15. 航空法

無人航空従事者試験 標準テキスト
15.航空法
15—1 航空法の目的
無人航空機は、空を飛ぶ機器ですから、航空法とも密接に関わってきます。こ
の節では、無人航空機と航空法の関係を考えてみます。
【航空法】は、その目的について次のように定めています。
国際民間航空条約の規定並びに同条約の附属書として採択された標準、方式
及び手続に準拠して、航空機の航行の安全及び航空機の航行に起因する障害
の防止を図るための方法を定め、並びに航空機を運行して営む事業の適正か
つ合理的な運営を確保して輸送の安全を確保するとともにその利用者の利便
の増進を図ること等により、航空の発達を図り、もつて公共の福祉を増進す
ることを目的とする。
15—3 航空機の定義
航空法において【航空機】は次のように定義されています。
第2条第1項
この法律において「航空機」とは、人が乗つて航空の用に供する
ことができる飛行機、回転翼航空機、滑空機、飛行船その他政令
で定める機器をいう。
航空法における航空機の定義では、人が乗る機体であることを前提としている
ため、人が乗らない無人航空機(ドローン)や、飛行機、回転翼航空機、滑空機、
飛行船に該当しない気球、ロケット等は、航空法においては航空機でないことに
なります。前述したとおり、無人航空機を飛行させる際は、ここに定められる航
空機の航行に影響を及ぼしてはなりません。
少々、難しい規定ですが、簡単にまとめると、航空機の安全性とその適切な運
行を確保するための法律と言えます。航空法は、
【国土交通省】が所管しており、
15—4 無人航空機の定義
詳細なガイダンスは、国土交通省から公表されています。
航空法において【無人航空機】は次のように定義されています。
平成27年12月に施行された航空法の一部を改正する法律によって、無人航
空機の定義とその飛行方法等が新たに追加されました。これによって、無人航空
機の飛行が他の航空機の運航に影響を与えないことや、地上又は水上の 人又は
物件 に危険を及ぼさないことが義務化されました。
15—2 航空法と国土交通省令
航空法では、大まかなルールを定める一方、細かいルールに関しては、
【国土
交通省令】
(以下、
「省令」とします)に定める旨の記述があります。これを、法
律の委任と言います。法律の委任によって、細かいルールを省令において定める
ことができます。国土交通省では、
【航空法施行規則】という省令を定めており、
航空法が省令に委任する細かいルールについては、これに記載されています。省
第2条第22項
この法律において「無人航空機」とは、航空の用に供することが
できる飛行機、回転翼航空機、滑空機、飛行船その他政令で定め
る機器であつて構造上人が乗ることができないもののうち、遠隔
操作又は自動操縦(プログラムにより自動的に操縦を行うことを
いう。
)により飛行させることができるもの(その重量その他の
事由を勘案してその飛行により航空機の航行の安全並びに地上及
び水上の人及び物件の安全が損なわれるおそれがないものとして
国土交通省令で定めるものを除く。
)をいう。
令に定めがない、より具体的なルールについては、
【告示】によって定めること
航空法における無人航空機の定義では、マルチコプター(回転翼航空機)だけ
とされています。省令ではありませんが、このほかに、
【無人航空機の飛行に関
でなく、飛行機や滑空機、飛行船
する許可・承認の審査要領】という審査要領を国土交通省が定めています。無人
も含まれます。ただし、機体重量
航空従事者試験3級では、この告示や審査要領の内容については出題されません
が200g未満の機体に関して
重量と、飛行に必要な燃
が、後述する許可・承認申請を行う際に必要な内容となっていますので、一度目
は、省令において無人航空機から
料(バッテリー)の重量
を通されることをお勧めいたします。
除外する定めがあります。
を合わせた重さです。
116
ワンポイント
機体重量とは、本体の
117
無人航空従事者試験 標準テキスト
次の文章は、
航空法における「無人航空機」の定義を表すものである。
TRY
次の文章は、航空法における「航空機」の定義を表すものである。
この法律において「無人航空機」とは、航空の用に供すること
ができる飛行機、回転翼航空機、滑空機、飛行船その他政令で
定める機器であつて( イ )もののうち、遠隔操作又は自動
この法律において「航空機」とは、
( ア )航空の用に供する
操縦(プログラムにより自動的に操縦を行うことをいう。)によ
ことができる飛行機、回転翼航空機、滑空機、飛行船その他政
り飛行させることができるもの(その重量その他の事由を勘案
令で定める機器をいう。
してその飛行により航空機の航行の安全並びに地上及び水上の
問 129(ア)に当てはまる言葉を選びなさい。
① 人が乗つて
② 人が操縦して
③ 無人で
④ 旅客
問 130 航空法において人が乗ることが出来ない構造で機体重量が
200gを超えるマルチコプターを表す用語を選びなさい。
① 航空機
② 模型航空機
③ 無人航空機
④ 軽飛行機
問 131 航空法における無人航空機に該当するものを選びなさい。
① 人が乗ることの出来ないロケット
② 無人の気球
③ 機体重量150gのマルチコプター
④ 機体重量500gの遠隔操縦飛行機
人及び物件の安全が損なわれるおそれがないものとして国土交
通省令で定めるものを除く。
)をいう。
問 132(イ)に当てはまる言葉を選びなさい。
① 離陸重量が軽い
② 安全性が高い
③ 構造上人が乗ることができない
④ 市販されている
問 133 航空法の所管を選びなさい。
① 総務省
② 防衛省
③ 経済産業省
④ 国土交通省
問 134 航空法施行規則(第5条の2)に定められる無人航空機から
除外される機体重量を選びなさい。
① 100グラム未満
② 200グラム未満
③ 400グラム未満
④ 1000グラム未満
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15—5 無人航空機の飛行禁止空域
航空法では、
【人又は家屋の密集する地域】
も飛行禁止空域としています。この、
航空法では、無人航空機の飛行禁止空域を次の通り定めています。
人又は家屋の密集する地域の定義として、省令では次の通り定めています。
省令第二百三十六条の二
第132条
法第百三十二条第二号の国土交通省令で定める人又は家屋の密集
何人も、次に掲げる空域においては、無人航空機を飛行させては
している地域は、国土交通大臣が告示で定める年の国勢調査の結
ならない。ただし、国土交通大臣がその飛行により航空機の航行
果による人口集中地区(地上及び水上の人及び物件の安全が損な
の安全並びに地上及び水上の人及び物件の安全が損なわれるおそ
われるおそれがないものとして国土交通大臣が告示で定める区域
れがないと認めて許可した場合においては、この限りでない。
を除く。
)とする。
一 無人航空機の飛行により航空機の航行の安全に影響を及ぼす
おそれがあるものとして国土交通省令で定める空域
二 前号に掲げる空域以外の空域であつて、国土交通省令で定め
る人又は家屋の密集している地域の上空
省令では、人又は家屋の密集する地域として、国勢調査の結果による人口集中
地区と定義しています。本書の執筆時点の告示では、平成22年度の国勢調査の
結果を適用することになっています。例えば、東京23区はほぼすべての地域が
人口集中地区となっています。人口集中地区については、政府統計の総合窓口が
条文にある航空機の航行の安全に影響を及ぼすおそれがあるものとして、省令で
提供している、jSTAT MAP や図書(平成22年国勢調査報告書「我が国の人口
は次の通り定められています。
集中地区」等)を利用して確認が可能です。これらの③人口集中地区も無人航空
省令第236条
法第132条第1号の国土交通省令で定める空域は、次のとおり
機は飛行が禁止されます。
これらを整理すると、
次の3つの空域が無人航空機の飛行禁止空域となります。
とする。
無人航空機の飛行禁止空域
一 進入表面、転移表面若しくは水平表面又は法第56条第1項
① 空港等周辺
の規定により国土交通大臣が指定した延長進入表面、円錐表面若
② 高さ150m以上の空域
しくは外側水平表面の上空の空域
③ 人口集中地区の上空
二 前号に掲げる空域以外の空域であつて、地表又は水面から
150メートル以上の高さの空域
ここで注意すべき点は、人口集中地区については、飛行の高さにかかわりなく、
無人航空機の飛行が禁止されているという点です。また、この飛行禁止空域は、
自己所有の私有地の上空も含まれますので、飛行エリアが自己所有の私有地で
上に示す省令において、前者は、①空港等周辺に設定される高度(詳細は [ 15
あっても、そこが人
-6] の項を参照)以上の空域、後者は、空港等周辺でない場所で、②150メー
口集中地区の中で
トル以上の高さの空域を飛行禁止と定めています。
あれば、原則として
空間が完全に仕切られた室内(防護
無人航空機を飛行さ
ネットなどで囲われた空間を含む)
は、
せることはできませ
航空法の適用から除外されますので、
ん。
人口集中地区でも飛行が可能です。
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ワンポイント
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15—6 空港等周辺の安全(制限)表面
下の図は、安全(制限)表面の例を図示したものです。空港を中心に円状に示
空港等周辺は、航空機が低空を飛行することもあり、複雑な規則が多く定めら
されたのが、水平表面、【円錐表面】、【外側水平表面】です。滑走路の先に伸び
れています。航空法では、空港等周辺における高さ制限に関するものとして次の
るのが、進入表面と、延長進入表面です。これらの表面の範囲では、原則、如何
用語が定義されています。
なる物も制限される高さを超えてはなりません。
用語
進入区域
進入表面
水平表面
転移表面
定義
着陸帯の短辺の両端及びこれと同じ側における着陸帯の中心線の延長3000メートル(ヘ
リポートの着陸帯にあつては、2000メートル以下で国土交通省令で定める長さ)の点に
おいて中心線と直角をなす一直線上におけるこの点から375メートル(計器着陸装置を利
用して行なう着陸又は精密進入レーダーを用いてする着陸誘導に従つて行なう着陸の用に供
する着陸帯にあつては600メートル、ヘリポートの着陸帯にあつては当該短辺と当該一直
線との距離に15度の角度の正切を乗じた長さに当該短辺の長さの二分の一を加算した長さ)
の距離を有する二点を結んで得た平面をいう。
着陸帯の短辺に接続し、且つ、水平面に対し上方へ50分の1以上で国土交通省令で定める
勾配を有する平面であつて、その投影面が進入区域と一致するものをいう。
空港等の標点の垂直上方45メートルの点を含む水平面のうち、この点を中心として
4000メートル以下で国土交通省令で定める長さの半径で描いた円周で囲まれた部分をい
う。
進入表面の斜辺を含む平面及び着陸帯の長辺を含む平面であつて、着陸帯の中心線を含む鉛
直面に直角な鉛直面との交線の水平面に対する勾配が進入表面又は着陸帯の外側上方へ7分
の1(ヘリポートにあつては、
4分の1以上で国土交通省令で定める勾配)であるもののうち、
進入表面の斜辺を含むものと当該斜辺に接する着陸帯の長辺を含むものとの交線、これらの
平面と水平表面を含む平面との交線及び進入表面の斜辺又は着陸帯の長辺により囲まれる部
分をいう。
転移表面
延長進入表面
~4km
進入表面
空港等周辺は、【水平表面】と呼ばれる制限範囲があり、その範囲では、空港
水平表面
高さ45m
等の標高から45m以上の高さの建物を建てたりすることが出来ません。もちろ
ん無人航空機も水平表面上空を飛行することはできません。滑走路の先には、
【進
入表面】と呼ばれる制限範囲や、滑走路の横側には【転移表面】と呼ばれる制限
範囲が設けられており、この上空を飛行することもできません。これら空港等周
辺に設けられた制限範囲を総称して、
【安全(制限)表面】と通称されています。
この安全(制限)表面には、先ほどの水平表面や、進入表面のほかにも、様々な
制限範囲が規定されています。空港周辺であっても、この安全(制限)表面を超
円錐表面
えない範囲であれば、無人航空機を飛行させることが認められます。しかし、万
が一、無人航空機にトラブルが発生すると航空機の運航に重大な影響を及ぼしう
る可能性があり非常に危険な為、安全(制限)表面未満の高さであっても、空港
~16.5km
外側水平表面
~24km
等周辺での無人航空機飛行は控えるべきです。
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延長進入表面
TRY
進入表面
問 135 航空法第132条第1号に定める空港等の周辺でない場所で
無人航空機の飛行が禁止されている地表又は水上からの高さを選びな
さい。
滑走路
3,000m
① 50m以上
② 100m以上
3,000m
15,000m
15,000m
転移表面
水平表面
45m
4,000m
4,000m
円錐表面
295m
外側水平表面
16,500m
滑走路
外側水平表面
水平表面
円錐表面
約150m
16,500m
約 12km
③ 150m以上
④ 200m以上
問 136 航空法における人又は家屋の密集する地域の説明として正し
いものを選びなさい。
① 20戸以上が入居する集合住宅がある地域
② 国勢調査における人口集中地区
③ 政令指定都市
④ 人口5万人以上の行政区
上の図の例では、水平表面を4km、円錐表面を16.5kmとしていますが、
これは、航空法における最大値で、実際は、空港の規模によってこれよりも小さ
い値で決められているものもあります。円錐表面は、省令で決められた勾配で、
空港の規模に合わせて、16.
5kmまでの範囲で指定されています。
問 137 飛行禁止空域の説明として正しいものを選びなさい。
① 海上は飛行禁止空域である
② 空港等周辺に設定されている範囲は、安全(制限)表面
未満の高さであっても飛行禁止空域である
飛行禁止空域
滑走路
飛行禁止空域
高さ 150m
③ 自己所有の私有地であっても人口集中地区であればその
上空は飛行禁止空域である
④ 地表の高さに関係なく海面から150m以上の高度は飛
行禁止空域である
上の図の例で示す通り、安全(制限)表面は、滑走路がある地面の高さを基準
としていますので、十分注意が必要です。
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15—7 無人航空機の飛行方法
省令では、より具体的に飛行方法が定められています。法第百三十二条の二第
航空法では、無人航空機の飛行方法を次の通り定めています。
三号に示す、地上又は水上の人又は物件との間の距離を、省令では次の通り定め
ています。
第132条の2
無人航空機を飛行させる者は、次に掲げる方法によりこれを飛行
させなければならない。ただし、国土交通省令で定めるところに
より、あらかじめ、次の各号に掲げる方法のいずれかによらずに
飛行させることが航空機の航行の安全並びに地上及び水上の人及
び物件の安全を損なうおそれがないことについて国土交通大臣の
承認を受けたときは、その承認を受けたところに従い、これを飛
行させることができる。
一 日出から日没までの間において飛行させること。
二 当該無人航空機及びその周囲の状況を目視により常時監視し
て飛行させること。
三 当該無人航空機と地上又は水上の人又は物件との間に国土交
通省令で定める距離を保つて飛行させること。
四 祭礼、縁日、展示会その他の多数の者の集合する催しが行わ
れている場所の上空以外の空域において飛行させること。
五 当該無人航空機により爆発性又は易燃性を有する物件その他
人に危害を与え、又は他の物件を損傷するおそれがある物件で国
土交通省令で定めるものを輸送しないこと。
六 地上又は水上の人又は物件に危害を与え、又は損傷を及ぼす
おそれがないものとして国土交通省令で定める場合を除き、当該
無人航空機から物件を投下しないこと。
原則として、これらの飛行方法に従って無人航空機を飛行させなければなりませ
ん。やむを得ず、これらの飛行方法によらない方法(例えば、日没後の夜間の飛
行など)での飛行をしなければならない場合は、事前に後述する国土交通大臣の
承認を得なければなりません。
省令第236条の4
法第132条の2第3号の国土交通省令で定める距離は、30
メートルとする。
これらをまとめると、無人航空機を飛行させる際には、次の飛行方法を厳守し
なければならないことになります。
無人航空機の飛行方法
① 日中の飛行(夜間飛行不可)
② 目視による飛行
③ 人又は物件との距離を30m以上保つ
④ 人が集合するイベント上空は飛行不可
⑤ 危険物の積載不可
⑥ 物件の投下不可
ただし、人又は物件との距離について、操縦者本人やその関係者及び関係者が
所有する物件は、距離を保つべき人又は物件から除外されます。また、無人航空
機の飛行に必要な危険物(例えば、燃料やバッテリー)は、輸送できない物件か
ら除外されます。
人が集合するイベント上空について、イベント主催者の承諾があっても、国土
交通大臣の承認なしには、無人航空機を飛行させることはできません。
距離を保つべき人又は物件の定義
・「人」とは、無人航空機を飛行させる者及びその関係者(当該無人航空機の飛行に直接
又は間接的に関与している者)以外の者をいう。
・「物件」とは、次に掲げるもののうち、無人航空機を飛行させる者及びその関係者が所
有又は管理する物件以外のものをいう。
a. 中に人が存在することが想定される機器(車両等)
b. 建築物その他の相当の大きさを有する工作物
具体例
(車両等)自動車、鉄道車両、軌道車両、船舶、航空機、建設機械、港湾クレーン等
(工作物)ビル、住居、工場、倉庫、橋梁、高架、水門、変電所、鉄塔、電柱、電線、信号機、街灯等
※次のものは除外される 土地、堤防、土地と一体になった線路、自然物(樹木、雑草等)等
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無人航空従事者試験 標準テキスト
問 142 [ 図40] で示す安全(制限)表面において進入表面を指す
TRY
記号を選びなさい。
問 138 航空法(第132条の2)で定められる無人航空機の飛行方
法として誤っているものを選びなさい。
① 日出から日没までの間において飛行させること
② 当該無人航空機及びその周囲の状況を目視により常時監
視して飛行させること
③ 飛行用バッテリーを含む危険物を輸送しないこと
④ 当該無人航空機から物件を投下しないこと
問 139 無人航空機の飛行方法として正しいものを選びなさい。
① 日中に飛行させる
① ア
② イ
③ ウ
④ エ
問 143 [ 図40] で示す安全(制限)表面において水平表面を指す
記号を選びなさい。
① ア
② イ
③ ウ
④ エ
② 目視できない範囲を飛行させる
③ 人が集まるイベント会場の上空を飛行させる
④ 食料を投下する
問 140 無人航空機の飛行において、無人航空機と人又は物件との間
に確保しなければならない距離として正しいものを選びなさい。
① 5m
② 10m
図40
ア
滑走路
③ 15m
④ 30m
イ
ウ
エ
問 141 航空法に定めのある無人航空機と人又は物件との間の距離に
ついて、人又は物件の定義から除外されるものを選びなさい。
① 行政職員
② 電柱
③ 操縦者
④ 信号機
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無人航空従事者試験 標準テキスト
15—8 無人航空機の飛行に関する許可及び承認申請
航空法では、無人航空機の飛行禁止空域と飛行方法について定めていますが、
TRY
これらの規則に従って無人航空機を飛行させる場合は、申請を行うことなく飛行
させることが可能です。
(勿論、安全に飛行させることが前提です。)
問 144 無人航空機を航空法(第132条)で定められた飛行禁止空
しかし、特別な理由により、禁止空域を飛行させなければならない場合や、夜
域を飛行させる場合に、行わなければならない手続きを選びなさい。
間等に飛行させなければならない場合は、国土交通大臣の許可や承認を得ること
で、特別に飛行させることが認められます。これらの申請手続きは、飛行開始予
定日の 10 開庁日前までに、国土交通省航空局安全部運航安全課又は空港事務所
に対して行う必要があります。なお、最寄りの空港事務所又は空港出張所を経由
① 飛行許可申請
② 飛行承認申請
③ 飛行計画の届出
④ 機体の承認申請
して行うことも可能です。
飛行禁止空域を飛行する必要がある場合は、
【国土交通大臣の許可】
が必要です。
(ただし、空港等周辺の安全(制限)表面上空、又は高さ150m以上の空域を
飛行する場合は、当該飛行を行おうとする場所を管轄区域とする空港事務所の許
可が必要です。
)
航空法で指定された飛行方法によらない飛行(例えば、日没後の夜間の飛行等)
を行う必要がある場合は、
【国土交通大臣の承認】が必要です。
許可申請
① 空港等周辺の飛行禁止空域の飛行
② 高さ150m以上の空域の飛行
③ 人又は家屋が密集する地域での飛行
承認申請
問 145 無人航空機を航空法(第132条の2)で定められた飛行方
法によらない方法で飛行させる場合に、行わなければならない手続き
を選びなさい。
① 飛行許可申請
② 飛行承認申請
③ 飛行計画届出
④ 機体の承認申請
① 夜間の飛行
問 146 無人航空機に関わる飛行許可申請及び飛行承認申請の提出期
③ 人又は物件との距離が30m未満
限として正しいものを選びなさい。
② 目視によらない飛行
④ 人が集合するイベント上空での飛行
⑤ 危険物の積載
⑥ 物件の投下
注意が必要なのは、人又は家屋が密集する地域(人口集中地区)での飛行は、
① 飛行開始予定日の前日
② 飛行開始予定日の一週間前
③ 飛行開始予定日の10開庁日前
④ 飛行開始予定日の20開庁日前
原則として禁止されていますので、当該地域での無人航空機の飛行に際しては、
一律に許可申請が必要であることです。
問 147 無人航空機を航空法に違反して飛行させた場合の罰則規定と
して正しいものを選びなさい。
15—9 罰則規定
航空法の規則に則らず、かつ必要な許可・承認なくして、無人航空機を飛行さ
せた場合は、50万円以下の罰金に処されます。
130
① 1か月以下の懲役
② 1年以下の懲役
③ 20万円以下の罰金
④ 50万円以下の罰金
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無人航空従事者試験 標準テキスト
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問題
正答
問題
正答
問129
①
問143
③
問130
③
問144
①
問131
④
問145
②
問132
③
問146
③
問133
④
問147
④
問134
②
問135
③
問136
②
問137
③
問138
③
問139
①
問140
④
問141
③
問142
①
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