3-3-1 AGL - 日経BPクリーンテック研究所

世界電力小売りビジネス総覧
第 3 章 重要小売り企業戦略分析
3-3-1 AGL
ビジネスモデル
Web サービス・ビッグデータ分析、蓄電池・マイクログリッド戦略、再生可能エネルギー
小売り戦略
スマートメーターのビッグデータを分析して、顧客サービスに活用すると共に、需要予測を高精度化すること
によって、卸売市場の高騰リスクを回避。蓄電池と太陽光発電システムを提供することで、顧客のエネルギ
ー最適化サービスを展開。オーストラリア最大のメガソーラーを建設することで、再生可能エネルギー由来の
電力に強いこともアピール
顧客・実績
電力・ガスの顧客が 370 万人
採用システム
独 SAP の顧客情報システムおよびデータ高速処理システムを採用。複数あった料金計算を単一システム
で運用することによって、運用の効率化とコストダウン、顧客サービスの高度化と予測精度を向上
拠点
オーストラリア本社:22/101 Miller St, North Sydney NSW 2060
オーストラリアで 370 万人の顧客を持つ大手電力・ガス小売事業者の AGL(図 1)は、ドイツの大
e
手システムベンダーである SAP の CIS(Customer Information System:顧客情報システム)を採用す
ることで業務を効率化すると共に、スマートメーターからのビッグデータ情報を高速に分析すること
m
pl
で、顧客サービスの向上と予測精度向上による価格高騰リスクヘッジに役立てている。
顧客情報のデータ分析でサービスを充実
従来は、料金計算部分だけで 5 つのシステムを使っており、複数システムの運用により非効率とコ
スト高を招いていた。それを、SAP の CIS を導入することでシステムを一本化し、効率性の向上とコ
ストダウンを達成した。
さらに AGL は、顧客のスマートメーターのデータを分析することで、エネルギー使用状況や請求料
金などを顧客が閲覧できる Web サイトサービス「My AGL IQ」を提供している。同サイトは、タブレッ
Sa
ト端末(図 2)やパソコンのほか、スマホなどでも見ることができる。提供する情報は、自らの電力
消費量や料金だけでなく、類似した家庭と比較して省エネの程度を確認したり、省エネ目標の設定な
どの多様なサービスを展開している(図 3)
。
図 1 AGL 本社(撮影:日経 BP クリ
図 2 Web サービス「My AGL IQ」のタブレットによる使
ーンテック研究所)
用風景(出所:AGL)
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