2015年度募集要項 - 公益財団法人笹川記念保健協力財団

5
1
0
2
度
年
The Nippon Foundation
Home-Care Nursing Centers
日本財団在宅看護センター
起業家育成事業
第二期生 受講者募集要項
目次
事業概要
対談「看護師が社会を変える」 ・ ・・・・・・・・・・ P1
「日本財団在宅看護センター」について ・ ・・・・・・・ P3
2014年度 第一期生からの声 ・・・・・・・・・・・・ P4
募集要項
受講者募集について ・ ・・・・・・・・・・・・・・ P5
研修スケジュール ・ ・・・・・・・・・・・・・・・・ P6
研修概要
講義プログラム/実習プログラム/起業計画概要 ・ ・・・ P7
2014年度研修スケジュール (参考) ・・・・・・・・・ P9
Q&A ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P10
アクセスマップ/お問い合わせ ・・ ・・・・・・・・・・ P11
対談
看護師が社会を変える
笹川 陽平 日本財団 会長
喜多 悦子 笹川記念保健協力財団 理事長
喜多 この度の日本財団支援で始
健康をどうするかを考えた時、看護
める「日本財団在宅看護センター」
師だと思いました。多くの医師は医
起業家育成事業への過程を説明し
療施設で働いており、地域を看るこ
ますと、当財団は十数年来ホスピス
とに関しては、医療施設の医師を即
緩和ケア事業として看護師及び医師
地域に持ってきても効率も機能もうま
の研修をやってまいりました。これは
く合わないと思います。その点看護
医療施設内のケアプロバイダーの機
師は人々と近く、これからも増えてくる
能強化でした。今、日本は人類史
高齢者対策という社会のニーズに対
上初めての高齢社会に入っています。
し、その機能で対応する方針でやっ
健康が壊れた場合は医療で解決し
ていきたいと考えます。
笹川 陽平
ますが、多くの高齢者の健康は壊
日本財団 会長
れてないけれど少し質が悪くなってい
笹川 今 回の計 画は 二つの点で
1939年 東京生まれ。現在、
WHOハンセ
る、それをどこで看るかは国際保健
大変ユニークだと思います。一つ
ン病制圧特別大使、
ハンセン病人権啓発
の現場にいた時から気になっていまし
は、国民の側、医療の受け手 側
大使
(日本政府)
、
ミャンマー国民和解担当
た。さらに看護教育に携わったなか
からすれば在宅ケアが理想ですが、
で、このような事業をどこかで出来な
これに対して積極的にアプローチし
いものかと考えていました。
ようとする取り組みだということ。もう
日本代表
(日本政府)
ほか。
日本財団理事
長を経て、
2005年7月より現職。
一つは、ケアをする側、看護師の
喜多 悦子
笹川記念保健協力財団 理事長
笹川 私は、組 織も人も変 化し、
関わり方です。多くは病院を中心に
時代のニーズにきちっと合ったもの
医師からの指示の範疇で活動して
は何か、それにどう対応できるかが
いる状況から、在宅に近づいていく
大事だと考えています。笹川記 念
に従ってインセンティブも変わってくる
保健協力財団と日本財団が協力し
でしょうし、自分たちが一つの事業
て行った緩和ケアや訪問看護の専
を行いながら国民生活で最も重要な
門家であるホスピスナースの養成は
健康管理を積極的に支えていくとい
3,000 人にも及び、これは大きな組
うことで、従来の考え方からもう一段
織力です。これらの組織も活用し、
飛躍し、表舞台に出て起業マインド
ご指摘のように、世界で最も早い高
で仕事をする。これは長い看護師の
齢社会を迎える日本ですが、この事
歴史の中でもエポックメイキングにな
業は日本のみならず、高齢化を迎え
るような出来事ではないでしょうか。
る他の国々にとっても一つのモデル
喜多理事長はどうお考えですか。
ケースになりうるようなチャレンジング
1939年 兵庫生まれ。現在、
日本赤十字九
なことで、喜多理事長の長いご経験
喜多 おっしゃる通りだと思います。
州国際看護大学名誉学長、
米国ジョンズ・
の上で実行していただけるということ
看護師は自立を願いながらも起業
ホプキンス大学公衆衛生大学院上級研
で、大いに期待しております。
マインドが弱い。このコースでは管
究員ほか。2013年4月より現職。
理的ノウハウを勉強していただく場
喜多 高齢 者が多くなった日本の
1
とします。世界的にも看護師は医師
のスーパーバイズのもと、というの
が出来上がり過ぎて、それを突破
するのが非常に難しいと思います。
また、看護でなく介護という意見もあ
りますが、私は看護師の健康評価
機能を重視し、
「日本財団在宅看護
センター」は勤務者全員が看護師で
ある必要はないのですが、管理者は
看護師が担います。全国各地で日本
財団マーク入りの車を見ますが、この
ればならないと「ライフ・プランニング
師は踏みとどまることができます。自立
センターはそれらをきちんとつなぐハブ
・ センター」を立ち上げた頃は、血
して評価に耐えるような、成功モデル
の役割を果たしてほしいと思っていま
圧計すら看護師に持たせなかった時
を作らなければなりません。日本財団
す。日本財団から開業時の支援もい
代でしたが、今や隔世の感がありま
の協力の下に笹川記念保健協力財
ただけることは大変心強く、数年内
す。ホスピスナースを見ても、看護師
団の全力を注いでやってまいります。
に津々浦々とはいいませんが、それな
は非常に志の高い方が多く、病人あ
りの地域にネットワークが広がってほ
るいはケアの受け手にとって精神的
笹川 是非、よろしくお願いします。
しいと願っています。
にウエイトが高いハートの部分は看
ワンパッケージで充実した支援がで
護師が背負っておられます。日本の
きるような強力な支援体制ができると
笹川 いくつかの成功例ができれば
看護師は質・量ともに世界有数です
思います。
大きく変わっていくと思いますが、こ
ので、在宅でやってみようという優秀
のようなチャレンジングな仕事は、最
な人たちが相当いらっしゃるのではな
喜多 その体制を活かし、社会を
初は抵抗が強いかもしれません。し
いかと期待しています。
変えていきたいと強く思っています。
かし世の中の変化を呼び起こすのは
どうぞよろしくお願いいたします。
常に少数意見です。昔、日野原重明
喜多 医者はどうしても技術を使う
先生と共に予防医学を充実させなけ
方に気持ちが傾くのに対して、看護
(2014 年 1 月対談)
2014年度「日本財団在宅看護センター」起業家育成事業
2014年6月、
本事業はスタートしました。第一期生には17名
地域に根ざし、
ひろく住民にひらかれた在宅看護センターが、
の受講者を迎え、
同志、
そして将来のライバルとして机を並
日本全国に広がっていくよう、
その担い手となる本事業の受
べ、
日々切磋琢磨しています。
講者に、
私たちは大いに期待しています。
受講者は年代、
出身、
起業予定地もばらばらですが、
同じ講
第一線で活躍する多彩な講師陣による講義と、
日本財団・笹
義を受けながら常に考えるのは各々が起業を予定している地
川記念保健協力財団によるバックアップのもとに、
起業を目指
域、
住民、
そして自身が描く在宅看護センターです。
す看護師に新たな可能性が広がることを願ってやみません。
懇親会にて、
日本財団 笹川会長と一緒に
日野原重明名誉会長と一緒に
2
「日本財団在宅看護センター」 について
はじめに
本事業では、独自機能として個々の人間の生活力ケアが主務のひとつである看護師に、財務・業務管理・市場調査・
企業運営ノウハウ、介護・福祉・リハビリテーションなど保健関連の専門知識の修練を含む管理的研修を行います。
本事業の目的は、医療行為における医師との協力と共に、適切規模の人口集団ごとに「日本財団在宅看護センター」
を配置し、医療施設から退院した患者のフォローに加え、徐々に生活力・生存力が低下する高齢者を対象とした地域
包括的なケアの担い手を育成し、かつその担い手をネットワーク化することです。
特徴
常勤含む)等 10 ~ 15 名で構成
●適切な地域規模/人口規模を 24
宅老
時間
カバー
●他 の保健医療施設、特に在宅施設と
老健
デイケア
●看護師を中心に介護士、PT / OT(非
入退院
連携
配食
リハビリ
日本財団
在宅看護センター
入
●地 域 包 括 的なケアのマネジメント機
能を持ち、看 護 師は多 職 種 連 携 の
薬局
介護
入退
院
退
院
コーディネーター(Inter-Professional
Coordinator)役を担う
本事業では「日本財団在宅看護センター」を起業・運営する人材を育成します。
本センターは、地域の公・私立医療施設、診療所、開業医、その他介護・老健施設などと連携するほか、薬剤、給食、
リハビリテーション施設とも連携します。また、地域外関係施設とも連携する努力を行います。
加えて、地域住民の理解と協力の下に、独居住民や退院直後または容態不安定期の人々、さらに看取りを必要とする
場合には、在宅ホスピス機能も備えた柔軟な体制を目指します。
在宅看護の形態は、都市・農村(農繁期)
・山村(作業季節性)
・漁村(労働時間性)など地域で異なります。本センター
は地域に根ざす各センターが、各々が持つ情報や人材を共有できるネットワークを目指します。
起業前および起業後の支援体制等について
本研修修了者の起業前、および起業後の初期段階において、経営・運営、財務・会計、労務等に関しての専門的ア
ドバイスが必要な場合は、
当財団による支援を予定しています。
また、
研修修了者間の相互支援や情報交換を目的として、
ソーシャルネットワーキングサービス等を活用して、
「日本財団在宅看護センターネットワーク」を構築し、当面は、全国
約 200 ヶ所にネットワークを広げることを目標にします。
3
2014 年度 第一期生からの声
■
「日本財団在宅看護センター」
起業家育成事業 第一期生
山本 志乃さん
第一期生 起業予定地
(2014 年 9 月現在)
北海道
今、地 域で看護
師がトータルヘル
スケアを提 供す
青森
れば、大 勢の人
が安心や安寧を
秋田
新潟県 1名
得られる、
という
実感と手ごたえが
岡山県 1名
取り組める環境づくりがしたいという想い
ています。
福岡県 1名
全国から志を同じくする仲間と共に、
幅広
福井
鳥取
島根
く実績をあげられている講師との双方向
岡山
兵庫
広島
山口
の学びを通じて、
グローバルな知識や最
長崎
業後の展開までぶれない使命と信念を
醸成する場となっています。
佐賀
福岡
愛媛 高知
香川
徳島
京都 滋賀
大阪
奈良
富山
群馬
長野
岐阜
愛知
福島県 2名
福島
新潟
石川
島根県 1名
が高まり、
本事業に参加させていただい
新のデータを蓄積し、
起業の準備から開
山形 宮城
兵庫県 1名
あったので、
多くの看護師が在宅看護に
岩手
栃木
埼玉
茨城
山梨 東京 千葉
神奈川
静岡
東京都 4名
三重
神奈川県 3名
和歌山
大分
愛知県 1名
熊本
宮崎
大阪府 2名
鹿児島
沖縄
「日本財団在宅看護センター」起業家育成事業 第一期生 赤瀬
佳代さん
私は在宅ケアの現場で、
病院と在宅の連携
研修では、
看護の様々な可能性を模索して起
調整の仕事をしていました。
その中で、
治療や
業された先輩方の話を伺い、
看護の可能性を
療養の場の選択における支援の不足を感じ、 ひろくとらえることができるようになりました。
看護師として医療と生活を結ぶ視点で病院と
これから看護の力で地域住民が望む在宅療
在宅を繋いでいく支援をする事業所を作りたい
養の実現を目指す仲間が増えることを期待し
と思い、
本事業に応募しました。
ています。
「日本財団在宅看護センター」起業家育成事業 第一期生 金谷
益子さん
もうすでに起業している61歳の私ですが、
今後
とは。広く多義にわたる知識とノウハウ、
また、
医
更に精神科領域での訪問看護の拡大と地域
療・看護・介護がどうあるべきか、
今後の地域包
づくりをしたいと考えていたところ、
「日本財団在
括ケアの中で訪問看護がどうあるべきなのか、
宅看護センター」起業家育成事業のパンフレッ
ト
等学びの多い日々です。
を見て、
応募しました。
本事業を通じてたくさんの看護師が起業し、
ネッ
ト
第一期生の中で一番の高齢者ですが、
6月から
ワークが広がり、
高齢者の方が安心して療養で
著名な先生方の講義を受け、
毎日頭の中が激
きる支援体制が整っていくことを願っています。
震状態です。
自分は何をしたいのか。
マネジメント
4
受講者募集について
起業家育成事業のねらい
地域を拠点とする
「日本財団在宅看護
センター」の開設と普及のため、その
趣旨を理解し起業・運営・経営を担うこ
とができる看護師を育成します。
①経営力
②現場での情報を
把握し迅速に
判断する力
求められる
次の4つの力
を養成します
③住民と他の保健福祉
関係者をつなぐ
コミュニケーション力
④社会資源を活用し
効果的な連携をするための
コーディネーション力
1.受講期間
2015 年 6 月 15 日(月)〜 2016 年 1月 29 日(金)
2.募集人数
30 名程度
3.応募条件
次の(1)〜(3)すべてに、もしくは(1)及び(4)に該当する方
(1)10 年程度の臨床経験をもつ看護師
訪問看護、在宅看護経験もしくは類似業務の経験及び管理業務経験があれば望ましい
(2)年齢:30 歳以上 60 歳未満(相談に応ず)
(3)研修終了後、概ね一年以内の起業を意図する方
(4)現在、在宅看護事業所または訪問看護ステーションに勤務し、当該施設の機能強化を目指しうる立場にある方
(管理者の同意または推薦書必要)
4. 提出書類・応募方法
(1)提出書類
● 応募書類(職務経歴、志望動機など)
● 看護師免許証の写し
(2)応募先・応募方法
笹川記念保健協力財団 助成事業のご案内 http://www.smhf.or.jp/hospice/grant/
上記ホームページ内の助成事業専用ページから WEB 入力・アップロードにより書類を提出
(3)応募受付期限
第一回:2014 年 11月 28 日(金)
第二回:2015 年 1月 30 日(金)
5.選 考
(1)一次選考:書類審査(書類審査に通過した方のみ、二次選考を行います)
(2)二次選考:面接審査
実施日 第一回応募受付:2014 年 12 月 22 日(月)
第二回応募受付:2015 年 2 月 2 日(月)または 2015 年 2 月 6 日(金)
面接場所 笹川記念保健協力財団(日本財団ビル)
(3)決定通知:審査結果は決定次第、メールにて連絡します
(正式決定の通知は事務処理の都合上、2015 年 4 月 1日付になります)
5
6.選考後の手続きおよび受講料について
(1)
「取り決め確認書」の提出(決定通知と併せてご案内致します)
(2)受講料:400,000 円(税込)
「取り決め確認書」の提出後、指定の期日までに当財団が指定する銀行口座まで一括でお支払いください
(3)その他の受講の諸手続きについては、受講者に追って連絡いたします
7.支援制度について
本事業には各種支援制度があります。
受講の手続き後、もしくは起業の際に、希望者に対し下記の支援を予定しています。但し、本制度には申請条件や審
査があります。詳細は本事業のオリエンテーションでご案内します。
(2015 年 5 月上旬頃を予定)
支援
奨学金※ 1
受講
生活費
内容
金額
返還の義務はありません
上限 400,000 円
受講に当たり転居を伴う場合
※3
交通費
起業
※4
対象者※ 2
応募条件
月額上限 100,000 円 (1)~(3)
該当者
月額上限 100,000 円
機材整備
設備備品(什器備品・医療機器など)
1,500,000 円程度
建物改修・車両整備
日本財団へご相談ください※5
未定
応募条件
(1)~(4)
該当者
※1 奨学金の支給には審査があります。
※2 P5
「3.
応募条件」
参照。
※3 遠方からの受講者を対象とします。不動産契約書などの写しを提出していただきます。
※4 公共交通機関の1ヵ月の定期代が50,000円を超える場合、
超過分を補てんします。
※5 詳しくは日本財団のホームページをご参照ください。
日本財団 助成の申請 http://www.nippon-foundation.or.jp/what/grant_application/
研修スケジュール(予定)
時期
内容
6 月~ 8 月前半
2015 年 8 月後半~ 10 月
11 月~ 12 月
2016 年
1月
前期講義
実習
場所
東京
(日本財団ビル)
各実習先
時間
月~金
(土日祝日除く)
9:45 ~ 16:45
実習先規定による
平日
後期講義
東京
(土日祝日除く)
起業計画立案 (日本財団ビル)
週 2 回程度
月~金
起業計画発表
東京
(土日祝日除く)
(日本財団ビル)
修了式
9:45 ~ 16:45
6
講義の様子、
真剣そのものです
研修概要
1. 講義プログラム
8 ヵ月にわたる本研修は、「前期講義」・「実習」・「後期講義と起業計画作成」・「計画発表」 の 4 部で構成さ
れています。
「日本財団在宅看護センター」を開業・運営できる事業運営力、当該地域の各保健関連職と協
働できる保健連携力、
地域社会の健康を包括的に守るための医療の一角を担える行政社会力を身につけます。
学習事項
ねら い
行政社会力
Ⅰ
少子高齢化が進む社会では、cure(= 治す医療活動)
・超高齢社会の医療保健
・わが国の医療介護政策
・在宅医療概論
・在宅医療と看護
・地域包括ケアにおける看護(師)の役割
・福祉総論
・リハビリテーション総論
・新しい社会、地域リハビリテーション
・人口減少時代の医療福祉
・地域保健と看護
・在宅看護の展望
と care(= 支える保健活動)の適正なバランスが求め
られます。激しく変化する社会情勢の中、看護は何をし、
看護師はどんな役割を担えばよいのでしょうか。 今後
の保健医療政策を概観し、保健医療関連分野の基礎に
加え、地域社会における保健専門職としての看護師の
役割を確立するために必要な知識を学びます。第一線
の実務責任者や当該分野の専門家による、判り易く実
践的な講義は初年好評を得ました。
事業運営力
Ⅱ
・マーケティング概論と実践
・マネジメント概論と実践
・保健経済概論
・経営マネジメント
・財務管理
・税務の基礎
・労務管理
・在宅看護センターの管理
・看護ケアマネジメント
・地域リハビリテーションの実践
・コミュニケーションスキル
・アカデミックライティングとプレゼンテーション
・Project Cycle Management、アクションプラン
・事業展開の実際
なぜ 「起業」 するのか、「起業」 には何が必要か、「事
業」 の継続には何が必要か。今まで考えてこなかった
事業家の第一歩として、必要な知識、技術、能力を磨
きます。顧客は誰なのか、何を求めているのか、一人
の患者だけでなく、地域に多数を占める高齢者のニー
ズも把握し、地域の特色に応じた対応を考える力を修
得します。 市場調査、業務 ・ 財務・税務・労務各管理
のあり方、ケアの質と量の管理、また正しい情報発信
の手法など、各気鋭の専門家の理論的かつ実践的な講
義から事業家としての意識を高めます。
2. 実習プログラム
学習事項
ねら い
受講者の経験・レベルに合わせた実習を行います。看
・在宅療養支援施設、リハビリテーション施設、
ホームホスピス等の見学および実地研修
・入退院相談、在宅医療連携支援、地域包括ケアの見学
・ロールプレイ学習
護師が中心となり、多職種連携のもとにケアを行う実
際を、施設での研修やロールプレイなどを通し多角的
に学びます。
7
さらに看護の本質である個々人の健康を適正に評価し、必要なケアを行使するとともに、人々が自らの健康
を自律的に守るための健康教育指導ができる看護実践力を拡大します。受講生が自発的に意識改革をする
期間であると位置づけます。
学習事項
ねら い
看護実践力
Ⅲ
今後、医療施設での cure (= 治す医療活動 ) 中心の
・看護実践と倫理
・フィジカルアセスメント
・エンド・オブ・ライフケア
・緩和ケア
・認知症
・高齢者メンタルヘルス
・介護総論
・老年介護
・在宅看護と感染管理
・サルコペニアとリハビリテーション栄養
・災害と在宅医療
・在宅看護と健康教育
・基礎看護技術強化
医療サービスは、切れ目無く地域における在宅での
care(= 支える保健活動 ) に配慮した保健サービスと連
携しなければなりません。看護は、個々の人間の全て
を看ることを本来の務めとしますが、それぞれの人を
めぐる生活や人間関係を視野に入れた包括的な care
を効率よく継続的に行い、必要に応じて、医療施設に
つなげなくてはなりません。看護の原点を見失うことな
く、しかし、狭い範囲に閉じこもらず、社会と医療が変
容する中で、未来志向の看護をどのように実践するの
か考えます。
保健連携力
Ⅳ
・介護福祉総論
・高齢者医療の特性
・高齢者の栄養管理
・在宅医療と薬物療法
・在宅看護と臨床検査
・在宅実践と研究的思考
・文献検索と在宅看護
・在宅看護と作業療法
・認知症とコミュニケーション
・在宅看護と栄養、食生活
・認知症高齢者の家族支援
・ターミナルケアと家族支援
・地域医療との連携
・多職間連携の在り方
・I
Tリテラシー
施設での会議に参加
これからの地域医療は、inter-professional collabo­
ration(多職間協働)が基本と考えます。病院すなわ
ち 「医療」 と、在宅すなわち 「介護」 ではありません。
「医療」 ・ 「看護」 ・ 「介護」 のバランスがとれた連携が、
積極的治療と緩和的療養に必要です。 そのためには、
医師、看護師、介護士だけでなく、歯科医師、薬剤師、
栄養士、各種リハビリテーション専門家、カウンセラー
などのヘルスに関連する多種多様な専門家の協力が必
要です。既知の看護知識に加え、幅広い保健関連の知
識と情報、また IT リテラシーを修得し、地域社会の健
康ゲートキーパーとなる能力を身につけます。
施設利用者の付き添い補助
8
ロールプレイ
3. 起業計画
①開業計画
ご自身が立ち上げる「日本財団在宅看護センター」の構想
●
●
●
●
●
方針
(理念・ミッション・ビジョン・目的・目標)
地域・顧客研究(利用者イメージ・想定できる利用人数)
サービス
(事業内容<訪問看護、相談窓口、社会資源への窓口など>)
体制
(職員<人事、勤務体系、事務所インフラ整備など>、他施設との連携)
財務
(資金<開業資金、収支計画など>)
② アク シ ョン プ ラン
開業までのタスク(法人設立、開業資金、不動産等インフラ整備など)に対する
具体的な施策をタイムスケジュールに表したもの
③事業計画
開業後・半年後・1年後・2年後・5年後…と、短期・中期・長期で事業がどのようになる
かをイメージし、事業概要・経営方針・事業内容・経営環境・事業展開戦略・財務計画
等を開業後数年間策定したもの
④発表
起業・既存施設の機能拡充へ…
2014 年度 研修スケジュール(参考)
4 月
▼
5 月
▼
6 月
▼
▼
7 月
▼
▼
8 月
▼
9 月
▼
▼
10 月
▼
▼
11 月
▼
12 月
▼
1 月
決定通知
オリエンテーション
開講式
講義
講義
実地研修(兵庫)
開講式
フィジカルアセスメント
高齢者体験
WHO神戸センター
PCM研修
サルコペニアとリハビリテーション栄養
実習(東京)
実習(静岡)
研修会参加(宮城)
実習(東京)
シンポジウム開催
講義、起業計画立案
講義、起業計画立案
起業計画発表
修了式
9
Q&A
Q1.面接審査の実施日は指定の日程しかないのでしょうか。
A:はい、予備日はありません。都合が悪い場合はご相談ください。
Q2.受講費の分割払いはできますか。
A:原則一括払いとなりますが、必要に応じてご相談に応じます。
Q3.受講できない日があります。
A:欠席は出来ますが、振替はありません。原則全て出席していただきます。
Q4.遠方とはどこまでを指しますか。
A:公共交通機関を利用して、
片道の移動距離が100km、
移動時間が 2 時間を超えるような場合を想定しています。
Q5.テキスト代は別途かかりますか。
A:いいえ、テキスト代は受講料に含まれます。
Q6.実習先は具体的にはどこになりますか。
A:主に都内近郊の施設での実習となります。個々のレベル、経験や起業予定地に合わせ、都内以外となる場合
もあります。
Q7.受講修了後のフォローアップはありますか。
A:本事業受講修了者を対象とした 「日本財団在宅看護センターネットワーク」 の会員に加入していただき、そこか
ら様々な情報を入手していただけます。また、セミナー開催や経営コンサルタントの支援を予定しています。
Q8.
「日本財団在宅看護センター」はフランチャイズのようなものでしょうか。
A:いいえ、違います。ご自身が起業・運営するものであり、ロイヤリティーや経営管理を要求することはありません。
Q9.開業資金の貸し出し制度はありますか。
A:開業資金の貸し出し制度はありません。
Q10.受講中にアルバイトなどはできますか。その場合、紹介してもらえますか。
A:研修に差支えのない範囲でのアルバイトは可能ですが、紹介はしておりません。
10
アクセスマップ
○虎ノ門駅から(地下鉄銀座線)
3番出口より徒歩5分
○溜池山王駅から(地下鉄銀座線・南北線)
9番出口より徒歩5分
○国会議事堂前駅から(地下鉄丸ノ内線・千代田線)
3番出口より徒歩6分
○羽田空港から(駅間所要時間 40~50分)
京浜急行:
(都営地下鉄浅草線直通)→新橋→
(東京メトロ銀座線)→虎ノ門
東京モノレール:浜松町→(JR山手線)→新橋→
(東京メトロ銀座線)→虎ノ門
○東京駅から(駅間所要時間 7分)
(東京メトロ丸の内線)→国会議事堂前
笹川記念保健協力財団について
日本財団について
笹川記念保健協力財団は、身体的、精神的、社会的そして
日本財団は、海や船、社会福祉、教育・文化などの幅広い
スピリチュアルの観点からクオリティ・オブ・ヘルスの向上を
領域で公益活動を支援する公益財団法人です。全国の自治
目指し、
「ハンセン病対策」
「ホスピス緩和ケア推進」
「公衆
体が主催するボートレースの売上金の一部を財源の中心とし
衛生向上」の 3 つの活動を行っています。
て、企業等からの寄付や国からの資金等も得ながら国内外の
「ハンセン病対策」では、ハンセン病とそれに伴う偏見差別
のない社会を目指した活動を行います。
「ホスピス緩和ケア推
進」では、誰もが全人的なケアを受けられる社会を目指し、
公益団体と協力しつつ社会課題を解決するための事業を推進
しています。
国内の医療保健分野においては、
ホスピス緩和ケアを中心に、
そのための人材育成を行います。
「公衆衛生向上」では、世
笹川記念保健協力財団とも協力しながらさまざまな事業を展
界の公衆衛生向上のための支援を行います。
開しています。例えば、緩和ケア病棟・施設ホスピスやホーム
ホスピス緩和ケア事業では、その普及・啓発・質の向上を目
指し、研究助成、人材育成、研修会や研究会の開催、地域
で啓発活動を実践している団体への支援を行っています。こ
の度、これらに加え医療施設以外における地域包括的な在宅
医療を担う看護師を養成し、地域に根ざしたプライマリケア
を提供できる事業所網の構築を目指します。
ホスピス等地域密着型小規模施設の整備、一般啓発セミナー
「memento mori」の全国開催、また緩和ケア認定看護師・
訪問看護認定看護師の教育課程やホスピス専門研修への支
援
(2013 年度末現在 3,692 名)
、
ホスピスドクターの養成
(同
80 名)などを行ってきました。近年は、特に「自宅や地域で、
人々が最期まで自分らしく暮らすこと」を支える取り組みを積
極的に支援しています。
お問い合わせ
公益財団法人笹川記念保健協力財団
事業部(在宅看護起業家育成事業担当)
〒 107-0052 東京都港区赤坂 1-2-2 日本財団ビル 5 階
TEL: 03-6229-5390
FAX: 03-6229-5395
URL: http://www.smhf.or.jp/
E-mail: [email protected]
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