2014年 4月 19日[土]− 6月1日[日]

開館 40 周年記念
2 0 14 年
4 月 19 日[土 ]− 6 月 1 日[日]
※前期、後期で作品がほぼ全点入れ替わります
前期展示 4 月 19 日[土]− 5 月 11 日[日]/後期展示 5 月 13 日[火]− 6 月 1 日[日]
会 場:展示室 1・7
開館時間:午前 9 時 30 分−午後 5 時(入館は 4 時 30 分まで)
休 館 日:月曜日(5 月 5 日は開館)
観 覧 料:一般 800(640)
円、大高生 400(320)円( )内は 20 名以上 の団体割引料金
*中学生以下、障害者手帳等をお持ちの方とその介護者 1 名は無料
*リピーター割引:本展チケット ( 有料 ) 半券のご提示で 2 回目の観覧料が半額になります。
狩野探幽「群虎図襖」
( 南禅寺)
重要文化財(展示期間4月19日∼5月11日)
狩野探幽「芦鷺瀑辺松樹図襖」
( 名古屋城)
重要文化財(展示期間5月13日∼6月1日)
戸絵 画ファン必見の展覧会「探 幽3兄弟展」がついに開
本展では、探幽・尚信・安信の作品をはじめて一堂に展示
幕します。本展は、江戸時代初期に活躍し、江戸絵画史
します。江戸狩野派がいかにして成立し、3兄弟がそれぞ
の土台を築いた巨匠・狩野探幽(1602∼1674)とその二人の
れどのような役割を果たしたのか。江戸絵画史の始点とな
弟・尚信
(1607∼ 1650)、安信(1613∼ 1685)を紹介する
る3兄弟の画業を検証し、その全貌に迫ります。
展覧会です。
会場には探幽・尚信・安信の代表作が勢ぞろいし、五点も
「画壇の家康」とも称される探幽の偉業は、これまでにも
の絢爛豪華な襖絵が当館に集結します。その他、日本最大
さまざまな形で注目されてきました。しかし、
探幽に二人の
級の金屏風や多数の新出作品が会場を彩ります。この春最
弟がいたことは、現在あまり知られていません。尚信と安信
大規模の江戸絵画展をお見逃しなく。
江
は、それぞれ探幽とは異なる個性を開花させ、探幽ととも
に、江戸時代を通じて画壇の中心にあり続けた江戸狩野派
を確立した重要な絵師たちです。
狩野安信「竹虎図屏風」
( 浄福寺)
( 展示期間4月19日∼5月11日)
狩野尚信「松図襖・壁貼付」
( 二条城)重要文化財(展示期間4月19日∼5月11日)
●記念講演会「三家鼎立3兄弟」 講師:榊原悟氏(岡崎市美術博物館館長) 5月 3日
(土)午後2時∼3時30分 会場:当館2F講堂[聴講無料・申込不要]
・野田麻美(群馬県立近代美術館学芸員)
●記念対談「探幽3兄弟展ができるまで」 佐々木英理子氏(板橋区立美術館学芸員)
5月25日
(日)午後2時∼3時30分 会場:当館2F講堂[聴講無料・申込不要]
●学芸員による作品解説会 4月30日(水)、5月17日(土) 午後2時−午後3時 [要観覧料・申込不要]
2015
5 月に作品募集を開始
来年の冬に開催される
「群馬青年ビエンナーレ 2015」の作品募集を、次のと
おり実施します。応募を予定している方は、募集期間が近づきましたら、当館
HPなどをチェックして、募集要項を入手してください。
応募資格 ◆ 1983
(昭和58)年 4月2日から1999
(平成11)年 4月1日までに生
まれた人
◆ グループで応募する場合は、全員が上記の枠内に該当すること。
作品規定 ◆ ジャンルは問わない。ただし他の公募展で入賞した作品は不可。
◆ 1人
(1グループ)2点まで。
◆ 1点の大きさが 300× 300× 300㎝以内、重さ 500㎏以内である
こと
(額やその他作品に必要な付属品を含む)
。映像作品は 10分以
内。当館の施設、設備で展示可能な作品であること。
※その他、詳細は募集要項等で定めます。
ビエンナーレ 2012 審査風景
出 品 料 ◆無料
募集期間 ◆ 2014年 5月∼ 9月 9日
(火)
*当日必着
審 査 ◆ 一次審査 (ファイル審査)
2014年 9月 16日 (火 )
◆ 作品搬入 2015年 1月 10日 (土 )、11日 (日 )
◆ 二次審査 (作品審査)
2015年 1月 13日
(火 )
ビエンナーレ 2012 会場風景
賞 ◆ 大賞
1点 100万円
(当館買い上げ)
◆ 優秀賞 1点 50万円
◆ 奨励賞 5点 各 10万円
◆ ガトーフェスタ ハラダ賞 1点 50万円
(同社買い上げ)
展 覧 会 ◆ 2015年 1月 24日
(土)∼ 3月 22日
(日)
※募集、審査の日程は変更になることがあります。
※その他ご不明な点につきましては、美術館までお問い合わせください。
現在、友の会では平成 26年度の会員を募集中です。
友の会は、会費や館内ショップの利益を活用し、近代美術館を支援している団体
です。会員には県内 4つの美術館の観覧料が減免になるなど、様々な特典があります。
是非この機会にご入会ください。
■会員の種類と年会費(有効期間は 4 月 1 日∼翌年 3 月 31 日)
一般会員 2,000 円/学生会員 1,000 円/家族会員(同居 2 人分)3,000 円(3人以上は1人あたり1,000 円追加)
個人賛助会員(一口)10,000 円/法人賛助会員(一口)20,000 円
■観覧料が減免となる美術館
群馬県立近代美術館・群馬県立館林美術館(あわせて年 2 回無料、ほか半額)
高崎市美術館・高崎市タワー美術館(団体割引相当額)
■主な事業 ・展覧会・教育普及事業・広報への支援、協力のほか、コンサートや講演会等を開催。
・会報の発行、会員限定ミュージアム・ツアーなど、会員のための事業を実施。
ひびのこづえ新商品が入荷しました。
当ショップで人気のひびのこづえシリーズより、動物の王様たちのミニタオル (KINGシリーズ )と、
やわらかで肌触りのよいストールが入荷しました。ご来館の際は是非ショップへもお立ち寄りください。
お問い合わせ先:群馬県立近代美術館 友の会 Tel.027-346-5560(館代表)/Fax. 027-346-4064
ひびのこづえミニタオル
「KINGシリー
ズ」
、ストール
「家」
。
美術館アートまつり 2014 ご参加ありがとうございます!
去
る 1月と 2月の最後の日曜日、恒例の
「美術館アートまつり」が開催されました。今回は 2月の開催日の 1週間前に大雪が
降り、開催が危ぶまれましたが、なんとか無事に行うことができました。1月 26日には、のべ 1021人、2月 23日には、の
べ 663人と、たくさんの方に来ていただき、本当にありがとうございます!
ここでは全プログラムのひとコマを写真でご紹介します。
バックヤードツアー
アートカードで巨大神経衰弱
らくがきデザイナー
(企画・実施:寺澤事務所・工房)
くじくじアニマルワールド!
展覧会ポスタープレゼント
カラフルりゅうをよびさませ! (企画 ・実施:群馬県立女子大学奥西ゼミ)
影の正体を探せ!
赤い色にさわってみよう
アートなミッション
宇宙人をつくろう! (企画 ・実施:群馬県立女子大学奥西ゼミ)
こどもお茶カフェ
あなたに わたしに 紙ふぶき
展示室 4 ●特集 南城一夫 4/19
展示室 2 ∼ 6/8
●日本と西洋の近代美術Ⅳ ∼ 4/6
●日本と西洋の近代美術Ⅰ 4/19 ∼ 6/8
印象派のルノワールやモネ、
世紀末から 20世紀初めにかけ
て活躍したルドンやムンク、
エコール・ド・パリのローラン
サンやパスキン、キュビスム
を創始したピカソなどによる
西洋近代絵画、そして湯浅一
郎や山口薫、オノサト・トシノ
ブなど群馬ゆかりの作家や明
治・大正・昭和を代表する作家
たちによる日本近代絵画を展
示します。
当館コレクションよ
り前橋市出身の洋画
家、南城一夫の作品を
特集します。
《奏人》
●群馬青年美術展と群馬青年ビエンナーレ 1976-2012
展示室 5
●金属の造形 4/19
6/21 ∼ 8/24
∼ 6/8
ピエール=オーギュスト・ルノワール《読書するふたり》
●日本と西洋の近代美術Ⅱ 6/14
∼ 8/24
展示室 3 ●現代の美術Ⅰ 4/19
∼ 6/8
1980年代初頭の日本では、物語性の強い具象絵画や、あら
ゆるジャンルを混交したような表現主義的絵画を描く作家
たちが現れ、
「ニューウェーヴ・ペインティング」などと呼ば
れました。今回は当時注目を集めた大竹伸朗や山倉研志、前
本彰子、荒瀬景敏の作品を特集します。
※ 4/7∼ 18、6/9∼ 13は休館となります。
保田春彦《1m立方体》
●繊維の造形 6/21
∼ 8/24
展示室 7(山種記念館)
●屏風絵の魅力 ∼ 4/6
●人間国宝の染めと織り 6/14 ∼ 7/21
5日(土)
ボランティアによる茶席 11:00∼
4
24日
(木) ファミリータイム 9:30∼12:00
月
30日
(水) 「探幽3兄弟展」
作品解説会 14:00∼
April
5
6
3日(土)
ボランティアによる茶席 11:00∼
「探幽3兄弟展」
記念講演会 14:00∼
月
8日(木)
ファミリータイム 9:30∼12:00
11日
(日)
サンデー・ギャラリートーク 14:00∼14:40
月
7日
(土) ボランティアによる茶席 11:00∼
8日
(日) サンデー・ギャラリートーク 14:00∼14:40
12日(木) ファミリータイム 9:30∼12:00
14日(土) こどもミュージアムスクール
21日(土) こどもアートツアー 14:00∼15:00
26日(木) ファミリータイム 9:30∼12:00
17日
(土)
こどもアートツアー 14:00∼15:00
May
「探幽3兄弟展」
作品解説会 14:00∼
22日
(木) ファミリータイム 9:30∼12:00
24日
(土) こどもミュージアムスクール
25日
(日) 「探幽3兄弟展」
記念対談 14:00∼
June
熊谷ゆう子
「赤のさわるコレクション」の作成と活動について
子
どもたちが美術作品を身近に感じ、感性を高めることを目的としたツールは様々に
作成されているが、ここでは当館でも少しずつ取り組みを進めている事例を紹介し
たい。
当館で最初に作成したツールは、収蔵作品の画像を使用した
「アートカード」と「さいこ
ろパズル」である
(2010年)
。
「アートカード」は県内の各学校に配布したほか、館内では
学校団体の鑑賞や子ども向けプログラムで活用されている。こうした収蔵作品鑑賞に直
結するツールに加えて、別の角度から美術と親しむツールが作成できないかと考えてい
たところ、フィンランドや東京国立博物館で触地図制作を手掛けたデザイナーの齊藤名
穂氏を知る機会があり、
当館の状況に合わせた
「触る」
ツールを開発することとなった。齊
赤のさわるコレクション
藤氏が携わった触地図のような四角いピースをイメージしつつ、当初は素材やモチーフ
と収蔵作品を関連付けることを考えたが、収蔵作品の種類が多くない当館では難しく、結
局は作品に拘らずに様々な素材を紹介する方向とした。また、主な対象として設定した
子どもたちの感覚を刺激することを目指し、「視覚」からもアプローチできるようテーマ
カラーを設定、その色を赤にした。赤に決めた理由としては、色の持つポジティブなイ
メージで興味を喚起したいということもあるが、群馬を代表する画家・山口薫の作品で最
も印象的な色を使いたいということが大きかった。20種類のピースはサイズが 13.5×
13.5cmで、木、布、紙、プラスチック、カンヴァス、毛、皮、金属、ロウなどの多様な
素材を採用しており、特に紬織りと陶磁、漆については、それぞれ専門の作家に制作を
こどもアートツアー
依頼した。
2013年 3月末に完成したこのツールを使用し、3つの異なるプログラムを行った。
5月18日に開催した
「こどもアートツアー」
(毎月第 3土曜日に開催。事前申込不要)で
は、「さわって、みて、感じよう!」と題して、収蔵作品鑑賞と関連させて使用した。ま
ず参加者が「赤のさわるコレクション」を触って気に入ったピースを選び、次にそのピー
スの触り心地から連想される「アートカード」
(展示中の作品)を選ぶ。最後に参加者全員
で展示室に行き、触り心地と作品をどのように繋げたのか、作品の前で話し合った。こ
れは既存の鑑賞プログラムにプラスする形のため、実施しやすい内容であった。
9月には、デザイナーの齊藤氏の紹介により、東京から「視覚障害者とつくる鑑賞ワー
クショップ」のグループが本ツールを体験するために来館した。東京近郊の様々な美術
視覚障害者とつくる鑑賞ワーク
ショップ
館で視覚障害者と晴眼者が一緒に作品鑑賞を行う活動を行っている彼らは、その後、ツー
ル体験と展示鑑賞を行う募集制のワークショップを 11月 2日に当館で行うこととなった。
このワークショップでは、本ツールを触った印象を語り合い、気に入ったピースに名前
をつける活動を行った後、あらかじめ決めておいた赤い色が印象的な作品を展示室で鑑
賞し、「赤」という色を視覚障害者の方にイメージしてもらうことを目指した。改善が必
要な点はあったものの、当館ではこれが視覚障害者を対象としたはじめてのプログラム
であり、本ツールの可能性を実感することができた意義深いワークショップとなった。
2014年 1月 26日に開催した、1日に様々なアートプログラムを行う
「美術館アートまつ
り」では、
「赤い色にさわってみよう」と題して、多くの参加者を対象とするプログラム
を実施した。このプログラムでは、「赤のさわるコレクション」に触った人が、気に入っ
たピースのイメージを付箋に書いて、壁に取り付けたピースの写真の周りに貼りつけて
美術館アートまつり
行く、というものであった。ツールそのものを気軽に楽しんでもらうことを目指したが、
取り扱いが乱暴な参加者もあり、今後に課題を残した。
本ツールは、学校への紹介なども随時行っており、今後は更に多様なパターンでの活
用方法が誕生することが期待される。活用が増えることで、将来的に異なる色のシリー
ズを作成するなど、発展させることができればと考えている。
徳江庸行
こ
の作品は、
1968年の日本画廊での個展「ラクガキ日本 68」に、
話
題作《ライフルマン》
(1968年、広島県立美術館蔵)などととも
に出品された。障子に穴を開けて、中を覗き見るかのように、裏側
から突き出た指。その白い指先は、涙となって眼の下に折れ曲がっ
ている。それにもかかわらず、口元には微笑みさえ見せる。一見す
るとユーモア漂う画面だが、何か不安な謎が残る。戦後、ピカソの
新古典主義を思わせる量塊的表現から《人間気化》
(1953年、
宮城県
美術館蔵)を頂点とする平面的形態への志向をみせた鶴岡政男
(1907−1979)の絵画は、1960年代のはじめには、形態そのものが
明確ではなくなるアンフォルメル風な作風を示した。その後、再び
独自の形態が結晶しはじめ、60年代の後半に入り、本作のような幾
何学的な画風を展開する。明快であるがゆえに、一層矛盾を感じさ
せる顔。この顔は、かつて鶴岡自身がパウル・クレーの作品《青の
顔》を「内的な彼の肖像」と記したように作者の自画像ではないだろ
鶴岡政男《涙》1968年 油彩・カンヴァス
193.9×130.3㎝
うか。
「事ではなく物を描く」といった画家が、逆に、描いた「物」
から眺められていることを想像するとき、戦争体験からの「割り切
れない」虚無感がくすぶり続けていたことを感じる。
い ち
開 館 4 0 周 年 記念
2014年
き ゅ う
な な
よん
1 9 7 4
第1部 1974 年に生まれて
6月28日[土]∼ 8月24日[日]
74年に開館した群馬県立近代美術館は今年 40周年を迎えま
19 す。これを記念し、「1974」年をテーマにした展覧会を、夏と
●会 場 展示室1 ●休館日 7 月 21 日、8 月 11 日をのぞく月曜日、7 月 22 日
●観覧料 一般 600(480)円、大高生 300(240)円
*( )内は 20 名以上の団体割引料金
*中学生以下、障害者手帳等をお持ちの方とその介護者1名は無料
*観覧料については、変更となる場合があります。
秋に二部構成で開催します。第 1 部は、当館と同じ 1974年に生ま
れた作家、すなわち 2014年に 40歳を迎える作家によるグループ
展を開催します。1974年には当館のほか千葉県立美術館や北九州
市立美術館が開館し、以後1980年代にかけて地方美術館が次々と
設置される「美術館の時代」が幕を開けました。1974年生まれの
作家たちは、身近に美術館が存在する環境で育った最初の世代と
いうことになります。彼らの成長とともに進化を続けてきた美術
館。彼らにとって美術館とはどういう存在であったのでしょうか。
本展では、1974年生まれの作家たちに当館の開館40周年にちな
んだ作品の制作・展示を依頼し、当館の40年の歩みを、時代背景
やコレクションの形成、建物の変遷など様々な視点から浮かび上
がらせると同時に、日本の地方公立美術館のあり方を再考する機
会にしたいと考えています。
水野暁《Rebirth−果樹について−》
中之条ビエンナーレ2011展示風景