本化学
でいます。火薬類の製造、取扱を行う企業に
工業協会RC推進部)に入会し、RC活動を
とって、安全と保安防災の徹底は経営の最重
全 社 に 拡げ ま した 。
要課題であるとともに、社会に対する責任で
そして、環境への取り組みでは、2004
あると考えて、安全の更なる向上を目指し、
年に江田島工場、吉井工場で環境マネジメン
真 摯 に 取り 組 んで き ました 。
トシステムである
ISO14001の認証
また、「環境保全は企業の責務である」、
を取得しました。また、保安防災、労働安全
「安全は全てに優先する」との理念を掲げ、
衛生、環境保全活動についても積極的に取り
すべての事業活動においてこれらの実践に努
組 み 、 成果 を 上げ て きまし た 。
めています。これらの活動を計画的、効果的
2013年度は、昨年度に実施した全ての
施設、設備、工程の洗い出しを基に「優先順
位の高いものから順にリスクの把握及び低減
に努める」を目標とし、リスクアセスメント
を5年間で100%実施する取り組みを開始
しました。これによりリスク管理を進め災害
等 の 防 止を 図 って ま いりま す 。
今回のRC報告書は、RC活動を開始して
10年が経過したものです。これまでの主な
結果と、2013年度の取り組み及び成果を
ま と め まし た 。
本年度は新たなる10年に向かってスタートし
ます。さらなるご指導ご支援をお願い申し上げま
す。
2014年9月
代表取締役社長
経営の信条
一、 火薬類の製造を基幹とし、化学工業を行う。この作業は危険あり、然も大なる利潤は期待し得ないが、
誰かが担当せねばならない重要な仕事である。我社は之を安全に遂行する事を誇りと観じ、本事業
を通じて国家の進運に貢献しつつ社運の発展を期す。
二、 全従業員が一致団結して各その配置に於いて任務を楽しく遂行し、以って自己のこの世に生を享けた
喜びを満喫できる会社とする。
04
環境・安全の理念と基本方針およびRCに関する方針
環境の理念
安全の理念
「環境保全は企業の責務である」
「安全は全てに優先する」
地球環境を保全し、地域社会との共存共栄を図る
ことが企業の重要な使命であることを認識し、企
業活動のすべての面で人と環境に調和した活動
を行う。
企業の使命を守り、今後とも健全な形で存続して
いくためには、心身ともに安心して働ける職場で
あること、また安全を保つことにより、地域社会と
調和を保つことが大前提である。
環境の基本方針
安全の基本方針
1.「環境への配慮は企業の使命である」を基本に
行動する。
1.安全の確保は企業存立の基盤である。
2.環境マネジメントシステムの構築と継続的
改善を図る。
2.「全ての事故は防止できる」との信念のもとに
安全を確保する。
3.教育訓練による全従業員の環境意識の向上
を図る。
3.安全は自分自身のためであり、「定められた
事は必ず守る」を基本に行動する。
RCに関する方針(2012年7月改訂)
中国化薬株式会社は、環境保全および安全と健康の確保が企業の責務であることを認識し、以下のとおり方針を
定め、着実かつ継続的にRC活動を行う。
(1) 目標・方策の明確化と周知徹底
環境保全および安全と健康の確保のための活動を継続的に向上するため、具体的な目標、方策を「RC活動中
期計画」および「年度RC活動実施計画書」に定めて全社員に周知徹底する。
(2) 環境負荷の低減
全製品ライフサイクルにおいて環境負荷の少ない業務を推進するため、廃棄物排出量削減、省資源・省エネル
ギー活動の推進、有害化学物質使用量の最小化を行う。
(3) 保安防災水準の向上
事業活動における火薬事故、火災、環境事故等を防止するため、災害未然防止活動の推進、安全教育の徹底、
基盤整備・維持活動の継続を行う。
(4) 労働安全衛生水準の向上
事業活動における労働災害、健康被害を防止するため、労働災害未然防止活動の推進、安全衛生教育の徹底、
快適職場づくりの推進を行う。
(5) 物流安全水準の向上
物流中の事故、災害を防止するため、物流事故・災害防止活動の推進、物流安全教育を行う。
(6) 化学物質・製品の安全性確保
化学物質や製品の物流、使用、廃棄等における事故・災害を防止するため、リスクマネジメントによる先手管理
を行う。また、取り扱う全ての化学物質と製品の最新の安全性情報を収集・整備し、必要に応じてこれらの情報を
関係先に提供する。
(7) 社会からの信頼向上
社会との共存共栄をはかるため、国際規則、国内関係法令及び社内規則類の遵守はもとより、環境・安全に関
する社会の要請を把握し、事業活動に反映させる。また、環境・安全に関する取り組みについて社会との対話に
努める。
05
RC活動への取り組み
RC活動に関する最高意思決定機関と
計画します。この計画は統括管理責任者
して、社長を委員長、委員に環境安全担
(環境安全担当役員)が作成し、RC委
当役員、総務管理部門担当役員、営業部
員 会 で 審議 、 承認 さ れて設 定 さ れま す 。
門総括役員、工場生産担当役員で構成さ
RC中期活動計画はRC内部監査の結
れる「RC委員会」を設置しています。
果や、法律等の改正、業界周辺の動向、
ここでは、環境・安全・健康管理に関す
事業環境の変化などを考慮して年度毎に
る 基 本 施策 の 審議 等 を行っ て い ます 。
見直しを行い、更新します。各工場、事
また、RC活動を具体的に推進するた
業所はこのRC活動中期計画をもとにR
め年度のRC活動中期計画を作成し、活
C実施報告書/計画書を作成し、活動を推
動の継続性を考慮して3年間の目標値を
進 し ま す。
RC推進体制
社 長
統括管理
責任者
(環境・安全
担当役員)
江田島工場
部、課
RC推進委員会
環境・安全担
当役員補佐
環境保全委員会
RC委員会
RC小委員会
吉井工場
部、課
RC推進委員会
環境・安全担
当役員補佐
環境保全委員会
本社
東京支店
大阪営業所
【RC小委員会(年2回開催)】
【 R C 推進 委 員会 】
RC委員会の下部組織であり、統括管
RC活動を推進していくため工場に設置
理責任者を委員長として、工場長、安全
した委員会で、委員長は工場長、委員は各
担当役員補佐、安全環境管理室長、火薬
課の課長が選任されています。RC活動中
類製造保安責任者で構成されています。
期計画で決められた方策及び目標に従って、
職務は、RC委員会からの指示を受け
た事項の細部の検討、環境・安全・健康
管理に関する詳細な検討を行い、RC委
員会への報告等の活動を行っています。
自分の課で可能な具体的な計画を定めてR
C 活 動 を進 め てい く 組織で す 。
RC活動を通じて、環境・安全・労働衛
生 等 の レベ ル 向上 を 目指し て い ます 。
06
RC活動の実施状況
2013年度RC活動の目標・実績
2013年度のRC活動の評価
【自己評価】○:達成(95%以上)、△:一部達成(95~80%以上)、×:未達成(80%未満)
RCコード
1.マネジメント
項 目
RC委員会開催
システム
及び
査察・監査
共通事項
緊急事態への対応
2.環境保全
有害物漏洩
省エネルギー推進
(エネルギー原単位削減)
2013年度目標
2013年度実績
自己
評価
RC委員会・小委員会開催(4回)
4回(7月、10月、12月、3月)
○
社長環境・安全査察(2回)
2回(10月、4月)
○
統括管理責任者査察(1回)
1回(7月)
○
RC内部監査(1回)
1回(2月)
○
総合消防訓練(1回)
1回(本社4月、江田島11月、吉井
11月、東京11月、大阪11月)
○
緊急注水装置操作訓練(9件:吉井)
9件(11月~2月の間)
○
防火訓練(各地区隊)(5地区:江田島)
5地区(本部、第1,3,6,7地区隊)
○
危険物・有毒物・未処理廃液などの海、
又は河川への流出による環境問題・事故
ゼロ
社外への流出はゼロ
○
原単位2009年度比4%以上削減(0.5190以
下(kℓ(原油換算)/百万円(生産売
17.7%削減(実績 0.4448)
上)))
○
事故ゼロ
爆発・発火事故ゼロ
○
3.保安防災
事故・災害の防止
4.労働安全
衛生
従業員の安全衛生管
労働災害(休業)ゼロ
理
0件
○
5.物流安全
物流事故撲滅
場内物流事故ゼロ
事故ゼロ
○
輸送業者への保安教育の実施
実施(火薬類の運搬を委託してい
る各業者に実施。江田島10月、吉
井8月)
○
6.社会との
対話
社会とのコミュニ
ケーション
近隣との友好関係の確保
(地域における各種行事、ボランティア
活動などへの積極的な参加により、地域
との共生と連携を図る)
地域行事、各種協議会への
参加:本社14回(計画11回)、
江田島15回(計画10回)、吉井16
回(計画16回)
○
レスポンシブル・ケアコード
レスポンシブル・ケアを実践する際の基本的実施事項を定めたもので、以下の7つのコードに分類されています。
1) マネジメントシステム (以下の6つの活動をシステムとして統一的に運用することにより効率的に推進する)
2) 環境保全(化学物質の排出量並びに発生量を継続的に低減させることにより環境・安全の向上を図る)
3) 保安防災(事業場の火災、爆発及び化学物質流出事故を防止する)
4) 労働安全衛生(労働災害の撲滅、潜在的危険性の低減、快適職場の形成により職場の安全衛生を向上する)
5) 物流安全(従業員、輸送業者等並びに環境に影響を及ぼす化学品の流通時のリスクを軽減する)
6) 化学品・製品安全(製品の全ライフサイクルに渡ってリスクを管理する)
7) 社会との対話(環境・安全・健康にかかわる情報を地域社会に提供する)
07
1.マネジメントシステム
監査システム(ISO14001外部審査)
環境マネジメントシステムについて外部認
証機関(公益財団法人
防衛基盤整備協会
江 田 島 工場 : 化学 薬 品(ニ ト ロ 化合 物 )、 火
薬 類 及 び医 薬 品( 硝 酸イソ ソ ル ビド 、 ニコ ラ
システム審査センター)によるシステムの審
ン ジ ル )の 設 計・ 開 発及び 製 造
査を受けています。両工場ともシステムは有
吉 井 工 場: 宇 宙ロ ケ ット用 火 工 品の 設 計・ 開
効であるとの評価を受けています。なお、認
発 及 び サー ビ ス提 供 / 防衛 用 火 工品 及 び民 需
証 範 囲 は右 に 示す 通 りです 。
用 火 工 品の 設 計・ 開 発、製 造 及 びサ ー ビス 提
供 / 硝 酸 グア ニ ジン の 製造
ISO14001 認証審査
ISO14001 認証審査
(書類審査:江田島工場)
(現場審査:江田島工場)
ISO14001 認証審査
(書類審査:吉井工場)
ISO14001 認証審査
(現場審査:吉井工場)
08
監査システム(環境・安全査察)
RC活動の実施状況を、社長若しくは統括管
理責任者による定期査察を行い確認しています。
最 近 の 実 施 状 況 は以 下 の通 り で す 。
■
社長査察ではRC活動計画の進捗状況及び実
2 0 1 3 年 10 月 (江 田 島 工 場 、 吉 井工 場 )
施 内 容 を 確 認 し、 活 動 計画 が 遵 守 され て い る か
を査察します。統括管理責任者査察ではRC活
社 長 環 境 ・ 安全 査 察
2014年
■
動計画が各部署に展開され、実施・管理されて
4 月 (江 田 島 工 場 、 吉 井工 場 )
統 括 管 理 責 任者 環 境・ 安 全 査 察
2013年
7 月 (江 田 島 工 場 、 吉 井工 場 )
いるかについて査察します。活動をより良くす
るための指摘を行い、環境・安全の向上を図っ
ています。
社長環境・安全査察
(江田島工場)
社長環境・安全査察
(吉井工場)
監査システム(RC内部監査・環境内部監査)
RC内部監査は統括管理責任者を監査責任
環境内部監査の監査は、社外の内部監査
者とするチームで実施され、各事業所のRC
員になるための講習又は社外講習を受けた
活動計画の結果を確認し、目的・目標を達成
者による社内講習を受講して認定を受けた
するために機能しているか、また目的・目標
者が監査員となり、行われます。チェック
に対してRC実施計画が適正であったかを検
シートを活用して活動の監査を行い、活動
証します。
の 有 効 性 を 評 価 して い ます 。
RC内部監査:現場監査(江田島工場)
RC内部監査:現場監査(江田島工場)
09
2.環境保全
主な環境負荷(2013年度実績)
環境負荷図
INPUT
OUTPUT
製品
生
産
活
動
原料等
燃料
(A重油、灯油等)
水域への排水
排水量
37,958 トン
COD
1,862 kℓ
(
E
江
田
島
工
場
・
Y
吉
井
工
場
)
(E:1458kℓ 、Y:404kℓ)
電力
7,392 MWh
(重油換算1,925 kℓ)
(E:1294kℓ,Y:631kℓ)
水資源
104,810 トン
418 kg
大気への排出
(江田島工場)
SOX
26 kg
NOX
4,866 kg
ばいじん
72 kg
(廃棄物排出量)
外部減量化量
廃棄物発生
2,952
88
トン
トン
(E:78,631 トン、Y:26,179トン)
外部埋立処分量
内部減量化量
2,310
16
トン
トン
外部再生資源化量
538
トン
環境投資
環境投資額の推移
環境保全のために継続的に投資を行って
250
います。2013年度は売上高の1.4%
投
資
額
(
百
万
円
)
でした。
主なものは江田島工場では、電気ボイ
ラーの設置、排水中和設備の新設、空調設
備の更新、第2廃薬焼却場の排煙処理装置
207
200
160
150
100
142
91
74
44
50
0
の設置、蒸気配管の更新等を実施しました 。
2008
2009
吉井工場は発電機の設置、空調設備の更新
2010
2011
2012
2013
投資額(百万円)
等を行いました。
■2013年度 環境投資額内訳(百万円)
環 境 投 資 内 訳
工場名称
水質公害
対策
大気公害 省エネ・C02
対策
削減対策
産廃削減・
リサイクル対策
江田島工場
11.8
57.5
32.8
5.7
吉井工場
0.0
10.3
10.9
0.0
合計
11.8
67.8
43.8
5.7
有害物質
排出削減
騒音・振動悪臭 土壌・地下水 緑化対策
公害対策
汚染対策
その他
0.0
変更前
0.0
0.0
投資額合計
0.0
0.0
0.0
107.8
0.0
0.1
12.3
33.7
0.0
0.1
12.3
141.5
10
省エネルギー・CO2排出量削減
省エネ活動では、2013年度も省エネ
当社が排出する温室効果ガスはほぼ全量
法に基づき作成したエネルギー使用合理化
がエネルギー起源のCO2ですので、様々
計画に従った活動を実施しました。取り組
な省エネ活動を行うことで、温室効果ガス
みの主なものは、外灯のLED化、空調設
の主要因である重油や電力等のエネルギー
備の省エネタイプへの更新、総合廃水処理
使用量を削減することにより温室効果ガス
施設の定常操業による廃液焼却処理量の低
の削減になります。今後も、引き続き省エ
減による燃料の重油の削減です。これらの
ネ活動を継続し、温室効果ガスの削減に取
活動により前年度比で、エネルギー原単位
り 組 ん で い き ま す。
4 . 3 % 低 減 す るこ と が出 来 ま し た 。
CO2排出量の推移
エネルギー使用量及び原単位の推移
原
油
換
算
使
用
量
6,000
0.8
5,000
0.7 エ
10,000
ネ
0.6 ル
4,000
ギ
0.5 ー
8,000
原
単
0.3 位
3,000
(kℓ)
12,000
排
出
量
0.4
2,000
0.2
1,000
6,000
4,000
0.1
0
2,000
0
0
2009
原油換算使用量(kℓ)
2010
2011
2012
2013
CO2排出量(トン)
エネルギー原単位(kℓ/生産売上(百万円))
化学物質の排出量削減(PRTR)
PRTR法(特定化学物質の環境への排出
大気への放出、移動量ともに前年より減少し
量の把握等及び管理の改善の促進に関する法
ています。また、塗料用の溶剤や洗浄用のシ
律)に基づき調査及び届出を行っている該当
ンナーに成分として含まれているトルエンと
物 質 は 下 記 の 3 物質 で 、昨 年 度 と 同 じ で す。
製品原料として使用しているオルトニトロト
ダイオキシン類の排出量については 、社内
ルエンの排出量は2011年度からほぼ同じ
でした。
で の 焼 却 量 の 減少 及 び 焼却 方 法 の 改 善 によ り
PRTR対象物質の2013年度排出量実績
政令指定番号
物質名称
排出量
移動量
大気への放出
水域への放出
土壌への放出
計
0.300 mg-TEQ
0.000 mg-TEQ
0.000 mg-TEQ
0.300 mg-TEQ
0.019 mg-TEQ
243
ダイオキシン類
300
トルエン
1.257 ㌧
0.000 ㌧
0.000 ㌧
1.257 ㌧
1.072 ㌧
315
オルトニトロトルエン
0.002 ㌧
0.000 ㌧
0.000 ㌧
0.002 ㌧
0.000 ㌧
PRTR(Pollutant Release and Transfer Register:環境汚染物質排出・移動登録)とは
「有害性の恐れがある多種多様な化学物質が、どのような発生源から、どのくらい環境中
(大気、水質、土壌)に排出されたか(排出量)、あるいは廃棄物に含まれて事業所の外に
運び出されたか(移動量)というデータを把握し、集計し、公表する仕組み」のことです。
11
大気汚染、水質汚濁の防止
大気汚染源は主に廃液焼却処理施設から
水 質 汚 濁 の 程 度を 示 す化 学 的 酸 素 要 求量
で す 。 硫 黄 分 の 少 な い A 重 油 の 使 用 お よび
( C O D ) の 実 績率 は 20 1 3 年 度 1 9 %
排 液 処 理 施 設 の 稼働 に よる 焼 却 廃 液 量 の減
と 低 い レ ベ ル を 維持 し てい ま す 。 今 後 も、
少 等 に よ り イ オ ウ 酸 化 物 ( S O x )実 績 率
大 気 汚 染 、 水 質 汚濁 の 監視 を 確 実 に 行 い 、
1 %以 下、 窒素 酸化 物(N Ox)は実 績率
現 在の 管理 水準 を維 持して いき ます 。
3 8 % で す 。 規 制 値 に 対 し て 大 き く 下 回っ
て いま す 。
SOx排出量の推移
NOx排出量の推移
160
140
120
排 100
出 80
量 60
40
20
0
100
10,000
100
80
8,000
80
60 実
績
40 率
20
排 6,000
出
量 4,000
2,000
2010
排出量(kg)
2011
2012
20
0
0
2009
60 実
績
40 率
0
2009
2013
2010
排出量(kg)
実績率<実績値/法規制値>(%)
2011
2012
2013
実績率<実績値/法規制値>(%)
COD排出量の推移
ばいじん排出量の推移
80
100
70
60
80
480
100
460
80
440
排 50
出 40
量 30
60 実
績
40 率
20
20
10
0
0
2009
2010
排出量(kg)
2011
2012
2013
60 実
績
40 率
排
出 420
量 400
20
380
360
0
2009
実績率<実績値/法規制値>(%)
2010
排出量(kg)
2011
2012
2013
実績率<実績値/法規制値>(%)
COD(化学的酸素要求量)とは
「有機物による水質汚濁の指数で、有機物を酸化剤で化学的に酸化するときに
消費される酸素の量」のことで、数値が高いほど水の汚染度が高いことを示します。
12
産業廃棄物の削減
産 業廃 棄物 の 削 減 は 、 「2010年度までに廃棄
排出量は分別できない紙くず類や廃油の社外
物排出量を対2000年度比で75%の削減」を目標
処理及び試験等に使用した廃コンクリートをス
にして取り組み、廃 棄 物 の 分 別 徹 底 に よ り 再 資 源
ポット的に排出したことにより、2012年度
化 率 を 向 上 さ せ る 等 の 活 動 に よ り 、 2007年度
に比べて増加しました。また、吉井工場では分
に達成しました。その後、現状維持を目 標 と し て 活
別収集によるリサイクルが増えて、社内での焼
動 を続 けて き ま し た 。
却処理が2回/月位に低減したことにより、焼
新たに2010年度から、外部(最終)埋立
却炉をより小型なものに変更しました。排ガス
処分量を2009年度を基準に年2%以上の削
燃焼処理装置付で、ダイオキシン類も問題あり
減を目標にして活動を始めました。2013年
ませんでした。燃えがら等の路盤材への再資源
度の最終埋立量は2009年度の埋立量の8%
化 活動 を推 進し てい きます 。
低減の15.64トン以下に対して、15.5
7 トン とな り ま し た 。
廃棄物の排出量、再生資源化(リサイクル)量及び外部(最終)埋立量の推移は下記の通りです。)量及び外部
廃棄物排出量の推移
450
400
350
300
排 250
出
量 200
150
100
50
0
当社では廃棄物排出量を次のよう
に定義して管理しています。
「廃棄物発生量から以下のものを
差し引いた量。」
・内部減量化量(社内処理する廃
酸、廃アルカリ)
・外部再生資源化量〔資源として
有効活用(リユース、リサイク
ル)される廃棄物(紙、金属く
ず、ガラス瓶等)、熱利用(サ
ーマルリサイクル)される廃棄
物(木くず、廃プラスチック
等)
100
90
80
70
60 削
50 減
40 率
30
20
10
0
2000
2009
2010
排出量(㌧)
削減率(対2000年度比)(%)=
2011
2012
2013
対2000年度比削減率(%)
2000年度排出量-当該年度排出量
2000年度排出量
×100
外部(最終)埋立処分量の推移
廃棄物の再生資源化(リサイクル)量・率の推移
600
100
90
80
70
60
50
40
30
20
10
0
500
再
生 400
資
源 300
化
200
量
100
0
2000
2009
2010
再生資源化量(㌧)
再生資源化率(%)=
2011
2012
2013
60
10.0
9.0
8.0
7.0
6.0 処
5.0 分
4.0 率
3.0
2.0
1.0
0.0
50
再
生
資
源
化
率
40
処
分 30
量
20
10
0
2000
再生資源化率(%)
再生資源化量
廃棄物発生量-内部減量化量
×100
2009
2010
処分量(㌧)
処分率(%)=
2011
2012
2013
処分率(%)
外部埋立処分量
×100
外部再生資源化量+外部減量化量+外部埋立処分量
13
3.保安防災
保安防災訓練、教育
当社では、火薬類及び危険物による爆
ている船 舶の緊 急対応 訓 練等です 。
発・発火事故ゼロを重点目標としています。
そのために各種防災教育、訓練を毎年計
更に「安全の日」を活用して火薬類取締
法、危害予防規程、火薬類の取扱・保管に
画を立てて積極的に実施しています。訓練
ついての講習等の保安教育を行っています。
内容は、地元消防署の支援を受けての自衛
また、設備の新設・改造時の安全審査会の
消防訓練や、危険工室での緊急注水装置操
開催、設備の定期点検などの活動を継続し
作訓練、及び通勤やお客様の送迎に使用し
て保安の 確保に 努めて い ます 。
新入社員消火器訓練
(江田島工場)
消防訓練(吉井工場)
保安防災投資
保安防災投資額の推移
当社は火薬類を取り扱っていますので、
安全の確保を最も重要と考え、保安防災に
300
対する投 資を積 極的に 行 っており ます 。
250
200
投
資 150
額 100
2013年度は、設備の老朽化対策や台
風、津波対策の護岸整備、崖崩れ防止対策
274
245
176
210
193
50
等に売上高の2.1%を投資して、安全の
0
確 保、 生 産基盤 の充実 を 図りまし た 。
2009
2010
2011
2012
2013
投資額(百万円)
■2013年度 保安防災投資額内訳(百万円)
保安防災投資内訳
工場名称
設備の老朽化 労働安全・
爆発・火災・ 地震等天災
基盤整備
対策
作業環境改善 漏えい等対策
対策
その他
投資額合計
江田島工場
60.5
25.0
3.4
6.2
39.5
0.0
134.6
吉井工場
51.6
6.6
0.0
4.5
3.5
9.4
75.6
合計
112.2
31.6
3.4
10.7
43.0
9.4
210.2
14
4.労働安全衛生
労働安全衛生活動
2013年度は労働災害(休業災害)ゼロ
HHK(ヒヤリ・ハット・気がかり)提案、
でした。しかしながら、赤チン災害が4件
安 全 衛 生 委 員 に よ る 安 全 パ ト ロ ー ル に 加 え て、
(虫刺され2件、指先の切り傷1件、足の薬
管理職による職場巡視などの安全活動を継続
傷1件)が発生しています。これら災害の減
しています。
少を図るためリスクアセスメントの充実を図
り 、 再 発防 止に 努 め て い ま す 。
それに、安全衛生教育の実施、環境・安全
活動発表会を開催し安全情報の共有化や安全
また当社は、労働災害ゼロを目標にして、
度数率の推移
衛生意識の高揚を図っています。
強度率の推移
0.12
2.50
0.10
2.00
度 1.50
数
率 1.00
0.08
強
度 0.06
率
0.04
0.50
0.02
0.00
0.00
2009
2010
2011
中国化薬
2012
2009
2013
労働災害の死傷者数※
延労働時間数
×1,000,000
2011
中国化薬
製造業
度数率及び強度率とは、労働災害の安全指標の一つで次の式で算出されます。
度数率=
2010
強度率=
労働損失日数
延労働時間数
×1,000
2012
2013
製造業
製造業:従業
員100人以
上の事業所
(※休業災害以上をカウント)
メンタルヘルス・ケア
従業員の身体と心の健康維持・改善のため
の 活動 に取 り組 ん で い ま す 。
メンタルヘルスケア実施基準も作成しました。
また、吉井工場では2013年度はメンタ
心の健康については、本社総務部による各
ルヘルス支援センターの促進員佐藤様をお招
事業所・工場でのセクハラ,パワハラについ
きして「セルフケア研修」の講義を行って頂
ての教育を毎年行い、啓蒙を行っています。
き 、 従 業員 全員 が聴 講しま した 。
15
メンタルヘルス教育(社外講師によるセルフケア研修)(吉井工場)
5.地域社会とのコミュニケーション
地域
か ら 信 頼 さ れ る 会 社 を 目 標 に 事 業 所 毎 に
各 委 員 会 、 評 議 会 へ の 参 加 や 小 中 学 生 の
地域の
ミュニケーションを大切にしています。また、
体験学習受け入れ、交通安全の日に街頭指導等
や、道路の清掃活動を毎年のRC活動計画に入
地域イベントへの積極的な参加等地域とのコ
れ て 地 域 の 環 境 保 護 に も 努 め て い ま す。
地域の特色を活かして、海岸、河川のゴミ拾い
清掃活動(吉井工場)
環境イベント「ロハスフェスタ」への参加(広島)
街頭指導・清掃活動(本社前道路)
16
6 サイト環境活動
6.1 江田島工場の活動
環境方針
■
環境スローガン
【人にやさしい環境作りをめざして】
■
基本方針
中国化薬㈱江田島工場は、火薬、爆薬、火工品、医薬品の製造から出荷ま
での生産活動を業務としています。当工場は、瀬戸内海に面している等の立
江田島工場長
内村 浩
地条件を認識し、その事業活動において生じる環境負荷の低減を図ります。
■
行動指針
1.環境関連の法令、条例及び当工場が同意するその他の要求事項を把握し、これを順守するととも
に、事故の未然防止及び汚染の予防に努めます。
2.当工場は、全ての事業活動において環境影響評価を行い、著しい環境側面を特定することによっ
て環境目的及び目標を設定し、次の活動を重点的に取り組みます。
(1)排水の水質・水量の管理
(2)省資源・省エネルギーの推進
(3)有害物質の管理
(4)廃棄物の再利用の促進
3.環境マネジメントシステムの継続的改善を行うとともに、環境目的,環境目標の定期的な見直し
を行います。
4.この環境方針は従業員及び構成員に対し周知できるように教育と啓蒙活動を行います。
5.この環境方針は社外に公表します。
サイト活動
■
省エネ活動
江田島工場は原油換算使用量が3,000kℓを超え、第一種エネルギー管理工場に指定されていまし
たが、様々な省エネ活動により、2年連続して原油換算使用量3,000 kℓ未満を達成しました。
17
■
環境・安全活動
江田島工場は、環境・安全の意識高揚のため、様々な活動を行っています。
■
環境・安全活動発表会(H25.5.28)
神社際(H25.10.15)
統括管理責任者査察(H25.7.12)
環境マネージメントシステム内部監査(H26.2.25)
地域社会とのつながり
江田島工場は、地域の委員会、諸会合への参加、地域イベントへの協賛を積極的に進め地域社会とのコ
ミュニケーションに努めています。
消防競技大会に参加しました。(H25.10.17)
海の日海浜清掃に参加しました。(H25.7.13)
消防、警察、自衛隊等の合同防災訓練に参加しました。
(H25.5.30)
天応中学校の職場体験を江田島工場で実施しました。
(H25.8.23)
18
6.2 吉井工場の活動
環境方針
■ 環境スローガン
「社会に調和した職場環境をめざして」
■ 基本指針
中国化薬(株)吉井工場は、火薬類を主体とした事業活動を行っており、
その活動が地球環境と密接に関わりあっていることを認識し、吉井工場
の全ての領域で、自然環境との調和を図り、地域社会の期待と信頼に
工場長 千本和彦
こたえる環境先進企業を目指します。
■ 行動指針
1.私たちは火薬類による災害が著しい環境破壊につながることを認識し、これの予防に努めるとともに、
吉井工場周辺の自然環境を認識し、以下の活動のもとに汚染の予防と環境保全に努めます。
(1)大気,水質等の法規制及び吉井工場が同意するその他の要求事項を順守します。
(2)火薬類が付着した廃棄物を外部に出さないという信念のもと、4R(Reduce,Recovery,Reuse,
Recycle)の推進により、廃棄物排出量の削減に努めます。
(3)資源及びエネルギーを使用して事業活動を行っていることを認識し、その有効利用を通じ、汚染の
予防に努めます。
(4)有害化学物質の無害物質への転換、使用量の削減により、環境に配慮した生産活動を行います。
(5)グリーン購買を推進し、環境にやさしい物品の購入に努めます。
2.工場美化運動及び地域奉仕活動を通じて自然環境との調和、地域住民との融和を図ります。
3.定期的な環境マネジメントシステム監査及びマネジメントレビューにより、システムの継続的改善を図り
ます。
この環境方針は、吉井工場の従業員及び吉井工場で働く全ての人々に周知徹底を図るとともに、
会社ホームページに掲載し、一般の人々が入手可能にし、外部の利害関係者から要求があった場合
は、すみやかに提供いたします。
19
サイト活動
■ 産業廃棄物の削減
リサイクル促進により一般廃棄物の焼却量が大幅に低減し、焼却炉も小型のものに更新しました。
■ 保安防災訓練
総合消防訓練を定期に実施し保安防災に努めています。
■ 地域社会とのつながり
平成26年2月は記録的な大雪(積雪約70cm)になりましたが、近隣の企業から除雪支援をいただき、迅
速な操業再開を果たせました。今後も近隣とのコミュニケーションに努めてまいります。
20
お問い合わせ先
中国化薬株式会社 総務管理部
〒737-8507 広島県呉市天応塩谷町1-6
TEL 0823-38-1111、 FAX 0823-38-7128
中国化薬株式会社 江田島工場 安全環境管理室
〒737-2121 広島県江田島市江田島町小用5-1-1
TEL 0823-43-0121、 FAX 0823-44-1738
中国化薬株式会社 吉井工場 安全環境管理室
〒370-2131 群馬県高崎市吉井町岩崎2530
TEL 027-388-2665、 FAX 027-388-2612