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遠赤色光吸収により光変換しつつ
蛍光を発するタンパク質の発見
静岡大学 学術院理学領域
講師 成川 礼
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光合成生物にとって光はエネルギーであると
同時に重要な情報である
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陸上植物は葉っぱが緑であり、クロロフィルが吸収する
赤色光と青色光を光合成に用いている
吸光度
クロロフィルa
400
500
600
700
波⻑(nm)
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水圏では、赤色光が水に吸収されて、
すぐに減ってしまう
http://www.haru-design.jp/led/led_experiment_1.php
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水圏には、緑色だけでなく、
多様な色の光合成生物が存在する
様々な光を吸収する色素が存在し、
生物毎に色素の種類が異なる!
光合成生物によって、「光の色の好み」
が異なる!
日本植物学会のホームページより
(http://bsj.or.jp/topics/02/)
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植物と同様の酸素発生型光合成を行うシアノバクテリアも、
水圏に多く存在し、非常に多様な生物群
多様な生理・生態的特徴
・生育環境:淡水性、海水性、汽水性、
陸生、常温性、好熱性、好塩性、好アル
カリ性・・・
・形状:球菌、桿菌、糸状菌、分枝状
菌・・・
・細胞分化:ヘテロシスト、ホルモゴニ
ア、
豊富なゲノム情報
アキネート
・40種近くの生物について、完全なゲ
ノム情報
・1.6-8.2 Mbのゲノムサイズ
多くの種で形質転換系が確立
Six et al., Genome Biology (2007)
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シアノバクテリアは、多様な光センサーを持ち、
多様な光応答現象を示す
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シアノバクテリアは、多様な光センサーを持ち、
多様な光応答現象を示す
多様な光質に応答するセンサー
光質依存的活性制御
反応スキーム
構造情報
シグナル伝達・細胞レベルの制御機構
Narikawa et al. (2008) JMB, (2011) PCP, (2013) PNAS, (2014) Biochemistry,
Escovar et al. (2013) Biochemistry, Enomoto et al. (2014) JBC, Enomoto et al. (2015) PNAS
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シアノバクテリアの光応答現象例:
光依存的細胞凝集
Kawano et al. (2011) Plant Cell Physiol., Enomoto et al. (2014) J. Biol. Chem., Enomoto et al. (2015) PNAS
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理解した光応答システムを用いて、
応用利用できないか?
Noji, Narikawa et al. unpub. data
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光センサーとしてでなく、
蛍光プローブとしても利用可能?
Sato et al. (2005) PNAS
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どのような光に応答するセンサーが
有用であるか?
遠赤色光は、動物組織の
奥深くまで浸透する!
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従来技術①: ロドプシン & GFPは多様な光質を吸収
長波長光吸収型は発見・開発されていない
GFP系タンパク質
ロドプシン
http://www.nobelprize.org/nobel_prizes/chemistry/laure
ates/2008/tsien_lecture.pdf
Sudo and Homma 2012 薬学雑誌
http://microscopy.duke.edu/spectra.html
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シアノバクテリアの光センサーは
開環テトラピロールを結合する
長い
ビリベルジン
(BV)
光センサー
共役系
フィトクロモビリン
(PΦB)
光センサー
短い
フィコシアノビリン
(PCB)
光センサー
&
光合成アンテナ
フィコビオロビリン
(PVB)
光合成アンテナ
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従来技術②: BVは長波長の光を吸収。動物にもヘムの
分解系として存在。バクテリアの光センサーがBVを結合
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従来技術② VS シアノバクテリアの光センサー
・分子量:
大きい VS 小さい
・多量化: 多量体形成 VS 単量体
・吸収波長: 長波長 VS 多様だが、長波長ではない
Filonov et al. (2011) Nat. Biotechnol.
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BV結合型光センサーをシアノバクテリアから探す!
アカリオクロリスに着目
Tomo et al. (2011) J. Photochem. Photobiol.
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アカリオクロリスから、
PCBとBVの両方を結合できる光センサーを発見!
PCB
BV
特許出願中、Narikawa et al. (2015) Sci. Rep.
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PCB結合型もBV結合型も、
中間体を介さずに可逆的な光変換
→高性能な光スイッチとして期待
特許出願中、Narikawa et al. (2015) Sci. Rep.
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遠赤色光吸収型は蛍光を発し、
光変換により強度を制御できる
特許出願中、Narikawa et al. (2015) Sci. Rep.
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想定される用途・業界: 動物の組織レベルでの
細胞の光制御・分子動態可視化
Heme -> BV
Protein
or
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実用化に向けた課題①: 蛍光の量子収率改善
色素、特に、D環周辺のアミノ酸に変異を入れて、
蛍光の量子収率が増加し、実用可能な変異体を得るための
実験系を準備中
Narikawa et al. (2013) PNAS
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実用化に向けた課題②:
遠赤色光に応答する光スイッチのアウトプット系開発
光受容領域からのシグナリング
アウトプット活性ドメインへ伝達
トルク説
Moeglich et al. (2010) J. Mol. Biol.
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実用化に向けた課題②:
遠赤色光に応答する光スイッチのアウトプット系開発
cAMP合成酵素は二量化して機能
Ohmori & Okamoto (2004)
Photochem. Photobiol. Sci.
http://first.lifesciencedb.jp/archives/4640
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企業への期待
への期待
• 蛍光量子収率の改善については、ランダム変異導入と
蛍光検出系の技術により克服できると考えている。
• 動物の個体レベルのイメージング技術を持つ、企業との
共同研究を希望。
• 蛍光プローブを開発中の企業、バイオイメージング分野へ
の展開を考えている企業には、本技術の導入が有効と
思われる。
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本技術に関する知的財産権、問合先
・発明の名称
:蛍光特性を有する複合体 (未公開)
・出願番号:特願2014-202984
・発明者:成川 礼、池内 昌彦、佐藤 守俊
・出願人:国立大学法人 静岡大学
◎共同研究および関連する特許については、
静岡大学イノベーション社会連携推進機構にお問い合わせください。
コーディネーター :橋詰 俊彦、伊藤 寛章
TEL :054-238-4630 (静岡オフィス)
Email:[email protected]
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