№222 2014年11月発行 岡山済生会総合病院 Page1 〒700-8511 岡山市北区伊福町1-17-18 http://www.okayamasaiseikai.or.jp [email protected] 発行責任者:大原 利憲 地域医療連携室 : 鷹取 康晴 寺尾 浩司 新居 理恵 TEL:086-252-2698 水田 尚美 有生 FAX:086-254-8036 菅 正確な食物アレルギー診断に努めています 小児科医長 小倉 和郎 (日本小児科学会:小児科専門医、日本アレルギー学会:アレルギー専門医) 〔食物アレルギーと 食物アレルギーと経口負荷試験 アレルギーと経口負荷試験〕 経口負荷試験〕 アレルギー疾患は、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、食物アレルギー (アナフィラキシーを含む即時型反応)、食物依存性運動誘発アナフィラキシー、口腔アレルギー 症候群等を含め様々な病態として多く認められています。その中で「食物アレルギー」は幼児期・ 小児期に多く認められ、家庭での食事、保育園・幼稚園・学校での給食を含め多くの課題をともな い、近年小学校での誤食を原因としたアナフィラキシー発症もあり注目を集めています。 食物アレルギーとは「原因食物を摂取した後に免疫学的機序を介して生体にとって不利益な症 状(皮膚、粘膜、消化器、呼吸器症状、アナフィラキシー等)が惹起される現象」と定義されていま す。その その診療 その診療の 診療の基本は 基本は、症状誘発の 症状誘発 の原因となる 原因 となる食物 となる 食物を 食物を的確に 的確に診断し 診断 し、その食物 その食物を 食物を 食生活から 食生活から除 から除 去回避する 去回避する事 する事です。 です。 しかし症状を誘発する食物を除去する食生活が適切に実施されない状況で は、栄養学的な障害と、日常生活での負担を強いる可能性があります。 食物アレルギーの対策は、厳格な除去(その原因食物を完全に除去する完全除去)が行われて きましたが、最近 最近では 最近では「 では「必要最小限度の 必要最小限度の除去」 除去」を目指すように 目指 すように変化 すように変化してきています 変化してきています( してきています (血液検査や 血液検査 や皮 膚試験のみによる 膚試験のみによる食物除去 のみによる食物除去を 食物除去を避け、 また誘発症状 また誘発症状が 誘発症状が認められる食物 められる食物に 食物に関 しても症状 しても症状が 症状 が誘発され 誘発 され ない程度 ない程度に 程度に摂取をする 摂取をする) をする)。その為 その為、正確な 正確な誘発原因食物の 誘発原因食物の診断が 診断が必要となります 必要となります。 となります。 食物アレルギーの診断は詳細な問診、食物日誌による原因食物(抗原)の推定、血液検査(抗 原特異的IgE抗体価(Immuno-CAP法他)、好塩基球ヒスタミン遊離試験)、スキンプリックテスト、 食物除去試験、食物経口負荷試験等が行われます。しかし、抗原特異的IgE抗体価や皮膚試験 のみでは、正確な診断は困難であり(特異的IgE抗体が検出、あるいは皮膚試験が陽性でも、実 際に摂取が可能な症例が認められ、逆に両方陰性でもアナフィラキシーが誘発される症例も認 められる)、現在最も信頼度が高い検査は「食物経口負荷試験」です。 〔当院小児科での 当院小児科での実績 での実績〕 実績〕 当院小児科では、外来にて食物経口負荷試験を実施しています(近く外来での検査は中止し、 入院による検査に変更予定)。2012年4月から2014年5月の期間に162症例(同一症例複数回実 施含む)の経口負荷試験を実施して陽性29症例、陰性127症例、保留6症例となっています(陽 性:明らかな即時型反応が認められた症例、陰性:即時型反応が認められなかった症例、保留: 症状が極軽度にしか認められない、あるいは口腔内違和感のみといった客観的に判断しにくい 症例)。負荷食物は、鶏卵(ゆで卵、温泉卵)、牛乳、小麦(うどん)、加工品(パン、ビスケット、ヨー C◎RE情報 №222 2014年11月発行 Page2 グルト、納豆他)等、患者要望も合わせて決定しています。即時型陽性29症例のうち、ボスミン筋 肉注射を実施した症例は4症例であり、経過観察目的に入院となったのは2症例のみでした(鶏卵 とピーナッツ)。 今後も安全に配慮しつつ食物経口負荷試験を実施し、正確な食物アレルギー診断を行ってい きたいと考えています。 食物経口負荷試験について 食物経口負荷試験について ※患者さんへの 患者さんへの説明 さんへの説明、 説明、同意書の 同意書の作成が 作成が必要なため 必要なため、 なため、一度小児科アレルギー 一度小児科アレルギー外来 アレルギー外来の 外来の受診が 受診が 必要です 必要です。 です。受診予約は 受診予約は小児科外来にて 小児科外来にて承 にて承ります。 ります。ご協力をよろしくお 協力をよろしくお願 をよろしくお願いいたします。 いいたします。 〔参考資料〕 1)食物アレルギー診療ガイドライン2012 2)食物アレルギー経口負荷試験ガイドライン2009 3)食物アレルギー診療の手引き2011 4)食物アレルギーの栄養指導の手引き2011 〔小児科 外来診療担当表〕 月 火 水 木 金 土 午前 午後 午前 午後 午前 午後 午前 午後 午前 午後 I 田中 髙田 田中 田中 髙田 / 田中 野口 / 田中 Ⅱ 小倉 髙塚 髙田 野口 髙塚 / 岡原 小倉 髙田 小倉 / 岡原 Ⅲ ※受付時間(午前)初診:8:00~11:30、再診:7:30~11:45、(午後)初再診:14:00~15:00 午前 当日 担当 医 C◎RE情報 №222 2014年11月発行 Page3 ここでは当院 ここでは当院の 当院の医師にスポットを 医師にスポットを当 にスポットを 当ててご紹介 ててご紹介しています 紹介 しています。 しています 。医師になったきっかけや 医師になったきっかけや今後力 になったきっかけや今後力を 今後力を入れていきたい領域 れていきたい領域、 領域 、 患者に に対する思 患者 する思いなどを紹介 いなどを紹介することで 紹介することで、 することで、済生会病院の 済生会病院の医師を 医師を一人でも 一人 でも多 でも多く知っていただきたいと考 っていただきたいと考えています。 えています。 患者さんの目線に向き合いながら良質な医療を提供していきたい 眼科医長 熊瀬 文明 2014年9月に岡山済生会総合病院に眼科医長として着任いたしまし た。私は岡山大学教育学部附属中学校、洛南高等学校、岡山大学を 卒業し、2003年に岡山大学眼科学教室に入局しました。これまで網膜 硝子体疾患を専門とする岡山大学医学部医学科臨床教授、岡山済生 会総合病院の瀬口次郎特任副院長と倉敷成人病センターの岡野内俊 雄部長のもとで研鑽を積みました。岡山大学病院では加齢黄斑変性 (AMD)の診療を中心とした黄斑外来を担当しておりました。 AMDの理解を深めるために、2012年9月から2014年7月まで、AMDに 対する初の薬物治療である光線力学療法(PDT)および現在AMD治療 の主流になっている抗血管内皮増殖因子(VEGF)薬を開発したハーバード大学マサチューセッ ツ眼科耳鼻科病院眼科の網膜部門へ留学しました。AMD治療における抗VEGF薬の限界とポス ト抗VEGF薬などを世界の最先端の施設で間近に見聞きしてまいりました。現在のAMD治療の限 界を踏まえつつ、患者さんの目線に向き合いながら良質な医療を提供していきたいと思います。 またこれから網膜硝子体疾患の外科的な治療にも取り組んで行きたいと考えております。 今後ともご指導、ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします。 〔眼科 外来診療担当表〕 月 火 午前 午後 午前 熊瀬 大月 受付時間 8:00-10:30 初診 再診 (予約制) 水 午後 木 午前 午後 午前 成田 検査 受付時間 8:00-10:30 瀬口 秋元 金 土 午後 午前 午後 大月 小橋 検査 (予約制) (予約制) 検査 成田 再診 (予約制) 小橋 瀬口 熊瀬 瀬口 手術 (予約制) 熊瀬 秋元 ※受付時間(午前)初診:8:00~11:30、再診:7:30~11:45 (予約制) 小橋 手術 成田 (予約制) 熊瀬 午前 当日 担当 医 (予約 のみ) C◎RE情報 №222 2014年11月発行 Page4 肝臓病教室 開催のお知らせ 参加自由です。患者さんで肝臓病が気になる方がおられましたら、ご案内ください。 〔 日 時 〕 11月 25日(火)14:30~16:00 〔テ ー マ〕 肝硬変は糖尿病になりやすい? * 診察券をご持参ください 中塔内科主任医長、看護師、薬剤師、管理栄養士、理学療法士 〔 場 所 〕 済生会病院 本館12階デイルーム(面談室) 〔参 加 費〕 管理栄養士が担当する教室は、集団栄養指導料金(保険適用で240円) 〔問 合 せ〕 予防医学部 ℡086-252-2211(代表) 内線3201・3204 第11回 岡山心血管病・下肢救済ネットワーク講演会を開催 参加申込が必要です。086-252-2698 地域医療連携室まで。 〔 日 時 〕 1月 22日(木)19:30~21:00 〔 場 所 〕 岡山ロイヤルホテル 〔症例報告〕 「ご紹介された症例から学ぶこと」 〔特別講演〕 「眼疾患と循環器疾患」 岡山済生会総合病院 特任副院長(眼科) 瀬口 次郎 カンファレンスのご案内 院外の先生方にもご参加いただけます。多数のご参加をお待ちしております。 日 カンファレンス名 テーマ 時 間 場 所 右下肢腫脹・発熱・多発リ ンパ節腫大の80歳代女性 17:30-19:00 西館3階カンファ室 知っておきたい糖尿病治 療薬(インスリン.GLP-1 受容体作動薬編) 17:30-19:00 西館3階カンファ室 12/11日(木) 救急カンファレンス 症例検討 18:00-19:00 西館3階カンファ室 12/25日(木) 胸部疾患カンファレンス 症例検討 17:30-19:00 西館3階カンファ室 11/27日(木) CPCカンファレンス 12/4日(木) 糖尿病カンファレンス C◎RE情報のメール配信をご希望される方は、地域医療連携室までご連絡ください ご不要な場合もお気軽にご連絡ください 電話(086)252-2698 メール:[email protected]
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