平成27年度江南市横田教育文化事業弁論大会

ね。
」
い た ね。 見 習 っ て 生 か し て い き な さ い
問題を知った。現地での、学校訪問やホ
前学習を進めていくうちに、現地の医療
八月、私はミクロネシア連邦への中学
生海外派遣に参加させていただいた。事
きな役割を担う。
夢 を あ ら わ す こ と は で き ま せ ん で し た。
思いを馳せていましたが、自分の言葉で
学 生 の 頃 か ら 世 界 に 漠 然 と 興 味 を 持 ち、
し た。 中 学 1 年 の 夏 休 み、 家 族 旅 行 で
その秘密の部屋から両手でトレーを持
り し、 小 さ な 機 械 音 だ け が 響 い て い る。
人たちが無言でその棚を開けたり閉めた
は な く、 唯 一 無 二 の 存 在 と し 覚 え て 下
私です。大勢いる職場体験学生の一人で
でした。お世話になったのは、もちろん
た。
」と頭を下げて下さったということ
「 先 日 は、 真 央 さ ん に お 世 話 に な り ま し
私の財産であり、これからの私に必要不
私が生きてきた十五年間に無駄なこと
は一つもない。さまざまな経験、体験は
癒」させていただきたいと思った。
した。そしていつか「薬剤師」
になり、「治
添い、真心で接することの大切さを実感
という思いから、カンボジアの孤児院を
して、世界の現状をこの目で見てみたい
と、国際協力のこと、国際問題のことを
明に覚えています。それから、国連のこ
のない感覚に見舞われたのを、今でも鮮
『ありがとうございました。
』というやり
ち、
凛と白衣が現れる。
「入江真央さん」
。
さっていたことにも感動しました。そこ
訪れたり、フィリピンのスモーキーマウ
ニューヨークへ行った時のことです。小
と。母から処方せんを受け取った事務の
けれども、この瞬間、私がやりたいこと
宅した母が私に言いました。
取りの後診察室を出る。そこでようやく
ストファミリーの方との交流は、私を一
はこれなんだ、と、今まで味わったこと
呼 ば れ た 母 と 私 は カ ウ ン タ ー へ 向 か う。
可欠である。グローバルな視点で物事を
「すばらしい所で職場体験させていただ
少し母がホッとした表情を見せる。処方
方が奥にいらっしゃった薬剤師の方にお
回り成長させてくれた。相手の心に寄り
緩 む こ と は な い。 幼 い 私 に も 緊 張 が 伝
せんを手に薬局へ。ガラス張りの部屋に
声をかけられ、みなさんで母に、
わ っ て い た。
『 お 大 事 に し て く だ さ い。
』
はたくさんの棚があり、白衣をまとった
薬の効能・副作用・諸注意を聞く。そし
には「心」があります。
一番大事なことであるということに私は
一見たわいもないと思われる会話こそが
る人間になりたい。
みを進めていきたい。人を「治癒」でき
考え、努力を負しまず、夢に向かって歩
で国際ボランティアも行いました。
でできることはないかと考え、学生団体
ンテンを訪れたりしました。また、日本
中心に、積極的に多くを学びました。そ
てたわいもない会話へと続く。実はこの
気づいた。二年生の秋のことです―。
いと思っていた。薬局は、薬剤師、医療
から漠然ではあるが「薬剤師」になりた
い頃から抱いていた
「白衣へのあこがれ」
二年生の職場体験学習、私は調剤薬局
で体験させていただくことになった。幼
人の運命を変えることができる。教育は、
断 ち 切 り た い と 考 え て い ま す。 教 育 は、
国で教育の普及をし、貧困の負の連鎖を
思うようになりました。具体的に、途上
自分の夢に向かって勉強していく中
で、教育開発の分野に関わりたいと強く
円で日々を暮らしていました。生きるの
た。ゴミを拾って売ることで得た、数十
ンに形成されたスラムに住んでいまし
くれた彼女。彼女はスモーキーマウンテ
た。将来の夢は、学校の先生、と教えて
私がこう思い始めたのは、フィリピン
のある少女との出会いがきっかけでし
う信じています。
で切り開いていくことができる。私はそ
を受けることで、自分の未来を自分自身
事 務 の 方 な ど の 連 携 で 成 り 立 っ て お り、
私 は、
「治癒」という言葉について考
え た。
「 治 癒 」 と は、 体 に 負 っ た 傷、 病
夢の選択肢を広げることができる。教育
気が完全に治ることであると辞書には記
ここで働くんだ。ニューヨークの国連
本部を訪れた時、私は直感でこう思いま
凛と張り詰めた空間は身の引き締まるも
の 穏 や か な 表 情、 思 い や り あ る 話 し 方、
のでした。しかし、患者さんに対する時
気配り、そして時にただうなづいて話に
されている。しかし私は、この言葉には、
心のケアも含まれていると思う。むしろ
耳を傾ける姿勢。
「お大事にして下さい。
」
心のケアこそが重要であるのではないだ
ろ う か。 治 し、 癒 す。「 病 は 気 か ら 」 と
いう言葉がある。
まさにその通りである。
どの患者さんも安心した表情で帰られま
「ありがとう。
」
した。
を通わすことが今、国際社会において大
人間の心の奥深さだと思う。そして、心
後日、たまたま母がその薬局に、私の
薬を受け取りに行った時のことです。帰
市役所の電話番号は ☎ 0587-54-1111
広報こうなん平成26年9月
広報こうなん平成28年1月
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「世界で叶える夢」
中島寿美子さん
(滝高)