【韓国】 11 月の市場動向トピックス VJ 事業で作成した平面広告が「大韓民国広告大賞」の銅賞を受賞 韓国市場で今年作成した平面広告が、11 月 10 日に発表された「2015 年韓国放送広告大 賞」の印刷広告部門で銅賞を受賞した。企業を主な対象とするこの大賞で、外国の政府観光 局が受賞するのは、過去 22 回の開催において 2000 年以来、実に 15 年ぶり 2 回目の快挙 で、JNTO としては今回が初の受賞となった。 今回受賞した広告は中四国及び関東の各地域で撮影を行い、動画広告と平面広告をそれ ぞれ作成。動画広告はテレビ広告やオンライン広告、平面広告は雑誌への掲載やソウル駅で の大型広告への掲載などを通じて幅広い情報発信を実施した。今回の受賞を機に、作成した 動画広告・平面広告を韓国内で再度情報発信するなど、韓国内で新たな訪日旅行の魅力 の発見、日本各地への旅行の魅力を訴求していきたい。 今回受賞したクリエイティブ 11 月の主なプロモーション活動 韓国で人気のテレビ番組「私一人暮らし」の撮影クルーを招請し、中四国を舞台に地元の 人々との触れ合いやしまなみ海道でサイクリングを楽しむ様子などを放映したほか、韓国の主要 紙を招請して中国地方の美しい自然や歴史ある建造物などを新聞記事で発信するなど、日 本の地方の魅力を幅広く周知することで秋から冬に向けた訪日旅行需要を喚起した。 旅行会社や航空会社等との連携により、劇場広告、新聞広告、ブロガーファムツアー、オンライ ン広告など幅広く共同広告を展開し、様々なテーマでの日本各地への旅行需要を喚起した。 韓国のテレビ番組の招請 旅行会社等との共同広告 【中国】 11 月の市場動向トピックス 11 月として過去最高の 363,600 人が訪日 11 月の訪日中国人者数は前年同月比 75.0%増の 363,600 人となり、11 月として過去最高記 録を更新した。2013 年 9 月以降、27 か月連続で各月の過去最高を更新している。 紅葉観賞目的での訪日人気の高まり 秋の日本=紅葉観賞という認識が中国で定着しており、その人気は年々高まっている。JNTO の共同広告出稿や中国メディアの取材等、多くのメディア露出に支えられ、紅葉観賞目的の 訪日集客は非常に好調であった。 訪日クルーズの増加、航空路線網の拡充 クルーズによる訪日客数は、昨年 11 月の約 18,000 人(9 隻)から約 80,000 人(30 隻)に大幅 増加したほか、上海・広州といった主要都市のほか、武漢や長沙等地方との航空路線網が強 化された結果、航空座席数が前年同月比 30%増加したことも訪日旅行増加に大きく寄与して いる。 韓国市場の急速な回復 MERS の影響が払拭され、9 月以降中国から韓国への訪問者数が回復しつつあることなどが、 訪日者数の伸びを抑制する方向に作用している。 11 月の主なプロモーション活動 閑散期を迎える訪日旅行需要喚起を目的に、青島や杭州、成都、昆明など 11 都市 38 社と の新聞・ウェブ等での共同広告事業を展開、訪日旅行者数の送客に貢献している。 JNTO 微博や微信を通じて、紅葉に関する情報を発信し、多くの反響を得た。 紅葉をテーマとした旅行会社との共同広告 反響の大きかった紅葉に関する JNTO 微博の投稿 【台湾】 11 月の市場動向トピックス 本格的な紅葉シーズンの到来 台湾からの訪日客数は 11 月として過去最高の 296,500 人を記録し、34 ヶ月連続で当該月の 過去最高を更新した。紅葉鑑賞のピークに合わせて北海道、東北、関西方面への臨時便や チャーター便運航による座席供給量の増加が需要を後押しした。 台北国際旅展(ITF)開催 11 月 6 日から 9 日にかけてアジア最大規模の旅行博「台北国際旅展(ITF)」が開催され、日 本から各地域や宿泊・鉄道事業者等 63 団体が出展を行い、訪日旅行商品の販促を行った。 会場は、34 万 8,270 人(前年比 3%増)の来場者で賑わい、欧州やクルーズ商品が好調であっ た。一方、訪日旅行商品は、従来に比べて安価な物が売れるなど消費額の低下がみられた。 LCC 増便の動き 紅葉シーズンが終盤を迎えるものの、LCC 各社の新規就航が続くことから、引き続き個人旅行 需要の増加が期待される。 ・Jetstar Japan(12/11~:台北-関西線、12/12~:台北-名古屋線、共に週 3 便) ・V エア(12/1~:台北-名古屋線、週 4 便) ・タイガーエア台湾(12/19~:台北-羽田線、週 4 便) 11 月の主なプロモーション活動 冬の需要を喚起するため、航空会社との共同広告を実施し、新聞、雑誌、WEB など幅広いメ ディアに展開した。 航空会社との共同広告 【香港】 11 月の市場動向トピックス 11 月として過去最高を記録、航空路線の増加とチャーター便就航が訪日需要を後押し 11 月の訪日香港人数は、前年同月比 53.4%増の 130,800 人と、同月過去最高を更新し、訪 日香港人旅行者数は 34 か月連続で単月過去最多を記録した。香港エクスプレス航空が 10 月 25 日から福岡便を週 7 便から週 14 便に増便、10 月 27 日から広島便を週 2 便で新規就 航した。加えて、10 月 28 日からは香港航空の宮崎便がプログラムチャーターから定期便化する など、航空路線の増便や新規就航等により、座席供給量が増加している。さらに、大手旅行 会社である EGL ツアーズにより米子チャーターも 8 本運航され、訪日需要を後押ししている。 温泉や紅葉鑑賞を目的とした訪日需要が増加 11 月に入り、各地で紅葉の見ごろを迎えたことで、前月(10 月)以上に紅葉鑑賞が訪日動機 の大きなひとつとなった。紅葉鑑賞商品は北海道・関東・中部北陸・関西・九州など多様な商 品が造成されており、旅行会社へのヒアリングによると、今年の人気のディスティネーションは京都 や立山黒部、北海道となっている。 11 月の主なプロモーション活動 11 月 24 日から 26 日にかけて、香港エクスプレス航空と連携したキャンペーンを実施した。同社 のセールプロモーション企画『メガセール』とタイアップし、ウェブ上でのバナー広告や SNS で告知を 行い、日本行チケットについては期間中、通常期の 5 倍の予約を獲得した。また、メガセール期 間と連動させ、11 月 25 日から 12 月 1 日にかけて同社の香港‐日本間の搭乗者数 100 万人 突破キャンペーンを行った。これは、指定されたプロモーションコードを同社予約サイトで入力する と 10%の割引が受けられるもので、1 月から 3 月の旧正月前後を除く出発便を対象とし、閑散 期対策を図った。 「メガメール」バナー広告 「100 万人突破キャンペーン」 Facebook 告知 【タイ】 11 月の市場動向トピックス 各月過去最高を継続的に記録、インセンティブツアー活発化 11 月初旬に実施した旅行フェアや旅行会社等との共同広告実施等により、11 月は、先月に 引き続き各月過去最高の 76,100 人、対前年比 11.9%増を記録した。現地旅行会社へのヒ アリングによると、訪日インセンティブツアーが 11 月より活発化しており、ヨーロッパでのテロ事件の 影響を受けて、行き先をヨーロッパから日本へシフトをする動きが一部見られた。主な人気の訪 問地は、北海道となっている。 11 月の主なプロモーション活動 11 月 6 日~8 日にタイ・バンコクの主要ショッピングモール「サイアム・パラゴン」にて「Visit Japan FIT Travel Fair Winter」を実施し、日本の地方自治体や観光関係事業者等とともに出展し、 日本の観光情報の発信を行うとともに、タイ側旅行会社、航空会社等も出展参加し、訪日旅 行商品の即売を行った。また 11 月 6 日にフェア会場において併催のセミナー・商談会を旅行業 界関係者向けに実施した。フェアへは昨年度比 38%増の 4.6 万人が来場し、11 月~12 月の 旅行商品の購入が大半を占め、年末等休暇の旅行増加に大きく貢献した。 Visit Japan FIT Travel Fair Winter 併催商談会の様子 【シンガポール】 11月の市場動向トピックス 前年同月比43.1%増の38,200人。15ヵ月連続で各月の過去最高を更新 原油安に起因する燃油サーチャージ安は引き続き継続。6月からの訪韓(MERS)需要の冷え 込み、8月からの訪タイ(爆破テロの発生)需要の冷え込みも依然継続していると推察される。 (10月対前年比実績:訪韓 -24.1%、訪タイ -16.5%) 内部要因としては、9月1日から展開している現地女性層に人気のスープ店チェーン「Soup Spoon」との共同訪日キャンペーン、それに連動したオンライン旅行会社の特別料金販売キャン ペーンの訪日販売実績が好調である。本キャンペーンにて訴求している東北、中部、九州への 訪外国人数増に期待したい。 一方、昨今継続していた円安による訪日旅行の割安感については、前年同月に比べ円高水 準と一服してきていることに加え、シンガポール政府による本年の経済成長率の見通しの引き 下げなど、経済成長の減速が確認されており、消費者心理への波及が懸念される。 11月の主なプロモーション活動 11月にJNTOシンガポールFacebookで投稿した訪日情報で、Like数1位を獲得したのは、11月 3日に投稿した岐阜県の白川郷を紹介した記事(7,279Likes)で、2位は、11月14日に投稿した 兵庫県の姫路城を紹介した記事(5,157Likes)だった。共に世界遺産を紹介した記事であり、 あらためて、世界遺産はシンガポールの方に対して訴求力の高いコンテンツであることが覗える。 11 月 3 日投稿記事(白川郷) 11 月 14 日投稿記事(姫路城) 【マレーシア】 11 月の市場動向トピックス 前年同月比 42.7%増の 39,500 人 11 月の訪日マレーシア人は対前年同月比 42.7%増であり、11 月としては過去最高の 39,500 人を記録した。10 月 1 日よりクアラルンプール‐新千歳線を就航したエアアジア X は、スクールホ リデー(11 月 21 日~2016 年 1 月 4 日)を視野に、プロモーション価格を打ち出し、訪日需要 の底上げを図った。また、FIT 旅行需要が増加しており、FIT 向け手配旅行を取り扱っている旅 行会社へのヒアリングでは、各社取り扱いが対前年度比 20%~30%増との声が聞かれた。先 に行われた MATTA フェアにおいても、FIT 比率が対前年度比で 15%増となっていることからも、 FIT 旅行需要の高まりを見てとることが出来る。 11 月の主なプロモーション活動 マレーシアの主要日刊紙・雑誌記者を招請し、11 月 9 日~13 日に九州地方にて、11 月 24 日~28 日に北海道にて、それぞれファムトリップを実施した。各地を周遊し、日本庭園や神社、 雄大な自然が特に好評であった。九州地方では紅葉、北海道では雪の時期の招請ということ もあり、マレーシアでは見ることのできない風景を熱心に写真に納めており、日本の四季の魅力 を感じていただけた。本取材結果は 2 月の Japan Travel Fair や 2 月の MATTA 開催時期に 合わせた掲載を予定しており、10 月に実施した中部地方での取材と合わせ、中部地方・九州 地方・北海道の露出を高めることで、マレーシアからの訪日促進を図る。 マレーシアからの訪日教育旅行の推進を目的に、訪日教育旅行の訪問地や基本情報を紹介 した「教育旅行パンフレット」の作成を行い、冊子の印刷を前に PDF 版をマレーシア向けウェブサ イトに掲載を開始した。パンフレットは 2016 年 3 月にクアラルンプールで行われる教育旅行セミ ナーで配布するほか、訪日教育旅行を主に取り扱っている旅行会社、訪日旅行を検討してい る学校へ配布する。 URL:http://www.jnto.org.my/wp-content/uploads/JNTO-Education-Professionals.pdf 九州メディアファムトリップ 教育旅行パンフレット 【インドネシア】 11 月の市場動向トピックス 訪日者数 14,200 人、11 月の実績としては過去最高を記録 11 月のインドネシア人訪日者数は、前年同月比 24.2%増の 14,200 人と、11 月としては過去 最高の訪日者数となった。ルピア安、経済成長の鈍化、個人消費の落ち込みといった懸念が 継続する中、訪日旅行者数は 2 桁増の堅調な伸びを維持している。9 月の旅行博出展時に、 秋の魅力を積極的に PR したことなど、例年閑散期となる秋の訪日者数を増加するべく実施し たプロモーションが奏功した。年初からの累計でも、インドネシアからの主要渡航先が前年割れ をしている中、日本は唯一 30%以上の大幅増を記録している。 11 月の主なプロモーション活動 二階俊博日本・インドネシア友好議員連盟会長を団長とする「日インドネシア文化経済観光 交流団」のジャカルタ訪問に合わせ、11 月 23 日、ジャカルタ市内で「日本インドネシア観光交 流拡大シンポジウム」を開催した。二階会長やピタナ観光副大臣など両国の要人が訪れる中、 「観光交流の新時代」「地方の国際交流を通じた地方創生」をテーマとするプレゼンテーション 等が、双方の観光行政、観光業界、地方自治体の代表者らにより行われた。会場は 331 名 の聴講者で満席となり、登壇者・聴講者それぞれの熱気が相まって、今後の両国観光交流の 更なる拡大を予感させる大変有意義なシンポジウムとなった。 11 月 20 日~22 日、上記交流団のジャカルタ訪問に合わせ、ジャカルタ市内ショッピングモール にて「ジャパン・トラベル・フェア」を開催した。現地旅行会社による訪日旅行販売、JNTO 及び 日本側出展者による訪日旅行の情報発信を行うとともに、中央ステージにおいて日本の魅力 を発信するためのステージパフォーマンスを行った。また、体感型スキーゲームを設置するなど、冬 の魅力の PR にも注力した。3 日間を通じて多くの来場者が訪れ、訪日旅行商品の売れ行きも 好調を見せるなど、会場はかつてない盛り上がりとなった。 11 月 23 日、同交流団のジャカルタ訪問に合わせ、ジャカルタ市内ホテルにて訪日旅行商談会 を開催した。日本側、インドネシア側とも当初の予定を大きく超える数の参加者が集まり、各ブ ースとも熱の入った商談が行われた。セッション中だけでなく合間の時間にもあちこちで立ち話が 交わされるなど、参加者の高い意欲を見て取ることができ、改めて現地における訪日旅行の関 心の高まりを感じられた。 ジャパン・トラベル・フェアの様子 訪日旅行商談会の様子 【豪州】 11 月の市場動向トピックス 11 月として過去最高を記録 豪州からの訪日客数前年同月比 33.2%増の 29,500 人 11 月までの累計は 326,700 人となり、2014 年の年計(302,656 人)を超えた。11 月は閑散期 にも関わらず、訪日旅行人気の持続に加え、気候、景観とも訪日旅行に適した時期であること が浸透しつつあり、カンタス航空のブリスベン‐成田線の新規就航や、Jetstar の割引キャンペー ンを追い風に大幅に伸長した。 11 月の主なプロモーション活動 Lonely Planet の「Best in Travel 2016」国別ランキング 2 位選出を受けて、11 月 23 日にメ ディアイベントを実施した。複数の旅行業界メディアで取り上げられ、旅行地としてさらに注目が 高まることを期待。訪日プロモーションも多数展開しており、今後の動向が期待される。 (メディアでの報道事例) http://karryon.com.au/uncategorised/lonely-planet-decrees-japan-top-destination-in2016/ 11 月 1 日に名古屋市とシドニー市の姉妹都市提携 35 周年を記念し、シドニー市内のハイド パークの名古屋ガーデンにて「名古屋デー」が開催された。JNTO もブースを出展し、訪日 PR を行った。当日は、名古屋おもてなし武将隊によるステージパフォーマンスをはじめ、名古屋めし の屋台や名古屋の観光ブースなどが出展され、多くの人で賑わった。 11 月 7 日「Matsuri in Sydney」が、今年は多くの観光客で賑わうダーリングハーバーで開催さ れ、JNTO も観光ブースを出展した。日本から自治体や、テーマパーク、航空会社、日本食の 屋台、また同時期に日本映画祭が開催されていたことから、邦画をプロモーションするブースなど も出展していた。ステージでは、和太鼓やよさこい、コスプレなどのパフォーマンスが行われ、「日 本」を各方面からアピールするイベントとなった。JNTO は、訪日旅行を扱っている旅行会社や、 各自治体の観光 PR を行う自治体国際化協会シドニー事務所とともに来場者に向け日本の 観光魅力を PR した。例年以上に訪日旅行を間近に予定している人や訪日を真剣に検討し ている人が多く来場され、今後の訪日客増加が期待できる。 Lonely Planet とのメディアイベント Matsuri in Sydney のブース 【米国】 11 月の市場動向トピックス 20 ヶ月連続で各月過去最高を記録 –対前年比伸率 15%増を維持 2015 年 1-11 月の累計は 943,300 人を突破し、対前年比 15.3%増で好調に推移している。 また、単月では、2014 年 4 月以降、20 ヶ月連続で当該月の過去最高を記録しており、11 月 は 88,700 人であった。米国経済の安定とドル高円安傾向に加え、年初からの燃油サーチャー ジ引き下げにより、一般消費者にとって値ごろ感が増したことに対し、旅行計画時におけるプロ モーション活動が旅行需要を後押しているものと思われる。 大手旅行雑誌等において「2016 年に行くべき旅行先」として日本が続々と紹介 11 月 19 日に発表された、米系大手旅行雑誌である National Geographic Traveler において、 「2016 年に行くべき旅行先 20 選」に「北海道」、CNN の「2016 年の新しい贅沢な 10 の体験」 で「九州」がそれぞれ選出された他、Lonely Planet による「2016 年に訪れるべき旅行先-国部 門」において、ボツワナに次ぎ、「日本」が 2 位を獲得するなど、訪日旅行、さらには日本各地へ の関心の高まりが感じられる。北海道新幹線の開業を来春に控え、今後、更に注目が増して いくと考えている。 11 月の主なプロモーション活動 11 月 20 日から 22 日にサンディエゴで開催された全米外国語教師会年次総会(ACTFL)に参 加し、訪日旅行に関する情報提供を行った。総会会場内に、ビジット・ジャパンブースを設置し、 共同出展者 5 団体と共に情報提供を行った他、朝食セミナーを実施し、47 名の参加者に対し て、訪日教育旅行の受入支援、大学の留学制度等に関するプレゼンテーションを行った。 朝食セミナー風景 【カナダ】 11 月の市場動向トピックス 年間訪日カナダ人数 20 万人 初突破 11 月の訪日カナダ人は前年同月比 28.5%増の 20,800 人となり、11 月として過去最高を記録 した。10 月末の冬季ダイヤから、トロント‐成田便、バンクーバー‐関空便が全便運休、カルガリ ー-成田便が週 7 便から週 3 便となり、夏季に比べ 16 便の減便となった影響が心配されたが、 2 月以降 10 ヶ月連続で各月の過去最高を更新する好調な結果となった。また 10 月までの累 計総数が 209,400 人となり、初めて年間 20 万人を突破した。 11 月の主なプロモーション活動 カナダ国内での日本の認知度向上を目的に、11 月 12 日から 11 月 19 日にかけて、有力メデ ィア 6 名の招請を実施した。今年度実施した旅行会社招請と同様、東京に集中する訪日カ ナダ人の地方への分散化を図るため、北陸新幹線を利用した行程とし、加賀、金沢、京都と いった地域の視察を実施した。被招請者は全員北陸地方の訪問は初めてであったが、北陸 新幹線を含め視察先、宿泊施設の評価が非常に高かった一方で、wifi の繋がりにくさを指摘 されるなど、課題もあった。 カナダでも人気の日本食をテーマにした商品造成のため、現地旅行会社 2 社が訪日し、オー ガニックファーム等を巡る視察に協力した。埼玉県川越市や同小川町を視察するなど、既存 のツアーではあまり見られない地域を視察し、そのうちの 1 社は、早速「東京健康養生 4 泊 6 日の旅」として訪日旅行商品の販売を開始している。 加賀での金箔貼り体験 販売開始された旅行商品 京都での座禅体験 【英国】 11 月の市場動向トピックス 11 月として過去最高を記録 11 月の訪日英国人数は 21,600 人と、前年同月比 16.9%増加した。円安、低価格な航空券 の販売等を背景に、プロモーションの成果が出やすい状況となり、訪日英国人数は順調に推移 している。 スノーリゾートとしての日本の認知度向上 英国市場においては、訪日地域・時期の分散化を狙い、スノーリゾートとしての日本の認知度 向上に取り組んでいる。英国のスキー人口は 600 万人を超えるが、そのほとんどが国内ではなく 欧州を中心とした国外でスキーを楽しんでいる。その旅行先の一つとして、日本を認知してもら うため、Ski & Snowboard Show への出展、訪日スキー旅行を取り扱っている旅行会社との共 同広告等に数年かけて取り組んできた結果、少しずつ成果が出始めている。旅行会社へのヒ アリングでは今シーズンの訪日スキー客が 2~3 倍に増えているとの情報もあり、1 月~2 月の訪 日客数の押し上げが期待できる。 11 月の主なプロモーション活動 11 月 2 日~5 日まで、欧州最大規模の BtoB 商談会「World Travel Market」が開催され、 JNTO は、旅行会社 9 社、自治体 4 団体、ホテル 2 社の計 15 団体と共にビジットジャパン(VJ)ブ ースを出展した。英国での訪日旅行への関心が高まっていることを背景に、昨年と比較しても多くの 業界関係者が VJ ブースを訪れた。その中には、新規に訪日旅行の取り扱いを始めた旅行会社や、 取り扱いに意欲を持つ旅行会社等も見られ、活発な商談が行われていた。アジア地域から多くの国 が大規模ブースを出展する中、日本はブース面積 100 ㎡と小ぶりながら、欧州における日本の代表 的なイメージの一つである「桜」を全体にあしらい、木のぬくもりと桜の華やかさが共存するブースデザ インで注目を集め、ベストデザイン賞を受賞し、同イベントに参加したトレードビジターに強いインパク トを与えることができた。 ベストデザイン賞受賞 業界誌への掲載 【フランス】 11 月の市場動向トピックス 訪日フランス人数 16,300 人、11 月として過去最高 11 月の訪日フランス人数は 16,300 人と、昨年 3 月以降 21 ヶ月連続で各月過去最高を更新 した。11 月 13 日(日本時間 14 日未明)に発生したパリでの連続テロ事件により、フランス国内 では非常事態宣言が発出されているものの、訪日旅行需要への影響はほとんど確認されず、 順調な伸びを示した。 アジアにおけるフランス人旅行者数の伸び率ランキング(2014 年) 11 月に発売された業界誌『L’ECHO TOURISTIQUE』によると、2014 年に飛躍的な伸びを示 したアジアの国トップ 5 のランキングで「日本」が対前年比 20%増と、第 2 位にランクインした。ツ アーオペレーターが驚くほど、日本の人気は高く、2015 年も大きな伸びが期待できると同誌は言 及している。 同時多発テロの影響 パリ商工会議所(CCI)の推計によると、パリ市内のホテルの売上はテロ事件前と比べ、ほぼ 50% 減になると言われている。パリのレストランや大手百貨店も打撃を受けており、美術館、博物館 等の来場者数も激減している。旅行代理店『Voyageurs du Monde』は売上高が 20%減となっ ていると発表した。またイスラム諸国への観光は今回のテロ事件により、壊滅的な状況になると している。(参考:Le Quotidien du Tourisme.com) 11 月の主なプロモーション活動 11月6日~11月8日まで、フランス・アルザス州コルマールで開催されたBtoC旅行博「SITV」に 出展し、共同出展者とともに訪日旅行をアピールした。ビジットジャパンブースには、約3,600名 の来訪者があり、訪日旅行を計画している方、興味を抱いている方と様々な方が訪れ、「訪日 旅行の一番良い季節、お薦めの観光地」といった基本的な質問や、パンフレットを求めて熱心 な質問が相次いだ。 10月27日~11月4日にメディアを東北地方に、また11月17日~11月25日には、旅行会社を 山陰・山陽地方に招請した。メディアへの露出、訪日旅行商品の造成に繋がるものとして、今 後の訪日旅行需要の拡大に貢献するものと期待される。 メディア取材の様子 「SITV」ブース インフォメーションカウンターの様子 旅行会社の現地視察 【ドイツ】 11 月の市場動向トピックス 訪日ドイツ人数、20 ヶ月連続で各月過去最高を記録 11 月の訪日ドイツ人数は 14,700 人と(前年同月比 13.6%)、昨年 4 月以降 20 か月連続で 各月過去最高を更新した。11 月は紅葉を目的とした訪日が増加したが、旅行会社からは宿 泊施設やバスの手配が困難であったことから追加催行ができなかったという声があり、需要のとり こぼしが生じた可能性がある。 2016 年春に向けた旅行予約の増加 JNTO が実施した調査によると、ドイツの消費者は長距離旅行出発時期の半年前程度と早め に旅行を購入する傾向がある、特に年明けの 1~3 月は旅行購入が増え、夏季休暇の旅行を 中心に、3 月~10 月の出発まで幅広い時期の旅行が購入されている。ドイツ人の訪日旅行は 春と秋がピークであるが、旅行会社からのヒアリングでは既に 2016 年の春・秋に向けた予約が入 っており、特に春は対前年比で大きく伸びているとの声が複数社からあがっている。旅行購入が 増える 1~3 月に更に訪日需要を押し上げるため、JNTO では、旅行会社との共同広告の実 施、見本市の出展等多くの事業を計画しており、2016 年の訪日ドイツ人数の伸びを押し上げ ていく。ドイツでのプロモーション実施にあたっては、このような消費者の同行を踏まえ、2 年先、3 年先の訪日をターゲットに事業を組み立てていく必要がある。 11 月の主なプロモーション活動 JNTO ではドイツ語のウェブサイト(http://www.jnto.de/)を運営しており、ドイツ市場に合わせた 情報発信を行っている。ドイツ市場での訪日旅行需要の高まりを背景に、閲覧数は昨年と比 較し 30%程度増加している。新しいツアー商品の情報や料金等の具体的な情報の提供に力を 入れており、11 月に 2016 年に向けて各旅行会社が発表した訪日ツアーリストを更新したところ、 半月の間(11 月 27 日~12 月 16 日)で 408 件と昨年の 1.8 倍のダウンロードがあった。また、 その他のページでも、各地のイベントへのアクセスが昨年の倍程度、世界遺産へのアクセスが昨 年比 70%増と大きく増加しており、ゴールデンルート以外への地域にも関心が持たれていることが 感じられる。 JNTO ではメディアへの取材支援を多数行っているが、その結果、11 月にドイツの主要ラジオ局 の一つであり 1 日約 3 百万のリスナーがいる Bayern 1 の番組「Rucksackradio」において沖縄 本島、石垣島および西表島が紹介された。この番組は、アクティビティやアウトドアをテーマに世 界の旅を紹介し、今般の番組では、長寿やダイビング、ビーチ、ハイキング、自然などドイツ人に 関心の高い題材が取り上げられ、訪日観光の魅力が広く発信された。 ウェブサイト上 訪日ツアーリストダウンロードページ
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