総合カタログ技術資料編 第3章 光・熱・省エネルギー

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各種データの算出根拠
1 熱・光学性能値の測定法および算出方法
③熱貫流率(U値)
①熱・光学性能のうち、可視光性能、日射性能
●
流する熱流束。
過率・反射率・放射率・日射熱取得率の試験
方法」に基づいて算出しています。
室外側の周囲空気温度と室内側の周囲空気温
度との差1K当たりの、ガラスの中央部を貫
については、
「JIS R 3106板ガラス類の透
●
熱貫流率のことを日本では慣習としてK値と
② 紫 外 線 透 過 率 は、J I S に規 定 がないため
呼ぶこともありましたが、JISではISOに従
「ISO 9050」に基づいて算出しています。
ってU値と呼んでいますので、今後はU値と
呼ぶことになります。
③遮蔽係数SC値は「建築設計資料集成−設備
U値の単位はW/(m2・K)が基本ですが、従
計画編」に基づいて算出しています。
来のkcal/m2h℃単位とは以下の関係にあり
④熱・光学性能を算出するための分光透過率・
ます。
分光反射率データは、
「JIS R 3106」およ
び「ISO 9050」に準じて測定しています。
W/
(m2・K)×0.86=kcal/m2h℃
⑤断熱性能については、
「JIS R 3107板ガラス
類の熱抵抗及び建築における熱貫流率の算定
方法」に基づいて熱貫流率を算定しています。
④日射熱取得率(η)
熱貫流率は、ガラスの表面熱伝達率を含めた
●
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光
・
熱
・
省
エ
ネ
ル
ギ
ー
窓ガラス面に垂直に入射する日射について、
断熱性能を表すものであり、具体的にはガラ
ガラス部分を透過する日射の放射束と、それ
スの厚さ、複層ガラスの場合は中空層の厚さ、
を構成するガラス板に吸収されて、室内に伝
中空層に封入するガスの種類(空気、アルゴ
達される熱流束との和の、入射する日射の放
ンなど)、ガラスの表面放射率などにより決
射束に対する比。
まります。熱線反射ガラスやLow-Eガラスな
⑤遮蔽係数(SC値)
ど金属膜をガラス表面にコーティングしてい
●
標準ガラス(一般的なフロート板ガラス3ミ
リ厚)に設計日射量が入射した場合の熱取得
る場合の放射率は、赤外分光測定器を用いて
に対し、ガラス窓が標準ガラスと異なる場合
「JIS R 3106」に基づき算出しています。
には、標準ガラスの熱取得に係数を乗じて修
正します。
2 熱・光学性能値の定義
この修正係数を遮蔽係数(Shading
①可視光透過率・反射率
●
Coefficient SC値)と呼びます。
ガラス面に垂直に入射する昼光の光束につい
て、透過光束(反射光束)の入射光束に対す
当該ガラスの日射熱取得率(η)
る比。
●
SC =
CIEで定めた昼光D65のスペクトルと、明順
一般的なフロート板ガラス3ミリ厚
の日射熱取得率(0.88)
応の比視感度を用いて求めています。
●
波長範囲:380∼780nm
②日射透過率・反射率・吸収率
●
ガラス面に垂直に入射する日射の放射束につ
⑥紫外線透過率
●「ISO
布を用い、求めます。
に対する比。
日射吸収率=1.0−日射透過率−日射反射率
●
●
9050」でUV-transmittanceとして
定義されており、紫外域の相対スペクトル分
いて、透過放射束(反射放射束)の入射放射束
●
波長域:300∼380nm
直達日射相対値の標準スペクトル分布を用い
て求めています。
3 測定に用いた試料
波長範囲:300∼2100nm
①試料の条件
●
測定用試料は、製品と同じ条件で製造した各
種ガラスから切り出したものを用いています。
●
特に、熱線反射ガラス等の薄膜加工ガラス
は、試料の作製から測定までの間に試料の表
面が損傷・汚染などしないよう、かつ乾燥状
態に保持したものを用いています。
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