年初からの世界的な株安について(2016/01/12)

楽読
(ラクヨミ)
2016年1月12日
Vol.
1,051
年初からの世界的な株安について
年初から世界的に株安が続いています。足元の主要国の株価推移をみると、中国株を中心に大きく下落し
ました。また、為替市場では人民元や豪ドルが対米ドルで下落した一方、安全資産とされる円は上昇しました。
こうした背景には、中国の景気減速が、軟調な経済指標によって、より鮮明になったことで、人民元安が進ん
だことが挙げられます。それに加え、今年から中国で導入された相場の急変時に取引を停止する「サーキッ
トブレーカー」制度に伴なう混乱なども重なり、中国株は大幅に下落し、世界の株式市場にも影響が拡がりま
した。また、サウジアラビアとイランの対立や北朝鮮による核実験など地政学リスクが顕在化したことや、需
給悪化懸念から原油安がさらに進んだことも相場の重石となっています。
中国への輸出依存度が高い新興国や資源国の景気は、中国経済の減速に伴ない、鈍化傾向がみられてい
ます。先日発表された世界銀行の世界経済見通しでは、2016年の世界の実質GDP成長率予想は、3.3%か
ら2.9%に下方修正されました。ただし、中国経済は、投資が減速する一方で、個人消費は好調が続いてい
るほか、人民元安は中国企業のドル建て債務を増加させるものの、輸出企業の業績を下支えするとみられ
ます。こうしたことなどから、中国の景気減速は緩やかになるとみられるほか、原油安による消費国への恩
恵や米国経済の改善などを背景に、世界経済は緩やかな回復基調が続くと考えられます。
投資家心理が落ち着きを取り戻すには時間がかかるとみられるものの、足元では世界的に株価が反転しや
すい割安な水準まで下落しているとみられ、今後、中国政府による政策的な取り組みや世界経済の底堅さ
が確認できるような経済指標などが出てくれば、市場の警戒感が和らぐとともに、世界の株式市場も落ち着
きを取り戻していくと期待されます。
主要国の株価の推移
世界株式の株価と予想PERの推移
(2015年12月31日~2016年1月11日※)
105
米国株
100
ドイツ株
95
90
(2014年1月初~2016年1月11日)
20
世界株式の株価(左軸)
105
19
100
18
日本株
*起点を100として指数化
85
12/31
1/4
1/5
1/6
中国株
1/7
1/8
1/11 (月/日)
17
95
※12/31の日本株とドイツ株は12/30の値、1/11の日本株は1/12前引の値
日本株:日経平均株価、中国株:上海総合指数、ドイツ株:DAX指数、
米国株:ダウ工業株30種平均指数
主要通貨(対米ドル)の推移
(2015年12月31日~2016年1月11日)
105
(倍)
110
米ドル安 *起点を100として指数化
ユーロ
人民元
米ドル高
95
12/31
1/4
豪ドル
1/5
1/6
1/7
1/8
90
16
85
15
80
円
100
予想PER(右軸)
2014年以降の下落局面では、
PER15倍を下回る水準で反転しやすい傾向に
75
14/1
14/7
15/1
15/7
14
13
16/1
(年/月)
※世界株式は起点を100として指数化
世界株式:MSCI AC ワールド・インデックス (米ドルベース)
1/11 (月/日)
(信頼できると判断したデータをもとに日興アセットマネジメントが作成)
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