環境基本理念と環境計画 2013-2015 環境基本理念と 環境計画 2013-2015 東京都水道局環境基本理念 (平成12年4月策定) 水は、私たちの生活に欠かせないものです。 その水をはぐくむ地球環境を守ることは、人類共通の課題です。 東京都水道局は、安全でおいしい水を安定的に供給するという事業活動を通して、 豊かな地球環境を次世代に引き継いでいくために努力します。 東京都水道局環境計画 2013-2015 の概要及び運用結果 1 計画の位置付け 基本理念を実現するために、水道局独自の環境 マネジメントシステムである東京都水道局環境計 画を策定し、運用しています。 平成 25 年度は、2015 年度までの3年間を計 画期間とする環境計画 2013-2015 の運用初年 度に当たります。本計画は、環境基本理念に基づ き、局事業に伴う環境負荷低減を実効的・総合的 に推進していくことを目的として、取り組む施策 と目標を明らかにしたものです。 本計画では、環境負荷低減の取組を引き続き推 進するとともに、特にエネルギー施策を充実、強 化するなど、水道局に求められる社会的要請に適 切に応えていきます。 また、お客さまを始めとした当局を取り巻く 様々な関係者との協働を促進するなど、環境施策 の実効性の更なる向上を目指します。 2 計画期間 平成25 年度(2013) から平成27年度(2015) ま での3年間 2 環境報告書2014 | 東京都水道局 3 施策体系 4つの環境基本方針「低エネルギー化の推進」、 「健全な水環境の保全」、「資源の有効利用」及び 「環境コミュニケーションの推進」の下、29 の 取組事項を設定し、環境基本理念の実現を目指し ていきます。 基本方針1 低エネルギー化の推進 環境負荷低減の取組を引き続き推進するととも に、エネルギー施策を強化しました。低エネル ギー化を進めるに当たっては、水道水がお客さま へ届くまでの社会全体のエネルギー効率の向上を 目指すことを重視しています。 具体的には、これまでの原水を取水し、浄水処 理した水をお客さまへお届けする送配水過程まで の水道局が管理する範囲に加え、お客さまが貯水 槽から水をくみ上げる際に使用するエネルギーを 視野に入れ、エネルギーの削減目標を立てていま す。 これにより、太陽光発電や水力発電設備の導入 によるクリーンなエネルギーの創出、水道施設の 省エネ対策、水運用のエネルギーの効率化、直結 給水の推進を進めていきます。 環境基本理念と 環境計画 2013-2015 基本方針2 健全な水環境の保全 自然が育む水を資源とする水道水を将来にわ たって安定的にお届けするために、水循環の上流 に位置する水道水源林を大切に守り育てることを 通して、水道事業の根幹である水環境を保全して いきます。 また、水道事業に影響を与える環境リスクに関 連する調査、研究等を継続的に実施し、持続可能 な水道事業の運営に反映していきます。 基本方針3 資源の有効利用 事業活動から生じる廃棄物について、前計画か ら継続して有効利用に取り組んでいきます。特に、 オフィス活動における廃棄物量及びリサイクル率、 建設廃棄物及び建設発生土のリサイクル率、庁舎 の水使用量については前計画よりも高い目標を設 定し、率先して取り組んでいきます。 基本方針4 環境コミュニケーションの推進 環境計画を着実かつ効果的に推進するため、 「環 境コミュニケーションの推進」を各基本方針を支 える共通基盤として位置付けています。環境施策 や環境負荷に関する情報について広報・広聴活動 に取り組むことで、お客さまが水道局との良好な 環境コミュニケーションを通して環境問題を考え、 環境に配慮した行動につなげる機会を提供するこ とを目指しています。 「環境計画 2013-2015」冊子は水道局ウェブサ イトからダウンロードできます。 WEB http://www.waterworks.metro.tokyo.jp/ suidojigyo/torikumi/kankyo/index.html 環境報告書2014 | 東京都水道局 3 環境基本理念と環境計画 2013-2015 環境基本理念と 環境計画 2013-2015 4 平成 25 年度運用結果 平成 25 年度は、環境計画 2013-2015 の運用初年度に当たります。平成 25 年度における運用実績は、 特別な事情があって評価できなかったものを除き、おおむね A 評価でした。 評価 目標が数値の増加を目的とするもの 目標が数値の削減を目的とするもの 目標に対し100%以上の達成度 B 目標に対し90%以上100%未満の達成度 目標に対し25%未満の増加の場合 - C 目標に対し75%以上90%未満の達成度 目標に対し25%以上40%未満の増加の場合 - D 目標に対し75%未満の達成度 目標に対し40%以上の増加の場合 目標に向けた取組を実施していない場合 ― 評価せず 同左 同左 環境 基本 方針 取組事項 高効率型ポンプ設備の導 入 1-3 高効率型照明の導入 省エネルギー 1-4 漏水防止対策の推進 の推進 1-5 庁舎電力使用量の抑制 ー 化 の 推 進 総発電規模を1万kW程度まで拡大 評価 取組結果 A 発電規模 340kW導入 19 ポンプ設備の新設・更新時に高効率機器の 6施設へ導入予定 導入を推進 A 6施設へ導入 20 浄水場の外灯や非常灯等に高効率照明を 3施設へ導入予定 順次導入 A 3施設へ導入 21 漏水率を3%程度に抑制 A 2.2% 43 庁舎電力使用量を平成23年度実績以下に 平成23年度実績以下 抑制 A 電力使用量 12,167,532kWh (H23年度比3%削減) 23 東京都指定の低公害・低燃費車の導入率 (換算後)10%以上 A 導入率(換算後) 8.6% 24 A 設計段階 25 3%程度 1-7 エネルギー効率を考慮した施設の設計 エネルギーを考慮した施設 エネルギー効率を考慮した施設整備を推進 (境浄水場及び三郷浄水場) 等の整備 導入率(換算後)8%以上 1-8 効率的な水運用の推進 (1)トータルエネルギー管理システムの機 (1)トータルエネルギー管理システムの運用 能向上に向けた検討会の実施(2回) (2)浄水場等のピークカット運転を実施 (2)ピークカット運転の実施(11施設) A (1)2回実施 (2)12施設実施 25 1-9 直結給水の推進 直結給水率69%以上 A 69% 27 A 準備実施 26 68%以上 コージェネレーションシステ 三郷浄水場へのコージェネレーションシス コージェネレーションシステムの導入を推進 ムの導入推進 テムの導入準備 (1)複層林化面積 15ha増加 (1)5ha増加 A 5.5ha増加 28 (2)保育作業面積 1,500ha実施 (2)500ha実施 A 611ha実施 28 2-1 水道水源林の保全管理 2-2 ヒートアイランド現象の緩和 2,000㎡以上を緑化し、15,000㎡以上まで緑 3,020㎡ 化面積を拡大 A 3,016㎡(設計段階での減) 34 2-3 各種調査・研究の実施 環境に関連する各種調査研究の実施 同左 A 環境に関連する各種調査研究の実施 35 浄水場発生土リサイクル率30%以上 - 浄水場発生土リサイクル率25% ※原発の影響による市場動向等のた め 40 (1)建設廃棄物のリサイクル率100% (1)同左 A (1)建設廃棄物のリサイクル率100% 41 (2)建設発生土のリサイクル率100% (2)同左 A (2)建設発生土のリサイクル率100% 41 A (1)32,313,484枚(A4換算) (H23年度比2%削減) 42 環境リスクへ の対応 3-1 浄水場発生土の有効利用 浄水場発生土リサイクル率80%以上 3-2 資 源 の 有 効 利 用 340kW程度導入 低公害・低燃費車の導入 促進 1-10 水道水源林 の保全 該当頁 計画期間(3年間)の目標等 1-6 エネルギー利 用の効率化 健 全 な 水 環 境 の 保 全 目標に向けた取組を実施している場合 目標等 1-2 低 エ ネ ル ギ 目標以下の場合 平成25年度 施策の 方向性 再生可能エネ 太陽光発電・水力発電の ルギーの導入 1-1 導入 推進 廃棄物抑制と リサイクル推 進 水資源の有 効利用の 推進 4 目標の定量化が困難なもの A 建設副産物のリサイクルの 推進 資源循環に配慮したオフィ ス活動の推進 (1)コピー用紙使用量 (1)~(3)平成23年度実績以下 3-3 (2)印刷物の使用量 (4)平成23年度実績以上 (3)ごみ排出量 (4)ごみのリサイクル率 3-4 漏水防止対策の推進 (※1-4再掲) 3-5 水資源の有効利用 漏水率を3%程度に抑制(※1-4再掲) (2)95,429,284枚(A4換算) B 同左 3% (※1-4再掲) 庁舎の水使用量を平成23年度実績以下に 91,422㎥以下 抑制 環境報告書2014 | 東京都水道局 (H23年度比5%増加) (渇水に伴う節水 ステッカー、消費税率改定のお知らせ等) 42 A (3)192,587kg (H23年度比6%削減) 42 B (4)53% (H23年度比達成率98%)(ごみ増、リ サイクル減) 42 A - 43 A 89,719㎥ (H23年度比2%削減) 46 取組事項 計画期間(3年間)の目標等 該当頁 目標等 評価 取組結果 A - 直結給水の推進 4-1 (※1-9再掲) 直結給水の推進(※1-9再掲) ・直結給水方式への切替えを促進する取 組を実施 ・お客さまの切換え工事を水道局が施行 ・小中学校の水飲栓直結給水化モデル事 業の実施 4-2 協働した水源林保全 協働した水源林保全 ボランティアの方々と協働して民有林の保 全活動を実施 (150回/年) - 森林隊活動実績141回 (大雪の影響により活動回数減) 32 4-3 節水の呼びかけ 節水の呼びかけ お客さまの節水への意欲促進及び環境意 識の向上に取り組む。 A 利根川の渇水時にHP及びツイッター による節水呼び掛け等を実施 45 4-4 水道キャラバンの実施 水道キャラバンの実施 学校水道キャラバンの実施(訪問授業) 地域水道キャラバンの実施(学校以外) A 小学校 1,255校 児童館等 62か所 48 環境報告書・環境会計の作成 A 環境報告書及び環境会計の作成 58 環境施策に対するご意見の収集 (広聴活動) お客さまからの御意見・御要望を頂き今後 の環境施策への反映に努める。 A NPO法人に対し、環境報告書2012に 関するアンケート調査を実施 57 4-7 職員研修の実施 職員研修の実施 職員研修の実施により職員一人一人の意 識の醸成を図る。 A 環境計画の研修実施 53 4-8 監理団体との連携 監理団体との連携 東京水道サービス(株)及び(株)PUCと の連携 A ・環境報告書の送付 ・局研修への参加 53 表彰制度による環境意識の啓発 環境賞表彰及び優れた取組の情報共有 A ・環境賞表彰 ・優れた取組の情報共有 53 e-かんきょうに優れた取組やこれまでの 取組結果等を掲載し、環境の取組に関す る情報や知識の共有を図る。 A 環境監査結果、研修資料等を掲載 - 水道工事イメージアップコンクールの実施 等 A 水道工事イメージアップコンクールの 実施 54 27 ュ 環 境 コ ミ 平成25年度 施策の 方向性 お客さまとの 環境コミュニ ケーションの 推進 環境基本理念と 環境計画 2013-2015 環境 基本 方針 4-5 環境取組状況の情報発信 環境取組状況の情報発信 ー ニ ケ ョ シ 4-6 ン の 推 進 職員の環境 意識の啓発 事業者の環 境意識の啓 発 環境施策に対するご意見 の収集(広聴活動) 4-9 表彰制度による環境意識 の啓発 4-10 e-かんきょうによる情報共 e-かんきょうによる情報共有 有 4-11 事業者の環境意識啓発 事業者の環境意識啓発 環境報告書2014 | 東京都水道局 5 環境基本理念と環境計画 2013-2015 環境側面とは、組織の活動や製品を提供するといったサービスの中で、環境に対して何らかの影響を与えるもの を指します。水道事業では、下の図のような環境側面が挙げられます。 …主な環境側面 水道水源林 水道水源林の管理 水道水源林による 二酸化炭素の吸収 ダム 取水・導水 水道局の庁舎における ・電力の使用 ・紙の使用 ・廃棄物の発生 ・設備の運転による電力使用 ・浄水過程での土の発生 ・自家発電による燃料の使用 浄水場 浄水 送水・配水・給水 オフィス活動 工事 給水所 設備の運転による 電力使用 水道工事、施設建設による ・騒音、振動の発生、 ・排出ガスの発生 ・建設発生土、建設廃棄物の 発生 環境負荷の全体像(平成 25 年度実績) インプット (事業活動に使用する資源、エネルギー等) 次のページのフロー図は、取水段階からお客さまの蛇口へ水道水が届くまでのプロセスにおける主な環境負荷を 物質フローで表したものです。 <インプット> インプットとしては、薬品類及びエネルギーがあります。 薬品類は、凝集沈殿の際に凝集剤として使用するポリ塩化アルミニウム ( PAC ) 及び苛性ソーダ並びに消毒に 使用する液体塩素、次亜塩素酸ナトリウム等があります。 エネルギーは、設備を運転する際の電力使用が大部分を占めています。この内訳は、東京電力等からの供給、東 村山浄水場の常用自家発電及び金町浄水場・朝霞浄水場・三園浄水場におけるPFI事業者からの電力の供給によ るものとなっています。そのほかのエネルギーとしては、都市ガス、灯油及び蒸気があります。都市ガス及び灯油 は、常用自家発電設備等の燃料として使用しています。蒸気は、排水処理過程でのスラッジ(水中の濁質が沈殿し た泥状のもの)の加温に活用しています。 <アウトプット> アウトプットとしては、浄水場発生土、建設発生土、廃棄物及び二酸化炭素(CO2)があります。 浄水場発生土は、浄水処理過程で沈殿した泥や砂です。建設廃棄物は主に水道工事から発生したアスファルト塊 やコンクリート塊です。これらの発生土や廃棄物についてリサイクルを推進しています。 また、二酸化炭素の排出量は、電力及び蒸気の供給量並びに都市ガス、灯油等の使用量から換算しています。 6 環境報告書2014 | 東京都水道局 事業活動 アウトプット (事業活動により排出されるCO2、廃棄物等) 取水堰によって、川をせき止め、水を取り入れています。取り入れられた水は、導水路(導水管)によって、 貯水池や浄水場に導かれます。 ポンプ等の設備の運転による電力使用量 原水取水量 1,600 百万㎥ 8,737 万kWh 浄水処理における薬品使用量 CO2 活性炭 3,869 t 33,375 t-CO2 取水・導水 (熱量合計 871,060,457 MJ) 浄水場では、川から取り入れた水を、沈殿、ろ過及び消毒をして、安心して飲める水道水を作っています。 ポンプ等の設備の運転による電力使用量 25,633 万kWh 自家発電等、設備や機械の運転による燃料使用量 CO2 ガソリン 4 kL 重油 2 kL 112,102 t-CO2 灯油 95 kL 軽油 4 kL 浄水場発生土 76,712 t 浄水 4,909,381 N㎥ LPG 14,999 kg都市ガス 排水処理過程でのスラッジの加温等に使用する蒸気 51,948,505 MJ 浄水処理における薬品使用量 80,562 t (熱量合計 2,834,073,722 MJ) 給水所には、浄水場から送られた水をためておく配水池と水を送り出すポンプがあります。時間ごとに変わる 水道使用量に合わせて、配水量や圧力を調節しています。給水所から送り出された水は、道路下に埋められてい る配水管を通り、お客さまの給水管を経て蛇口に届きます。 ポンプ等の設備の運転による電力使用量 45,819 万kWh 4,568,158,128 MJ) (熱量合計 事務所における電力使用量 1,217 発電機・暖房機器等の運転による燃料使用量 ガソリン 15 kL 灯油 2 都市ガス 276,980 空調等に使用する蒸気 1,045,416 冷暖房等に使用する冷水 1,096,867 局有車の運転による 排出ガスの発生 環境基本理念と 環境計画 2013-2015 環境基本理念と 環境計画 2013-2015 水道事業の主な環境側面 車の使用 ガソリン (熱量合計 273 kL 軽油 天然ガス (熱量合計 薬品類 2 14 5,186,361 435 175,029 t-CO2 万kWh 工事 kL N㎥ MJ ※1 建設発生土 建設廃棄物 971,400 ㎥ 1,299,000 t MJ 10 kL 435 N㎥ 147,035,444 MJ) インプット【総 量】 エネルギー 電力 81,406 万kWh ※2 ガソリン 292 kL 重油 灯油 97 kL 軽油 LPG 14,999 kg 都市ガス 蒸気 52,993,921 MJ 天然ガス 冷水 1,096,867 MJ 送水・配 水・給水 CO2 総配水量 1,523 百万㎥ kL kL N㎥ N㎥ 8,420,327,751 MJ) 84,431 t オフィス 活動 CO2 廃棄物 7,519 t-CO2 193 t アウトプット【総 量】 CO2 ※3 328,025 浄水場発生土 76,712 建設発生土 971,400 廃棄物 ※4 1,299,193 資源の有効利用 浄水場発生土有効利用量 18,922 浄水場発生土有効利用率 25 建設発生土有効利用量 971,400 建設発生土有効利用率 100 廃棄物有効利用量 1,293,906 建設廃棄物有効利用率 100 t-CO2 t ㎥ t t % ㎥ % t % ※1 工事に伴う電気及び燃料使用量、CO2排出量等は除いています。 ※2 電力には、再生可能エネルギーによる発電・使用量 904 万 kWh を除いています。 ※3 CO2 排出量は、原則として都民の健康と安全を確保する環境に関する条例(平成12 年東京都条例第 215 号。 以下「環境確保条例」という。)に定められた東京都地球温暖化対策指針に基づいて算出しています。再生可能エ ネルギーによる発電・使用量は控除して計算しています。 ※4 廃棄物には、建設廃棄物及びオフィス活動で発生した廃棄物があります。 環境報告書2014 | 東京都水道局 7
© Copyright 2024 ExpyDoc