ふわふわカニューレテープの作り方 - sephiroth

♪ふわふわカニューレテープの作り方♪ (@たけたけママ)
ーはじめにー
◎なぜふわふわ? なぜ手作り?
お肌が弱い子供(人)、筋緊張による肌とテープの摩擦や汗などの蒸れによって肌が荒れてしまう子供(人)、首がまだムチム
チの赤ちゃん・・・など、医療用カニューレテープでは肌トラブルがどうしても続いてしまう人用に
(私の場合は当時1歳の息
子でした。肌が弱く、気管切開後にカニューレテープの摩擦で肌がひどい状態になってしまいました。)肌の事を一生懸命考
え
(少しだけ勉強して)作ったのがこのカニューレテープです。
数本試作して、今の形で肌トラブルがほとんど起こらなくなったので、同じようにカニューレテープでお困りの方に少しでも
力になれればと思います。
◎肌のためには・・・
柔らかくて汗をよく吸収する素材を使う。
ぴったり長時間肌に密着する場合、縫い目や布のしわ、固い部分が肌に当らないようにしなければ褥瘡(じょくそう・床擦れ
)
の一歩手前のような状態になってしまう場合があるので、
できるだけ肌当たりの良いものにする事が大切になります
(特に
カニューレテープは常時しっかりと固定されている・固定されていなければいけないものなので、肌が荒れ出したらなかなか
治すのが困難になります)。
◎カニューレテープとして機能させるために必要な事と
それによる肌トラブルとは?
・決めた長さから伸びない事、切れない事、簡単に外れない事。
↑丈夫にする事だけを考えると肌に優しくない構造になります。
・カニューレをしっかりと素早く固定するためのマジックテープ。
↑マジックテープを固定するための縫い目とマジックテープ自体の固さで、肌が擦れたり切れたりしてしまい ます。
◎どちらの条件もクリアする形と素材と工夫
肌に当る部分には縫い目は無く、
マジックテープも全く肌には触れない工夫。
肌に当る部分は伸縮性のあるスムース素材(Tシャツの素材。子供や女性用の柔らかいもの・着古したものを再利用した方
が、
さらに肌触りが良い)、外側には薄手の綿の丈夫な伸縮しない素材を使用し
(これによって決められた長さを維持する
事ができる)、
その二枚の布地の内側にキルト芯(薄手のわた)
を入れ、肌に掛かる圧を少しでも分散できるようにします。
(
わたも布も厚過ぎると、蒸れて逆効果になるので注意が必要です・・・)
工夫した点については、図を見た方がわかりやすいと思うので次のページに図と共に記します。
手作りグッズのページはこちら↓です。
pdfファイルもダウンロードできます。
http://design.sephiroth-tree.com/
5mm
1cm
3.5cm
◎サイズ&全体のイメージ
5mm
1cm
5mm
装着する子供(人)の首のサイズーカニューレの幅
(このサイズについては医療用テープの長さを参考に)
側面から見た図
マジックテープは外側に全て取り付けられる形になっています。
◎布幅3.5cmとマジックテープのサイズの意味
マジックテープ幅1cm、カニューレテープの幅3.5cm というサイズにすると装着時にカニューレテープ自体がク
ルッとマジックテープを包み込むような形に丸まり、肌にマジックテープが触れない状態になり、伸縮性のある
柔らかい布地部分のみが肌に触れるような形になります。(下図)
肌
スムース素材(伸縮性のある布地)
マジックテープ(固い方)
マジックテープ(柔らかい方)
薄手の綿の布地(伸縮しない布地)
カニューレとマジックテープの接続部分
マジックテープの長さに関しては、装着時にマジックテープの先端部分が首の後ろにあった方が、子供が自分自
身で外してしまうのを少しでも防ぐようにと工夫されているお母さんから聞いた事があったので、参考にさせて
いただきました。
長さがある事でしっかりと固定できますし、1cm程度なら余裕を持たせてマジックテープをとめる(首のサイズが
変わった時やちょっときついかなと思った時など、左右ピッタリではなく伸ばして固定できる。特に作ってすぐ
の時は中のわたがふんわりしていますが、少し経ってくるとだんだんとふんわり感が少なくなってきますので、
初めのうちは少しきつい?と思っていても少し経つとぴったりになっていたりします。)事も安定してとめる事
ができます。
◎縫い目は全てカニューレテープのサイドか外側に
布を裏にして合わせ、袋状に縫い裏返す事で、縫い目はサイドに。
さらにマジックテープを縫い付ける時にも外側の伸縮しない布地の方に先に縫い付けておく事で、肌に当る布地
の方はフラットな状態のままで仕上げる事ができます。
◎用意するもの
スムース素材(伸縮性のある布地)・綿の薄手の布地(伸縮しない布地)・キルト芯・マジックテープ
スムース素材(女性や子供のTシャツの古着
スムース素材(女性や子供のTシャツの古着
などを利用した方が肌触りが良い)
などを利用した方が肌触りが良い)
綿の薄手の布地(伸縮しない布地:男性物の
Yシャツやシーツの布地程度の厚さの丈夫な物)
キルト芯
キルト芯
写真はTシャツの裾部分で、この場合だいたいは
横方向に伸縮します。縫い目を切り落として
伸縮方向に注意しながら利用します。
レースやオーガンジーなど薄過ぎ
るものや強度が弱いもの、伸縮し
てしまうものは向きません。
私が利用しているのは
厚さ8mm程度の柔らかい
タイプの物です。
◎手順
1. 伸縮しない布地を、型紙を元に縫い代を1cm程度とり裁断する。
2. マジックテープの柔らかい方を1cm×●cm(カニューレテープの長さの半分−1cm)を2本
マジックテープの固い方を5mm×●cm(上記マジックテープの長さ+1cm)を2本(下図のような形に切る)
3. 1の布地の表側にマジックテープの柔らかい方を縫い付け(マジックテープ縫い付け位置に)、マジックテープ
の固い方を取り付け位置に付け、用意しておく。 仕上がり線(表側には実際には線は引きません)
1cm
1cm
5mm
1cm
5mm
伸縮しない布:表
伸縮しない布:表
マジックテープの柔らかい方を縫い付けた後に、
マジックテープの固い方を取り付け位置に付け、用意しておきます。
4. 3で用意した布地(裏)とスムース素材(表側。素材の伸びる方向をカニューレテープの幅の方向に合わせ、伸
びにくい方向をカニューレテープの長さの方向に合わせる)とキルト芯を順に重ね、3の布地と同じ大きさに裁断
し、3枚一緒に仮縫いしておく。
※キルト芯は左右の長さをマジックテープの固い部分の端のガードのために5mm程長く裁断すると、折り返して固い部分の刺
激を緩和できるようです。 キルト芯 仮縫い
伸縮しない布:裏 仕上がり線(ピンクのライン)
スムース素材(素材の伸びる方向↑↓):表 布地表のマジックテープの縫い目 5. 仕上がり線(赤の点線。裏返すために4∼5cm程度残して)で3枚一緒に縫う。
4cm程度縫わずにあけておく
マジックテープの固い方は、カニューレテープの命とも言える部分なので、絶対抜けないように上からさらにし
っかりと縫い付ける(図では×印)。
この時、キルト芯の長くした部分を後ろに折り返しマジックテープの端をガードできるように仮止めしておく。
キルト芯の上下は仕上げ線で縫った後に5mm程度残して線より余った部分を切っておく(そのまま裏返すと少し
厚みが出過ぎてしまうので)
6. 開いている部分から、スムース素材と伸縮しない布地の間から開くように裏返す(固いし小さいので裏返すの
大変だけど・・・棒など使って頑張って・・・あとちょっとです)
7. 形を整え、開いていた部分をかがり縫いして完成です。
この部分をかがり縫い
◎カニューレテープ型紙(長さ18cmの場合)
長さを変える場合は型紙を切り抜いて、真ん中あたりを縮めるか紙を足してのばす等してください。
-おまけ♪◎人工鼻のカバーも手作りで、ちょっとかわいらしく♪
サーモベントTとTrach-Vent+(酸素用)のどちらでも使用できるサイズです。
市販のおしゃぶりホルダー(クリップ付きのひも)を取り付けると、人工鼻を下に落とす心配も無くなります。
吸引の際にもカバーを付けたままで、いつものように人工鼻の付け外しができ、スムーズに吸引が可能です。
◎基本サイズ・用意するもの
薄手の布地 〈仕上がりサイズ〉縦6.5cm 横4cm(サーモベントTのみ使用の場合は、横3.9cm)
帽子用のゴム 3cm程度(縫い付け後に2cmになるように)2本
サイドにおしゃぶりホルダーを通すためのリボン又はテープ類 2cm程度
端処理をした布地に、おしゃぶりホルダー用のひもを通すためのリボンを縫い付ける(左右どちらでも使いやす
い方に)。飾りやレースや刺繍などする際はこの段階で(顎が人工鼻に当っている場合はレース等の飾りで肌が
赤くなってしまう場合があるので、顎が当らない部分に付けた方がいいかもしれません。もしくはパッチワーク
風に布だけでアレンジする方が肌には優しいです)。
裏側に布の上下をつなぐように、真ん中2cmあけた状態でゴムを2本縫い付ける(右下図中の赤い点線部分)。
人工鼻・おしゃぶりホルダーを取り付けて・・・完成です。
サーモベントTに取り付けたイメージ
6.5cm
2cm
2cm
2cm
サーモベントTを下から見た図
(カバーを取り付け、ゴムの位置のイメージ) 女の子用アレンジ例
4cm