年 頭 所 感 いまこそ原点に立ち返り 「在宅支援型老健」をめざそう 改定は、医療・介護の同時改定となります。 この重要な改定に向け、連絡協議会の下に、 提唱したいと思います。全老健よりその事業 計画書のスキームを御提示しますので、各支 あらゆる介護に関する団体が一丸となり、議 連の先生方にもお力をお借りし、なんとして 部におかれましては、これらの事業に積極的 に取り組み、総合確保基金活用のリーダー シップをとっていただきたいと考えています。 も必要な介護報酬財源を確保していかなけれ ばならないと思っています。 人材確保は喫緊の課題 総合確保基金は有効活用すべき 介護職員の人材確保の問題は、喫緊の重要 課題であると考え、私が会長に就任すると同 今後終生入所施設は余剰となる 運営方針を見直すとき さて、総務省の統計によりますと、平成 26 年の日本の 65 歳以上の人口は 3,296 万人 で、総人口に占める割合は 25.9%と過去最高 になりました。その一方で地方では高齢者人 口の減少が始まっているのも事実です。平成 26 年の診療報酬改定においては、徹底した 在宅志向が打ち出され、医療と介護が必要な 高齢者の、在宅の受け皿づくりが急務となっ ています。平成 24 年、平成 27 年の介護報酬 改定の流れを見ても、その受け皿として老健 施設が期待されていることは明確です。一言 でいうと多くの老健施設が「在宅支援」に積 極的に取り組むことが求められているのです。 「介護離職ゼロ」の名の下に多くの特養が 整備されようとしています。一方ではサービ ス付き高齢者賃貸住宅も急増しており、今後 我が国の終生入所施設は余剰となってくるで しょう。今こそ老健施設の経営者は、老健施 設創設の原点に立ち返り、「終生入所型」か ら、「在宅支援型」へと、老健施設の運営方 新年明けましておめでとうございます。 昨年は、新年早々日比谷公会堂において、 「 『介護』を育む緊急全国集会」を開催し、全 国から 2,000 名を超える方々にお集まりいた だきました。また、一昨年の後半には、全国 の会員の皆様に多大な御尽力をたまわり、 「介護従事者の生活と人生を守り、利用者へ のサービスの質を確保するための署名」が、 142 万筆以上集まりました。しかしこのよう 動を行うこと。 ② 全老健単体ではなく、介護にたずさわ る団体が大同団結をして、この活動を行 うこと。 の 2 点であります。 そのために私は、昨年、老健連盟にお願い をしたところ、老健連盟の働きかけにより、 麻生太郎財務大臣を会長とする「地域包括ケ アシステム・介護推進議員連盟」が立ち上げ 時に、人材対策特別委員会、管理運営委員会 介護職専門化部会を設置いたしました。加え て、今年度新たに「人材マネジメント塾」を 2 度にわたり開催するとともに、介護職のイ メージアップを目的とした動画を作成し、動 画共有サイト等に配信いたしました。再生回 数も日々更新され、関心の高さが伺えます。 また、私が同じく会長を務める三重県老人 保健施設協会では、「平成 27 年度地域医療介 護総合確保基金(介護分)」を活用して、元 気高齢者を活用した「介護助手」のモデル事 業を実施しています。掃除、洗濯や食事の片 付け、ベッドメイクや利用者の趣味活動の手 伝い等の作業を介護助手にお願いし、介護職 が本来の介護業務に専念するための試行的な 事業です。元気な高齢者に参画していただく ことにより、①元気高齢者の介護予防に対す る意識の向上、②介護職の専門職化、③介護 現場の負担軽減、④日本の超高齢社会は高齢 な努力にもかかわらず、最終的にマイナス改 定になってしまい、会員の皆様には心よりお られました。この議連には、現在 139 名とい う多くの国会議員の皆様にご入会いただいて 者自らが支えるという意識、等々まさに一石 四鳥の効果が考えられます。 詫びを申し上げたいと存じます。 しかし、財政健全化という観点からいたし ますと、将来的にもマイナス改定の可能性は 否定できません。今後のマイナス改定を断固 いるとのことです。さらにこの議連を支え、 必要な要望を行うために、老健連盟の呼びか けにより「地域包括ケアシステム・介護推進 事業者団体連絡協議会」の設立が企画されて さらに私は、消費税を財源としたこの基金 を、より有効活用すべきだと考えています。 基金を活用すべき 3 本の矢として、①元気高 齢者を活用した介護助手事業、②老健施設に として阻止するために必要なこと、昨年の介 護報酬改定にたずさわって痛切に感じたこと います。すでに 30 近い団体から連絡協議会 に賛同の表明がなされており、介護にたずさ おける看護に興味を持つ現役看護師・未就労 看護師に対する老健施設看護研修事業、③急 ます。「在宅支援型」の老健施設をめざす際 に、是非役立てていただければと思います。 皆様方におかれましては、今年が輝かしい 飛躍の年となり、また、老健施設の益々の発 が 2 点あります。それは、 ① 必要な財源を確保するための強力な活 わる団体が大同団結して活動をする端緒にな ることを期待しています。平成 30 年の次期 性期・回復期の病院職員(医師他)と老健施 設職員の、職員間合同研修事業(医療分)を 展の年となることを祈念いたしまして、新年 の挨拶とさせていただきます。 全老健会長 東 憲太郎 4 ●老健 2016.1 004-005年頭所感(五)1211.indd すべてのページ 針を見直すべきではないでしょうか?そのた め全老健では、昨年 9 月に『在宅支援推進マ ニュアル』を発刊し、皆様にお届けいたしま した。このマニュアルは、地域を支える老健 施設として必要なノウハウを具体的に示して おり、非常にわかりやすい内容になっており 老健 2016.1 ● 5 2015/12/11 16:49:04
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