Keysight 89601B SCPIを利用したプログラミングガイド

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プログラミングガイド
02 | Keysight | Keysight 89601B SCPI を利用したプログラミングガイド
※本書は、89601B のプログラミングをこれから始められる際に必要な設定や、SCPI プログラミングに関する FAQ についてまとめた資
料となります。 動作確認などは、89601B Version16.2 にて行っておりますので、Version の違いなどにより多少の変更などがある可能
性がございます。 ご不明点などありましたら大変お手数ですが裏表紙に記載されております計測お客様窓口までご連絡下さい。
2013 年 6 月 Version1.4
目次
1. はじめに ................................................................................................................................................................. 3
2. SCPI 制御をする場合の構成 ................................................................................................................................. 4
3. SCPI を使用するための初期設定 .......................................................................................................................... 5
3.1 VSA をコントロール PC 内にインストールしている場合 ................................................................................. 5
3.2 VSA を XSA 内部にインストールしている場合 .............................................................................................. 6
4. XSA 内に VSA をインストールする場合の起動、切り替え、終了方法 .................................................................... 8
付録 A SCPI のコマンド動作を簡単に確認する方法 .................................................................................................. 9
付録 B SCPI コマンドの調べ方のコツ ...................................................................................................................... 12
付録 C サンプルプログラム ...................................................................................................................................... 14
03 | Keysight | Keysight 89601B SCPI を利用したプログラミングガイド
1. はじめに
 89601B では、下記 3 つのプログラミング方法を提供しています。
-.NET API
89601B の一番基本的なプログラミング環境です。
-SCPI
Keysight Translator Framework という機能を介して SCPI を.NET API に内部で変換して動
作できるようにしています。
-COM API
89601A 用に作成したプログラムを動作させるための Backwards Compatibility となりま
す。89601B で追加された新しい機能などについてはサポートされません。
本資料では、89601B を SCPI でプログラム・コントロール必要な 構成/設定 並びに簡単なコマンドによる動作確認方法について記
載しております。
 89601A は SCPI での制御をサポートしておりません。 SCPI でのプログラミングがご使用いただけるのは、89601B(Version13.0 以
上)となります。
 SCPI によるプログラミングに関する Help ファイルは、89601B のインストールされている PC の下記メニューよりご確認いただけます。
89601B SCPI に関する Help 資料
[スタート] -> [プログラム]
-> [Keysight 89600 SoftwareXX.X] -> [Help] -> [SCPI Reference]
または、
89601B を起動後、89601B の[Help] -> [SCPI Reference]
 SCPI でプログラミングされる場合、対応していない機能など、いくつかの制限事項がございます。 詳細は、SCPI の Help の以下項
目よりご覧いただけます。
[Getting Started with SCPI] -> [SCPI Limitations]
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2. SCPI 制御をする場合の構成
89601B を SCPI で制御する場合の構成は、下記2通りから選択いただけます。
①
コントロール PC に 89601B(VSA)がインストールされている場合
※ 外部のコントロール PC に 89601B をインストールして、外部コントロール PC の 89601B から X シリーズ・シグナル・アナライザ
に接続する場合、ご使用いただける接続インタフェースは LAN のみとなります。
②
X シリーズ・シグナル・アナライザ、またはオシロスコープ内に 89601B(VSA)がインストールされている場合
※ X シリーズ・シグナル・アナライザ(XSA)やオシロスコープ内部に 89601B をインストールして、外部コントロール PC より
89601B を制御する場合、コントロール PC と測定器の接続インターフェースは LAN のみの対応となります。
GPIB、USB では 89601B をコントロールいただくことはできません。
以下、本資料では、89601B は VSA、X シリーズ・シグナル・アナライザは XSA と表記いたしております。
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3. SCPI を使用するための初期設定
SCPI で制御をする場合、Keysight Translator という機能を使用するため、本章の手順で SCPI Configuration を Enable に設定していた
だく必要がございます。
2 章でご確認いただいたそれぞれの設定に応じて、下記章をご参照ください。
※VSA をコントロール PC 内にインストールしている場合
⇒3.1 章をご参照ください。
※VSA を XSA 内部にインストールしている場合
⇒3.2 章をご参照ください。
オシロスコープ内部に VSA をインストールしている場合は、3.2 章の手順 8 以降をご参照ください。
3.1 VSA をコントロール PC 内にインストールしている場合
1)
VSA のソフトウェアを立ち上げます。
2)
[Utilities] -> [SCPI Configuration] と操作をします。
図 3.1 SCPI Configuration の起動
3)
[LAN Socket] を選択し、 Port が 5025 であることを確認して「Enable SCPI on Startup」 にチェックを入れて[OK]を押します。 ま
た、この Window の Address に表示されているアドレスで VSA に SCPI による制御を行っていただけるようになります。(XXXX の
部分はコンピュータ名などになっていますが、IP Address でも可能です。 詳細は、4 章をご参照ください。)
図 3.2 SCPI Enable の設定
4)
PC のタスクバーに
のアイコンが出ていれば正しく設定ができている状態となります。
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3.2 VSA を XSA 内部にインストールしている場合
VSA の設定そのものを変更するために、まず、XSA の通常使う Instrument というアカウントに Administrator 権限を与えてから、SCPI
の設定を行っていただきます。
1)
マウスを使用して、下記操作により一度 Log Off します。
マウスをスペアナの画面左下に合わせ、[Start]→[Log Off] で一度 Log off します。
2)
下記アカウントで Log on します。
==【アドミン権限のアカウント】=======
user name : Administrator
Password : Keysight4u
==================================
3)
[Start]→[Control Panel]→[User Accounts]→[User Accounts]→[Instrument] を選択します。
図 3.3 Instrument Account の選択
4)
[Change the account type]をクリックします。 (図 3.4)
5)
[Computer administrator]のラジオボタンを選択して[Change Account Type]を押します。 (図 3.5)
図 3.4 Account Type の変更
図 3.5 Administrator 権限の追加
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6)
[Start]→[Log Off]で Administrator Account から Log Off してください。
7)
通常の測定時に使用する Account(Instrument Account)で Log On してください。
==【通常測定モードのアカウント】=====
user name : Instrument
Password : measure4u
==================================
次に、SCPI で制御を Enable にします。
8)
VSA を起動します。
9)
[Utilities] -> {SCPI configuration} を選択します。
(図 3.6)
図 3.6 SCPI Configuration の起動
10) 『Enable SCPI on Startup』にチェックを入れて、[LAN Socket] を選択し、Port の番号が 5025 以外であることを確認して[OK]を押し
ます。 このとき、Port の番号は、必ず 5025 以外を選択してください。
(図 3.7)
5025 以外を選択
図 3.7 SCPI Enable の設定
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4. XSA 内に VSA をインストールする場合の起動、切り替え、終了方法
リモート PC から SCPI 制御する場合には、必ずリモート PC 側からコマンドで VSA を起動して頂く必要がございます。 XSA 内で
[Mode] ボタンより起動した VSA に対してのアクセスはサポートされていませんので ご了承下さい。
VSA の起動
VSA は必ず、プログラム側から下記コマンドで起動してください。 [Mode]ボタンより起動した VSA は外部 PC からコントロールすること
ができません。 起動が完了したかどうかは*OPC?をご使用いただくことをお勧めいたします。
:SYST:VSA:STAR
デフォルトで VSA はバックグラウンドで起動されます。画面を表示させるコマンドは下記になります。
:DISP:ENAB 1
VSA とスペアナモードの切り替え
VSA からスペアナモードに変更する場合には、
一旦 VSA をスペアナから切断→画面表示を消す→スペアナモードへ切り替え
と制御する必要がございます。
これらのコマンドは、下記になります。
:INIT:SAN:DISC
VSA の切断
:DISP:ENAB 0
画面表示を消す
:INST SA
SA モードへ切り替え
スペアナモードから VSA を再度切り替える場合には、下記のように切り替えてください。
:DISP:ENAB 1
画面表示を出す
:INIT:REST
VSA をリスタートさせる
INST SA のコマンドは、VSA に対するコマンドではなくスペアナに対して送るコマンドになりますので、ご注意ください。 その他は、VSA
に対して送るコマンドになります。
なお、VSA が完全に切断され、スペアナ制御が可能になるためには数 100ms かかりますが、 プログラムは先に進んでしまいますの
で、プログラム側で適宜 wait を設定して下さい。
VSA の終了
SA を終了する場合は、下記コマンドを使用します。
:SYST:VSA:EXIT
09 | Keysight | Keysight 89601B SCPI を利用したプログラミングガイド
付録 A SCPI のコマンド動作を簡単に確認する方法
“Keysight IO Libraries”というソフトウェアの『Interactive IO』という機能をご使用いただくことで、簡単なコマンドの送受信が可能かの確
認を行っていただくことが可能です。
IO Libraries の概要、インストール方法などにつきましては、下記資料をご参照ください。
『Keysight IO Libraries Suite 16.2 簡易取扱説明書』
http://cp.literature.keysight.com/litweb/pdf/5991-0331JAJP.pdf
① PC のタスクバーにある IO というアイコンをクリックし、下記を起動します。
[Utilities] -> {Interactive IO}
IO Libraries のアイコンは、Version により下記2種類ございます。
IO Libraries Version16.2 未満 ⇒
IO Libraries Version16.2 以上 ⇒
② Interactive IO の Window がでたら、 [Connect] -> {Connect} と操作をします。 (図 A.1)
図 A.1 Connect
③ 『Resource Name』に、下記のように入力します。
TCPIP0::<IP Address または localhost>::<Port 番号>::SOCKET
<IP Address または localhost>の部分には、下記のように入力します。
外部コントロール PC に VSA をインストールしている場合⇒ localhost
XSA 内に VSA をインストールしている場合 ⇒ XSA の IP Address を入力
<Port 番号>の部分には、2 章の VSA SCPI Configuration のウィンドウで設定した Port 番号を入力します。
照ください。
次ページの例をご参
10 | Keysight | Keysight 89601B SCPI を利用したプログラミングガイド
例 1) 外部コントロール PC に VSA をインストールしている場合
VSA SCPI Configuration のウィンドウに表示されている Address をそのまま入力するか、または、TCPIP0::127.0.0.1::<Port 番号
>::SOCKET と入力します。 (図 A.2)
Address をそのまま入力
127.0.0.1 と Port 番号を入力
図 A.2 Connect Address の設定 1
例 2) XSA 内部に VSA をインストールしている場合
VSA SCPI Configuration の ウィンドウに表示 されている Address をそのまま 入力 する か、または、TCPIP0::<XSA の IP
Address>::<Port 番号>::SOCKET と入力します。 (図 A.3)
Address の表記をそのまま入力
図 A.3 Connect Address の設定 2
IP Address と Port 番号を入力
11 | Keysight | Keysight 89601B SCPI を利用したプログラミングガイド
④ 『Command』という部分に送りたいコマンドを記入し、[Send Command]ボタンを押すと、89601B にコマンドが送られます。 クエリを
送り、応答を確認したい場合は、『Command』という部分に送りたいクエリを記入し、[Send & Read]を押します。
例 1) たとえば、『Command』部分に測定器名を確認する*IDN というコマンドを入力して[Send &Read]を押すと、図 3.9 のように
「Keysight ・・・・・・89601B,・・・・」といった応答がご確認いただけます。
※XSA 内部の VSA を外部 PC からコントロールする場合は、一番最初に 4 章の手順で VSA を起動してください。
図 A.4 *IDN?の応答
例 2) たとえば、周波数を変更するコマンドは下記になります。
:FREQ:CENT <周波数>
下記コマンドを『Send Command』ボタンで送り、周波数が正しく変わるかどうかご確認ください。
:FREQ:CENT 1GHz
:FREQ:CENT 2GHz
図 A.5 周波数の変更例
12 | Keysight | Keysight 89601B SCPI を利用したプログラミングガイド
付録 B SCPI コマンドの調べ方のコツ
基本的に SCPI コマンドは、[Help] -> [SCPI Reference] よりお調べいただくことになるのですが、コマンドが見つかりにくい場合、.NET
API のコマンド参照機能を使用してお調べいただく方法がございます。
<<ご使用方法>>
① まず、下記より、SCPI の Help を起動します。
[Help] -> {SCPI Reference}
② [Window] -> {Output} と操作し、下に表示された Window の右上にある Show Code というチェックボックスにチェックを入れます。
図 B.1 Show Code の表示
この Window を表示させることで、実際に行った操作に対応する.NET API のコマンドが表示されるようになります。
たとえば、周波数を変更する操作を行った場合、図 B.2 のように、周波数を変更する.NET API のコマンドが表示されます。
13 | Keysight | Keysight 89601B SCPI を利用したプログラミングガイド
周波数を変更する.NET API のコマンド
が表示される。
図 B.2 周波数変更時の例
③ 表示されたコマンドの、特徴的と思われる部分(主に最後のあたり)をコピーして、SCPI の Help の Search に入力して、検索を実行
します。たとえば、Digital Demod のモードで、変調 Format を 16-QAM に変更をした場合、Output Window には下記のように表示
されます。
app.Measurements.SelectedItem.GetMeasurementExtension<DigitalDemod.MeasurementExtension>().Format =
DigitalDemod.Format.Qam16;
この DigitalDemod.Format.の部分を SCPI の Help で Search を行うと、下記のように SCPI のコマンドが検索できます。
図 B.3 変調 Format 変更のコマンド検索例
ただし、データを取得するクエリは、この方法では検索いただけません。 また、すべてのコマンドが必ず見つかるというものではなく、検
索の一つの手段となる点ご了承ください。
14 | Keysight | Keysight 89601B SCPI を利用したプログラミングガイド
付録 C サンプルプログラム
 下記 Web より自動計測に関するアプリケーションノートや、測定器別のサンプルプログラムをご参照いただけます。
http://www.keysight.co.jp/find/sample_program
 89601B がインストールされている PC(または X シリーズ シグナル・アナライザ)の下記フォルダより、いくつかのサンプルプログラム
がご覧いただけます。
C:¥Program Files¥Keysight¥89600 Software XX.X¥89600 VSA Software¥Examples¥SCPI
C:¥Program Files¥Keysight¥89600 Software XX.X¥89600 VSA Software¥Examples¥SCPI
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ご発注の際はご確認ください。
©Keysight Technologies. 2014
Published in Japan, December 08,2014
5991-2377JAJP
0000-08A