マルチモダリティによる Head & Neck Imaging 2014 臨床編 Ⅵ IT:Workstation 臨床施設からの報告 1.CT・MRI 室の現状と 頭頸部領域における WS の活用法 丹羽 政美 / 小森 竜太 / 高橋 尚宏 / 渡邉 映元 JA 岐阜厚生連揖斐厚生病院放射線科 JA 岐阜厚生連揖斐厚生病院は,循環 の fMRI を行う場合,タスクが 10 分を超 DICOMPDF 器領域を中心に,地域の救急医療に対応 えることもあるため,被検者のタスクの状 した 281 床の総合病院である。当院では, 況を後から確認したい場合があり,各 PC 2004 年より画像サーバ(イメージワン社 を同期して録画できるシステムも備え解析 製)を,2008 年よりオーダリングシステム に役立てている。さらに,2011 年に CT 存が可能であるため特に問題はないが, (NEC 社製)の運用を開始し,2010 年よ 装置を 64 列 MDCT「Aquilion CX」 (東 汎用ソフトなどによる解析結果を画像サー WS での解析レポートは,DICOM 保 りフイルムレス化によるモニタ診断を行っ 芝社製)に更新し,画像処理枚数の多さ バに保存,および配信することに苦慮す ている。 を考慮しスタンドアローン型の WS「AZE ることが多い。当院では,VSRAD によ 当院の CT・MRI 室は,おのおのの装置 VirtualPlaceLexus 64」 (AZE 社製)を導 る解析レポートを DICOM PDF として が対向するように設置され,中央に操作 入した。CT・MRI 装置から直接どちらの 画像サーバに送信し,院内端末での表示, 室を設け,1つの操作室でお互い背中合わ WS にも画像転送ができ,かつ WS 同士 保管および管理を行っている。DICOM せで操作をしている。MRI装置は,2009年 での送受信もできるようになっている。こ PDF は,2006 年度版の DICOM 規格に に 1 . 5 T MRI「EXCEL AR T V ant a g e れは,操作室が同じであるため互いに臨床 正式追加されており,撮影画像と同じ poweredbyAtlas」 (東芝社製)に更新し, 画像が共有でき,各担当者との連携が行 DICOM 規格として保管,管理ができる ネットワーク型ワークステーション(以下, いやすく,コミュニケーションできること ことから,高い見読性が確保されている WS) 「AZEVirtualPlace 風神」 (AZE 社製) から成り立っている。 と思われる。PDF 形式がベースとなっ を導入した。この WS は,本体とクライア 頭頸部領域での CT 画像における WS 処 ているため,テキスト情報の視認性も高 ント端末 PC3 台での画像処理が可能で, 理は,整形外科・外科領域の処理を除くと, く,再度紙に印刷した場合でも高い再 本体とクライアント端末 PC2 台を CT・ 造影時のサブトラクション処理と狭窄率な 現性を実現できている。また,通常の MRI 操作室に,クライアント端末 PC1 台 どの血管解析および VR 処理が主である PDF と同様に,テキスト情報を埋め込 を症例検討室に設置した。また,クライ (図 1) 。そこで本稿では,当院における端 んだ状態で運用できるため,テキストの アント端末 PC では,アルツハイマー型認 末 PC による解析レポートの保存方法と, 内容をクリップボード経由(コピー・ア 知症診断支援ツール「VSRAD」の解析や, 頭頸部 MR 画像における WS 処理を紹介 ンド・ペースト)にてほかのソフトへ渡 SPM(statiscalparametricmapping)を する。 すことも可能である。 用いた fMRI の解析も行っているが,高次 実際の DICOM PDF ファイルの作成 は,VSRAD の解析レポートをいったん 通常の PDF ファイルとして出力し,変 換ツール(イメージワン社製)により, 実検査の追加シリーズとして画像サーバ に登 録を行 っている( 図 2)。今 後は, fMRI 解析結果や独自の読影レポート など,ほかの P D F ファイルも同様に DICOM PDF 化し,導入が計画されてい 〈0913-8919/14/¥300/ 論文 /JCOPY〉 INNERVISION (29・5) 2014 103
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