PDF(29ページあります - 和歌山県トライアスロン連合

2016年度 和歌山県トライアスロン連合組織図
■公益社団 法人 日本トライ
アスロン 連合(JTU /47都道府県加盟)
国際 トライアスロン連合 (ITU)
理事国
アジア トライアスロン同盟 (ASTC) 理事国
(財) 日本オリンピック 委員会 (JOC)加盟
日本体育協会
(財)
(JASA) 加盟
■JTU近畿ブロック協議会
■和歌山県トライアスロン連合(WTU)
大阪府トライアスロン協会
兵庫県トライアスロン協会
京都府トライアスロン協会
滋賀県トライアスロン協会
奈良県トライアスロン協会
和歌山県トライアスロン連合
チーム登録
①チーム スピードスター
②チーム サクセス
③日高鉄人会スリーウェーブ
④三菱電機黒潮会水泳部鉄人会
⑤チーム アドヴァンス
和歌山県体育協会加盟
所在地
和歌山市
有田市
御坊市
和歌山市
岩出市
チーム事務局
内平 英彦
今村 幸寛
大川 寿樹
児玉 聡美
川崎 妙子
⑥チーム 和歌浦トライアスロンUmi
和歌山市
⑦紀南トライアスロンクラブ
新宮市
⑧田辺アイアンマントライアスリートクラブ 田辺市
⑨個人登録
和歌山市
西坂 麻里
関 康之
横山 剛
代表理事名
﨑山 裕司
今村 幸寛
山本 宗弘
竹下 直彦
高松 朗
玉井 美穂
寺本 幸詞
山南 毅
西坂 麻里
関 康之
辻 勇夫
田中 作治
下林 正大
<役員>
会 長:⑦関康之(新宮市)
副会長:①沖賢蔵(和歌山市)、②今村幸寛(有田市)
理事長:⑧北山敏和(田辺市)
副理事長:③大川寿樹(御坊市)、④児玉聡美(和歌山市)
事務局長、常任理事:⑧愛須康順(田辺市)
顧 問:玉置公良(白浜町)
<事務局員>
事務局員:⑧横山剛(田辺市)
会 計:⑤川崎妙子(岩出市)
ホームページ担当:④岩見慎一(和歌山市)
国体派遣担当:④児玉聡美
体協事務:①沖賢蔵
会計監査:①崎山裕司(和歌山市)
<代表役員>
日本トライアスロン連合社員①:内平英彦(和歌山市)
近畿ブロック協議会理事:④竹下直彦(和歌山市)
和歌山県体育協会社員:①沖賢蔵(和歌山市)
<主管大会実行委員>
熊野古道中辺路大会:②今村幸寛、⑧愛須康順
南紀白浜大会:⑦関康之、⑧北山敏和、⑧愛須康順
<専門委員会>
技術審判委員長:①崎山裕司 / 副委員長:⑥室井麻里
技術審判委員:③大川寿樹、⑧辻勇夫、④竹下直彦、④菅野泰典、⑤山南毅、玉井美穂、溝端佳則、③山本宗弘
指導者委員長:(個人)鳥居敬之 / 副委員長:①沖賢蔵
指導者委員:④児玉聡美、⑤川崎妙子、④元田真由美、(個人)中野しのぶ、
女子委員長:⑤川崎妙子 / 副委員長:⑥室井麻里 / ⑤新谷千代
広報委員長:⑧北山敏和 / ④児玉聡美、 ⑤高松朗
JTU 第 3 種公認審判員認定/更新講習として押さえておくことが望ましい項目
1.一般常識 <JTU ウェブマガジンなどによる>
(1)トライアスロンとは
・トライアスロンは 1974 年、アメリカ・カルフォルニア州サンディエゴで誕生した。水泳(スイム)
・自転
車(バイク)
・ランニング(ラン)の 3 種目を連続して行うことから、ラテン語の“3”「トライ」と競技
の「アスロン」を組み合わせてトライアスロンとなった。
・トライアスロン等の複合競技には「デュアスロン」
「アクアスロン」
「ウインター・トライアスロン」があ
り、トライアスロンの競技形態を基本に、種目又は競技用具を変更して行う関連複合競技には、「インド
ア・トライアスロン」
「カヌー・トライアスロン」「リレー・トライアスロン」「トライアスロン駅伝」等
がある。
・国内では、1981 年、鳥取県の皆生温泉で最初の大会が開かれた。
・トライアスロンは 1994 年にオリンピック参入が決まり、2000 年シドニーで初登場し、アテネで躍進、そ
して北京に続き、2012 年はロンドンで開催、次回は 2016 年リオデジャネイロでの実施が決まっている。
・オリンピックで採用されている競技距離は、スイム 1.5 ㎞・バイク 40 ㎞・ラン 10 ㎞(計 51.5 ㎞)で、
通称“オリンピック・ディスタンス”と呼ばれ、世界選手権をはじめ数多くの大会で採用されている。
・2016 年ブラジル・リオネジャネイロで開催される「パラリンピック競技大会」にパラトライアスロン正式
採用が決まった。国際トライアスロン連合(ITU)では、身体に障害を持った選手が行うトライアスロンを
パラトライアスロンとすることに決めた。選手たちはパラトライアスリートと呼ばれる。
(2)2012 世界トライアスロンシリーズ横浜大会が 5 月 11 日に山下公園エリアで開催された。エリートの部女
子は佐藤優香が 11 位、男子は田山寛豪が 22 位入る。5 月 12 日には、パラトライアスロンと、一般/リレ
ーの部などが開催された。
(3)国民体育大会
・2013 年の「スポーツ祭東京」でのトライアスロン競技は公開競技で、10 月 5 日に東京都三宅島・三宅村
トライアスロン特設コースで開催された。あいにくの天候により S750、B18.4、R5 での開催となった。
成年男子は福井英郎(愛知県)、成年女子は高橋侑子(東京都)が 1 位でフィニッシュした。
(4)2013NTT トライアスロンジャパンカップ最終戦
・第 19 回日本トライアスロン選手権東京港大会は 10 月 13 日にお台場海浜公園周辺で開催された。
女子は上田 藍、男子は田山寛豪が優勝した。
(5)トライアスロン基本用語
・エリート(Elite)
トップ選手の呼称。一般選手 と区別して競技をスタートすることが多い。
・エイジグループ(Age Group)
年齢別(5 歳ごと)に競技を行い。表彰するためのグループ分けを示す。
・レジストレーション(Resistration)
選手登録のこと。バイク、ヘルメット、ウェットスーツなどの用具の検査も同時に行われる。
・レースナンバー(Race Number)
大会ごとに、選手に付与される識別数字。ウェアに付けるこの数字を書いたもの(紙および布製)をナンバ
ーカードとも呼ぶ。ゼッケンという呼称は、トライアスロンでは使わない。
・レース・オフィシャルまたはマーシャル(Race Official or Marshl)
競技全体を司る審判。競技中に不正行為を監視し、注意、警告、ペナルティを与える。競技終了後にマー
シャル会議を行い、不正行為のあった選手に注意、警告、ペナルティを与えることが出来る。
・スタート(Start)
トライアスロンの始まりを意味する。バイクスタート、ランスタートのように、各種目の始まりを示す場
合もある。
・ウェーブスタート(Wave Start)
スタートの際に、カテゴリー、競技力、年齢などにより選手をグループ化し、時差を設けてスタートさせ
る方法。スタート直後の混雑への安全対策に有効。
・エイドステーション(Aid Station)
競技コース途中に設営され、水分、果物、軽食などが提供される。大会が用意したスタッフから手渡され
ることが一般化している。
・トランジション(Transition)
スイムからバイク、バイクからランへと競技種目を転換すること。ここでの早さがタイムに影響するため、
トライアスロンの「第 4 種目」といわれることもある。
・トランジションエリア(Transition Area)
トランジションを行う場所。コースの一部であり、選手以外の立入は厳しく制限される。バイクラック、
トイレ、更衣テント、エイドステーションなどが設置される。
・ドラフティング(Drafting)
おもにバイク競技で先行する選手の直後を走り、スリップストリームを利用し、また先行する選手を風よ
けとして、競技を有利に展開する戦術。エイジグループでは禁止されているが、ITU ワールドカップなど
のエリートレースでは公認される場合が多い。
・ストップアンドゴー・ルール(SG Rule)
ドラフティング禁止のバイク競技中、ドラフティングなどの不正行為があった場合、マーシャルにより宣
告されるペナルティ。宣告された選手は直ちに安全な路肩で停止し。降車後バイクを両手で持ち上げ、審
判の「ゴー」の合図を得て競技に復帰することが出来る。
・フィニッシュ (Finish)
競技終了のこと。総合フィニッシュ のほか、スイムフィニッシュ 、バイクフィニッシュ など、種目ご
とでも用いられる。ゴールという呼称は、トライアスロンでは使わない。
(6)トライアスロンの距離
ディスタンス
スイム(水泳)
バイク(自転車 )
ラン(ランニング)
0.375 ㎞
10 ㎞
2.5 ㎞
0.75 ㎞
20 ㎞
5㎞
1.5 ㎞
40 ㎞
10 ㎞
2㎞
90 ㎞
20 ㎞
3~4 ㎞
50~180 ㎞
10~42.2 ㎞
(総合距離)
スーパースプリント
(12.875 ㎞)
スプリント
(26.75 ㎞)
オリンピック
(51.5 ㎞)
ミドル(ハーフ)
(67~112 ㎞)
ロング
(112~226.2 ㎞)
2.審判員の心得 <JTU テクニカル・ガイドラインによる>
(1)審判員(マーシャル)は記録の立証者
・審判員は、
“選手の成果”を証明する。
「正しい記録順位である」と明言できる。たとえ、第三者から異議
がでようとも、自信を持って“説得”できることが何よりも重要なことです。
・審判員が対象とするのは、完全に再現することのできない“競技者の連続した動き”であり、その動きは
競技環境により著しく異なる。
(2)審判員の基本の動き
・審判員の対応には、
「違反を確実に見届けてから判断する」ことと、
「違反を起こしそうな選手に、注意を
与える」という二つの方法があり、競技の現場では、両方を使い分けている。
(3)競技者の権利とは何か
・審判員は、選手に指示や注意を与え、指導やタイムペナルティを科し、失格を宣告することがある。しか
し、どのようなときも≪選手は主役≫であり、審判員は選手を下から支える“支える側の主役”といえる。
・選手は、審判員から一方的に指示を受けるばかりではない。大会の改善要求を行い、異議を申し立て、上
訴ができる。このように≪選手の義務と権利≫は一体になっている。
・審判員の心得は、「選手が意見を言いやすい雰囲気をつくる」こと。耳の痛い話にも真摯な態度でこれを
受け、誠心誠意これに答えを出すこの温和な関係により、大会そして競技団体という組織の中で、問題を
解決する自浄能力を高めることができる。
(4)責任の度合いを相殺する
・ルール違反はあらゆる要因が複雑に絡み合って起こる。ルールの文面通りに判定するのではなく違反の要
因を考えなければ「選手が納得する裁定」はできない。競技者の責任と運営の責任の度合いを相殺する考
え方が必要です。
(5)表現について
・選手に対する、審判員の言葉あるいは文章での表現の一つで感情が変わり、そして理解度が大幅に違って
くる。とくに、大会の緊張度の高い場面では、ことさら「相手に伝える表現力」を高める必要があり、一
言の和らいだ言葉が、怒りや興奮を吸収してくれることがある。
3.競技規則(ルール) <JTU 競技規則(2006 年 2 月改定版)による>
(1)第 1 章 総則
・
(目的)
第 1 条;この規則は・・・トライアスロンの実施において、必要な事項及び競技者の権利・義務に関する
事項について規定することによって、公平かつ安全に実施するための競技環境を整えるとともに、誰も
がトライアスロンをはじめとするスポーツを謳歌することができるようにすることを目的とする。
・
(定義)
第 3 条(3)
;「大会スタッフ」とは、大会役員、運営スタッフ、審判員、ボランティアなど大会にかかわ
るスタッフの総称をいう。
・
(規則の補足)
第 6 条;大会固有の環境又は条件を補足するため、必要に応じ、この規則を基準とした「ローカルルール」
を策定することができる。ローカルルールは、競技開始前に競技者に通知しなければならない。
(2)第 2 章 競技者規範
・
(安全管理)
第 9 条;競技者は、競技場の安全を確保するため、次の各号に掲げる事項を守るものとする。
(1)自らの安全に責任をもち、競技を行うこと。
(2)他の競技者の安全に配慮すること。
(3)コース及びその周辺に存在するすべての人及びものに対して安全の配慮をすること。
(4)自らの競技能力、体調、経験及び周辺状況や環境に応じ、適格な判断をもって競技すること。
(3)第 5 章 競技共通事項
・
(コースの把握)
第 23 条;競技者は、コース及び競技環境を事前に把握し、かつ、自らの責務でコースを確認し、競技を
行うものとする。
・
(コース離脱と復帰)
第 24 条;コースを離脱したときは、離脱した地点に戻って競技を再開するものとする。
・
(逆送・停滞の禁止)
第 25 条;正当な理由がある場合を除くほか、コースの逆走及びコース上での停滞をしてはならない。
・
(指示・注意)
第 26 条 1 項;競技者は、大会スタッフ及び警察官の指示に従い、自ら安全を確認しながら競技を行わな
ければならない。
第 26 条 2 項;大会スタッフは、次の各号に掲げる事項について競技者に対し注意を与えることができる。
(1)ルール違反が起こることが予想されるときであって、違反をする前に改善を求めるとき。
(2)安全確保のため競技者に指示を与える必要があるとき。
(3)軽微なマナー違反やモラル欠如に対して改善を求める必要があるとき。
第 26 条 3 項;競技者は、注意が与えられたときは速やかに大会スタッフの指示に従わなければならない。
・
(個人的援助の禁止)
第 27 条 1 項;大会主催者の提供する支援(エイドステーションなど)又は大会主催者から許可を受けた
支援以外の援助、助力及び支援(以下これらを総称して「個人的援助」という。)を受けること及び与
えることを禁止する。
第 27 条 2 項;事故など緊急時における救護や安全確保への協力は個人的援助とみなさない。
第 27 条 3 項;応援者又はコーチが特定の競技者と伴走又は追走すること。
第 27 条 4 項;応援者又はコーチが、拡声器を使って特定の競技者に対し、応援、指示又他の競技者との
時間差を伝えること。
第 27 条 5 項;ドラフティング禁止レースにおいて、競技者が意図的に他の競技者のペースメーカーとな
ること。
・
(優先進路)
第 29 条 1 項;競技者は、他の競技者の優先進路(競技を実施するに当たり想定される進路をいう)を速
やかに判断し、競技のスムーズな流れを確保するよう努めなければならない。
第 29 条 2 項;他の競技者の優先進路を妨害する行為(
「ブロッキング」という)をしてはならない。
・
(レースナンバー)
第 37 条 1 項;レースナンバーは指定位置に正しく取り付けなければならない。
第 37 条 2 項;大会規程に指定位置の指示がない場合は、バイク競技においては背面に、ランにおいては
正面に、バイク及びランで共通のレースウェアを使用する場合は前後に取り付けるものとする。
第 37 条 5 項;レースナンバーは、競技中、常に全面が見えるようにしなければならない。
第 37 条 6 項;レースナンバーベルトは、善行を満たすことを条件に使用できる。ただし、ベルトが腰よ
り極端に下がらないように留意しなければならない。
・
(競技用具の検査)
第 44 条 1 項;大会規程に定めがある場合は、指定された競技用具の検査を受けなければならない。ただ
し、この検査は、この規則に適合しているかを確認するものであり、競技用具の安全性を保障するもの
ではない。
・
(競技の中止・棄権)
第 48 条 1 項;大会スタッフ(審判員を含む)は、競技者が過度の疲労、競技力不足又は事故等により競
技の続行に支障があると判断したときは、競技者に対し、競技の中止を指示することができる。
第 48 条 2 項;大会スタッフに競技の中止を指示されたときは、これに従わなければならない。
(4)第 6 章 スイム(水泳)
・(スイムの競技方法)
第 52 条 1 項;スイムは、状況に応じた最良の泳法により競技することができる。
第 52 条 2 項;プールでのスイムは、状況により水底に足を付けてもよい。ただし、歩き、又は水底を蹴
りながら推進してはならない。
第 53 条;危険回避や体調保全のため、競技を一時停止して、ブイ、コースロープ、フロート類及び停止
中のボートにつかまるなどの方法により小休止をとることができる。ただし、これらを利用して推進す
ることを禁止する。
・
(緊急時の心得と合図)
第 54 条 1 項;スイムでは、緊急時に備えて余力を残して競技し、自ら安全を保てるよう心がけなければ
ならない。
第 54 条 2 項;救助を求めるときは、図のように、競技を停止し、片手を頭の上で振り、声を出して救助
を求める。
第 54 条 3 項;一度救助された競技者は、原則として競技を再開することはできない。
・
(禁止行為)
第 55 条;スイムでは、次に掲げる行為を禁止する。
(1)不正スタート(フォールス・スタート)
(2)スタートエリア外からのスタート
(3)ブイ又はコースロープなどによって示されたコースの内側をショートカットして泳ぐこと
(4)コースロープなどでコースが区切られている場合は、このコース外を泳ぐこと。
(5)危険行為(肘打ち、蹴る、のしかかるなど)
(5)第 7 章 トランジションエリア
・(トランジションエリアの定義)
第 64 条 1 項;トランジションエリアは、競技者が次の種目に切り替えるための場所をいい、コースの一
部とする。
・第 64 条 2 項;トランジションエリアの範囲は、スイムフィニッシュからバイク乗車位置まで及びバイク
降車位置からランスタートまでとする。
・
(トランジションエリアでのバイク乗車禁止)
第 70 条 1 項;トランジションエリア内では、バイクの乗車を禁止する。
第 70 条 2 項;サドルに乗っている状態、バイクにまたがっている状態及びペダルに片足を乗せて走行し
ている状態は乗車しているとみなす。
・
(バイク乗車方法)
第 71 条 1 項;バイクの乗車は、バイク前輪の最前部が「乗車ライン」を通過してから、これをすること
ができる。
第 71 条 2 項;乗車ラインを通過してからもバイクを押して走ることができ、乗車ラインを越えた直後に
乗車しなくてもよい。
・
(バイク降車方法)
第 72 条 1 項;バイクの降車は、バイク前輪の最前部が「降車ライン」を通過する前に完了しなければな
らない。
・
(ヘルメットの着脱)
第 73 条 1 項;ヘルメットのストラップは、バイクスタート前においてはバイクラックからバイクを外す
前にしっかりと締め、バイクフィニッシュ後においてはバイクラックにバイクを掛けてからストラップ
を外さなければならない。
第 73 条 2 項;ヘルメット着用前にあらかじめストラップをつないでおくことは禁止する。
(6)第 8 章 バイク(自転車)
・
(禁止行為)
第 76 条;バイク競技中は次に掲げる行為を禁止する。
(1)バイクコースの逆走(誤ってバイクコースを離脱し、又はコース上に落とした用具を拾うなど正当
の理由によりバイクコースを戻らなければならない場合は、バイクから降りて押して戻らなければなら
ない)
(2)直に胸などの胴体部分をハンドルバーに接触させ続けて走行すること。
(3)バイクから離れて走行すること。
(4)道路が完全規制された一方通行であるコースを除き、センターラインをはみ出して走行すること。
・
(ヘルメット)
第 85 条 1 項;バイク競技では、常にバイク競技用の硬質ヘルメットを、その取扱説明書に従い正しく着
用しなければならない。
・
(ドラフティングの定義)
第 88 条 1 項;
「ドラフティング」とは、他の競技者又は車両のドラフトゾーンの中に入って走行する行為
をいう。
第 88 条 2 項;競技者のドラフトゾーンの範囲は、バイクの前輪の最前部を基点として、後方 7m、横幅 3
m(前輪を中心として左右それぞれ 1.5m)の内側とする。
第 88 条 3 項;車両ドラフトゾーンの範囲は、車両の最前部の中心を基点として後方 35m、幅 5m(左右
それぞれ 2.5m)の内側とする。
・
(キープレフト走行)
第 89 条 1 項;ドラフティング禁止レースにおいては、「キープレフト」を守り競技を行うものとする。
第 89 条 2 項;キープレフトとは路肩あるいは競技コース左端から 1m以内を基準として走行することであ
る。
第 89 条 3 項;前項の規定にかかわらず、完全交通規制が敷かれ、コース幅が十分に広いときは、競技コ
ース幅の左端より 1/3 を基準として走行することができる。
第 89 条 4 項;バイクコースが全面交通規制で、かつ、一方通行などの特別な条件である場合を除き、道
路のセンターラインを越えて走行してはならない。
・
(並走の禁止)
第 90 条 1 項;ドラフティング禁止レースにおいては、並走したままバイク競技を行うことを禁止する。
ただし、危険回避のためやむをえないときはこの限りでない。
・
(集団走行の禁止)
第 91 条;ドラフティング禁止レースにおいては、ドラフトゾーンに進入しているかどうかにかかわらず、
集団走行とならないよう心がけながら競技しなければならない。
・
(ブロッキング)
第 93 条;ドラフティング禁止レースにおいて、第 29 条 2 項の規定によるもののほか、次に掲げる行為を
ブロッキングとみなし禁止する。
(1)先行する競技者を追い越したとき、追い越された競技者のバイクの前輪の最前部から追い越された
競技者のバイクの前輪の最前部までの間隔を 7m以上開けないで追い越した競技者がキープレフト走行
に入ること。
(2)他の競技者の右側を、他の競技者と同一の速度を保ったまま走行を続けること。この場合において、
他の競技者のドラフトゾーンに進入しているかどうかを問わない。
・
(追い越しと手順)
第 94 条 1 項;追い越しを試みているときは、15 秒以内に限り、他のドラフトゾーンに進入できる。
第 94 条 2 項;
「追い越しを試みている」とは、追い越す気持ちを持って前進している状態をいい、先行し
ている競技者のドラフトゾーン内において先行する競技者と同一の速度を保ったまま走行していると
きは、追い越しを試みているとはみなさない。
第 94 条 4 項;追い越しを試みている競技者のバイク前輪の最前部が、先行する競技者のバイクの前輪の
最前部より前方に出たときに「追い越された」とみなす。
第 94 条 5 項;追い越した競技者は、追い越すときの速度を持続させ、追い越された競技者の前輪の最前
部から 7m以上引き離してから、緩やかにキープレフト走行に入るものとし、キープレフト走行に入る
前に速度を緩めてはならない。
(7)第 9 章 ラン(ランニング)
・
(ランの競技方法)
第 101 条 1 項;ランは、競技者自身の走行により行う。
第 101 条 2 項;危険回避や体調保全のために歩行することができる。
第 101 条 3 項;ランはランシューズを履いて競技を行わなければならない。
・
(フィニッシュ)
第 103 条 1 項;フィニッシュは、競技者の胴体の一部(頭、首、肩、腕及び足は含まれない)がフィニッ
シュラインに達した瞬間とする。
第 103 条 5 項;フィニッシュの直前では、帽子及びサングラスを外すことを推奨する。
・
(コース再進入の禁止)
第 104 条;フィニッシュ後に、再度コースに入ること及び再度フィニッシュすることを禁止する。
(8)第 10 章 罰則(ペナルティ)
・
(罰則の適用)
第 106 条 3 項;罰則の適用は審判長又は審判員によって宣告される。ただし、その最終決定権限及び責任
は審判長が負う。
第 106 条 4 項;罰則が適用されたときは、公式掲示板及び結果(リザルト)にその旨掲示される。
・
(罰則の種類)
第 107 条 1 項;罰則の種類は、指導、タイムペナルティ(略称:TP、ストップ・アンド・ゴー(略称:SG)
をふくむ)、失格(略称:DQ)
、資格停止及び追放とする。
・
(指導)
第 108 条;指導は、違反によって競技上の大きなアドバンテージ又は順位の変動が得られない行為及び言
動であって、タイムペナルティ以上の重い罰則を適用するのが適当でない違反に対して科せられる。
・
(タイムペナルティ及びストップ・アンド・ゴー)
第 110 条 1 項;タイムペナルティ及びストップ・アンド・ゴーは、違反によって競技上のアドバンテージ若
しくは順位の変動が得られる行為(可能性がある行為を含む)
、危険行為及び重大なマナー違反に対し、
一つの違反ごとに、状況に応じ、いずれかが科せられる。
第 110 条 2 項;一つの大会において、前項に掲げる違反行為等が複数回繰り返された場合においては、よ
り重い罰則が科せられることがある。
・
(失格)
第 113 条;失格は、故意によって行われた悪質な違反及び重大なマナー違反に対して科せられる。
・
(資格停止)
第 115 条 1 項;失格に相当する違反を繰り返し行ったとき及びドーピング違反を行ったときは、3 か月以
上 4 年未満の資格停止を科せられる。
・
(追放)
第 116 条 1 項;次の各号に掲げる行為を行ったときは追放とする。
(1)ドーピング違反を 2 回以上行ったとき。
(2)暴行など極めて悪質な行為を行ったとき。
(9)第 11 章 オフィシャル
・
(オフィシャル)
第 117 条 1 項;オフィシャルは、この規則に則って大会を運営する義務を負う。
第 117 条 2 項;大会においては次に掲げるオフィシャルを置くものとする。
(1)技術代表(テクニカル・デリゲート(略称:TD))この規則及びその他の競技の実施に関する規則に
則って大会が開催されていることを保証する責務を負う。
(2)審判長(レース・レフェリー(略称:RR))審判員を指揮し、この規則に対する違反の最終的な判定
を行う権限を有する。
(3)チーフ・テクニカル・オフィシャル(略称:CTO)審判員の職務の割当及び監督を行う。
(4)審議委員会(コンペティション・ジューリー)抗議に対する裁定を行う。
・
(審議委員会)
第 118 条;審議委員会は以下の 3 人が当たる。ただし、ITU 主催大会においては ITU の規定による。
(1)JTU 主催大会においては JTU 理事、それ以外の大会においては所轄加盟団体の理事
(2)主催者代表
(3)技術代表
(10)第 12 章 抗議(プロテクト)
・
(抗議)
第 119 条 1 項;審判長の判定、競技環境及び他の競技者ならびに大会スタッフの言動に不服があるときは
抗議することができる。
・
(制限事項)
第 120 条;次の各号に掲げる判定(ジャッジメント・コール)に対する抗議は受け入れられない。
(1)ドラフティング
(2)ブロッキング
(3)暴言などスポーツマン精神に反する言動
・
(抗議の手続き)
第 121 条 1 項;抗議の申請は競技者本人または代理人が審議委員会に対し行う。
・
(抗議の期限)
第 122 条;抗議は次の各号に掲げる期限までに行わなければならない。
(1)コースに関する抗議:競技開始 24 時間前まで。ただし、安全確保に関する抗議はこの限りでない。
(2)競技中に審判員から受けた判定若しくは言動又は他の競技者の言動に対する抗議:抗議者のフィニ
ッシュ後 60 分以内
(3)他の競技者の競技用具に関する抗議:抗議者のフィニッシュ後 30 分以内
(4)記録及び計時に関する抗議:公式記録が掲示されてから 30 分以内。ただし、記録の発表が後日行わ
れる場合は、公式記録を受け取ってから 14 日以内
(11)第 13 章 上訴(アピール)
・
(上訴)
第 123 条;競技者又は審判長は、審議委員会の裁定に不服があるときは上訴することができる。
・
(上訴手続)
第 125 条 1 項;上訴の申請は、裁定があってから 14 日以内に、競技者本人若しくは代理人又は審判長が、
預託金を添えて上訴申請を、JTU 主催大会においては JTU 理事会に、その他の大会においては所轄加盟
団体に対し提出することによって行う。ただし ITU 主催大会にあっては ITU の規則による。
以上
和歌山県トライアスロン連合の沿革と、トライアスロンの歩み
2015.9.1
西暦(年号)
県内
備考 1(国内)
1974(S49)
備考 2(海外)
アメリカ・カリフォルニア州サンディエゴで始めてトラ
イアスロンが行われる
1978(S53)
ハワイアイアンマンレースが初開催
1981(S56)
日本初となる皆生トライアスロン大会開催
(鳥取県米子市、8/20、参加 53 名、内女性 2 名)
1982(S57)
世界初のシリーズ戦、アメリカ・トライアスロン・シリ
ーズ(USTS)が行われた。(51.5 ㎞の設定距離となる)
1984(S59)
串本トライアスロン大会初開催
1985(S60)
・全国トライアスロン協議会を経て、日本トライアスロ
ン協会設立(以下 JTA、会長:清水仲治)
・日本トライアスロン連盟設立(以下 JTF、会長:長島茂
雄)
・全日本トライアスロン宮古島大会開催
・びわ湖アイアンマンレース開催
・天草トライアスロン大会開催(日本初の 51.5 ㎞の大会)
・トライアスロン JAPAN 創刊号発行
1986(S61)
・第 2 回串本トライアスロン大会開催
ジャパントライアスロンシリーズ(JTS)が、仙台市、岐阜
・チームスピードスター設立(8 月 2 日)
県海津町、熊本県本渡市でスタート
・田辺アイアンマントライアスリートクラブ設立(12 月 16 日)
1987(S62)
・和歌山県トライアスロン協会発足(以下 WTA、8 月 12 日、ヨシ
ダサイクル内に事務局を置く)、会長に沖賢蔵就任
・中辺路デュアスロン練習会開催
(毎年 1 月 3 日、1987~1996、10 年間)
1988(S63)
・白浜ショートトライアスロンシリーズ戦(練習会)開催
(年 3~5 回、1988~1996、9年間)
1989(H 元) ・WTA 事務局を、スポーツショップオハナ内に移転
・熊野黒潮 130 ㎞ウルトラマラソン開催(89~1998 年まで)
・暫定国内統一団体の日本トライアスロン委員会(JTC)
・国際トライアスロン連合(ITU)が創立。会長に、
設立。ITU への加盟。
レスマクドナルド。
・ITU 世界選手権に日本選手派遣。
・第 1 回 ITU トライアスロン世界選書権開催(フラ
ンス、アビニオン)
1990
NTT トライアスロンサーキット(年 13 戦)がスタート
1992
第 1 回アジアトライアスロン選手権開催
(茨城県波崎町)
1993
日本トライアスロン連合(JTU)設立準委員会発足。
1994(H6)
JTU 設立をうけ、県協会(WTA)から和歌山県トライアスロン連合
・JTU 設立のための暫定評議会設立。
(以下 WTU)に名称を変更。
・日本トライアスロン連合設立(以下 JTU、会長:猪谷千春)
・日本オリンピック委員会(JOC)、日本体育協会に準加盟。
1995
1996
日本トライアスロン選手権開催(岐阜県海津町)
日本ロングディスタンストライアスロン選手権開催
(新潟県佐渡)
1997(H9)
・和歌山県体育協会加盟(4 月 1 日)
・紀の国美山トライアスロン大会開催(8 月、1997~2002、6年間)
・南部アクアスロン大会開催(同 10 月、町制 100 周年)
1998(H10)
・白浜アクアクスロン大会開催(1998~2001、4 年間)
・全国一斉公認審判員試験開催(2 月 22 日)
1999
日本体育協会に節式加盟。
2000(H12)
ITU ワールドカップ東京湾大会開催。
シドニーオリンピックにて、トライアスロン競技が
正式種目となる
2002(H14)
・NTT ジャパンカップトライアスロン(2002~2004、3 年間)
よさこい高知国体デモスポにてアクアスロン採用
和歌山マリーナシティー
2004
2008
2009(H21)
アテネオリンピック
北京オリンピック(井出樹里 5 位入賞)
WTU 会長に、玉置公良就任
第 1 回熊野古道中辺路トレイルランレース開催(3/8)
新潟国体(古谷あかね 8 位入賞)
2010
2012
・JTU 会長に、岩城光英就任。
・トキめき新潟国体で、トライアスロンが公開競技となる
ゆめ半島千葉国体
・JTU が公益法人資格を取得
ロンドンオリンピック
・ぎふ清流国体。
2013
WTU 会長に、関康之就任
スポーツ祭東京国体
2014
第 1 回南紀白浜トライアスロン大会開催(5/11)
長崎がんばらんば国体
2015(H27)
第 2 回南紀白浜トライアスロン大会(6/21)
2016
第 3 回南紀白浜トライアスロン大会(5/22)
希望郷いわて国体で、トライアスロンが正式種目に
リオ・ネ・ジャネイロオリンピック
(パラリンピックでもトライアスロンが、正式種目となる)
2017
2018
愛顔つなぐえひめ国体
福井しあわせ元気国体
1 基本姿勢①
2 基本姿勢②
両足を肩幅の広さに開き、両手は体の後ろベルト
位置より若干上で組み、両肘を左右に張り出す。
片膝を地面につき、上半身は背筋をまっす
ぐ上に立てる。片手は膝の上に乗せる。
3 停止
ピーーーーーー!
遠くから接近してくる、選手に対して体をその進行方向に正対
させ、片方の手を側頭部に沿って垂直に上げ、手のひらを相手に
向ける。反対の手は、地面と水平に肩まで上げ同じく手のひらを
相手に向ける。
選手が近くまで接近してきたら、停止させたい位置において垂
直に上げていた手を横水平まで下ろして、手のひらを相手に向け
て停止させる。
上げていた手を下す際に、長くホイッスルを吹き停止の認知を促
す。
最終的な形体は、両手を肩の位置で地面と水平に挙げ、手のひ
らを相手に向ける。
4 進行方向指示
45度
選手に進行方向を指示する場合、誘導
する選手の進行方向の安全な位置に立
ち、手のひらを相手に向け、その指示
すべき方向へ手を肩の位置まで水平に
上げる。
その際、反対側の手を進行方向の合
図として左右に大きく振る。
45度
この位置
に立つ
大きく振る側の手は、体のやや前方
で、振る幅は45度程度までとする。
振る幅が小さすぎて、自分の体に重な
ったり、手を振り回したりしないこと
5 折り返し
折り返し指示の場合は、進行方向指
示と基本的に形体は同じだが、水平に
上げている反対側の手を振る際に、進
行方向指示のように体に平行に振るの
ではなく、振る手を体の前で折り返す
ようにUの字に振る。
【折返し地点】
7 乗車ライン審判姿勢
6 減速指示
ピッピッピッピ!
減速させる場合は、その選手に対
して体を正対させ、片方の側頭部に
沿って垂直に挙げ、手のひらを選手
に向ける。
選手が接近してきたら、挙げてい
る手を段階的に下げていく。
真上に上げている手を3段階程度で
地面と水平の肩のいちまで下げる。
段階的に下げていく際に、ホイッ
スルを単音で吹き選手に認知させる。
この動作を繰り返す。
基本姿勢②と同じだ
が、口にはホイッスル
をくわえ右手に赤旗を
持つ。
8 降車ライン審判動作
降車ライン ( ゾーン ) に選手が近づ
いたらボードを頭上にかざし、選手が
位置を確認した後ボードを脇に抱え降
車ライン ( ゾーン ) を白手袋をはめた
手で指し示す。
ホイッスルは直ぐに吹けるように準備。
9 違反監視
違反の発生しやすい場所では、( トランジション等)
基本姿勢①より上半身を前傾させ頭をひくくして構
える。
更にダッシュしやすいよう両手を片膝の上に置く。
ホイッスルはくわえたまま。
10 ペナルティ宣告時の手順
違反を発見したら右手で
相手を指し、短音で2回
ホイッスルを吹く。
相手が停止した後ペナル
ティを宣告、タイムペナ
ルティの場合は右手を頭
上にかざし、欧米式でカ
ウント ( 親指から順に指
を立てる)する。
INTERVIEW
Text by Tomohiro Murayama Photograph by Akihiko Harimoto
取材=村山友宏
(本誌編集長)
写真=播本明彦
知ってるようで知らないルールや審判のハナシ。
ロンドン五輪でブラウンリー弟が受けたペナルティーから、レースウエアのフロントジッパー禁止まで。
日本で唯一、五輪でも活躍する国際審判(技術代表)に訊く、ルールと審判のこと
に行って判断することだけでなく、そ
ントロールする人のこと。大会の現場
わるすべてのことをマネジメント、コ
この資格は要するに、大会運営にかか
デリゲート)ということになります。
りは「技術代表」
(TD=テクニカル・
て、一番上の3になると審判というよ
鈴木 ITU(国際トライアスロン連
合)だと下からレベル1・2・3とあっ
ろいろグレードがあるんですよね?
際審判員」と言っても、実際には、い
ってしまうんですが、ひとくちに「国
一の国際審判員――という言い方にな
リンピックでも活躍している日本で唯
ナルド会長とかITUのメンバーとも
いをするうちに、当時のレス・マクド
シャル・ホテルの受付に座ってお手伝
話も勉強したし。それで、大会オフィ
うことになったんです。せっかく英会
ランティアとしてお手伝いしようとい
自分で大会に出るのはもう卒業してボ
蒲郡の一般の部)で優勝していたので、
年に私はオレンジトライアスロン(※
ワールドカップが始まった。その前の
る頃、 年に(地元・愛知の)蒲郡で
したんです。で、そんなことをしてい
いだろうなぁと思って、英会話を勉強
にもっといろいろな人と話せたら楽し
んですけど、遠征で海外に行ったとき
もともとは選手
(エイジグルーパー)
として、アイアンマンなどに出ていた
ず、最初のトランジションでスイムキ
がいましたね。つまり 秒×3回。ま
は3回分ペナルティーをとられた選手
にしてしまう選手も多くて、ひどいの
ヘルメットをバーッと投げ捨てるよう
当初は、それまでの感じでウエットや
らいです。今は大分浸透しましたけど、
鈴木 もう3年くらいにはなるので、
ちょうど前の北京五輪が終わった後く
されたのは、いつからでしたっけ?
いうシーンは、ある意味新鮮でしたが、
る選手がペナルティボックスに入ると
――オリンピックで優勝争いをしてい
鈴木 そこは私の担当でしたが、みん
なちゃんと収まっていましたよ。
ところに収まっていなかった」とか、
の前に、コースや会場のレイアウトを
仲良くなっていって。
・5㎞でペナルティボックスが採用
そんな話も聞いてましたが。
考えるのはもちろん、受付などの選手
――鈴木さんを紹介するとしたら、オ
サービス、メディアサービスまで、オ
ペレーション全般についてアドバイス
できる人を養成するための資格制度で
す。
2年前くらい。私はその前からレベル
鈴木 そうですね。国際ルールが改訂
されて「レベル3」が設定されたのが、
鈴木さんだけ?
のスタッフがいるんですか?
ンピックでは、何人くらいテクニカル
表として派遣されたわけですが、オリ
北京に続いて先のロンドンにも日本代
――現在に至る、
と。シドニー、
アテネ、
――それにしても、技術代表って、何
…… そうやって2回、3 回と、とら
ルメットを適当に脱ぎ捨ててしまった
た。そしてバイクフィニッシュ後にヘ
ていなかった。乗降車ラインをミスし
ャップとかゴーグルがボックスに入っ
ルールだからと身構えず
シンプルに考えればいいんです
2の資格をもっていて、オリンピック
となくこれまでの延長で、審判の代表
――現状、レベル3のTDは国内では
などの国際大会で仕事もしていたので、
鈴木 ロンドンでインターナショナ
ル・テクニカル・オフィシャルとして
――試験もそうですが、レースの現場
試験を受けました。
――ロンドンでの鈴木さんの担当は?
スタッフを合わせて 人ほどです。
クしていくという仕事に進化している
ライアスロンができるかどうかチェッ
ど、運営に関してもマーシャルの観点
というイメージしかなかったんですけ
れる選手も中にはいましたね。
すぐにレベル3の資格試験を受けられ
集まったのは 人くらい。地元選出の
でのコミュニケーションも含め当然、
鈴木 トランジションとフィニッシュ
テープホルダーでした。
とったことはなかったですね。高校の
ど、私は学生時代に英語で良い成績を
――直後は情報が錯そうしていて、「脱
乗ってしまったということでした。
鈴木 直接の担当個所ではなかったん
ですが、乗車ラインの手前でバイクに
シャル」という呼び方をする。
ないですよね。
「テクニカル・オフィ
鈴木 昔と違って、今はITUの中で
もマーシャルという呼び方はあまりし
から見て、ルールに沿って、安全にト
すべて英語ですよね。語学については
というのは興味深いですね。
ときにグラマーで1をとったこともあ
ときどき勘違いされる方もいるんで
ります(苦笑)
。
いだウエットスーツがちゃんと所定の
鈴木 (笑)若い人たちにも自信をも
ってもらいたくて、よく言うんですけ
――例のブラウンリー弟のペナルティ
20
ーもトランジションエリアでしたよね。
30
たんです。昨年の 月にブダペストで
15
51
95
もともと素養があったんですか?
12
鈴木貴里代さん
This month’s LUMEN
98
すずき・きりよ●トライアスロンが正式採用されたシドニー・オリンピッ
ク以降、すべてのオリンピックで審判(テクニカル・オフィシャル)を務
めている国際審判員。国際トライアスロン連合(ITU)公認TD(技術
代表)
。日本トライアスロン連合では理事、国民体育大会委員長などを
務める。自身もかつてはアイアンマンなどを転戦したトライアスリート。
ので、変に一方的に威圧的になったり
大事なのは選手との信頼関係だと思う
もちろん厳しくしなければいけない
場面はあるんです。けれど、やっぱり
――ビギナーの方に、たまに聞かれる
きく膨らんだら、対向車とぶつかるリ
交法と同じ考え方。追い越すときに大
か、バイクの競技ルールもほとんど道
プレフトで抜くときには素早く――と
すごくシンプルなんですけどね。キー
してはいけない。
のは、
「トランジションの際に、なん
んな大会でも安全、公正にという目的
大会まで、いろいろな大会がある。ど
アスロンを楽しく始めてもらうための)
ントに初心者向けの(とにかくトライ
によっても競技性の高いものから、ホ
手も競技レベルも目的も違うし、大会
エイジのレースでは、全く出ている選
ロンの大会も同じ。エリートのレースと
いろいろTPOがあります。トライアス
のパーティーみたいなものもあったり、
カジュアル・スマートでいい、うちうち
鈴木 ホントに、シンプルに考えれば
当たり前のことばかり。ルールって考
か?」と言うと、
「あ、そっか」となる。
ヘルメット拾って……危なくないです
選手がいる中で、自分も急に止まって
ね。その状況を想像したら、たくさん
かしたら、後続の人が危ないですよ
リアで、ヘルメット落としたりなん
(笑)
。でも、
「もしトランジションエ
ですか? なんでそんな細かいことに
目くじら立てて怒るんですか?」と
トラップまで止めてないといけないん
でヘルメットをしっかりかぶって、ス
スクが増えて危ない、とか。
出席しなければいけない会もあれば、
たとえば、パーティーのような催し
にしても、タキシードを着たり正装で
は一緒なんですがTPOが違う。それ
なんだと思います。
については、その意味や目的を理解し
――国内の一般選手の間ではユニフォ
えると、身構えちゃうんですけど。
すけど、審判になったからエライわけ
――エイジがメインのトライアスロン
て守っていかないといけないんですが、
ームのフロントジッパー禁止(※ )
に合わせたルール運用や審判ができな
ではなくて、まず私たちの仕事で一番
大会なんかで見ていると、中には必要
ホビーで参加する一般選手には、なか
「ここにコーンを置いたらレースがス
ない」とか「このカーブは危険」とか、
ス前、
「ここに何かが出ているから危
きて当たり前。そうできるようにレー
いうのがベストだし、本来はそれがで
違反もコースミスも転倒もなかったと
だから、レース中は何にもすること
がなかったというのがベスト。ルール
事はそんなに多くないんですよね。
て何かをジャッジメントするという仕
の審判などと違うところ。現場に入っ
圧的にふるまうというのは、違うんじ
なしにルールのことだけを言って、威
でも、本来はルールありきではない。
その順番を勘違いして、いきなり頭ご
全を脅かしてしまうとか。
立しないルールがある。ほかの人の安
その中にも最低限守らないと競技が成
と思うんです。もちろん競技ですから、
あげること」のサポートをすることだ
と、基本的には「安全に、完走させて
鈴木 私たちがエイジのレースなどで
しなければいけないことは何かという
直違和感を感じることもあります。
事なんかまさにそうですが(苦笑)
。
記事は読み飛ばす傾向にある。この記
でほしいような方に限って、そういう
目を止めてくださるんですけど、読ん
読まなくていいような意識の高い方は
に関する記事って難しくて、もともと
――確かに。でも、ルールとかマナー
誌にも力を貸していただければと
(笑)
ょうね。そういう意味では、ぜひ専門
そこまで見にいかない場合も多いでし
ているのですが、実際には、なかなか
鈴木 JTU(日本トライアスロン連
合)のウエブにも競技ルールは掲載し
い公平性を欠く、ということで国際的
が競技上アドバンテージになってしま
今度は前を開け閉めできるということ
品にはそうしたものはない。となると、
れていたんですが、海外ブランドの製
わらない、ということで使用が認めら
て布がしてあったりして肌の露出は変
スウエアはフロントジッパーでも、当
いたんですが、日本のメーカーのレー
鈴木 3年前だと思います。もっと以
前にフロントジッパーは禁止になって
な話がありましたよね?
レースについては、少し前に同じよう
が話題になっていますが、エリートの
ムーズに進むんじゃないか」といった
鈴木 ルールって言っても、考え方は
――当然、参加する選手の側もルール
大事なのは、選手が安全・公正に競技
以上に高圧的に、頭ごなしにルールの
なか理解が進まない面もありますね。
いといけないんじゃないかと。
をするために何が必要なのか――を考
ことを言うマーシャルの方がいて、正
ことを考える仕事なわけです。そうい
ゃないかなと思うんですが……。
そもそもなぜ前開きの
ウエアがいけないのか?
えること。それが他の、たとえば球技
った部分が「テクニカル」の意味合い
* LUMEN=「光」を意味するラテン語。トライアスリートをフィニッシュへと導く「月明かり」
「燈火」のイメージ。
*2 前号既報(P105)のとおり2013年から51.5㎞以下のトライアスロン競技、デュアスロン競技でフロントジッパー付きウエアの着用が全面的に禁止される。
99
2
Triathlon.org | Delly Carr / ITU
INTERVIEW
る。結局、サッカーなんかと同じで、
ちょっと説明の仕方に困るところもあ
ですが、安全上の問題じゃないだけに、
けないの?」と聞かれることも多いん
――「そもそも何で前開きウエアがい
められなくなった。
トジッパーが付いていること自体が認
つまり、形や大きさに関わらずフロン
クレームも出るんです。
とには違和感がある。実際、そういう
半身)裸でうろうろしているというこ
と、
レースが終わった後に、
選手が(上
知らないという地域住民の方から見る
会の開催地で、全くトライアスロンを
となんですけど、国内でも、一般の大
ーの)中にいると割と気が付かないこ
鈴木 そうですね。それに、自分たち
が(トライアスリート・コミュニティ
前々日の朝に開催されているアンダ
――アイアンマン・ハワイで、レース
とき、
「そりゃそうだよね」と思った。
んですが、そういうクレームを受けた
っていることも特に気にならなかった
私自身もレースが終わった後で、選
手が暑いのは分かるし、上半身裸にな
それって結構危険じゃないですか?
一般常識的な感覚が抜けてしまう――。
とっては特別な空間では、そういう
ライアスロンの大会会場という自分に
としたら、その魅力をどう伝えます?
ニカル・オフィシャルの仕事を勧める
――後進に向けて、マーシャルやテク
ね。そのあたりは別に対応を考えない
ージで参加するという方も多いですよ
水着の上にTシャツとか、バイクジャ
加者が専用ウエアを持っていないので、
により厳格な適用が決まったんです。
スポーツ全体の流れとして競技中にウ
鈴木 そこがなかなか難しいところな
んですよね。私が今年一番ショックだ
アスリートたちが、パンツ一丁みたい
柄でも、いきなり海外から来たトライ
イ島のような、一見、ゆるそうな土地
が(笑)考え方は同じですよね。ハワ
なんかも、アプローチは全く違います
ありますけど、自分の中では楽しんで
てしまったこと。確かに大変な部分も
仕事、自分にはできません」と言われ
ると忙しそうだし大変そうで、そんな
い世代の人に、
「貴里代さんを見てい
ったというか、反省したのは、ある若
感謝されることもあれば
罵声を浴びることもある
な格好で町中をうろつくことに衝撃が
やってるつもりではあったんです。で
も傍から見るとそうは見えないようで
走ったという(笑)
。トライアスリー
か。
えなきゃと。
――言うまでもなく楽しいだけの仕事
放送されるようなスポーツに成長して
て、日本でもゴールデンタイムにTV
こうして五輪の正式種目として定着し
しんでいる分にはまだ良かったけれど、
――仲間内で、好き勝手にワイワイ楽
うのも確かに良くはないでしょうし。
教育上、ヘルメットやらウエットス
ーツをバーンと投げつける、なんてい
なかったし、逆に今はキレイですよね。
スリートといえども見るからにだらし
分もそうなりたいなと思ったんです。
だから私もこっちの世界に来たし、自
と思わせてくれる存在の人たちがいた。
がいると、
安心してレースができるな」
でも、思い返してみれば、私自身、
選手の頃、大会会場に行くと「あの人
がにそれは辛いですね。
声を浴びることもあるんですが、さす
しかったです」なんて言っていただけ
鈴木 レースが終わった後、選手の誰
かに「ありがとうございました!」
「楽
じゃないだけに、そのあたりは伝えづ
いるわけでもないですしね。
らいでしょうね。
くると、外からの見られ方というのも
だから、今シーズン、一番ショック
だったのはさっきの一言だったかもし
れませんね。
るのが、唯一の愉しみです。逆に、罵
当然、考えないといけないと。
鈴木 ただ、エイジの一般的な大会、
特に普及のためのレースとかでは、参
ど、今にして思うと、いかにトップア
鈴木 エリート選手にしても、昔はみ
んな胸をはだけてて当たり前でしたけ
……これはちょっと私も見せ方とか考
それに、まぁ、全員が全員、トップ
アスリートのような美しい体型をして
トの自虐コント仕立て啓蒙活動という
22
といけないでしょうね。
エアを脱いだり半裸になるというのは
ー・パンツ・ランニング(P ~参照)
違和感を感じると思うんですけど、ト
自分たちも、もし近所を半裸でうろ
うろしている人たちがいたら、当然、
禁止されていってますよね……と、そ
のあたりを引き合いに出すのですが。
Triathlon.org | Janos Schmidt / ITU
(写真上)ロンドン五輪では揃ってメダルを獲得したブラウンリー兄弟。3位に入った弟ジョナサン(左)はバイクスター
ト時に乗車ラインの手前でバイクに乗り、15秒間のタイムペナルティーを受けた/(左下)WTS横浜大会でもTDを務
めた鈴木さん(右)。パラ部門の会場設定などもディレクションを担当した/(右下)ロンドンでの競技説明会の模様
100
「JTU テクニカル・ガイドライン」のポイント
東京都大島町審判員講習会資料
2010 年 9 月 26 日
(社)東京都トライアスロン連合
「審判員は、ルール違反を未然に防ぐことに務めなさい」ということを強調している。一方で、前述の
ように、「注意や警告ができないときでも、失格をだせる」ようになっている。
<はじめに>
「JTUテクニカル・ガイドライン:技術・審判員の業務と心得」は、複雑な状況のなかで起こるルー
ルと競技者の係わりを適切に捉え、実際の運用でも「統一した判断」が行えるように大会での事例をもと
3 .<競技者の権利とは何か>
選手と審判。主役は選手
にまとめたテキストです。
全文は以下のサイトで開示されております。
http://www.jtu.or.jp/kyougikisoku/guide/guideline.html
第1章
審判員は、選手に指示や注意を与え、警告や失格を宣告する。ときには、教育的指導が必要なこともあ
る。この図式から、選手はあたかも管理の“下”に置かれているようにみえる。しかし、どのようなとき
も《主役は選手》である。審判員は、選手を下から支える“支える側の主役”といえる。選手は、審判員
から一方的に指示を受けるばかりではない。ルールから理解できるように、大会の改善要求を行い、意義
を申し立て、上訴できる。さらに、上部組織にも意思を伝えることができる。
このように、ルールからも《選手の義務と権利》は一体となっている。正当な方法で権利を駆使するよ
技術論からの審判
1 .<審判員=マーシャルとは何か>
記録の立証者
審判員は、“選手の成果”を証明する。「正しい記録順位である」と明言できる。例え、第三者から異議
がでようとも、自信を持って“説得”できる。これが何よりも重要なことである。競技の背景を知り、選
手の立場を考え、審判員から一方的でない分析があってこそ、自信をもって証明することができる。 し
かし、審判といえども人間の判断能力には限界がある。これを補足するために記録を立証できる適切な体
う、審判員は、これを奨励し、選手の意見を集める努力をする。これにより、選手と審判員・主催者の“適
度な緊張感”が生まれ、大会の質的向上の意識が芽生えてくる。審判員の心得は、「選手が意見を言いや
すい雰囲気をつくる」ということである。耳の痛い話しにも、真摯な態度でこれを受け、誠心誠意これに
答を出す。この温和な関係により、大会そして競技団体という組織のなかで、問題を解決する自浄能力を
高める。
制をつくることになる。トライアスロンは、最良の運営があって、審判体制が整うものである。 審判員
が対象とするのは、完全に再現することができない“競技者の連続した動き”であり、その動きは競技環
境により著しく異なる。 「審判をしやすい環境とは、選手が競技しやすい環境」といえる。見る立場に
より価値の違う、多面的な情報に耳を傾けながら、競技記録を立証していくことを目指す。
事例:JTU猪谷会長が、1954年にイタリアのコルティナダンペッツォの冬季オリンピックのアルペ
4 .<競技者の責任と運営責任>
責任の度合いを相殺する
選手がルールを学び、コース環境、交通規則を知ることは義務である。それゆえに、ルール違反は罰せ
られる。しかし、一方で競技コースに不備があれば、選手のルール順守の意志にかかわらずルール違反は
起こりえる。
ン競技回転で銀メダルを獲得した。このとき、他国のコーチから旗門を正しく通過していないとの抗議が
あった。しかし、現場の審判員は、「自分の目で確実に見た、私は、ミスター・イガヤの2位を保証でき
る」と断言した。 「夢と希望に満ちた選手の記録を立証し、保証する審判員」となってほしい。第2種
上級審判員面接での、猪谷会長の示唆に富んだコメントである。
競技コースの適正参加数を大幅に上回っていれば、集団ができやすく、避けにくい状況が生まれる。
選手は、コースを知る義務を感じていても、これを隅からすみまで知ることはできない。そのため主催
者は、注意を促すために看板を出し、スタッフを配置する。
ルール違反はあらゆる要因が複雑に絡み合って起こる。ルールの文面どおりに判定し裁定することはた
やすい。
しかし、これらルール違反の要因を考えなければ、「選手に納得いただける裁定」はできない。そのた
2
.<審判員の基本の動きは>
見届けること。未然に防ぐこと
審判員の対応には、「違反を確実に見届けてから判断する」ことと、「違反を起こしそうな選手に、注意
を与える」という二つの方法がある。競技の現場では、両方を使い分けているといえる。
また、失格を出さないよう注意を与えたいが、それができないという場面も多い。このため、ITUの
競技規則には下記のように記載されている。
It is not necessary for an official to give a warning prior to issuing a more serious penalty.
めの提案が、それぞれの責任を割合で表し、これらを相殺(オフセット)するという、裁定を緩和する方
法である。
(他、事例をもとに各自考えてください)
(警告:審判員は、より厳しいペナルティーを宣告する前に、必ずしも警告を出す必要はない)
The purpose of a warning is to alert a competitor about a possible rule violation and to promote
"proactive" attitude on the part of officials.
(警告の目的は、違反が予想される競技者に注意/警告を促すことと、審判員があるべき“自発的な心構
2.<予測能力を磨く>
審判員は、「失格を出すためでなく、失格を出さないためにいる」
これは審判員によく定着した前向きな考えである。そのためにどうするのか、これが課題である。標語
ばかりが先立ってはいけない。選手に対する注意力、観察力を高めれば、「違反行為を起こす雰囲気や状
え”を奨励することである。)
況を感じ取れる」ようになるだろう。“これを感じ取らねばならない”。審判員が強く意識すれば、審判コ
第2章
1
大会現場からの発想
ントロールの精度が高まる。そして、“未然に違反行為を制止”することができるようになるものだ。
具体例1(スイムスタート):スイムスタート前に、妙に落ちつかない選手がいる。不正スタートをする
選手にこのような表情や動きが見られる。「落ちついて行きましょう」と声をかける。片手を挙げて、牽
制するなども効果的である。
具体例2(トランジション):トランジションエリアで、シャツが思うように着れないで焦っている。こ
のような選手は、レースナンバーが乱れたままスタートすることが多い。 レース展開が思うようにいか
選手に課せられた義務と同じことを、審判員にも義務として定義する。審判員のユニフォーム規定。ル
ールとマナーを守るのは、選手ばかりではない。 それがあって、選手と審判員が、同じ真剣勝負の土俵
に立つことができる。
事例(スイム運営):スイムコースの設定不備によりショートカットが公然と見逃された大会がある。天
候不良でコースロープ設営が巧くいかなかったという理由がある。 しかし、この大会の優勝選手が、あ
まりにも酷い運営に納得できず、受賞を拒否した海外大会例がある。
ず「明らかに焦っている」。エリア内で乗車してしまうのもこのような選手である。「落ちついて行けよ」
と声をかける。それでも無我夢中であることが多い。ナンバーが乱れたままであったら、両手で制止して、
直させる。ホイッスルの単音連続「注意」を併用することもあるだろう。イエローカードで競技を一時停
止させ、注意や警告を与えることができる。
具体例3(バイク走行): 「バイクの走行が不安定である」もチェック対象となる。「ドラフトゾーンを
守りながらも、前走者にピタリと付けている選手がいる」。このような場合、バイクマーシャルがいなく
事例(コースミス):国内の国際マラソン大会の事例)テレビ放送車が邪魔にならないように、コースの
手前で折り返した。先頭ランナーはこれに付いていってしまった。失格である。あまりにも忍びない。し
かし陸上競技でもこれがルールである。 間違いを侵した瞬間は、再現できない。そのために、納得がい
かなくとも選手に厳しい裁定が下されてしまう。 しかし、このような不備を引き起こした主催者は、別
途、所轄競技団体から厳重な注意が与えられるだろう。現場審判員の責任を厳しく追求するものでなはい
が、相手が海外選手であっても、身振りで制止するなり、何とかならなかったのかと思わざるをえない。
なれば、接近し不正なアドバンテージを得る可能性が高い。ホイッスルをくわえ、「注意や警告を出す構
え」に入る。そうしないと、ホイッスルを口にくわえる間に、競技はどんどん進んでしまう。
3. <降車ラインの審判員>
現状の考え方は、ラインをセンチ単位で考えるのではなく、「スムーズにレースを進める」ということ。
降車ラインの審判員は、「最も機敏で的確な判断力」が要求される。この条件を満たせない審判員は、
組織体制と審判教育を再考するものだろう。 それでも選手の記録は書き換えられない。大会運営がいか
に重要であり、選手の納得の度合いを左右するかが分かる事例である。
(98年に米国開催された大会の事例)バイクでコースミスが起こった。コースアウト地点に戻ったも
のの数分をロスし大幅に着順を落とした。 理由は、コーナー地点での設営と誘導に不備があったからで
ある。ルールにより記録はそのままである。しかし、情状酌量の十分な余地ありと判断され、ミスなしの
予想順位に相当する強化費が与えられた。
別のポストに就くものだろう。審判員はその業務により貢献度が変わるものではない。 降車ラインでの
審判チェックポイントは、向かってくるバイク選手を減速させ、降車ラインの手前でスムーズに降車させ
ることである。 降車ラインとは、停止ラインではない。停止させたら後続の選手の邪魔になり、かえっ
て危険な状態となることがある。
降車ラインは、ITUでは、これらの事例から「降車ゾーン」とし、陸上のリレーゾーンのようにこの
3.<審判員の誤差>
ヒューマンエラーを前提に
□人間の集中力の限界
人間は、同時に二つのことを判断できないといわれる。判断できているように感じているだけ。現実に
間で、降車するように奨励している。ゾーンの前方ラインでの制御は同様のことであるが、ハッキリと識
別できるゾーン表示があれば、早めに認識できるメリットが生まれる。
□適切な動き
この地点の審判員の動きは、“闘牛士”のごとくに、向かってくるバイクの選手を身をていしてかわす、
という感覚となる。実際の動作は、バイクが近づいてくるまで、選手の視覚に入りやすいよう真正面に立
つ。そして、素早くラインの両サイドに移る。こうして手や旗を振り、降車ラインを教えることが基本で
は、瞬間的ながら一つひとつ順を追って判断している。同時に判断していると錯覚しているようだ。
事例:
携帯電話の普及につれ、これが原因とされる自動車事故が発生している。運転中に小さな電話機を捜す
ときにのハンドル操作ミスといわれる。 実際には、会話に意識を奪われ、前方はぼんやりとしか見てい
ないことが多い。
□ナンバーと色の識別
ある。
□選手の動きを予想する
ここで予測能力が試されるのだが、向かってくる選手の状態を見れば、ホイッスルで制御すべき選手か、
しっかりと降車できる選手かが見分けられる。 数メートル手前からブレーキに手が掛かっていたり、サ
ドル乗車から足をあげ降車の態勢に入っていれば、スムーズに降車できる選手と判断できる。不必要なホ
イッスルはできるだけ避けたい。
レースナンバーとウェアの色を同時に認識することは難しい。違反者のナンバーを覚えようとしている
間に、色のことまで気が回らない。40キロ前後で動いていれば、なおさらだ。ましてや周辺の選手のこ
とまでは頭が回らない。 このようなとき、ナンバーだけの確認に集中することだ。ナンバーが歪んでい
ることがある、ボディナンバーが薄くなっていることもある。光の関係で読み違えが起こる。多角的にチ
ェックし、再チェックも必要だ。 この読み違いは、良く起こる。やっかいなことは、審判員は確実と言
い、選手は絶対に違う、というときである。 対応策は、写真やビデオである。しかし、バイクマーシャ
1.<選手と審判員の信頼>
ルがこれを完全に行うことは至難である。また、写真を撮ろうとしたら危険が伴う。さらには、写真は一
瞬のことであり、次の瞬間には別のことが起こっている。絶対的な証拠にはなりづらい。
やっかいなことが多い。解決するために、ドラフティング以外でも、ストップアンドゴー・ルールを適
用し、止めて確認することを広く導入することになった。
選手に求めることを、審判員もすることである。それぞれの選手が、いかに“納得”できるか。
□ヒューマンエラー(人間的ミス)
第3章
人間が行うスポーツ
2
審判員の判断ミスが起こった場合、個人的に責められることがある。しかし、これはいけない。なぜな
らば、人間はいかに訓練を積み、経験があってもものを判断する能力に限界があり、ミスを犯すものであ
るからだ。審判を行うには、ヒューマンエラーを前提に対策を練ることになる。 航空パイロットのフェ
イルセイフの考えは、「人間は必ずミスをする」である。一般的にも、間違うことのない機器をデザイン
することが基本である。例えば、プラグサイズをすべて変えて、誤った接続を防ぐ。そして失敗しても大
丈夫な構造を考える。それでも事故は起きる。そして改善に向かう。
決し、難局を打開できるか」であり、それをいち早く実践することではないか。
責任を追求するために文句を言えば、言ったほうはサッパリするだろうが、言われた方は、それが正し
くても気持ちが落ち込んでくるだろう。さらにミスを重ねる心理状況に追い込むことになってしまう。
2.<ユニフォームと基本注意>
「ウェアを正しく」というのは、審判員の管理事項
□JTU公式ユニフォーム
・JTUオフィシャル・ポロまたは旧審判ベスト(併用期間中)の着用義務
・黒短パンまたは黒系のスラックス
・JTU公式キャップ
*女性選手が認識しやすいように、女子審判員のみベスト着用といった対応も行っている。
*審判長/技術代表の明示、バイクマーシャルの認識を高めるための手段はトライアル中。
4.<大会のコントロール>
スムーズなレースの流れのために(事例をもとに各自考えてください)
バイクスタート地点の審判員は、瞬時に“ルール違反”を見つけ、“ルール順守状態”に直させること
が求められる重要ポストである。ヘルメットストラップ、ウェア、乗車ライン、トランジション内乗車、
追突防止、転倒者の保護と後続の制御など業務。ヘルメットに意識がいけば、ウェアのことを見ることは
できない。中途半端に着用したままでスタートを切ろうとする選手がいれば、瞬間的に手を貸してウェア
を直す。審判員の権限でいえば、違反選手を停止させて、何分かかっても直させることができる。 しか
し、特にエリートのレースの場合、その選手のレースがそこで終わってしまうこともある。このような場
合、選手に直すように呼びかけて、バイクマーシャルに申し送りすることを考えても良い。
6.<ルールの展開>
必要に応じて、レインウェア、防寒着等を着用できる。冬場のレースでは、トレーナー等の上に審判ベス
トを着用できる。
□携帯品目
<必須>
・審判員証: ポロまたはベストの上部(JTUロゴマークと平行な位置)に止めて表示する。 審判員証
をジャケットやポロシャツに掲示することを推奨する。
「現実にこれをチェックすることができるのだろうか?」が重要
□ローカルルール
ローカルルールは、所轄競技団体の承認による、大会に固有の特別規則である。コースや規制からどう
しても、公式ルールを適用できないときに、やむを得ずに制定する。広く理解されたことだが、やや拡大
解釈されることがある。 「厳しくして違反を防ごうとするルール。現実にはチェックしずらいルール」
・ルールブック
・選手名簿、ローカルルール、マニュアル等大会書類
・マーシャル報告、メモ帳(携帯筆記用具)
・ホイッスル(バイクマーシャルは紛失に備え2個用意)
・イエロー/レッドカード(ルールブックで代用可)
などを各地で見かける。実情にあわせながらも改善していきたい。
具体例1:「バイクでの追越し禁止」。コースが狭く急である、路面状況が悪い、などによりローカルルー
ルとして適用している。 メカトラブルや一休みのために減速走行することがある。厳密にいえば、これ
を追い抜くことはできない。 しかし、ここで停滞したら数珠つなぎとなって、競技に支障がでる。この
ようなことがあるから「追越し注意」としたほうがよい。その区間に、道路標識とは違う目立つ表示物を
設置し、密度を高めたスタッフ配置で管理するのが適当である。
・無線機(指定された者のみ)
<その他>
・安全ピン(レースナンバー外れ対応)、携帯電話、トラメガ、手旗等
・サングラス目の保護が必要な場合を除き、使用を控える。使用する場合、クリアー度の高いものを奨励
する。
具体例2:「不正スタート(フォールス・スタート)をした選手に3分のペナルティを科す」。
確かに、選手にとっては、緊張感を強いられるルールである。いかに見逃さないか、審判員も緊張する
場面である。 しかし、現実にこれをチェックすることができるのだろうか?
5.<観客の選手アシスト範囲>
直接的な支援行為とは何か
「援助・助力とは、特定の競技者の優位のために直接的な支援行為を行うことであり、これを禁止する」
と改定した。直接的とは、「物質的な支援行為」とも理解される。 タイム差等の情報を与えることは旧ル
ールで禁止行為とされたが、一般観客への周知が困難であることからむしろ平等に情報を与えることを奨
励している。
第4章
審判員の心得と業務
1.<現場対応の心理とは>
「どうしたらその場で問題を解決し、難局を打開できるか」
審判の現場では打合せ通りに行かないことが頻発する。さらには、予期せぬことの連続であるともいえ
る。このようなとき審判員は、とかく主催運営者に文句の一つも言いたくなるものである。しかしその瞬
具体的アシスト例:コーチあるいは関係者と見られる人が伴走しながら前後のタイム差等の情報や指示を
与えている場合、明らかに注意・警告の対象となる(その場で注意を与えるのは、選手ではなく情報を与
えた方)。 審判員は、選手のレースナンバーをメモし状況を審判長に報告する。
緊急事例:選手が極度の疲労状態で、見るにみかねて観客が水を渡したというような場合、「緊急事態に
間にも大会は進行している。競技者は動いている。そこで考えたいのは、「どうしたらその場で問題を解
おける観客からの社会的通念による支援」と判断されるだろう。この場合でも、審判員は状況報告を行う。
3
☆気象状況によっては、沿道からの水掛け、水渡しを全てオーケーにしてむしろ推奨することも(佐渡で
の事例)
同伴ゴール:特にロングディスタンスの大会では、一般参加選手に限定し、そしてローカルルールとして
明記し、適当な管理のもとにこれを認めている。
6.<審判の選手アシスト範囲>
命令ではなく「選手の安全のために、協力をお願いします」。
□観客と報道者の心理
観客は、競技者により接近して声援したい。感動をそばで分かち合いたいとコースをはみ出す。カメラ
マンは迫真の写真を撮ろうとコースに最接近してくる。 制御しすぎると興ざめの原因となり、許容しす
ぎると混乱が起こる。設備の整った大会では、ハードフェンスをコース間近に設定し、観客をできるだけ
選手に近づける。報道には「メディア・ゾーン」を設ける。
選手の安全と公正の担保、積極的な救護、ルール適合への補助(ナンバーのピンなど)
アシストの時間的範囲 ...瞬時に手が出る範囲が適正
Kids にはむしろ積極的に(父兄のアシストが介在しないように)
◇選手の安全と公正な競技
エイドステーションまでの距離、制限時間までの残り時間、(バイクのメカトラブルに対し)メカニッ
クサービスの地点を答えるのは適当といえる。但しエリート選手の場合は、ルールの適用が厳しくなる。
□丁重な指示
観客がコース上に出て応援をしている、報道関係者がコース上に出て撮影をしている場合でも、「危険
ですからコース上に出ないでください。お願いします」と、命令ではなく「選手の安全のために、協力を
お願いします」と丁重に指示する。
□審判の位置
観客、計測員そしてテレビやプレスカメラの視線をさえぎらない。事前にテレビカメラの位置を確認し
競技に直接係わるようなこと例えば、前後の順位など選手状況を教えたりすることは不適。一般選手に対
して「あと少しでエイドステーションがある。ガンバッテください/ガンバレヨ」と声を掛けることは、
不適当とはいえない。コース上で立ち止まっている選手に対しては、どのような状況であるかを確認そし
て報告を行い、必要に応じて救護を求めることが適切である。競技がおぼつかないような選手には、「大
丈夫ですか」と声を掛ける。「選手の安全はすべてに優る」ことを原点としながら、公正な競技との兼ね
合いを考えること。
ておく。メディア関係者が集まりそうな場所を確認しておくことも必要(選手に気を取られすぎて、カメ
ラをさえぎってしまうことがしばしば)。 トランジッションなどでテレビカメラのケーブルには特に注意。
◇積極的な救護
選手に医療的救護を施すことは、大会医療スタッフの判断による。不安視される場合は、積極的に対応
することがルール上も可能である。ドクター・ストップの範囲も審判員とメディカルスタッフが協議する
ことである。さらに、医師の判断により競技に復帰することも許容されるだろう。同時に、競技続行に不
安ありと判断された場合は、審判員は、競技中止を指示する権限も有していることを確認したい。
式日程が終了するまで、主催者の管理下にある。
◇ルールの指示・指導
全般において、審判員は「選手に対し、ルールに基づく指示を与える」ことができる。これにより「未
然にルール違反を防止し、違反状況を速やかに適正な状態に戻させる」ことができる。
具体例:ドラフティング走行になりそうな選手に「ホイッスルを鳴らす、あるいは口頭で注意」する、ま
た、「キープレフトから外れそうな選手に警告を与える」などである。
◇ルール適合状態への補助
の意識改善を促す。「納得の行く裁定」のための情報収集と分析が求められる。
☆2006 年競技規則改定で、注意は罰則ではなく、審判員からのアドバイスと明記(競技共通事項)。警告
は指導と名称変更。
□違反の理由
ルール違反は、主催者と審判態勢の不備によっても起こる。
□判定規準
レースナンバーが外れている、シャツをまくり上げてナンバーが見えないなどは、即刻注意を与えなけ
ればならない。状況によっては、選手の前に立ちはだかって制止することもありえる。審判員は、ピンを
用意し暫定的な対応ができるよう配慮したい。広義における支援であるが、このような場合は、「ルール
適合状態にするための審判員の適正な支援」の一つであるとされるものだ。
◇アシストの時間的範囲
基本的には「ほぼ瞬時に手を貸してやる」感覚が、アシストの許容範囲と考えたい。シューズのヒモが
裁定に当たっては、相互連携により総合的な判断ができるよう配慮する。 選手そして関係諸団体が、
納得できるような裁定を心掛ける。
□選手への失格宣告の独自性
競技中に失格宣告をされても、原則として、競技を停止させないで最後まで競技することを許容する。
コースアウトさせる状況:
1.ユニフォーム無着用で、すぐ着用できる状況にない。
絡まってうまく履けない。こんな場合は、時間が掛かることが予想される。これは本人の責任とし、「落
ちついて」と見守るのが適当であろう。後続の邪魔になるようであったら、「後続が来ますから、コース
をあけてください」と指示することになるだろう。
2.競技中、選手を殴る蹴るなど、明らかな危険行為があった。
8.<ルールの適用についての基本注意>
「選手たちは、競技中はもとより、大会期間中においてもルールを守る」ことが義務付けられている。マ
ーシャルそして関係スタッフにおいても同様。 選手は公式日程が始まる選手受付から、表彰式などの公
9.<審判実務上のポイント>
□違反の未然防止
「違反を起こしそうな選手の状況」を予測する目を養う。 「なぜそうなったか」の原因を究明し、本人
10.<技術代表の業務>
大会と理事会の橋渡し
7.<観客・報道関係者に対し>
技術代表は「所轄競技団体の理事会を代表し、大会趣旨を実現する役割」がある。技術代表と所轄競技
4
団体あるいはブロックから推薦された技術代表が、一体となって大会の技術面の向上に努める。 さらに、
JTUルールを尊重しながらも、大会の憲法ともいえる“大会趣旨”に則った「ルール適用の内容と度合
い」を調整し、「選手が完走できるための体制」を整える。気象状況の変化によるコース、競技内容の変
更、中止などの判断、受付時間に遅れてきた選手の対応(理由の確認が重要)も技術代表の役割。
11.<違反告知と抗議>
ホイッスル、Y/Rカード、旗類、報告書類、無線等、大会運行表、安全ピン、他
□マーシャルの腕時計の時報統一
□JTU審判ユニフォームの着用
□JTU公認審判員証のマーシャルベストへの表示
右側上部、左のJTUロゴと同一線上に取り付け
□マーシャルレポートと報告書の提出(改善提案義務)
2006 年ルール変更
□選手への公式告知
大会結果(違反、警告、競技タイム)は、公式掲示板(Official Notice Board)に表示。
□抗議の手順
競技者本人または代理人が審議委員会(コンペティション・ジューリー)に対して口頭もしくは書面で行
う。☆抗議内容ごとの期限に注意すること。
□上訴
<スイムスタート>
□スイム競技環境のチェックと報告
ウェットスーツ使用の決定(スタート1時間以上前。一般に2時間前)
水温だけでなく、気温や風も考慮。また波の状況やクラゲなどにより許可することがある。
□用具使用の制限とチェック
競技者または審判長は審議委員会の裁定に不服があるときは上訴することができる。
☆抗議または上訴を受け入れられない場合は何か? 何故か?
一般にウェアをスイムパンツ内に入れることは許容(禁止大会もある)。
□ウォームアップ時間の確保。規定時間の厳守と誘導
参加人数、水温・気温にもよるが、一般にスタート前30分までは許可。
選手権レベルの限定レースでは、直前(10分から15分前)まで許可する
□スタートラインでの整列
ワールドカップ等では整列直後にスタートする方法を実施。
12.<審判員の広報的役割>
審判業務で「知りえる競技の推移」を伝える義務。 審判員は、「豊かな表現力」のために努力をする。
第5章
競技ポイント別確認事項
□不正スタート(フォールス・スタート)対応
再スタートの決定は、審判長また担当マーシャルが行う。
<事前業務全般>
□ウェットスーツ検査
ウェットスーツの素材特性から一般的に5%程度の誤差が生じる。 そのため、5mm±5%(5. 25
<スイムコース>
□リタイア選手の確認と対応
mmまで)を許容範囲とする。ただし、この場合でも教育的指導を行う。ファスナー部分やマジックテー
プの重なり部分は、不自然でなければ、現時点では、許容範囲とするのが妥当と考えられる。
□遅刻者の対応
「審判員も遅れることがある」。遅刻対応の基本精神となる。
遅刻で出場停止にする場合は、審判長は、技術代表や実行委員長などから状況を確認し、完全に本人の責
任が認められる場合にのみ失格とする。
各ポイント通過選手の把握と報道は重要。
残ったバイクの確認など。 *スイムが終了しているのにバイクが残っている場合の確認。
<スイム/バイク トランジション>
□バイクラック周辺の管理
競技の妨げにならないよう、散乱したウェットスーツ、ゴーグルの整理を行う 。悪質な場合は、レース
ナンバーをチェックし、審判長に報告する。
<マーシャル集合時間と審判会議>
□大会当日
スタート2時間以上前:スイムスタート地点集合
バイク終了後、ラン終了後:審判報告会議、必要に応じ随時開催
□技術代表、審判長など主要審判員は、早め(3〜4日前)の現地入りを推奨
□不適合用具類のチェック
バイク、バイク用具、ウェットスーツ等の違反用具の抜き打ち検査 。
□観客・報道関係者の管理(許可者以外の立ち入り禁止)
原則としてコーチ等も立ち入りも禁止。
テレビコードのからまり注意。
□ヘルメットストラップの装着義務の徹底
<審判全体>
□タイムテーブルの確認
全体運営のタイムキーパーの配置。特にスタートのタイム管理は厳密に。
ストラップを締めてからバイクを取る。 バイクをラックに掛けてからストラップを外す。
□選手のレースナンバー、ユニフォームを整えさせる
ウェアがどうしてもうまく着れない場合、「瞬時にできるアシスト」を許容範囲とする。
□乗車ラインの監視と指導
□配置と必要備品の確認
前輪先端がラインを越えたら乗車許可。
5
<バイクコース>
□違反行為の防止対応と注意
キープレフト: 多少の中央寄り走行は、一般に、より確実な安全のために許容範囲と判断することがある。
前方注意義務の指導 : 「前をよく見て」と注意することも。
□左側追い抜きの対応
<エイドステーション>
□減速せずにひったくるような受け取りかたは注意・警告。審判長への報告。
□万が一、スタッフに罵声を浴びせたなどは、いかなる罰則よりも重い。
誘発した先行者に問題があることが多い。 この場合、追い抜いた選手よりもセンター寄り走行をしてい
た選手に注意を与えること。
□ドラフティングへの対応(ドラフティング禁止の場合)
「追い抜く意思を持って、前に進んでいるかどうか」をみる。上り坂付近で、双方もがきながらペダルを
踏んでいるような状況では、多少接近していても、許容範囲と認める場合が多い。
□一般車両との接触事故の防止
□降車ラインの監視と指導
降車は、前車輪の先端がラインを越える前に降車する。 降車とは停止とは違い、ライン手前でストップ
させることではない。STOP のコールは避ける。英語では、DISMOUNT。
完全規制でない場合、あまりに危険な走行の一般車両には注意して理解を求める。
□報道車両の指導監視
ドライバーとの事前の打合せが最重要事項。
急坂やカーブ地点では自転車のほうが早いことを認識願う。
□危険・事故対応(安全優先)と担当スタッフへの指導。
国際的なトップ選手と一般選手のバイク走行は著しい違いがある。例えば、カーブ地点では、コーナーを
る場合は目立たぬように。
ぎりぎりに走行することが多い。コーナー付近の完全防護と砂利ゴミの掃除。掃除用具の準備。
カメラマンや観客そして審判員が、これに気付かず接触することがある。
フェンスの脚部が地面に設置していて選手から見えないような場合には、コーンを置くなどにより注意を
促す必要がある。
□転倒時の緊急対応
□「公式掲示板」へのペナルティー、結果などの掲示
「公式掲示板」の位置は必ず事前に告知し、確実に見えるよう設置する。
後続選手への減速指示(旗を振るなど)
転倒選手がすぐ立ち直れない場合、速やかにコース横に避難させる。この場合、手を貸すことは安全優先
のためであり、審判員に許容されるアシストの範囲内とする。
このような突発的な状態では選手が動揺したり興奮している。審判員は、このことをよく理解し対応する。
「大丈夫ですか(審判員)」「大丈夫です(選手)」と無条件に答えても、実際にはそうでないことがある。
転倒した選手に声を掛け「意識が正しいか」を確認する。出血がないか、ケガの状況はどうかも確認。
「不安部分、選手からのクレーム」などを尊重して対応。
□競技・運営ルール適正化のための研究・研鑽
「来年いかに改善すべきか」に重点を置いた建設的な報告が有効
□トライアスロンの総合的な発展と普及に係わる検討
失敗から学ぶ精神。全国の大会が一つの失敗から学ぶ連携。
次に、「ヘルメットが割れていないか。バイクは歪んでいないか。用具は外れていないか」などを点検す
る。
状況が思わしくないのに続行の意思がある選手には、「安全が第一です」という気持ちを込めた言葉でリ
タイアを促すことも必要。
これらの対処の後、問題ないと思われ、本人の再復帰への意識が明快なときは、「注意して続けてくださ
い」との一声をかけ送りだす。
第6章
<バイク/ラン
トランジション>
<ランコース>
「マウンテン・バイク」での審判員: 基本位置は選手の後方、センター寄り。TV カメラ等のメディアが入
<審判裁定と主要業務>
□マーシャル報告の収集と判定
マーシャル会議
技術代表、実行委員長との最終確認
<総合課題>
□安全管理と公正な競技の推進
移動マーシャルの業務
1.<競技者と観客そしてスタッフの安全第一>
公正な競技をめざしながら、「安全がすべてに優る」ことを認識する。選手のルール違反を誘発しない。
選手が車両に接近してきたら、ルール規定距離そして安全車間距離にまで離れるのが、乗務員の責任義務
である。 起こりえる事故を想定し対策を講じる。個々の分担に応じた、傷害保険を掛ける。
転倒の事例は、後々の参考になるため、周辺状況をメモし報告する。
□制限時間遅れ、周回遅れなどの対応
ワールドカップでは、周回遅れ(可能ある場合も)コースアウト(DNF)
先導バイクマーシャルと最後尾選手を追うマーシャルで管理
2.<バイクマーシャルの方法>
バイクマーシャルの基本ポジション: 注意・警告を与える場合の併走も、選手の右側2. 5メートルの確
保が基本。この場合、速やかに警告を与え、前方に抜ける。あるいは、状況により後方に下がる。
レッドカードまたは口頭指示でコースアウトさせる。
*注意のシグナルは、ピッという単音を「ピッ、ピッ、ピッ、..」というように連続して鳴らす。対象選手
6
が認識するまで鳴らし続ける。
*警告の手順により、競技を停止させ、ナンバーを整えさせることはマーシャルの権限の一つである。
*経験を積んだ選手になると、7 メートルのドラフトゾーンと規定内の 15 秒間を巧みに利用しようとする
傾向がある。
3. ドラフティング集団への対応の基本
3.競技スタート前
1.大会当日の受付時間の締切り時間を必要以上に早めないよう計画する。受付時間の締切り時間は、ス
タート前1時間を基準とする。ウェーブスタート実施の場合でも、この基準を守れるよう計画する。交 通
規制あるいは運営管理上、後続のスタート競技者がこれを大幅にこえる場合は、次に示す対応を行い、競
技者の負担を減らし健康管理を優先する。
2.スタート区分での待機時間。出入が規制されるスタートエリアには、次の施設を設置しスタート直前
選手の動きの把握(先頭交代のある意図的な集団走行をしているかなど)と進路の安全確認をしながら、
集団の進路右側から接近する。接近しても自発的に集団走行状態が解消されない場合、まず以下の手順で
解消する。
・ブロッキングの位置にある選手がいる場合、その一番前方の選手の前に出て距離を空けてキープレフト
走行に入るよう指示する(前に出られない場合は、後方確認しながら減速・後退させる)。
・この後にブロッキングの位置にいる選手がいれば、同様の指示を行う。
の緊張した競技者の体調保存に努める。
エイドステーション(水)
簡易トイレ(男女区分)
公式掲示板
さらに、気温が30度前後あるいはこれを越えることが予想されるときは、日除け施設あるいはこれに
代わるテント、日除けシートなどを設置する。
・縦列走行状態となったら、各選手に間隔を十分に空けるよう指示する。
続いてペナルティを与える選手(ブロッキング、ドラフティングの違反を行った選手)に対し、
・後方の選手から順にイエローカードを提示しながらレースナンバーをコールし、減速してコース左端に
寄るように指示する。
・減速させた選手の前に自動二輪が出て、選手を停止させる。
・選手を降車させ、バイクの横に両足で立たせ、両輪が地面から同時に離れるように自転車を持ち上げさ
雨天などにより20度前後あるいはこれ以下が予想されるときは、雨天対策、防寒対策を行う。
3.待機時間は、15分から最長でも30分を基準とし、これ以上1箇所に競技者をとどめることを避け
る。
ウェーブスタートでの後続スタート競技者も、第1スタート競技者と同様な待機時間を設定し、必要以
上に待たせない。
4. 適当な待機場所の確保
せる。
・後方から他の選手が来ないことを確認して発車を許可する。この際、各選手の違反の度合い等に応じて
時間差をもたせてもよい。
ペナルティを与えるかの判断においては違反の度合いに加え、厳しくルールを遵守させるべき大会であ
るか、自発的に守るよう期待する程度に留める初心者向き大会かといった要素も勘案する。軽微な違反と
5. オープニングセレモニーなどは、激励の挨拶を数分で終了することが望ましい。実施する場合は、
5分から10分で終了するよう計画する。また、このための集合時間で競技者を、必要以上に長く待たせ
る・立たせる・整列させるなどは行わない。
6. スタートエリアへの入場チェックのために、待機時間を長引かせない。
4.ウォームアップ時間と場所の確保
みなせ、かつ自発的に集団を解消した場合等は、再び集団走行しないよう注意を与えるだけもよい。先頭
交代といった意図的な集団走行があった場合は全員にペナルティを与えてもよい。ドラフティング状態に
あった選手について、他の選手のブロッキングによるものであったかも考慮する。選手人数に対しコース
が手狭であるなどコース上でストップアンドゴーを取ることが困難な場合、この場で違反の告知を行い、
後のトランジションでペナルティをとるか、またフィニッシュ後にタイムペナルティを与えてもよい。
スタート前のスイムでのウォームアップ時間と場所を確保する。
スタート15分から30分前までのウォームアップ時間を認める。
5.競技フィニッシュ後
1.緊急時の対応を計画し、一時、安静にできる保護施設を確保する。
2.レース終了直後に、身体を延ばしリラックスできるエリアを設け、簡易飲食物の提供を容易する。
第5章
付録:
水泳競技(スイム)
JTU運営規則の抜粋
第17条(概要と大会実施・変更・中止)
3.「競技内容の変更・中止の決定」は、競技スタートの1時間以上前には行い、競技者および関係スタッ
フに敏速確実な伝達指示を行う。
運営規則は競技規則とともに変化し、大会実施面の不備が起こる度に改定される。現状は、上位団体であ
るITU(国際トライアスロン連合)の Event Organization Manual が年度ごと更新されるので、これを
準用している。以下、重要ポイントを抜粋する。
第16条(競技者の健康管理)
第18条(スイムスタート)
2. スタート位置は、水辺から最短距離で入水が可能な陸上地点に設定する。この方法は、競技として最
も安定しており「スタンディングスタート」と呼ばれる。 スタート地点からから入水までランニング距
離を不必要に長くしてはいけない。スタート地点が狭い場合はウェーブグループを増やすなどにより水辺
安全な競技を行えるよう、大会期間中の競技者の健康管理には次の留意点により十分な配慮を行う。
への最短距離を確保する。
第4章
登録と競技者管理
7
3. スタート地点の状況によっては、下半身が水中に入ってスタートする方法、水中に浮かびながら整列
する「フローティングスタート」などを利用する。 いずれの場合も水面上に明確なスタートラインを掲
示しなければならない。
補足説明: スタートの要点は、「走らせない」ことである。
第19条(ウェーブスタート/時間差スタート)
1.スタート時における競技の平等と安全のため、競技レベル、性別、年齢別などにより区分された一定人
数のウェーブスタートの実施が求められる。
2.各ウェーブの競技者数は、大会区分・コース周辺状況・コース設営状況・運営内容・スタッフ配置状況
により決定され、基本として1グループ250名以内を基準とする。
なお、同一ウェーブの競技者数は、少ないほど監視救助効率が高まる。さらに、競技者どうしの接触が減
り競技性の向上が図られる。
第20条(水泳の安全管理)
1.水泳競技の安全管理の基本は、いかに迅速に競技者を救護できるかである。そのため、競技者から至近
距離にコースブイや救助スタッフを配置し、総合的な救助体制を確立する。
(財)日本赤十字社の統計によれば、水泳での救護時間の有効範囲は1分以内とされている。基準としては、
競技者から20mないし30m以内にコースブイや救助スタッフが位置するよう計画する。
2.救助体制は、救護経験者やダイバー、船外機付ゴムボート、サーフボード、ボート、ジェットスキーの
配置、およびコースロープや目標ブイの設定などにより構成する。
4.安全確保のために、一般にはウェットスーツの着用が奨励される。また、競技環境と大会区分により、
水温のいかんにかかわらず事前に着用を義務付けることがある。
第21条(スイムコース)
1.水温は大会前日(スタート時間基準)と大会当日のスタート1時間以上前に計測する。計測箇所は、コ
ース中央の水深60cm および周辺、スタート地点付近の複数箇所とする。
4.大会当日は、1時間から2時間前に計測する。
5.技術代表と審判長は、競技委員長や選手代表などの意見を参考にウェットスーツ着用の可否を決める。
6.計測結果とウェットスーツ着用の可否は、公式掲示板やアナウンスで確実に競技者およびスイム担当者
に伝える。
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JTU競技規則のキーワード
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項 ()
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57 113
58 115
59 117
61 120
62 122
キーワード
オリンピック
国民体育大会
2012年
2013年
公平かつ安全
謳歌
大会スタッフ
写真付き身分証明書
注意
個人的援助の禁止
ブロッキング
ブロッキング
ブロッキング
一番外側に
脱いではならない
製作メーカー
携帯電話等使用禁止
新技術
競技用具の検査
インターバル
DNF
ナンバーシール貼付の側
統括審判員の許可
バイク前輪の最前部が
バイクから離れて走行
3つのグリップポジション
エアロバー装着の禁止
ドラフトゾーン
ドラフティング
キープレフト走行
ドラフティング走行の拒否
追越し
追い越された
追越し速度を持続
複数の先行競技者
先行する競技者
追越された競技者
2014.2.23
内容
2000シドニー 2004アテネ 2008北京 2012ロンドン 2016リオデジャネイロ (パラ) 2020東京
2002高知(デモ) 2009新潟村上(公開) 2014長崎(公開) 2016岩手(正式競技)
4/8ASTCトライアスロンアジア選手権館山大会 9/30ITUワールドトライアスロンシリーズ横浜大会
5/11.12 ITU世界トライアスロンシリーズ横浜大会 (エリート・パラ・エイジ)
競技規則の目的。公平、安全な競技環境整えるための競技規則
声をそろえてほめたたえること。大会スタッフ、選手、地元民等、共に
大会役員、運営スタッフ、審判員、ボランティアなどの総称
7
16条 大会出場資格の譲渡の禁止
大会スタッフが与える。ボランティアも可
大会主催者から事前に許可を受けた支援は可
他の競技者の優先進路を妨害する行為
バイクで追越した選手が、7m以上開けないでキ-プレフト走行に入ること
1
バイクで他の競技者の右側を、同一の速度を保ったまま走行を続けること
2
ウエットスーツ禁止大会、規定のユニフォームは一番外側に着用
上記以外のウエアを着用した場合、競技終了まで脱いではならない
競技用具は、製作メーカー指定の取り扱い方法を守る。
大会規程で緊急時の使用が認めら場合は可 ロング大会等
2
新技術を用いた競技用具の使用は、事前に許可が必要
規則に適合の検査であり、競技用具の安全性を保障するものではない
スイム終了後、バイクスタート地点へのバス移動等
did not finish 未完走 DNS did not start 未出走 DQ disqualified 失格
競技用具を置き、トランジションを行う。ハンドルバーがあるようにバイクをセットする
トランジションエリアへのクーラーボックス持込、競技用具の持出、立入り に必要
乗車ラインを通過してから乗車。降車ラインを通過する前に降車
禁止。理由のある逆走時は押す、パンク等走行不可能時は担ぐ
3
ドロップハンドル。ハンドル上部、下部、ブレーキブラケットの箇所を握るポジション
小学生、中学生は使用禁止ではなく、装着禁止
2
バイク前輪の最前部を基点として、後方7m 横幅3m 車両は35m 5m
他の競技者、車両のドラフトゾーンに入って走行する行為 禁止
バイク規則の基本。コース左端から1m、広いコースは1/3を走行
他の競技者がドラフティング走行をされているときは、拒否する事ができる
追越しを試みているときは、他の競技者のドラフトゾーンに進入可 15秒以内
追越し中の競技者前輪最前部が先行する競技者前輪最前部より前に出る
追越した競技者は、追越速度を持続させ、7m以上引き離してからキープレフト
一気に追越す。競技者数×15秒
追越されるまでは加速をして競うことができる
追越された瞬間から加速を止め、追越した競技者のドラフトゾーンから脱する
15秒以内 ドラフトゾーンから脱する前に抜き返してはならない
ドラフティングレース バイク競技でドラフティングが認められる大会。 JTUが承認した大会に限定
周回遅れ
ドラフティングレースの周回コースでの周回遅れは、コースアウトとし、競技を停止する
フィニッシュ
単独でフィニッシュラインを走りぬく。帽子、サングラスを外すことを推奨
同伴フィニッシュ
事前に許可する旨が公表されていること。大会スタッフの指示に従う
出場競技者の同伴フィニッシュは、レースナンバー、計測チップをはずして行う
罰則の適用
審判長又は審判員が宣告。最終決定権限、責任は審判長が負う
指導
大きなアドバンテージ、順位の変動のない行為に対して科す。改善を求める
タイムペナルティ (TP)
大きなアドバンテージ、順位の変動、危険行為、重大なマナー違反に対して科す
タイムは事前公示。違反1回30秒を基準。繰り返しはより重い罰則
イエローカード・ホイッスル
指導・TPでのイエローカード・ホイッスルで告知する (必須条件とはしない)
ストップ・アンド・ゴー (SG) ストップ・降車指示・バイク持上げ指示・ゴー 安全確保できるコースで行う
失格 (DQ)
故意による悪質な違反、重大なマナー違反に対して科す
競技を停止。大会運営に支障を来たさない場合は、競技続行を指示できる
失格の裁定は、競技終了後の審判長裁定まで確定しない
ドーピング違反
1回で資格停止。2回以上で追放
技術代表
テクニカル・デリゲート(TD) 競技規則に則った大会開催を保障する責務
審判長
レース・レフェリー(RR) 審判員を指導、違反の最終的な判定を行う
チーフ・テクニカル・オフィシャル CTO 審判員の職務の割当及び監督を行う
審判員
レースオフィシャル(マーシャル)与えられた権限の下に競技規則に則った大会運営
審議委員会
コンペティション・ジュエリー 抗議に対する裁定を行う (審判長は委員になれない)
判定
下記の違反への判定(ジャッジメント・コール)への抗議は受け入れられない
ドラフティング・ブロッキング・暴言などスポーツマン精神に反する言動
競技開始24時間前まで。安全確保に関する抗議はこの限りでない
1 コースに関する抗議
トライアスロン大会参加選手用 熱中症対策
(2013.6.8 改訂)
2013 年 6 月○日
公益社団法人 日本トライアスロン連合(JTU)
JTU メディカル・アンチドーピング委員会、JTU 強化チーム
【はじめに】
暑いさなかに、トライスロン参加選手が快適で安全に競技し、ベストパフォーマンスを発揮するた
めに注意しなければならないことをメディカル面からまとめました。日頃から、選手自身の身体の
リズムや機能を知るために、次の内容をよく理解し大会に備えてください。
1.ポイント
1) 体温が上がりすぎると、身体能力(パフォーマンス)が低下し、同時に判断能力が低下する。暑
熱環境下で運動機能を維持するには、体温を下げる努力が効果を発揮する。
2) 体温を下げるには、①定期的な水分補給、②カラダに水をかけ直接冷やすことが重要。③帽
子を被れば、頭部への輻射熱をさえぎることができる。
3) エイドステーションを一つ飛ばせば、数秒は早くなる。しかし、それで脱水ぎみとなれば、1 分以
上のペースダウンにつながるかもしれない。
4) バイクでは、ボトル 2 本(ノーマルサイズ)=1 リットルは準備したい競技用アイテムである!
5) バイク終了時にボトルに水が残っていると、「給水が不足気味」の目印といえる。
6) 保冷ボトルを活用すれば、冷えた水が、身体の中から体温を低下させる効率が上がる。
7) レース前、レース前日からの給水が大切。レース前から、身体は水分を発散している。
2.レース中に補給すべきもの
1.
まずは水分。
1) レース中の体重減少は、大部分が汗によって水分を失ったことによるもの。
2) 体重の 2%以上の水分を失うと血液濃縮が始まり、3%以上で運動機能が低下する。その
ため、体重減少が 2~3%以内に収まるように水分を補給しなければならない。
 スタンダードディスタンス(51.5km)での自分自身の体重の減り具合と必要補給量を知
る。異なる気象条件と運動強度で、体重減少を実際に測定しレースに生かす。
 例)気温 25℃、湿度 60%で体重 70kg の選手が、補給なしで 10km を 60 分で走ると、
体重 1kg が減る。2 時間 30 分で完走する間に体重 2.5kg が減少すると仮定する。体重
減少を 2%(=1.4kg)以内に収めるには、2.5-1.4=1.1(kg)の水分補給が必要。バイクボ
トル 2 本分+αの水分補給が必要となる。
2.
スタンダードディスタンス(51.5km)以上であれば、塩分補給が欠かせない。
1) 汗と一緒に塩分も体の外へ出る。汗に含まれる塩分は、1 リットル中平均 1.75~3g。
2) 水分を補給しても塩分が足らないと、浸透圧を一定に保つため、水分が血管の外へ出てし
まう。これにより、脚がつりやすくなる。
3) 塩分が足らないまま、水分だけを採れば、水分が血管外へ逃げてしまう(以下模式図)。
4) 2 時間以上の運動、急激に大量の発汗をした時には、塩分補給が必要となる。
5) 補給量は、汗と一緒に失った量よりも少ないくらいでOK。体の中にも塩分は含まれている
ので、少々の塩分喪失には対応できる。
6) 一般的なスポーツドリンクの、ペットボトル 500ml に含まれる食塩は 0.4~0.6g。
※ スポーツドリンクの塩分計算方法:成分表示「Na」を 2.5 倍したら食塩の重さとなる。
7) 薬局で売っている飲む点滴(経口補水液)には、ペットボトル 500ml に食塩が約 1.4g 含まれ
る。
8) 自分で「飲む点滴」を作るときは、ペットボトルの水かスポーツドリンクに食塩を入れる。目
安は、2 本の指でしっかりつまんで約 0.5g。
9) 塩分を摂りすぎると、血管外に水分を貯め込み、身体がむくんでしまう。塩分摂取は大事
だが、摂りすぎにも注意しなければならない。
10) 意識して塩分を摂る必要があるのは、レースの時のように、急激に大量の発汗をして汗と
ともに塩分を失ったとき。日常生活で常に塩分を多量に摂るのは控えたほうがよい。
11) 心臓や腎臓に持病があり、医師から、塩分制限を指示されていたら、特に注意が必要。不
安があれば、救護所の医師に相談してください。
12) 塩分補給も含め日常のバランスよい食事が大事。レース当日の朝食に梅干し(中くらいで
食塩 0.6g)のおにぎりと味噌汁(1 杯で食塩 1~2g)を食べれば、しっかりと塩分補給できる。
これで熱中症を防ぐだけでなく、レース中のパフォーマンスアップも期待できます。ぜひ、参考に
してください。大切なことは、自分の体調を感じながらレースを続けることです。一休みすることが、
何より効果があることを忘れないでください。(以上)