null

品質管理
品質管理:所要の品質の製品を継続して,
安定して供給するための活動
品質の変動を評価する手法
ずれる,ばらつく
管理図
JIS Z 9020 管理図一般指針
JIS Z 9021 シューハート管理図
計数値:きず,色むら,絶縁,コンタミ
品質試験の
試験値
p,np,c管理図
計量値:強度,寸法,抵抗,濃度,電流
X,X,R,Rs管理図
群分けの可否 ー 試験値が複数か1つか
1
管理アウト:製造中止
試験値:統計量
上側管理限界線
UCL
注意限界線
試
験
値
CL 中心線
LCL
下側管理限界線
1
2
3
4
5
6
7
8
9 試験No.
JIS Z 9021
中心線:試験値の平均値
外側管理限界線:平均値±3 「3方式」
注意限界線:平均値±2
試験値の母分散を求める
試験値Xは正規分布N( X ,)に従う
N(0,1)
X 
-3
-2
-1
0
1
2
3
X
外側確率: p1 1  Pr    X   

 1   N (0,1)dX  0.328

2
N(0,1)
X  2
-3
-2
-1
0
1
2
3
X
p2 1  Pr  2  X  2   0.046 約5%
N(0,1)
X  3
-3
-2
-1
0
1
2
3
X
p3  1  Pr  3  X  3   0.0026
約0.3%
工学的に発生しない
3
母集団の分散を求める
標本範囲の特性
大きさnの標本をK個抽出
{X11, X12, …. ,X1n}
{X21, X22, …. ,X2n}
∞母集団
f(x)
・
・
{XK1, XK2, …. ,XKn}
標本平均: X i 
1
n
n
X
j 1
ij
最小値: X m  minX 
標本の最大値: X M  MAX X 
標本範囲: R  X M  X m
標本範囲の確率密度関数:
g ( R )  n (n  1) 


F
( R X m )
 F( X m )
n2

f ( R  X m ) f ( X m ) dX m
f ( X ) ~N (  ,  2 ) のとき,
標本範囲の期待値 E(R)と分散 V2(R)は,

E ( R)   R g ( R ) dR  d 2
0

V 2 ( R)   ( R  E ( R)) 2 g ( R ) dR  d 3  2
2
0
E ( R) 
1
K
K
R R
i 1
i
なので,
母集団の標準偏差は, 
R
d2
n
d2
d3
2
3
4
5
6
7
8
1.128
1.693
2.059
2.323
2.534
2.704
2.847
0.8525
0.8884
0.8798
0.8641
0.848
0.833
0.820
4
標本平均の特性
無限母集団 f(X) から抽出する
標本平均: X i 
1
n
標本の大きさ:n

n
X
j 1
ij
標本の数:K
標本平均の集合: X 1 , X 2 , X 3 ,  , X K

f ( X ) ~N (  ,  2 ) のとき,
標本平均の平均値 X : E ( X ) 
標本平均の分散: V ( X ) 
2
1
K
K
X
2
i 1
i

n
2

1 R
R
2

なので,V ( X ) 
d2
n d 22
X 管理図
標準偏差:V ( X ) 
1
n

R
d2
平均値の変動,ずれ
(1) 合理的な群分けが可能な計量値
(2) 1組の試験値は3~5 (標本の大きさ n)
(3) 組の数は20組程度必要 (標本の数 K)
試験
No.
試 験 値
平均値
X1
X2
X3
X4
1
93.4
94.0
93.6
93.8
2
92.8
92.4
92.4
92.6
3
93.4
94.6
94.4
94.5
4
94.7
94.2
93.8
92.5
5
93.3
93.8
93.7
94.6
X
範囲
R
5
試験
No.
試 験 値
平均値
X
範囲
R
X1
X2
X3
X4
1
93.4
94.0
93.6
93.8
93.70
0.6
2
92.8
92.4
92.4
92.6
92.55
0.4
3
93.4
94.6
94.4
94.5
94.22
1.2
4
94.7
94.2
93.8
92.5
93.80
2.2
5
93.3
93.8
93.7
94.6
93.85
1.3
24
93.0
94.3
93.6
94.6
93.88
1.6
計
2244.83
22.3
平均
93.535
0.929
平均値の平均値: X  93.535
標本の大きさ:n=4
標本の数:K=24
範囲の平均値: R  0.929
X 管理図の管理限界線
X  93.535, R  0.929
(1)中心線CL : X の平均値 E ( X )  X  CL  X  93.535
=
(2)上側管理限界 UCL:中心線+3×X の標準偏差
UCL  E ( X )  3V ( X )  X 
 UCL  93.535 
3

R
, 
R V (X ) 
d2
n d2
n
3
 0.929  94.21
4 2.059
(3)下側管理限界 LCL:中心線-3× X の標準偏差
LCL  E ( X )  3V ( X )  X 
3
R  93.535 
n d2
3
 0.929  92.86
4 2.059
6
X 管理図
平 均 値 X 94.5
UCL=94.213
94.0
93.5
CL=93.535
93.0
LCL=92.857
92.5
0
5
10
15
20
25
試験番号
R 管理図
ばらつきの変動
(1) 合理的な群分けが可能な計量値
(2) 1組の試験値は3~5 (標本の大きさ n)
(3) 組の数は20組程度必要 (標本の数 K)
試験
No.
試 験 値
平均値
X1
X2
X3
X4
1
93.4
94.0
93.6
93.8
2
92.8
92.4
92.4
92.6
3
93.4
94.6
94.4
94.5
4
94.7
94.2
93.8
92.5
5
93.3
93.8
93.7
94.6
X
範囲
R
7
試験
No.
試 験 値
平均値
X
範囲
R
X1
X2
X3
X4
1
93.4
94.0
93.6
93.8
93.70
0.6
2
92.8
92.4
92.4
92.6
92.55
0.4
3
93.4
94.6
94.4
94.5
94.22
1.2
4
94.7
94.2
93.8
92.5
93.80
2.2
5
93.3
93.8
93.7
94.6
93.85
1.3
24
93.0
94.3
93.6
94.6
93.88
1.6
計
2244.83
22.3
平均
93.535
0.929
標本の大きさ:n=4
標本の数:K=24
R 管理図の管理限界線
平均値の平均値: X  93.535
範囲の平均値: R  0.929
X  93.535, R  0.929
(1)中心線CL : R の平均値 E ( R)  R  CL  R  0.929
=
(2)上側管理限界 UCL:中心線+3×R の標準偏差
UCL  E ( R)  3 V ( R)  R  3
d3
R
R  V ( R)  d 3   ,  
d2
d2

0.8798 
d  
 UCL  1  3 3  R  1  3
0.929  2.12
2.059 
d2  

(3)下側管理限界 LCL:中心線-3× R の標準偏差

d  
0.8798 
LCL  E ( R)  3 V ( R)  1  3 3  R  1  3
 0.929  0.26  0
d2  
2.059 

標本範囲の定義から,R>0なので,LCLはなし
8
JIS Z 9021「シューハート管理図」における
X -R管理図の管理限界をもとめる係数
X 管理図
標本の
大きさ
n
R管理図
UCL  X  A2 R
UCL  D4 R
LCL  X  A2 R
LCL  D3 R
2
3
4
5
6
7
8
A2 
A2
D3
D4
1.88
1.02
0.73
0.58
0.48
0.42
0.37
-
-
-
-
-
0.08
0.14
3.27
2.57
2.28
2.11
2.00
1.92
1.86

d 
D4  1  3 3 
d2 


d 
D3  1  3 3 
d2 

3
n d2
X -R管理図
平 均 値 X
94.5
UCL=94.213
94.0
93.5
CL=93.535
93.0
LCL=92.857
92.5
範 囲 R
UCL=2.118
2.0
1.0
0.0
CL=0.929
0
5
10
15
20
25
試験番号
9
管理図の判定のルール
UCL
A
+2
B
+
C
CL
C
-
B
-2
A
LCL
ルール1:1点が領域Aを超えている
UCL
CL
A
UCL
B
CL
CL
LCL
UCL
CL
B
C
C
CL
A
A
C
B
LCL
A
ルール4:14の点が交互に増減している
UCL
A
B
B
C
C
C
CL
A
A
C
B
LCL
A
ルール6:連続する5点中,4点が領域B
またはそれを超えた領域にある
UCL
A
B
B
C
C
C
CL
B
LCL
A
C
ルール5:連続する3点中,2点が領域Aに
ある
UCL
A
ルール2:9点が中心線に対して同じ側に
ある
B
LCL
C
B
ルール3:6点が連続して増加または
減少している
UCL
C
B
B
LCL
A
B
A
ルール7:連続する15点が領域Cにある
C
LCL
A
ルール8:連続する8点が,領域Cを超えた
領域にある
10
X 管理図
(1) 合理的な群分けができない 試験値が1つ
(2) 製造開始から早期に品質管理を行う
(3) 試験値は20個程度必要
試験
No.
試験値
X
1
1.09
2
1.13
0.04
3
1.29
0.16
4
1.13
0.16
5
1.23
0.10
移動範囲: Rs k  X k  X k 1
実験指導書
p.165
移動範囲
Rs
k  2
試験
No.
試験値
X
試験値
X
1
1.09
2
1.13
1.09
1.13  1.09  0.04
3
1.29
1.13
0.16
4
1.13
1.29
0.16
k
Xk
Xk-1
X k  X k 1
移動範囲
Rs
-
Rsは,n=2のRと同じ
11
試験
No.
試験値
X
1
1.09
2
1.13
0.04
3
1.29
0.16
4
1.13
0.16
5
1.23
0.10
25
1.70
0.80
26
0.95
0.75
合計
34.12
7.10
平均
1.312
0.284
K=26
X
X
K
X 管理図の管理限界線
移動範囲
Rs
Rs 
実験指導書
p.165
 Rs
K 1
X  1.312 , Rs  0.284
(1)中心線CL:X の平均値  E ( X )  X CL  X  1.312
(2)上側管理限界 UCL:中心線+3×(Xの標準偏差)
UCL  E ( X )  3V ( X )  X 
 UCL 1.312 
Rs
3
Rs  V ( X )   ,  
d2
d2
3
 0.284  2.067
1.128
n=2のd2を用いる
(3)下側管理限界 LCL:中心線-3×(Xの標準偏差)
LCL  E ( X )  3V ( X )  X 
3
3
Rs 1.312 
 0.284  0.557
d2
1.128
12
X  1.312 , Rs  0.284
Rs 管理図の管理限界線
(1)中心線CL : Rs の平均値  CL  E ( Rs)  Rs  0.284
(2)上側管理限界 UCL:中心線+3×Rsの標準偏差
UCL  E ( Rs)  3  V ( Rs)  Rs  3
d3
Rs
Rs  V ( Rs)  d 3   ,  
d2
d2

d 
0.8525 

 UCL  1  3 3  Rs  1  3
  0.284  0.928
1.128 
d2 


(3)下側管理限界 LCL:なし
n≦6なので,LCLは,なし
試験値X
X-Rs 管理図
2.0
UCL=2.067
CL=1.312
1.5
1.0
LCL=0.557
移動範囲 Rs
0.5
0.9
UCL=0.929
0.6
CL=0.284
0.3
0.0
0
5
10
15
20
25
試 験 No.
13
検出力
品質管理:生産工程の管理
JIS Z 9021:3方式
良い製品群:
Good (X ) = N (0, 02 )
正常な生産工程から管理
限界を超える製品が産出
される確率:0.26%
LCL:
0-30
CL:0
UCL:
0+30
第1種の誤り(あわてものの誤り)
生産工程は正常であるが,管理限界を超える製品が
産出されたので,生産工程を異常と判定する.
第1種の誤りの確率:
UCL
pI  1  
LCL
Good ( X ) dX
3方式の場合,0.26%(約0.3%)
2にすると,4.6%(約5%)
LCL:
0-30
CL:0
UCL:
0+30
14
第2種の誤り(ぼんやりものの誤り)
生産工程に異変が起こっているが,試験結果は管理
限界の範囲内であるため,異常なしと判定する.
悪い製品群:
Bad (X ) = N (1, 2 )
良い製品群:
Good (X ) = N (0, 02)
「異常なし」
CL:0
LCL:
0-30
UCL:
0+30

第2種の誤りの確率: pII  LCL Bad ( X ) dX
検出力=1-pII
「異常なし」
LCL:
0-30
CL:0
UCL:
0+30
15
X 管理図の検出力
良い製品群:0=50N/mm2,0=5N/mm2,V=10%
悪い製品群:1=40N/mm2,1=4N/mm2,V=10%
Bad (X ) = N (, 2 )
Good (X ) = N (, 2)
1=40
CL=50
UCL=65
LCL=35
第2種の誤りの確率:
pII  

LCL



Bad ( X ) dX   N 40, 4 2 dX  0.89
35
検出力=1-pII = 1-0.89 = 0.11
10~30個のデータがないとLCL(35N/mm2)以下
の結果が出現しない
第1種の誤りの確率:
UCL
pI  1  
LCL
Good ( X ) dX  0.0026
約0.3%
16
X 管理図の検出力 n=3のとき
母集団N(50, 52)から抽出した標本平均の分布は,N (50,
下側管理限界線は,LCL  X  3

Bad ( X )  N 40,
42
3



CL:
LCL=41.3
第2種の誤りの確率:

LCL
Bad ( X ) dX  

41.3
0=50

N 40,
42
3
)
5
 41.3
3
Good ( X )  N 50,
1=40
pII  
n
 50  3
52
3
52
3

UCL=58.7
dX  0.29
検出力=1-pII = 1-0.29 = 0.71
2~4回の試験でLCL(41.3N/mm2)以下の結果が出現
第1種の誤りの確率:
UCL
pI  1  
LCL
Good ( X ) dX  0.0026
約0.3%
17
標本の大きさと検出力
n
pII (%)
検出力
pI (%)
1
3
4
5
89
29
11
4
11
71
89
96
0.3
0.3
0.3
0.3
検出力に影響する要因
t
n
小
大
小
大
pI
pII
大
小
-
-
小
大
大
小
検出力
大
小
小
大
3方式
pII
CL:0
LCL:
0-30
UCL:
0+30
2方式
pII
LCL:
0-20
CL:0
UCL:
0+20
18