全胚培養の歴史 • • 全胚培養 • 全胚培養の歴史 • 1967 Circulator systemが考案される 【長所】ラットおよびマウス胚の器官形成期(ラット9~11日、マウス7~10 日)を96時間まで培養できた。 【短所】 準備に時間と手間を要する 一度の実験で培養できる胎子の数が少ない 培養液の消耗が激しい 汚染する確率が高い ~1920年代 1930年代 着床前の初期胚に関する報告のみ 全胚培養の研究が始まる。 血漿含有培地で、体節期まで培養。 1960年代 医薬品による催奇形性が問題となる。 時計皿を用いた凝固血漿培養法。培養胚の72% に血液循環系が形成され、30%が胚芽形成期まで発育 全胚培養の歴史 • 1970 • 1974 ローラーボトル法(Roller bottle/tube system)の開発 →長期培養に向かない 自動送気型回転式胎子培養装置(Rotator system)の開発。 改良(1978)を経て普及。 → 医薬品の代替試験法としては 使用されなかった。 Circulator system 培養中のラット胎子 回転式胎子培養装置 (全胚培養) <池本理化工業> Rotater system 1 ラット胎子培養法の実験条件 培養可能なラット胚およびマウス胚の発生段階と培養期間 実験動物:ラット胎子 体齢11日目、12日目 培養時間:48時間、72時間 解剖手技:Newの子宮壁切開法、Cockloftの卵黄嚢開放法、 他 培養装置:自動送気式回転培養装置 回転数:20回/分 培養温度:38℃ 培養液:ラット血清100% 培養液量:5ml 培養瓶容量:25ml 培養気相:5%CO2,95%O2混合ガス 培養気相流量:100ml/分 観察項目:(生理機能)胎子心拍動数、(分化機能)胎子総体節数、 (成長指標)胎子総体重、総蛋白質量、頭部長 等 (脳科学辞典Webより) 横山(2006)日薬理誌128:303より 胎生12.5日齢ラット胎子を用いた全胚培養の過程 A:妊娠ラット子宮から得られた受胎産物(d:脱落膜) B:胎盤側にて脱落膜を除去した状態(p:胎盤、R:ライヘルト膜) C:さらにライヘルト膜を除去した状態(ys:卵黄嚢) D:卵黄嚢の開口とラット胎子(e)の摘出 E:全胚培養開始6時間後 F:全胚培養開始42時間後 (J.Vis.Exp42,e2170 , 2010より) 応用の例 ① 細胞系譜や分化様式の研究 ② 発生毒性、胎子代謝、催奇形性など医薬品の 安全性試験 ③ 遺伝子導入や遺伝子発現制御技術を利用した 基礎研究 ④ 疾患モデル動物に対する遺伝子治療の研究 2
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