とやま被害者支援センターだより とやま被害者支援センターだより

助成事業
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一般社団法人
とやま被害者支援センターだより
2009. 11. 18 発行 創刊号
一般社団法人とやま支援センターだより
特 別 寄 稿
心 の 支 え
南砺市長 田 中 幹 夫
野山を染めていた紅葉は落葉が進み、季節の移り変わりを感じながら一年が瞬く間に過ぎようとしています。
この一年の間にも、凶悪な殺人事件や強盗事件、家族を思う心につけこんだ卑劣な振り込め詐欺、悲惨な交
通事故の発生が全国各地で見られました。
そして、そのような多くの事件や事故の数だけ犯罪被害者となってしまった多くの人たちがいます。
誰しも自分や家族が事件や事故により被害を受けることになるとは思っておらず、それがある日突然犯罪被
害者となったらどうなるでしょうか。
きっと、突然降りかかった出来事に戸惑い、恐怖感、喪失感などにさいなまれながら加害者への怒りを募ら
せているのではないでしょうか。
犯罪被害者にとって、自分たちの身に起こった事件や事故は決して忘れることのできない出来事であり、そ
の心に深く刻み込まれた衝撃は筆舌に尽くし難いものであることと思います。
さて、国内における犯罪被害者支援の歴史を少し振り返ってみますと、三菱重工ビル爆破事件などの被害者
救済をきっかけに、昭和55年に犯罪被害者等給付金支給法が成立し、日本の犯罪被害者支援が始まりました。
しかし、金銭的な支援はあっても、被害者の傷ついた心の支えとなる支援は確立されておらず、支援体制と
しては決して十分なものとは言えませんでした。
長い時を経て平成の時代となり、犯罪被害者等基本法が平成17年に施行され、犯罪被害者の心の面を含め
た本格的な支援が始まりました。
今日では、全ての都道府県に犯罪被害者支援センターが設立され、専門的な研修を受けた支援活動員の方々
が、各種相談や裁判などへの付添い、日常の生活支援など、犯罪被害者の傷ついた心を支える活動を行ってい
ます。
この富山県にも、平成18年に「とやま被害者支援センター」が設立され、今年で 3 周年を迎えました。
とやま被害者支援センターには多くの相談が寄せられていますが、犯罪被害者は誰にも打ち明けられない心
の痛みを持ちながら、拠り所を求めて藁にもすがる思いで相談に訪れているのではと思います。
私たちが暮らす南砺市では、市内各地域の防犯や交通安全などの推進団体をはじめ、多くのみなさんのご協
力をいただきながら、市民のみなさんが安心して暮らせる安全なまちづくりに取り組んでいるところです。
犯罪被害者支援も安全・安心なまちづくりのためには欠かすことのできないものの一つであり、不幸にして
犯罪被害に遭ってしまった方たちの心の支えとなれるような行政支援ができればと思っています。
そして、犯罪被害者の傷ついた心を少しでも和らげることができれば幸いに思います。
南砺市民をはじめ県民のみなさんには、どうか今後とも犯罪被害者支援に対する深いご理解とご協力をお願
いしたいのであります。
おわりに、とやま被害者支援センターの地道な支援活動に対しまして深く感謝申し上げますとともに、今後
益々のご発展と、関係の皆様方のご多幸をお祈り申し上げます。
1
一般社団法人とやま支援センターだより
活動報告
第 1 回理事会
8 月22日
(土)
午後 2 時より当センター会議室において一般社団法人としての第1回理事会を開催し
(1)中尾哲雄前理事長を名誉会員に推薦する件
(2)犯罪被害者週間中の11月29日に実施する行事の件
(3)賛助会費振込手数料の負担の件
(4)来年度以降の会員バッジの件
(5)犯罪被害者等早期援助団体の指定の件
について審議しました。その結果、
(1)原案どおり承認され、正社員に対しては、「一般社団法人に関する法律第58
条社員総会の決議の省略」に従い、表決権行使書面により承認を得る。
(注)第58条
「理事又は社員が社員総会の目的である事項について提案した場合において、当該提案につき社員の全員が書面又は電磁的記録により同
意の意思表示をしたときは、当該提案を可決する旨の社員総会の決議があったものとみなす。」
(2)「講演会&コンサート」を開催し被害者の講演と富山県警察音楽隊による演奏を行う。
(3)来年度からは、賛助会費振込手数料は、加入者(センター)負担とする。
(4)来年度以降の会員バッジとして、今ある 3 色のバッジを使用する。
(5)平成22年度の早い段階で早期援助団体の指定を受ける
ことにそれぞれ決まりました。また、法人化を機に、今まで発行していた「支援センターだより」を「一般社団法人と
やま被害者支援センターだより」と改め、創刊号を発行することになりました。
その他、賛助会員加入状況について報告しました。
中尾哲雄前理事長、名誉会員に
とやま被害者支援センターの設立並びに発展に寄与された中尾哲雄前理事長が、理事会の推薦、全正社員の承認によっ
て、この度、一般社団法人とやま被害者支援センターの名誉会員になられました。
支 援状況
(平成21年 4 月 1 日∼ 9 月30日)
平成21年度に入って6ヶ月が経過しましたが、相談受理件数は昨年度より増加傾向にあります。特に4月には40件を超
える相談が寄せられました。ただ、昨年度同様傷害事件、交通事故に関するものが多く、中でも傷害事件で重傷病を負っ
た、あるいは重度の障害が残った被害者の家族の方や交通事故で大切な家族を失った遺族の方には、継続的な支援を行っ
ています。また、自宅訪問、各種申請補助、弁護士事務所等への付添、公判傍聴といった直接的支援も行いました。
相談件数138件
被害内容
被害者の男女比
60
52
50
40
女性
48人(35%)
30
20
10
0
不明 5人(4%)
52
21
男性
85人(61%)
13
・暴
殺行
人・
障
害
性
的
被
害
スD
ト
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・
カ
ー
交
通
被
害
被財
害産
的
そ
の
他
2
一般社団法人とやま支援センターだより
相談者と被害者との関係
その他 4人
家族・親族
55人(40%)
相談手段
不明 2人
メール 1人
直接 8人
面接
17人(12%)
電話
112人(81%)
本人
75人(55%)
友人・知人 2人
センターが紹介した主な相談窓口
県女性相談
センター 2人
県自家用
自動車協会
連合会
4人
相談の端緒(センターを知った切っ掛け)
法テラス・弁護士
3人
警察5人
県消費生活センター
29人
その他 5%
他機関から
の紹介
15%
警察から
25%
自助グループ活動
新聞・テレビ
市町村広報誌
27%
電話帳・ポスター
リーフレット
28%
10月24日(土) 13:30∼/参加者 5 名
今回初めて講師として、精神科医の本田徹先生においでいただき、「被害者の精神的問題−精神科医の立
場から」と題してお話をしていただきました。
研 修会
内部研修
第3回継続研修会
7 月25日(土) サンフォルテ・受講者15名
1.「女性被害110番にかかわって」― 私の体験から ―
講師 支援活動員 高野 佳子
2.外部研修報告
「直接的支援実地研修」
「平成21年度第1回被害者支援セミナー」
「平成21年度第1回東海・北陸ブロック研修」について
第4回継続研修会
8 月23日(日) サンフォルテ・受講者18名
事例検討会 「交通死亡事故遺族への支援」
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一般社団法人とやま支援センターだより
第5回継続研修会/外部研修報告
10月 7 日(土) サンフォルテ・受講者11名
1.全国犯罪被害者支援フォーラム2009
¡基調講演 1………………………………………………………
「摂津市における犯罪被害者支援の取り組み」
講師 摂津市長 森山 一正
¡パネルディスカッションⅠ…………………………………………………………………
「被害者の声に耳を傾ける」
¡基調講演 2……………………………………………………………………………………
「被害者支援における精神保健福祉センター等のかかわり」 講師 京都こころの健康増進センター 山下 俊幸
¡パネルディスカッションⅡ…………………………………………………………………
「地域社会における犯罪被害者等への支援」
2.全国被害者支援ネットワーク秋期全国研修会
¡講演 1…………………………………………………………………………………………
「被害者支援の今までとこれから」
講師 (財)犯罪被害救援基金 常務理事 國松 孝次
¡講演 2…………………………………………………………………………………………
「全国被害者支援ネットワークの目指すべきもの」 講師 京都犯罪被害者支援センター 副理事長 平井 紀夫
¡分科会…………………………………………………………………………………………
「ロールプレイ−電話応対」「心理教育とロールプレイ」
「直接支援の展開−プラン作成」「カウンセリング−事例検討」
「自動グループの意義とあり方」「自助グループが相談員にのぞむもの」
「面接技術」「法律の基礎」「事例(被害者参加・裁判員制度)
」
「事例検討−関係機関との連携等」
「行政・社会資源と民間被害者支援センターの連携」
「ファンドレイジング」「情報交換、共通カリキュラム」 について
フォーラム、研修会に参加して
全国犯罪被害者支援フォーラム(10月 2 日開催)と全国被害者支援ネットワーク秋期全国研修会(10月 3 日、4 日)に
参加しました。
フォーラムでは、全国各地における様々な新しい試みについて報告があり、大阪府摂津市の森山市長は、同市の「犯罪
被害者支援条例」について講演されました。また、パネルディスカッションでは、被害者の方々の生の声を聞かせていた
だきました。
全国研修会では、犯罪被害者支援の経緯と現状、さらにこれからの展望についての講演が、異なる立場からされ、その
後分科会に分かれました。私は、「被害者支援のための法律知識」と「被害者、支援者の心理」の二つの分科会に出ました
が、具体的事案をもとに会が進められて、より実践的な研修ができました。全国で支援に携わる方と交流したり、新しい
情報を得たりすることもできました。
この研修を機に、活動の原点に返って、これからも努力を続けたいと思います。
自主研修
(直接的支援員初級マニュアルの読み込み)
第1回 09月11日(金)
第2回 10月09日(金)
第3回 11月13日(金)
8 名参加
5 名参加
6 名参加
外部研修
全国犯罪被害者支援フォーラム2009
全国被害者支援ネットワーク秋期全国研修会
2009年度 自助グループ継続研修会
平成21年度第2回被害者支援セミナー
10月2日(金) 東京 笹川記念館・受講者5名
10月3日(土)
・4日(日) 東京 TKP八重洲ビジネスセンター・受講者6名
10月26日(月)
・27日(火) 東京 弘済会館・受講者3名
11月9日(月)
∼12日(木) 東京 (社)
被害者支援都民センター・受講者1名
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一般社団法人とやま支援センターだより
お知らせ
皆様のご来場をお待ちしております。
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一般社団法人とやま支援センターだより
助成事業
一般社団法人 とやま被害者支援センターとは
突然、犯罪や交通事故の
こんな活動をしています
被害にあったら…、
¡電話相談
突然、大切な人を失ったら…
外出できない
事件・事故のことが
突然よみがえる
ちょっとした音にも
びくっとする
眠れない
不安で
たまらない
自分を
責めてしまう
ずっと
緊張している
食べられない
誰も信じられない
¡被害者自助グループへの支援
専門的な研修を受けた支援活動員(ボラン
ティア)による相談を行っています。
また、犯罪被害給付制度な
ど、被害者の方が受けられる
制度の紹介や関係機関・団体
への紹介も行います。
同じような被
害にあわれた被
害者(遺族)同
士が集う交流の
場の提供や、活
動の支援を行い
ます。
¡面接相談(要予約)
¡広報・啓発活動
電話相談の中から必要に応じて継続的な面
接相談も行います。
被害者の置かれた現状と支援の必要性を社
会に周知するための広報・啓発活動を行って
います。
¡付添いなどの直接的支援
自宅訪問や、病院・警察・検察庁・裁判所
への付添い等を必要に応じて行います。
¡支援活動員の養成及び研修
基礎研修、実地研修等を継続的に行い、相
談受理など支援技術の向上に努めています。
組 織 構 成
犯 罪 被 害 者 等
支援の要請
など、体や心に変調をきたします。
こんなときは、ひとりで悩まないでぜひお電話を
提供(無料)
活 動 支 援
一般社団法人とやま被害者支援センター
関係機関・団体
総 会(正会員)
413−7830
(076)
県・市町村・警
察・県 被 害 者
支援連絡協議
会等等
な や み ゼロ
相談用 [email protected]
メール
財 源 基 盤
(非営利団体)
連
携
支
援
理 事 会
事務局長・事務局員(常勤)
支援活動員(ボランティア)
公的補助
賛助会費
寄付金
支 援
10月3日は「犯罪被害者支援の日」です。
弁 護 士
11月25日から12月1日は「犯罪被害者週間」です。
賛助会員・ご寄付の募集
産 婦 人 科 医
精 神 科 医
臨 床 心 理 士
当センターは、会員の皆様に支えられて運営しております。
賛助会員とは
当センターの目的に賛同し、事業を財政面で支援する法人・団体又は個人です。
賛助会員(年会費)
振込口座
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・個人 1口 2,000円より
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・郵 便 局:口座番号 0 0 7 1 0 − 8 − 8 4 5 3 4
賛助会員、寄付者には
・「支援センターだより」「支援センターバッジ」
「賛助会員之証」等をお送りします。
・被害者支援関係イベントのお知らせをします。
加入者名
・一般社団法人とやま被害者支援センター
(イッパンシャダンホウジントヤマヒガイシャシエンセンター)
・「支援センターだより」に、同意をいただいた
法人・団体名、個人名を掲載いたします。
表紙絵 「秋
皆様方の温かいご支援をお待ちしております。
の 色」 画 : 米 田 雪 子
[プロフィール]
1985∼86年 富山の作家招待
(高岡市美術館)
1987年
新鋭選抜’87とやま20人展北日本美術賞
(高岡市美術館)
1991∼93年 モダンアート協会展入選
(東京都美術館)
1994年
米田雪子展
(富山高校百周年記念館ギャラリー企画)
1995年
北日本マンスリーアート個展
(北日本新聞ギャラリー)
日本海美術展入選
(富山県立近代美術館)
一般社団法人
とやま被害者支援センターだより 創刊号
1996年 油彩・新世紀をひらく作家展招待
(庄川美術館)
2001年 富山県今日の洋画展招待
(小矢部市総合会館)
2002年 日本美術家連盟展
(04年・06年)
2004年 北日本美術大賞展特別賞
(富山県民会館 00∼03年)
2005年 六月の空・米田雪子展
(ギャラリーNOW企画)
2008年 6.21∼7.27東雲5人展
(西田美術館)
平成21年11月18日発行
発
行 /一般社団法人
とやま被害者支援センター
発行責任者 /事務局長 中嶋 泰昭
事 務 局 /〒930−0858 富山市牛島町5番7号
T E L ・ F A X 0 7 6 − 4 1 3 − 7 8 2 0
E - m a i l /[email protected]
ホームページ /http://www.toyama-shien.com
本誌は日本財団の助成を受けて発行しております。