BTMU Thailand Monthly(2015年12月号)

(2016年1月号)
【目次】
1.
タイ経済指標推移 ------------------------------------------------ P 1
2.
タイ経済・政治・社会ニュース--------------------------------------- P 3
3.
為替相場動向 ---------------------------------------------------- P 5
4.
バーツ金利動向 -------------------------------------------------- P 6
5.
主要金融指標 ---------------------------------------------------- P 7
6.
今月のトピックス<アジア経済の見通し>----------------------------- P 8
7.
タイにおけるBTMUグループのサービス体制について ------------------- P13
(2016年1月13日作成)
Bank of Ayudhya PCL.
三菱東京UFJ銀行 企画部 経済調査室
BTMU Holding (Thailand) Co., Ltd.
BANGKOK BTMU LIMITED
BTMU Participation (Thailand) Co., Ltd.
1.タイ経済指標推移
タイの主要経済指標
2013
2014
2015
15/1-3
4-6
7-9
10-12
名目 GDP ( 10 億ドル)
人口( 100 万人)
420
64.8
405
65.1
1 人あたり GDP (ドル)
実質 GDP 成長率(前年比、%)
6,490
( 2.8)
6,218
( 0.9)
( 3.0)
( 2.8)
( 2.9)
製造業生産指数(前年比、%)
( 2.4)
( 1.8)
1,330,678
(▲5.2)
( 0.7)
881,832
( 0.4)
( 2.3)
197,787
(▲0.3)
(▲0.7)
171,322
( 0.9)
( 0.7)
184,723
(▲11.8)
(▲21.0)
(▲11.0)
(▲1.1)
0.9
52,650
(▲1.1)
0.9
54,224
民間消費指数(前年比、%)
自動車販売台数(台)
(前年比、%)
(▲7.3)
( 2.2)
(▲33.7)
( 1.9)
0.7
225,409
0.8
224,777
(▲0.5)
1.0
52,983
(前年比、%)
輸入( FOB )( 100万ドル)
(▲0.1)
218,748
(▲0.3)
200,194
(▲4.3)
45,503
(▲5.5)
44,790
(前年比、%)
貿易収支( 100 万ドル)
経常収支( 100 万ドル)
(▲0.1)
6,661
▲ 5,169
(▲8.5)
24,583
15,418
(▲7.3)
7,480
8,440
資本収支( 100 万ドル)
▲ 2,207
3,814
▲ 4,766
▲ 16,389
▲ 563
▲ 12,086
▲ 1,195
▲ 5,049
BOI外資申請金額( 100 万バーツ)
うち日系
BOI外資承認金額( 100 万バーツ)
うち日系
対外債務残高( 100 万ドル)◎
外貨準備高(除く金)( 100万㌦)◎
翌日物レポ金利(%)◎
為替(バーツ/ドル) *
株価指数◎
10
11
12
(▲0.3)
( 2.4)
61,869
(▲0.8)
( 2.5)
67,910
( 0.1)
( 3.5)
76,426
65.7
消費者物価指数(前年比、%)
失業率(%)
輸出( FOB )( 100万ドル)
直接投資( 100万ドル)
証券投資( 100万ドル)
その他投資( 100 万ドル)
総合収支( 100 万ドル)
15/9
(▲10.5)
(▲4.1)
( 4.6)
(▲1.1)
0.8
18,524
(▲0.8)
0.9
18,288
(▲1.0)
0.9
17,006
(▲4.7)
44,607
(▲5.4)
14,523
(▲8.0)
13,957
(▲6.6)
14,920
(▲10.2)
7,860
6,119
(▲14.5)
9,616
7,225
(▲21.3)
4,001
1,843
(▲21.3)
4,331
5,178
(▲8.5)
2,086
2,997
▲ 2,015
643
▲ 2,458
▲ 1,787
▲ 615
▲ 6,580
▲ 7,212
▲ 2,156
▲ 3,209
▲ 329
▲ 1,510
▲ 4,271
▲ 1,210
▲ 1,166
3,985
5,637
3,326
▲ 1,857
▲ 2,383
550
2,441
▲ 849
524,768
282,848
1,022,996
293,334
5,622
1,837
26,811
6,854
74,801
12,798
24,534
2,880
15,744
15,095
3,227
359
478,927
290,491
141,933
483,511
181,932
140,135
126,295
58,439
137,016
251,852
94,006
136,485
425,333
123,714
133,745
76,782
8,047
134,728
17,039
3,218
133,481
41,939
17,666
161,328
2.25
151,253
2.00
1.50
150,467
1.75
154,476
1.50
150,020
1.50
1.50
150,020
1.50
152,645
1.50
150,418
1.50
1.50
30.72
1,298.7
32.48
1,497.7
34.26
1,288.0
32.65
1,505.9
33.25
1,504.6
35.25
1,349.0
35.83
1,288.0
36.03
1,349.0
35.69
1,394.9
35.79
1,359.7
36.01
1,288.0
(▲0.9)
(▲0.9)
(▲0.9)
(注) * 印:期中平均値、◎印:期末値。
(資料)タイ中央銀行、国家経済社会開発委員会、CEICなどより三菱東京 UFJ銀行経済調査室作成
タイの主要経済指標
15/1
2
3
4
5
6
7
8
15/9
10
11
12
名目 GDP (10 億ドル)
人口( 100万人)
1人あたり GDP (ドル)
実質 GDP 成長率(前年比、%)
(▲0.8)
( 0.4)
59,721
( 3.0)
(▲0.4)
63,949
(▲1.7)
( 0.6)
74,117
(▲7.1)
(▲0.8)
54,058
(▲7.6)
(▲2.3)
56,942
(▲7.7)
(▲0.8)
60,322
(▲6.3)
(▲1.5)
60,863
(▲8.3)
( 0.0)
61,991
(▲0.3)
( 2.4)
61,869
(▲0.8)
( 2.5)
67,910
( 0.1)
( 3.5)
76,426
(▲12.8)
(▲0.4)
(▲10.8)
(▲0.5)
(▲11.7)
(▲0.6)
(▲26.2)
(▲1.0)
(▲18.3)
(▲1.3)
(▲18.3)
(▲1.1)
(▲12.5)
(▲1.0)
(▲9.9)
(▲1.2)
(▲10.5)
(▲1.1)
(▲4.1)
(▲0.8)
( 4.6)
(▲1.0)
1.1
17,163
0.8
17,069
1.0
18,766
0.9
16,749
0.9
18,228
0.8
17,680
1.0
18,113
1.0
17,587
0.8
18,524
0.9
18,288
0.9
17,006
(前年比、%)
輸入( FOB )(100 万ドル)
(▲2.6)
15,771
(▲6.0)
14,500
(▲4.3)
15,302
(▲1.8)
15,041
(▲5.5)
14,077
(▲8.9)
15,692
(▲3.1)
15,405
(▲5.6)
14,680
(▲5.4)
14,523
(▲8.0)
13,957
(▲6.6)
14,920
(前年比、%)
貿易収支( 100 万ドル)
経常収支( 100 万ドル)
資本収支( 100 万ドル)
直接投資( 100万ドル)
証券投資( 100万ドル)
(▲14.8)
1,392
2,506
( 1.6)
2,568
3,508
(▲6.2)
3,465
2,210
(▲9.1)
1,707
1,113
(▲20.3)
4,152
2,127
( 0.3)
1,988
1,563
(▲10.6)
2,708
2,160
(▲10.8)
2,907
2,650
(▲21.3)
4,001
1,843
(▲21.3)
4,331
5,178
(▲8.5)
2,086
2,997
▲ 2,819
▲ 992
▲ 133
1,725
▲ 1,212
883
▲ 2,608
▲ 2,883
▲ 329
▲ 1,510
製造業生産指数(前年比、%)
民間消費指数(前年比、%)
自動車販売台数(台)
(前年比、%)
消費者物価指数(前年比、%)
失業率(%)
輸出( FOB )(100 万ドル)
その他投資( 100 万ドル)
総合収支( 100 万ドル)
(▲0.9)
719
2,170
1,096
1,808
116
1,402
▲ 1,746
▲ 1,187
550
2,441
▲ 849
579
201
19,108
2,281
456
34,589
2,762
1,180
72,598
1,753
483
79,909
6,270
2,797
33,198
13,166
1,737
12,450
18,656
896
48,527
4,800
2,168
48,172
24,534
2,880
76,782
15,744
15,095
17,039
3,227
359
41,939
12,670
140,579
16,827
137,698
28,942
138,112
9,814
138,854
19,535
135,058
6,218
136,779
17,599
134,260
4,062
134,412
8,047
134,728
3,218
133,481
17,666
翌日物レポ金利(%)◎
為替(バーツ/ドル) *
149,076
2.00
32.74
150,937
2.00
32.57
150,467
1.75
32.62
155,247
1.50
32.52
152,632
1.50
33.53
154,476
1.50
33.71
151,526
1.50
34.34
150,228
1.50
35.42
150,020
1.50
36.03
152,645
1.50
35.69
150,418
1.50
35.79
1.50
36.01
株価指数◎
1,581.3
1,587.0
1,505.9
1,526.7
1,496.1
1,504.6
1,440.1
1,382.4
1,349.0
1,394.9
1,359.7
1,288.0
BOI外資申請金額( 100万バーツ)
うち日系
BOI外資承認金額( 100万バーツ)
うち日系
対外債務残高( 100万ドル)◎
外貨準備高(除く金)( 100 万㌦)◎
(注) * 印:期中平均値、◎印:期末値。
(資料)タイ中央銀行、国家経済社会開発委員会、 CEICなどより三菱東京 UFJ銀行経済調査室作成
1/13
 11 月の外国人来訪者数は前年比+5.1%へ加速
11月の外国人来訪者数は前年比+5.1%と、10月の同+1.0%から加速した。国別にみると、
全体の2割を占める中国からの来訪者が同+20.0%と高い伸びを維持しているほか、NIEsや
ASEANといったアジア域内からの来訪者が全体を支えている。他方、欧州からの来訪者は
同▲9.2%と3ヵ月連続で減少しているほか、景気低迷が続くロシアからの来訪者は年初来
で同▲46.8%と略半数まで減少している。
外国人来訪者数は、2014年末から2015年8月にかけて二桁の伸びを示してきたが、8月以
降は伸び悩みの動きがみられる。背景には、昨年のテロの影響も一部寄与したと考えられ
るが、むしろ2014年の政情不安に伴う来訪者数減少の反動効果が剥落してきた面が大きい
とみられる。実際、来訪者数は14ヵ月連続で前年比プラスを維持しており、観光収入と合
わせて通年では政府の目標を上回る見込みだ。今後も景気の下支えとなることが期待され
る。
 11月のバーツ建て輸出は前年比+1.2%と5ヵ月連続のプラス
11月のバーツ建て輸出(通関ベース)は前年比+1.2%と5ヵ月連続のプラスとなった。
仕向け地別にみると、アジア域内こそまちまちなものの、米国(同+2.4%)や日本(同
+4.1%)、欧州(EU28ヵ国:同+1.8%)といった先進国向けが全体を下支えしている。品
目別にみると、自動車(同+18.7%)や電気部品(同+7.1%)が好調を維持した一方、価
格下落を背景に石油製品(同▲22.6%)や化学(同▲7.7%)は全体の重石となっている。
今後、外需が伸び悩むなか、同国経済のエンジンである輸出が、為替下落なども支えに、
先進国向けを中心に持ち直し、生産の底入れを通じた投資や所得の改善といった内需へ波
及していくか注目される。
第1図:外国人来訪者数
50
第2図:バーツ建輸出
(前年比、%)
20
40
(前年比、%)
その他
欧州
その他
中国向け
ロシア
ASEAN
先進国向け
バーツ建輸出
NIEs
中国
16
30
12
外国人来訪者数
20
8
10
4
0
0
-10
-4
-20
2012
2013
2014
2015
-8
12
13
14
15
(年)
(注)通関ベース。先進国向けは、NIEs4ヵ国・地域を含まず。直近は11月まで。
(資料)タイ中央銀行統計より経営企画部経済調査室作成
(年)
(注)直近は11月まで。
(資料)タイ観光庁統計等より三菱東京UFJ銀行経済調査室作成
(経済調査室)
2/13
2.タイ経済・政治・社会ニュース
Source
【政府関連】
12月1日
タイ商業省
12月10日
タイ政府
12月14日
タイ政府
12月24日
タイ商業省
12月16日
タイ中央銀行
12月30日
タイ中央銀行
“11月消費者物価指数は11カ月連続の前年比マイナス”
タイ商業省が発表した11月の消費者物価指数は、年初来11カ月連続のマイナスとなる106.15(2
011基準で100とする)で、前年同月比0.97%低下した。生鮮食品とエネルギーを除いたコアイン
フレは、前年同月比0.88%上昇。総合指数の低下の要因について、燃料の大幅な値下がりやそれに伴う
交通費などの低下などとしている。同省は、通年で1.0%のマイナスから0.2%のマイナスの範囲内に
なると予測している。
“ソムキット副首相、タイ企業のトップと会合”
タイのソムキット副首相は、商工会議所、工業連盟など経済団体やタイを代表する企業のトップと会合を
開き、官民合同の10の委員会を設置することで一致したと述べた。同副首相によると、経済活性化に向け
た具体的な取り組みなどについて協議するため開催した。10委員会は、革新的な製造技術の開発、国家収
入の増大、中小企業開発や起業者促進、観光促進、輸出振興と対外投資促進、法令の改正、近代農業の開発
などとしており、各委員会は委員約10人で構成する予定。
“パープルラインにプラユット首相が試乗”
バンコクの都市鉄道パープルライン(全長23キロ)の試験走行が行われ、プラユット首相が試乗した。試
験走行は、建設中の一部路線で行われた。JR東日本グループの総合車両製作所が製造した車両には首相の
ほか、プラジン副首相、オムシン運輸副大臣、佐渡島志郎在タイ大使らが同乗した。なお、パープルライン
は来年8月に運行を開始する予定。
“11月輸出は11カ月連続の前年同月比マイナス”
タイ商業省が発表した11月の輸出実績は、前年同月比マイナスが年初以来11カ月連続となる、前年同月
比7.4% 減、一方、11月の輸入実績は前年同月比9.5%減となった。この結果、貿易収支は11月
が2億9900万ドルの黒字となった。11月の輸出を市場別に見ると、日本は4.7%、EUは6.8%、
米国は6.3%それぞれ落ち込み、東南アジア諸国連合(ASEAN)向けも9.8%、中国は6.1%、
の低下となった。
【中銀関連】
“タイ中銀、政策金利を5会合連続で据え置き”
タイ中銀はMPC(金融政策決定会合)を開催し、5会合連続で全員一致の政策金利の据え置きを決定した
(1.50%)
声明文では、第3四半期から10月にかけてタイ経済は緩やかながらも景気回復を続け、政府支出の加速をは
じめ、生活必需品などの民間消費の拡大、及び中国人観光客を中心とした観光客の戻りが経済成長の主要な
牽引役であるとの見方を示した。然し、低調な輸出は依然継続し、中国や他のアジア諸国の景気減速と原油
価格の低迷により輸出はダウンサイドリスクに直面していると指摘した。それにもかかわらず、今年の経済
見通しは僅かに上方修正するとし、消費支出の持続的な拡大と政府の景気刺激策が支える見込みとした。ま
た2016年の経済成長見通しは、前回の評価とほぼ変わらないとの見方を示した。
インフレ圧力は原油価格の下落が主因となり前回会合から僅かに減退したとし、総合インフレ率をマイナス
圏に推移させる原因となっているとした。しかしながら総合インフレ率は徐々に上昇し、ベース効果剥落も
あり来年前半にはプラス圏に浮上すると見込んでいる。一方、デフレリスクは依然包含しているが、需要は
拡大しコアインフレ率はプラス圏を維持し、一貫したインフレ期待があると指摘した。
MPCは現在の緩和的な金融政策とバーツ相場は景気回復を支えている判断した。更に金融の安定と先進国に
おける金融政策の方向性の差による潜在的なボラティリティの上昇をみて、政策金利の据え置きを維持すべ
きとした。MPCは世界経済の下振れリスクや不安定なグローバル金融市場の動向を注意深く監視し続けてい
くとした。また金融政策のスタンスは十分に緩和的であるべきとし、景気回復をサポートし、金融市場を安
定的させるために適切な政策手段を講じる用意ができていると述べた。
“タイ中銀、月例経済報告”
タイ中央銀行は、11月月例経済報告(速報値)を発表した。主なデータは以下の通り。
○
民間消費指数 :前年比 +3.7%(前月実績 +2.2%)
○
民間投資指数 :前年比 +1.6%(前月実績 +1.5%)
○
輸出額伸び率 :前年比 ▲6.6%/輸出額 :17,006百万米ドル
○
輸入額伸び率 :前年比 ▲8.5%/輸入額 :14,920百万米ドル
○
貿易収支:
2,086百万米ドル(前月実績 4,331百万米ドル)
○
経常収支:
2,997百万米ドル(前月実績 5,180百万米ドル)
3/13
【その他】
12月3日
タイ商工会議所
大学経済研究所
12月11日
一般報道
12月22日
タイ自動車連盟
自動車部会
“消費者信頼感指数は2か月連続で上昇”
タイ商工会議所大学経済研究所は、11月の消費者信頼感指数は前月比プラスが2か月連続となる、73.
4から74.6に上昇したと発表した。タイ経済は政府が打ち出した各種の対策により緩やかな改善傾向を
見せており、今後の回復への期待感が高まっていることが要因。消費者信頼感指数を算出する要素では、経
済情勢に関する指数、雇用機会に関する指数、将来の所得に関する指数のいずれも前月から上昇した。
“「Bike for Dad」開催”
ワチラロンコン皇太子が、体調が懸念されるプミポン国王の健康を祈り、大規模なサイクリングイベントを
バンコクで11日行った。参加者は約10万人とされ、市内を自転車で走り抜けた。
“11月国内自動車生産は5カ月連続のプラス”
タイ工業連盟自動車部会は、11月の国内自動車生産は5カ月連続のプラスとなる前年同月比3.2%増の
16万3170台だったと発表した。輸出向け新型ピックアップトラックや国内向けPPVの生産が好調に
拡大しているため。PPVは来年1月から導入される自動車新税制で増税となるため、駆け込み需要の側面
もある。車種別の内訳は、乗用車が前年同月比5.1%減の6万1566台、ピックアップトラックやトラ
ックは9.1%増の10万1582台などとなっている。輸出向けが8.8%増の10万729台、国内向
け4.6%減の6万2441台。同月の自動車販売台数は前年同月比4.6%増の7万6421台。国内自
動車販売台数が前年同月比でプラスになったのは31カ月ぶり。
4/13
3.為替相場動向
【ドルバーツ】
■
12月のレンジ
■
1 月の予想レンジ
:35.75-36.19
:35.50-37.50
12月、バーツ
は再び1ドル
=36バーツ台
へ下落
○12月のバーツ相場(対ドル)は35.84でオープン。月初、タイ中銀から発表された10月経常
収支は、記録的な黒字であったことが判明しバーツは素直に買われ、月間のバーツ高値と
なる35.75まで上昇。しかしイエレン米FRB議長のタカ派な内容であった議会証言を受け、ド
ルが強含んだことでバーツは反落。
○月半ばに開催されたタイ中銀MPCは市場の予想通り政策金利据え置きを決定し、バーツ
相場への影響は限定的。米FOMCでは米利上げが決定され、ドルがもう一段強含んだこと
で、バーツの月間安値となる36.19まで下落した。タイ中銀が2015年のGDP成長率見通しを
小幅上方修正したものの、バーツにポジティブな影響を与えることはなく、結局36.02で越月
となった。
1月、中国人民
元の動向がバ
ーツ相場に影
響
○バーツ相場(対ドル)は、中国人民元の動向が大きく影響するだろう。年初中国人民銀行
が人民元安を誘導しているのではとの思惑から、アジア通貨安が進行し、中国景気減速懸
念が世界的な株安を招き、リスク回避の動きも加わりバーツが軟調となっている。海外投資
家によるタイ証券市場での売り越しもバーツ安の一因となっている。
○タイSET株価指数は昨年8月につけた安値を下抜け、大きく下値余地が拡がっている。
2016年の経済成長見通しも芳しくない中、タイ株式市場への資金流入というのも当面想定し
づらく、資金流出を通じたバーツ売り圧力がかかり続けるだろう。
○一方、経常収支は依然黒字を計上し続けており、バーツが一方的に下落し続けるという事
態は起こりづらい。貿易収支と好調な観光業に起因したサービス収支は当面黒字が見込ま
れており、経常黒字は安定的に推移すると予想され、バーツはアジア通貨の中では相対的
に底堅く推移するだろう。
USD/THB 及び JPY/THB の推移
(出所:Reutersより弊行作成)
5/13
4.バーツ金利動向
12月、重要
イベントを
こなした1
2月
○11月消費者物価指数は前年同期比では0.97%減と報じられ、市場予想通りの低調な結果
で、原油価格下落の影響が主因であった。一方、コア指数は同0.88%増。インフレ圧力見通し
を巡り、今後の景気回復に連れてインフレ率は上昇するとの見方が拡がり、MPCでの更なる
利下げ余地は限定的との観測の中、タイ10年国債金利は月初2.71%、バーツスワップ5年金利
は2.20でスタートした。
○16日のタイ中銀MPCでは、 5会合連続の政策金利の据え置きを決定。声明文によると、現
在の緩和的な金融政策、バーツ安や財政出動は景気回復を支えているとの判断が示され
た。一方、注目された米FOMCでは、政策金利は約7年間にわたったゼロ金利が解除され、
0.25~0.50%に引き上げた。米国債金利とバーツ金利は方向感を出ず、タイ10年国債利回り
は2.60%、バーツスワップ5年金利は2.19%へ低下。
○下旬に入り、国内ではタイ中銀からの経済指標見通しの修正と、政府が2016年のインフレ
目標を今年の設定と同水準とすることを承認したが、クリスマス休暇とも重なり材料視はされ
ず。タイ10年国債利回りは2.51%、バーツスワップ5年金利は2.19%で越月となった。
1月、バーツ
金利はしば
らく低水準
で推移
○商務省から発表された12月消費者物価指数は前年同期比マイナス0.85%となり、食品とエ
ネルギー価格を除いたコアCPIは同0.68%のプラスとなった。また、通年で総合指数は0.90%
減、コア指数はプラス圏で1.05%と発表された。尚、同省によると、原油価格下落の影響が剥
落するベース効果が見込まれ、2016年のインフレ率は1~2%のプラス圏に復帰する見通しを
示した。インフレ率の低下圧力が弱まるに連れて、バーツ金利の低下余地も限られるだろう。
2016年のタイ中銀の金融政策は、高水準の家計債務が懸念材料である一方、弱いインフレ
圧力、景気回復の不透明感も継続していることから、政策金利は上半期は現在の1.50%で維
持されると予想している。
○足もとでは中国経済の行方を巡って悲観論と楽観論が交錯しており、市場のセンチメントを
揺さぶっている。仮に悲観論が台頭してくるようだと、タイ金融市場においても動揺は避けら
れず、タイ中銀は金融市場の安定の為緩和的な金融政策を強いられる可能性がある。一方
で8日に発表された米雇用統計に象徴されるように米経済は比較的堅調。早ければ次回利
上げは3月にも実施と見込まれており、タイと米国の金利差拡大は予期せぬバーツ安を招く
可能性があり、タイ当局は難しい舵取りを迫られることになろう。
バーツ長短金利推移
(出所:Reutersより弊行作成)
6/13
5.主要金融指標
2015/8
為替
金利・
株式
タイ中銀
Reference Rate
弊行カウンターレ
ート
USD/THB TTM
TT-Buying
TT-Selling
SPOT
USD/THB
JPY/THB
政策金利(レポレ
ート)
2015/9
2015/10
2015/11
2015/12
2016/1
(予想)
35.882
36.359
35.596
35.881
36.077
35.81
35.51
36.11
36.40
36.15
36.65
35.62
35.37
35.87
35.90
35.65
36.15
36.08
35.83
36.33
35.830
29.560
36.360
30.330
35.600
29.510
35.810
29.090
1.50
1.50
1.50
1.50
1.50
1.50
THBFIX (6 ヶ月)
1.83152
1.77851
1.63631
1.46509
1.56607
1.45-2.00
国債 (5 年)
2.22
2.27
2.25
2.25
2.16
2.10-2.40
SET 指数
1,382.41
1,349.00
1,394.94
1,359.70
1,288.02
7/13
36.040 35.50-37.50
29.960 29.50-31.50
6.今月のトピックス≪アジア経済の見通し≫
1.
はじめに
タイ国家経済社会開発委員会(NESDB)が 11 月 16 日に発表した 2015 年 7~9 月(第 3 四半期)の実
質国内総生産(GDP) 成長率は、国内干ばつの影響や財輸出及び内需の低迷により、前年同期比 2.9%の
伸びであった。また、2015 年通期の GDP 予想は、従来の予想レンジの下限に近い 2.9%に設定した。ア
ジア経済全体も、輸出の伸び悩みや中国経済の減速により力強さを欠く展開となった。
今月号では、アジア経済全般について現況及び今後の見通しを纏めた後、各論的に着目点をとりあげた。
2. アジア経済全般について
(ア) 景気の現状
アジアでは多くの国で成長ペースが鈍化している。域内最大の経済規模を持つ中国では、不動産市場の
調整や過剰投資の抑制などを背景に減速傾向が続いており、直近 7-9 月期の実質 GDP 成長率は前年比
+6.9%(4-6 月期:同+7.0%)へ減速、足元、月次の経済指標からも減速の継続が窺われる。その他のアジ
アでも、輸出依存度の高い NIEs を中心に成長率は減速しており、台湾については同▲0.6%(同+0.6%)
と 6 年ぶりのマイナス成長となったほか、シンガポールも同+1.9%(同+2.0%)と低い伸びに止まった。
ASEAN については相対的に底堅いものの、やはり総じて勢いを欠く状況が続いている。インドネシアでは、
輸出の低迷に加えて、ルピア安に伴う物価上昇が実質購買力の低下や消費者マインドの悪化等を通じて個
人消費の拡大を抑制しており、成長率は同+4.7%と 3 四半期連続で 5%を下回った。マレーシアでも、物
品・サービス税(GST)導入の影響などで同+4.7%(同+4.9%)へ減速。タイについては、公共投資の拡
大や観光客の持ち直し継続によるサービス輸出が下支えする一方、財輸出の不振が個人消費や民間投資な
ど内需に波及し、同+2.9%(同+2.8%)と低めの伸びに止まった。
(イ) 今後の見通し
先行きを展望すると、まず中国では、過剰な資本ストックの調整や信用抑制の継続など構造調整を背景
に、成長ペースの減速が続こう。但し、投資は重工業を中心に鈍化が続く一方、サービス業を中心に総じ
て雇用・所得環境は安定しており、また物価も低位安定していることから家計部門の需要拡大は維持され
景気を下支えすると見込まれる。また、金融緩和に加え、インフラ投資や歳出拡大など財政からの下支え
もあり、景気失速は回避されるとみられ、2016 年にかけて前年比+6%台半ばへの減速に止まると予想する
(表 1)。
その他のアジア諸国・地域では、輸出の伸び悩みが引き続き成長ペースを抑制するなか、外需への依存
度や内需の底堅さなどが景気の行方を左右しよう。輸出については、先進国を中心とした緩やかな需要の
回復や資源安の影響の一巡などで徐々に持ち直しが見込まれるものの、中国経済の減速の影響もあり回復
ペースは限られよう。このため輸出依存度の高い NIEs の実質 GDP 成長率は、2015 年の同+2%近辺に対
し、2016 年についても同+2%台半ばに止まると予想する。
【表1:アジア経済見通し総括表】
8/13
ASEAN についても外需の伸び悩みの影響は免れないものの、良好な雇用・所得環境を背景に内需が総じ
て底堅いことや、景気刺激策による下支えもあり、2016 年にかけて同+4%台後半の成長を維持するとみら
れる。インドネシアでは、輸出の低迷が引き続き重石となるものの、予算執行の加速や直接投資回復が押
し上げ要因になろう。タイでは、引き続き観光客の持ち直しや公共投資の拡大などを支えに緩やかな回復
が続こう。インドでは、外需依存度の低さやインフレ率の低下に伴う実質所得の改善が追い風となり、内
需を中心に緩やかながらも回復が続き、2016 年度にかけて同+7%台後半の成長率が見込まれる。
当面のリスクとしては、中国経済の一層の変調が挙げられる。仮に資産バブル崩壊やそれに伴う不良債
権の増加が景気失速懸念を強め株価や通貨の下落などにつながると、他のアジア諸国もマイナスの影響は
免れない。これに加え、米国の利上げが更に金融・資産市場に打撃を与える展開となれば、域内が大きな
調整局面に陥ることにもなりかねず留意が必要である。
3. アジア経済の着目点
(ア) タイ
タイ経済は回復が続いているが、そのペースは依然緩やかであり、 ASEAN 諸国のなかでは相対的に低
めの成長に止まっている。7-9 月期の実質 GDP 成長率は、前期に続き公共投資や観光セクターの拡大が下
支えしたが、財輸出の低迷の影響で民間設備投資や消費などの内需も振るわず、前年比+2.9%と低めの伸
びが続いた(図 1、図 2)。
回復ペースが依然緩やかな背景として、タイは GDP に占める輸出の割合が 75%(2014 年)と ASEAN
諸国のなかでも高いことが挙げられる。財輸出の低迷が、輸出企業の収益圧迫を通じ設備投資を抑制して
いるほか、賃金の伸び悩みやマインドの悪化を通じて消費を下押しするなど、内需に波及していると考え
られる。実際、足元の輸入をみると、資本財の減少が二桁に拡大しているほか、消費財も減少に転じてお
り、投資や消費など内需の弱さを反映している。
今後も、公共投資や観光セクターの拡大が成長を下支えする見込みだ。観光セクターは、8 月のテロの影
響もあり、9 月にかけて観光客数が一旦伸び悩んだものの、ホテル・レストラン業をみると、依然前年比二
桁の成長を維持しているなど、悪影響は限定的となっている。また、輸出が為替下落などによる支えもあ
り、足元で先進国向けを中心に底入れの兆しをみせていることに加え、9 月に政府が低所得者や中小企業向
けの金融支援を中心とする内需向けの景気刺激策を打ち出したことも景気のサポート要因となろう。実際、
10 月の企業・消費者のマインドは年初来初めて改善に転じたほか、足元の企業の生産在庫動向にも底入れ
の兆しがみられる。今後、先進国向けを中心とした輸出の持ち直しや景気刺激策を支えに、内需が徐々に
力強さを取り戻していくとみられる。
【図1:タイの実質GDP成長率の推移】
【図2:タイの外国人来訪者数とバーツ建輸出】
(イ) 中国
中国経済は、投資の減速を起点とした減速が続いている。但し、不動産市場の調整や過剰な生産能力を
抱える重工業での投資の減速が成長を下押する一方、個人消費の堅調が景気を下支えするという経済の二
極化が鮮明となりつつある。月次の主な経済指標でも、小売売上高が総じて堅調を維持する一方、投資や
生産の減速が続くという姿がみてとれる(表 2)。
固定資産投資の業種別内訳では、不動産や重工業分野を中心に減速が続く一方、運輸・倉庫のほかイン
フラ分野などを中心に底堅い伸びを維持しており、投資の中身も明暗が分かれている(図 3)
。また足元、
年初に比べ資金調達環境が一部で安定化しつつある点もプラス材料と言える。昨年終盤以降、中央政府は
9/13
景気下支えに向け鉄道や高速道路などインフラ分野の投資認可を加速させてきたが、不動産市場の低迷の
影響で、地方政府の主要な財源である土地譲渡収入が伸び悩むなか、地方政府債務の管理強化に伴う資金
面での制約や反腐敗取締り強化の影響などもあり、実際の投資拡大に繋がらない問題が指摘されていた。
しかし、地方政府債の発行等による資金調達に加え、年央以降、保険資金を活用した基金の設立、財政余
剰金の活用等、中央政府が投資拡大に向けた支援策を相次いで打ち出したことなどもあり、政府予算によ
る投資に拡大傾向が窺われる。
この他、中国の株式市場や人民元相場が落ち着きをみせていることや、10 月末の五中全会で示された第
13 次 5 カ年計画(2016 年~2020 年)の主要目標が概ね想定される内容に止まったこともあり、夏場以降
の世界的な株価下落や資源国を中心とした新興国通貨の下落など、
「中国減速リスク」を巡る幾分過剰とも
言える反応は一旦沈静化している。
【表2:中国の主な月次経済指標の推移】
【図3:中国の固定資産投資(都市部、業種別)
】
先行きを展望すると、過去の過剰な資本ストックの調整余地は依然大きく、重工業を中心とした投資の
減速による景気下押し圧力が続くとみられる。過剰投資の調整は短期間では困難であり、政府のコントロ
ールのもと、時間をかけて調整するとみられる。
今後の中国経済の牽引役として期待される個人消費については、サービス業を中心に総じて安定した雇
用・所得環境が支えとなることが見込まれる。4-6 月期の都市部求人数をみると、製造業や建築業などで前
年割れとなる一方、交通・運輸、金融、情報通信等のサービス業を中心に前年を上回る伸びを示している。
また都市化に伴う消費行動の多様化や都市部と農村部の所得格差の縮小による消費の裾野の広がりなども、
サポート材料となろう(図 4)。
【図4:中国における都市部と農村部の所得比較】
【表3:中国の第13次5ヵ年計画の目標主な方針】
加えて、金融緩和や歳出の拡大など政府の対応余地も十分にあり、景気の失速までは想定し難い。前述
の通り、地方政府の資金調達環境の安定化を受け、足元、政府予算による投資の拡大や政府の歳出拡大傾
向も鮮明となっており、来年に向けて景気の下支えが見込まれる。
なお、五中全会では次期 5 カ年計画において中高速成長を維持し、2020 年の GDP と都市・農村部住民
10/13
の 1 人当たりの所得を 2010 年比で倍増させる方針が再確認された(表 3)
。生産年齢人口が既にピークア
ウトし、労働投入や過剰な投資拡大による成長が見込めないなか、産業構造の高度化や民間資本の活用に
よる経済の効率化などが潜在成長率を引き上げるための重要な鍵を握るとみられる。但し、過剰生産能力
の削減など中長期的な成長に向けた実効性のある改革を実現するには、一定の景気減速を許容しなくては
ならない反面、不良債権や失業率の増加等を通じて経済・社会の不安定化を招く虞もある。短期的な経済・
社会の安定確保とのバランスをどう図るのか、難しい舵取りが求められよう。
(ウ) その他アジア
リーマン・ショック時の状況を振り返ると、最大の輸出先である欧米諸国をはじめ全地域向けで大幅に落
ち込み、タイやマレーシアなど ASEAN 諸国でも製造業の急減速が所得の伸び悩み等を通じて内需にも波及、
サービス業も失速を余儀なくされた(図 5、図 6)。リーマン・ショック時は輸出数量の落ち込みが大きく、
最大で前年比▲20~40%の減少を記録したのに対し、足元は資源安に伴う価格要因の影響が大きく、輸出
数量は一部を除き概ね同▲10%以内の減少にとどまっている。また、内需向けを中心に製造業が底堅いこと
もあり、雇用・所得環境は総じて安定を維持、サービス業の拡大を通じて景気を下支えする格好となってい
る。中国向け輸出についても、数量ベースでは底入れの兆しがみられ、2016 年にかけて価格要因が一巡し
てくることなどを踏まえると、輸出は下げ止まりから底入れを窺う展開が見込まれる。
加えて、各国政府は景気刺激策を相次いで打ち出しており、低所得者層支援やインフラ投資拡大・予算執
行加速などを通じ、内需の下支えとなることが期待される。具体的には、マレーシアでは、9 月に中小企業
への資金繰り支援・家計支援への追加資金投入などを中心とする景気刺激策を打ち出したほか、10 月に公
表した 2016 年度の予算案には低所得者層支援策が盛り込まれた。タイでは、8 月の内閣改造を受け、9 月
に低所得者や中小企業向けの金融支援を中心とする内需刺激策が発表された。インドネシアでも、9 月に重
複規制廃止や許認可迅速化といった経済政策第 1、2 弾を発表して以降、足元までにエネルギー関連料金の
引き下げや税制減免を含む政策を第 6 弾に至るまで矢継ぎ早に打ち出し、景気下支えを図っている
【図5:アジア主要国・地域の産業別実質GDP成長率】
4.
【図6:アジア主要国・地域の輸出】
アジア各国の金融政策動向
2016 年にかけて米国の利上げが視野に入るなか、アジア各国の金融政策運営の行方も注目される。前回
2004 年の米国利上げ局面においては、アジア経済は米国経済との連動性が高く、景気は回復傾向、物価も
上昇基調がみられ、対米金利差拡大に伴う輸入インフレ抑制の狙いなどもあり、多くの国が追随して利上げ
を実施した(図 7)。
これに対し、足元は資源安を背景にインフレは総じて低位安定が続き、景気が力強さに欠けることから、
金融政策面からも下支え期待が根強い。為替については、昨年後半以降、資源安や人民元切り下げのほか、
米国利上げ観測の高まりを背景に下落基調が続き、特にマレーシアやインドネシアでは、アジア通貨危機以
来の水準まで下落した(図 8)。もっとも、足元では米国の利上げが相応に織り込まれつつあるとみられる
ほか、インドネシアやマレーシアでは政府の景気刺激策や来年度予算案の内容への好感などもあり、年央に
比べ下落圧力は弱まっている。インドネシアでは昨年終盤の燃料価格引き上げ以降、物価の高止まりや通貨
下落の進行などもあり、引き締め的な金融政策運営を続けざるを得なかったが、足元ではインフレの沈静化
や通貨の下げ止まりなどもあり、利下げ期待が強まりつつある。11 月には政策金利こそ据え置いたものの、
預金準備率の引き下げ(8.0%→7.5%)を実施した。他のアジア諸国・地域の金融政策についても、徐々に
緩和度合いは縮小に向かうとみられるものの、物価の低位安定が続くなか、米国金融出口戦略の影響を睨み
つつも、国内景気をより重視した政策運営が予想される。この先、米国の利上げペースは緩やかとなる公算
11/13
が大きいことから、アジア金融市場への深刻な不安定化は回避されるとみているが、過去に例を見ない金融
緩和状態からの出口戦略となるため不確実性が高く、木目細かな対応が求められよう。
【図 7:アジア主要国・地域の政策金利】
【図 8:アジア主要国・地域の為替レート】
以上
12/13
7.タイにおけるBTMUグループのサービス体制について
BANGKOK BTMU Limited
住
所 : 54 Harindhorn Tower, 4th Floor, North Shathorn Road, Silom, Bangrak, Bangkok 10500
Thailand
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話 : 電話:(代表)662(266) 3075、FAX:662(266)3059
主 要 業 務 : 出資業務、進出アドバイザリー業務
BTMU HOLDING (THAILAND) CO., LTD.
住
所 : 同上、
電
話 : 電話:(代表)662(266) 3056、FAX:662(266)3059
主 要 業 務 : 出資業務、進出アドバイザリー業務
BTMU PARTICIPATION (THAILAND) CO., LTD.
住
所 : 同上、
電
話 : 電話:(代表)662(266) 3070
FAX:662(266)3059
主 要 業 務 : 出資業務
BTMU LEASING (THAILAND) CO., LTD.
住
所 : 同上、
電
話 : 電話:(代表)662(266) 3060
FAX662(266)3067
主 要 業 務 : リース、割賦金融業務
バンコック三菱UFJリース / BANGKOK MITSUBISHI UFJ LEASE CO., LTD.
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所 : Asia Centre Tower 26th Floor, 173 South Sathorn Road,Thungmahamek, Sathorn,
Bangkok 10120, Thailand
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話 : 電話:(代表)662(163) 64000、FAX662(163)6411、662(163)6422
主 要 業 務 : リース、割賦金融業務、メンテナンス付オートリース、固定資産管理
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