航空貨物の電子データ交換の見通し; E D l をウエブ機能が補完する形に ヵ-ヨ・ ・コミュニティー ・システム .ジャパン ( 樵)代表取締役社長 世界の航空貨物 に関す る電子 データ交換 は、多 くの場 合、世界中に約 2 0あるカー ゴ・コミュニテ ィ・システム ( C C S ) を介 して行われている。世界各地の C CSは互い に連携 してグDIJuL /・ ネ ッ トワークを形成 してお り、 C CSはこのネ ッ トワ-クを利用 して航空買物 データを 関係者間で交換するサー ビスを提供 している。 C 5 年以上の月 日が経 っ この CSが誕生 してか らすでに 1 ている。 この 間、 C CSは航空貨物業界の E Dl(電子デー タ交換) 化 に貢献 し、ひいては航空貨物輸送の効率化 に T化 に関連 した さまざ ま 貢献 してきた。航空貨物 の I C な動 きがある中で、今後 CSはどのよ うに変わ ってい くだろうか 。C CSのこれまでの歩みと現状を レビュー して、 今後の見通 しについて考察 してみた。 動 きは旅客予約のシステムから 世界 中の多くの C C Sは 1 9 9 0 年代の初めに設立された が、 C C S設立の背景として次の 2 つを挙げることができる。 ひとつは旅客のコンピューター ・リザベーション システム ( C R S ) の動きであり、もうひとつは貨物 E Dl( 電子デ-夕交 換) 標準化の動きである。 9 6 0年代に まず、旅客関係の動きであるが、航空会社は 1 9 7 0年代後 自社内の旅客予約システムを構築し始めた。1 9 8 0 年代になると、アメリカン航空やユナイテッド 半か ら1 航空がセイ八一やアポロといった大がかりな予約システム ( C R S ) を作り上げた。C R Sは元々、航空座席の予約システ ムだったわけだが、その後それにとどまらず、ホテルやレン タカーの予約、保険、マイレージ プログラム等、総合的な 旅行のシステムになっていく。また、欧州でも同様にエー ルフランス航空、ルフトハンザ航空等が出資するアマデウ 2 8 ス 松 山 久 秋 このクループは共同で C CS( Ca r g oC o mmu n l t ySy s t e m)香 立ち上げるまでには至らなかったのである。 他方、1 9 91年にルフトハンザ航空 エールフランス航 求めたO そこで I AT Aは関係者を集 特別寄稿l ccsのコンセプ 交換のハブとしての " めて協議を行い、電子データ 社は、ドア ・ツー ドア輸 空 日本航空 キャセイ航空の 4 送をバックアップする貨物情報システムの開発を行うこと obal を企画して、共同出資の会社を立ち上げた。これが Gl L ogl S t I CSSys t emである。ドイツのフランクフルトに 「ワー ルドワイド」の会社と 「 欧州会社」を、また東京には 「 アジア AXONとした。 会社」を設立した。商標はTR フランクフルトの欧州会社と東京のアジア会社の閏は C o mmu 。I n l t AT A は協議を通 じて取りまとめた内容を " Ca r g o である y S y s t e msDl r e C t O r ya n d ド を取りまとめたの Gu l d e = n グローバルな C CSの琴本 es " として発表し、 、8 そのコンセプトに沿う形で ルールを作っ ていった。 の前半に世界各地でコマーシャ0 ル年代の終わり ・ ベー から9 0年代 れた ( 表1 参照) 。l AT Aは CC CSが設立さ スの C 係者を集めて調整機能を果たし ていた。現在の 数年問は関 CCS問の Sができてからも、 SI T A( 注)のネットワークを利用して接続し、航空貨物の主 要航空会社と、ドイツ/フランス/日本/香港のフォワー ダーとを結ぶ本格的な C CS( Ca r g oCo mmu n l t yS y s t e m)が ここに誕生したわけである。 ( 表1 参照) 表 1 世界のカーゴ ・コミュニティ ・システム TC1 TC C3 米国 CCSJAP USC C S l 米国 T r 8 n AN 日本 g r e o nlndiaa 韓国 T「 a x o nE U 「 o p elN フ r ドラン イツス T T「 「 aonHK o n oKong香港 C C S UK C a r q Br u c a r o n a u t q o C C Sl t a l v C AR US C C N マレ インーシ ド ア 北欧 英国 オランダ ベルギー スイス イタリア T r a d e Va n 台湾 C a r q o n e t K a 「 o oBa v a ∩ オーストラリア ( 注) 赤字はトラクソ フィリピン C C Sのビジネスモデルとは何か 連携の仕組みはこの頃に作り上げられたものであるo E D卜 を行うためには、それを CS 可能にする仕組 み、インタ フェイス機能 が必要だ。C うな機能を自社内に持つ代わり サービスの利用者は、そのよ けである。これによって、企業間で通信方式 に、アウトソースしているわ CAR GOI MPメッセ-ジのu 版" が違っ が違っても、 また、 ( プロトて コル) データ交換が可 能に なって いる。 インタ フェイス機 能 を自前 で持 つこと が、開発と維持 も可 能だ 多大 な労力がか 管理に ので、アウトソー かる る方が合理的だ.スす ( 図 1参照) か ってt Mン・クJL'-プのカーゴ・コミュニティ・システム T A 実は、かつて I AT A ( も 国際航空運送 C C Sに関与した も、 即 インターフIイス機託をアウトソース 賢. :fC めに接続に 多大の労力 5莞 諾 莞信フ。ト コルの乱耽 もう リット はシングル 1点 、CCSの・メ コ ネクションで世界中 にかかわって ( l た 。I T A は旅 客 関係 のE D l 標 CC 準 Sの誕生 を" l MP 協会) も マニュア n t e r c h a 〔 g eMい e s s a g eA P r o c e d u r e s ) フォワーダー、航空の めるとともに、貨物関係では ' ■ C ARG ル" に取りまと 社と通信 が可能にな 会 OI MPマニュアル ■ ■ を定 ることで ある。 航 空 めて、 航空会社問の E Dl は しかし、このマニュアルの利用 この標準によることとしたO ウ-ダーは使えなかった。そのため は航空会社に限られ、フォ 社とフォワーダー閏の [ Dl が企画 さ 、1 9 8 0年代に航空会 会社は 航空 注 SI A TA-S T Aに対し o c l e て業界とし t el n t e r n a t 1 ての取り 0 n al eれるようになると、 d e組みを進めることを T el e c o Le n A Tba Bt T( 芳 し雷監 烹琵琶讐 讐 SPA CE Jul y2007 航空 mmu n l C a t I O n 会社を中心と と時間がかかる。 図3ccSを利用する l特別寄稿 CSのサでそれぞれ繋ぐのは大変なことだO この点でもC 本の C C Sが 2つになって、利便性が損なわれるという結論 、図3参照) ビスを利用することは経済合理性がある。( 図2 になり、 最終的にトラクソン アジアの株主( 日本航空/キャ C C Sサ-ビスの利用料金は、メッセージの種矧 こよって セイ航空/大韓航空)が日本部分の営業権を売ることに同 「 トランザクション当りでいくら」と決められている。例え 意したため、トラクソン ・アジアの白本支社部分をベースに F WB ) に対す ば,トラクソン ・クループの航空運送状情報 ( C Sを作ることになったのである。 して、 新たな C 件当たり〕 S $ 06 0 -6 0セントである。この額を る料金は 1 社( 日本航空/全日空/ 設立に当たっては、航空会社 3 WB 受益者の航空会社に請求している。航空会社は、もしF 社( 日通/近鉄エクスプ 日本貨物航空)とフォワーダー 3 が受信されなければ、自分で 1 からシステムに入力しなけ レス/郵船航空)の計6社が発起人になった。6社は協力 ればならない。1件の航空運送状のデータをすべて手入 1 9 9 9年 7月 1日に2 8社の株主が出 して設立準備を進め、 分ほどかかる.この時問をコストに検算する 力するには 5 資する現在のカーコ ・コミュニティ- ・システム ジャパン 6 0セントよりも大幅に高いはず。したがって、航空会社 と、 ( 樵) が誕生したわけである。 CSサービスを利用して ` データを買う'ほうが、 にとってはC 自分で入力するよりも合理的である。 C C Sジャパン設立の経緯とは 各 種のI T イニシアチブも登場 したが 航空貨物業界の一部関係者の中に、 r C CSは旧式の V AN スティクス ・システム アジア ( 樵)-通称トラクソン アジ ANの定義 ( V a l u eAd d e dNe t wo r k )だ」という声がある。V C CSは付加価値情報の通信を行って がはっきりしないが、 ANに含まれると言えるかもしれ いるので、広い意味ではV アが設立された。現在のカーコ コミュニティー ・システ ないO 先に述べたように、日本では 1 9 9 1年にグローバル ロジ 1 9 9 9年にこのトラクソン ・アジア ム ジャパン株式会社は、 社の日本部分を継承して生まれたもの。 ANは自らの回線網を持っているのに しかし、一般的にV C CSは自前の回線網を持たない。CC Sは公衆回線、 対し、 C AR GO2 0 0 0の活動を挙げることができ 生した背景として、 V AN業者の回線、インターネット網等を利用している。か C Sは通信業者の専用回線を使うケースが多かった って C AR GO2 0 0 0は 1 9 9 7年に航空会社とフォワーダー合 る。C が、今では専用回線の使用は少なくなり、ほとんどが公衆 同で始められたインタレスト・ クループである。日本では 回線を使用している。また,回線としてのインターネット網 C AR GO2 0 0 0J a p a 【というローカル ・クループができて、活 AR GO2 0 0 0は航空会社とフォワーダーが 動が行われた。C の利用も多くなった。このため、 データの転送の仕方では、 協力して、輸送品質を高めることを目標にしており、品質管 C C Sは一時代前の ションも増えている。こう見てくると、 V ANとは大きく異なることが分かる。 2 0 0 0年前後から、航空貨物のスペース予約業務に関し カーコ コミュニティー システム ジャパン ( 樵)が誕 I T 技術" を活用することを図っていた。 理のツールとして C ARGO2 0 0 0J a p a 【はいくつかの部会を設けて活動を CSに関するものだっ 行っていたが、その中のひとつが C た。 この部会で、日本ではトラクソン ・アジア社の貨物 ファイル転送方式が主流だが、ウエブ ベースのトランザク て、 ウエブ ベースのポータル サイトの立ち上げがあった。 情報処理システムがあるものの、これには一部の航空会 1 9 9 8年にGF Xが生まれ, 2 0 0 3年には E z y c a r g oとC P S( C a r g o S )が生まれた。これらのシステムは基本的に P o r t a l S e Ⅳl C e 社とフォワーダーしか参カロしておらず、誰もが参加できる 貨物スペースの予約をウエブ ベ-スで行うものだDこれ E Dl のフラット・フォームがないではないかと認識され、そ CSを設立しようという話になった れでは日本に本格的な C までのところ、これらのシステムの利用は、 一部の航空会社 わけである。 がたい。 C C Sの設立の仕方として、まったく-から作る方法と、既 とフォウ一夕-の間に限られており、成功しているとは言い これらのシステムを利用しているフォワーダーに聞くと、 存のトラクソン ・アジア社の日本支社部分を買い取って再 利便性に問題があるようだ。これらのシステムはホスト つが検討された。しかし、トラクソン ア 構築する方法の 2 ツー ・ホスト接続もサポートはしているが、主体はウエブ CSを作るとなると、日 ジアがありながら,別にもうーつの C ブラウザー ベースである。したがって、人手がかかって 30 Jul y2007 SPA CE : 特 いる。件数が少なければ、それでも構わな 稿 l 別寄 図4.ファイル転送型 EDlとウェブ型の併用 いだろう。しかし、自社システムの中にすで ●ファイル転送型 E Dl にデータの形で持っている場合は、データを ●ウェブ型 コンピュータ間で自動的に転送する方がは るかに合理的である。このへんへの対応が Tイニシアチブの利 進まない限り、これらの I 軍三 )' ダ ー 用は今後とも伸びないのではないか。 I Tイニシアチブの動きで評価できる点は、 A T AC a 「 g oI MPという 一部のシステムでは I I A T A標準を使用しておらず、 XML( E x t e n d e d フォワー ホス ウェブ経由 ト ツー・ ホスト接続で転送し1 =データを Ma r k u pL a n g u a g e )を使用していること。そ C a r g oI MPよりは柔軟性が高くなって のため、 いる。ただし、逆にいうとX MLE Dl は未だ一般 シヨンについては、今後とも併用されると思われる.7 ( 補完的な朋 と I) 歴P照、修正等を行う. でJ T l ス いので,他の航空会社 化していな とE いと Dl を行おうとするとうまくいかな C C Sは今後どうなっていく か いう問題がある。 CC Sが取扱うデータ量は今後とも増えていくと思われ る。その理由のひとつは、 ティが 今後ますます貨物のウィジビリ 物業界で 求められるようになること.物流業、中でも航空貨 物位置 は、正確な位置情報の提供が欠かせないから、貨 ス化、電 情報は今後とも増えるだろう。さらにはペーパーレ て、将来的に 子予約の増加、 セキュリ ティ強化の動きなどもあっ C C Sの取扱うト ランザクショ ン量は増えていく はずである。 イ タ ンターネットの利用については、 通信回線としてのイン 用線、 ーネッ トの利用がますます増えるに違いない。すでに専 公衆回線 、 V AN等から、インターネットにシフト ている。C してき C S インターネッ ト と参カ VPロフォワーダー、航空会社との接続でも、 てきて N(Vl 什u a l P r l V a t eNe t wo r k )の利用が増え ただし いるところだ。 、ここでいうインターネットは、コンピュ 結んでいる回線がインターネットになるというこ ーター間を ブ画面を開いて人手でデータを入力するトランザクショ とoウェ B が増えるということではない。企業間 ( ン ベースの人手による操作が主流になることはあり B) 取引でウエ え ブ 2 当然のことながら、すでにインフラ化しているファイル転送 ない。 Dl は、全自動で利便性が高いので引き続き使われ 型の E だろう ホスト 。 ツー ホスト接続とウエブ ベース SPACE : Jul y2007 CCSl Jウェブ : ;I_ C ウエブサーバー C SJ る のトランザク ト い 続けるのは間違 [ DL が使われ ツー ホスト接続によるファイル転送型
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