航空宇宙産業の新規顧客開拓と受注拡大のための人材育成プロジェクト

経済産業省
平成25年度補正予算事業
地域企業人材共同育成事業
事例集
地域企業人材共同育成事業とは
地域の中小企業では、大企業に比べて事業範囲や配属部署が限られているために社員が様々な部署での経験を
経て能力を伸ばすことが難しい場合も多いことから、社員の能力を伸ばす多様な機会を提供することで、地域の
中小企業の魅力を向上させることができるのではないかとも言われています。
本事業は、「地域人材育成コーディネーター」を中心とした、地域の複数の中小企業(注)等による「地域人
材育成コンソーシアム」の組成を支援し、地域の企業間での人材育成を目的とした出向・他社でのOJT研修、コ
ンソーシアム内でのOFF-JT研修による人材育成等の実証を行うことで、未来の地域産業を支える人材を共同で育
成する仕組みを構築することを目的とします。
(注)本事業における中小企業とは、中小企業基本法
(昭和38年法律第154号)第2条に規定する中小企業者をいう。
地域人材育成コンソーシアム
A社
C社
E社
地域人材育成
コーディネーター
○地域の企業間での人材
育成を目的とした
出向・他社でのOJT研修
の実施
○他企業等との人材交流
によるOJT研修の実施
○OFF-JT研修の共同企画、
実施 等
大学、研究機関等
地域人材育成
コンソーシアム
地域人材育成コーディネーターを
中心に、地域の企業間での人材育
成を目的とした、複数の中小企業
等で構成される組織。
地域人材育成
コーディネーター
本事業の中心となり、コンソーシ
アムの運営や共同人材育成研修の
企画・運営等を行う者。
地域人材育成
コンソーシアム
構成企業
本事業の趣旨・目的に賛同し、共
同人材育成研修に参加する中小企
業・団体等。
B社
D社
F社
目次
1.異業種交流型地域人材育成コンソーシアム
1-1.NPO法人キャリアプロジェクト広島
プロジェクト名:安芸高田市「地域人材育成コンソーシアム」
P.3
1-2.株式会社JTB北海道
プロジェクト名:北海道の食・観光関連産業における
外国人観光客受け入れ環境整備に向けた人材育成事業
P.7
1-3.NPO法人プラットフォームあおもり
プロジェクト名:持続可能な起業経営強化
のための若手人材育成支援事業
P.11
1-4.株式会社クオリティ・オブ・ライフ
プロジェクト名:共同人材育成プロジェクト「ベンチャー人財連盟」
P.14
■異業種交流型地域人材育成コンソーシアムとは?
特定の地域、あるいはある特定テーマ(観光、地域資源(食のバリューチェーン、
伝統工芸)等)に特化した企業群を一つの経営体と捉え、地域中小企業や中小企業
支援機関等が連携して地域人材育成コンソーシアムを組成し、人材育成を行う。
2.産業クラスター型地域人材育成コンソーシアム
2-1.公益財団法人南信州・飯田産業センター
プロジェクト名:航空宇宙産業の新規顧客開拓と
受注拡大のための人材育成プロジェクト
P.16
2-2.公益財団法人関西文化学術研究都市推進機構
プロジェクト名:けいはんな地域EV人材育成プロジェクト
P.19
■産業クラスター型地域人材育成コンソーシアムとは?
ものづくり産業を中心とした産業クラスター(※)が本事業実施以前から形成されて
おり、産業クラスター会員企業のマネジメント組織(公益法人等)を中心に、産業
クラスターでの、製品開発、販路開拓、共同受注体制構築等を目的とした人材育成
を行う。
※産業クラスター:特定分野における関連企業、専門性の高い供給業者、サービス提供者、関連業界に属する企業、
関連機関(大学、規格団体、業界団体など)が地理的に集中し、競争しつつ同時に協力している状態
2
1-1.特定非営利活動法人キャリアプロジェクト広島
『安芸高田市地域人材育成コンソーシアム』
事業概要・目的
●コンソーシアムを組成することにより、出向・他社でのOJT研修などによる登録企業の
人材育成の仕組みを形成する。
●個社では取組困難なOFF-JT研修を複数企業が集合し実施することで研修機会を提供する。
●安芸高田市の複数の中小企業が、本事業を活用することで「採用力」「育成力」「定着力」を
向上し、地域経済の将来を担う人材の育成を強化する。
事業スキーム
(1) 出向・他社でのOJT研修の実施
(例)
(例)
・登録企業
・製造業
(2) OFF-JT研修の共同企画・実施
A社
B社
・登録企業
・製造業
・B社の依頼によりA社から中堅社員の出向(B社社員の成長も兼
ねる)
・事前研修、事後研修、カウンセリングなど計画・実施
●人材育成効果向上
Ⅰ 人材育成型 Ⅱ 業務支援型 Ⅲ 労働補完型
双方の企業ニーズに即した出向形式を設定
・コミュニケーション向上研修
・ビジネスマナー研修
・自己啓発研修 など
・登録企業社員の合同研修
・コーディネーターによる研修案企画、運営(講師依頼、当日進行など)
C社
D社
E社
●登録企業の共通課題
解決を目的とした研修⇒人材育成効果向上
研修参加企業ニーズ、課題解決に繋がるテーマを設定
研修内容
テーマ
内容
実施方法
製造業における生産ラインの材料供給を担当。
製造業のものづくりや、物流・運送に求められる
ことを理解する。
【送出し】株式会社やまひろ運輸
【受入れ】南条装備工業株式会社
生産ラインの材料供給業務を担当、製
造業のものづくりや、物流・運送に求
められることを理解する。また、運送
業の立場から効率的な運搬方法をアド
バイスし、業務効率化を図る。
生産指導(柚子の収穫・搾汁業務の生産工程)
指導者の受入れ、人員の過不足補完
【送出し】ふるさとネットやすらぎ会
【受入れ】川根柚子協同組合
生産工程「柚子の収穫・搾汁業務」
における業務効率化を図るため指導
研修を実施。
繁忙時期の人員不足補完
出向・他社での
OJT研修②
コミュニケーション向上OJT研修
「甲冑まち歩き&神楽鑑賞」バスツアーの補助業務
【送出し】株式会社住吉
【受入れ】安芸高田市観光協会
観光ツアーの補助業務を体験し、「コ
ミュニケーション」と「接客スキル」
を向上する研修。
同時に、ツアーに同行することで地域
をより理解する。
OFF-JT研修①
安芸高田市での働き方を考えよう!
・職場での実践マナー研修
・地元に人とお金を取り戻す!
職場で実践するマナーを学ぶ研修と
地域で「暮らす」「働く」をテーマに
した講演会の実施。
OFF-JT研修②
電話応対パワーアップ研修
電話応対、敬語、コミュニケーション
向上などの実践研修。
OFF-JT研修③
安芸高田市での働き方を考えよう!PART2
・組織で役立つコミュニケーション
・5Sの取り組み方
組織内でのコミュニケーションを学ぶ
研修。5Sを理解し事業所の改善を目
指す研修を実施。
出向・他社での
OJT研修①
【出向契約を伴う研修】
出向・他社での
OJT研修①-2
【出向契約を伴う研修】
研修風景
OJT研修①-2
OJT研修②
OFF-JT研修③
3
1-1.特定非営利活動法人キャリアプロジェクト広島
『安芸高田市地域人材育成コンソーシアム』
出向・他社でのOJT研修①
【出向契約を伴う研修】人材育成ケース
メーカーの生産に携わることで、完成品の物流に携わる業務に生かす
知識と経験を修得
30代男性・物流作業者
研修の成果
参加者の経験・スキル
業種・規模
経験・スキル
製造業を営む地域の中小企
業において受入れを実施。
生産ラインにおける材料供
給に従事するにあたり物流
で身に着けた効率的な運搬
を実施。
運送業・105名
職種
物流軽作業
役職
軽作業担当
マインド
メーカーの生産現場を知る
ことで、業務における視野
が広がった。
経験・スキル
契約社員・6年目
会社への貢献
生産現場を知ることで、物
流に求められることを理解
し、改善に繋がった。
参加者(企業)
募集のポイント
研修企画・実施
のポイント
生産ラインの材料供給という業務を効率的に実施するためのスキル・経験が
あることを前提に募集。特に物流・運送事業者に積極的に声をかけ、製造業
が物流に求めていることを理解する機会として目的を設定し募集。
・送出企業で培ったノウハウを活かし、出向先企業の製造業における生産ラインの
材料供給を担当させることで、効率化を図る。
・効率的な運搬方法を出向先にアドバイスする。
・生産ラインで従事いただくことで、製造業が物流・運送に求めていること
を理解する。
研修に参加して
参加者
物流・運送という限定された分
野だと、荷主(今回で言えば製
造業)が何に気を配り、何を求
めているかを知る機会がなかな
かない。今回は、物流に求めら
れることを知り、業務改善する
大変良い機会になった。
研修担当者(受入企業)
生産ラインの材料供給に従事い
ただいたが、運搬方法や運搬
ルートについてアドバイスいた
だき、受入側としても業務効率
化につながった。また、生産現
場を理解いただき、物流に生か
していただければと思う。
地域人材育成コーディネーター
送出し企業、出向者のみならず
出向者のスキル・知識によって
受入企業にもメリットがうまれ、
理想的な出向研修となったと感
じている。
Point of View
●物流知識のある出向者が、製造業において生産ラインの材料供給を担当することで、
受入企業の運搬等業務効率化につながる。
●製造業の生産ラインに従事することで、製造業のものづくりを理解し、
物流・運送に求められることを理解する。
4
1-1.特定非営利活動法人キャリアプロジェクト広島
『安芸高田市地域人材育成コンソーシアム』
出向・他社でのOJT研修①-2
【出向契約を伴う研修】育成指導ケース
出向先企業において、柚子を使った製品の生産工程の効率化を図る指導
を実施し、業務効率の改善に貢献
男性・農業従事者
出向者の経験・スキル
業種・規模
出向の成果
サービス業・10名未満
長年、農業法人に従事
農産物の販売・営業
職種
役職
理事
経験・スキル
大卒後、40年以上農業に
従事
経験・スキル
(受入企業)
地域の農業関係の協働組合
において、受入れを実施。
柚子の生産工程における収
穫・搾汁の業務効率が改善。
マインド
(出向者)
主に野菜の生産に携わって
きたが、今回果物の生産に
携わり生産の違い等新たな
発見となった。
会社への貢献
(受入企業)
繁忙時期の人員補完と指導
による業務効率UPにより生
産に貢献。
・受入企業において繁忙期の短期的な人手不足、また従事者の高齢化に伴う
出向者(企業)
選定のポイント
業務効率化の必要性。
・最低限の目的は人員の確保であるが、業務を効率化できる経験と知識をもつ
人材の受入れが望ましいという条件により募集。
研修企画・実施
のポイント
本事業における「地域の企業で人員の過不足を補完」という目的と、
受入企業側ニーズである「指導者の受入れ」の2つの目的を達成すべく、
農業従事者で経験・知識ともに豊富な指導者を選定。
研修に参加して
参加者(受入企業)
出向者の経験と知識を教授いた
だいたことにより、業務効率の
改善につながり、当社にとって
大変貴重な経験となった。また、
繁忙期の人員不足の解決にも
なった。
研修担当者(出向者)
地域人材育成コーディネーター
今回は果実を扱ったが、これま
で自身が農業で携わった米や野
菜とは違う面もあり、自分自身
勉強になった。企業には、これ
までの経験・知識をもとにアド
バイスができたと思う。
地域の企業間で人員の過不足を
補完し、地域の雇用を守るとい
う目的。地域の人材が持つノウ
ハウを地域の企業へ伝授すると
いう2つの目的を達成すること
ができた。
Point of View
●地域の企業が協力して、人材の過不足を補完する。
●地域の人材のノウハウを地域で共有し、ともに成長する。
●出向者を送り出した企業にとっては、出向者が出向で業務に従事できない間、残ったスタッフが業務を
遂行するため密にコミュニケーションをとり、一体感が生まれ業務効率が改善された。
また、出向者が出向を終えて本来の業務に戻った際に、出向先での取組を例に商品知識等の指導を行い
業務が改善した。
5
1-1.特定非営利活動法人キャリアプロジェクト広島
『安芸高田市地域人材育成コンソーシアム』
出向・他社でのOJT研修②
人材育成ケース
安芸高田観光バスツアーの補助事業を通じ接客・コミュニケーションの
向上。また、ツアーに同行し地域の理解を深める
20代女性(1名)
営業・販売
研修の成果
参加者の経験・スキル
建設業・住サービス全般
60名
業種・規模
職種
経験・スキル
地域の観光協会において、
受入れを実施。普段と違う
接客・コミュニケ―ション
を経験しスキルが向上及び
地域理解。
観光ツアーの補助事業を通
じて、地域への理解を深め
ることができた。
参加者の接客・コミュニ
ケーション能力向上により
営業に効果が出る。
営業・販売
役職
販売担当
マインド
経験・スキル
新卒入社2年目
会社への貢献
参加者(企業)
募集のポイント
安芸高田市内において、接客・販売・営業の職種で雇用している若手社員が
いる企業、さらに研修を通じて知識やスキルの向上に意欲的な企業を条件に
募集を行った。
研修企画・実施
のポイント
・地域の企業で働く若手のコミュニケーション・接客スキル向上に特化した
研修を企画。
・地域の観光ツアーに同行することで市外から流入就業者の地域理解も深める。
研修に参加して
参加者
普段の接客と少々異なる接客を
経験したことで、来客者への接
客応対スキルが以前よりも向上
した。また、安芸高田市外の出
身だったため、地域理解も深ま
り地域の話題にもふれることが
できるようになった。
研修担当者
ツアー参加者に満足して観光を
していただくことを念頭におい
て、普段の接客とは違う気遣い
などを経験してもらった。
また、多くの参加者へのスムー
ズな対応ができた。
地域人材育成コーディネーター
接客・コミュニケーションのス
キル向上が業務に役立ったこと。
また、参加者3名中2名が安芸高
田市外から就職してきた若手社
員であったため、地域を理解で
きる絶好の機会となった。
Point of View
●研修参加者の本来の業務では来店されたお客様の対応、商品ご案内が中心の仕事だが、本研修で
ツアー参加者に対し「ツアーをいかに楽しんでいただくか?」を目的とした接客が求められ、
接客スキルを向上するきっかけとなった。
●接客スキル向上の要因として、この度のツアーで地域の理解が深まったことにより、
接客の際に地域の話題にもふれることができるようになったことが大きい。
6
1-2.株式会社 JTB北海道
『北海道の食・観光関連産業における
外国人観光客受け入れ環境整備に向けた人材育成事業』
事業概要・目的
●北海道の食と観光という強みを活かし、増大する外国人観光客に対応できる人材を
育成することを目的とする。
●(株)JTB北海道が本事業のコーディネート機関として、人材育成に係る企業ニーズの調査、
研修計画の策定、企業のニーズマッチング等の取組を行う。
事業スキーム
●
参加者(企業)
募集のポイント
本事業開始に向けて、食・観光関連企業を中心とした企業リストを作成。
JTB北海道のネットワークを活用し、積極的に声掛けをした(800社以上へ
の声掛けを実施)。説明会に参加した42機関のうち、アンケートによる選考
と、業態、規模、業種の偏り、参加予定者の就業期間による2次、3次選考
を経て、最終17社へ絞り込んだ。
研修企画・実施
のポイント
各参加企業での取り組みの現状を把握し、先進企業での実際の取組を共有す
る他、外国人から直接意見を頂戴したりと、各企業単体では実施が難しいプ
ログラム・知識を習得することにより、自社での取り組み方法の見直しや企
業間連携・地域連携での実践的研修を実施できた。
7
1-2.株式会社 JTB北海道
『北海道の食・観光関連産業における
外国人観光客受け入れ環境整備に向けた人材育成事業』
研修内容
実施方法
●出向研修
外国人観光客受入
(メニューⅠ)
●異業種
ワークショップ
外国人観光客受入
(メニューⅡ)
第1回
第2回
第3回
第4回
観光業の基礎と旅行会社の機能
訪日インバウンドの基礎と先進地視察
訪日インバウンドの基礎と先進地視察②
マーケティング全般
外国人同行実態調査と意見交換
第5回 アクションプランの作成
/座学
/座学・現地視察
/座学・現地視察
/座学・ワークショップ
第1回
第2回
第3回
第4回
/座学・ワークショップ
/座学・ワークショップ
/座学・ワークショップ
/ワークショップ
観光業の基礎と旅行会社の機能
先進企業にみるインバウンドの取組み
地域連携による新商品ビジョン
新サービス、ビジネスプラン発表
/ワークショップ
人材育成ケース
30代 女性
訪日インバウンド受入に関する具体的なプランを構築、提案
研修の成果
参加者の経験・スキル
業種・規模
菓子メーカー
店舗販売担当者
職種
店舗における接客・
店内業務全般
役職
係長補佐
経験・スキル
勤続12年、店舗担当者とし
てはベテランであり運営全
般に関与
経験・スキル
メーカーとしての
アクションプラン構築。
マインド
店舗を管理する立場として、
インバウンドの重要性を認識
し、販売戦略と具体的なアク
ションプランを発表する中で
非常に高い意識を持たれてい
た。
会社への貢献
社内・社外への提案の実施。
その他
本事業参加者の中でも会社の
将来とインバウンドビジネス
展望を重ねながら具体的なプ
ランを構築していた。
Point of View
 参加者の認識が単なる製造・販売というところから、観光業の基礎・訪日インバウンドの動向・重
要性など知ることで、それぞれが受け入れを考える『地域経済を支えるプレイヤー』としての認識
を持っていただけた。
 研修後も、訪日インバウンド受入に関する具体的な企画を、JTBをはじめとした旅行会社へ提案す
るなどの動きがあり、本事業へ参加したことを契機として、外国人観光客の受け入れを能動的に行
う企業として意識・行動が変化をもたらすことができた。
8
1-2.株式会社 JTB北海道
『北海道の食・観光関連産業における
外国人観光客受け入れ環境整備に向けた人材育成事業』
人材育成ケース
40代 男性
新たな付加価値をつけたサービスに着手
研修の成果
参加者の経験・スキル
業種・規模
清酒製造・卸
従業員40名程度
経験・スキル
観光業の基礎を学んだことで、
自社の業界だけでなく、観光と
いう大きな視点で物事を考える
ようになった。
職種
店舗管理・企画営業
マインド
自社も観光業であるというマイ
ンドに確信が持てた。
役職
営業本部課長
会社への貢献
工場見学において、有料コー
ナーを設けて付加価値をつける
など、研修で学んだマーケティ
ングの視点を活用し、導入予定。
経験・スキル
店舗管理・企画
その他
研修で横のつながりができ、そ
れが深くなっていったことを
日々実感。
Point of View
観光業の基礎を一から体系的に学ぶ機会を得たことで、観光産業の一部であるという意識で今まで自らが
取り組んできたことが間違いでなかったことに確信が持てた。さらに研修で知識と刺激を受けたことで、
既存のサービスに付加価値をつけるアイデアが生まれ、その実現に向かって動いている。
人材育成ケース
40代 男性
インバウンド担当セクションを立ち上げプランを検討中
研修の成果
参加者の経験・スキル
業種・規模
運輸(タクシー)
従業員50名程度
経験・スキル
インバウンド担当セクション
を立ち上げ、具体的なプラン
を検討中。
職種
企画営業・ドライバー
マインド
観光というテーマの下に異業
種の方が集まり、研修を行う
ことで、地域と共働するとい
う意識が高まった。
役職
チーフ
会社への貢献
具体的なアクションプランを
インバウンド担当チームで
日々検討。
経験・スキル
他業界にてマネージャー業
を経た後現職
その他
研修で横のつながりができ、
それが深くなっていったこと
を日々実感。
Point of View
研修で異業種の人と一緒に学ぶにつれ、実際に横のつながりができ、“地域”というものを
より明確に意識するようになった。インバウンドの重要性は以前から認識していたものの、
さらに具体的な形にできるよう、担当セクションを立ち上げて、日々自社でできることを検討している。
9
1-2.株式会社 JTB北海道
『北海道の食・観光関連産業における
外国人観光客受け入れ環境整備に向けた人材育成事業』
研修に参加して
参加者
研修担当者
【全体を通して】
参加者は訪日インバウンド受
入整備の重要性は知りつつも、
どこからどう進めてよいかわか
らない状況が伺えた。その点今
回の研修でインバウンド受入に
関する各々の課題を共有し、単
体ではなく地域全体で連携して
取り組むことの重要性を認識で
きたことがとても有意義だった
と意見を頂戴している。
【全体を通して】
研修を重ねていく中で研修生
の意識が大きく変化していくの
を感じた。ある研修生が「最初
は頭がいっぱいでついていける
か不安」と1回目の研修で発言
していたが、最終回では「外国
人を受け入れていくことは“覚
悟を決めることだ“と気づい
た」と発言したのが大変印象的
であった。
また製造業と思っていた酒造
メーカーからきた研修生も、実
は観光業に関わる当事者であり、
観光の基礎を学んで土台ができ
たという意見も多かった。観光
業という広い視野で自分の仕事
を捉えてチャレンジしていくこ
との重要性を理解できたという
意見があった。
訪日インバウンドに対する体
制づくりの具体的なアイデアな
どを能動的に発表した、研修の
最終回では驚きと共に感動して
しまった。本研修をはじめとす
る同様な取り組みは、今後一層
必要になってくると感じた。
地域人材育成コーディネーター
【全体を通して】
観光業界において大半を占め
る中小企業の事業者においては
人材育成にかける時間やノウハ
ウ不足という現状がある。
この度メニューⅠではJTB北海
道に出向研修することにより、
外国人受入における国・北海道
の政策や現状、またJTBが推進し
ている人材育成や各業務内容を
広い視野で知ることができ、自
社の今後の業務に役に立つとい
う声があった。最終的にはアク
ションプランまで落とし込み、
研修終了後も自社で活用してい
る。メニューⅡでは当初、受講
者に差もあり、かつ異業種との
つながりもなく、今回のワーク
ショップを通じて他社の状況、
地域連携、観光資源の掘り起し
等、新商品・サービスの構築が
できた。参加者の1回目と最終
回での変化に驚いている。
研修風景
出向研修
JTB社内での各部署見学
現地視察の風景
ワークショップの風景
写真等
10
1-3.NPO法人プラットフォームあおもり
『持続可能な企業経営強化のための若手人材育成支援事業』
事業概要・目的
●多数の企業の若手担当者が参加する商談実習・プレゼン実習の実施
●実習準備や振り返りのためのOFF-JT研修の実施
●実習を通じで得た新しい課題やチャンスの「見える化」の支援
事業スキーム
若手・中堅社員
コンソーシアムメンバー
行政(青森県・青森市)
現場重視の
実践研修
支援・協力
大学・研究機関(青森中央学院大学・八戸学院大学)
金融機関(青い森信用金庫、東奥信用金庫、東北地区信用金庫)
NPO法人
プラットフォームあおもり
県内企業(約60社)
①OJT研修
【商談実習】(2回:青森市・仙台で開催)【プレゼン実習】(3回:仙台・首都圏で開催)
②OFF-JT研修
平成26年5月、7月、9月、10月、平成27年1月に青森市、八戸市、弘前市で、計15回開催
研修内容
テーマ
内容
実施方法
若手社員によるプ
レゼン練習タイム
OFF-JT研修内に組み込んだ「若手社員による
商品PRタイム」で、20分間の自社案内や商品
PRプレゼンを実施。終了後、参加企業や講師
陣から意見やアドバイスをもらう。
事前に希望者を募り、プレゼンの
準備をお願いしておき、当日発表
してもらう。
企業による商品PR
タイム
OFF-JT研修内に組み込んだ「商品PRタイム」
で、自社商品のPRと、希望する場合には企業
が研修参加者へ即売を行う。
事前に、商品PRタイムがある事を
周知し、希望企業は自社商品を持
ち寄り、当日に簡単な発表を行う。
商談会
OJT研修として、実際の商談会に若手社員を連
れていき、商品PRや即売を行ってもらう。
首都圏での商談会に出展し、希望
企業に展示場所を提供。アドバイ
ザーも連れていき、その場で指導
を行う。
研修風景
第1回中小企業経営力向上研修会風景
若手社員による商品プレゼンタイム
プレゼン実習(OJT研修:首都圏商談会)
11
1-3.NPO法人プラットフォームあおもり
『持続可能な企業経営強化のための若手人材育成支援事業』
人材育成ケース
30歳男性・営業職
研修参加企業間での契約が実現
研修の成果
参加者の経験・スキル
業種・規模
製造業・卸売業
職種
営業職
役職
経験・スキル
顧客のニーズに合った営業
ができるようになった。
職場での表情が明るくなっ
た。
マインド
営業職への異動をネガティ
ブに感じていたが、楽しん
で営業に取り組むように
なった。
会社への貢献
仕事への責任感がついた。
OEM契約の担当を任せら
れるまでになった。
その他
研修参加企業間での契約が
実現。
営業担当
経験・スキル
入社2年10ヶ月
製造課から営業職へ2014年
4月に異動となる。
営業未経験
参加者(企業)
募集のポイント
コンソーシアムメンバーである2信金2地銀(青い森信用金庫・東奥信用金庫・
青森銀行・みちのく銀行)と連携し、各支店長や融資担当者を通して、取引先企
業を積極的に勧誘したほか、当法人が受託している別事業の参加企業にも周知。
研修企画・実施
のポイント
①ベーシックな内容を中心に、繰り返し実践し、繰り返し振り返る場を提供する。
②OFF-JT研修に参加しているアドバイザーにOJT研修にも同行してもらうなど、
「顔の見える関係」の中で研修を進める。
③課題や疑問、不安にはできるだけ早く対応し、答えを出す。
研修に参加して
参加者
人前で話す事が苦手だったが、研修
会のプレゼン等で訓練できた事で、
商談会への自信がついた。研修で一
緒だったアドバイザーが商談会に同
行してくれる事で、不安が払拭され、
力を発揮する事ができた。
研修担当者
OFF-JT研修の回を重ねる度に、プレ
ゼン力が上がっていくのがよく分
かった。商談会の場では、同じ若手
同士、課題を共有しながら、どうす
れば商談がうまくいくか意見交換し
ながら研修に挑む事ができた。
地域人材育成コーディネーター
この企業は、青森市の新規事業
展開融資制度を活用した設備投
資を行っている。本事業の成果
を活かし、今後は雇用創出や若
手人材育成にも積極的に取り組
んでいくことが期待できる。
Point of View
 製造員から営業に配属されてすぐに研修会に参加。参加当初はコミュニケーションに苦手意識を感じて
いたが、日頃の研修や商談会での商品PRに至るまで伴奏型で適時指導することで、仕事への自信・モチ
ベーションも向上。結果としてクライアントとの契約担当窓口を任せられるまでに成長した。
 今後も製造現場をわかる営業職としての活躍が期待できる。
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1-3.NPO法人プラットフォームあおもり
『持続可能な企業経営強化のための若手人材育成支援事業』
人材育成ケース
40代女性・開発・販売職
研修会を通じて売上拡大・販路開拓に成功
研修の成果
参加者の経験・スキル
業種・規模
建築業、食品製造・販売
※食品部門は設立約1年
職種
開発・販売
役職
商品開発/販売担当
経験・スキル
経理経験約22年
食品開発経験約1年
経験・スキル
商品のマーケティングノウ
ハウの習得。
商品の対面販売におけるPR
力の強化。
マインド
自社商品の評価の場を頂い
たことで自信になった。
(専属社員1名で食品の開発
~販売を担当しているため)
会社への貢献
みそ商品の売上向上。
都内店舗に商品設置。
その他
POPの充実、SNSでの商品
PRなど、多くのアイデアを
頂いた。
参加者(企業)
募集のポイント
コンソーシアムメンバーである2信金2地銀(青い森信用金庫・東奥信用金庫・
青森銀行・みちのく銀行)と連携し、各支店長や融資担当者を通して、取引先企
業を積極的に勧誘したほか、当法人が受託している別事業の参加企業にも周知。
研修企画・実施
のポイント
①ベーシックな内容を中心に、繰り返し実践し、繰り返し振り返る場を提供する。
②OFF-JT研修に参加しているアドバイザーにOJT研修にも同行してもらうなど、
「顔の見える関係」の中で研修を進める。
③課題や疑問、不安にはできるだけ早く対応し、答えを出す。
研修に参加して
参加者
食品開発部門の専属は1名のため、
研修会を通じて困ったときに頼れる
多くの仲間ができた。また、自分の
開発した商品に自信がもてるように
なり、今後も研修会から生まれたア
イデア等を実行に移していきたい。
研修担当者
研修会内で、参加者や専門家に
積極的にアドバイスを求める姿
が目立った。専門家との信頼関
係が目に見えて分かった。
地域人材育成コーディネーター
地域資源を活用した、異業種産
業への参入を目指す企業に対す
る支援に関しては、特に人材育
成に関する支援が不可欠である
と思われる。
Point of View
 本研修会を通じて、①既存商品の改良へのフィードバック、②商品PR方法等へのアドバイス、等の指導
を受けた結果、売上向上や商品への自信、仕事へのモチベーション向上へとつながった。
 また、専属1名の部署のため、 困ったときに仕事のことやそれ以外のよろずの相談ができる多くの仲間
ができたことも大きな成果といえる。本事業のアドバイスを通じて首都圏への販路も開拓でき、今後も
更なる売上拡大や専属社員増員等が期待できる。
13
1ー4株式会社クオリティ・オブ・ライフ
『共同人材育成プロジェクト「ベンチャー人財連盟」』
事業概要・目的
●ベンチャー企業の人材採用・育成支援による成長の実現、さらには業界や経済の活性化に繋がることを目指す。
●東京の意欲あるベンチャー企業群へ、プロジェクトを進行しながら単独では難しい「知の交配」を促進、
人材の育成を図っていく。
●プロジェクトのテーマとしては「人材の育成」を掲げて各社連携することで、個別企業ではできない
人材育成企画に取り組んでいく。
事業スキーム
1)プロジェクトに参加した人材を育成する「直接的効果」と、プロジェクトで創りだす人材育成プログラム
(単独・連携)による各社内における人材を育成する「波及的効果」の、二重の人材育成効果がある。
2)ベンチャー企業(成長を志向してチャレンジする企業)を支援することで、各社の成長という
高い投資効果が得られる。
3)知の交配、PBL型OJT、合同研修、個別指導(メンタリング)の組み合わせにより、
高い人材育成効果を実現する。
4)ソーシャルネットワークなどを活用して、各企業が参加しやすい形式でプロジェクトの運営を行っていく。
5)クオリティ・オブ・ライフ(QOL)社におけるプロジェクトマネジメントや基礎スキル向上の
各種研修プログラムを活用して、高い育成効果を実現する。
6)アクティブラーニング(AL)社の持つ「知の交配」のサポートノウハウやファシリテーション技術を活用して、
高い人材育成効果を実現する。
研修内容
テーマ
実施内容・方法
1.本事業の意義や背景の説明
第一回研修 2.第一回OFF-JT研修:「人材育成に関する研修」(講師:株式会社BEYOND 取締役
3.OJT研修:ワークショップ
山田氏)
第ニ回研修
1.第二回OFF-JT研修:「人材採用に関する研修」(学生によるパネルディスカッション)
2.OJT研修:ワークショップ
第三回研修
1.第三回OFF-JT研修:「プロジェクト・マネジメント研修」(講師:クオリティ・オブ・ライフ
2.OJT研修:ワークショップ
第四回研修
1.第四回Off-JT:「人材育成・定着に関する研修」(企業の人事担当者によるパネルディスカッション)
2.OJT研修:ワークショップ
中間発表会
1.OJT研修:これまでの成果を発表、フィードバックと振り返りを行う。
2.最終発表に向けて
第五回研修
1.第五回OFF-JT研修::「新しい働き方等」に関して(企業担当者2名による講義)
2.OJT研修:ワークショップ
最終発表会
1.OFF-JT研修:「人材育成をどうするか?」(講師:人材コンサルタント 常見陽平)
2.OJT研修:最終の成果を発表、フィードバックと振り返りを行う。
原)
研修風景
第二回:学生とのワークショップ
第四回:人事担当者とのワークショップ
中間発表会
14
1ー4株式会社クオリティ・オブ・ライフ
『共同人材育成プロジェクト「ベンチャー人財連盟」』
人材育成ケース
部下との壁がなくなり、売上も向上
20代 男性
研修の成果
参加者の経験・スキル
業種・規模
業種:IT
規模:従業員数 250名程度
職種
営業
役職
営業チーム長
経験・スキル
入社6年目、チーム長経験
約1年。
売上の大半を自分が作って
おり、部下3名とのコミュ
ニケーションに課題感
経験・スキル
任せると放置の違いを認
識。KPIを定めて、しっか
りとレクチャーすること
を実践。
マインド
部下の人材育成の重要性
に気が付き、時間をつ
くって部下指導を行うと
いうマインドへ変化。
会社への貢献
部下が成長し始め、見込
み売上も昨対15%以上向上
その他
“教えてくれない”と、泣い
た社員が一番伸び始めた。
参加者(企業)
募集のポイント
東京にあるベンチャー企業であり、人材採用もしくは育成において課題を感
じている企業。かつ、本事業の意義に賛同してくれる企業。
研修企画・実施
のポイント
参加するベンチャー企業が抱えている人材採用・育成課題と、参加者が興味
を持ちそうなテーマを鑑みて研修内容を微調整。
研修に参加して
参加者
研修担当者
地域人材育成コーディネーター
人材の育成・採用・定着など、
毎回変わるテーマがタイムリー
に自分が悩んでいた課題だった
ため、吸収しやすく、ために
なった。
同様の課題を抱える人たちとの
ディスカッションを通して、う
まく自身の業務に取り入れて現
状を改善。研修に貪欲に取り組
んで頂いた成果だと思う。
講座・ディスカッション・発表
等、積極的に参加いただき、参
加者との意見交換の中で気付き
や変化があったようで何より。
Point of View
 ベンチャー企業の多忙な人材であるにも関わらず、他では経験できない“共感の場”を持てた
ことがモチベーションとなり、積極的な研修の参加につながった。
 研修を通して、明らかに自分を見る部下の目が変わってきていることを実感しており、今後
さらに具体的な成果が出ることが期待される。
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2ー1公益財団法人南信州・飯田産業センター
『航空宇宙産業の新規顧客開拓と受注拡大のための人材育成プロジェクト』
事業概要・目的
エアロスペース飯田(※)の中小企業10社を対象に、具体的な顧客をターゲットに、
顧客からの発注案件に応えられるように、検討案件の提供とコンサルタントのサポートを
受けつつ、中小企業の共同によるOJT研修およびOFF-JT研修を実施した。
※エアロスペース飯田:2006年に設立された「飯田航空宇宙プロジェクト」を母体とした航空・宇宙分野での共同受注チーム
事業スキーム
OJT形式(中核企業内で研修)
D社
A社
A/B/C/D・
・・社
B社
C社
コストダウン研修
E社
サポート
コンサル
F社
(公財)南信州・飯田産業センター
事務サポート
講師とのコーディネート
M社/J社より紹介
↓
コンサルタント
研修内容
テーマ
内容
実施方法
コストダウ
ン研修
国内航空機関連メーカー及び海外製造メーカー
との直接取り引きを行うに当たり、最も重要な
項目の1つである「コストダウン」の手法を現
場にて習得する。
※本事業では取引先の了解を得て機密保持契約に配慮
し、 合同研修時に共通言語を用いてコンソーシアム
メンバー間で研修での学びや成果を共有した。
生産技術
研修
QA研修
実際の製品を事例として、企業現場で各社
の担当者が参加し、コンサルタントによる
直接指導を受ける。
また、指導により得られた問題点や課題を
共有するため、合同成果発表会を開催した。
国内重工及び海外製造メーカーとの直接取り引
きを行うに当たり、重要な項目の1つである
「生産技術」の手法を現場にて習得する。
実際の製品を事例として、企業現場でコン
サルタントによる直接指導を受ける。
また、指導により得られた問題点や課題を
共有するため、合同成果発表会を開催した。
航空機産業においては、航空宇宙産業特有の要
求事項が織り込まれた品質マネジメント規格
(JISQ9100)の認証取得が必要であるが、実際
の受注に向けた、品質システムの再構築と規格
書手順書等の標準類の整備と記録の作成につい
て学んだ。
JISQ9100の各社の実際のマニュアルを見
直し、QAシステム構築に向け、企業現場
でコンサルタントによる直接指導を受けた。
また、課題を共有するため、合同成果発表
会及び総合プレビューを開催した。
研修風景
生産技術研修
QA研修
合同成果発表会
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2ー1公益財団法人南信州・飯田産業センター
『航空宇宙産業の新規顧客開拓と受注拡大のための人材育成プロジェクト』
人材育成ケース
40代
男性
コストダウン研修受講により製品コストダウンを実践中
参加者の経験・スキル
研修の成果
製造業
資本金 2千万円程度
従業員数 100名程度
業種・規模
精密冶工具製造
機械装置開発製造
職種
役職
生産管理課長
経験・スキル
航空機部品製造について、
大手との直接取引の経験が
なかったため、生産技術と
いう認識が不足していた。
参加者(企業)
募集のポイント
研修企画・実施
のポイント
経験・スキル
スタート段階における工程
設計の重要性を認識し、実
践し始めている。
マインド
利益を出すためのコスト意
識、改善意識を持つことが
できた。
会社への貢献
機械稼働率向上のため、オ
ペレーター兼務でない、専
任プログラマーを作る為に、
人選と教育を実施した。
その他
コスト意識を持たせ、改善
意識を高める為にはどうし
たら良いか考えて活動して
いきたい。
具体的な顧客からの受注案件に応えられるよう、エアロスペース飯田の
中小企業10社を対象に参加者を募集した。
エアロスペース飯田の中小企業が新規顧客開拓や受注拡大ができるよう、
具体的な顧客をターゲットに必要な知識や技術の習得に絞って行った。
研修に参加して
参加者
航空機部品製造における生産
技術の重要性と生産技術の作
業内容を知ることができた。
研修担当者
生産技術機能とその重要性
を認識することができ、社
内へのフィードバックが期
待できる。
地域人材育成コーディネーター
生産技術コンサルタントを通
して、航空機部品製造のコス
トダウンが期待できそう。ま
た、研修を通して、生産技術
機能の必要性を認識させるこ
とができた。
Point of View
 参加者は航空機部品製造における生産技術コンサルタントから8回に渡って直接指導を受け、
コストダウンのための生産技術という考えと業務を徹底的に学んだ。
 ご自身も課題意識を持って取り組まれ、社内へのフィードバックや選任プログラマー教育など
を始められており、今後、より具体的な成果に結びつくと期待できる。
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2ー1公益財団法人南信州・飯田産業センター
『航空宇宙産業の新規顧客開拓と受注拡大のための人材育成プロジェクト』
人材育成ケース
30代
男性
顧客対応力向上により、大手企業との取引が開始
研修の成果
参加者の経験・スキル
業種・規模
製造業
資本金 1千万円程度
従業員数 50名程度
職種
航空機車両部品製造
機械装置開発製造
役職
営業部長
経験・スキル
これまでの経験と、JIS Q
9100も取得したことから、
航空機部品業界でも、すぐ
に受注活動や生産活動がで
きるという楽観的な考えが
あった。
経験・スキル
業界用語の理解を始め、見積
り時点での理論的な説明の必
要性を痛感、繰り返し指導を
けたことで顧客対応力が向上。
マインド
顧客から想定される質問・要
望にも事前に備えるというマ
インドが生まれ、顧客との信
頼関係構築に役立った。
会社への貢献
実際に大手企業との取引が
開始。
その他
受注時の工程設計の重要性を
学んだ。
参加者(企業)
募集のポイント
具体的な顧客からの受注案件に応えられるよう、エアロスペース飯田の
中小企業10社を対象に参加者を募集した。
研修企画・実施
のポイント
エアロスペース飯田の中小企業が新規顧客開拓や受注拡大ができるよう、
具体的な顧客をターゲットに必要な知識や技術の習得に絞って行った。
研修に参加して
参加者
研修担当者
地域人材育成コーディネーター
航空機産業という特殊な業種
への参入や安全・安心の乗り
物を作るプロセスの重要性、
トレーサビリティの重要性を
強く学んだ。
顧客ニーズを的確に理解し、
QCDの満足度を上げることが
できると考える。
顧客要求を理解し、受注に生
かされるものと考える。今後
の受注拡大のきっかけになる
ことを期待している。
Point of View
 参加者は航空機部品製造における生産技術コンサルタントから9回に渡って直接指導を受けた。実
際の受注を目指し、顧客ニーズの理解、満足度の向上と、コストダウンの実践を徹底的に学んだ。
 結果として、顧客対応力が向上することで、大手の新規顧客からの受注獲得という大きな成果に結
びついた。今後は、社内への教育・体制構築を推進されるということなので、企業全体としての業
界対応力の向上が期待できる。
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2-2.公益財団法人関西分化学術研究都市推進機構
『けいはんな地域EV人材育成プロジェクト』
事業概要・目的
●単独企業で困難なEV人材の育成を、設備や受注機会等を共有し共同で育成する新規小型EV
事業を支える中堅社員の人材育成及び自動車整備事業における技術向上と人材育成。
●人材交流によるコンソーシアム加盟企業を含めた地域活性化。
事業スキーム
EVメーカ志向人材
(設計・製造・販売
整備志向人材
(整備)
ニーズに応じたOJT・Off-JT研修を支援
関西文化学術研究都市推進機構
(プロジェクト事務局)
研修内容
テーマ
内容
OJT研修
設計
応用研修(Off-JT)
実施方法
電気自動車CAD設計OJT研修
CAD設備(CATIA V)を導入し次機種の設計業務をテー
マに、指導者の下、全15回のOJT研修を実施。
CAE活用実習
CAD設計データをCAEツールを用いて構造解析し、設
計にフィードバックするプロセスを実施。
製造
電気自動車製造実習OJT研修
九州地区遊園地向け受注した電気自動車の製造でOJT
販売
電気自動車試乗・販売OJT研修
けいはんなで地域での長期実証運転、各種展示会出展
業務を通じたOJT研修を実施。
整備
電気自動車整備実習OJT研修
電子制御機構の故障診断ツール設備(スキャンツール)
を導入し、一級整備士資格を有する指導者の下で、全
6回の研修を実施。
技術講習
CADツール操作研修
CADの操作を学ぶための4日コースの研修。
低圧電気取扱特別教育研修
電気自動車向けの実習を加味した1日研修。
EVセミナー けいはんなEVフォーラム
次世代EVをテーマに日産、パナソニックを含めた外部
講師4人によるフォーラムと、その後の交流会を実施。
研修風景
CAD設計OJT研修
製造実習OJT研修
けいはんなEVフォーラム
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2-2.公益財団法人関西分化学術研究都市推進機構
『けいはんな地域EV人材育成プロジェクト』
人材育成ケース
EV開発に必要な設計知識と経験を身につける
30代男性・3級整備士
参加者の経験・スキル
研修の成果
業種・規模
自動車整備業
職種
自動車整備士
役職
整備担当
経験・スキル
自動車整備経験10年、
3級自動車整備士
経験・スキル
3D-CADによるEV車設計の
基本をマスターした。
マインド
より深い知識を得て、自ら
進んで問題解決に取り組め
るようになった。
会社への貢献
設計的な見方で整備に取組
み、日常整備業務の質が向
上した。
参加者(企業)
募集のポイント
従来の自動車整備業では、将来の見通しが厳しくなっている状況認識を
共有し、既存の技術も活用し、新たにEVの設計・開発・製造・販売に参
加の意欲がある企業。
研修企画・実施
のポイント
研修参加者は、自動車整備に関わる社員が多いが、「出来上がった物の
分解・整備」と「全く新しく車を設計開発すること」との違いを認識し、
別の見方で車を理解させるとともに、設計スキルを習得させる。
研修に参加して
参加者
研修担当者
地域人材育成コーディネーター
自動車を開発するやり方の
実態が分かり、自動車への
理解が深まった。CAD設計
にも携われて技術の幅が広
がった。
各研修内容を事前に整理す
ることで、教えるポイント
がつかめた。一方で、研修
者のレベルに合わせて教え
るのに苦労した。
参加者のレベル、経験に差
があるため、一律の研修の
難しさを感じた。技術力の
底上げには貢献できたと思
う。
Point of View
●研修参加前に共通の課題・目的意識を持って取り組むことが大切。
●自動車開発の全体像への理解が深まることで、日常の整備業務の質が向上した。
●実際の受注に応じて研修を組むことはスキル向上につながるが、納期や研修時期等の調整が
難しいことが課題。
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2-2.公益財団法人関西分化学術研究都市推進機構
『けいはんな地域EV人材育成プロジェクト』
人材育成ケース
30代男性・整備職
スキャンツールを使用した高度な整備技能を身につける
研修の成果
参加者の経験・スキル
業種・規模
自動車整備業
職種
自動車整備士
役職
専務
経験・スキル
3級自動車整備士
経験・スキル
スキャンツールを活用した
コンサル整備ができるよう
になった。
マインド
潜在的故障まで発見するこ
とで、信頼される整備士に
なれた。
会社への貢献
ディーラ持ち込みの削減に
より利益の向上。
参加者(企業)
募集のポイント
けいはんな地域で、事業継続の意欲のある整備会社であり、対象とする中堅
社員は、「3級整備士資格を持ち」、「スキャンツールの操作経験のあるこ
と」を条件とした。
研修企画・実施
のポイント
単にスキャンツールの操作を教育するのではなく、スキャンツールを活用し、
高度な整備技術の教育ができるようにすること、そのために適任の指導者(講
師)の選定・動員。
研修に参加して
参加者
故障車として入庫した時に
しか診断機を使用していな
かったが、潜在故障の発見
や、無駄な部品交換の削減
ができることが分かった。
研修担当者
できる限り、自分の経験を交
えて話をし、実感を持っても
らうようにした。
役に立つということを聞きや
りがいを持って取り組めた。
地域人材育成コーディネーター
地域で中心的な自動車整備企
業の支援と、すぐれた講師の
おかげで実施できた。この活
動を広げていき、整備会社の
活性化を図りたい。
Point of View
●EVの整備にて活用する高度な技術を実際の事例から学ぶことで、日常的な業務においても応用可能
な技術を修得。結果、潜在的故障の発見や無駄な部品交換の削減などによる、利益向上に寄与。
●スキャンツールを活用した研修に、機材・場所等含め、支援・協力をして頂ける事業者の協力があり、
本研修が実現。地域人材コンソーシアム内でのビジョン・目的の共有が非常に重要。
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お問合せ先
平成25年度補正予算事業地域企業人材共同育成事業全般に関するお問合せ先
○北海道経済産業局 地域経済部 地域経済課産業人材政策室
: 011-709-2311
(実施事業者:株式会社JTB北海道)
○東北経済産業局 地域経済部 産業人材政策室
:022-221-4881
(実施事業者: NPO法人プラットフォームあおもり)
○関東経済産業局 地域経済部 産業人材政策課
:048-600-0358
(実施事業者:株式会社クオリティ・オブ・ライフ、
公益財団法人南信州・飯田産業センター)
○近畿経済産業局 地域経済部 産業人材政策課
:06-6966-6013
(実施事業者:公益財団法人関西文化学術研究都市推進機構)
○中国経済産業局 地域経済部 産業人材政策課
:082-224-5683
(実施事業者: NPO法人キャリアプロジェクト広島)
平成25年度補正予算事業地域企業人材共同育成事業全般に関するお問合せ先
○経済産業省 経済産業政策局 産業人材政策室
:03-3501-2259
平成25年度補正予算事業地域企業人材共同育成事業 事例集 編集・作成
株式会社パソナ 地域企業人材共同育成事業 サポートセンター事業事務局