(ISIS-23)開催速報 - 国際超電導産業技術研究センター

2014 年 12 月 8 日発行
超電導 Web21
(公財)国際超電導産業技術研究センター
〒213-0012 神奈川県川崎市高津区坂戸 3-2-1 KSP
Tel: 044-850-1612
トピックス:第 23 回国際超電導産業サミット(ISIS-23)開催速報
公益財団法人・超電導産業技術研究センター
普及啓発・国際部長 岡崎 徹
ISIS-23 会場の様子
平成 26 年 11 月 12(水)~11 月 14(金)
、ロシア・モスクワにて第 23 回国際超電導産業サミッ
ト(ISIS-23)が開催された。サミットは参加各国の持ち回りで開催されており、今年度は昨年新た
にメンバーに加わったロシアがホスト国であった。
今回は世界情勢によりロシアへの経済制裁が行われており、開催も危ぶまれたが参加国は日本、
アメリカ、ヨーロッパ、韓国の参加を得た。ニュージーランドは諸事情により不参加となった。
国ごとの参加者数は、日本からは 3 名で、次に米国は 1 名、ヨーロッパの 2 名、韓国は 3 名であ
り、ホスト国のロシアは 26 名が登録しており、総計 35 名と昨年度日本で開催された ISIS-22 の 36
名と同程度となっている。ただしロシアについては全員が揃って会議に参加することは無く、実際
の参加数は不明である。
今回の会議テーマは International Status and Projections for Superconductivity で、現在の各国 R&D
の現状から始まり線材、ケーブルの現状報告、そして回転機および MAGLEV 関連へと繋がった。
日本からは R&D 全体状況の次に線材の開発状況を報告し、MAGLEV の現況および鉄道電力系統シ
ステムへの応用などが紹介された。
興味深かったのはロシアで、各種応用への展開が期待されることが述べられた。逆に欧州からは
そこまで手広く考えず、もっと着実に考えれば、との意見も出されている。そのロシアの各種応用
の中で興味深いのは MAGLEV 計画で、全く机上レベルではあるものの検討が進んでいるのは事実
の様である。北部の港湾からモスクワまでの高速貨物鉄道に応用し、旅客はまだ考えていない。手
の込んだ CG による動画も披露され、具体的な検討が進むのも近い可能性がある。また超電導航空
機なども考えている。従来 4 kW/kg 程度であったモータが 50 kW/kg まで改善できると述べられ、
その要素技術であるレーストラックコイルの開発などが報告された。
2014 年 12 月号
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MAGLEV の CG 一部。船舶からコンテナを受け取り、下のパレット状の車両が高速で輸送する。
パレットの構造図
超電導航空機の構想図
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会議終了後には近郊の Scientific Center of Federal Grid Company United Energy System を訪問
し、超電導ケーブル試験の現場を見学した。屋外の直流超電導ケーブルはリールに巻かれた状態で
あったが、ジョイントもされており、そのコンパクトさが目を引いた。また交流ケーブルも室内に
置かれていた。色々たくさんの PJ があり、その PJ に比べて少ない予算でやりくりしている様子も
見て取れた。
屋外暴露中の直流超電導ケーブルとジョイント(中央部に少し見えている)
室内に置かれた端末(交流ケーブル)
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蛇足ながら、筆者はソ連邦最後の夏に学会参加のためレニングラード(今のセントペテルスブル
グ)を主に訪問した事がある。当時と比べて圧倒的に増えた自動車、どこかで見たようなブランド
店が軒を並べるなど大きく変わっている。異文化に触れるという感覚はかなり希薄になり、その点
は何か残念であった。ただ重厚な建造物、地下深い地下鉄、などなどはそのままで少しほっとした。
また現地で英語が通じないのは相変わらずで、せめてアルファベットくらいは覚えていかないとか
なり苦労することを体感した。
--- Program --Session 1 National R&D Review
(Speech 35 min Q&A 5 min)
09.10 – 09.50 Japan: International Superconductivity Technology Center
(ISTEC)
09.50 – 10.30 USA: Coalition for the Commercial Application of
Superconductors (CCAS)
11:00 – 11-40 Europe: Consortium of European Countries Determined to use
Superconductivity (CONECTUS)
11:40 – 12:20 Korea: Korea Industries Confederation for
Commercialization of Superconductivity (KICS)
12:20 - 13:00 Russia: Russian Superconductor Organization (RSC)
Session 2 Progress in Commercialization of HTSC Wires, Conductors and
Cables
14:40 - 15:00 Progress in Production of HTS-2 tapes (SuperOx)
15:00 – 15:30 HTS wires and Cable Projects in Japan
15:30 – 16:00 HTS wires and Cable Projects in Korea
16:00 – 16:30 HTS Cable Projects in Russia (RF Grid Co.)
17:00 – 17:30 HTS wires and Cable Projects in USA
17:30 – 18:00 HTS wires and Cable Projects in EU
Friday, November 14
Round table
HTSC in rotating machinery. Way to commercial HTS
Motors, Generators, Flywheels
09:00-10:00
Russia (MAI), - main presentation - + discussions,
Round table HTSC in MAGLEV trains
10:00 – 10-40 Maglev Projects in Japan, US, Russia
10:40-11:00 Panel and General Discussion
11:00 – 11:15 Closing remarks Dr. Alan Lauder Chairman of ISIS
Technical Tour: 11-30 – 15-30 (Visit to the organization involved in
the HTSC technologies – Preliminary to Scientific Center of Federal Grid
Company United Energy System)
(詳細は次号で)
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