一般社団法人 日本トレーサビリティ協会 会報 vol. 22 2014-07 2大特集 P03:食品トレーサビリティ 「実践的なマニュアル」の特徴と課題 P13:食品表示制度の今後 来年6月施行のポイント P02 ご挨拶 P12 食品表示の不適切事例集のご案内 P08 新入会企業の紹介 P18 食品表示検定協会からのお知らせ 速報! 第9回 食品表示検定 初級・中級試験 (6月11日)結果 食品表示検定フォーラム報告 P10 一般社団法人 日本トレーサビリティ協会から のお知らせ 2013年 活動の報告/2014年 活動の予定 traceability traceability trac traceability traceability traceability traceability traceability tracea traceabilitytraceability traceability traceability trac traceability raceability ご 挨 拶 一般社団法人日本トレーサビリティ協会 村上 憲郎 理事長 炎熱の候、皆様におかれましては、ますますご発展のこととお喜び申し上げます。 さて、近年我が国では、食の安全安心に対する消費者の信頼を揺るがすような社会問題が立て続けにお き、食の安全安心に対する消費者の関心がこれまで以上に高まっております。 この点、食品のトレーサビリティは、 「安全で安心な食品を食べたい」という消費者の素朴な願いに応え るものでありますから、今後、消費者目線に立つ食品関連事業者にとって、適正なトレーサビリティシステム の導入は不可避といえるでしょう。 このような中、当協会といたしましては、食品トレーサビリティの実証試験を継続的に行い、世界に向けて 我が国の食品トレーサビリティシステムの有用性をアピールする等、これまで以上にトレーサビリティの普及 啓発に努める所存でございます。 ところで、 「安全で安心な食品を食べたい」という消費者にとっては、食品表示もまた重大な関心事でご ざいます。食品表示の分野では、 「食品表示法」の施行が決定されており、現在、 「加工食品の原料原産地 表示」や「遺伝子組換え表示」、 「食品添加物表示」等をどうするかといった課題を検討しながら、その具 体的な基準策定に向けて動き出しているところです。 当協会では、同法施行に向けた動きを逐次皆様に情報提供するとともに、食品表示検定試験の受験を積 極的に促す等、皆様が、法改正に対応した正しい食品情報を表示するお手伝いをさせていただきます。 もっとも、いかに食品表示が適正であっても、 「安全で安心な食品を食べたい」と願う消費者が、それを 理解できなければ、実質的には意味がございません。そのため、消費者が、食品表示を理解し食を選択す る力をつけられるよう「教育を受ける機会を提供する」こともまた、当協会の重要な社会的使命であり、食 品表示検定試験はこの機能をも有すると考えております。したがって、当協会といたしましては、事業者のみ ならず、広く消費者の方々に同試験を受験していただくよう、積極的に広報活動を行って参ります。 以上のように、当協会は、 「安全で安心な食品を食べたい」という消費者のため、今後とも、我が国トレー サビリティの普及・定着に向けた活動並びに、食品表示に関する情報提供及び教育の機会提供を行って参 ります。皆様におかれましては、ご理解とご協力をお願い申し上げますとともに、今後も本協会に対するご指 導・ご鞭撻を賜りますよう、改めてお願い申し上げる次第です。 2 Trace Report 22 July 2014 ceabilitytraceabilitytraceability traceability tracea traceability traceability traceability traceability traceability ability ceabilitytraceability traceability 食品トレーサビリティ 「実践的なマニュアル」の特徴と課題 =真のチェーントレーサビリティ確立のために= 一般社団法人 日本トレーサビリティ協会 副理事長 東京大学大学院経済研究科 教授 矢坂 雅充 2014 年 3 月に農林水産省から食品トレーサビリティの 「実践的なマニュアル」シリー ズが公表された* (P7 巻末出典資料参照)。 「食品トレーサビリティ促進委託事業」によっ て検討会が設けられ、濃密な議論を経て作成されたもので、2003 年の「食品トレーサ ビリティシステム導入の手引き (2007 年 3 月改訂)以来の本格的な手引きとなっている。 以下では、 「実践的なマニュアル」シリーズの特徴と残された課題について検討する ことにしよう。 「実践的なマニュアル」の特徴 (1)業種別マニュアル 食品事業者を網羅的に当事者に組み入れ、トレー サビリティの確保を促すことを目論んでいるといえ よう。 初年度に策定された「実践的なマニュアル」は、 総論と各論 (製造 ・ 加工編、卸売業編、小売業編) (2)中小規模の事業者 および取組手法編の 5 つである。幅広く食品事業 食品産業は大規模食品企業と中小 ・ 零細食品 者を対象とするために、業種ごとのトレーサビリ 事業者の二極分化した市場構造にある。基礎的な ティ・ マニュアルが策定されることとなった。 トレーサビリティは大半の食品事業者が確保して 従来のトレーサビリティ・ ガイドラインは、総論 いるといわれるが、広く食品の信頼性を向上させ を除けば、牛 ・ 牛肉や養殖魚などといった特定の るためには、トレーサビリティ確保の普及とともに 食品ごとに策定されてきた。当該食品のサプライ そのレベルアップを図ることが必要となる。 チェーンを構成する事業者が、その食品固有の流 ほとんどの大規模食品事業者は、食品事故へ 通におけるロットの変化をふまえて、識別番号の の対応如何によって、企業の社会的信頼を大きく 構成や記録保管する情報、伝達する情報(帳票へ 損ねる恐れがあることを認識し、積極的にトレー の記載事項)などの指針を具体的に取り決めてき サビリティのレベルアップを図っており、内部ト た。 レーサビリティも確保されていると考えられる。食 しかし、トレーサビリティ・ ガイドラインが策定 品製造工場の FA 化、業務情報のデジタル化とと されている食品であっても、事業者の自主的な取 もに、事業所内でのトレーサビリティシステムは着 組としてのチェーントレーサビリティは広がりをみ 実に高度化してきている。 せていない。ガイドラインが策定されていない食 もっともチェーントレーサビリティを実現する条 品では、トレーサビリティへの関心も薄れがちであ 件を整えていくためには、食品事業者の多数を占 る。業種ごとのトレーサビリティのマニュアルは、 める中小規模の事業者のトレーサビリティのレベ Trace Report 22 July 2014 3 traceability traceability trac traceability traceability traceability traceability traceability tracea traceabilitytraceability traceability traceability trac traceability raceability ルアップが欠かせない。 そこで「実践的なマニュアル」は、中小規模の が、それだけでも原材料や製品の在庫状況を把 握しやすくする機能があり、ステップ 2 として独立 食品事業者の取り組みを支援することを念頭に置 させている。 いており、広くトレーサビリティのレベルアップを図 ステップ 3 ろうとしている。中小規模の食品事業者の「トレー 「識別した食品の対応づけ」 では、 「入荷品のロッ サビリティに関連する業務の手順を組み立て、記 ト番号と入荷先の対応づけ」、 「入荷品のロット番 録様式を作成 ・ 管理する立場の人(管理者)」が、 号と製造した製品のロット番号の対応づけ(内部 トレーサビリティへの理解を深め、レベルアップに トレーサビリティ)」、 「製造ロット番号と出荷先の 取り組むことを促し支援しようというわけである。 対応づけ」が行われる。製品や原材料に問題が あることが判明した際に、ロット番号を手がかり (3)ステップアップのためのガイドライン 「実践的なマニュアル」は食品トレーサビリティ のステップアップを支援するための「ガイドライン」 に原因究明のための遡及を行い、消費者の健康 被害を避けるために問題のあるロットに絞った回 収を行うことができる。 であるといってもよい。トレーサビリティのステッ 「実践的なマニュアル」 シリーズでは、内部トレー プアップが円滑に進められるように、ステップ 1 か サビリティを含めたトレーサビリティへの取り組み らステップ 3 の三段階に分けてトレーサビリティ を一様に進めるのではなく、それぞれの事業者の 確保の手順などを解説している。食品事業者はト 現状をふまえて不十分な点を改善し、ステップアッ レーサビリティ確保の現状を確認しながら、ト プへの見通しをつけていくことが期待されている。 レーサビリティのステップアップ、効率化を図るこ とになる。 各ステップの区分は、以下のようになっている。 ステップ 1 「入荷先 ・ 出荷先の特定」は、 「入荷の記録」 トレーサビリティを確保する際に、つねに現場 の作業者の記録保管や表示などが、原則的な手 順に対応できるかどうかが問題になる。食品流通 と「出荷の記録」を残すことで確保される基礎的 のあり方を変更してトレーサビリティを確保するこ なトレーサビリティである。ワンステップバック・ ワ とは容易ではなく、現状での流通のあり方を前提 ンステップフォワードのトレーサビリティは EU や としてどのような改善や工夫が可能であるかを検 U.S.A.では食品全般について食品事業者に義務 討しなければならない。 づけられており、日本でも食品衛生法が推奨事項 として明記している。 多くの食品事業者はすでに基礎的なトレーサビ むろん原則を無視してしまえば、せっかくのト レーサビリティシステムも信頼性を失ってしまうの で、慎重な議論が必要になる。 リティを確保していると考えられており、さらに効 たとえば、次のようなことが検討されよう。①食 率的な取り組みとすることで、食品事業者の「常 品危害リスクが高くトレーサビリティの確保が必 識」を確実に担保することが期待されている。 要な品目から優先的にステップアップを図る、②ト ステップ 2 4 (4)「現場」への対応 レーサビリティ確保のために必要とされる最小限 「食品の識別」は、 「入荷品の識別」と「生産 ・ の情報記録や情報伝達を行う、③トレーサビリ 製造した製品の識別」 (製造 ・ 加工時点)で、食 ティにおけるロットの大きさを可能な範囲で拡大し 品のロットなどに固有の識別番号をつけることに て、必要とされる作業負担を軽減する、④一部の よって特定できるようにする。これは内部トレーサ 記録保管などの作業を省略しても、ほぼトレーサ ビリティを確保するための準備となるものである ビリティの信頼性が損なわれないことを検証して Trace Report 22 July 2014 ceabilitytraceabilitytraceability traceability tracea traceability traceability traceability traceability traceability ability ceabilitytraceability traceability 一方、 「取組事例」のコラムでは一定の条件の おく、などである。 「実践的なマニュアル」では、 「One Point !」や「取組事例」などのコラムで、現 もとで出荷時の対応づけ作業を省略しうること指 場での現実的な対応事例や工夫のポイントを紹介 摘する。入荷時に商品の賞味期限日ごとに個数を している。それは従来のガイドラインにはない特 記録して、この入荷ロットで在庫を管理している場 徴である。 合、 「先入れ先出し」を遵守していれば、出荷時 一例を挙げよう。物流センターでは一般に出荷 にロットと出荷先を対応づけなくても、どの賞味 時に入荷ロット番号と出荷先を対応づける記録を 期限のロットがいつどこに出荷されたかを推定す 残さない。本文では「出荷する際に(あるいは荷 ることができる。 「先入れ先出し」によって、トレーサビリティは 割 ・ピッキング等の工程で) 「出荷の記録」にロッ ほぼ確保されていることになる。 ト(入荷ロットあるいは、加工・ 包装ロット)が対 現場での作業の制約に配慮した対応が、トレー 応づけられる記録様 式を決定し、記録します。」 と記載されている。物流センターは業務内容に出 サビリティを効率的に確保するための簡便法にな 荷時のロットと出荷先の対応づけの記録を追加し り得るのか、あるいはたんに手抜きになっているの なければならないことになる。 かを判断するポイントが示されているといえよう。 「実践的マニュアル」ではその手順を詳しく紹介している。(卸売業編) このページを 読んでいただきたい方 製造・加工業 卸売業 このページを 読んでいただきたい方 小売業 製造・加工業 卸売業 加工・包装する方で、 ステップ3に 取り組もうとする方 【チェックの完成】 加工・包装がない場合は、 P38へお進みください。 【卸売業】 加工・包装する場合 入荷先 手順1 商品と出荷先 入荷先 自社内 > 入荷 自社内 入荷 出荷先 > > 出荷 缶詰A B商事 製造・加工業 卸売業 対象 ① 仕様などで指定され た入荷品を描きます。 X商事 ジュース B F社 ☑全てある □一部ない ( 入荷先と原料 ☑全てある □一部ない ( 製品 ☑ある □ない ( ) 原料と中間品 □全てある ☑一部ない ) (ジュースB ) 中間品と製品 ☑全てある □一部ない ( ) 製品と出荷先 ☑ある □ない ) ( ) ロット番号や対応づけの記録がない場合には・・・ 入荷先 自社内 入荷 ギフト セットA > > 詰合 出荷先 > 包装 QM ビールC B商事 W百貨店 出荷 このページを 読んでいただきたい方 F社 製造・加工業 卸売業 小売業 加工・包装する方で、 ステップ3に 取り組もうとする方 形状変化 110 G110 入荷先 自社内 > 入荷 > 詰合 > 出荷 X商事 ① ものの流れの順に、入 荷先→入荷品→中 間品→商品→出荷 先の順となるように矢 印で結びます。 手順4 ものの流れ 自社内 缶詰A ジュース B 統合 詰合品 > 中間品 □全てある □一部ない ( ) 入荷先と原料 □全てある □一部ない ( 原料と中間品 ) □全てある □一部ない ( ) 中間品と製品 □全てある □一部ない ( このページを 読んでいただきたい方 出荷先 包装 > 出荷 形状変化 X商事 ギフト セットA W百貨店 ビールC 35 製造・加工業 卸売業 小売業 加工・包装がない方で、 ステップ3に 取り組もうとする方 製品 □ある □ない ( ) 【卸売業】 加工・包装がない場合 ) 製品と出荷先 ) □ある □ない ( 入荷品を加工・包装せずにそのまま出荷する場合(( )書きは、ストック型の場合)の「ものの 流れ」「情報の流れ」は下図のようになります。 入荷先 ) 自社内 > 缶詰 (箱) 出荷先 (自社倉庫保管) 0604 W商事 36 ② 中間品を描きます。 詰合 原料 □全てある □一部ない ( ① 商品に対応する加 工・包装工程を描きま す。 W百貨店 > 対象 ① 入荷品および商品などロット番号を 書き込みます。ロット番号の有無の記 載でも可能です。 > 出荷 0604 0604 Jスーパー 缶詰 (箱) 缶詰 (箱) 自社倉庫で保管 ビールC 入荷 37 入荷 ギフト セットA 詰合品 入荷先 W百貨店 出荷先 包装 缶詰A ジュース B 対応づけの記録がない場合⇒各論(卸売業編)のステップ3(P31-41)を見て、取り組ん でみましょう。 ビールC ロット 番号 対応 づけの 記録 X商事 ギフト セットA 詰合品 ②記入できないところは「?」を 記入します。 対象 手順3 加工・包装工程と中間品 ロット番号がない場合⇒各論(卸売業編)のステップ2(P18-30)を見て、取り組ん でみましょう。 統合 缶詰A ? ジュース B BB 34 F社 ④ 商品と出荷先の 対応づけの記録を 書きます。 中間品 □全てある ☑一部ない (ジュースB ) 対応 づけの 記録 手順5 ロット番号 ② 入荷品ごとに入荷先 を描きます。 B商事 ③ (形状変化) 中間品と商品の 対応づけの記録 を書きます。 缶詰A B商事 F社 ② (統合)入荷品 と中間品の対 応づけの記録 を書きます。 原料 ロット 番号 対象 出荷先 W百貨店 小売業 加工・包装がある方で、 ステップ3に 取り組もうとする方 手順2 仕様などで指定された入荷品と入荷先 B商事 X商事 G110 ギフト セットA ビールC ① 入荷先と入荷品 の対応づけの記 録を書きます。 このページを 読んでいただきたい方 > 出荷 出荷 BB F社 ② 出荷先を描きます。 > > 形状変化 110 詰合品 W百貨店 入荷 出荷先 包装 統合 ? ジュース B X商事 自社内 > 詰合 QM ①対象とする商品を一 つ描きます。 ギフト セットA 入荷先 小売業 加工・包装する方で、 ステップ3に 取り組もうとする方 ② 複数の原料→中間品、 中間品→製品など、 ロットが統合される(ある いは分割される)箇所、 形状が変わる箇所に、 印を付けましょう。 このポイントで、新しい ロットを定義し、また、原 料~製品の対応づけが 必要となります。 ① 入荷先と入荷品 ② 入荷品をそのまま出荷するため、対応 の対応づけの記 付けの必要ありません。 録を書きます。 ※ 下図のように「×」とします。 対象 原料 ロット 番号 ☑全てある □一部ない ( 対象 中間品 ) 入荷先と原料 対応 づけの 記録 ☑全てある □一部ない ( □全てある □一部ない ( ) 製品 ☑ある □ない ( ) 原料と中間品 □全てある □一部ない ) ( ③ 製品と出荷先の 対応づけの記録を 書きます。 中間品と製品 □全てある □一部ない ( ) 製品と出荷先 ☑ある □ない ) ( ) ロット番号や対応づけの記録がない場合には・・・ ロット番号がない場合⇒各論(卸売業編)のステップ2(P18-30)を見て、取り組ん でみましょう。 対応づけの記録がない場合⇒各論(卸売業編)のステップ3(P31-41)を見て、取り組ん でみましょう。 38 Trace Report 22 July 2014 5 traceability traceability trac traceability traceability traceability traceability traceability tracea traceabilitytraceability traceability traceability trac traceability raceability (4)トレーサビリティの取組の視覚的な把握 ・ 確認 「実践的なマニュアル」シリーズの 「取組手法編」 「実践的なマニュアル」シリーズは、従来の食品 もこれまでのガイドラインにはない特徴である。事 トレーサビリティのガイドラインのスタイルを改め、 業者が取り組んでいる(取り組もうとしている)ト 実践的な機能を重視したマニュアルを作成する試 レーサビリティが、①典型的な帳票におけるロット みとして評価できるが、当然のこととはいえ、すべ の対応づけ、②ものの流れの把握とそれに対応し ての要求や課題に応えることはできない。中間的 た情報(ロット番号)の整理、によって視覚的に に今後の課題を整理しておこう。 確認される。 前者では、入荷、出荷、製造工程などで記録保 6 3.残された課題 第一に、字義どおりの「実践的マニュアル」に 近づけるための工夫である。たとえば、特定の食 管される具体的な帳票を用いて、どのように原料 品の摂取による食中毒の発生が疑われた場合、 や製品などが識別され、対応づけが記録されてい 食品事業者は当該食品が含まれる出荷ロットを特 るかが示される。 定し、そこからさまざまな工程を遡り、投入原料 ・ トレーサビリティに関する情報の取り扱いに焦 生産資材・施設を特定して、食中毒と関連するトラ 点を当てて簡素化した帳票モデルが例示されてお ブルが発生していなかったかを迅速にチェックし り、掲載されている帳票の項目、番号、マトリック なければならない。 スによる対応づけなどを読み解くことで、トレーサ 各工程における品質衛生管理の記録、使用した ビリティを確保するための手順を理解することが 原料や包材などの検品情報等が参照されること できる。既存の帳票とモデルとして掲載されてい になる。そこで食中毒につながる問題が見つかれ る帳票とを比較することで、トレーサビリティを確 ば、同様の危害を起こしうる食品を追跡して回収 保するために必要な情報を把握すること可能にな しなければならない。もし何も見つからなかった る。その限りでは実践的なトレーサビリティのテキ 場合には、原料や生産資材などの入荷先である事 ストになっているといえよう。 業者に調査結果を伝え、そこでの原因究明を促す 後者では、まず事業者が取り扱っている「もの ことになる。食品事故の迅速な原因究明と問題と (原料、中間製品、製品など)」の入荷から出荷ま なる製品の回収は食品事業者の基本的な責務で での流れを模式図に記入することで、ロットの統 あり、事業者の責任の有無の明確化は、重要な経 合や分割の状況が視覚的に把握される。製品 ・ 営リスク管理でもある。 出荷品と原料 ・入荷品をつなぐ工程における「も 繰り返していえば、こうしたチェック作業は迅速 のの流れ」を素描して、それぞれのロット番号を に確実に行われなければならない。消費者の健 記載し、ものとロット番号との対応づけの記録状 康被害の広がりを防ぐには、正確な情報伝達、確 況をチェックすることで、トレーサビリティが確保 実な作業を確保するための業務マニュアルが不可 されているかどうかを視覚的に確認できる。また 欠である。担当者が社内外からの対応で忙殺され どの部分でトレーサビリティが確保されていない ていたとしても、誰かが食品の遡及と危害発生の かが判明する。 可能性をチェックしていく必要があるからである。 帳票やフロー図で「ものの流れ」を視覚的に整 もっともこのような業務マニュアルは、食品事業 理しながらトレーサビリティが確保されているかを 者の業務の内容に対応して個別的であり、一般論 確認していく作業は、現場の状況に即してトレー では論じえない。業界組織や個々の食品企業が サビリティのあり方を検討するうえで有効な手法で 協力して具体的なマニュアルが策定されるという あるといえよう。 べきであろう。 Trace Report 22 July 2014 ceabilitytraceabilitytraceability traceability tracea traceability traceability traceability traceability traceability ability ceabilitytraceability traceability 「実践的なマニュアル」シリーズは、トレーサビ である。食品業界組織や食品事業者が具体的な リティを確保するための手順や考え方を解説する トレーサビリティ・ マニュアルを作成し、トレーサ にとどまり、現場での業務マニュアルではない。そ ビリティシステムが日本の食品産業に普及 ・ 定着 もそも汎用性のある「実践的マニュアル」という していくことが最終的なゴールである。ガイドライ のが矛盾している。 「実践的なマニュアル」シリー ンなどの策定はそのための第一歩であり、トレー ズが示したのはステップアップのためのガイドライ サビリティのステップアップを図るための「実践的 ンであって、現場で利用されるトレーサビリティの なマニュアル」も、広く業界組織や事業者に参照 業務マニュアルの策定は、食品事業者や業界組 され活用されなければ機能しない。国の補助事業 織に委ねられている。 であっても、ガイドラインの策定が目的ではなく、 このことは第二に、トレーサビリティの検証につ いても当てはまる。トレーサビリティの実効性を検 食品事業者への継続的な情報提供が欠かせな い。 証するために、 「実践的なマニュアル」は、過去の 食品トレーサビリティの確保は、すべての食品 事故を参考にして対応すべき事故を想定し、その 事業者の社会的役割である。このことを共通認識 場合の対応や判断の指針を定め、追跡 ・ 遡及のた として、国だけでなく食品業界組織や食品事業者 めの記録・台帳を確認しておくことを推奨するにと が継続的に活動していく道筋を模索しなければな どめている。追跡や遡及のために参照する記録を、 らない。 工程ごとにリストアップしている事例がコラムで紹 介されているように、具体的な検 証のためのマ ニュアルは事業者が独自に工夫する余地が大き *「実践的なマニュアル」シリーズは、以下の URL か らダウンロード できる。http://www.maff.go.jp/j/ syouan/seisaku/trace/index.html#4 い。 第三に、現場の状況に対応したトレーサビリ ティ確保の手法開発である。すでにみたように、 ガイドラインなどが要求する対応づけなどの作業 のなかには、一定の条件を整えれば、たとえ一部 の記録保管の作業を省略してもトレーサビリティ の確保が大きく脅かされることにはならないこと がある。当該食品に想定される危害リスクの状況 をふまえて、ロットを最大限大きく設定することも 容認されよう。 「実践的なマニュアル」ではいくつ かの事例がコラムで紹介されているが、当然なが らすべての事例を網羅しているわけではない。今 後、食品事業者が直面する判断の難しさに応えら れるような相談窓口の設置やそれらの情報をまと めた Q&A 集の公表などが必要とされよう。 最後に、業界組織 ・ 団体や個々の食品事業者 による本来の「実践的マニュアル」作成の必要性 Trace Report 22 July 2014 7 traceability traceability trac traceability traceability traceability traceability traceability tracea traceabilitytraceability traceability traceability trac traceability raceability 新入会企業様のご紹介 当協会に新しく入会されました企業様をご紹介申し上げます。今後とも、よろしくお願い申し上げます。 カルビー株式会社カルネコ事業部 代表者名:加藤孝一 業種:POP および店頭プロモーション事業 貴社の業務内容と特徴 : カルネコは価値を伝えるメッセージツール(POP、 印刷物、売場什器等)を、必要な時、必要な数をどこへでも確実にお届 けする受注生産モデルを提供しています。入稿‒印刷‒加工・梱包‒配送ま での完全なトレーサビリティを備え、欠品によるチャンスロスを防ぐととも に、廃棄〜消却による CO2 排出をゼロ化。環境にやさしいサービスです。 本社 所在地:〒 100‒0005 東京都千代田区丸の内 1‒8‒3 丸の内トラストタワー本館 22 階 TEL:03‒5220‒6234(カルネコ代表) FAX:03‒5220‒6264 HP:http://info.calneco.jp/index.html 株式会社喜多村 代表者名:北村眞行 業種:製造業 貴社の業務内容と特徴 : 当社は受託粉砕事業とフッ素樹脂潤滑用添加剤 事業を有しています。受託粉砕事業では主に化学品を対象に製造しており ますが、中には食品・食品添加物の粉砕も行っています。当社の受託粉砕 事業は、多種多様な粉体機器を多数所有し、40 数年間の実績とノウハウ により優れた対応力を持っていることが特長となっています。 本社 所在地:〒 470‒0162 愛知県愛知郡東郷町春木白土 1‒242 TEL:052‒803‒5151 FAX:052‒803‒5190 HP:www.kitamuraltd.jp 株式会社トータルマネジメントビジネス 代表者名:岩田昌久 業種:サービス業 貴社の業務内容と特徴:当社では、量販店様が取扱う消費財を、店頭販 促活動や業績の分析を通じて、顧客のニーズを捉え、的確な各種サービス を提供しております。私たちは、メーカー様が提案する商品価値を店頭から の販促支援活動を通じてお届けすることで、貴協会を応援してまいります。 本社 所在地:〒 612‒8061 京都府京都市伏見区竹中町 609 番地 TEL:075‒623‒2660 FAX:075‒623‒2640 HP:www.total-mb.co.jp 8 Trace Report 22 July 2014 ceabilitytraceabilitytraceability traceability tracea traceability traceability traceability traceability traceability ability ceabilitytraceability traceability 日本印刷株式会社 代表者名:佐藤正則 50 th anniversary 業種:総合印刷業 おかげさまで、 50年 貴社の業務内容と特徴 : 1.クリエイティブ:企画、デザイン、コピーライティング、イラスト、取材、撮影 2.編集:事務局代行サービス、編集制作、校正、データ管理 3.DTP・印刷・製本:画像加工、オフセット印刷、特殊印刷、オンデマンド、各種製本全般 デジタルアーカイブ、AR 広告 4.デジタルコンテンツ:Web デザイン、電子ブック、CD-ROM、DVD、 5.展示会サポート:集客 DM、ブースデザイン、設営、撤収、御礼レター作成 特 徴:一般、 公益、 社団、 財団、 各種学会、 医療法人、 学校法人、組合、協同 組合、 共済会等々の TKB・SHB に強み。 本社 所在地:〒 113‒0034 東京都文京区湯島 3 丁目 20 番地 12 号 第 2 ツナシマビル TEL:03‒3833‒6971 FAX:03‒3833‒6883 HP:www.npc-tyo.co.jp/ 有限会社播磨海洋牧場 代表者名:向井昭博 業種:水産卸・小売・水産加工・水産コンサルティング 貴社の業務内容と特徴: ◦播磨灘の天然魚のみを扱っている会社です。 ◦魚のストレスを抜いて、魚本来のおいしさを引き出す仕事をしております。 ◦業界でありえない漁業生産者からトレーサビリティーが万全です。 本社 所在地:〒 672‒8023 兵庫県姫路市白浜町丙 612‒45 TEL:079‒228‒5360 FAX:079‒233‒8160 HP:http://www.harikai.com/ 入会のご案内 本協会はあらゆる事業分野での商品及びそれらの流通に関する情報提供の仕組みを構築し、トレーサビ リティ・システムの普及・啓発を行うことにより、会員及び消費者の利益に寄与することを目的として 活動しております。 この目的に賛同し、入会を希望される企業・団体は、下記までご連絡下さい。 〒 102-0082 東京都千代田区一番町 23 番地 3 日本生命一番町ビル 3 F 一般社団法人日本トレーサビリティ協会 TEL:03―3288―1031 FAX:03―3288―1032 なお入会を希望される方は下記より入会申込書をダウンロードの上、ご郵送ください。 http://www.jtrace.jp/enrollment/ Trace Report 22 July 2014 9 traceability traceability trac traceability traceability traceability traceability traceability tracea traceabilitytraceability traceability traceability trac traceability raceability 一般社団法人 日本トレーサビリティ協会の活動について 2013 年度の活動報告 1.協会員の増員に向けた活動 2013 年度は新規企業が3社、退会が4社あり、 会員数 79 社となりました。 トレーサビリティの認知度が高まってきているに もかかわらず、当協会から十分な情報提供をする ことができませんでした。 校において、食品の適正表示や安全管理の向上 に関する最新情報を食品事業者、消費者等ステー クホルダーに提供することを目的に開催し、それ ぞれの会場で約 100 名が参加しました。 ③ 2013 年 11 月 25 日(月) 「トレーサビリティ システムの国際標準化に向けて」 食品業界向けの研究会として、当社団の会員を 2.セミナーの開催 ① 2013 年 10 月 3 日(木)一般社団法人として 対象に事務局会議室にて開催、約 15 名が参加し ました。 は第1回目となる東京セミナーを東京国際フォーラ ムにて開催しました。 参加者約 130 名。 「拡がるトレーサビリティ」と いうテーマのもと、当社団理事長村上憲郎の講演 3.会報誌の発行について 年 3 回の発行を予定していたのですが、8 月と 1 月の 2 回のみの発行となりました。 「ビッグデータで世界が変わる」から始まり、工業 内容は 2012 年度の活動報告、2013 年度の新 分野からはルネサスエレクトロニクスの伊賀洋一 役員・事務所移転の案内や 2013 年に行った東京 氏、医療分野からは京都大学名誉教授の吉原博 セミナーや研究会の報告を中心に掲載しました。 幸氏、そして経済産業省からは工業標準調査室 これまで連載されてきた「よくわかる食品トレー 長の藤代尚武氏に講演をしていただき、その後 サビリティシステム」は最終回となりました。 「トレーサビリティの将来と我が国の競争力」を テーマにパネルディスカッションを行いました。 4.トレーサビリティテスト 第 6 回トレーサビリティテストを 2013 年 9 月 18 日と 25 日に実施しました。食品関連事業者 61 社、 110 商品が対象となりましたが、昨年度より参加 企業が減りました。 5.食の目利きクラブの運営 食品表 示検 定の合格者やこれから受験 する 方々の情報交換の場をネットで提供しました。また ② 2013 年 10 月 28 日(月)・29 日(火) 「食品 の適正表示・安全管理向上セミナー」 山口県総合保健会館と独立行政法人水産大学 10 Trace Report 22 July 2014 食品表示検定の合格バッジはこちらのサイトで購 入ができるようになりました。 http://www.beach.jp/circle/ad61572/ ceabilitytraceabilitytraceability traceability tracea traceability traceability traceability traceability traceability ability ceabilitytraceability traceability 6.牛最長飼養地検索システム導入 7.食品表示検索システム導入 牛の個体識別番号(10 桁)を入力すると、牛 法令に基づいた食品表示例や食品表示に関す 最長飼養地(都道府県)を自動的に計算・表示 る違反事例検索、食品添加物検索、法令等原文 するシステムです。このシステムは牛トレーサビリ 検索ができる検索サイトです。通常有料ですが、 ティ法による牛の生産履歴情報から、JAS 法に 食品表示検定の上級者試験受験者の特典として 基づく牛肉の原産地等を簡便に確認することが可 1年間無料で利用できるようにしました。 能で、流通業者の業務の効率化、ミス等による返 https://sites.google.com/a/jtrace.info/top/ 品リスクの軽減等の効果があります。 https://sites.google.com/a/jtrace.sc/ver1-0/ 2014 年度の活動予定 1.協会員の増員に向けた活動 2014 年度 6 月現 在で、退 会 2 社、新 規 4 社、 計 81 社となり 2013 年度 3 月末より、3 社増加し ました。 今後は当協会を紹介するパンフレットの作成や 「食品表示法施行」のポイントと「トレーサビリ ティの新展開」 ◦講 師:池戸重信(食品表示検定協会代表)、 多喜義彦(当協会事務局長)、大見英明(当 協会理事 / コープさっぽろ理事長) 協会ホームページのリニューアルなどを行い積極 的な広報活動を展開して、会員を増やす計画で す。 ② 2014 年 10 月 14 日(火)第 2 回東京セミナー 東京国際フォーラム 詳細は後日ご案内申し上げます。 2.会報誌の発行について 年 3 回(7 月、11 月、3 月)の発行を予定して います。 日本トレーサビリティ協会と食品表示検定協会 の連携を強化し、魅力ある企画で誌面を構成して ③ 2014 年 9 月 18 日(木)日本食品微生物学会 学術総会 「グローバル化に対応した食品工場監査」 当協会理事 日佐和夫 いきます。タイムリーな特集企画やニュース、また セミナーのお知らせとその抄録などトレーサビリ ティ関連の情報源の発掘を行ない、またコンテン その他セミナー(札幌・東京)や研究会・研修 会を適宜開催予定です。 ツを見直し、内容の充実を図ります。特に、来年 6 月に改定施行される食品表示法等の情報も随時 発信していきます。加えて会員紹介や会員企業訪 問のレポートも行い、会員情報の発信と交流の場 4.トレーサビリティテスト 第 7 回トレーサビリティテストを実施予定。日程 等の詳細は追ってご連絡します。 として刷新していきます。 5.食の目利きクラブ、牛最長飼養地検索シス 3.セミナーの開催 ① 2014 年 7 月 21 日(月)第1回札幌セミナー テム、食品表示検索システム 引き続き、利用者の増大を図っていきます。 北海道自治労会館 4Fホール Trace Report 22 July 2014 11 食品表示の不適切事例集のご案内 ~適切な食品表示の実現を願って~ 一般社団法人日本トレーサビリ ティ協会では「食品表 示の不適切 事例集」を作成しており、2014 年 3 月に vol.5 を発行しました。 この事例集では、表 示のどの部 分 が不適切なのか、どのように表 示するのが良いのかを、法令に沿っ て分かりやすく解説を加えておりま す。食品表示に携わる皆様には、適 正な食品表示作成の参考に是非し ていただければと思います。 なお、冊 子 は 郵 送 で の 販 売も 行っております。ご購入を希望され る方は、メールにてお問合 せ下さ い。 E-mail:[email protected] 12 Trace Report 22 July 2014 ceabilitytraceabilitytraceability traceability tracea traceability traceability traceability traceability traceability ability ceabilitytraceability traceability 食品表示制度の今後 〜平成 27 年 6 月施行までの留意点〜 池戸 重信 宮城大学特任教授。内閣府消費者委員会食品表示部会委員、農林水産省高度化基盤整 備に関する検討委員会座長。食品表示検定協会代表。 平成 27 年 6 月までに施行される「食品表示法」は、いま第 3 ステージに入り具体化 を増してきた。最終ステージに向けてどう進行していくかを「食品表示一元化検討会」 の座長でもあり、食品表示検定協会の代表でもある池戸重信が解説する。 1.第 3 ステージに入った新たな食品表 示制度 わたり 12 回、延べ 38 時間以上の検討を行うとと もに、この間中間で整理された論点に対するパブ リックコメントの聴取や意見交換会の開催、消費 平成 21 年 9 月に消費者庁が設置されたことに 者に対する意識調査なども行われ、報告書は平成 伴い、食品の表示に関する所管が一元化された。 24 年 8 月に公表されたが、同報告書の内容等を すなわち、それまで表示に関し食品に特化して規 踏まえて食品表示法案が策定されたことから、同 定された法律(食品衛生法、農林物資の規格化及 検討会は新たな食品表示制度の第 1 ステージに び品質表示の適正化に関する法律(JAS 法)及 位置づけられると言ってよい。 び健康増進法)は、各々の個別法を所管する省 第 2 ステージは、平成 25 年 4 月に食品表示法 庁において、同法に基づき企画・立案及び執行が 案が閣議決定された、更に法案の国会審議により なされてきた。具体的には、食品衛生法及び健康 同年 6 月 28 日に食品表示法が公布されたことで 増進法については厚生労働省、JAS 法ついては ある。 農林水産省において対応されてきた。 食品表示法は、同法の附則で規定されているよ これまでの食品表示制度が分かりにくかった一 うに、公布後 2 年を超えない時期に施行されるこ つの要因は、こうした法制度及び行政組織の課題 とになっており、現在施行に向け内閣府の消費者 にあった。 委員会食品表示部会において新たな食品表示基 消費者庁が発足して以来、同庁は食品表示制 度の運営面の改善とともに、同制度の課題の整理 を行ってきたが、2 年が経過した平成 23 年 9 月に、 それらの課題について検討するため、食品表示一 元化検討会を設置した。同検討会では、約 1 年に 準の審議がされており、新食品表示制度への移 行の第 3 ステージと言ってよい。 ところで、前記食品表示一元化において未解決 や不十分の課題がいくつか残された。 中食・外食分野におけるアレルギー表示、イン Trace Report 22 July 2014 13 traceability traceability trac traceability traceability traceability traceability traceability tracea traceabilitytraceability traceability traceability trac traceability raceability ターネット販売における表示制度、加工食品の原 同部会における具体的な審議は、栄養表示に 料原産地表示等の他に、パブリックコメントで多く 関する調査会、生鮮食品・業務用食品の表示に の意見が寄せられた遺伝子組換え表示や食品添 関する調査会及び加工食品の表示に関する調査 加物表示等の課題である。 会の 3 つで行われ、本年 6 月末に各々部会で報 すなわち、これらの分野について検討を行い、 その結果必要に応じて新たな基準を設定すること が、第 4 ステージと言える。 2.新たな食品表示制度導入までのスケ ジュールと基準の審議体制 新たな食品表示制度導入のスケジュールは図 1 の通りとなっている。 食品表示法の施行は、前記のように平成 27 年 6 月 28 日以前からとなっているが、それまでの間 告され、パブリックコメントが求められた。 3.新たな食品表示基準のイメージ (1)食品と食品関連事業者等による 9 区分で 基準策定 食品表示法の制定により、これまでの JAS 法 に基づく品質表示基準や食品表示法に基づく食 品の安全性に関する基準等は廃止され、全て食 品表示法に基づく「食品表示基準」として規定さ れる。 に、政令や内閣府令により新たな食品表示基準を 食品表示法第 4 条第 1 項において、食品表示 整備しておく必要があり、これらの基準は法律の 基準は、 「食品及び食品関連事業者等の区分ごと 施行とともに適用される。ただし、現行と異なった に」定めることが明記されている。すなわち、 「内 新たな基準が導入され、かつ企業等がその対応 閣総理大臣は、内閣府令で、食品及び食品関連 のために準備が必要な場合には、その内容に応じ 事業者等の区分ごとに、次に掲げる事項のうち当 て猶予期間が設定される。 該区分に属する食品を消費者が安全に摂取し、及 この期間は通常 1~2 年であるが、特に、栄養 び自主的かつ合理的に選択するために必要と認 表示に関しては、食品表示一元化検討会報告書 められる事項を内容とする販売の用に供する食品 において、環境整備の状況を踏まえ原則 5 年以内 に関する表示の基準を定めなければならない。」 となっていることから、状況が整えば平成 32 年 と規定されている。 夏からの施行となる。 一方、施行までに整備する必要がある食品表示 これを表に示すと表 1 のようなマトリックスにな る。このうち 「食品関連事業者以外の販売者」とは、 基準は、現在内閣府消費者委員会の食品表示部 バザーや学校祭等において販売する者のことであ 会において審議されている。 る。 表 1 食品表示基準の区分 図 1 新食品表示制度の施行に向けたタイムスケジ ュール 14 Trace Report 22 July 2014 ceabilitytraceabilitytraceability traceability tracea traceability traceability traceability traceability traceability ability ceabilitytraceability traceability (2)現行 58 本の基準を 1 本に統合 今回の食品表示基準を検討するに当たっては、 (3)栄養表示の対象食品について 栄養表示は、原則として予め包装された全ての 消費者の求める情報提供と事業者の実行可能性 加工食品と添加物について、栄養成分の量及び熱 とのバランスを図り双方に分かりやすい内容を策 量の表示を義務とする表 2 の方向性がとりまとめ 定することとしている。 られた。 具体的には、前記の区分以外に以下の方針によ (4)栄養表示義務の免除対象食品について る。 ①原則として、表示義務の対象範囲(食品、事業 者等)については変更しない。 ②前記の区分ごとに、食品の性質等に照らし、で きる限り共通ルールにまとめる。 表示義務を免除する食品として、栄養の供給源 としての寄与が小さいと考えられる食品、酒類、小 包装食品等が対象とされる方向性がとりまとめら れた。 ③現行の栄養表示基準を、実行可能性の観点か ら義務化にふさわしい内容に見直す ④安全性に関する事項に係るルールを、より分か りやすいように見直す。 4.栄養表示基準の主な審議状況 (1)義務化及び任意表示の対象成分について 新基準案における義務項目として「熱量、たん (5)栄養表示の対象事業者について 原則として、全ての食品関連事業者を表示義務 の適用対象とする一方、食品関連事業者以外の 販売者は義務化の対象外とすること、また業務用 加工食品については、表示義務を課さないことと する方向性がとりまとめられた。 さらに、家族経営のような零細な事業者として、 ぱく質、脂質、炭水化物、ナトリウム」、任意表示 消費税法に基づく「小規模事業者に係る納税義 のうち推奨項目として「飽和脂肪酸、食物繊維」、 務の免除 その他の任意表示項目として「糖類、糖質、トラン ス脂肪酸、コレステロール、ビタミン類、ミネラル類 に該当する場合、表示義務を免除する方向性が とりまとめられた。 (ナトリウムを除く)」が示されている。 (6)栄養強調表示等について (2)ナトリウムの表示方法について 新基準案では、ナトリウムの表示は、消費者に なじみが深い「食塩相当量」に代えることとする 方向性がとりまとめられた。 表 2 栄養表示の対象食品 栄養強調表示(補給ができる旨 / 適切な摂取 ができる旨の表示)については、新基準案でも維 持することとする方向性がとりまとめられた。 5.生鮮食品・業務用食品の表示に関す る主な審議状況 (1)「生鮮食品」と「加工食品」の整理について 新基準案における「生鮮食品」と「加工食品」 の定義は、JAS 法の品質表示基準における定義 を引き継ぐ方向性がとりまとめられた。 具体的には、製造、加工、調整、選別の定義に 基づき、 「製造」、 「加工」の定義に当てはまるも のは加工食品に、 「調整」、 「選別」の定義に当て はまるものは生鮮食品に整理する方向性がとりま Trace Report 22 July 2014 15 traceability traceability trac traceability traceability traceability traceability traceability tracea traceabilitytraceability traceability traceability trac traceability raceability とめられた。 また、前述の考え方に基づき「加工食品」と「生 鮮食品」のどちらに整理された場合であっても、 (5)現行の表示基準に係る通知等のうち、基 準に規定するものについて 現行の表示基準に係る通知のうち、①安全性 現行の表示基準府令等に規定されている食品に の確保の観点から、指導ではなく、表示義務を課 ついては、衛生上の観点から必要とされていた表 すべき表示ルール、及び②表示基準の統合や新 示事項を引き続き義務付けることとする方向性が たな義務化に伴い、わかりやすい食品表示基準 とりまとめられた。 を策定するという観点から食品表示基準と通知 一方、現行 JAS 法に基づく異種混合に該当す 等にまたがって表示ルールが規定されるのではな る食品について、消費者との意識のずれがあると く基準にまとめて記載すべき表示ルール、につい いう観点から、その区分けの見直し検討がなされ ては、新たに通知等を新基準案に格上げする方向 たが、現場での実態把握と消費者の意識等につ 性がとりまとめられた。 きさらなる検討をすることが必要とされた。 (2)業務用食品の表示について 業務用食品の表示事項と表示方法については、 6.加工食品の表示に関する主な審議状況 (1)原材料名の表示の方法について 原材料名の表示順序は、原則として現行の「使 基本的に現行の表示事項と同じとする方向性がと 用した原材料を、食品添加物以外の原材料及び りまとめられた。 食品添加物の区分により、原材料に占める重量の 一方、その情報伝達媒体は、例外的に送り状等 への記載も含めて現行と同様とする方向性がとり まとめられた。 割合の多いものから順に記載すること」を基本 ルールとする方向性がとりまとめられた。 一方、複合原材料の表 示方法は、原則として、 現行の基本ルールとするが、①中間加工原料を使 (3)添加物の表示について(添加物のみ販売 する場合) 用した場合であって、消費者がその内容を理解で きない複合原材料の名称の場合、及び②中間加 添加物の新基準案においては、表示基準府令 工原料を使用した場合であって、複数の原材料を 等に基づく表示事項について現行どおり表示する 単に混合しただけなど、消費者に対して中間加工 こととし、さらに新たな義務として、JAS 法で一 原料に関する情報を提供するメリットが少ないと 部の食品として販売される添加物のみに表示が 考えられる場合、構成する原材料を個々に分割し 義務付けられていた事項も表示することが示され て表示することを可能とする方向性が示された。 た。 なお、簡易表記や中間加工原料を使用した場 合の原材料名の記載方法は、横断的事項として規 (4)生鮮食品関係の用語の統一(加工食品に 定する方向性がとりまとめられた。 ついてもこれに準ずる) 現行の 3 法に基づく表示の基準において、それ ぞれ用語が統一的に使われているとは限らないた 固有記号について め、新基準案に統合するにあたり、①異なる用語 JAS 法と同様に、表 示責任者の欄には「製造 が類似の意味を表している場合、②異なる用語が 者」、 「加工者」、 「販売者」又は「輸入者」という 同範囲の意味を表している場合、及び③同一の用 表示とするという新基準案の方向性がとりまとめ 語が異なる範囲の意味を表している場合に分けて られた。 整理する方向性がとりまとめられた。 16 (2)表示責任を有する者等の整理及び製造所 Trace Report 22 July 2014 また、新基準案では、次の場合、製造所固有記 ceabilitytraceabilitytraceability traceability tracea traceability traceability traceability traceability traceability ability ceabilitytraceability traceability 号による表示を認める方向性が示されたが、種々 の意見が出され、再度審議されることとなった。 ①包材の共通化という事業者のメリットを維持す る観点から、原則、2 以上の製造所において 同一商品を製造・販売する場合のみ、固有記 号の利用を認める。 ②固有記号を利用する事業者には、消費者から の問合せに応答する義務を課す。 ③一定の猶予期間を設けて、現在届出がなされて いる固有記号を全廃して新固有記号制度へと 図 2 表示のレイアウト 移行し、固有記号に有効期限を設け更新制と するとともに、届出内容の変更・廃止届出を新 たに義務付ける。 表 3 アレルゲンの代替表記と特定加工食品の表示 ④消費者庁に新固有記号データベースを構築し、 消費者からの検索が可能となる一般開放及び 事業者からの電子申請手続について検討する。 (3)販売形態ごとの適用範囲について 販売形態ごとの適用対象は、現行と同様の適用 範囲とする方向性がとりまとめられた。 (4)レイアウト、文字の大きさについて 文字の大きさについては今後の検討課題とされ た。なお、現行の表示可能面積 30cm 2 以下の場 (5)アレルゲンを含む食品の表示について アレルゲン表示については、食品を摂取する際 合の省略不可の表示事項は、食品の安全性の確 保のために必要な情報として、 「名称」、 の安全性に強く関与することから、①特定加工食 「保存方法」、 「消費期限又は賞味期限」、 「表 品 (例:マヨネーズ)及びその拡大表記は廃止する。 示責任者」 、 「アレルゲン」とする方向性がとりま ②代替表記の拡大表記のうち、卵の「卵白」、 「卵 とめられた。 黄」は、廃止するとの方向性がとりまとめられた (表 一方、表 示のレイアウトについては、現行 JAS 3)。 また、一括表示については、アレルゲンそのも 基準及び栄養表示基準の考え方を引き 継ぎ、また栄養成分表示の義務化考慮した場 のが原材料に使用されている場合や、代替表記等 合、新基準案として、次の方向性がとりまとめられ で表示されているものも含め、一括表示欄に全て た(図 2) 。 表示することとすること、及び個別表示の繰り返 ◦様式 1 及び様式 2 を別々に規定する。 しになるアレルゲンの省略については、最新の知 ◦様式 1 と様式 2 は別面に表示することができる 見を踏まえ、仕組みの一部改善を図ることを検討 ◦食品添加物以外の原材料と食品添加物は、違 する、との方向性がとりまとめられた。 いを明確にするために区別できるようにする。 (了) Trace Report 22 July 2014 17 [食品表示検定協会からのお知らせ] 速報! 第 9 回食品表示検定 初級・中級試験(2014 年 6 月 11 日)結果 5,000 人を超える受験者が知力を絞る! 去る 6 月 11 日 (水)に実施された第 9 回食品表 4.申込者性別 示検定協会の初級、中級の検定試験が行われた。 受験種数は、5000 人を超え、年々関心が高まっ ています。 次回は、11 月 23 日(日)初級、中級、11 月 30 日(日)上級が行われます。 第 9 回食品表示検定初級・中級試験結果 初級 平均点は 64.4 点、中級は 69.4 点 区分 初 級 中 級 人数 比率 人数 比率 男性 2,397 人 75.9% 1,739 人 63.9% 女性 762 人 24.1% 982 人 36.1% 5.申込者業種 初級が最も多いのが食品小売業、中級が食品 製造業となっています。 1.受験者数 受験者数は初級、中級合計で 5,000 人を超える ことができました。 区 分 初 級 申込者数 中 級 合 計 3,159 人 2,721 人 5,880 人 受験予定者数 (入金)3,082 人 2,561 人 5,643 人 実受験者数 2,782 人 2,351 人 5,133 人 2.合格率と平均点 区 分 初 級 中 級 学生・一般 2.8% 4.2% 食品製造業 16.8% 42.3% 食品小売業 64.4% 23.3% 食品卸売業・商社 6.4% 9.7% 外食・中食産業 1.7% 7.5% その他業種 7.7% 12.8% 無回答・無効 0.2% 0.3% 初級が約 4 割弱、中級が 5 割強の合格率とな 2014 年食品表示検定スケジュール りました。 区 分 初 級 中 級 合格者数 1,060 人 1,265 人 合 格 率 38.1% 53.8% 平 均 点 64.4 点 69.4 点 第10 回食品表示検定試験は11月 23 日(日) と 11 月 30 日(日) 第 10 回食品表示検定初級・中級は 2014 年 11 月 23 日(日)、第 4 回食品表示検定上級は 2014 年 11 月 30 日(日)に実施します。皆様のご参加 3.団体、個人申込比率 をお待ちしております。 初級は団体が多く、中級は個人が多い従来の 初級・中級:8 月 19 日(火)~ 9 月 29 日(月) 傾向となっています。 区分 18 初 級 中 級 人数 比率 人数 比率 団体 2,288 人 56.0% 1,140 人 41.9% 個人 817 人 44.0% 1,581 人 58.1% Trace Report 22 July 2014 〈お申込期間(予定)〉 上級:8 月 25 日(月)~ 10 月 6 日(月) 〈会場(予定)〉 初級・中級:札幌、仙台、大宮、東京、新潟、 金沢、甲府、静岡、名古屋、大阪、神戸、 広島、松山、福岡、鹿児島、那覇 [食品表示検定協会からのお知らせ] 対策セミナーも全国各地で開催致しますので、 上級:札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、 こちらも食品表示検定協会ホームページをご覧く 福岡 詳細は食品表示検定ホームページをご覧ください。 ださい。 http://www.shokuhyoji.jp/ 食品表示検定フォーラム報告 フォーラムの盛況に終わり、成績優秀者を表彰 食品表示検定フォーラム 2014 が 2014 年 3 月 7 として表彰しました。 日(金) 、ベルサール半蔵門ホールで以下内容によ り開催されました。受講申込者数は 184 名と盛況 〈団体表彰 第 7 回・8 回 初級〉 のうちに終わりました。 順 団体名 合格者数 1 イオン㈱(グループ会社 20 社の合計) 459 13:20 開会の挨拶 2 イオンリテール㈱ 180 13:25 食品表示検定表彰式 3 ㈱平和堂 76 13:50 講演 1: 「食品表示法をめぐる動向」 4 生活協同組合コープさっぽろ 56 5 日本食研ホールディングス㈱ 32 5 山梨学院大学 32 【内容】 森田 満樹氏(元 食品表示一元化委員会委員 (消費者庁)) 14:45 講 演 2: 「食品偽装表示の背景とフー 〈団体表彰 第 7 回・8 回 中級〉 ドチェーンにおけるホワイトリスト企業 順 選別の課題」 団体名 合格者数 1 昭和産業㈱ 82 日佐 和夫氏(日本トレーサビリティ協会理事 2 ポッカサッポロフード&ビバレッジ㈱ 53 / 大阪府立大学食品安全科学研究センター 3 日本食研ホールディングス㈱ 34 客員教授 / 元 東京海洋大学大学院教授) 4 ㈱平和堂 31 5 ㈱シジシージャパン 28 5 天使大学 28 15:30 質疑応答及び連絡事項 15:45 終了 〈個人表彰〉 併せて 2013 年度食品表示検定表彰を実施しま した。2013 年度の食品表示検定表彰は、団体は 初級・中級の第 7 回・8 回の合計合格者数が多かっ た団体の中から上位 5 位までを「食品表示に熱 心に取り組んでいる団体」として、個人は初級・ 中級・上級の得点上位 1 位の方を「成績優秀者」 対 象 受験者名 点 数 第 7 回初級 匿名希望 100 第 8 回初級 寺田 るみ 100 第 7 回中級 若林 美緒 97 第 8 回中級 古川 由紀 100 第 3 回上級 藤田 明 93 (敬称略) Trace Report 22 July 2014 19 一般社団法人日本トレーサビリティ協会は、 農林水産食品を軸とした、あらゆる事業分野での商品及びそれらの流通に関する情報提供の 仕組みを構築し、トレーサビリティ・システムの普及・啓発を行うことにより、協会に参加 する会員および消費者の利益に寄与することを目的として活動しております。 一般社団法人日本トレーサビリティ協会 入会企業一覧 2014年7月現在(五十音順) 株式会社アイミック 株式会社シイエヌエス 日本ハム株式会社 旭印 旭川中央青果株式会社 システム・インテグレーション株式会社 日本流通産業株式会社(賛助会員) 阿部牛肉加工株式会社 春雪さぶーる株式会社 ハウス食品グループ本社株式会社 株式会社あらた JFEシステムズ株式会社 株式会社はくばく 株式会社イシダ 情報システム株式会社 有限会社播磨海洋牧場 株式会社一印旭川魚卸売市場 株式会社鈴木農園 福山醸造株式会社 一正蒲鉾株式会社 北海道工場 総合商研株式会社 富士通株式会社 伊藤ハムミート販売東株式会社 高橋水産株式会社 プリマハム株式会社 株式会社入福福田商店 株式会社丹波屋 プライフーズ株式会社 岩田醸造株式会社 株式会社辻商店 プラスワン・イノベーション株式会社 ㈱ウェルファムフーズ 株式会社DNP 北海道 ベル食品株式会社 株式会社エプロン 株式会社寺岡精工 株式会社ホクリヨウ 大塚製薬株式会社 テーブルマーク株式会社 株式会社宝幸 株式会社オズ 東海澱粉株式会社 ホクレン農業協同組合連合会 株式会社オリエンタルフーズ 株式会社道南食肉センター 北海道漁業協同組合連合会 株式会社カネモ 株式会社トータルマネジメントビジネス 株式会社北海道物産興社 河上水産株式会社 東洋アドレ株式会社 有限会社丸市ミート カルビー株式会社カルネコ事業部 東洋冷蔵株式会社 マルハニチロ株式会社 株式会社喜多村 凸版印刷株式会社 北海道事業部 丸水札幌中央水産株式会社 キューピー株式会社 株式会社富藤製作所 株式会社ミツハシ 株式会社恵和ビジネス 株式会社トワニ 株式会社森哲 株式会社ケーアイ・フレッシュアクセス 株式会社ナシオ 山崎製パン株式会社 生活協同組合コープさっぽろ 株式会社ニチレイフレッシュ 雪印メグミルク株式会社 サッポロビール株式会社 日糧製パン株式会社 株式会社吉田ハム 札幌営業所 生活協同組合連合会コープ東北サンネット事業連合 日本アクセス北海道株式会社 よつ葉乳業株式会社 株式会社サンエー 日本印刷株式会社 米久株式会社 株式会社三耕物産 日本水産株式会社 三菱食品株式会社 北海道支社 協会への入会についてはホームページをご覧いただくか、下記へご連絡ください。 (無断転載禁ず) 一般社団法人 〒102-0082 東京都千代田区一番町 23 番地 3 日本生命一番町ビル 3F (システム・インテグレーション㈱内) TEL:03-3288-1031 h t t p : / / w w w . j t r a c e . j p /
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