監修:東京医科歯科大学名誉教授 西岡 清 ■ 最近の話題 昭和大学医学部皮膚科学講座教授 末木 博彦 ■ 実地診療マニュアル イラスト&ビジュアル スマイル・まやクリニック院長 倉片 長門 ■ 臨床所見による鑑別診断のポイント 川崎医科大学皮膚科学教室教授 藤本 亘 「酒 1 「陥入爪」 様皮膚炎をどのように診るか」 皮膚疾患患者・家族のためのより良いコミュニケーションのために 「アトピー性皮膚炎の外用療法 ̶ プロアクティブ療法 ̶ 」 3 7 ■ 浜松医科大学小児科講師 福家 辰樹 9 冬号 最 近 の 話 題 第 61 回 末木 博彦 先生 昭和大学医学部皮膚科学講座教授 Profile すえき ひろひこ 1980年昭和大学医学部卒業後,同大学皮膚科入局。’83年同 助手,’88年同講師を務める。’90年〜’93年にかけて米国ペ ンシルバニア大学皮膚科留学 (George F. Murphy教授・Albert M. Kligman教授に師事) 。’95年昭和大学医学部皮膚科助教 授,’04年同教授 (員外) ,’06年同大学藤が丘病院皮膚科医長, 教授 (員外) ,’09年同教授を経て,’12年より現職。 専門は,糖尿病の皮膚病変,重症薬疹の診断と治療など。 重症薬疹は重篤な後遺症や生命予後に関わる薬疹を指すが,すべての薬剤で起こりうるものであり,基礎 疾患や遺伝子多型などの背景因子も相まってさまざまな発症機序が考えられる。その代表的な病型として Stevens-Johnson症候群(SJS),中毒性表皮壊死症(TEN),薬剤性過敏症症候群(DIHS)などが挙げられる。 近年の厚生労働省研究班による全国疫学調査からわかってきた重症薬疹の現状,病態,予防などについて, 昭和大学医学部皮膚科学講座教授の末木博彦先生にお話しいただいた。 全国疫学調査からみた重症薬疹の実態 Clinical Derma / 1 Stevens-Johnson症候群(SJS),中毒性表皮壊死症 (toxic epidermal necrolysis;TEN),薬剤性過敏症症 候群 (drug induced hypersensitivity syndrome;DIHS) などの重症薬疹については,厚生労働省の「重症多形 滲出性紅斑に関する調査研究」研究班における取り組 みが21世紀初頭に始まり,この十数年で研究が進展し てきました。その取り組みの₁つの成果として,2011 年にSJSおよびTENに関する全国疫学調査の結果が 論文発表されています1)。全国の日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医研修施設を対象とし,2005年〜2007年 の₃年間におけるSJSとTENの合計370症例が登録さ れ,人口100万人あたり₁年間にSJSが3.1名,TENが1.3 名,合計すると4.4名という発症頻度が算出されました。 頻度は決して高いとはいえませんが,失明,慢性呼吸 器障害などの重篤な後遺症や生命を危険に曝す可能性 があり患者にとって一生の問題になりうることから, 発症を未然に防ぐ,あるいは症状を最小限に抑えるこ とが重要です。 発症年齢は60歳代に最大ピークがあったことから, 生活習慣病などのために薬剤を服用する機会が多くな ることも影響していると考えられます。重症薬疹を起 こす原因と考えられる薬剤として抗菌薬,解熱鎮痛 薬,さらに抗てんかん薬や高尿酸血症治療薬が上位を 占めました。また,薬剤を服用しはじめてから重症 薬疹発症までの期間は,解熱鎮痛薬では₇日以内に約 80%,抗菌薬では₂週間以内に約80%が発症していた 一方で,抗てんかん薬の場合は₂週間までに約30%, ₁ヵ月までに約70%と薬剤によって発症までの期間に 差があることがわかりました。 失明などの重篤な眼障害が残ったケースは比較的 若いときに重症薬疹を発症した方に多く,原因と考 えられる薬剤はOTC薬も含めて感冒薬,解熱鎮痛薬 が圧倒的に多いこともわかりました。現在ではヒト 白血球抗原(human leukocyte antigen ; HLA)解析に よる人種差の検討も進んでおり,A*0206をもつ人で 眼障害が高頻度に生じていることなども報告されて います2)。 早期診断とウイルス再活性化の バイオマーカーの探索 重症薬疹では,原因と考えられる薬剤をなるべく早 く中止して適切な治療をするために早期診断が重要に なります。発症早期の高熱,発疹,粘膜症状などの臨 床症状は単純性疱疹,水痘,麻疹などのウイルス感染 症に類似しており,鑑別が難しいのも事実です。その ため,鑑別診断に利用可能な各種のバイオマーカーの 研究が行われており,グラニュライシンや可溶性Fasリ ガンド,high-mobility group protein B1 (HMGB1)など が検討されていますが,単独で診断可能なバイオマー カーは見出されていません。 2014年₉月現在では,早期診断のために皮膚生検 を行い凍結切片を作製し,病理組織像から判断するこ とが多いです。通常の病理組織検査では標本作製から 結果が出るまでに数日かかってしまいますが,この 方法であれば数時間で検査結果がわかります。SJSや TENでは表皮が広範に壊死している所見が得られま No. すので,他のウイルス感染症などと比較的容易に鑑別 が可能です (図₁) 。ただ,現状では重症の多形紅斑は SJS,TENと同じ線上に並んでいる病態と考えられて いるため,皮膚生検の時期が早すぎる場合や採取する 部位によっては病理組織検査でも区別が難しいことが 課題とされています。 DIHSについては,機序は完全には解明されていない ものの,薬剤の投与により人間の体内に潜伏している ヒトヘルペスウイルス (human herpes virus;HHV) - 6, あるいはサイトメガロウイルスが再活性化し,臓器障 害や生命予後の悪化をもたらすと考えられています。 ウイルスの再活性化が予測できれば,先手を打って重 症化を防ぐことも可能になると考えられるため,そ の予測因子の研究が進んでいます。われわれは,Th2 ケモカインでありアトピー性皮膚炎の重症度を判定 するために用いられているTARC (thymus and activation regulated chemokine)に 注 目 し て お り,DIHSで は ア ト ピー性皮膚炎ではみられないほどのTARC高値を示すこ (tumor necrosis とがあります 3)。そのほか,腫瘍壊死因子 factor;TNF) -α やC反 応 性 蛋 白 (C-reactive protein; CRP) ,乳酸脱水素酵素 (lactate dehydrogenase;LDH) などが高いとウイルスの再活性化が起こるリスクが高 いこともわかってきていますので 4),今後ウイルス再 活性化を防ぐ治療法の研究に期待しています。 ファーマコゲノミクスを用いた重症薬疹の予防 台 湾 の 漢 民 族 に お い て, カ ル バ マ ゼ ピ ン に よ るSJS/TEN患 者 でH L A - B *1502保 有 率 が 高 い こ と が 報 告 さ れ ま し た5)。 そ れ を 契 機 に わ が 国 で も HLA遺 伝 子 多 型 に 関 す る 研 究 が 進 み, カルバマゼ A C B D 61 ピ ン に よ る 重 症 薬 疹 患 者 に お い てA*3101を も つ 人 が 多 い こ と が 示 さ れ ま し た6)。 薬 剤 に よ っ て 結 合 しやすいHLAタイプがあるようで,アロプリノール に関してはHLA-B*5801が関連する報告がなされてい ます7)。台湾では,さらに前向き研究の結果からHLA スクリーニング検査の有用性が示され,カルバマゼピ ンとアロプリノールの投与前にはHLAスクリーニン グ検査が義務付けられるようになり,重症薬疹の予防 に成果を上げています。 わが国でも同様の前向き試験が進行中で,近い将来 にカルバマゼピン投与を考慮する場合にはHLAのス クリーニング検査を行い,リスクのある人には投与し ないという方向に進むものと考えられます。 重症薬疹の研究成果から 治療成績のさらなる向上を目指して 重症薬疹の背景因子に関する研究では,たとえば免 疫抑制薬や副腎皮質ホルモンを長期に使用している患 者では広く免疫抑制がかかるのと同時に制御性T細胞 の数や機能が抑制されるため,重症薬疹を発症しやす いことがわかってきています。制御性T細胞が減少す るHIV感染症患者,マイコプラズマ感染症患者,モガ ムリズマブ投与中の患者も同様です。膠原病や悪性腫 瘍など免疫異常を伴う基礎疾患がある場合にも重症薬 疹を起こしやすいことが予想されるため,今後は個々 の症例で重症薬疹のリスクを評価して薬剤を処方する ことが求められていくと思います。 基礎研究においては,SJSやTENで起こる表皮壊死 は従来からいわれてきた壊死とは異なり,プログラム されたネクロプトーシス (アポトーシス以外の細胞死) という概念が登場してきました。最近ではクローン病 や脳梗塞への関与も考えられるようになっており,ネ クロプトーシスを抑制する薬剤の開発などにつながる 可能性を秘めています。 2014年,SJS/TENの 治 療 に ヒ ト 免 疫 グ ロ ブ リ ン G 400mg/kg/日,5日間の点滴静注療法が追加承認さ れました。作用機序として抑制された制御性T細胞の 機能回復が考えられていますが,今後の検証が必要で す。これまでの高用量ステロイド全身療法,血漿交換 療法との組み合わせにより,さらなる治療成績の向上 が期待されます。 文 献 A:SJSにおける表皮の全層性壊死,B:多形紅斑における真 皮の浮腫による表皮下水疱,C:麻疹における表皮感染細胞, D:麻疹P蛋白の蛍光抗体陽性所見 (A,D:末木博彦:アレルギー免疫 21:1788-1793,2014 より転載) (B:末木博彦:J Visual Dermatol 13:118-119,2014より転載) (C:杉山美紀子,他:臨皮 56:407-409,2002より転載) Clinical Derma 図₁.皮膚病理組織所見による重症薬疹の鑑別診断 1)北見 周,他:日皮会誌 121:2467-2482, 2011 2)Ueta M, et al:Am J Ophthalmol 143:367-368, 2007 3)Ogawa K, et al:Br J Dermatol 171:425-427, 2014 4)Uno H, et al:J Dermatol Sci 74:177-179, 2014 5)Chung WH, et al:Nature 428:486, 2004 6)Ozeki T, et al:Hum Mol Genet 20:1034-1041, 2011 7)Hung SI, et al:Proc Natl Acad Sci U S A 102:41344139, 2005 / 2 実地診療マニュアル イラスト&ビジュアル 陥入爪 61 スマイル・まやクリニック院長 倉片 長門 はじめに 爪甲が皮膚・軟部組織に陥入することで疼痛や 爪囲に炎症を生じる陥入爪は,日常でよく遭遇す る疾患である。どのような治療を行っても再発リ スクのある本症の成因を考察した。また,1937年 に提唱されたHeifetz分類1)は爪囲炎の有無を考慮 したもので,爪甲の臨床所見が必ずしも反映され ていない。そのため,筆者は独自の視点で臨床所 見から本症の病型分類を提案した2)。さらに,保 存的治療を中心に,筆者が本症に対して行ってい る治療法をまとめた。 発生機序 ₃.不適合な靴の着用と誤った靴の履き方 ₁.足を使わない習慣 車いす生活などにより下方から足にかかる力 (足 底圧)が極端に減少すると,爪甲の保護する力と不 (図₁) 。 均衡な状態になり爪が巻き込むようになる3) ₂.爪の欠損 本来あるべきはずの爪甲が,患者の不適切な爪 切りや爪に生じた外傷などにより爪が欠損するこ とで陥入しやすくなる4)5)。 ₁)深爪 短く爪を切りすぎる深爪により側爪郭に爪棘が 生じ,それが皮膚・軟部組織に食い込んで痛みを 生じる。また,深爪により生じた爪の欠損部で は,歩行時の足底圧で皮膚・軟部組織は隆起し, Clinical Derma / 3 爪を陥入する方向に向かわせる(図₂)4)-9)。 ₂)丸切り,三角切りなどの不適切な爪切り この爪切り法でも深爪と同様,側爪郭に爪棘が 生じ,それが皮膚・軟部組織に食い込んで痛みを 生じさせる。また,本来あるべき爪甲の一部が欠 損することにより,歩行などで足に足底圧がかか ることで皮膚・軟部組織が下方から押し上げられ, 爪を食い込ませる(図₃)4)-10)。 3)爪外傷による爪の欠損,発育方向の変化 爪外傷による爪甲の一部欠損も歩行による足底 圧により皮膚・軟部組織が下方から押し上げられ 爪を食い込ませる4)-9)。爪の外傷は,爪を噛む行 為,職業によるもの,動きの多い幼児期などによ くみられる。また,後爪郭内での爪甲の発育方向 の変化で後爪郭部に生じることもある10)。 爪甲の保護する力( )が 歩行による下からの力( ) に勝ることで均衡が破れる 図1.足を使わないことによる陥入爪の発生機序 (文献₇) より引用・改変) 大きすぎる靴の着用は,足が靴内ですべること で靴の先端にぶつかり,爪甲に負担がかかる。ま た,小さすぎる靴の着用は足の指や爪を圧迫させ る。足に合っていない安全靴などの硬い靴を長期 間履き続けることや靴ひもをほどかないで履く習 慣も爪甲が陥入する原因となる。 ₄.足の機能異常 足 関 節 背 屈 角 の 低 下 や 第₁中 足 趾 節 関 節 (metacarpophalangeal joint(以下,第₁MTP関節)) 背屈角の低下により,第₁足趾への圧負荷の増大 が起こる10)。 ₅.足の変形 足の変形,疾患によるものとして踵骨外反があ る。踵骨外反は,立位における足底の体重負荷が 足の内側に偏位し,第₁足趾が外旋する。これら の変形の存在により,第₁MTP関節は₁軸性関節 のためその背屈角は低下し,歩行時の第₁足趾の 圧負荷の増大を招く。また,下肢の長さが短い側 の足(脚長差の存在する側の足)にも圧負荷がかか り,陥入爪の発生原因となることもある11)。 ₆.足趾回内偏位 下腿の長軸に対して足部が外方に向かう(第₁足 実地診療マニュアル 61 せ,爪の陥入を招くことがある。 折れ曲がった部分を 開くと爪棘(spicule) が確認される 広げると イラスト&ビジュアル 病型分類 爪棘による ₁.軽症型 短すぎる爪 側爪郭が皮膚・軟部組織に軽度食い込 んでいるタイプ(図₄)。 足底圧 による 上方 足底圧により 皮膚・軟部組織が 盛り上がってくる 爪床、周囲軟部 組織の隆起が爪の 生長を妨げるよう になる 側方 側方 図₂.深爪による陥入爪の発生機序 (文献₄) ₇)より引用・改変) 広げると 折れ曲がった 部分を開くと 爪棘が確認さ れる 爪棘による 爪甲の横幅が長すぎて側爪郭の皮膚に 突き刺さるタイプ(図₅)。本病型は,爪 囲炎を伴うことが多い。保存的治療法で は長い爪甲の横幅を根治的に短くするこ とができないため,爪甲や軟部組織の一 部を切除する手術が必要になることもあ る。 ₃.爪甲先端肉芽形成型 爪甲先端部分に肉芽を形成するタイプ (図₆)。 ₄.近位爪郭肉芽形成型 突出 三角切り 突出 丸切り ₂.爪甲横幅過長型(オ−バ−ネイ ル)3)13) 足底圧 による 上方 前方 近位爪郭の爪母近くに肉芽が形成され るタイプ(図₇)。爪母部分の爪甲の食い 込みが原因となっている3)。 ₅.側爪郭肉芽包囲型 側爪郭全体を肉芽が覆いつくすタイプ (図₈)3)。ガター法(樹脂製のチューブ を爪の端に装着する方法)3)などで治療 図₃.丸切り,三角切りによる陥入爪の発生機序 (文献₄) 10)より引用・改変) するが,ときに局所麻酔が必要となる。 皮膚・軟部組織の 盛り上がりにより 爪が陥入していく 趾腹が外側を向く)運動のことを回内という。 足 趾の回内により第₁MTP関節の背屈角が低下し 第₁足趾の下からの圧が増大することで皮膚・軟 部組織がもち上げられて陥入爪が生じる2)。 ₇.胸郭の柔軟性,可動域の低下 上半身の動きや運動を吸収できないため,足趾 に圧負荷がかかりやすくなる。 ₈.歩行異常 骨盤の側方動揺や膝が内側に倒れ込む (Knee in) 12) などの異常パターンが運動連鎖 として足趾に圧 負荷をきたす。 ₉.遺伝 先祖代々,爪が陥入する家系が存在する。 10.白癬菌 変形し,陥入することがある。 11.エトレチナートなどの薬剤の服用や妊娠 炎症性角化症の治療薬であるエトレチナートの 服用や妊娠により側爪郭の肉芽の形成を促進さ ₇.爪甲硬度増加型 爪甲は厚く肥厚し,爪甲の硬度が増加している タイプ(図10)。体格がよく,体が硬い傾向の患 者や透析患者などによくみられる。 ₈.多趾同時多発型 第₁足趾だけでなく,複数の足趾の爪甲が同時 に陥入するタイプ(図11)。遺伝的な要因や,仕事 で安全靴などの硬い靴を長期間着用する患者に発 症することが多い。深爪しないなど,爪の切り方 の指導などで経過観察する。保存的治療法で軽快 しても治療を中断すると再発することが多く,フォ ローアップに困ることが多い3)。 ₉.埋没型 長期間の深爪により足趾の末節の皮膚・軟部組 織が隆起し,爪甲遊離縁が皮膚に激突するタイプ (図12)。末節骨の変形を伴うこともある。テー Clinical Derma T r i c h o p h y t o n r u b r u m や T r i c h o p h y t o n mentagrophytes などの白癬菌の感染により爪が ₆.爪甲斜め生長型 爪 甲 の 生 長 方 向 が 前 方 で は な く, 斜 め方 向 に向かうタイプ ( 図₉) 。VHO法 (virtuose human orthonyxie, ワイヤー矯正) などの保存的治療法では 爪甲の生長方向を変更できないことも多い3)。 / 4 ピング法で皮膚・軟部組織の隆起を改善させた り,爪甲が皮膚・軟部組織を越えるようにするた め人工爪療法を行う。末節骨の骨変形が著しい場 合は,保存的治療法では爪甲が皮膚 ・ 軟部組織を 越えられないことがあるため,手術が必要になる こともある3)。 10.回内偏位型 第₁足趾の回内偏位により歩行時の第₁MTP関 節の背屈角が低下し,第₁足趾の圧負荷が上昇す (図1₃) 。 るために生じる陥入爪である2) 第₁足趾の回内偏位に関与する原因を表₁に 示す。本病型は10歳代の学生や20歳代の社会人 などの比較的若年齢に発症し,若年齢から複数 回陥入爪の手術を繰り返している症例に多くみ られる。学生などの若年者に多く発生する原因と して,ローファーなどの足の制靴化により長期間 にわたり不適合な靴の着用を余儀なくされること や,体育の授業,毎日の通学,通勤が回避できな いなどにより,一度爪囲炎が起きても足の安静が 保たれないために症状が遷延化することが多い。 本病型は,爪甲という局所だけの治療ではなく, 第₁足趾の回内偏位に対する対処が必要となるた め最難治の病型と考えている2)。 11.足趾V字変形型 足趾末節がV字型に変形することで生じるタイ プ(図14)。 【類縁疾患】 12. レトロニキア (retronychia) 爪甲が不完全な脱落を生じ,爪甲近位部が後爪 郭部に留まるために爪甲近位端が後爪郭部腹側面 を機械的に刺激し後爪郭部の炎症を生じるもので ある(図15)。後爪郭部の発赤,腫脹,疼痛とと もに爪甲が伸びなくなるという特徴がある。成因 は不明なことも多いが,スポ−ツなどによる外 傷,不適合な靴の着用などで生じることも報告さ れている11)。 13.巻き爪型 現在のところ陥入爪と巻き爪の明確な線引きは されていないが,陥入爪よりも爪甲の皮膚・軟部 組織への食い込みが著しかったり,爪甲が反転し 図₄.軽症型 Clinical Derma / 5 図₅.爪甲横幅過長型(オーバーネイル) 図₆.爪甲先端肉芽形成型 図₇.近位爪郭肉芽形成型 図₈.側爪郭肉芽包囲型 図₉.爪甲斜め生長型 図10.爪甲硬度増加型 図11.多趾同時多発型 実地診療マニュアル ているタイプを巻き爪型とした (図16) 。末節骨 の骨変形や爪甲下角質増殖を伴うこともある。 私の行う治療法 1) Heifetz CJ:Am J Surg 28:298, 1937 2)倉片長門:医事新報 4547:67-74, 2011 筆者は,主に表₂の内容で治療を行っている。医 院を訪れる陥入爪患者の多くは,爪囲の発赤・腫脹 (爪囲炎)を起こしている例が多いため,まず①の外 用療法を行い,経過により②〜⑩の治療に進むよう にしている。 図12.埋没型 4)新井裕子, 他:臨皮 57:110-119, 2003 5)新井裕子, 他:皮病診療 29:1323-1335, 2007 6)Fowler AW:Br J Surg 45:382-387, 1958 7)東 禹彦, 他:皮膚 38:296-300, 1996 8)新井裕子, 他:Visual Dermatol 3:1254-1259, 2004 9)新井裕子:私信 10) 倉片長門, 他:日皮会誌 114:173-178, 2004 保存的治療の組み合わせ例 11) 東 禹彦:皮の科 10:505-507, 2011 12) 嶋田智明, 他 編:運動連鎖―リンクする身体. 東京, 文光堂, 2011 13) 河合修三:皮膚臨床 53:1576-1584, 2011 図14.足趾V字変形型 図13.回内偏位型 図15.レトロニキア 図16.巻き爪型 表₁.第1足趾回内偏位による陥入爪発症のメカニズム 前傾姿勢 側弯 上肢 表₂.保存的治療法の組み合わせ ①外用療法(アクリノール・チンク油+ソルベース) 重い荷物をもつ X脚,O脚 ②外用療法+コットンパッキング法 ③外用療法+テーピング法 ④コットンパッキング法+テーピング法 外反扁平足 踵骨外反 外反母趾 第1足趾回内偏位 足底筋群筋力低下 足関節不安定 不適切な靴の着用 不適合な靴の使用 ⑤30%サリチル酸ワセリン密封療法 ⑥30%サリチル酸ワセリン密封療法+形状記憶合金 ⑦人工爪 ⑧ガター法 ⑨VHO法 第1MTP 関節背屈角低下 ⑩VHO法(局麻下) 第1足趾の圧負荷増大 (筆者作成) 陥入爪の発生 (筆者作成) Clinical Derma 足 文 献 ア. 東京, 全日本病院出版会, 2008 べきと考えている。 股関節 膝関節 61 3)倉片長門:外来ですぐできる足にやさしいフットケ どのような治療法を行っても再発するリスクが ある。 そのため,①なるべく保守的な治療法を単独ま たは併用するようにし,②爪母を破壊するような 治療は,その後の爪の生え方を考慮すると避ける 脊椎 イラスト&ビジュアル / 6 臨 床 所 見 に よ る 鑑 別 診 断 の ポ イ ン ト ― 第 61 回 酒皶様皮膚炎をどのように診るか 川崎医科大学皮膚科学教室教授 藤本 亘 ■酒皶様皮膚炎をどのように診るか 酒皶様皮膚炎は,頬部を中心として左右対称性に紅斑,毛細血管拡張,丘疹,ときに膿疱を呈する疾 患であり,湿疹に対してステロイド (CS)外用薬やタクロリムス (Tc)軟膏を使用しているが治らないと いう病歴をもつ患者の場合,常に考慮すべきである (図1) 。診断には,CS外用薬やTc軟膏の使用歴の 聴取が不可欠である (図₂)。 A B 図1. 酒皶様皮膚炎 A:CS外用薬使用例。鼻背部,頬部から口囲にかけて紅斑,毛細血管拡張, 紅色丘疹がみられる。 B:Tc軟膏使用例。頬部,頤部(おとがいぶ)に紅斑,毛細血管拡張,紅色丘疹がみられる。 酒皶様皮膚炎をどのように診るか CS外用薬・Tc軟膏の使用歴をもつ顔面紅斑の鑑別 痒みがある 痒みはないか乏しい 顔面以外に 病変なし 顔面以外に 病変あり 露光部に 病変あり 頭部・足に 病変あり MED測定 KOH直接鏡検 全身諸所に 病変あり 頭部・腋窩 に病変あり 顔面以外に 病変あり 顔面以外に 病変なし 軀幹に 膿疱あり 露光部に 病変あり 膿疱あり 膿疱なし KOH直接鏡検 IgE, TARC測定 真菌 (+) Clinical Derma / 7 パッチテスト (−) 脂漏性皮膚炎 慢性光線性 皮膚炎 顔面 (異型) アトピー性皮膚炎 酒 白癬 抗核抗体検出 他臓器症状 (−) (+) 毛包虫 真菌 (−) 真菌 (+) 毛包虫 (+) 生検 SLE シェーグレン症候群 様皮膚炎 皮膚筋炎 接触皮膚炎 ・酒 図₂. CS外用薬・Tc軟膏の使用歴をもつ顔面紅斑の鑑別 好酸球性 膿疱性毛包炎 顔面(異型) 毛包虫症・酒 酒 様皮膚炎 白癬 酒 酒 様皮膚炎 MED:最小紅斑量,IgE:免疫グロブリンE,TARC:thymus and activation regulated chemokine,SLE:全身性エリテマトーデス 鑑別すべき疾患が,すべて酒皶様皮膚炎の前駆病変となりうることを知っておくべきである。 (筆者作成) 鑑別のポイント 顔面に紅斑を生じる疾患はすべて鑑別すべきであり,治療にCS外用薬,Tc軟膏を使用する疾患はすべて酒皶様皮膚炎を きたす可能性があることを知っておくべきである。 鑑別疾患 鑑別のポイント 酒皶 温熱・寒冷刺激,日光照射で頬部に痒みに乏しい潮紅の出没を繰り返す。ほてり感あり。 脂漏性皮膚炎 脂漏性痂皮,鱗屑を伴う紅斑が頬部よりも鼻の外側・鼻唇溝に持続する(図₃)。頭部,腋窩に病変を伴う ことあり。 接触皮膚炎 痒みを伴う紅斑が出現する(図₄)。接触源に関する問診,パッチテストが必要。 アトピー性皮膚炎 痒みの強い紅斑が顔面以外にも持続する。免疫グロブリンE(IgE),thymus and activation regulated chemokine(TARC)の上昇を伴う。 好酸球性膿疱性毛包炎 頬部の紅斑に小膿疱を伴う(図₅)。生検による病理組織診断が必要。 慢性光線性皮膚炎 顔面・手背など日光曝露部に痒みの強い紅斑が持続する。最小紅斑量(MED)の短縮あり。 全身性エリテマトーデス(SLE) 頬部に蝶形紅斑が出現。光線による増悪あり(図₆)。 他臓器症状の確認と抗核抗体を含む血液検査が必要。 シェーグレン症候群 頬部に環状紅斑が出現。乾燥症状の有無,抗SS-A抗体,抗SS-B抗体を確認する。 皮膚筋炎 眼瞼・頬部に紅斑が出現。手指関節背部の紅斑(Gottron徴候),爪囲紅斑を伴う。 異型白癬 診断確定にKOH直接鏡検が必要。爪白癬,足白癬を合併する例が多い(図₇)。 毛包虫症 膿疱のKOH直接鏡検が必要。酒皶・酒皶様皮膚炎として発症することあり。 丹毒 発熱を伴い,急速に顔面に潮紅が出現する。血液検査が必要。 (筆者作成) 鑑別が必要な疾患 図₃. 脂漏性皮膚炎 図₄. 接触皮膚炎 図₆. SLE Clinical Derma 図₇. 異型白癬 図₅. 好酸球性膿疱性毛包炎 / 8 皮膚疾患患者・家族のためのより良い コミュニケーションのために 第 61 回 アトピー性皮膚炎の外用療法―プロアクティブ療法― 浜松医科大学小児科講師 はじめに アトピー性皮膚炎は喘息などと同様の慢性炎症性 疾患ですので,その治療は喘息の発作時に相当する治 療,つまり湿疹増悪時の寛解導入療法と,喘息を発作 ゼロレベルに予防する治療,すなわち 「湿疹ゼロレベル 作戦」 とでも名付けるような長期的な寛解維持療法に分 けて治療戦略を立てるべきでしょう。近年,国内外の ガイドラインでは中等症以上の症例に対して寛解維持 療法の₁つであるプロアクティブ療法が推奨されてお り,本稿では本治療法のポイントや患者とのコミュニ ケーションで重要なコツを概説します。 プロアクティブ療法とは Clinical Derma / 9 “Proactive”は 直 訳 す る と 「前もって行動するこ と」 ,意味は “reactive” (受動的に反応し行動すること) に対し 「早期に行動を開始すること,予測されたシナリ オに基づいて計画的に行動すること」 を表します。ステ ロイド外用薬を用いたプロアクティブ療法は2000年前 後より,タクロリムス軟膏においては2008年の臨床研 究より登場した,比較的新しい治療概念です。 抗炎症外用薬によってツルツルになった皮膚にも, 組織学的にはサブクリニカルな炎症が残存するため, すぐに治療をやめると再燃するのは当然ともいえま す。そこで,プロアクティブ療法では週₂回程度抗炎 症外用薬を定期的に外用することでより小さな炎症を より少ない抗炎症外用薬で治し,寛解 (無症状の状態) を維持することを狙います (図₁) 。この方法では,ス テロイド外用薬を長期間連用することで出現する皮膚萎 縮や毛細血管拡張などの局所性副作用,副腎機能抑制な どの全身性副作用が認められないことが証明されてお り1),さらに中等症〜重症の症例において,長期的に は外用薬の消費量を減少できることがこれまでの臨床 研究2)3)で明らかとなっています。 プロアクティブ療法の実際 プロアクティブ療法はあくまで後療法であり,寛解 導入を確実に行うことが前提です。寛解導入期の外用 福家 辰樹 療法で重要な点は,症状に応じた抗炎症外用薬の選 択と塗布量です。外用薬では内服薬のように用法・用 量が明確に指示されにくいのですが,治療効果に直結 する大切なポイントであり,フィンガーチップユニッ ト (FTU),つまり第₂指の先端から第₁関節部まで チューブから押し出した量(約0.5g)が成人の手掌₂枚 分,すなわち成人の体表面積のおよそ₂%に対する適 量とする方法に従い,十分量を₁日₂回以上塗布する ことを指導します。 寛解維持期では湿疹ゼロ状態を維持しながら予防的 にステロイド外用薬やタクロリムス軟膏を間欠塗布し ますが,間欠期には皮膚バリア機能と水分保持のため に保湿外用薬を使用することが必須です。また,湿疹 アトピー性皮膚炎:治療アルゴリズム 現病歴,皮疹の範囲・強さの初期評価 保湿外用薬,患者教育 寛解 (無症状) 寛解導入療法 (痒みや炎症の増悪時) ステロイド外用薬 タクロリムス軟膏 寛解維持療法 (症状が持続,または頻回に再燃を 繰り返す場合) ・皮疹再燃のごく早期にタクロリム ス軟膏を開始 ・ステロイド外用薬やタクロリムス 軟膏の間欠塗布による長期維持療 法 (プロアクティブ療法) 補助療法 悪化因子 除去 感染症の 治療 心理学的 介入 抗ヒスタ ミン薬 重症・最重症・難治性 ・ステロイド外用薬のランクアップ ・シクロスポリン内服 ・ステロイド内服 ・心理学的介入 図 1.アトピー性皮膚炎治療のアルゴリズム (日本皮膚科学会アトピー性皮膚炎診療ガイドライン作成委員会 編:アトピー性皮膚炎診療ガイドライン. 日皮会誌 119:15151534,2009より引用・一部改変) 悪化時は放置せずに抗炎症療法を速やかに再開し,湿 疹が消えるまで続けることを指導します。 部位と外用薬の塗布プランをあらかじめ 記載し,患者は実際行った経過を記入 次回までのワンポイント アドバイス欄 スキンケアプランの重要性 プロアクティブ療法に限ったことではありません が,外用療法のプラン (外用薬の塗布頻度と部位)を記 載した用紙 (スキンケア表:図₂)を活用することは, アトピー性皮膚炎の外用療法においてとても有用です。 あらかじめ医療者がこのスキンケア表にケアプラン を記載して渡し,患者には前回診察からの実際の経過 を記入してもらいます。上手に湿疹のコントロールが できた場合 (小児であればスキンケアを継続できた場合 など) は患者をよく褒め,改善しなかった部位について は改善策を一緒に考えて次回までの課題とします。つ まり,このスキンケア表を用いて患者と医療者がプロ アクティブ療法という共通の話題に取り組むことで一 体感が生まれ,両者の信頼関係の構築や患者教育が自 然となされていきます。 プロアクティブ療法を念頭に置いた治療の例として は,まずステロイド外用薬の連日塗布を指示し,寛解 すべき時期を予想し次回受診日とします。寛解が確認 されれば,それを維持できる頻度で間欠塗布を開始し ます。多くの臨床研究が週₂回のアプローチを用いて いますが,実際の臨床では患者の重症度はさまざまで あり,₂回という数字にこだわらず症例ごとに維持療 法のプランを変更します。たとえば,重症例であれば 隔日塗布→₃日に₁回→週₂回を₁ヵ月ごとに漸減, 以後は₁年単位で継続し,いずれ保湿中心のreactive療 法にもち込みます。コツとしては先にステロイド外用 薬のランクを下げるのではなく,寛解へ至らしめた外 用薬のまま間欠塗布を行い,週₂回程度まで減らせた 段階でランクを落とすことです。なお,タクロリムス 軟膏はそもそも寛解維持に適した抗炎症薬であり,ス テロイド外用薬で寛解導入後,タクロリムス軟膏連用 に切り替えて漸減し,プロアクティブ療法として維持 外用薬の種類と塗布 する部位を記載 図 2 .ケアプラン(スキンケア表)の例 することが理想です。いずれにせよ,患者から治療状 況をよく聞き出してフィードバックを受けながら,個 別に塗布計画を決めていくことが重要です。 おわりに 忘れてはならない最も重要な点として,環境調整や 保湿スキンケアが不十分であると抗炎症外用薬を使っ ても十分な効果があげられないことです。ステロイド 外用薬の副作用を避け,最小限の使用で最大の効果を あげるためにはこうした指導も不可欠です。なお,容 易に湿疹が消失しない重症例は,速やかに専門医への 紹介を考慮すべきであると考えられます。 文 献 1) Schmitt J, et al:Br J Dermatol 164:415-428, 2011 2) Wollenberg A, et al:Allergy 63: 742-750, 2009 3) Thaçi D, et al:Br J Dermatol 159:1348-1356, 2008 患者さんからよく聞かれる Q&A 寛解に入りませんが,何が問題なのでしょうか? A. 寛解導入できない場合の多くは,外用薬の塗布量や頻度が不十分であることが原因と思われます。それ でも消失しないしつこい湿疹に対しては,ステロイド外用薬のランクを上げるか,改善しない原因を検 討します。最も注意すべきことは皮膚感染症の合併を考慮することで,この場合は感染症の治療を優先します。 また環境調整や保湿スキンケアが不十分であると,抗炎症外用薬を使っても十分な効果があげられません。ステ ロイド外用薬の副作用を避け,最小限の使用で最大の効果をあげるためには,こうした悪化因子の制御と適切な スキンケアの実行が欠かせません。 ステロイド外用薬の副作用が心配です。 長期連用した場合の局所性副作用として, 毛細血管拡張,痤瘡,酒皶様皮膚炎,皮膚萎縮,多毛,皮 膚線条などがあり,全身性副作用としてベタメタゾン吉草酸エステル軟膏0.12%(Ⅲ群) 20g/日は副 腎機能抑制を生じる恐れがあることが知られています。ステロイド外用薬の副作用には誤解が多く,それを正 す必要はありますが,「心配ない」という安易な説明はすべきではありません。正確な情報提供をしたうえで, ステロイド外用薬の副作用を避けアトピー性皮膚炎を克服する方法があるという説明をすべきです。そのため には,丁寧なスキンケア,適切なランクと量のステロイド外用薬を使用してより早く寛解状態に至らしめ,保 湿剤中心の治療もしくはプロアクティブ療法へと導くことが重要ということを理解してもらうようにしましょう。 Clinical Derma A. / 10 尋常性乾癬治療剤 劇薬、処方せん医薬品 注) (一般名:カルシポトリオール) 〈薬価基準収載〉 注)注意−医師等の処方せんにより使用すること ※効能又は効果、用法及び用量、禁忌を含む使用上の注意等については、製品添付文書をご参照ください。 販売元 製造販売元 資料請求先 鳥居薬品株式会社 お客様相談室 提携 TEL 0120-316-834 FAX 0120-797-335 2014年5月作成 外用副腎皮質ホルモン剤 劇薬 製造販売元 (一般名:ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル) スクワラン含有(軟膏・クリーム基剤) 〈薬価基準収載〉 効能又は効果、用法及び用量、禁 忌を含む使 用上の注意等については、製品添付文書を ご参照ください。 資料請求先 鳥居薬品株式会社 お客様相談室 TEL 0120-316-834 FAX 0120-797-335 2014年5月作成 鳥居薬品の外用薬についての情報は▶ http://www.torii.co.jp/hifu/ Vo l.16 No.4(通巻第61号) 2014年12月 日発行 発行/鳥居薬品株式会社 編集・制作/株 式 会 社メディカルレビュー社 2014年11月作成 MR9.8-1411P ANT PF 048A
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