乳製品情報2014年9月号 - ラクト・ジャパン

Lacto Japan Co., Ltd.
TEL: 03 6214 3831
FAX : 03 6214 3721
株式会社 ラクト・ジャパン
〒103-0023 東京都中央区日本橋本町 4-8-15 ネオカワイビル 3F
2014/9/1
平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、下記にて乳製品情報 9 月号をお届け致しますので、ご査収の程宜しくお願い申し上げます
<目次>
脱脂粉乳・全脂粉乳情報
バター情報
「下落が続く粉乳相場」
「ロシア情勢に揺らぐ国際相場、下降基調の欧州・オセアニア、対照的な
米国相場」
・・・
2頁
・・・
4頁
ホエイ情報
「相場は安定から弱含み」
・・・
6頁
カゼイン情報
「カゼイン相場 横ばいも価格下落への期待感」
・・・
7頁
乳糖情報
「欧州・米国ともに相場は反転 軟調」
・・・
8頁
チーズ情報
「ロシアのチーズ輸入量と消費量」
・・・
9頁
「米国 CME 相場」
「米国農水省(USDA)各地域チーズ輸出量予想」
国内情報
「脱脂粉乳・バター共に在庫数量の大幅減続く」
・・・
11 頁
アムステルダム駐在員情報
「EU、ロシア農産品輸入禁止による影響」
・・・
13 頁
・・・
14 頁
・・・
18 頁
・・・
21 頁
「オランダ Friesland Campina 社、中国での合弁事業」
メルボルン駐在員情報
「好決算相次ぐ―増産目指す豪乳業大手」
「Tatura Milk Industries 社、中国向け粉ミルク輸出許可」
「Fonterra(NZ)社、乳価引き下げ」
「Fonterra 社、中国の乳幼児食品メーカーと提携」
「Westland 社が 2014/15 年度シーズンの見込み支払額を修正」
「Synlait(NZ)社 のラクトフェリン、需要強まる」
米国駐在員情報
「好調な米国生乳生産」
「乳牛屠殺頭数」
「2014 年上期の好調な乳製品輸出」
「米国ホエイ輸出の状況」
「米国バター価格」
「バター・チーズ在庫量」
「米国バター小売市場」
中国情報
「2014 年上半期の UHT 牛乳輸入量」
「育児粉乳メーカー82 社が認可」
出典
1
<粉乳情報>
-下落が続く粉乳相場オセアニア、北米、EU と主要乳産地においては、引き続き昨年の生乳生産量と比較しても好調に推移している。
特に EU では生産意欲が高く、2014 年 1 月~6 月の EU 全体の生乳生産量は、昨年同期比数%の増加となっている。
需要面では引き続き中国からの需要が弱く、価格は下落傾向にある事から、全体的にはまだ価格動向を見ている
ユーザーが多く、購入するとしても相場を見ながら、期近の船積みを抑える傾向にあり、相場は引き続き軟調に
推移している。
-EUEU の生乳生産は閑乳期に入っているが、昨年の生乳生産量と比べると、大幅に増加している国が多い。2014 年
1 月~6 月の生乳生産量では、昨年比で 15%増加している国もある。EU の内、スペイン、チェコ、ギリシャ以外の国
ではいずれも増加しているほど、全体的に好調を維持している。
EU では依然として夏季休暇シーズンにあるため、域内需要は弱く、加えてロシアの EU 製品の禁輸措置の影響で、
粉乳、特に脱脂粉乳の供給に大分余裕が出てきている。2013 年の EU からロシアへの脱脂粉乳の輸出は
約 21 千トン、全粉乳は約 2 千トンであった。中国からの需要の減速も相まって、供給は潤沢になっている。
EU 産脱脂粉乳の価格は、上記背景もあり、gDT の価格下落同様に値を下げていて、オセアニア、米国と比べても
非常に競争力のある価格帯にまで下がってきている。
EU 産全粉乳の価格も、gDT の価格下落、中国の需要減の影響を受けて下落しているものの、オセアニアの
価格帯には依然遠く、競争力は期待できない。
-オセアニアオセアニアの生乳生産は順調に推移しており、季節的に乳量は低いものの、6 月はニュージーランドで昨年
同月比12.6%増加し、豪州では昨年同月比8.9%の増加と好調であった。Dairy Australia 社によると、豪州においては、
2013/2014 年度の生乳生産量は前年比 0.4%増加となったが、脱脂粉乳、全粉乳、バター等の総製造数量は
788,406 トンで前年比 4%程低い数字であった。脱脂粉乳の製造量は前年比 5.8%減少、全粉乳の製造量は前年比
16.1%の増加であった。全粉乳は年初の中国の旺盛な需要を背景に大きく伸びた形となった。
オセアニア産脱脂粉乳価格は下落傾向にある。先の 8 月 19 日の gDT での大幅下落後、ニュージーランド、
豪州共に脱粉の値を下げているものの、現時点では EU 産に価格競争力が出てきている。8 月 5 日に行われた gDT
の平均価格は USD3,264/MT(本船船側渡し価格)、8 月 19 日に行われた gDT の平均価格は USD2,874/MT(本船
船側渡し価格)と大きく下落しており、7 月 15 日に行われた gDT の平均価格 USD3,516/MT と比較すると、約 18.3%
の大幅下落となっている。
オセアニア産の全粉乳の価格も、下落傾向で推移している。昨年末から本年年初にかけて大量にオセアニア産
全粉乳を輸入していた中国が、依然として十分な在庫を持っていることから、需要は弱く、中国の需要が戻ってくる
までは、相場は軟調な状況が続くものと思われる。
8 月 5 日に行われた gDT の平均価格は USD2,725 /MT(本船船側渡し価格)、8 月 19 日に行われた gDT の平均価
格は USD2,804/MT(本船船側渡し価格)と若干上がっているが、7月15日に行われた gDT の平均価格USD3,088/MT
と比較すると、約 9.2%の下落となっている。
今後オセアニアの生乳生産量が伸びてくる中で、脱脂粉乳や全粉乳の製造量は増えてくるが、中国の需要次第
では、供給にかなりの余裕が出てくる可能性がある。ニュージーランドと中国の FTA の関係で、中国からの需要は
例年第 4 四半期の船積み分で大幅に増加するため、トレーダー含め、市場では、今後中国からの引き合いがいつ
入ってくるかに注目が集まっている。
-米国米国の生乳生産量も季節的に減少しているものの、他乳産地同様に前年比では好調で、7 月の生乳生産量は
前年比 3.9%増加している。米国産脱脂粉乳はメキシコ向けをはじめとして輸出が好調に推移しており、2014 年
上半期では前年同期比 13.3%の増加となっている。脱脂粉乳の価格は世界的な下落傾向を受けて下げているもの
2
の、オセアニア、EU よりも高値を付けるケースが出てきている。全粉乳においては、大部分が輸出向けに製造され
ているが 、中国の需要減少、大幅な価格下落を受けて、全粉乳の製造量は減少している模様。
-今後の見通しEU、ニュージーランド、米国等主要乳産地の生乳生産は、高い乳価や良好な天候により好調を維持している。
特に EU は 2015 年 4 月以降の生乳生産割当の撤廃に向けて、酪農家の生産意欲は高く、撤廃になる前から生乳
生産量は増加しており、それに合わせて、増加する乳を処理するためにも、EU 各国の乳業メーカーの多くは、投資
をして、製造能力を上げており、供給量は今後増えていくことが期待される。オセアニアもこれから生乳生産量が
増えてくるため、供給は非常に潤沢にある状況はまだ継続すると思われる。
需要面では、現在は中国からの需要が落ち着いていることから、価格は軟調に推移しているものの、来年度に
向けて中国からの買いが増えてくると、静観しているユーザーからの引き合いも急に増えてくることが見込まれる
ため、相場は上昇に転じる可能性がある。供給面を加味すると、まだ相場は軟調に推移すると思われるが、中国が
いつ、どれくらいの物量を買い始めるか、第 4 四半期に向けてのこれからの中国の動きには十分注意したい。
(現在の粉乳取引価格)
EU 産脱脂粉乳価格(ADPI EXTRA GRADE)
EU 産全粉乳価格(ADPI EXTRA GRADE)
: USD 3,100 – 3,500/MT CFR ASIAN PORT
: USD 3,600 – 4,000/MT CFR ASIAN PORT
オセアニア産脱脂粉乳価格(ADPI EXTRA GRADE)
オセアニア産全粉乳価格(ADPI EXTRA GRADE)
: USD 3,200 – 3,500/MT CFR ASIAN PORT
: USD 3,200 – 3,500/MT CFR ASIAN PORT
米国産脱脂粉乳価格(ADPI EXTRA GRADE)
: USD 3,200 – 3,500/MT CFR ASIAN PORT
<小林>
3
<バター情報>
-ロシア情勢に揺らぐ国際相場、下降基調の欧州・オセアニア、対照的な米国相場8 月の欧州バター相場は、前月から引き
続き下降基調が続いている。オランダ公定
価格は 7 月末から 8 月末にかけて EUR370/MT
下落し、ZMB(ドイツ乳製品市場価格情報センター)
においても中値で約 EUR360/MT 下落した。バター
の世界最大の輸入国であるロシアが NZ 以外の
主要輸出国からの乳製品の輸入の禁止を発表した
ことにより、市場が大きく影響を受けている。ロシア
政府により乳糖フリーの乳製品については輸入を
認めることを月中に正式に発表されたが、一般的な
バターについては乳糖フリーの定義に含まれず、
これについては引き続き今回のロシアの禁輸措置の影響を受けそうである。特にロシアへのバター輸出が禁止
されたことで EU バター相場の下落が想像されるが、一方で一部サプライヤーによると、これまで EU からロシアへ
輸出されていたバターが NZ から輸出されるようになり、NZ がこれまで輸出してきた国々に EU のバターが回るよう
になり、需要者・供給者の組み合わせが変わるのみで、全体の需給のバランスは均衡を保つのではないかという
見方も聞かれる。なお現行の米国バター相場は非常に高値で推移しており、そもそも輸出市場に手が出ていない。
EU 政府は酪農家をサポートするために、バターとその他一部乳製品に関して、PSA(民間助成在庫)を再開する
ことを発表した。本件に関しては、ロシアが禁輸を宣言している輸出国からも東欧経由の迂回輸出を継続している
というような噂もあり、様々な情報と憶測が飛び交っていることから追、加情報には逐次注意していきたい。
EU 市場関係者が夏季休暇より戻ってきたばかりで、現時点では反応が静かで大きな動きはまだ聞かれていない。
gDT オークションは 8 月に 2 度開催され、1 回目(8 月 5 日)はバターが USD2,800/MT FAS(本船船側渡し)で
前回(7 月 15 日)比較、10.9%下落、AMF が USD3,457/MT FAS で 7 月 15 日比較、6.4%上昇、2 回目(8 月 19 日)は
バターが USD2,940/MT FAS で 8 月 5 日比較、5.0%上昇、AMF が USD3,566/MT FAS で 8 月 5 日比較 3.2%上昇
した。ロシア情勢を受けて、今後ロシアから NZ バターの引き合いが強まると思われるため、次回の gDT の結果にも
注目したい。
CME(シカゴ)相場では、8 月の米国バター価格は 7 月の平均と比較して約 3.1%上昇した。米国内のバター在庫が
逼迫していることに加え、需要期が近づいていることも、先月に引き続き相場が上昇している要因と思われる。現在
の高値の影響で需要が落ち込むことにより、2014 年後半にかけて在庫数量が増加することも期待されているが、
一方で引き続きバター在庫不足が続くという見方もあり、年末にかけての米国相場の動きには注意して
見ていきたい。
4
-CME(シカゴ)バター相場(トン当たり換算、国内、直物、加塩 80%脂肪)-
2014 年 8 月
現在のバター取引価格
EU 産バター価格
オセアニア(NZ、豪州産)バター価格
米国産バター(無塩 82%脂肪)価格
(換算レート EUR/USD1.33)
USD5,000~USD5,300/MT CFR ASIAN PORTS
USD3,800~USD4,600/MT CFR ASIAN PORTS
USD5,700~USD6,000/MT CFR ASIAN PORTS
<山渕・吉田>
5
<ホエイ情報>
-相場は安定から弱含み米国産ホエイパウダーの相場及び生産は安定的
オランダ公定価格(ホエイ)EUR/KG工場前価格
に推移している。8 月も終わりアイスクリーム向けの
需要が一段落し、現状、米国内の需要は安定的に
2009
2010
2011
2012
2013
2014
推移している。EU 産ホエイパウダーの相場が
1.10
弱含んでいる関係から、国際市場での米国産に
1.00
対する需要は減っている。一部のメーカーでは WPC
0.90
の需要が弱含んでいることから、ホエイパウダーの
0.80
製造量を増やすような動きも一部では出ている模様。 0.70
0.60
現状、米国産ホエイパウ ダーの在庫は需給の
0.50
バランスが取れた状態で推移しており、適正な状態
0.40
となっている。
0.30
WPC34 の相場はメーカー、規格、製造場所に
0.20
よって取引価格に差が出るが、引き続き横ばい
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
もしくは若干の弱含みで推移している。プレミアム
価格での取引が一部減少しており、メーカーによっては安値でのスポット取引が行われている模様。生産は安定的
に推移しており、一部のメーカーではチーズの製造量が増えていることから増産の方向に動いており、現状、
ほとんどのメーカーが契約を順調に履行している。
今後については脱脂粉乳を含め、その他の乳製品の相場も弱含みに推移しているため、WPC34 の価格も引き
ずられる形で徐々に弱含みで推移する可能性が高いが、育児粉乳向けや飲料向けの WPC34 の需要が引き続き
堅調に推移していること、顧客が要望する規格によって価格帯が異なることから、まずは飼料用の価格が下がる
ことになるのではという見方がある。
EU 産ホエイパウダーの価格は乳製品価格の相場下落と共に弱含みで推移している。価格が弱含んでいること
により EU 域外からの引き合いが増えている一方、ロシアの禁輸措置により、今後 EU 産チーズの生産量が下落し、
ホエイの生産量も下落する可能性があるのではないかとの懸念をする声も一部では聞かれている。ロシアの
禁輸措置に関連して、引き続き注意をする必要がある。
EU の統計によると、2014 年 6 月の EU 産ホエイの輸出量は本年最低レベルの 44 千トン(対前年同月比−8.4%)と
なっており、主要輸出先である中国向けに関しても 2014 年1月以降に輸出した数量としては最低となった。
<神田>
6
<カゼイン情報>
-カゼイン相場 横ばいも価格下落への期待感カゼイン市況は概ね横ばい、若干の軟調傾向で推移している。
需要については、オセアニアが今後乳シーズンを迎えるにあたり、生産増による価格下落の期待感から、
各需要者は在庫の積み増しに慎重になっており、直近の買付けのみを行い、長期契約を避ける動きとなっている。
供給については、順調な生産を背景にレンネットカゼインが比較的供給余力がでてきた一方、多様な用途で
底堅い需要を抱える酸カゼインについてはタイトな状況が続いている。
現在、粉乳をはじめとした全体的な乳製品相場が下落をしていることや、オセアニアが季節的な要因でカゼイン
の生産量を伸ばしてくることが予想されるため、需要者サイドでは価格下落への期待感が高まっている。
今後の価格については、安定的な需要から急激な変動はないと思われるが、このような下げ圧力から、軟調傾向
で推移すると思われる。また、ロシア政府による欧米からの乳製品禁輸措置が取られたことで、その影響も懸念
される。ただ、カゼイン相場に影響が出てくるには数週間を要するものと思われ、どのような影響を及ぼすのかは
はっきりとしない。一部の欧州乳業メーカーがチーズ生産を減らし、カゼイン生産を増やす可能性もあり、需要者側
では今後の価格下落を期待している。
-レンネットカゼインの gDT 過去 3 カ月の落札価格入札日
2014 年 6 月 3 日
2014 年 6 月 17 日
2014 年 7 月 1 日
2014 年 7 月 15 日
2014 年 8 月 5 日
2014 年 8 月 19 日
カゼイン(単位:トン)
USD 10,672
USD 11,155
USD 10,789
USD 9,761
USD 9,701
USD 9,601
-レンネットカゼインの gDT 価格動向(USD/トン)-
<藤井>
7
<乳糖情報>
‐欧州・米国ともに相場は反転 軟調-欧州欧州の乳糖相場は、横ばいもしくは弱含みにて推移して
いる。EU 域内における生乳生産は季節的にピークを過ぎて
いるものの、例年に比べ高い集乳量にて推移。これまでの
中国をはじめとする育児粉乳需要・オセアニアを中心とする
粉乳のタンパク調整需要に対応するための設備増強の影響
により乳糖の供給量は増加している。一方需要については、
季節的要因から粉乳のタンパク調整用途での需要が低下
しているとともに、中国向け育児粉乳用途での引き合いも
減少しており、EU 乳糖価格については一部メーカーでは
価格を下げ始めている状況。今後については、ロシアに
おける EU 乳製品の禁輸措置の影響がどのように出てくるか
が心配であるが、概ね軟調傾向にて推移するものと思われる。
国別乳糖輸入量:7 月時点での累計(単位/トン)
2013
2014
(%)
オランダ
6,068
4,785
-11
フランス
1,245
958
-33
ドイツ
8,062
5,949
-26
カナダ
1,612
2,166
34
米国
23,167
23,267
1
豪州
153
0
-100
ニュージーランド
1,973
1,437
-27
その他
595
1,573
164
合計
42,875
40,135
-8
-米国米国産乳糖の相場は、3 月以降軟調に推移している。供給面については、引き続き好調なチーズ生産、高い
ホエイタンパク需要及び各乳糖メーカーの設備増強を背景に乳糖生産量・在庫量は増加している。2014 年 6 月の
米国乳糖生産量は、昨年同月比 12.6%増の 45,313 トン、月末在庫は昨年同月比 24.3%増の 49,759 トンと昨月同様
大幅増にて推移を続けている。需要については東南アジアを中心に今冬の製菓向けでの引き合いが高まっては
いるものの、粒度の荒いメッシュを中心に在庫増を解消するためスポットにて安価に販売されている模様。また、
粒度の荒いメッシュの価格下落圧力に引きずられる形で、粒度の細かいメッシュの価格についても影響が出ている
とのこと。
今後の相場動向については上記状況より弱含みにて推移するものと考えられ、第 4 四半期の価格についても
第 3 四半期比弱含みでの提示となるものと予想される。
-米国からの乳糖輸出量(2014 年 1 月~6 月)1. 中国
34,294 トン
2. ニュージーランド
25,850 トン
3. 日本
22,337 トン
4. メキシコ
14,657 トン
5. インドネシア
10,536 トン
6. シンガポール
8,506 トン
7. マレーシア
7,149 トン
輸出量総計
173,523 トン
-米国の乳糖生産量と在庫量(2014 年 6 月)乳糖生産量
45,313 トン
前年比 12.6%増
月末在庫
49,759 トン
前年比 24.3%増
<作田>
8
<チーズ情報>
-ロシアのチーズ輸入量と消費量ロシアは 8 月 7 日に米国、EU、カナダ、豪州、ノルウェーよりの乳製品禁輸措置を発表した。
現在、ロシアのチーズ輸入量は単一国家としては第二位の日本を大きく上回り、世界最大の輸入国となっている。
その数量は、2012 年で約 356 千トン、2013 年は約 364 千トンとなっている。一方、ロシア国内でのチーズ消費量
は 2013 年で約 812 千トンとなっており、半量近い約 45%が輸入チーズであることがわかる。
ロシア国内で消費されているナチュラルチーズとしてはゴーダ・エダムを始めとするセミハード系が主体を占めて
おり、モザレラやクリームチーズといったフレッシュチーズは風味嗜好の面からチェダーチーズなどと比べ相対的に
少なくなっている。
これらチーズの輸入相手国としては EU 諸国が大半を占めており、その内訳としては 2012 年の統計によると、
ドイツからの輸入が重量ベースで総輸入量の 22.7%と最も高くなっている。2 位、3 位はそれぞれウクライナの 17.5%、
リトアニアの 12.4%と東欧諸国が続いている。日本に対してチーズ輸出量が多いオランダは 4 位で全体の 11.3%、
続いて、デンマークが 3.4%、フランスは 2.7%、 イタリアは 2.4%となっている。
上記禁輸措置が発表された後、8 月 20 日にロシアより無乳糖乳及び無乳糖乳製品の禁輸措置を解除するとの
発表が正式にされた。
チーズについて、前述のロシア向け主力チーズがこれに該当するとは考えにくいが、ロシアはこれから
クリスマスにかけ、チーズ、バターの最需要期を迎えるため、禁輸措置の解除により同国向けへの輸出量が急回復
する可能性も指摘されており、状況を注視する必要があると思料される。
<江本>
-米国 CME 相場-
2014 年 8 月の CME スポット相場は 8 月 1 日に USD 4,410/MT から開始となった。5 月より CME スポット相場は
方向感の乏しい値動きが続いていたが、8 月に入り CME 相場は再び上昇基調となり、8 月 26 日には 4 月 17 日以来
となる USD5,000/MT 台の値をつけた。
(※上記相場価格は全てメーカー現地工場からの庫前渡し価格)
9
-米国農水省(USDA) 各地域チーズ輸出量予想-EU米国農水省(USDA)は EU における非常に好調な生乳生産量を受けて EU28 ヶ国における 2014 年通年の
チーズ生産量予測を当初の予想より大幅に上方修正した。EU 地域における 5 月の生乳生産量は、4 月に
引き続き好調を維持し、昨年同期比約 4.3%増の 13,473 千トンであった。この好調な生乳生産量を基に
上方修正された 2014 年通年のチーズ生産量予測は 2013 年より 70 千トン多い、9,450 千トンとなっている。
増産されたチーズは主に堅調な消費を続ける EU 域内によって消費されるものと予想されている。増加が
予想されているチーズ生産量とは対照的に、2014 年 1 月~5 月におけるチーズ輸出量はロシアへの輸出量が
滞った関係より、昨年同期比 2%減となった。
-ニュージーランドニュージーランドにおける 2014 年通年のチーズ生産量予測は 324 千トンとなっており、2013 比 4%増と
なっているが、生産が非常に好調であった 2012 年よりは低い水準となっている。2012 年を下回ると予想されて
いる理由としては、2014 年下期においてもチーズ生産より全粉乳生産への生産意欲が高いと予想されていること
が要因となっている。
1 月~5 月におけるニュージーランド産チーズ輸出量は、特に日本・韓国向けへの輸出量減少が顕著であり、
通年におけるチーズ輸出量予測は当初の予想より 10 千トン減少し、290 千トンとなっている。
-豪州豪州における 2014 年通年のチ ーズ生産量予測は当初の予想より大幅に下方修正され、
300 千トン前後になると予想されている。この数値は 2013 年の生産量とほぼ同水準となっている。予想生産量が
減少す る に 伴い 、 豪州産チ ー ズ 輸出量予測は 当初の 予想よ り 2 3 % も 低い 1 4 7 千ト ン と な っ て い る 。
この水準は 2013 年と比較しても約 10%近い減少となっており、豪州産チーズ主要輸入国であった日本
などの国への輸出減少が主な減少原因となっている。
-米国米国におけるチーズ輸出量はニュージーランド・ 豪州とは対照的に非常に好調であり、 1 月~5 月に
おいては当初の予想輸出量を大幅に上回っており、2013 年と比較して 30%以上の増加率をみせている。2014 年に
お け る 米国産チ ー ズの主な 輸出先は メ キシ コ ・韓国・日本と な っ てい る が 、 豪州・サ ウ ジ ア ラ ビア へ の
輸出量も 2013 年と比較して倍以上と急激な増加を見せている。2014 年において、主に輸出されている
米国産チーズはモザレラチーズといったフレッシュチーズとなっており、実に輸出量の 3 分の 1 をフレッシュチーズが
占めている。
米国産チーズ輸出量は 2014 年下期においても堅調に推移するものと予想されており、通年では 2013 年比 23%
増の 373 千トンになると予想されている。
<土屋>
10
<国内情報>
-脱脂粉乳・バター共に在庫数量の大幅減続く-生乳・牛乳2014 年 7 月の全国の生乳生産量は 618,018 トン、前年同月比 2.2%減で 14 ヶ月連続の減産となったものの、過去
5 ヶ月間に渡り続いていた 3%台の減産に比べると、わずかながら減少率は縮小している。地域別では、北海道は
328,925 トンで前年同月比 1.1%減と 13 ヶ月連続の減産、都府県は 289,093 トンで前年同月比 3.4%減と 21 ヶ月連続で
の減産となっている。
北海道では 8 月上旬は厳しい暑さの影響で生乳生産量が若干落ち込んだが、中旬に入り気温が落ち着きを
見せており、一部乳量の減少や乳房炎が確認されているものの 8 月の生乳生産量は前年を上回るのではないか
との見方もある。先日の大雨など天候次第では前年割れとなる可能性も残っているが、増産対策も打たれており
前年を上回ることを期待したい。ただし、天候次第では状況が一変することも考えられるため、引き続き注視する
必要がある。
-バター2014 年 7 月のバター生産量は 4,737 トンで前年同月比 7.5%減、在庫量は 17,123 トンで前年同月比 31.6%減となり、
先月を上回る減少率になっている。ホクレンの公表した情報によれば、7 月の加工(脱脂粉乳・バター等向け)の乳量
は前年比 6.8%減と昨年 7 月以降 13 ヶ月連続で前年を下回って推移しており、また、農畜産業振興機構の 3 ヶ月間の
需給予測でも、9 月末の在庫量は過去 5 年間で最低水準にまで下がると予想されている。今後下記日程で輸入
バターの国内売渡が行われるが、これでも在庫は不足した状態が続くと考えられている。
輸入バター国内売渡予定 : 合計 3,750 トン
9 月 10 日 438 トン、 9 月 30 日 525 トン、 10 月 16 日 470 トン、 11 月 5 日 651 トン、 11 月 26 日 1,666 トン
-脱脂粉乳2014 年 7 月の脱脂粉乳の生産量は 8,827 トンで前年同月比 8%減、在庫量は 37,029 トンで前年同月比 27%減
となっている。農畜産業振興機構の 3 ヶ月間の需給予測では、バターと同様脱脂粉乳も 9 月末の在庫量は過去
5 年間で最低水準、過去 10 年でみても 2 番目に低い水準になると予測されている。
このような状況のため、日本乳業協会は農水省に対し脱脂粉乳とバターの更なる追加輸入を要請した。5 月から
6 月にかけて脱脂粉乳 4,178 トン、バター7 千トンの輸入入札を行ったが、国内の生乳生産量が回復しないため左記
の輸入数量では乳製品不足の解消にはならないと判断、年明けの早い段階で脱脂粉乳 12 千トン、バター5 千トンの
輸入・放出の実施を求めた。このような大きな数量が輸入されれば国内の在庫積み増しが可能となるため、今後も
状況を注視したい。
11
生乳生産量(26 年 7 月)(単位:千トン)
平成 26 年度
前年比
生乳生産量
牛乳等向け
618
97.8%
337
96.4%
内業務用
22
92.1%
乳製品向け
その他
276
99.4%
5.0
103.3%
平成 26 年度、バター需給予想(単位:トン)
生産量
前年比
消費量
第 1 四半期
16,943
86.1%
16,137
第 2 四半期
12,977
94.3%
15,103
第 3 四半期
12,360
90.8%
22,100
第 4 四半期
17,560
101.8%
17,460
合計
59,840
93.1%
70,800
在庫量はカレントアクセスによる輸入バター(民間)を含む
前年比
94.7%
91.7%
100.5%
99.9%
97.0%
在庫量
前年比
18,126
70.5%
16,000
69.6%
12,000
68.4%
12,100
69.9%
12,100
69.9%
月数
3.0
2.6
2.0
2.0
2.0
平成 26 年度、脱脂粉乳の需給予想(単位:トン)
生産量
前年比
消費量
第 1 四半期
31,289
83.2%
36,791
第 2 四半期
24,627
94.3%
35,185
第 3 四半期
27,900
90.8%
36,300
第 4 四半期
34,850
101.5%
34,000
合計
118,666
92.1%
142,276
在庫量はカレントアクセスによる輸入脱脂粉乳(民間)を含む
前年比
95.6%
98.9%
104.9%
99.0%
99.5%
在庫量
前年比
39,158
73.9%
33,000
74.8%
29,000
72.0%
27,000
67.1%
27,000
67.1%
月数
3.3
2.8
2.4
2.3
2.3
<高橋>
12
-EU、ロシア農産品輸入禁止による影響EU 委員会は、ロシアの農産品輸入禁止による悪影響が見られ始めたことにより、加盟国の専門家との協議を
経て、バターと脱脂粉乳の民間在庫補助(PSA)を今年末まで延長すると発表した。
8 月初旬のロシアによる禁輸措置以降、EU の乳製品価格は下落を続けており、特にラトビア、リトアニア、
エストニア及びフィンランドのチーズメーカーには大きな打撃を与えている。8 月末になってもこの傾向は変わらず、
EU 全域で価格は続落している。この先行き不透明な市況から、チーズ向けとなっていた多くの生乳がバターや
脱脂粉乳に移行しつつある。バター・脱脂粉乳の価格も既に大きく値を下げており、余剰品の吸収のために今回の
PSA(民間助成在庫)が決定された。EU 農業理事である Dacian Ciolos 氏は、不安定なマーケットのリスク要因が
見られれば、新しい共通農業政策(CAP)を継続的に活用すると述べている。
チーズについては、PSA に適しているのかを EU 委員会で分析しているところである。禁輸措置により最も大きな
影響を受ける乳製品はチーズであり、2013 年は EU からロシアへ約10 億ユーロ分のチーズが輸出されていた。
2014 年末までの PSA 総量が不明でコストの総額ははっきりしていないが、10~20 百万ユーロが見込まれて
いる。チーズ向け PSA や民間在庫期間の延長は、2014-2020 CAP にある緊急援助ルールに基づいて取り決め
られることとなる。
一方、ロシア各地では輸入規制により食品価格が高騰していると報道されている。同国のメドベージェフ首相は
「農産品の輸入規制で、物価上昇を招くとは考えにくい」と発言したが、モスクワでは食肉加工品用の豚肉の値段が
6%上昇した。既に食品価格が上昇しているサンクトペテルブルクでは豚肉が 23.5%、鶏肉が 25.8%それぞれ値上がり
している。極東は事態がより深刻で、サハリン州ではチーズの値段が 10%上昇したほか、食肉も 15%、鶏もも肉に
至っては 60%も高騰したという。プリモリエでも中国産のリンゴが 30%値上がりし、食肉は 26%、魚は 40%上昇している
模様。
タイ商務省国際貿易振興局(DITP)のナンタワン局長は、ロシアの大手食品輸入 3 社が先ごろ 4 日間にわたって
タイを訪れ、タイの食品メーカー27 社と商談を開始したことを明らかにした。ロシア側は、タイ産の鶏肉、アヒル、
海産物、野菜・果物、豆類、加工食品などの輸入に関心を示しているという。
西側諸国産の原料を使用した加工食品について、共に関税同盟を形成するカザフスタン、ベラルーシからの輸入
を容認する考えであると、ロシア・ドゥボルコビッチ副首相が発言したとも報道されている。今回の禁輸措置を
めぐって、欧米、ロシア双方で対策を講じようとしているのが窺い知れる。
-オランダ FrieslandCampina 社、中国での合弁事業オランダの巨大酪農企業 FrieslandCampina 社は中国の Huishan Dairy Holdings 社との合弁事業についての
排他的交渉を開始した。 この事業により、中国国内での高品質な育児粉乳調製品の製造から販売まで、完全
一体型のサプライチェーンが生み出されるという。
Huishan 社は昨年、スイスの Hero グループの支援の下、自身初めての育児粉乳製品に乗り出したが、今回は
2 回目の欧州企業との合弁事業となる。生乳は Huishan 自社の酪農家から集乳することになる。
FrieslandCampina 社と Huishan 社はそれぞれの経験やノウハウを投入すると共に、既存の育児粉乳ビジネスは
引き続き個々に行っていくという。Huishan 社は自社ブランドでのマーケティングを行い、FrieslandCampina 社の
Friso ブランドは、これからも専らオランダ国内で製造され、FrieslandCampina 社により市場で販売される。
Huishan 社は、アルファルファや補助飼料の生産・供給と、自社ブランドでの乳製品の加工・販売を行い、中国内
有数の総合企業である。Huishan ブランドの液状乳製品は中国の北東地方で最大シェアを有している。
FrieslandCampina は、Friso ブランドの育児粉乳におけるプレミアムおよび、中国の食品ならびに育児粉乳
メーカーへの原料販売によって中国内で良く知られている。
<木幡>
13
-好決算相次ぐ―増産目指す豪乳業大手Murray Goulburn (MG)社、Bega Cheese 社、Warrnambool Cheese & Butter (WCB)社などの乳業大手が相次いで
好決算を発表した。しかし、豪州の牛乳生産の増加ペースは需要の伸びに追いついていない状態で、輸出強化で
稼ぎたい各社にとって今後の成長のブレーキとなりかねないロシアの農産品禁輸や牛乳価格の下落も懸念材料。
WCB 社が 8 月 20 日発表した 6 月通期決算は、純利益が 2,130 万豪ドルとなり、前年度比 184%増と約 3 倍増加。
世界的に乳製品価格が上昇する中、豪ドル高が一服したことが業績を押し上げた。成長の背景として、コスト削減
など経営効率化努力や品ぞろえ強化などの一連の投資が奏功したと分析している。
8 月 22 日に 6 月通期決算を発表した Bega 社も、純利益が 6,600 万豪ドルと前年度から 160%増加し、同社
過去最高となった。利益を大きく押し上げたのは保有していた WCB 社株の売却益が大きいが、バランスシートは
大幅に改善。純債務を解消し、潤沢な手元資金を持つ。WCB 社株売却益などを除いた税引き後利益は前年度から
15%増の 3 千万豪ドル。売上高も同 6%増の 10 億 7 千万豪ドルと同社過去最高を達成した。
MG 社が 8 月 27 日発表した 6 月通期決算は、大規模投資などを背景に純利益が 2,930 万豪ドルと、前年度から
19%減少。しかし、売上高や農家からの牛乳買い取り価格、そして牛乳納入量の伸びがそれぞれ同社過去最高とな
り「記録的な一年」となった。売上高は 29 億 1,700 万豪ドルと、前年度比 22%増の大きな成長を見せた。
同社が最も力を入れているのが飲用乳の増産で、6 月通期の飲用牛乳供給量は 8%増加した。高水準の牛乳
買い取り価格で農家を支援し、現在の牛乳加工量 34 億リットルを 2 倍に増やす目標を掲げる。
Bega 社も増産に向け、契約農家を対象にした 2,500 万豪ドル規模の成長プログラムを導入。牛乳買い取り量を
向こう 3 年間で現在の 7 億 3 千万リットル(73 万トン)から 2 割増の計画。
WCB 社も農家への牛乳増産支援策を講じており、WCB 社を買収したカナダ Saputo 社は、WCB 社の牛乳生産量
を年間 1 割ずつ引き上げたい意向を示している。
MG 社の Gary Helou 社長は、豪州の牛乳は質が高く安全であることや、地理的にアジアに近いことなどが
魅力となり、特に中国などアジアからの引き合いが強いと指摘。しかし、国内の牛乳生産が伸び悩んでいることから
各社はアジアの乳製品ブームに乗り切れず、増産実現に必要な利益を上げることができていないとしている。その
ため「(増産を実現するためにも)乳業大手の一部が、向こう数年で事業統合を余儀なくされる」と予想。国内業界は
「再編がさらに進むと強く信じている」とし、「自分から再編を求めて積極的に行動を起こそうとは思わないが、
(買収)機会を探っていく」方針を示した。豪州全体の牛乳生産量は過去 10 年間で約 2 割減少、0.4%増の微増に
転じている。
国際的な乳製品価格の下落が懸念されているが、WCB 社は国際的な需要は今後も引き続き強いと予想。
Bega 社も、乳製品価格は非常に高い水準から下がっただけで下落すること自体は珍しくなく、中長期的な需要は
衰えないとの見方から、増産を目指していく構えだ。
MG 社は、乳製品需要は底堅いとの見方を示しつつも、ロシアの農産品禁輸の影響を注視する構え。特に、
同禁輸措置で行き場を失った EU 産の牛乳がアジア市場に向かう可能性が懸念されている。
-Tatura Milk Industries 社、中国向け粉ミルク輸出許可Bega Cheese 社傘下である、Tatura Milk Industries 社が、中国向けの乳児用粉ミルクの輸出を再開できる見通し
となった。同社が粉ミルクを納入し、充填、包装するメルボルン拠点の Blend and Pack 社も中国当局から輸出認可を
受けたことから、中国向け輸出を認められた豪州企業はこれで 5 社となる。(8 月 5 日、ABC 放送)
本年 5 月、中国の規制当局は、偽ブランドの摘発や食品の安全性強化のため、乳児用粉ミルクの輸入に対して
新規制に基づく認可制度を導入した。輸出が認められるのは、中国国家認証認可監督管理委員会(CNCA –
Certification and Accreditation Administration of the People's Republic of China)に登録済みの企業だけで、豪州
ではこれまで、Murray Goulburn 社、中国出資の Australian Dairy Park (ADP)社と Viplus Dairy 社の 3 社だけだった。
Bega Cheese の Barry Irvin 会長は、「中国は年間 10%の成長率を誇る市場。中国が輸入される乳児用粉ミルクの
製造に関して規制を強化したことを歓迎している」と語っている。
14
-Fonterra (NZ)社、乳価引き下げFonterra (NZ)社は 7 月 29 日、2014/15 年度(14 年 6 月~15 年 7 月)の生産者からの牛乳買い取り価格見通し、
乳固形分 1kg 当たり 7NZ ドルから 6NZ ドル(約 45NZ セント/リットル)に下方修正した。世界的な乳製品価格の下落
や供給増に加え、大消費国である中国での在庫が増えたことや新興国からの需要の減退が背景にあり、同社会長
は、Global Dairy Trade (GDT)での価格指数が 6 月 1 日以降 16%下落していることを指摘し、さらに NZ ドル高のほか、
NZ の農家からの 13/14 年度の牛乳調達量が前年度比 8%増加したことも、買い取り価格の引き下げにつながった、
と説明した。
一方、酪農家が保有する Fonterra 社株の配当については、14/15 年度は 1 株当たり 20~25NZ セントと、前回
予想の同 10NZ セントから引き上げた。
-Fonterra 社、中国の乳幼児食品メーカーと提携Fonterra 社は、8 月 27 日、中国の乳幼児食品メーカー、貝因美嬰童食品 (貝因美、Beingmate)の株式最大 20%を
取得すると発表した。今回の資本提携により、貝因美を通じて同社の乳幼児用粉ミルク「アンマム(Anmum)」を
中国で販売するほか、豪州ビクトリア州で粉ミルクを製造する合弁会豪州社を設立する。NZ での加工施設拡張も
合わせた投資規模は 11 億 7 千万 NZ ドルに上る。(NZ Herald)
Fonterra 社は成長を続ける中国の乳児用粉ミルク市場で存在感を高めたい考えがあり、貝因美社株の取得に
6 億 1,500 万 NZ ドルを、また、NZ Waikat 社の製造能力増強に 5 億 5,500 万 NZ ドルをそれぞれ充てる。
また、Fonterra 社と貝因美社は合弁会社を設立し、豪州ビクトリア州東部 Darnum にある同社の乳幼児用粉ミルク
工場を資産に組み入れる。
-Westland 社が 2014/15 年度シーズンの見込み支払額を修正NZ Westland Milk Products 社は、7 月に発表された 2014/15 年度シーズンの見込み乳価を乳固形分 1kg 当たり
(kg MS) 6.00 - 6.40NZ ドルから 5.40 - 5.80NZ ドルへ下方修正した。
同社 CEO は、「修正された見込み額は NZ 全ての乳製品企業が現在直面している状況を受けたものであり、
シーズンは始まったところではあるが、我々は月ごとに見直しを行い、株主たちにできる限り最新の見通しを伝えて
いく。価格が下がった原因は、国際価格の下落と NZ ドル高が続いていることによるもの。先週のオークションでは
価格の減少率はわずか 0.6%であったものの、SMP の価格は 12%下落している。
中国の需要はあまり冴えず、卸売業者や顧客の倉庫の在庫は重いと伝えられている。先シーズンの価格が
高かったことで、欧州や米国・NZ の供給量が増える原因となり、顧客はオプションが増える結果となった。
乳価が下がることにより、酪農家は予算の見直しが必要となり、Westland 社の役員メンバーは酪農家に与える
ストレスについて非常に懸念しており、この状況をモニターし、彼らが現在の状況を乗り越えるためのノウハウなど
のサポートを株主たちと密に行っていくとしている。
同社は、SMP などの汎用バルク商品に頼ることは、国際的な乳製品市場が循環的に揺れ動いたときに影響を
受けやすくなると考え、乳幼児向け育児粉乳などの高価値栄養製品の製造能力を拡大していく戦略を続ける。
Hokitika 社に 1 億 2 百万ドルを投資して Nutritionals Dryer を設置したことによって、我々の製品が高価値商品へ
シフトし、より高額の支払いを行うことができる機会が増えることとなる。」と同氏は述べた。
-Synlait (NZ) 社のラクトフェリン、需要強まるSynlait Milk 社が製造する、ラクトフェリン製品への需要が世界的に高まっている。製造を今年開始したばかりだが、
同社は噴霧乾燥した同品について、2014/15 事業年度 (14 年 6 月~15 年 7 月) の販売目標を 15 トンとした。
ラクトフェリンは牛乳に含まれる抗菌作用のあるタンパク質で、同社は、今年、乳製品加工工場を更新し、同品を
噴霧乾燥させて粉乳を製造することが可能になった。
この製法でラクトフェリンを製造できるのは、世界で同社と FrieslandCampina 社の 2 社のみ。この製法で造られた
ラクトフェリンは溶けやすいのが特徴。
15
世界のラクトフェリン市場は 01 年の 45 トンから 12 年には 185 トンに拡大。17 年には 262 トンになると予想されて
いる。
-2014 年 7 月のビクトリア州の主な町の降雨量 (mm)7 月降雨量
昨年同月降雨量
Tatura (北部)
Warrnambool (西部)
Bairnsdale (東部)
Albury (北東部)
Melbourne
24.2
88.2
20.6
41.0
19.0
-2014 年 8 月のビクトリア州の降雨量
8 月降雨量
Tatura (北部)
Warrnambool (西部)
Bairnsdale (東部)
Albury (北東部)
Melbourne
62.1
81.4
12.4
73.0
62.4
27 日時点 (mm)昨年同月降雨量
3.4
51.0
57.0
10.4
38.0
69.0
174.2
22.2
87.6
58.6
※グラフは 2014 年 8 月 27 日までの降雨量
16
平年
平年比
48.3
82.0
48.0
67.4
47.7
-49.9%
+7.6%
-57.1%
-39.2%
-60.2%
平年
平年比
47.5
100.2
35.9
66.9
50.1
------
-ニュージーランドの主な町の降雨 2014 年 7 月と累計 (mm)7 月降雨量
昨年同月降雨量
平年
平年比
South Auckland (北島)
102.6
43.2
122.3
-16.1%
Taranaki (北島)
72.2
190.6
136.1
-47.0%
North Canterbury (南島)
36.0
47.2
64.7
+44.4%
Southland (南島)
78.7
113.6
85.2
-7.6%
-生乳生産量’14, 7 月の生乳生産量(前年同月比)
単位:百万リットル
’14, 7 月~累計(前年同時期比)
NSW
86.8 (+4.4%)
Victoria
428.7 (+2.2%)
Queensland
35.3 (-8.1%)
South Australia
36.6 (-5.2%)
Western Australia
27.6 (-0.9%)
Tasmania
32.8 (+7.1%)
Australia
647.7 (+1.5%)
-ビクトリア州の地域別生産量’14, 7 月の生乳生産量(前年同月比)
86.8 (+4.4%)
428.7 (+2.2%)
35.3 (-8.1%)
36.6 (-5.2%)
27.6 (-0.9%)
32.8 (+7.1%)
647.7 (+1.5%)
単位:千リットル
’14, 7 月~累計(前年同時期比)
東 部
北 部
西 部
ビクトリア州全体
-豪州品目別生産状況-
’14, 6 月 (前年同月比)
112,613 (+3.8%)
135,756 (+2.0%)
180,304 (+1.3%)
428,673 (+2.2%)
単位: トン
’13, 7 月~累計(前年同時期比)
4,919 (-6.9%)
801 (-34.1%)
10,375 (+38.7%)
9,842 (-19.0%)
12,956 (-9.5%)
11,641 (+56.2%)
3,308 (-29.5%)
83,758 (+1.2%)
11,606 (-24.9%)
150,427 (-3.9%)
138,694 (-12.8%)
210,964 (-5.8%)
126,322 (+16.1%)
55,506 (-12.5%)
バター
バターオイル
チェダー
その他チーズ
脱脂粉乳
全粉乳
ホエイ、WPC
112,613 (+3.8%)
135,756 (+2.0%)
180,304 (+1.3%)
428,673 (+2.2%)
<辰澤>
17
-好調な米国生乳生産7 月の米国生乳生産量は昨年比 3.9%増の約 793 万トンと好調な結果であった。一方、季節的要因により 1 日当たり
の生乳量は 6 月比 2.5%減となっている。ロッキー山脈以東において気候条件が回復したことが、好調な生乳生産へ
と繋がった。昨年比較、生乳生産量が最も増加したのはカリフォルニア州(6.6 万トン増)、次いでウィスコンシン州
(3.6 万トン増)、ミシガン州(2.9 万トン増)となっている。一方、生乳生産量が昨年比較減少したのがオレゴン州
(907 トン減)、ミネソタ州(454 トン減)、ニューメキシコ州(454 トン減)の 3 州となった。
主要生乳生産州別の昨年比
ワシントン州
+2.9%
アイダホ州
+4.0%
カリフォルニア州
+4.4%
ニューメキシコ州
-0.1%
アリゾナ州
+8.9%
ウィスコンシン州
+3.4%
ミネソタ州
-0.1%
ミシガン州
+8.2%
ニューヨーク州
+4.8%
7 月の米国生乳生産量は、乳牛頭数の増加(昨年 7 月比 0.4%増)、加えて一頭当たりの搾乳量の急増
(昨年 7 月比 3.5%増)により昨年 7 月比 3.9%と急増した。米国の 2014 年上期の生乳生産量は昨年比 1.3%増と、生乳
生産が好調であった NZ、EU と比較し僅かな増加に留まった。一方で、NZ、EU の 2013 年上期生乳生産量は
2012 年比減となっているが、米国の 2013 年上期の生乳生産量は 2012 年比 0.4%増となっている。
7 月の米国乳牛頭数は、6 月比 5 千頭増、昨年 7 月比 37 千頭増の 9,272 千頭。昨年比較最も乳牛頭数が
増加したのはテキサス州で 35 千頭増、次いでミシガン州の 11 千頭増、コロラド州の 8 千頭増、アイダホ州と
カンザス州が 6 千頭増で並んでいる。一方、乳牛頭数が減少したのはミネソタ州、オハイオ州で共に 5 千頭減、
次いでペンシルベニア州の 4 千頭減となっている。
7 月米国の一頭当たりの平均搾乳量は昨年比 0.9kg/日も増加している。この増加率は 2012 年 3 月以降最高
である。各酪農家の収益状況が良く生乳生産意欲が強かったこと、また暑すぎない穏やかな気候で湿度も
低かったことが、生乳生産を後押しする結果となった。生乳生産が特に好調であったのがロッキー山脈以東の各州
となっており、西部各州の順調な生乳生産と相まって 7 月の好調な結果へと繋がった。
現在米国の生乳生産増加に向けての要素は出揃っている。問題はどの程度の期間、増産が継続するという
ことであるが、過去の状況と照らし合わせると、今後 9~12 ヶ月間は前年比の増加を見込めると考えられて
いる。
-乳牛屠殺頭数今年の米国の乳牛屠殺は 2013 年を下回るペースで推移している。
7 月の乳牛屠殺頭数は昨年同月比 7.5%減の 232 千頭。例年の 7 月は 6 月よりも屠殺頭数が多い傾向に
あるが、今年も同様で 6 月比 12.8%増となっている。今年年初からの累計屠殺頭数は昨年同期比 11%減
(195 千頭減)の 1,623 千頭。この数値は 2010 年以降で最も少なく、今後短期的には屠殺頭数が急増する兆候は
見られない。というのも、屠殺頭数が減少し生乳生産量が増加しているにも関わらず、チーズおよびバター
価格の高値の影響により、NFDM の CME 現物価格の下落に歯止めが掛かると思われる。なお、現在の下落した
NFDM の取引価格が年内中に酪農家の受取乳価へ影響を及ぼすことは無いであろうと思われる。
18
-2014 年上期の好調な乳製品輸出2014 年上期、米国は 30 万トンを超える NFDM(脱粉)を輸出、昨年同期比 13.3%も増加する結果となった。
6 月の NDFM 輸出量は昨年 6 月比 26%増、5 月比では 3.9%増の 60,691 トンとなっている。NDFM 輸出量が
増加したのは、米国の粉乳の最も大きい輸出先であるメキシコ向けが大幅に増加したためである。メキシコ向け
NDFM 輸出は、1 月~4 月の間は伸び悩んだが、価格が下落した 5 月、6 月に急増した。6 月のメキシコ向け
輸出は 5 月比 2.8%増の 24,721 トン、昨年 6 月比では 72%以上も増加している。
6 月のチーズ輸出量は 5 月比 10.3%増、昨年 6 月比約 33%増の 33,930 トン。2014 年上期のチーズ輸出量は
昨年比 34%増。東南アジアにてピザ需要が高まっており、米国産チーズの当地域向け輸出が急増している。また、
6 月の向け先別チーズ輸出量において日本、韓国はメキシコを上回っている。
6 月のバター輸出量は 5 月比 12.4%増、昨年比 21%減の 5,987 トン。米国のチーズおよびバター価格は軟調な
国際市場、強い米ドルのため国際市場で競争力を失っている。米国産乳製品は今後の輸出市場において厳しい
競争に直面することになる一方、今年後半のバター、チーズの輸入量は輸出量を超えることも考えられる。
-米国ホエイ輸出の状況タンパク質含有量が 80%未満の Whey Protein Concentrate(WPC)の輸出は 5 月比 13%減、昨年 6 月比 32%減の
7,257 トンに急減した。6 月単月の輸出量としては、2008 年来の低い水準。輸出向け先上位 3 ヶ国は中国、カナダ、
メキシコとなっており、6 月の全輸出量の 66%を占めている。しかしながら上位 3 ヶ国向けの輸出量は
5 月比それぞれ減少しており、メキシコ(33%減)、中国(21%減)、カナダ(15%減)。育児粉乳向けのタンパク質含有量
が 34%の WPC(WPC34)を含む乳製品は順調に取引されているが、NFDM 価格が下落してきたため、WPC34 の
NFDM 代替需要は落ち込むことが考えられる。
タンパク質含有量が 80%以上の WPC(WPC80)の輸出は安定している。6 月の輸出量は 5 月比 7.5%の減少
ながら、昨年 6 月比 8.8%増の 2,041 トン。今年上期の輸出量は昨年同時期比 27%増にて推移している。
中国向け輸出は 5 月の 149 トンから約 2 倍増の 294 トン。中国向け輸出は全輸出量の 15%を占めている。
米国のホエイ輸出は低調に推移しており、6 月の輸出量は 5 月比 8.6%減、昨年 6 月比 3.5%減の 20,094 トン。
輸出量が増えている輸出先は中国(8%増)、韓国(12%増)。また香港向けが 6143%増と急増している。一方、輸出量
が減少している輸出先はメキシコ(12%減)、カナダ(12%減)、マレーシア(8%減)およびその他となっている。6 月の
ホエイ輸出が低調であるにも関わらず、国内需要が堅調であるために、生産量は増加しているが在庫量は減少
する結果となった。
-米国バター価格米国時間 8 月 22 日の CME バター現物相場では 6 契約(約 109 トン)の取引が成立し、最終取引価格は 1998 年
9 月以来の史上最高値となる USD6,226/MT となった。
バター先物相場は取引開始から堅調な値動きであったが、現物価格の急騰に釣られ 2015 年 1 月、6 月物では、
ストップ高となる 1 パウンド当たり 5 セント高(約 USD110/MT)を記録した。23 日午後発表された 7 月米国
バター在庫量は昨年比大幅に減少であったが、発表を待たずして現物価格は急騰した形である。
-バター・チーズ在庫量7 月の米国バター在庫量は昨年比 42.4%減の約 375,220 トン。在庫の逼迫に加え、需要期の休暇シーズンが
近づいていることもバター現物価格を押し上げる要因となっている。昨年米国産バターは世界市場で最も安値
であり輸出量が急増したが、結果米国内の在庫が急減したため、今後は NZ、EU 品の米国への輸入量が増加する
可能性がある。バター価格高値の影響から需要は落ち込む可能性もあり、また前述の通り輸入が増加し、現在の
好調な生乳生産が相まって今年後半には在庫量は再び増加するとの見方が強い。この様な見方がある一方で、
バター需要者は年明け以降もバターの在庫不足が継続することを懸念しているために、先物相場が堅調に推移
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していると考えられる。
7 月のチーズ在庫量は 6 月比横ばいであったが昨年 7 月比 7.9%減の 460,816 トン。バター在庫同様、今年は
7 月現在まで過去 2 年の在庫水準を下回り推移している。今年上期の中西部における低調な生乳生産の影響に
加えチーズ輸出が好調であることから、チーズ在庫は低水準で価格も高値にて推移している。
タイプ別には、アメリカンタイプの 7 月在庫量は 6 月比 0.8%増、昨年 7 月比 5.9%減の約 299,376 トンとなっている。
今年後半にはチーズ主要生産州の乳量回復、輸出需要の減退の影響により、チーズの在庫の積み上げが起こると
予想されている。しかし在庫が積み増しされるよりも前に、現在の価格高騰によりチーズ需要が落ち込んでしまうと
の見方が強い。
現在の米国のチーズおよびバターの在庫が低水準である要因は、2013 年上期の EU の低調な生乳生産、2013 年
上期の NZ 旱魃、2013 年下期の中国の低調な生乳生産量の影響により、米国乳製品の輸出が急増したことであると
考えられている。アメリカ乳製品輸出協会(USDEC)は、今年 6 月までの米国生乳生産のうち固形分換算 17%が輸出
されたと発表している。過去12 カ月の間、中国は世界の乳製品取引量増加を牽引していたが、7 月の中国の乳製品
輸入量を確認するとその勢いに陰りが見えてきている。7 月の中国の WMP(全粉乳)輸入量は 6 月比では 13%減、
昨年 7 月比 17%増の 39,245 トン。昨年 9 月以降で最も WMP 輸入量が少ない月となった。
7 月の SMP 輸入量は 6 月比 16%増、昨年 7 月比 11%増の 23,662 トン。7 月の中国 SMP 輸入量のうち米国の
シェアは 25%に落ち込んだ一方で、NZ が米国やその他輸出国からのシュアを奪還した。7 月中国は NZ から昨年
7 月比 124%増の 10,560MT の SMP を輸入している。中国の乳製品需要拡大に一服感が見られる中、世界の生乳
生産量は増加しており、WMP ではなく、再び SMP、チーズ、バターの製造へシフトすることが考えられる。その場合、
国際市場で乳製品の供給が過多となり、例年とは異なり米国の乳製品在庫が需要期に積み上がる可能性が考え
られるが、需要期の間に実際にどの程度需要が振るうかに委ねられる。
-米国バター小売市場今年の米国バター消費量が過去 40 年で最大の量になると見込まれているようだ。また米国農務省(USDA)も今年
の一人当たりのバター等の乳脂肪製品の消費量は約 2.54kg になると推定している。
例年、バターは最需要期である秋口から年末の休暇シーズン(9 月~12 月)に、年間消費量の大部分が消費
されている。さらにクリームチーズ、生クリーム、エッグノッグ(牛乳に卵と砂糖を混ぜた飲み物)等の乳脂肪
含有量が多い商品も同様である。一方、今後の需要期に向けて、昨今のバター価格高騰の影響から最終製品価格
が値上がりした場合、バターや乳脂肪製品に対する消費者の需要が保たれるかどうかが注目される。
Dairy Market News によると、昨年は 8 月中旬の 2 週間で 4,060 店舗の小売店が、バター価格 1kg 当たり
6.17 ドルの特売広告を行ったが、今年は 1,651 店舗のみで、価格も 1kg 当たり 7.41 ドルと割高となっている。
今年のバター広告数の累計は昨年比 14%減となっている。同 2 週間のうち後ろの 1 週間での広告平均価格は
昨年の 6.06 ドルに対し、今年は 6.66 ドルと 60 セント高くなっている。昨年 9 月から 12 月にかけて、1 ヶ月当たり
7,100 店舗の小売店が需要期である休暇シーズン前およびシーズン中にバターの広告を打ち出しており、平均価格
は 1kg 当たり 5.75 ドルであった。
<斉藤>
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-2014 年上半期の UHT 牛乳輸入量2014 年上半期の中国における UHT 牛乳輸入量は 13.8 万トンに達し、前年同期比 34.6%の増加となった。中国
乳製品協会のデータによると、2010 年の輸入量は前年比 1.59 万トン増、2011 年は 4.05 万トン、2012 年は 9.38 万
トン、2013 年は 19.5 万トンの増加と、輸入量は右肩上がりで上昇していたが、2014 年は前年比増となるものの、
伸び率はやや軟化する見通しである。
2014.8.19
出典:第一財経日報(上海)
URL:http://www.dac.com.cn/article/gndt-14081911233236410017.jhtm
-育児粉乳メーカー82 社が認可現在、中国では 82 社が育児粉乳メーカーとしての許認可を得ている。許認可を取得できなかった 51 社のうちの
14 社は乳幼児向けの粉乳加工工場となり、原末の吹き上げのみ認可されており、23 社は引き続き審査を受けてい
る状況である。9 社については育児粉乳製造を事業品目から外し、自ら生産許可取り消し申請手続きに入っている。
他 5 社は審査をパスできなかったため、製造が中止となった。
出典:網易財経
URL:http://www.dac.com.cn/article/gndt-14060611165732410577.jhtm
<西村>
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作成・問合せ先:株式会社 ラクト・ジャパン
乳原料第一本部
第一チーム
[email protected]
第二チーム
[email protected]
乳原料第二本部
第一チーム
第二チーム
[email protected]
[email protected]
チーズ事業本部
チーズチーム
[email protected]
出典:AGRA EUROPE 各誌、
Dairy Industry Newsletter
農畜産業振興機構“畜産の情報”
AMS Dairy Market News
日刊酪農乳業速報
Rice Dairy
NZ Herald
Stuff.co.nz
食品産業網
Weeklytimes
USDEC Export Trade Data
Global Trade Information Service
USDA’s Dairy Market News
Australian Financial Review
中国乳製品工業協会
中国乳業協会
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