地震活動概況(PDFファイル)

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山口県の地震活動概況(2015 年 12 月)
平 成 28 年 1 月 12 日
下 関 地 方 気 象 台
12 月に山口県内の震度観測点で震度1以上を観測した地震は1回(1回は下図領域外)ありま
した(11 月は2回)。
震央分布図内の地震の総数:231
島根県
広島県
マグニチュード
山口県
深さ
安芸灘
周防灘
福岡県
伊予灘
震央分布図(2015 年 12 月1日~31 日、深さ 100km 以浅)
深さ(km)
深さ:シンボルの形で表しています。
マグニチュード:シンボルの大きさで表しています。
UND はマグニチュードの決まらない地震が含まれていることを示します。
断面図(震央分布図のA-Bを投影面とし南南西方向からみた図です)
本資料は、国立研究開発法人防災科学技術研究所、北海道大学、弘前大学、東北大学、東京大学、名古屋大学、京都大学、高知大学、
九州大学、鹿児島大学、国立研究開発法人産業技術総合研究所、国土地理院、国立研究開発法人海洋研究開発機構、青森県、東京都、
静岡県及び神奈川県温泉地学研究所、気象庁のデータを用いて作成している。また、IRIS の観測点(台北、玉峰、寧安橋、玉里、台
東)のデータを用いて作成しています。
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地震活動の概要(2015 年 12 月)
【鳥取県中部】
14 日 15 時 01 分に発生した鳥取県中部の地震(M4.2、深さ8km)により、鳥取県湯梨浜町で震度4
を観測したほか、中国地方で震度3~1を観測しました。山口県では、岩国市で震度1を観測しまし
た(図1)。
今回の地震の震源付近(図2領域a)で発生した地震により、山口県で震度1以上を観測したのは、
1997 年 11 月 10 日に地方公共団体の震度データを活用開始以降初めてです。(図2~3)。
観測点別
島根県
岡山県
広島県
山口県
図 1.14 日 15 時 01 分に発生した M4.2 の地震の震度分布図(×は震央)
今回の地震
a
鳥取県
岡山県
図2.震央分布図
(2000 年 10 月1日~2015 年 12 月 31 日、
深さ 0~20km、M≧0.5)
※2015 年 12 月1日以降の地震を赤色で表示
図3.領域aの地震活動経過図
上段:2000 年 10 月1日~2015 年 12 月 31 日 M≧0.5
下段:2015 年 12 月 14 日~2015 年 12 月 31 日 M≧0.5
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山口県で震度1以上が観測された地点
2015年12月1日~2015年12月31日
年月日
時分
緯度
経度
各地の震度
2015/12/14
15:01
35゚ 26.7' N 133゚ 54.6' E
山口県
震度1 岩国市横山*
深さ マグニチュード 8km
M4.2
震央地名
鳥取県中部
「*」印の付いた地点は地方公共団体または国立研究開発法人防災科学技術研究所の観測点です。
【地震解説資料に使われる図の見方】を下関地方気象台のホームページに掲載しております。
http://www.jma-net.go.jp/shimonoseki/doc/jishingaikyou_material.pdf
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解 説 資 料
下関地方気象台
2015 年に発生した地震の概要
2015 年に山口県内では被害を伴った地震は発生しませんでした。国内では、被害を伴った地震が6
回発生しました。死者・行方不明者を伴った地震はありませんでした。
一方、海外では 100 人以上の死者を伴った地震が3回発生しました。
1.山口県の地震活動
2015 年の1年間に、県内で震度 1 以上を観測した地震は 21 回発生しました(表1、図1)
。このうち、
7月 13 日に大分県南部で発生した地震(M5.7、深さ 58km、最大震度5強)により萩市、宇部市、山陽小
野田市、岩国市、柳井市、上関町、平生町、周防大島町、山口市、防府市で震度3を観測しました。
過去 10 年間に震度1以上を観測した地震の回数を見ますと、少ない年はあるものの、20 回前後で推移
しています(表2)
。
表1 2015 年に山口県内で震度1以上を観測した地震
番号
1
2
3
震源時
震央地名
(月日)
(時分)
2月3日
14時07分 愛媛県南予
2月6日
10時25分 徳島県南部
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
3月1日
4月8日
4月16日
5月16日
5月30日
6月13日
6月28日
7月3日
7月4日
7月13日
7月24日
8月14日
8月14日
8月21日
8月26日
9月21日
19
20
21
11月8日
11月14日
12月14日
18時57分
8時51分
17時17分
0時41分
20時23分
12時33分
1時14分
4時55分
0時43分
2時52分
17時53分
4時30分
18時48分
16時54分
7時51分
16時19分
安芸灘
愛媛県南予
豊後水道
山口県北西沖
小笠原諸島西方沖
伊予灘
山口県東部
伊予灘
愛媛県南予
大分県南部
愛媛県南予
周防灘
高知県中部
豊後水道
日向灘
愛媛県南予
20時38分 豊後水道
5時51分 薩摩半島西方沖
15時01分 鳥取県中部
北緯
東経
33゚ 33.37' 132゚ 44.47'
33゚ 44.02' 134゚ 22.22'
33゚ 51.59' 132゚ 22.45'
33゚
33゚
34゚
27゚
33゚
34゚
33゚
33゚
32゚
36.14'
00.92'
08.31'
51.65'
43.15'
10.78'
34.24'
36.55'
59.56'
132゚
132゚
130゚
140゚
132゚
132゚
132゚
132゚
131゚
132゚
131゚
133゚
132゚
131゚
132゚
32.07'
03.46'
47.76'
40.95'
16.99'
12.68'
25.21'
48.77'
51.31'
23.54'
58.42'
16.41'
10.49'
51.88'
36.62'
33゚ 23.39'
33゚ 48.56'
33゚ 48.78'
33゚ 17.34'
32゚ 06.44'
33゚ 27.75'
33゚ 18.30' 132゚ 05.15'
30゚ 56.59' 128゚ 35.40'
35゚ 26.77' 133゚ 54.63'
深さ
(km)
44
11
48
3.9
5.1
3.4
3
5強
1
県内
最大震度
2
1
1
47
44
13
682
49
9
43
44
58
44
66
38
48
34
45
4.1
4.0
2.9
8.1
3.1
2.5
3.9
3.7
5.7
4.6
3.2
3.8
4.3
5.2
3.5
3
2
1
5強
1
1
2
2
5強
2
1
1
2
1
1
2
2
3
4
1
2
3
4
1
2
1
1
2
1
1
50
17
8
3.8
7.1
4.2
1
4
4
1
1
1
マグニチュード 最大震度
(5/9)
解 説 資 料
下関地方気象台
7
島根県
9
6
山口県
14
19
福岡県
大分県
広島県
15
3
4
8
10
11 高知県
熊本県
12
宮崎県
21
16 13
1
18
5
鹿児島県
20
17
図1 2015 年山口県内で震度1以上を観測した地震の震央分布図
※図中の数字は、表1の番号と対応しています。
2
(6/9)
解 説 資 料
下関地方気象台
表2 過去 10 年間の震度別地震回数表(山口県 2006~2015 年)
年
震度1
震度2
震度3
震度4
震度 5 弱
震度 5 強
震度 6 弱
震度 6 強
震度7
合計
2006
15
5
1
2
2007
14
5
1
20
2008
10
1
2
13
2009
13
6
2
21
2010
15
6
1
2011
16
4
1
21
2012
8
5
2
15
2013
12
3
1
16
2014
9
8
1
2015
13
7
1
合計
125
50
13
23
1
23
1
19
21
3
1
192
(7/9)
解 説 資 料
下関地方気象台
2.日本の地震活動
2015 年に国内で被害を伴った地震は6回(2014 年は7回)発生しました。死者・行方不明者を伴った地
震はありませんでした(2014 年もなし)
(表3、図2)
。
震度1以上を観測した地震は 1,841 回(2014 年は 2,052 回)
、震度4以上を観測した地震は 44 回(2014
年は 55 回)
、震度5弱以上を観測した地震は 10 回(2014 年は9回)
、震度5強以上を観測した地震は5回
(2014 年は2回)でした。M6.0 以上の地震は 19 回(2014 年は 15 回)でした。2015 年に最大の震度を観
測した地震は、2月6日に徳島県南部で発生した M5.1 の地震(最大震度5強)
、2月 17 日に岩手県沖で発
生した M5.7 の地震(最大震度5強)
、5月 13 日に宮城県沖で発生した M6.8 の地震(最大震度5強)
、5月
30 日に小笠原諸島西方沖で発生した M8.1 の地震
(最大震度5強)
、
7月 13 日に大分県南部で発生した M5.7
の地震(最大震度5強)です。また、日本で津波を観測した地震は4回(海外を震源とする地震1回を含
む)
(2014 年は3回)
(表4)でした。
表3 2015 年に国内で被害を伴った地震
番号
震源時
緯度
経度
深さ
M
1
05月13日
06時12分
38゚ 51.7' N
142゚ 09.0' E
46km
6.8
宮城県沖
住家一部破損2棟
2
05月25日
14時28分
36゚ 03.2' N
139゚ 38.3' E
56km
5.5
埼玉県北部
負傷者3人
3
05月30日
20時23分
27゚ 51.6' N
140゚ 40.9' E
682km
8.1
小笠原諸島西方沖
地震関連負傷者8件、負傷者5人など
4
07月10日
03時32分
40゚ 21.2' N
141゚ 33.5' E
88km
5.7
岩手県内陸北部
負傷者2人
5
07月13日
02時52分
32゚ 59.5' N
131゚ 51.3' E
58km
5.7
大分県南部
負傷者3人、住家一部破損3棟など
6
09月12日
05時49分
35゚ 33.2' N
139゚ 49.7' E
57km
5.2
東京湾
負傷者7人
*被害状況は、総務省消防庁によるものです。
震央地名
主な被害*
(8/9)
解 説 資 料
下関地方気象台
4
1
2
6
5
3
図2 2015 年に国内で被害を伴った地震の震央分布図
※図中の数字は、表3の番号と対応しています。
表4 2015 年に国内で津波を観測した地震
震源時
(日本時間)
緯度
経度
M
Mw
震央地名
2月17日
08時06分
39°52.3′N 143°11.5′E
6.9
6.7
三陸沖
5月3日
01時50分
31°31.0′N 140°21.2′E
5.9
5.7
鳥島近海
9月17日
07時54分
31°34.2′S
11月14日
05時51分
30°56.5′N 128°35.4′E
71°40.2′W
-
7.1
8.3
チリ中部沿岸
6.7
薩摩半島西方沖
日本沿岸で観測された津波の高さ
岩手県の久慈港(国土交通省港湾局)
で27cm。また、北海道から岩手県にか
けての太平洋沿岸で微弱な津波を観測
しました。
東京都の八丈島八重根で0.6m、神津島
神津島港(海上保安庁)で21cm。ま
た、千葉県から沖縄県にかけての太平
洋沿岸で微弱な津波を観測しました。
岩手県の久慈港(国土交通省港湾局)
で78cm。また、北海道から岩手県にか
けての太平洋沿岸等で津波を観測しま
した。
鹿児島県の中之島(海上保安庁)で
30cmの津波を観測しました。
※ 9月17日の地震の震源要素は米国地質調査所(USGS)によるものです。ただし、Mw は気象庁によるモーメントマグニチュードよるものです。その他
の地震の震源要素は気象庁によるものです。
(9/9)
解 説 資 料
下関地方気象台
3.海外の地震活動
2015年に死者100人以上の被害を伴った地震は3回(2014年は1回)でした(表5、図3)
。Ms(USGSの
表面波マグニチュード)もしくはMw(モーメントマグニチュード)7.0以上の地震は17回(2014年は12回)で
した。また、MsもしくはMw8.0以上の地震は1回(2014年も1回)でした。
・4月25日15時11分(日本時間)にネパールでMw7.9の地震が発生しました。
この地震により、ネパールで死者7,675人、負傷者16,392人の被害を生じました。
・5月12日16時05分(日本時間)にネパールでMw7.2の地震が発生しました。
この地震により、ネパールで死者150人などの被害を生じました。
・10月26日18時09分(日本時間)にアフガニスタン、ヒンドゥークシでMw7.5の地震が発生しました。
この地震により、パキスタンで死者279人、アフガニスタンで死者107人などの被害を生じました。
表5 2015 年に海外で死者 100 人以上の被害を伴った地震
番号
震源時
(日本時間)
緯度
経度
深さ
Mw
震央地名
被害状況
1 04月25日15時11分
28°08.8′N
84°42.4′E
15km
7.9
ネパール
ネパールで死者7,675人、負傷
者16,392人
2 05月12日16時05分
27°49.1′N
86°04.7′E
15km
7.2
ネパール
ネパールで死者150人など
3 10月26日18時09分
36°26.4′N
70°43.0′E
213km
7.5
アフガニスタン、ヒン パキスタンで死者279人、アフ
ドゥークシ
ガニスタンで死者107人など
※震源時は日本時間。震源要素は USGS によるものです。ただし、Mw は気象庁によるものです。被害状況は国連人道問題調整事務所に
よるものです。
3
2
1
図3 2015 年に海外で死者 100 人以上の被害を伴った地震の震央分布図
※図中の数字は、表5の番号と対応しています。