社会課題の解決につながる新サービスの創出を目指し 先進技術の研究

エンタープライズICT総合誌 月刊ビジネスコミューニケーション(Webサイトへ)
特集■NTTデータにおける先進技術への取り組み
1 NTT データの先進技術研究開発
社会課題の解決につながる新サービスの創出を目指し
先進技術の研究開発を推進
NTT データ 技術開発本部が取り組む研究開発領域は大きく 4 つある。ソフトウェア開発、プロジェクトマネジメント、IT 基盤、
そして本特集のテーマである先進技術だ。さまざまな先進技術をいかに新サービスの創出につなげていくかをテーマに研究開
発に取り組んでいる。本稿では技術開発本部のサービスイノベーションセンタが担う先進技術研究開発の概要を紹介する。
では、収集した情報とさまざまなデ
先進技術研究開発の技術領域
バイスの連携、ロボットをいかに活
用するかといった研究開発を進めて
NTT データは、あらゆる情報をデ
おり、必要となるさまざまな機能を
ジタル化して人・モノ・環境のリア
実装した基盤を開発している。さら
ル世界とサイバー世界を連携し、高
に認識・理解の領域では、音声や映
度な知識処理を可能にする“Digital”
像などのメディア認識、自然言語処
技術に注目している。このトレンド
理等に取り組んでいるほか、最近注
を踏まえ、情報の蓄積・分析、収集・
目 が 集 ま っ て い る AI( 人 工 知 能 )
制御、認識・理解というサイクル(図
に も 力 を 入 れ て お り、2015 年 10
1 参照)をどのように進め、強化し
月には AI ソリューション推進室を
ていくかをテーマに先進技術の研究
設置した。
開発を進めている。
株式会社 NTT データ 技術開発本部
サービスイノベーションセンタ
センタ長
風間 博之氏
ト、ヘルスケアなどに力を入れてい
る。各分野で社会課題を解決するよ
お客さまとの PoC に軸足を置き
グローバル対応も強化
うな新サービスの創出につながる研
蓄積される一方の大規模データに対
研究開発リソースを有効に活用す
ョンセンタの活動方針について、セ
応できる分析基盤の構築などに取り
るため重点事業領域を決めており、
ンタ長の風間博之氏は次のように述
組んでいる。また収集・制御の領域
現在は交通、エネルギーマネジメン
べている。
蓄積・分析の領域では情報の分析・
活用方法の検討、分析モデルの構築、
R&Dケイパビリティ
活動
方針
データ分析モデル体系
マルチエージェントシミュレーション
In-DB analytics
I
oT&
ロボティクス
さまと協力しながらいかに具体的な
蓄積
を重視し、積極的に PoC(Proof of
分析
収集
センシング
デバイスマネジメント
アクチュエーション
情報収集活用
技術の実現
制御
ヒューマン
オーグメンテーション
認識
理解
将来の成長
グローバルへの対応
図 1 NTT データの先進技術研究開発
58
「単なる技術開発ではなく、お客
∼先進技術開発を通じて、
新サービスを生み出す∼
先進技術
ビックデータ
ビジネスアナリティクス
究開発を目指すサービスイノベーシ
人工知能、関連I
T
・メディア認識
・自然言語、知識処理
PoCフェーズ
重点化
フィールドへ技術を展開していくか
Concept)を推進しています。グロ
ーバルへの対応も重要な要素です。
今まさにインフラ開発が進むアジア
での PoC が多いのですが、適した
フィールドがあればそれ以外の地域
でも積極的に PoC を推進していく
考えです。」
ビジネスコミュニケーション 2016 Vol.53 No.1