Nursing Star - 日本精神科看護技術協会

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2014.12 No.666
News & Information 2014.12
学術集会
第40回 日本精神科看護学術集会
(福島県)
のお知らせ
学術集会主題
「患者が望む生活の実現を目指して∼精神医療改革と看護者のかかわり∼」
記念大会 今昔
日
学術集会主旨
平成26年7月に厚生労働省検討会「長期入院精神障
取り組みを続けてきた。そして、患者と共有すること
害者の地域移行に向けた具体的方策の方向性」の中で、
が可能な入院治療の目標をできるだけ早く設定し、地
長期入院精神障がい者の地域移行を進めるために、
「病
域での生活をイメージすることによって早期の地域移
院の構造改革の方向性」が示された。今後の精神病床
行を目指して支援を実践してきた。
は、入院医療の必要性が高い救急・急性期・回復期にマ
患者に苦痛をもたらす症状が軽減され、患者自身が
ンパワーが集約され、入院医療の必要性が低い 1年以
病気の回復と生活への自信を実感し、行動の変化につ
上の長期在院者の病床は、地域移行を進めて病床の削
ながることが、患者・看護者双方のエネルギーとなる。
減を図る政策が推進される。
看護者は、患者の症状軽減に向けて支援し、その中で
これまでにも病床の機能分化は進んできた。急性期
患者がやりたいことは具体的にどのようなことなのか、
ケアや地域移行支援に医療の資源が集中的に投入され
考えを引きだし、患者自らの意思で方向性を選択でき
るようになってきた結果、現在では、新規入院患者の
るようにかかわることによって、患者の主体的な行動
約9割は1年未満で退院するようになった。一方、入院
を促すことができる。この基本的な姿勢は、精神医療
患者31万人のうち、入院期間が1年以上の患者は約21
の制度がどのように変わっても、精神科看護の本質と
万人に上る。それらの患者には、治療抵抗性のある患
して変わらないものである。一方で、患者の選択の尊重、
者と、社会的要因によって退院が困難になっている患
つまり患者が望む生活を実現する上で、看護者は精神
者がおり、いずれの対象者へも専門性の高いケアが必
医療制度を十分に活用できているだろうか。
要とされる。
今後、地域移行支援がいっそう強化される中で、看
このような状況の中で、精神医療の現場で働く看護
護者は長期的にどのようなビジョンをもち、日々の活
者は、患者が施設内で長期間生活することによって引
動をどのように行おうとしているのか。この先、本格
き起こされる施設症を防止し、地域生活への移行をよ
的に施行される精神医療改革に向けて、私たちの今後
りスムーズにするために、看護者自身の意識改革への
のあり方を考えたい。
日程 平成27年6月18日
(木)∼ 6月20日
(土)
◎看護研究論文投稿締め切り:平成26年12月12日
(金)必着
会場 ビッグパレットふくしま
◎業務改善応募期間:平成27年1月13日
(火)∼ 2月16日
(月)
(福島県郡山市南2-52 TEL:024-947-8010)
本精神科看護学術集会(以下、学会)
は、来年度の福島県郡山市での開催で、
社団法人になって40回目の記念大会を迎える。
日精看の第1回学会は、昭和33年に三重県松
阪市で開催された。そのときは、男性会員だけの
任意の団体であった。それが、第19 回学会の直
前に認可が下り、昭和51年の広島大会が社団法
人としての第1回大会となった。しかし、その学会
ポスターは任意団体の第19回学会の内容となっ
ており、翌年の昭和52
年に「記念大会」のポ
スターが作製されてい
る。少し懐かしいデザ
インに、当時の協会や
支部役員の喜びが溢
れている。そして、第
30 回記念大会は静岡
県静岡市で開 催され
ている。浮世絵タッチ
の切り絵風のデザイン
が開催地の雰囲気を
うまく表現していて興
味深い。
*任意団体の時代は
「学会」
、
昭和51年から平成23年まで
は、学会と総会を併せて
「大
会」と呼んでいた。
◎企画セミナー募集締め切り:平成27年2月1日
(月)必着
※詳細は学術集会専用ホームページをご覧ください。http://jpna-gakujutsu.jp/
精神科看護管理
出前講座
精神科看護管理セミナー開催報告
出前講座、銀座へ行く
10
月に、岩手県、高知県、神奈川県の3か所で、看護
の方々の笑顔の1枚です。
管理者を対象としたセミナーを開催しました。
管理の悩みや迷いは、誰にでも相談できるものでは
9
月26日に銀座三越 9 階「銀座テラス」で、子育て
中のママや OLを対象に出前講座を行いました。
これは、NPO 法人【仕事と子育て】カウンセリングセン
これは、6月の日本精神科看護学術集会
(広島)
で開催し
ありません。それを自分だけの胸に収めている管理者
た管理者セミナーに続く企画で、講師や参加者とのディ
は孤独を感じることが少なくありません。セミナーは
ター主催の
「Go! Go! Office Workers! わたしらしくかが
スカッションや施設見学が盛り込まれた参加型のセミ
多くを語らなくてもわかってくれる仲間に囲まれ、安心
やく、はたらく」
(会期 9月24日∼ 10月7日)イベントの中
ナーです。セミナーには、看護部長、病棟師長、病棟主
して弱みや本音を出せる場となりました。
で開催したものです。
任の方々が参加されました。
「また、連絡
天理医療大学看護学科の西池絵衣子先生が講師と
10月9日
(木)∼10日
(金)に特定医療法人智徳会未来
します!」参加
なり、アロマに関するセミナーを開催しました。昼の部
の風せいわ病院(岩手県)で開催されたセミナーでは、
者全員の名刺
は、子育て中のママを対象としたワークショップで、さま
会場に集まった方から自然に名刺交換が始まり、和や
を持って帰ら
ざまなアロマを体 験 い
かな雰囲気でスタートしました。トークセッションでは、
れた管理者の
ただきました。夜の部で
参加者の方々が抱えている管理の悩みや困難感がいろ
みなさんの明
は仕事 帰りの方を対 象
いろ出され、その1つ1つに看護管理の達人である嶋森
るい笑顔が印
としてハーブティーを楽
好子先生
(東京都看護協会会長)からサポーティブなア
象的でした。
しみながらアロマのレク
ドバイスがありました。右の写真は、嶋森先生と参加者
看護管理の達人に会ってきました!
チャーを開催しました。
いよいよ始まります
第40回日本精神科看護学術集会
(福島県)の専用ホームページが
12月にオープン。最新情報をど
んどんアップします。お楽しみ
に。www.jpna-gakujutsu.jp
08
2014.12 No.666
継続入会手続き
研修会
平成27年度も日精看をよろしくお願いします
ー12月から継続入会の手続きが始まります
研修会情報ピックアップ
早いもので、今年も残り1か月になりました。
会員のみなさんが精神科看護に従事していることに
今年も日精看は、会員のみなさんとともに精神科看護
誇りをもっていただけるよう、日精看はこれからも現場
に関する学びの場をつくり、精神科医療・看護をよりよ
看護チームにおけるリーダーシップ
リーダーシップとは・組織づくりとリーダーシッ
プ・組織改革に活かせる理論を学ぶ・問題解決
技法・業務改善
で働くみなさんの声を国に届けます。
主な
講義内容
くするための政策提言を行い、精神科看護の専門職とし
12月1日から平成27年度の継続入会の手続きを始めます。
て社会貢献に取り組みました。
手続きは、各施設会員代表者にお尋ねください。
場
所 京都研修センター
日
程
今年の日精看は…
1,200名の方にご参加いただきました。たくさんのご
参加ありがとうございました。これからも、現場の声
(広島県)
に
1. 第39 回日本精神科看護学術集会
全国から1,800名が集結!
を政策に反映できるよう日精看はがんばります。
学術集会は盛り上がりました。看護研究論文284演題、
10 月 11 日( 土 )
業務改善発表53演題、基調講演と5つの教育セミナー、2
に 福岡県支部 の
つの行政報告と23の企画セミナーなどなど……参加者
筑後地区研修会
が主役の学術集会は、学びと出会いにあふれていました。
には、257 名(会員
200 名、非会員 57
6月6日(金)∼8日(日)広島国際会議場で開催された
3. 福岡県支部研修会に257名の参加者が集う
つは『機の利』。人格障害(医療法人恵愛会福間病院院
長東和也先生)と発達障害(国際医療福祉大学上田智之
先生)の看護をテーマとした研修内容は機を得たもの
医療関係者の注目を集める診療報酬改定と、精神科
であった。2つ目は「地の利」。佐賀県鳥栖市の研修会
医療福祉関係者に重要な精神保健福祉法改正が同じタ
場は、九州全県から短時間の移動圏内である。3つ目は
「時の利」。秋の3連休初日、学ぶにも適した季節であっ
当初、全国 4か所で企画した説明会は短期間にすべ
た。これからも会員の要望と期待に応え、看護の質向
ての会場で定員オーバーとなり、東京で追加開催し、
上のために利を得られる研修を開催していきたい」
(金)∼ 17日
(土)
1月16日
(会員12,000円)
18,000円
主な
講義内容
で、定員に達しました。参加できなかった方のご
要望にお応えして、ダイジェスト版を企画しました
場
所 東京研修会場
日
程
受 講 料
(日)
1月25日
(会員6,000円)
9,000円
トピックス研修
精神科病院における災害対策
主な
講義内容
場
所 東京研修会場
日
程
●11月24日に、第9回医療安全推進フォーラムを開催しました。
受 講 料
神科認定看護師の会関東ブロックでは、
下記研修会を企画いたしました。たく
まもなく締め切りです
協会ホームページのご案内
め切りを過ぎた書類は受け付けられません。詳し
い情報はホームページでご確認ください。
【研修会名】精神科認定看護師のこれまで、そ
して未来への活動を考える
∼精神科認定看護師の今後の活動と展望∼
【日時】平成26年12月20日
(土)10:00∼16:00
(受付は9:30より)
【開催場所】
日本精神科看護協会 東京研修会場
第
9回精神科認
定看護師受講
資格審査 の 二次募集
さんのご参加をお待ちしています。詳細につ
いてはホームページでご確認ください。
(日)
2月1日
(会員6,000円)
9,000円
Web
精神科認定看護師制度
締
東京
災害看護の基本、協会災害対策マニュアルの活
用。プリントアウトした協会作成の災害対策マ
ニュアルを資料とした協会災害対策本部主催の
管理者必見の研究会です
●11月22日に、第4回理事会を開催しました。
研修会のお知らせ
東京
11月24日の医療安全推進フォーラムが大変好評
●11月5日に、第9回受講資格審査を東京、京都、福岡の3か所で実施しました。
精神科認定看護師の会
精
程
追加開催
ど多くの方が参加された理由について、福岡県支部の
11月の協会活動報告
所 京都研修センター
日
精神科ならではの感染対策
増滿誠広報委員長は、以下のように述べています。
「1
活動報告
京都
看護管理者の役割と業務・精神科看護と接遇・
看護の実践と責任体制・看護機能の評価・看護
の能力評価
場
受 講 料
れました。これほ
イミングで行われました。
(水)∼ 15日
(木)
1月14日
(会員12,000円)
18,000円
看護サービスを高めるマネジメント
主な
講義内容
名)の方が参加さ
「改正精神保健福祉法」
2.「診療報酬改定」
同時説明会に1,200名が参加!
受 講 料
京都
12 月5日(金)必着
を受け付けています。
第9 回 精神科認定看護師
受講資格審査(二次募集)
締め切り間近です。出
12月15日(月)必着
ウンロードできます
願要項や出願書類は、
ホームページからダ
第19 回 精神科認定看護師認定試験
平成26年度 精神科認定看護師更新審査
ここをクリックして出
願要項 や出願書類をダ
ウンロードできます。
ので、ご利用ください。
Message
今年もありがとうございました
日本精神科看護協会会長
末安民生
は私だけでなく、中川支部長をはじめ広島県支部の
役員の方々も同じでした。ホームページで紹介した
開催までのカウントダウンの上映に始まり、看護管
理者企画まで、実に幅広く学術集会という「時と場」
ナーシング・スター No.666 2014 年12月1日発行
編集人
鈴木 庸
デザイン
篠原香織 今村奈津子(ともにビーワークス)
DTP・印刷 ビーワークス
の共有が、多くの会員のみなさんの新しい経験に
運営
コッヘル
なったと思います。
発行人
末安民生
発行
一般社団法人日本精神科看護協会
4月に一般社団法人に移行して、気がつけばもう12
また、今年は看護管理者のためのセミナーや訴訟
月。平成26年も、残り1か月になりました。
セミナーを開催しました。対象者とテーマを限定し
精神科医療にとって大きな変化があった今年も、
た小規模セミナーだからこそ、本音の話ができる場
日精看はいろいろな事業に取り組んできました。そ
として盛り上がりました。
のなかで印象に残っているのは、6月に広島で開催し
このように、規模の違いはありますが、日精看の事
広告のお問い合わせ [email protected]
た学術集会です。社団法人の認可を受けた年に学術
業のキーワードは「仲間との交流」です。私も日精看
©日本精神科看護協会 2015 本誌記事、写真、イラストの無断転載を禁じます。
集会を開いた広島で、新法人に移行した年に再び開
の会員の1人として、みなさんとお会いすることでエ
催するという巡りあわせに運命的なものを感じたの
ネルギーを充塡しています。
日精看からの情報の詳細はホームページでご覧いただけます。w w w.jpna.jp
〒 108-0075
東京都港区港南 2-12-33 品川キャナルビル 7F
TEL 03-5796-7033 FAX 03-5796-7034
URL http://www.jpna.jp E-MAIL [email protected]
次号
(No.667)
は2015年1月1日発行です。
2014 年 12 月1日発行(毎月1 回 1 日発行) 昭和 44 年 7 月 21 日 第三種郵便物認可 1 部 200 円(購読料は会費に含む)