2014 年 12 月 6 日 2014 年度 噴霧・燃焼工学研究室 竹の子会奨励金審査会 日時: 2014 年 12 月 6 日(土)10:00 - 18:30 場所:光喜館 3F 会議室 発表時間 25 分(プレゼンテーション 15 分,質疑:10 分) ● 開会の挨拶 10:00-10:10 ● 第 1 セッション 10:10-11:50 10:10-10:35 「火花点火機関における低熱損失燃焼実現のための噴霧形成に関する研究」 Team G-FD 井森 恵太郎 筒内で混合気形成を行う直噴ガソリンエンジンにおいては,混合気分布の制御が重要となる.しかし ながら,外部気流などを利用した制御法では壁面からの熱損失が増大する.更なる熱効率の向上には熱 損失を低減する必要がある.本研究では,噴霧自身の運動のみにより混合気の分布制御を行ない,冷却 損失の低減を目的とする.本報では,燃料加熱が噴霧に与える影響を把握した.実験はスリットノズル を用いて,単一燃料について行なった. 10:35-11:00 「直噴ガソリン機関における噴霧の時系列分布特性の解明」 Team G-Spray 寺師 尚人 近年,ガソリン機関において PFI 方式よりも高熱効率な筒内直接噴射方式が注目されているが,PM の 多量排出が問題となっている.この PM の主な生成要因は壁面に付着した燃料の燃焼によるものと推測 されており,本報では壁面衝突噴霧の挙動を把握するため衝突前の自由噴霧を対象とした.そこで本研 究では,噴霧の巨視的および微視的特性を同時にかつ時系列に計測することができる二波長を用いた超 高解像度撮影法により計測を行なった. 11:00-11:25 「排気管噴射技術における排気管内 HC 挙動の解析」 Team Spray-Cat 酒谷 昇吾,片山 唯人 ディーゼル機関の後処理装置である DPF(Diesel Particulate Filter)再生として,SFI(Secondary Fuel Injection)が適用されている.本研究では,SFI における噴霧の挙動を光学的に可視化し,HC 挙動モデル の定式化を目的とする.本報では,SFI で用いられているスワールノズルおよび 6 噴孔の多孔ホールノズ ルの非蒸発場における自由噴霧について解析を試みた.その結果,低圧噴霧における分裂形態およびペ ネトレーションの特徴が明らかとなった. 1 2014 年 12 月 6 日 11:25-11:50 「実機関適用に向けた噴霧挙動の CFD 解析」 Team CFD 田畑 弘隆,永森 玲於那 内燃機関を対象とした排出ガス規制や燃費規制は年々強化されており,これらを達成するには燃焼改 善技術や後処理技術の高度化を推し進める必要がある.そこで CFD(Computatinal Fluid Dynamics)による 詳細な現象解析が注目されている.しかし,噴霧燃焼過程は物理的・化学的な現象が互いに影響を及ぼ しながら進行する複雑な現象である.そのため CFD の予測精度向上を目的とした最適な物理モデルの構 築が必要となる.本報では低圧噴霧に対して物理モデルの最適化を行った. ● OB・OG 紹介 11:50-12:10 ● 昼食 12:10-13:10 ● 第 2 セッション 13:10-14:50 13:10-13:35 「燃料設計手法に基づく燃料加熱を適用した火炎構造の人為的制御」 Team FD 川中 隆史,巽 健 本研究では燃料の物理的・化学的性質を利用し,混合気形成から燃焼までを制御することで更なる高 熱効率かつ低エミッションを実現し得る燃焼手法の構築を図る.本報では壁面熱損失の低減による高熱 効率を実現するため,自由噴霧領域に着目し,燃料加熱を適用した火炎構造における制御の可能性を検 討した.そこで火炎構造を把握するため,定容燃焼容器を用いて化学種自発光計測および輝炎撮影を実 施し,火炎構造の定量解析を行なった. 13:35-14:00 「混合気形成および燃焼過程の評価による後燃えの原因究明」 Team Comb 増田 裕之 近年,ディーゼル機関において PM の排出量を低減するため燃料噴射ノズルの小噴孔径化が行われて いる.しかし,これにより燃焼期間が長期化し等容度の悪化および排気損失の増大が生じる.そこで本 研究では,後燃え期間の短縮による損失の低減を試みている.本報では供試機関に RCEM を用いてシャ ドウグラフ撮影,輝炎撮影および化学種自発光計測を行った.これらより混合気形成および燃焼過程を 把握し,後燃えの原因究明を行った. 14:00-14:25 「LES を用いたディーゼル噴霧および熱発生過程の数値解析」 Team LES 小前 淳 CFD(Computational Fluid Dynamics) は物理現象を定量的に解明する手段として,多岐に渡って利用され ている.CFD において用いられる乱流解析手法の中でも,LES(Large Eddy Simulation)は非定常な現象を 精度良く予測できる方法として注目されている.そこで,本報では,本研究により構築したモデルを LES へ適用し,ディーゼル噴霧特性の評価を行なった.また,詳細反応動力学を導入し,燃焼過程について 計算結果と実験結果の比較検証を行なった. 2 2014 年 12 月 6 日 14:25-14:50 「Model Based Calibration 手法への適用を目指した排ガス推定モデルの構築」 Team MBC 山本 基太 エンジン制御の複雑化に伴う開発期間の長期化に対応するため,モデリング技術を用いた効率的な適 合手法が注目されている.本研究では,統計的手法に物理法則を組み込んだ新たなモデリング手法の確 立を目的とする.本報では,既報で提案した 0 次元モデルに Wiebe 関数による熱発生予測モデルを組み 込み,実験データに依存しないモデルの構築を試みた.また,筒内流動の考慮およびエミッションモデ ルの改良により,定性的な予測精度向上を図った. ● 第 3 セッション 15:00-16:15 15:00-15:25 「拡大ノズルおよび実機ノズルにおけるキャビテーション挙動の相関性に関する実験 的検証」 Team Cavi1 野田 貴弘 ノズル内で発生するキャビテーションは噴霧微粒化に多大な影響を及ぼすことが知られている.本研 究ではノズル内キャビテーションがノズル内流動および噴流の挙動に与える影響の把握を目的とし,拡 大ノズルを用いた可視化実験を行なってきた.しかしながら,実機ノズルとの相関性を把握することは 出来ていない.本報では,拡大ノズルおよび実機ノズルの双方から検証を行なうことにより,実機ノズ ルにおけるキャビテーションの影響の把握を試みた. 15:25-15:50 「ノズル内キャビテーション気泡群と噴霧微粒化に関する数値解析」 Team Cavi2 山崎 貴義 本研究では燃料噴射ノズルにおける噴霧特性の向上のため,ノズル内部で発生するキャビテーション がノズル内流動および噴流に及ぼす影響の解明を目的とする.本報では汎用流体解析ソフトを用いてキ ャビテーションがノズル内流動および噴流に及ぼす影響について解析を行った.また気泡挙動がノズル 内部に及ぼす影響を考慮するために気泡の収縮および崩壊時のエネルギを考慮したモデルを導入してノ ズル内流動に及ぼす影響の検証を行った. 15:50-16:15 「減圧沸騰噴霧を用いた火炎内ナノ粒子合成手法の構築」 Team CVD 伴 拓実 ナノテクノロジーの発展のため,その基盤材料であるナノ粒子の微小化が求められている.そこで本 研究では新規ナノ粒子合成手法として,減圧沸騰噴霧を用いた火炎内微粒子合成手法を提案している. 本手法の粒子合成過程である,凝集および焼結反応を制御することで,任意の粒子が合成可能であると 考えらえる.したがって本報では,焼結の進行度を変化させ粒子合成実験を行ない,焼結反応の必要性 を評価した.また,過去の研究結果を総まとめし最終報告とする. 3 2014 年 12 月 6 日 ● 第 4 セッション 16:25-17:40 16:25-16:50 「業務施設における初期費用および運転費用の最小化による省エネルギシステムの最 適設計」 Team Eco-Town 米田 知史 業務施設はその種類により様々な需要形態を有するため,需要家に最適な省エネルギシステムを導入 することが求められる.そこで,本報においては,需要家ごとに省エネルギ機器の構成を変更し,初期 費用および運転費用の同時低減を可能とする目的関数を作成した.次に,解析条件として,4 種類の需要 家(店舗,事務所,ホテル,病院)を設定し,運用の最適を行なうことにより,最適な省エネルギ機器の構 成を求めた. 16:50-17:15 「過熱水蒸気式ガス化発電システムの導入が地域のエネルギ自立度に与える影響」 Team Biomass 岩見 拓馬 持続可能な社会の構築においてバイオマス利用は必須である.そのため,有機性廃棄物を一括で処理 可能な過熱水蒸気式ガス化に注目した.しかしながら,収集運搬およびガス化に多大なコストならびに エネルギを消費するため,ライフサイクルアセスメントを行う必要がある.本報では,過熱水蒸気ガス 化発電システムの導入が地域内エネルギ自立度およびコストに与える影響を評価することとした. 17:15-17:40 「孤立地域におけるマイクログリッドの水素消費量を最小化する最適化モデル」 Team SOFC 澤木 信佑 都市ガスに依存せず,水素を燃料として用いるマイクログリッドをエネルギ供給が困難な地域に導入 することを目的として, このグリッドの最適化モデルを提案する.解析対象に,太陽光発電を装備した 複数の住宅とグリッド内の電力を管理する中央施設から成る地域を想定した.そして,その地域の電力 需要,給湯需要および日射量データをもとにして,外部供給される水素の消費量が最小となるように, グリッド内の住宅数や各機器の容量比の最適解を求めた. ● OB・OG 紹介 17:40-17:55 ● 機械研究会挨拶 17:55-18:10 ● 表彰式 18:10-18:20 ● 総評・閉会の挨拶 18:20-18:30 4
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