「まちの縁側を増やし、 つながりを広げる事業」活動報告書 つくろう ひらこう コミュニティカフェ あなたの「まちの縁側・居場所」 【連携団体】 特定非営利活動法人ぐらす・かわさき 特定非営利活動法人まちの縁側育くみ隊 特定非営利活動法人金沢観光創造会議 特定非営利活動法人つながるKYOTOプロジェクト 「 ま ち の 縁 側 を 増 や し 、つな が り を 広 げ る 事 業 」に 寄 せ て 公益社団法人 長 寿 社 会 文 化 協 会（ ＷＡＣ ） 浅川澄一 さらに活動を飛躍させようと、２０１３年度は独立行政 法人・福祉医療機構（ＷＡＭ）の社会福祉振興助成事業に 常務理事 「連 少子高齢社会が進む中、地域で暮らす人々の「連帯」 携 」 が よ り 一 段 と 求 め ら れ て い ま す。 コ ミ ュ ニ テ ィ と い う 応募し、全国５都市でコミュニティカフェ開設支援活動に 全 国 ５ 都 市 で コミュニティカフェ 開設講座を実施して 言葉で語られる「住民の輪」作りです。 金沢、京都、名古屋、川崎の各市のＮＰＯ法人と東京の ＷＡＣが２０１３年９月からコミュニティカフェの開設講 取り組みました。 「地域の茶の間」や「まちの縁側」「居場所」 「サロン」など 座 を 開 き、 全 体 で １ ０ ０ 人 以 上 の 受 講 生 が 参 加 し ま し た。 そ の「 輪 」 の 結 び 目 と し て、 気 軽 に 立 ち 寄 る「 カ フ ェ」 を開こうという動きが近年、急速に各地で高まっています。 名 乗 り 方 は 様 々 で す が、 総 称 し て「 コ ミ ュ ニ テ ィ カ フ ェ」 京で開いた「コミュニティカフェ全国交流会」では、各地 と呼んでいます。 高齢者間の出会いの手助け、子育てママの交流、障害者 の協働などいろいろな思いで始められています。 カフェ」を堂々と発表しました。 なかには、受講と歩調を合わせるように、カフェの開設 に乗り出す受講生も現れました。２０１４年２月 日に東 公益社団法人・長寿社会文化協会（ＷＡＣ）は、こうし たコミュニティカフェを全国に広げていくことを活動の柱 から参加した合計 人の受講生が独自に思い描いた「マイ・ カ フ ェ を つ く ろ う！」 を 編 集 し、 翌 年 か ら コ ミ ュ ニ テ ィ カ カ フ ェ 開 設 講 座 の 運 営 と 併 せ て、 金 沢、 京 都、 名 古 屋、 川崎の各主催ＮＰＯ法人はそれぞれの地域のコミュニティ （石川県） まちの縁側 育くみ隊 （愛知県） 京 都 、金 沢 、名 古 屋 、川 崎 、東 京 ＷＡＭ 助 成 事 業 を 活 用 長寿社会文化協会（WAC）は、独立行政法人福祉医療機構（WAM）の「社会福祉振興助成事業」から助成 金を得て、京都、金沢、名古屋、川崎、東京の全国５カ所で、地域の活性化を促すコミュニティカフェの開設 を支援する講座を開いた。 WAM が定めた「全国的・広域的ネットワーク活動支援事業」の仕組みを活用し、「高齢者や障害児・者など が地域で普通の暮らしをすることを支援する事業」のテーマに沿って事業に取り組んだ。 この中でも、重点支援事業である「配食や買い物、移動支援、見守り、居場所づくり、心のケアなどにより、 高齢者・障害者などの社会からの孤立を防止する事業」として、コミュニティカフェ開設講座やガイドブック 制作を行った。 講座の内容は、コミュニティカフェ概論、開設のための知識習得、実践例の見学・体験、起業プラン作成、ワー クショップなどバラエティに富み、地域の実情に応じて、WAC と連携団体がカリキュラムを編成し、30 時間 前後の講座を開いた。講座終了後は、成果（コミュニティカフェ・プラン）発表と交流会を開き、一般市民へ の PR も図った。 以上の活動経過と成果をまとめたのが本書です。 特定非営利活動法人 に 据 え て き ま し た。 ２ ０ ０ ７ 年 に 単 行 本「 コ ミ ュ ニ テ ィ・ 23 カフェのガイドブックも作成しました。 10 フェの実践者より運営ノウハウを学ぶ「コミュニティカフェ 金沢観光創造会議 2 Community Cafe 3 ぐらす・ かわさき 特定非営利活動法人 （神奈川県） （東京都） （ 京 都 府） 特定非営利活動法人 つながる KYOTO プロジェクト 35 特定非営利活動法人 研究会」を 回、開いてきました。 ５都市でコミュニティカフェ開設講座や ガ イ ド ブ ッ ク 制 作 を 実 施 講 座 アーカイブ 「 現 場 を 知 る 」、 「 体 験 する 」を 大 切 に 、仲 間 づくり 代表 ぐらす・かわさき と人をつなぎたいと考えていることだっ たことは、多くの方が「場」を設け、人 相談を担ってきた経験を通じて私が知っ を試みようする、そんな皆さんへの起業 「コミュニティビジネス」という手段 は、常に大きな関心事だった。 動をいかに持続可能にするかということ 身近で見てきた私たちにとって、その活 たちの力で解決しようと試みる人々を、 地域で直面するいろいろな課題を自分 子育て、介護から環境、平和まで・・・ が準備の大変さも味わった。 作ってきてくれた人もいたり、それぞれ だ。メニュー表や当日の工程表を徹夜で さ、 い ろ い ろ な 気 持 ち を 味 わ え た は ず ベントの充実感、仲間と笑いあえる嬉し 出す楽しみ、接客・もてなしの喜び、イ か。 自 分 た ち の 作 っ た 料 理 や 飲 み 物 を 身をもって体験できたのではないだろう シ ョ ン が い か に 大 切 か と い う こ と を、 備があること、メンバーのコミュニケー メニュー決め、役割分担など、多様な準 イシェフ体験だった。ターゲット設定、 さ ま ざ ま な 形の「コミュニティカフェ」、 た。 ２ ０ １ ２ 年、 「相談に乗るだけでな 2 特定非営利活動法人 夫、苦労話などを直接お聞きした。 実践コミュニティカフェ 模擬営業 6 12/8 sun コミュニティカフェ紹介 プラン発表 「私の目指すコミュニティカフェ」 みんなのテーブル メサ・グランデ 川崎市中原区新城 5-2-13 http://mesa-grande.blogspot.jp/ 受講者全員で、1 日営業体験。「コ 金沢の事例を、講師の加茂谷慎治 「メサ・グランデ」の店頭には、いつも新鮮な野菜が並んでいる。 料理は「6 種の根菜カレー」「き プラン発表。全国交流会での発表 カフェ。大きなテーブル（スペイン語でメサ・グランデ）が置か ミュニティマルシェ」と銘打って、 のこたっぷり！やわらか塩麹チキン」 「いろどり野菜のあっタコライス」 に、太陽光発電ワークショップな ど、みんなで腕を振るった。 5 参加者それぞれが思い描く「地域のた え方を学んだ。 く、実践者でありたい」と考えていた私 フェ開設のきっかけや、運営の工 ま り ば 」「 コ ミ ュ ニ テ ィ カ フ ェ」 は 実 に に、主に飲食部門の収支計画の考 企業診断士の山岡雄己さんを講師 たちは、地域の縁側「遊友ひろば」に次 た。実際に運営している方からカ 軒のコミュニティカフェを訪問し 多様なもので、それらをどう深めて事業 一番大事なのはお金です」 。中小 普通のカフェであろうと、経営で の 拠 点 と し て、 「みんなのテー 山ミエル」「SoAN」「ココデ」の 4 を使って、 「スペースナナ」「大倉 ぐ、 第 11/30 sat 「コュニティカフェであろうと、 計画の形に落とし込んでいくか、その工 5 廃食油を燃料に走る「エコバス」 程を一緒にやるのは難しい作業だった （エコバスツアー） コミュニティカフェの 運営スキル ブ ル メ サ・ グ ラ ン デ 」 を オ ー プ ン し た。地産地消の小さな八百屋と、食べ方 コミュニティカフェ体験ツアー 11/16 sat が、多様な発想をお互いに知るメリット 4 を提案するレストランサービス、コミュ 11/10 sun は大きかった。 3 もお聞きした。 ニティティビジネスのノウハウを学べる している有北郁子さんに体験談 自分のカフェを開設直前というタイミ た。 ていく中で、輪郭を持たせていっ 講座や、飲食サービスを開業したい人向 ニティカフェ「まめり」を運営 を講師に、夢を見える化。コミュ ングで受講してくれた参加者もあり、講 漠然とした夢を少しずつ文章化し 企業診断士の原賢治さんに学び、 けのワンデイシェフなど、多様な顔を持 分トリセツ講師の中丸恵美さん 本当に実現したいことは？」自 6 座最終日が、そのカフェのオープン日、 事業計画の作り方の基礎を、中小 も、継続していくことを願っている。 「自分の夢って何だっけ？自分が 19 つコミュニティカフェだ。 コミュニティカフェの コンテンツづくり 自分トリセツ、 自分の夢ってなに？ と い う こ と で、 講 座 後 お 祝 い に 駆 け 付 10/27 sun このたび、このメサ・グランデを舞台 2 けた仲間もいた。この講座を通じて知り 10/19 sat 名 の 受 講 生 を 迎 え て、 コ ミ ュ ニ お聞きした。 に、 りカフェ」の塩沢和美さんの事例発表を 合った仲間同士の今後の交流や協力体制 での事例などをお聞きし、「みた・まちも 回連 師に、コミュニティカフェの役割や外国 ティカフェ開設講座を開催した。 1 産業能率大学准教授の中島智人さんを講 続講座の山場は、受講者全員でのワンデ 「コミュニティカフェ」 ってなに？ 今、地 域に求められる つながりの場づくり K a n ag a w a 実 践 から 形 をイメー ジしてみよ う 。 9/21 sat 特定非営利活動法人 ぐらす・かわさき 理事・事務局長 たしろ・みか 百貨店勤務時代は、ボランティア 休職制度を利用し、青年海外協力隊に参加。その 後、フェアトレードショップを起業。2004 年よ りぐらす・かわさき職員。コミュニティカフェ 「メ サ・グランデ」の立ち上げに携わり、 コミュニティ カフェなどコミュニティビジネス、ソーシャルビ ジネスの起業支援に注力している。 20 代から 60 代まで、19 名の老若男女が参加した、神奈川の「コミュニティ カフェ開設講座」。多くの実践例を見聞きし、実践も交えながら、各自の事 業計画を作っていった。自分のプランをブラッシュアップしていった。 説明会 神奈川 田代美香 さんよりお聞きした後、受講生の 者 2 名を決定。最後はカフェでの ドリンク提供の実習で締めくくっ た。 店内に入ると、多種多様な野菜の食べ方を提案するレストラン れ、オープンキッチンの中と外、作る人と食べる人が共に一つ の空間を作り出す。飲食サービスを始めたい人が「ワンデイシェ フ」にチャレンジできるなど、新しい交流やコミュニティビジネ スを生み出す地域の拠点である。 Community Cafe 4 神奈川では、川崎市中原区のコミュニ ティカフェ「メサ・グランデ」を舞台 に、ＮＰＯ法人ぐらす・かわさき事務 局長の田代美香（たしろみか）さんが 激励した。 飲食サービスを提供するなら、 徹底的に 「コミュニティカフェだからといっ て、中途半端な飲食を提供することは ナビゲーターを務めた。実際のコミュ ニティカフェの現場を見て話を聞いた できない。普通の飲食店と同じ土俵に り、受講生が一丸となって 起業体験をして、夢の形を具体化して いった。 みんな、人と話ができる メニュー構成の工夫により、収益を上 げることが大切だ」と説いた、講師の 山 岡 雄 己 さ ん。「 ビ ジ ネ ス と し て の 視 点も常にシビアに持って経営に臨まな 講座初日に、実践者の事例を紹介し て く だ さ っ た、 コ ミ ュ ニ テ ィ カ フ ェ チョイスや、気軽に行ける価格設定な が入れるよう、作りやすいメニューの まっていた。スタッフとして色々な人 した。 を凝らしていくことが大切だ」と強調 メニュー表作りなど、細かい点に工夫 いと、社会貢献などできない。宣伝や 「まめり」の有北郁子さんのお話には、 「高級レストランをつくるわけではな ど は、 参 加 者 の 多 く に 参 考 に な っ た。 きやすい場づくりの工夫がたくさん詰 い。目的に合ったメニューや価格設定 が重要だ」と強調した。 事業計画づくりは基礎 ノコ掘り、ソラ豆やジャガイモの収穫、夏のそ 話場（はなしば） ・ 伝承（ Hand down ） ・韓国（ Han ） ・ 一杯飲もう！ の Han jan Haja!( )、 コミュニティカフェ「 Han 」 れから受け継いでいかなくてはならないと考え 巻きキンパ、パッピンス、ホットックなど、自 水野さんは、広島の田園地帯で、親子で農業 体験や山菜採りなどの拠点となり、また、広島 横浜市に住む水野悦子さんは、数年後にご主 人の広島の実家近くで、世代間交流と生活文化 が続く。 ている。移住成功の日まで、リサーチする日々 分自身も韓国人の母親から韓国料理の伝承をこ なるような事業を考えている。韓国料理の飾り とご自身のルーツでもある韓国との懸け橋とも の伝承ができるコミュニティカフェ「 Han 」を 計画している。そもそも彼女がコミュニティカ フェの計画を立てることになったのは、カフェ が好きだったことに加え、「大倉山ミエル」と 講師の山岡雄己さん 「 夢 を 形 に し て い く た め に、 自 分 の 目的は何なのか？ 誰にどこで何をど うやって提供したいのか？ それらを 一つ一つ丁寧に考えていくことが大事 だ」と、指導してくれた中小企業診断 士 の 原 賢 治 さ ん。「 し っ か り と し た 計 画づくりを意識しながら、ブラッシュ 共に、四季折々の農体験イベントとして、すで 業計画を発表した。 川崎市高津区の澁谷直子 （し うめん流し、秋のサツマイモ掘り、冬の餅つき するなどの経営手腕も大したものである。 また、都市農家として、レストランなどと直 接契約し、流行の西洋野菜などを積極的に栽培 ぶやなおこ） さんと横浜市港北区の水野悦子 （み ポイントを準備、気合十分で臨んだ。 農園体験コミュニティ「母家」 今回、全国交流会で発表のチャンスを得たこ とで、事業計画を整理し、多くの人に説明でき いうコミュニティカフェと 講座の受講生仲間らと、近隣のコミュニティ カフェの見学も積極的に行ってきた。 次 世 代 の た め に、 そ し て 自 分 た ち の コ ミ ュ ニ るようになった。 心 が 高 ま っ た の だ。 コ ミ ュ 澁谷直子さんは、農家に嫁いで 年の「嫁」 の立場で、都市農家の持つ資源を有効に使い、 テ ィ の た め に、 「 誰 か が や ら ね ば！」 と い う 強 発 表 の 翌 日 か ら 母 家 の 工 事 は ス タ ー ト し た。 築１００年の「母家」の改築を機に、我が家の 「母 ニ テ ィ カ フ ェ は、 そ こ に 集 う 人 た ち に も、 「な 農家の母屋から出てきた着物をリメイクし た服で発表する澁谷さん 出 会 っ た こ と で、 一 気 に 関 い気持ちで、 「母家」という名のコミュニティ 家」から地域の「母家」に生まれ変わる。秋に にかやりたい！」と思わせるものを持っている 自らも子育てをする中で培った地域の仲間と カフェを計画した。 はいよいよ新たな「母家」がスタートする。 ようだ。 15 受講生一同、エールを送っている。 事業計画を発表する水野さん 多世代の交流を目指して、誰にでも行 場を求めています。 立って、接客・美味しさを追求しつつ、 日カフェ 講師の原賢治さん アップを続けていくことが大事だ」と 日に開催された「コミュニティカフェ全 講師の有北郁子さん やしめ縄づくりなどのイベントを行ってきた。 国交流会」では、神奈川から選ばれた 月 1 に地域の子供たちを受け入れている。春のタケ 現場を訪れてイメージを明確化し、夢を言葉に。 1 日起業体験で、やりたい形が見えてくる。 名が事 23 ずのえつこ） さんだ。発表当日に向けて、 パワー 2 2 6 Community Cafe 7 開 設 講 座 ダ イ ジ ェ ス ト 水野悦子さん（横浜市）、澁谷直子さん（川崎市） 神奈川 K a n ag a w a 全国交流会で事業プラン発表 奈佐英樹 （なさ・ひでき）さん 食 の 仕 事 を 経 験 後、 新 潟 県 旧 山 古 志 村 で 山 菜 取 り、 ぜ ん ま い 揉 み な ど の 山 の 暮 ら し を 体 験。 村 の 中 で 自 然 と 人が集まり、「お茶のみ」をする中で 情 報 交 換 で き、 助 け 合 い が 始 ま る こ とを知った。 伊達祐希 （だて・ゆうき）さん 子 育 て 中 の 親 子 が 集 え る「 親 子 カ フ ェ」 を 開 き た い と 考 え て 参 加。 ２ 歳 の 息 子 を 育 て る 中 で、 地 域 の 人 に 助 け ら れ た 経 験 も 多 く、 子 育 て 中 の ママが孤独になることなく過ごせる 場を作りたいと思い受講。 高谷恵美子 （たかや・ えみこ）さん 地域の人と人とがゆるやかにつなが れるまちの縁側を作りたいと考えて い る。 シ ェ ア ハ ウ ス、 シ ェ ア ル ー ム やコミュニティハウス、コミュニティ スペースというような形で実現して みたいという。 鈴木淳子 （すずき・じゅんこ）さん 成の事業で、自分たち自身が楽しめる場を作 今回の参加者中最も若い 代の伊達祐希さ んと、子育て中のママ、高谷恵美子さんらは、 のが特徴的だ。 名と圧倒的に女性が多く、平均年齢 業。持てるマンパワー、得意分野や使える資 最大公約数のニーズを満たすことは至難の いくのがよいのではないか」ということだ。 はなく、各論から入って、軌道修正をかけて 石 井 さ ん が 講 座 に 参 加 し て の 感 想 は「 コ ミュニティカフェ作りは総論から考えるので るという発想は、参加者に共感を与えた。 て実施。小さな電力でも日ごろから自分で作 ミュニティカフェ模擬体験」のイベントとし 電の装置を使ったミニワークショップを「コ を考えているそうだ。奈佐さんは、太陽光発 の収入は得つつ、地域貢献できる事業モデル うだ。 向けてのモチベーションがさらに加速したよ 過程を目の当たりにしたことで、自分の夢に 店主の緊張感や、いよいよ夢を実現していく 時々手伝いに入るまでになった。開店直後の 講座最終 日には、オープニング を迎えた、 同じく受講生の大橋ゆりさんのお店「ムビリ わり、本番も前面で皆をひっぱってくれた。 座時間外にも多くの時間を割いて、準備に携 の選定や試作、当日の工程表づくりなど、講 「コミュニティカフェ模擬体験」でメニュー り、収益もある程度確保し、小遣い稼ぎ程度 講座のうち、数回はＮＨＫ Ｅテレ「団塊 スタイル」の取材も入り、後日、講座の模様 源をリストアップし、叶えたい夢などを前面 障害者施設で働いている鳥越正昭さんは、 栄養士の小泉由美子さんや、地域に暮らすど 「コミュニティカフェ開設講座 神奈川」に 名 が 参 加 し た。 も放送されるなど、 全国的にも 「コミュニティ に出して、事業計画を作っていくことで、今 んな人も安心して暮らせる居場所があったら 名、 歳と、比較的若い層の受講生が多かった た実践者だ。持っているスペースを活用して オープンスペース、こども教室を運営してき て く れ た。 す で に 多 世 代 交 流 を 目 的 と し た んは、いつも明るい雰囲気で仲間を盛り上げ 歯科衛生士と福祉住環境コーディネーター の資格を持ち、会計が得意という鈴木淳子さ いう具体的なアイデアを出した。 れ る 場 を つ く る た め、 「 川 崎 餃 子 カ フ ェ」 と 自立して経済活動する役割と生きがいが生ま もあった。なお、熊谷さんは、 「コミュニティ や協力者を探すことも大切だというコメント ジネス的な面は厳しいと思われるので、資源 「生きる栄養」も取る行為なのだと言う。ビ べる」ことは単に栄養を取ることだけでなく、 一緒に食べる 場所を作りたい と考えた。「食 寄って、一緒に料理したりおしゃべりしたり、 りが見られることもあり、地場の食材を持ち などの高齢者は一人暮らしが多く、栄養の偏 熊谷京子さんは、伊達祐希さんと協力して、 「 田 舎 」 と い う 事 業 プ ラ ン を 立 て た。 山 間 部 設計施工・オペレーション・仕入れルートな し合う結果となった。メニュー内容・広報・ ステージの方がおり、それらがお互いに刺激 橋さんのように起業直前という方まで様々な の中には、漠然と夢を持っている方から、大 という目的をもっての参加であった。受講生 たい、他のカフェの情報を一気に収集したい ンセプト作りなどの考え方について確認をし の講座へは、ある意味、最後に事業計画やコ ラッシュアップも進んだ状況だったので、こ で に 使 っ て、 メ ニ ュ ー 構 成 や 事 業 計 画 の ブ ＊ ＊ ＊ 新しいなにかをやっていきたいと考えていた カフェ模擬体験」では得意のお菓子作りの技 ど、細々とした、しかし現実的な話を、毎回 シェフやチャレンジシェフという仕組みもす が、具体的に何かを行うというよりも、そこ を活かし、スイートポテトを作り、好評を得 のプランを考えた。 地域に暮らす仲間として、 を使って何かをやりたい人との出会いを求め 受講生たちが大橋さんを取り囲んで、熱心に 大橋ゆり （おおはし ・ゆり）さん た。講座終了後、定期的に「メサ・グランデ」 鳥越正昭（とりごえ・まさあき）さん 「メ サ・ グラ ンデ」 での ワンデ イ シェフ な ど で、 経 験 を 積 ん で き た。 も う す ぐ 自 分 の 店 を 開 店 予 定 という 状 況 で、 ぎ りぎりまで学ぶチャンスを自分でつかん でいたい、仲間とも出会いたい、と参加。 ての参加でもあった。最終日のプレゼンテー 熊谷京子 （くまがい・きょうこ）さん 障 害 者 福 祉 施 設 職 員。 法 人 に よ る 事 業 と し て、 コ ミ ュ ニ テ ィ カ フ ェ が で き な い か、 知 的 障 が い 者 の 人 た ち が ホストとして地域の居場所づくりが できないかと思い、受講。 聞いている姿は印象的であった。 小泉由美子（こいずみ・ ゆみこ）さん お菓子作りが好きで師範の資格を持 つ。 自 分 の つ く っ た も の で み ん な が 幸 せ に な っ た り、 喜 ん で い た だ け る ような空間づくりをしてみたいとい う。 で、お菓子の製作を行うことになった。 住んでいる地域と離れて仕事をしてき たので、地域にあまり縁がなかったが、 地域の重要性を最近感じるようになっ た。 栄 養 士 の 経 験 を 活 か し て「 食 」 に 関わるチャレンジを地域で始めたい。 ションへの講師からの講評では、「資格は自 た。 は 女性は 代まで幅広い受講生が集まった。男性は 20 神 奈 川 県 内 で は 川 崎・ 横 浜 か ら の 参 加 が 多 カフェ」が注目されているという実感があっ 後の成果が見えてくると気づいた。 代～ 奈佐英樹さんと石井達郎さんは、「逗子 」 という市の施策でできたシニアの市民活動育 分を閉じ込める可能性がある。一番やりたい 大橋ゆりさんは、世界の家庭料理をテーマ に、日替わりシェフやイベントなどで経験を かったが、逗子など、県内各地から いいなと考えていた田畠麻帆さん、鹿島節子 ことを明確にしてはどうか」というシビアな 積 ん で き た。 「 メ サ・ グ ラ ン デ 」 の ワ ン デ イ 15 60 60’s ンゴ」に見学兼お祝いに駆けつけ、その後は さんと協力して、 「高齢者・障害者とのコミュ コメントもあった。 20 ニティをどう作るかという観点でのカフェ」 は、 東 京・ 埼 玉 か ら も 含 め 逗 子 市 か ら 参 加 の 自 営 業。「 ず し 」 の メ ン バ ー と し て、 逗 子 市 市 民 協 働 部とともに、多世代交流のできる「地 域のたまりば」づくりを模索してい た と こ ろ、 今 回 の 講 座 を 知 り、 仲 間 とともに受講。 60’s 19 4 45 8 Community Cafe 9 受講生の声 多くの出会いも収穫のひとつです。 神奈川 K a n ag a w a 現 場 の 運 営 者 か ら 直 接、 開 設 の き っ か け や 思 い、 苦 労話ややりがいなどをお聞 環として、準備をしていただき、ゆっくりと が個々に訪問しても難しいのだが、講座の一 が協力していることも、受講者は知ることと 収ポイントにいくつかのコミュニティカフェ バス」による快適な移動となった。廃食油回 き す る こ と は、 一 人 ひ と り お話を聞くことができた。店内の雰囲気や素 の場に行ってみて初めて分かることがたくさ んあった。 ンバーが出資し、店番を続けている。意識を 弱者を応援したい」…などの熱い思いで、メ トが回収する廃食油を燃料にして走る「エコ 買い物にも夢中になってしまった、受講生た フェアトレード展」で、かわいらしい小物の 交通量の多い道路沿いにある「スペースナ る姿に、清々しさと仲間の大切さを知らされ 運営者：NPO法人コスモス た。 にも力を入れている。お客様のニーズをつね メニュー：多穀米リゾット、プレート料理、パスタなど ち ょ う ど 開 催 さ れ て い た「 幸 せ を つ な ぐ 川崎市高津区久本1-6-2 「さくらそう会」と協働をし、配食サービス ができない方のためにボランティアグループ 介護事業も行っている。お店に足を運ぶこと デ」の近くで、知的障がい者の方の共同生活 運営団体であるＮＰＯ法人コスモス理事長 の横山典 子さんにお話をお聞 きした。「ココ 「ここでやろう」 「ここで生きていこう」 だから、ココデ ちであった。 ターした。ＮＰＯ法人川崎市民石けんプラン また、その日は 件のコミュニティカフェ を巡ったが、移動にはマイクロバスをチャー 4 共有できるメンバーが支え合って運営してい 店名の由来は、造形作家 二キ・ド・サンファル作の 陽気で豊満な女人像「ナナ」 なった。 http://www.cafe-cocode.com 材感、規模感、料理や飲み物など、実際にそ NPO 法人スペースナナの中村泰子さん（左） 、柴田暁子さんが説明をしてくださった。 に読み取り、改善している、というお話には 9:00～18:00（土10:00～16:00）、日曜・祝日休み 多くの受講生がうなずいた。 TEL:044-877-0131 コ コデ NPO 法人コスモスの横山典子さん ( 右 ) が説 明してくださった。 http://spacenana.com/index.html 横浜市青葉区あざみ野1-21-11 TEL:045-482-6717 な い よ う 気 を 配 っ て い る。 社 会 的 に 責 任 を ま た、「 法 令 順 守 」 を モ ッ ト ー と し、 最 低 賃金を含め、雇用や契約面でずさんなことが いくうち、定番メニューが決まってきた。 ンドイッチなど、お客さんの要望にこたえて 栄養バランスに配慮したプレート料理やお 弁当、お子さんにも食べやすいおむすびやサ なった人や生活 い 」「 生 き に く く 現者を応援した 紹 介 し た い 」「 表 物を多くの人に 良いと思った品 い 」「 自 分 た ち が 湧く場を持ちた 「 居 心 地 良 く 暮 らすための力が 子さんだ。 れたのは、メンバーの柴田暁子さんと中村泰 なカフェで構成されている。思いを語ってく やフェアトレードショップ、スタジオと小さ ナ」 は、アート作品の展示ができるギャラリー ス ペ ースナナ 持った事業者としての誇りが輝いていた。 10 Community Cafe 11 カフェ コミュニ テ ィ カ フ ェ メニュー：フェアトレードのコーヒー、紅茶、ハニージンジャー 運営者：NPO法人スペースナナ 見学当日は NHK の取材も入った。 お客様同士の繋がりをはぐくむカフェ。 コミュニティ の 現場を訪ねて コミュニティカフェ紹介 神奈川 K a n ag a w a コミュニティカフェ紹介 11:00～18:00、月・火曜休み 講 座 アーカイブ コミュ ニティ カフェ 開 まちの 縁 探 訪 し 五 感 で 吸 収 する 実践的な連続開設講座 側・居 場所 身近な 地 域で 、気 の 合 高齢者 う仲 間 から 障 も、 害 者ま 子 育て たは 親 子ま で 、み ん ま なの居 ちの 縁 場 所・ 側が今 求 めら れ て います。 今 回、 私た ちはまち ソフトと の縁 ハー 「コミュ ドのノウハウ 側づ くりに おけ る をお 伝え ニティカ 関 心あ フェ する、 る方 、開設 開設 講座 」を開 催し ショップ を考えて 方式 で事 ます。 いる 方、 づくりを 例を 巡り 連続 講座 しな がら 、各地 ・ワーク のまちも 講師 は、 学びます 見つ つ仲 まち の縁 。 側育くみ 間 隊の 仲間 回 達と延藤 日 安弘 です 程 。 9月28 日（ 愛知の開設講座の特徴は、①毎回違うコミュニティカフェを現地体験した。② 5 つ の段階でステップアップできる講座をプログラム。③幻燈会やワークショップを織 り交ぜ、受講生同士の交流や共感を引き出し個人の提案を紡ぎ出した。 代表 講座説 明会 9/28 土 まち 丹羽國 子さん 主 催 延藤安弘 特定非営利活動法人まちの縁側育くみ隊 代表理事 えんどう・やすひろ ヒラメのエンガワのように 美味しい「まちの縁側」好き。子どもとお年より、 生活者と専門家、市民と行政の間に、縁側のよう に内と外の間の境い目のない「エンガワ社会」実 現のために、全国各地で小さな居場所づくりから はじまるのびやかなまち育てを支援している。最 近著『まち再生の術語集』 （岩波新書） 。 土） ア の縁側G 無 14:00 OGO！ イリス 場所 愛知２ 料 ● ～16:００ 階（名 古屋市中 説 幻燈会 延藤 区丸の内 2-5-10 明 なぜ 安弘 ） 会 ● まち コミュニテ ィ ゲ の スト 丹羽 縁側の全国 カフェ、まち 國 ● 子さん（一 の事例より の縁側・居 場所な 開設講 般 のか 座の内 社団法人ま 容を案 ち 内、申 まちの学 の縁側クニ し込み び ハ を募り 舎ハルハウ ウス& ます。 ス代表 理事） 佛教大学 多目的福 教授を経て、 ボランテ 「まちの 祉施設として ィア運営 の「ま 学び舎ハ の ルハウス ちの縁側クニ 」 （京都 ハウ ）の代表理 ス」(名古屋) 事。 愛 知 設講 座 をつく ろう！ in あ い ち Aichi 特定非営利活動法人 まちの縁側育くみ隊 延藤安 弘 千葉 大学教授 、 NPO法人まち 愛知産業大学 の縁 大学 全国各地 主な受賞 の住民主 側育くみ隊代 院教授を経て 表理 、 2006年日 ：1990年日本建 体のまち 育てにか 事。エ学博士。 主な著書 本建築学会賞 築学会賞（論 かわって (業績 文）、 ： 『こんな きた。 家に住み )、2013年こども 2001年度日本 都市計画 環境学会 たいナ』 、 学会石川 『まち 再生の術賞、日本生活学会 賞、 語集』 今和次郎 賞。 公益社 団法人 長寿社 会文化 協会（WA C） NPO法人 まちの 縁側育 くみ隊 ティカ フェ開 設 講 座に参 加 し た メ ンバーも 文化のあるところ。 まちの縁側・コミュニ ていく仕掛けであることが鮮明となった。 域に「おいしい文化の雫」 を育み波及させ ま ち の 縁 側・コミュニ ティカ フェは、 地 錦二丁目まちの会所 各自提案をまとめあげ、午後か 名古屋市中区錦 2-13-1 宮本ビル http://www.engawa.ne.jp 錦二丁目長者町界隈のまちづくり 提案となり、個人の関心事がま 名古屋市中区錦二丁目のまちづくりを進める「錦二丁目まちづ 縁側の多様性と可能性について 6 しているまちの会所、地域が設立したまちづくりセンター。地 から、まち中コミュニティカフェ となる実践を学ぶ。後半は各自の 思いを確認し講師陣からの専門的 な助言を行い各自が夢と現実を提 案して綴りだした。 ら発表を行った。内容が多彩な ちの縁側になることや、まちの 名の講師陣から丁寧な講評をも らい、受講生には互いの提案に 示唆を交歓できる発表となった。 「おいしい文 化の 雫 」が ひ と り ひ と り 自 ら の コ ンセ プ ト と 抱 負 を 人と人、人とまちのかかわりの中に生まれ コミュニティカフェ紹介 名古屋市中区丸の内カフェにて、 NPO 法人まちの縁側育くみ隊の 地 域にひろ がってほしい。 もつ方々。 彼らのつぶやきの響き合いの中 てくるひとりひとりの「生きる力」の育み 綴ってみると、「お・い・し・い・ぶん・か・ に、 こ れ か ら 開 花 す る で あ ろ う こ の 地 域 の文化創造としての居場所づくり。それは 愛 知・ 名 古 屋 は、 尾 張 と 三 河 が 個 性 を の多様な居場所づくりのイメージが明らか 子どもからお年よりまで、障がい者から健 の・し・づ・く」 となる。 と なって き た。 例 え ば、「音 楽 と ア ルコー 常者まで、もの覚えのよくない方から元気 競い自らの存在価値を主張してきた歴史・ ル、 ライブラリーでビールなど面白い混ぜ 提案づくり な方まで、混ざりあいの具合のよい、まる うごきづくり 12/21 sat 合 わ せ」「イ ベント も日 常 の 営 み も、 初 め 5 で「おでん」 のようにおいしい文化の雫を 12/7 sat ての人がきやすいように、普段に溶けこん 4 生みだしていく。これはこれからの地域の プで物語を紡ぎ出した。 を支援した空間づくりも学ぶ。 コミュニティ 指すイメージを語り合いグルー の縁側育くみ隊が、建築デザイン でいく」「幸せが巡る満腹亭 側を見学。後半は一人一人が目 までを学ぶ。また NPO 法人まち － 社会において、ひとりひとりが日々を安心 通して地域が育ち合うまちの縁 について、経営面から運営の知恵 して暮らせる状況づくりに不可欠のこと。 夢が実現された。子どもの縁を ミュニティカフェの運営ノウハウ カ フェや オ ヤ ジ飛 び 込 む 熟 女 群」「違 和 感が無いと思える、参加しない自由、見て 加ワークショップにより地域の のコーディネートによる住民参 受講生の中には、近々具体的実践の初め りと、まちづくりの拠点となるコ いる だ け でも 良い関 係」「分 化 し な が ら、 小牧市味岡児童館は、延藤先生 ちづくりの仕掛け方や活動づく の一歩を踏みだされる方も、 数年後に向け 講師の星野博さんから、参加型ま 緩やかにつながりながら、 中心が無い、 脱 かたちづくり 尾張一宮のコミュニティカフェにて講座を開催 てさらに計画を練り上げようとされる方も しくみづくり 11/30 sat ヒエラルキー」「カムツーチイキのヘソの小 3 おられる。本講座を通して、独創的にして 11/16 sat ていきたい。 2 方針を学ぶ。 学 校へ。 笑 顔 だ ゾー、 直 し た る ゾー」「の あるじの包容力と自然体の運営 もらった。 自 由 な 柔 かいま ちの縁 側・コミュニ ティカ 康男さんから運営のコツとして 側の自律的効果」等を投げかけて びりニャン友パラダイス、 祇園精舎の鐘の BOX」の山口耕平さんと大久保 潜在能力を蘇生させる、まちの縁 フェが 多 様に芽 吹 き 育っていく こ と を 期 待 た。名古屋市昭和区「くれよん さんからは「生涯発達する人々の 声、 物 語 が 生 ま れて く る」「静 け さ と 緑に サロンの運営を伺うことができ 示唆に富んだ映像とお話で、丹羽 している。 から、自分史にもなる生き甲斐 GOGO ！」のあるじ永井充さん 囲まれ、駄菓子屋などにぎわいの中でひと 今求められるまちの縁側について 生の実感にみちあふれた居場所が、野草 名 古 屋 市 東 区「 ま ち の 縁 側 羽國子さんと延藤安弘先生からの りボーとできる」「ズボランティア、やらな まちの縁側のパイオニアである丹 のように生き生きと育ちひろがっていくこ きもちづくり いくんは偶然の出会いで変わっていく」「苦 まちの縁側づくりへの 呼びかけ 11/2 sat とに、 これからも機会あるごとにかかわっ 1 因みに、 各キーワードの頭文字をたてに 9/28 sat 労するトラブルをドラマに変える」。 説明会 くり協議会」が、NPO 法人まちの縁側育くみ隊に運営を委託 域づくりの会議室、おまつりや催し企画室になったり、最近で はまちづくり事業が環境面や公共空間活用など多面化した事業 も生まれてきている。他には延藤安弘所有のまちづくり絵本や 専門書、哲学書等ライブラリー機能も併設している。 13 Community Cafe 12 代までの 各自が提案づくりへと進化させた。ま とめからは「良い場所の判断は色々あ 代から 人が参加。ＮＰＯ法人まちの縁側育く るが、人間の内面から発する生きるリ 「 愛 知 」 に は、 み隊の延藤安弘先生を中心に、坪井俊 段階で実践的な探訪と講 ズムが良い物差しではないか。①ある くりまで、 座受講生とのワークショップを経験す る、体験学習ステップアップ型の講座 よんＢＯＸ」の事例を学び、受講生の あ る「 ま ち の 縁 側 Ｇ Ｏ Ｇ Ｏ！」「 く れ ちづくりからスタートした。訪問地で ニティカフェ・まちの縁側への、きも 第 回 「 き も ち づ く り 」 で は、 延 藤安弘先生のミニ幻燈会から、コミュ 澄まし、志民仲間を育もう、巻き込も は、「 志 縁 を 掘 り 起 こ し、 地 域 に 耳 を ただき、実践的に学んだ。まとめから 援など掘り下げたお話と解説をしてい りの苦労話、開設の際の公的・民的支 と経営、さらに仲間づくりや、おまつ 先生から、コミュニティカフェの運営 トされる講座となった。受講生達の今 をふくらませ、仲間の提案にリスペク この 回のステップアップ型の講座 からは、受講者が互いに触発され発想 受けた。 後講師陣からの講評を聞き、エールを フェから生まれる喜びを発表し、発表 第 回 「 提 案 づ く り 」 で は、 こ れ から展開される活動やコミュニティカ 掛けを」が生まれた。 自己紹介とキモチを語り合い交歓させ う！」「 ク リ エ イ テ ィ ブ な 小 さ な 力 の た。 後の展開が期待される。 「 し く み づ く り 」 で は、 尾 第 回 張 一 宮「 ど）は人間もまちも輝かせる！ 人を はぐくみ、まちを発展させる」が導き 出された。 第 回 「 か た ち づ く り 」 で は、 坪 井俊和先生から、住民参加での公共施 つのグループでコミュニティカフェ た、 小 牧 市 味 岡 児 童 館 の 展 開 を 聞 き、 設づくりによって、まちの縁側化され 3 にて展開される物語を綴り交歓した。 第 回 「 う ご き づ く り 」 で は、 名 畑 恵 先 生 か ら 長 者 町 で の「 ま ち が コ ミュニティカフェ」となる活動を聞き、 4 5 岐阜市で作業療法士をしている奥田さん。高 齢者や障がい者が仕事・遊び・休息などの日常 「空間も、心もバリアフリーな場所」という意 奥田さんが提案するコミュニティカフェは 「ふらっとカフェ」。「ふらっと立ち寄れる場所」 でもこんな場所をつくって の作業を行えるようになることで、その人らし 味が込め られている。「ふらっと カフェ」に来 が必要なのか。それは同じ場に居合わせること く生きていけるようサポートをしている。以前、 たお年寄りは、趣味や生き甲斐を通してリハビ みたいなあ」と思ったそう 奥田さんは病院で働いていた。病院では決めら リができる。病気でなくとも体やこころの悩み が大事だ と考えるからだ。「リア ルな場で、五 れ た リ ハ ビ リ し か で き な い、 病 気 に な っ た 人 相談ができる。「ふらっとカフェ」はこのように、 だ。そんな時に今回の講座 しか見れないなど、「制度の不自由さ」があり、 制度内福祉では対応できないコトを補完する役 感 を 使 っ て 刺 激 を 得 ら れ る 場 所。 公 民 館 と カ もの足りなさを感じていたという。 サービスで働いている。新規事業所を出店する に つ い て 知 り、 参 加 す る た 奥田さんは病院を辞め、再スタートを切るま でのあいだ石垣島で休養をとることにした。石 計画があり、そこでのコンセプトとして「ふらっ フェの中間であり、いいとこ取り」。岡田さん 垣島では周りの人が温かく接してくれた。周り とカフェ」の考え方が採用されたとのこと。更 割を担っている。現在、奥田さんは小規模デイ のお年寄りも生き生きとしていた。「地元の岐 なる進展が期待される。 めに石垣島から帰ってきたのだった。 5 はこんな風にコミュニティカフェを表現した。 もできる。それなら、なぜコミュニティカフェ がりを作ったりすることならインターネットで を自由に表現し、他者から共感を得たり、つな 「 Take your Favorite! あ な た の 好 き な モ ノ・ コ ト を 持 ち 込 も う！」。 自 分 の 好 き な モ ノ・ コ ト テ ィ カ フ ェ を 育 み た い。 だ か ら キ ー ワ ー ド は 人と一緒になって楽しむ。そんな風にコミュニ コトを持ち込み、自由に表現してその場にいる さんと交流する。次に、お客さんが好きなモノ・ ずは岡田さんが好きなモノ・コトを通してお客 ノ・コトを自由に表現できる場所」である。ま 第１回発表の様子 阜もこうだったら良いのになあ」「いつか自分 第４回発表の様子 表現の場（絵本・農・食・精神障害な が開催された。 生きるリズム ③まちの生きるリズム 地 域 で 悩 ん で い る 人、 ま ち の 悩 み、 まちの生きる力を内面から弾ませる仕 和先生、名畑恵先生がコーディネート 第２回発表の様子 じ自らの生きるリズム ②ユーザーの 19 して、きもちづくりから始まり提案づ 70 三八屋」の星野博 com-cafe 浩彰（おかだ・ひろあき）さんと奥田陽子（お くだ・ようこ）さんが代表として選出された。 」をキーワー 岡田さんは「 Take your Favorite! ドに、多世代のお客さんが好きなモノ・コトを 持ち込み、一緒になって楽しめる場として、奥 田さんは高齢者が気軽に行ける、 「物理的にも 精神的にもバリアフリー」な場としてコミュニ 岡田さんのコミュニティカフェに対する根本 的な考えは「まずは自分の居場所となるように ティカフェを提案した。 20 5 コミュニティカフェをつくり、それが誰かの居 場所となってもよい」というものだ。 では岡田さんにとって の居場所とはどんな場所 な の か。 そ の 答 え の ひ と つ が、 「自分の好きなモ 「ふらっとカフェ」奥田さん 4 1 2 「コミュニティカフェ講座・愛知」からは岡田 楽しい仕掛けのコミュニティカフェは、眠っているコミュニティを 目覚めさせる。地域にふさわしいコミュニティカフェを。 「Take your Favorite !」岡田さん 14 Community Cafe 15 開 設 講 座 ダ イ ジ ェ ス ト 岡田浩彰さん（愛知県安城市）、奥田陽子さん（岐阜市） 愛 知 Aichi 全国交流会で事業プラン発表 （しなの・さやか）さん 丁佐華さんは、とにかく猫が大好き。実際に 猫を飼っており、猫を介して人の繋がりができ つくりたい」と熱く語ってくれた。 まれ、生き甲斐と目標につながる『居場所』を ることで責任、役割、協力関係などが自然と生 とりでは生きていけないんですよ。他人と関わ 特に、延藤先生が紹介された絵本「わたしたち に対する自分の考えが整理されていったという。 のテーマは「地域の子どもからお年 Chou Chou 寄りまで多世代が集まり、笑顔で繋がるまちの む た めのヒント を 得 たいと、 講 座に参 加 し た。 ナー。 コミュニ ティカ フェを 更 に良いも のに育 信野さやか （たまこし・あきこ）さん るという経験をした。丁さんが提案するのは「猫 のてんごくバス」 は、今後の活動におけるバイ 玉腰明子 ミュニティカフェ」 。猫を飼っている人はしつけの ブルになったとのこと。いろいろな人が「混ざ 丁佐華 （てい・さか）さん （やまだ ・ や す ひ ろ ） さ ん 仕方を相談できる。これから飼う人は猫と出会っ りあう」 カフェとするために様々な提案をされ 山田康弘 たり、猫トモをつくることができる。飼いたく ていた。 岩 倉 市 役 所 内 に あ る、 障 が い 者 の 就 労 支 援 を 行 う カ フ ェ「 さ く ら ん 坊 」 で 働 い て い る。「 さ く ら ん 坊 」 を さ らに地域に根付いたコミュニティカ フ ェ に し た い と い う 思 い か ら、 今 回 の講座に参加した。 「自分がやりたいことをやろう」「だれかと楽し ても飼えない人でも、日常的に猫に接すること 名 古 屋 市 昭 和 区 に あ る「 コ ミ ュ ニ 」のオーナー。 ティカフェ Chou Chou をより良い場所にしてい Chou Chou く た め の ヒ ン ト を 得 た い と 思 い、 今 回 の 講 座 に 参 加 し た。 い ろ い ろ な 世 代が混ざりあう仕掛けをこれからた くさんつくっていきたいとのこと。 みを共有しよう」という思いのもと、それぞれが ができる。 加えて、 カフェ側が猫の保護活動や 信野さやかさんは、障がい者の就労支援を行 うカフェ「さ くらん坊」 で働いている。 障がい 愛 知 県 豊 橋 市 で Ｏ Ｌ を し て い る。 猫 が 大 好 き。 以 前、 猫 を 介 し て 人 が 繋 がるという体験から猫をテーマにし たコミュニティカフェを開設し、もっ とたくさんの人と繋がりたいと思い、 今回の講座に参加した。 描くコミュニティカフェを具現化していき、 最終 里親募集を行うことで、人間も猫も快適に共生 者が働くことにやりがいを感じられるよう、 個々 ＮＰＯ法人セカンドハーベスト名古 屋 所 属。 フ ー ド バ ン ク の 活 動 を し て い る。 寄 付 さ れ る 食 料 品 を 用 い て 料 理を振る舞うコミュニティカフェを つ く り、 会 社 人 間 だ っ た 人 の た め の 定年後の居場所とすることが目標。 山田康弘さんは、フードバンクの活動をして いる。 フードバンクとは、 品質に問題がない食 できるまちを育む。そんな大きな構想を楽しそ のペースを大事にしたり、好きなことを活かす 「コミュニティカフェ開設講座 愛知」に参加した のは 人。最初はコミュニティカフェってなんだろ 品を企業から寄付してもらい、活用する取り組 うに語ってくれた。 発表に臨んだ。 ＊ ＊ ＊ がら、ワークショップを通して思いを語り合った。 う？ というひとが大半だった。全 回の講座で は、 実際にコミュニティカフェを訪れて体験しな みのこと。山田さんはフードバンクを活用して、 といった こ とに取 り 組 ん でいる。 信 野 さ ん は、 と。 に地域住民として活動に取り組んでいくとのこ まちの縁側であると確信し、今後の学校の行方 いの敬愛の心を宿す場所が、コミュニティカフェ・ 生き甲斐を感じられる場所・出会いの場所・互 画 策 し ている。 高 齢 化 し て き た 地 域において、 をコミュニティカフェ・まちの縁側化することを 柳川明弘さんは、 住んでいる高蔵寺ニュータ ウンの小学校が統廃合されることになり、学校 プに取り組んでいきたいと意気込みを語った。 ツを考案するなど、 自分でできるグレードアッ た人がもっと楽しめるように、オリジナルスイー うコミュニティカフェの存在を知ってもらい、来 延藤先生の幻燈会で「わたしたちのてんごく バス」を紹介され、バスで繰り広げられる物語 講生の心に残る言葉となった。 つくってあげたいという言葉を端的に表し、 受 た。この「居てよし」 という言葉は、居場所を 誰かに「居てよし」と言ってあげたいと熱く語っ て あ げ たい。 自 分 が 縁 の 下 の 力 持 ち と なって、 者町で、誰かの居場所となるような場所をつくっ から慣れ親しんだ長者町が大好きだという。長 加藤仲葉さんは、名古屋市中心部の繊維問屋 街、長者町のシェアハウスに住んでいる。幼い頃 た。 誰でも入れる、 楽しい場所にしたいのだと語っ センターにするのではなく、「百貨店」のように のこと。そのためには、学校を単なる生涯学習 一方で、後者にとっても「進路を見直す良い機 会となった」 「カフェ同士の繋がりづくりにもなっ 分が大切にしていることをみんなとシェアする ニティカフェって、なんでもできるのですね」「自 きく分けることができた。 前者にとっては「コミュ 受講生は「これからカフェを開きたい人」と「す でにカフェがあり、 更に発展させたい人」 に大 Ｉｔ Ｂｅ」 。「訪れた人を受け入れてあげた い」「まちを好きになってもらえたらいいな」と いとのこと。梶田さんのコンセプトは「Ｌｅｔ トバー・移動式コミュニティカフェ」をつくりた け合う。そんな「ゲストハウス・コミュニティアー 地域に住むより多くの人に「さくらん坊」 とい 永井充さんは、「まちの縁側ＧＯＧＯ！」の主 宰者。近くの小学校が統合され、廃校になると に感銘を受けたという梶田良さん。「いろいろな た」 という意見があり、両者ともに今後の進展 コ ミ ュ ニ テ ィ カ フ ェ「 ま ち の 縁 側 Ｇ Ｏ Ｇ Ｏ！」 の 主 宰 者。 自 ら の カ フ ェ の み な ら ず、 近 く の 小 学 校 の 統 廃 合 に 伴 う、 廃 校 の 活 用 方 法 を 考 え て お り、議論するために講座に参加した。 永井充 （ながい・みつる）さん 長 者 町 地 区 の シ ェ ア ハ ウ ス に 住 み、 アートの仕掛け人としても活動して いる。「コミュニティカフェ」や「居 場所」という言葉の包容力に興味と 必要性を感じ今回の講座に参加した。 加藤仲葉 （かとう・なかば）さん コミュニ ティカ フェの デ ザイ ンと 木工 を担う芸術家。「人と人のナマの出会 いの場」を求め、「ゲストハウス・コミュ ニティアートバー・移動式コミュニティ カフェ」を開設することが目標。 梶田良 （かじた・りょう）さん 場所ですね」と理解している様子だった。 いう。 聞き、 危機感を募らせ ていた。「生徒数が減る 人が集まる場所、 一息つく場所をつくりたい」 「そ が期待される。 ＊ ＊ ＊ から学校を減らすのではなく、老若男女が集う こで人と人のナマの出会いを通して、刺激を受 高 蔵 寺 ニ ュ ー タ ウ ン に 住 み、 ま ち づ く り に 携 わ っ て い る。 小 学 校 が 統 廃 合 さ れ る こ と に な り、 廃 校 を 利 用 し た コ ミ ュ ニ テ ィ カ フ ェ・ ま ち の 縁 側 を実現しようと画策している。 柳川明弘 （やながわ ・ あ き ひ ろ ） さ ん から学校を減らせない」 という状況にしたいと かな料理教室を開こうと考えている。「私は、ひ たまり場」 。 講座を通して、コミュニティカフェ 会社人間だった退職者を外へ連れ出し、にぎや 玉 腰 明 子 さ ん は、 ２ ０ １ ３ 年 にオ ープンし 」のオー た コ ミ ュ ニ ティ カ フェ「 Chou Chou 5 19 16 Community Cafe 17 受講生の声 人生を豊かにしていく為の コミュニティカフェが動き出した。 愛 知 Aichi 斐の場としたい」という思いから、音楽と笑 緑の蔦が這い、季節感のある表情を街角に 投 げ か け る「 ま ち の 縁 側 Ｇ Ｏ Ｇ Ｏ！」 。名古 画鑑賞会、 パソコン相談室など が行われる。 しみたいこと、例えば笑いヨガ、懐かしの映 い声がひ ろがる場を育ててい る。「まちの縁 屋市のコミュニティ道路第１号である「にれ 特に人気なのは、好きな曲を持ち寄ってみん 側ＧＯＧＯ！」では、永井さんがみんなと楽 の小道」に面し、小学校がすぐ近くにある。 なで歌う「 ほのぼのリハーサル 」。週に１回 が素晴らしい」 「暖かい空間だと感じた」と 粋に、自由に、好きなものを楽しんでいる姿 し ん で い る よ う だ っ た。 受 講 生 か ら は、 「純 の人たちや、旭丘高校音楽部同窓生の生き甲 域に開く担い手になることで、地域の多世代 てられてしまうかもしれなかった資料を、地 んのコレクションを引き継いだものだ。 「捨 永井さんの高校の先輩にあたる、浅井幸三さ 我を出す 」「無理しない、無茶し ない」こと カフェを 継続する秘訣は「我を おさえつつ、 山口耕平さんにお話を伺った。コミュニティ いる。「もっと 多くの人に気軽に 使ってもら て、企画を持ち込むこともできるようにして ために勉強会を開きたい」など、空間を借り を開きたい」「新しいことにチャレンジする 加 え て「 ま ち の 縁 側 Ｇ Ｏ Ｇ Ｏ！」 が 企 画 する催し 以外にも、「得意技を生 かして教室 三八屋 com-cafe も多かったのではないだろうか。 という山口さんの言葉に、励まされる受講生 だ そ う だ。「 そ れ で も、 や っ て い け ま す よ 」 「ＡＪＵ 障がいを持った仲間達が集まり、 福祉情報誌」の編集委員が結成され、その活 ＯＸ」の特徴のひとつは、 緑豊かな外部空間。 してまちに開くようになった。 「くれよんＢ したが、来た人が楽しめるように、カフェと が開設された。最初は作業所としてスタート ＮＰＯは地元のお祭り「社の宮市」の企画・ ＰＯ法人「 志民連いちのみや」 の理事長で、 星野博さんは、まちづくり活動を展開するＮ としてス タートした「三八屋」。 オーナーの ２００１年 月 日にたった 坪のスペー スで、３と８の付く日限定で営業する珈琲店 動拠点として２００１年に 「くれよんＢＯＸ」 大きな木の背後にひっそりとカフェが佇み、 運営などを行っている。お祭りの規模の拡大 http://www.crayon-box.jp/ 名古屋市昭和区小桜町3-11 羽ね屋敷1階 TEL:052-733-5955 土曜日11:00～18:00 祝日休 com-cafe 三八屋 8 31 http://www.38ya.org/ TEL:0586-27-4838 12:00～23:00 日曜休 50 愛知県一宮市本町4-1-9 年に ゆっくりとした時間が流れる。受講生はラン 月 や、「 志 民 活 動 」 が 活 発 化 す る の に 伴 い、 活 三八屋」を２０１０年 cafe チのタコライス・ロコモコ・ナポリタンを食 コミュニティカフェ紹介 運営者：NPO法人志民連いちのみや 動 拠 点 が 必 要 と な っ た。 そ こ で、 築 4 べたり、コーヒーを飲んだりしながら、会話 8 を弾ませた。 3 くれよんＢＯＸ いう声が挙がっていた。 レストランでコンサートをしている。 主（あるじ）の永井充さんは２０１１年に前 建 物 の 中 に 入 る と、 壁 一 面 に 棚 が 配 置 さ れ、 万点に及ぶ音楽資料が収められている。 以上は練習し、月に１回は近くのイタリアン まちの縁側ＧＯＧＯ！ 永井さんのご指導により「わらいヨガ」を体験 任者からこの空間を受け継いだ。 運営者：NPO法人くれよんBOX なる建物を全面改修し、新しくなった「 com日にオー 講座では「くれよんＢＯＸ」の職員である くれよん BOX GO G O ! http://engawagogo.exblog.jp/ 名古屋市東区代官町29-18 柴田ビル1階 TEL:052-930-2505 まく使って行くことが大事」と話していた。 ように、ひと・もの・こと・かね・情報をう でも、されどお金。お金に心が支配されない 入 し、 経 費 を お さ え て い る。「 た か が お 金、 ものだ。運営面でも安価な会計システムを導 生スタッフを派遣し、手伝ってくれるという 付き支援。お金を借りられるだけでなく、学 要だったという。そこで利用したのがソフト 設備に２００万円の合計１０００万円程度必 ６００万円、設備に２００万円、地ビールの い た だ い た。 初 期 投 資 と し て、 店 舗 改 装 費 実践している金銭的な工夫についても話して 星 野 さ ん の 本 業 は 税 理 士。 講 座 で は、 コ ミュニティカフェを運営していくにあたり、 リー」として再スタートした。 高 い 醸 造 免 許 の 取 得 に 成 功 し、 「一宮ブルワ し、「これならできそう」と確信。 難易度が 合っていた。富山にある小規模醸造所を視察 ワリー」のマイスターと復活させようと誓い 野 さ ん は「 尾 張 ブ ル 廃 業 し て し ま い、 星 地 ビ ー ル が あ っ た が、 ブ ル ワ リ ー」 と い う 前、 一 宮 に は「 尾 張 を 提 供 し て い る。 以 れ、 お 店 で 地 ビ ー ル ル醸造所が併設さ 三八屋」 「 com-cafe には小さな地ビー プンさせた。 が い ち ば ん「 ま ち の 縁 側 Ｇ Ｏ Ｇ Ｏ！」 を 楽 ことで魅力を伝えた。その中でも、永井さん その場にいる全員で体験し、楽しんでもらう やってみ ましょう」と、合唱や 笑いヨガを、 お話を伺った。永井さんは「じゃあ、一緒に 受 講 生 は 永 井 さ ん に「 ま ち の 縁 側 Ｇ Ｏ Ｇ Ｏ！」 で は 普 段 ど ん な 活 動 を し て い る の か、 に対する危機感を語っている。 す。本当にそれでいいのかな」と地域の課題 くの小学校が統合されて、なくなるみたいで るなど、地域で積極的に活動されている。「近 Ｏ！」以外でも、近くの小学校で野球を教え 永井さんは「音楽とスポーツ、文化がいっ ぱ い！」 を 合 い 言 葉 に、「 ま ち の 縁 側 Ｇ Ｏ Ｇ える空間にしていきたい」とのこと。 まちの縁側 18 Community Cafe 19 カフェ 1 運営者：永井充 りの実践について聞く 星野さんからコミュニティカフェとまちづく コミュニティ の 現場を訪ねて コミュニティカフェ紹介 愛 知 Aichi 10:00～16:00（時間外でも相談に応じます。） 土・日曜休 講 座 アーカイブ コ ーヒー の 入 れ 方 や 事業計画の 作 り方 など 学 ぶ 。 1 9/14 sat コミュニティカフェを開いてみたいとい う方を対象とした「コミュニティカフェ 開設講座 金沢」には 20 名の男女が 参加。 コミュニティカフェの役割やコー ヒーの入れ方、カフェ運営のための事 業計画策定などを学んだ。 2 コミュニティカフェって 何だろう？ 特定非営利活動法人 金沢観光創造会議 計画や起業のための手続きを解 19 人 と 人 をつな ぐ 場 、コミュニティカフェ 第一善隣館が１９３４年に開設されたの 伝 統 を 活 か す、 創 造 を 生 み 出 す。 まちなかを網の目のように流れる用 を皮切りに、市内 カ所で設置されてい 人々のライフスタイルが変わり、いつ 水。せせらぎの脇に設けられた洗い場は 径（こみち）を抜けると突然、広見（ひ しか人は強固な地縁血縁に息苦しさを覚 く。善隣館は、全国に例をみない地域コ ろみ） と呼ばれる空間が広がる。藩政期、 えるようになっていく。そんな中、東日 かつて、洗いものをする女性たちが集う 外敵を待ち伏せるために築かれたとも、 本大震災を経験した私たちは、「きずな」 ミュニティの拠点となってきた。 火災の延焼を防ぐために設けられたとも 「つながり」を見直すようになる。そこ 場であった。武家屋敷の間を縫う細い小 される空間は、普段は住民たちが輪を作 る、互いに助け合うことができる。そん に 行 け ば、 人 と の つ な が り が 確 認 で き 加賀百万石の城下町として栄えた金沢 な場を求める中で、コミュニティカフェ り、話に花を咲かせた場でもあった。 は、戦災に遭わなかったこともあり、歴 単にコーヒーを提供するカフェではな が広がってきたのではないか。 しい創造力が調和して古くて新しいまち く、まちの縁側、地域の居場所となるコ 21 史と文化を基調に、培われた伝統と、新 を形成している。兼六園や武家屋敷跡が 21 コミュニティカフェ 全国交流会成果発表会 ミュニティカフェを開設し、継続してい sun コミュニティカフェ 開設講座説明会 世紀美術館や鈴木大 説した。バリスタの林清之さん 紹介した。 あり、一方で金沢 富山県内でまちづくりに取り組む の沖﨑守昭さんがそれぞれ事例を 2/23 コミュニティカフェで 社会を変える 税理士の堀内龍文さんが、収支 んと NPO 法人富山観光創造会議 sat 11/30 sat コミュニティカフェの重要なテー リタ・クラブ代表の平木柳太郎さ 8/31 夫点などを聞いた。 6 マの一つである「まちづくり」 。 くためには何が必要なのか。講座の中で を開設したきっかけ、運営の工 画書の策定指導も行われた。 社会とのつながりのために 拙館が新たな顔となり、２０１５年には 同市武蔵町の「カフェどんぐり 遇について解説した。中小企業診 11/2 sat Is h ikawa 例 を 学 ぶ た め、 金 沢 市 野 町 の もてなし ” は大切な要素。マナー 5 は、コミュニティカフェに求められる役 の木」を訪ね、運営者からカフェ 北陸新幹線が開業する。 断士の塩山徳宏さんによる事業計 割を学んだのをはじめ、起業家として必 「Zenrin Cafe（善隣カフェ） 」と、 歴史の中で、金沢は独自の地域コミュ 講師の高由妃さんがお客様への接 要な知識を習得し、事業を継続するため コミュニティカフェの先進事 ニ テ ィ を 育 く ん で き た。 「助け合いの心 コミュニティカフェにとって “ お の事業計画づくりに取り組んだ。 コミュニティカフェ探検隊 で、近隣の人々と心をかよわせ、支え合 10/26 sat 受講生にはすでに開設にこぎつけたメ 4 い、互いに善き隣人を創っていく」とい 変わっていった。 ンバーも現れている。皆さんの目標が達 場に活用する方策を紹介した。 つ具体化できなかった夢が計画へと う善隣思想が生まれ、行政に頼らず、地 澤町家をコミュニティカフェの どんなカフェを開こうか、いまひと 成されるよう主催者からも期待を寄せる 会理事長の川上光彦さんが、金 で「見える化」することに取り組んだ。 域の篤志家が中心となって託児所、授産 教授で、NPO 法人金澤町家研究 町家（まちや） 」 。金沢大学名誉 ところである。 ニティカフェをワールドカフェ形式 所などの役割を担う善隣館を開設する。 金沢の貴重な財産である「金澤 コミュニティカフェの おもてなしと事業計画 特定非営利活動法人 金沢観光創造会議 代表理事 まちづくりから見た コミュニティカフェの役割と課題 さまざまな言葉で定義されるコミュ 10/19 sat 石 川 加茂谷慎治 かもや・しんじ 企業で企画、法務、広報、秘 書の業務を担当し、2008 年、デザイン総合プロ デュース会社「株式会社エイチツーオー」設立。 地域情報誌の編集や、企業・団体・商店街の広報 コンサルティング、イベント企画運営、農商工連 携コーディネーターとして活動する。いしかわ観 光特使、石川県男女共同参画審議会委員。 9/28 sat ニティカフェ。自分が思い描くコミュ 3 代表 によるコーヒーの入れ方実演に 続き、参加者の成果発表会が行 われ、講師が審査員を務め、事 コミュニティカフェ紹介 業プランについて講評を行った。 「コミュニティカフェを始めませんか」と題して、講座開講 に先立つ説明会を開催した。前年、東京都で開催された開設 講座に参加し、受講生とともにコミュニティカフェを開設 した「なかのコミュニティ研究会 てたて」のさいとうゆ うこさんを講師に、カフェ運営に向けた取り組みを聞いた。 ニットスタジオ F ik a（フィーカ） 金沢市香林坊 2-4-30 香林坊ラモーダ 8 階 http://cafe-fika.jp デザイナーで似顔絵あみぐるみ作家の木和田里美さんが “ 編み 物 ”、“ 手芸 ” をテーマに癒しとクラフトの空間を作りたいと デザイン会社に併設して開いた「ニットカフェ」 。参加者は、 東京・四谷の主婦会館で開催されたコミュニティカフェ全 お茶やスイーツを味わいながら、楽しい会話を弾ませ、編み 講座受講生を代表し、笹次和子さん、井上友里さんの 2 人 愛知県、静岡県から駆けつける方もいるほど。木和田さんオ 国交流会の席上、受講者の成果発表会が開かれ、石川県の 物に取り組んでいる。作品を仕上げようと、はるばる東京や がコミュニティカフェ開設プランを発表した。 リジナルの「似顔絵あみぐるみ」も人気を集めている。 Community Cafe 20 代から 「コミュニティカフェ開設講座 金沢」 代までの男女 人が には、 70 20 側 が“ お も て な し ” の 精 神 で 目 配 り、 心配りをすることが肝要であると強調 し た。「 ま ず は、 カ フ ェ を 開 い た ら お 客様が第一歩を踏み入れる玄関を『聖 地』として、掃除を心がけ、心安らぐ 場所にしましょう」と呼びかけた。 き、 人はためらいを覚えると思います。 を始めるとき、独立をしようとすると 講師の一人、税理士の堀内龍文（ほ りうち・たつふみ）さんは「ビジネス 定費』を抑えることが、成功への道で した。設備と家賃と人件費、つまり『固 下げる方法を考えるべきであると指摘 ない」としたうえで、失敗の可能性を 今の収入がなくなる。あげればきりが とたずねる。「借金、貯金がなくなる、 堀内さんは「失敗とはなんでしょうか」 生に理想の場所を作ってほしいと期待 ティカフェではないか」と話し、受講 『 安 心 感 の あ る 場 所 』 こ そ、 コ ミ ュ ニ 化に出会える場所』 、『開放的な場所』 、 所とされる『人に出会える場所』、 『文 と い う 一 説 を 引 き、「 居 心 地 の よ い 場 「創造性は居心地のよい場所を求める」 加茂谷さんは、米国の都市経済学者 リチャード・フロリダが著書に示した 「創造性は居心地のよい場所に」 それはなぜか。『失敗したとき』。これ あ る と 解 説 し、「 好 き な こ と を ビ ジ ネ 固定費抑えて継続を が頭をよぎるからです」と説いた。 を込めた。 とした計画を立て、目標を実現してほ しい」と激励した。 目配り、心配りを忘れず 「 居 場 所 づ く り に は、 お も て な し が 大切です」と説いたのは、マナー講師 で、おもてなし総合研究所代表の高由 紀（こう・ゆき）さん。高さんは、さ まざまな人の出会いの場となるコミュ ニティカフェだからこそ、受け入れる し、デイサービス事業を開始した。ケアマネー ジャーとして高齢者の介護に当たり、２００５ 年には運営母体を有限会社に変更し、地域福祉 の第一線で活動してきた。 伴侶に先立たれてうつ状態となって閉じこ もっている人や、体力が低下し転倒を繰り返す 人たちの姿を見るにつけ、介護認定を受けた人 た ち の 隙 間 を 支 援 し た い と 考 え た 笹 次 さ ん は、 昨年、デイサービス施設の運営を後進に譲り、 コミュニティカフェを立ち上げたいと切望する ようになったのである。 らない。そんな時、路上の てもメニューの中身が分か そんな時に見つけた「コミュニティカフェ講 座開講」の知らせに、迷わず参加することを決 縁台に座った現地の人たち 母である笹次さんに誘われ、開設講座に参加 することになった井上さん。当初は「自分がど また一歩実現に近づいた。 せが入った。笹次さんのコミュニティカフェは た「創業支援補助金公募」に選ばれたとの知ら 込む笹次さん。発表の数日後、県に申請してい 「発表の最後には私の一番好きな句、『傘寿と は 何ほどのこと 水着買う』を紹介させても らいました。まだまだ挑戦し続けます」と意気 明るい笑顔は周囲を元気づけてくれた。 ジする姿は、講座参加者にも大きな励みとなり、 た。発表を終えた井上さんは「いつか夢を実現 発表会では、フォトグラファーとして撮りた めた金沢の風景写真を使ってプランを説明し を店名にしようと考えました」と楽しげに語る。 音しやすいようにした“Ｍｙ Ｄｏｏｒ Ｓｏｎ” さつに用いる『まいどさん』。これを英語で発 フェを作ろう。井上さんは「金沢の言葉であい いる外国人観光客を支援できるコミュニティカ の壁を超えて熱心にコミュニケーションを図ろ から話しかけられた。言葉 沢を訪れて、道に迷い、食べ物の選択に困って 金沢観光創造会議代表理事の加茂谷慎治さん スとして選択し、社会に貢献すること 東京・四谷で 月 日に開催されたコミュニ ティカフェ全国交流会では、 「コミュニティカ フェ講座 金沢」受講生から選ばれた二人が事 業プランを発表した。発表したのは、笹次和子 （ささじ・かずこ）さんと井上友里さん。母娘 でそろって講座に参加、それぞれが思い描く事 業プランを作り上げ、全国交流会に臨んだ。 笹次さんのプランは「世代を越えてつながる こ と が で き る 場 所 湯 の 町 え ん が わ サ ロ ン 」 。 石川県の日本海べりのまちに生まれた笹次さん は、白衣の天使を夢見て看護学校を卒業、福井 県との境にある山中町（現在は加賀市）の病院 めた。 歳を超えて、なお新しい道にチャレン んなコミュニティカフェを運営したいのかが分 させるための第一歩となりました」と話し、充 うとする異国の人たち。そうだ、自分が住む金 からない」と悩んでいた。ところが、講座期間 実感に包まれていた。 異国の地で、美味しいものを食べようと思っ 中に出かけた台湾で思わぬヒントを得た。 「まいどさん」のプランを発表する井上さん ほどすばらしいことはない。しっかり おもてなし総合研究所代表の高由紀さん 新たにカフェを始めようと考える参 加者の大半がうなずいた。これに対し、 とともに、エールを送った。 が講師として、受講生に情報を伝える 毎回、さまざまな分野のエキスパート コ ー デ ィ ネ ー タ ー・ 主 任 講 師 を 務 め、 加茂谷慎治（かもや・しんじ）さんが ＰＯ法人金沢観光創造会議代表理事の 参加した。全６回の講座を通して、Ｎ 30 に勤務し、 そのまま町内の男性のもとに嫁いだ。 看護師として経験を重 ね た 後、 ２ ０ ０ ０ 年 に 介 税理士の堀内龍文さん 22 Community Cafe 23 護保険法が施行されると ともにＮＰＯ法人を設立 笑顔で発表する笹次さん 70 23 失敗を恐れず、おもてなしの心で、理想の場所を エキスパートが説く、コミュニティカフェ実現の道 2 開 設 講 座 ダ イ ジ ェ ス ト 笹次和子さん（石川県加賀市）、井上友里さん（金沢市） 石 川 Is h ikawa 全国交流会で事業プラン発表 奥 能 登 の 中 心、 輪 島 市 で 団 体 職 員 と し て 働 き な が ら 華 道 講 師 を 務 め る。 自宅で華道を学んでもらうだけでな く、 地 域 の 人 に 親 し ん で も ら え る ス ペースができたらとコミュニティカ フェ開設を目ざす。 東浩子 （あずま・ひろこ）さん 障 が い 者 の 就 労 支 援 を 行 う「 Zenrin （善隣カフェ）」の代表。母体で Cafe ある福祉施設の施設長も務めている ため、多忙な日々を送る。 宇野孝一 （うの・こういち）さん 夫とともに自動車部品販売店を経営 し て い た が、 ３ 年 前 に 店 を 閉 じ、 何 か新しいことを始めたいと考えてい た。 コ ミ ュ ニ テ ィ カ フ ェ と い う 言 葉 に興味を抱いて参加した。 小塩恵子 （こしお・けいこ）さん 陶 芸 家 の 夫 を サ ポ ー ト し な が ら、 染 色 家 と し て 創 作 活 動 を し て い る。 地 元 の 小 学 校 で、 読 み 聞 か せ の ボ ラ ン ティアを 年にわたって続けている。 戸出亜子 （といで・つぎこ）さん と話し、積極的に講師に質問するなど意欲的 ニティカフェというものを学ぼうと思った」 いく大切さについて力説した高塚さんは講座 めに講座への参加を決めた。カフェを続けて ついて気軽に語り合えるカフェを実現するた 「コミュニティカフェ開設講座 金沢」に参 人。それぞれが思いや計画、目 だった。 する「認知症カフェ」の月１回開催にこぎつ 加したのは 片道３００キロを超える距離をものともせ ず新潟市から講座に足を運んだのは、笠原志 けた。 講座でした。自分の得意分野を伸ばし、仲間 だから集まる縁側が必要、とさらに実感する せ て く れ た 土 田 洋 子 さ ん。 「 今 は、 個 の 時 代 と言うのは、いつも温かい笑顔で周囲を和ま 『コミュニティカフェだね』と言われ、コミュ だわって開設したわけではないが、周囲から （ 善 隣 カ フ ェ）」 の に 開 設 し た「 Zenrin Cafe 代表を務める。 「 『コミュニティカフェ』にこ 年設立）の施設長であり、同館が２０１２年 のうち最も歴史が古い第一善隣館（１９３４ 宇野孝一さんは、コミュニティカフェを運 営する経験者。金沢の地域福祉拠点「善隣館」 ミュニティカフェを視察したとき、改装や集 フ ェ を 考 え て い た が「 講 座 の 中 で 市 内 の コ 教室を充実させる手段としてコミュニティカ 東浩子さんの華道教室は、輪島市中心部か ら離れた町の急な坂の上にある。自宅の華道 充実していた」と話す高塚さんは、認知症に 前に訪れたデンマークでは、患者への支援が 周囲の理 解が不足しているこ とを実感。「以 高塚亮三さんは、自分がグループホームを 運営するなかで、認知症患者とその家族への ると誰もが確信した。 りたい」と話す笠原さんの思いは必ず実現す くの方とコミュニケーションをとれる場を作 ニティカフェを開設し、障がいを持つ方が多 ンバーからも尊敬される存在だった。「コミュ 実現に至り、地元の新聞にも報道された。認 受講生のうち、髙塚さんが計画した「認知 症カフェとまり木」は講座修了後、まもなく を燃やしていた。 「自分の特技を生かして地域貢献がしたい」 介してくれた。 フェを熱心に取材し、講座の中で受講生に紹 の も の に す る た め、 県 内 の コ ミ ュ ニ テ ィ カ という彼女は、陶芸家の夫とともに陶芸教室 ろんな人とつながることができてよかった」 う 気 持 ち で 参 加 し た。「 講 座 に 参 加 し て、 い いることと何かつながることがあれば」とい 内からは、金沢市を中心に奥能登・輪島市か 回の講座に臨んだ。石川県 ら福井県境に近い加賀市山中町まで、さらに 郎さん。前夜に金沢に駆けつけ、最前列で熱 標を持って、全 県外は、 新潟県や富山県からも、コミュニティ 心に講師の話にメモを走らせる姿は、他のメ で支え合いながら、楽しい時間、人生を過ご 客に関する運営者の苦労話が、とても勉強に 知症に悩む方や家族にとっての大きな支えと ＊ ＊ ＊ したい。今後は地域の現状を把握して、場所 なった」と言う。カフェを開く場所をもう一 なり、活動の輪が大きく広がっている。 講座をきっかけに人との交流が楽しくなり、 顔をほころばせた。 「趣味も特技もないけど、 の人と交流し、 「一気に世界が広がった」と 募したという。講座に毎回、足を運び、多く わからないが、何かを始めたくて」講座に応 想に燃えて始めるのではなく、しっかりとし ループになり「何を始めるにしても、ただ理 いた。別の運営者の方々と講座の中で同じグ を何かに利用することができないかと考えて 理事を務めるＮＰＯの事業所の空きスペース 今回の講座にはＮＰＯ運営者の方もたくさ んいた。その一人、元尾サチさんは、自身が に変え、現実のものとなるように一歩一歩着 スピードに違いはあるものの、ともに学ん だ仲間の動きを励みに、受講生は、夢を計画 開設に大きな一歩を踏み出した。 提出。創業支援の補助金交付が決まり、 カフェ 講座を通して、事業計画を取りまとめ、県に ＊ ＊ ＊ やギャラリーを併設したアートカフェを現実 や仲間を探し、カフェを実現したい」と熱く 度検討しなおし、夢の実現に向けて気持ちを 気持が外へ向いてきた」 と言う小塩さんには、 元尾サチ （もとお・さち）さん 実に前進している。 笠原志郎（かさはら・しろう）さん 在 宅 療 養 を 推 進 す る「 Ｎ Ｐ Ｏ 法 人 い し か わ 在 宅 支 援 ね っ と 」 理 事。 看 護 師 と し て の 経 験 を 生 か し、 同 Ｎ Ｐ Ｏ が運営する高齢者の在宅ケアや医療 相談を行っている。 た理念と具体的な根拠に基づいた経営方針が 土田洋子 （つちだ・ようこ）さん 新 潟 市 に 本 拠 を 構 え る「 Ｎ Ｐ Ｏ 法 人 に い ま ー る 」 の 理 事 長。 聴 覚 障 が い や言語障がいを持つ方の支援を行う。 手話教室や就労支援に取り組んでい る。 この講座自体がコミュニティカフェそのもの 髙塚亮三（たかつか・りょうぞう）さん 長 年、 会 社 員 と し て 医 療 事 務 に 携 わ り な が ら、 コ ー チ ン グ・ フ ラ ワ ー デ ザ イ ン・ 編 み 物 講 師・ 整 理 収 納 ア ド バ イ ザ ー な ど の 資 格 を 取 得。 最 近 は 「断捨離」にはまっている。 必要だと学んだ」と事業計画の再構築に意欲 グ ル ー プ ホ ー ム を 運 営 す る「 Ｎ Ｐ Ｏ 法人老人介護マトリックスとまり木」 の 理 事 長。 認 知 症 患 者 本 人 と そ の 家 族への支援を行っている。 だったのかもしれない。 ３年前まで、夫と会社を経営していた小塩 恵 子 さ ん。 会 社 を リ タ イ ヤ し た 後、「 何 か は 語ってくれた。 高めている。 受講生を代表して、全国交流会でプランを 発表した笹次和子（ささじ・かずこ）さんは、 終了後、デンマーク風のパンやチーズを提供 カフェ実現を目指して受講生が駆けつけた。 10 たまたま訪れたギャラリーで講座のチラシ をみかけ た戸出亜子さんは、「自 分が考えて 6 20 24 Community Cafe 25 受講生の声 夢を現実に、一歩一歩前進続ける 石 川 Is h ikawa 「コミュニティカフェ開設講座 金 沢 」 で は、 教 室 で の 座 学 に 加 え て、 「コミュニティカフェ探検隊」 金澤町家を活かした ホッとする空間 「カフェ どんぐりの木」は、建 築士でもあ るオーナー母娘が昭和初期の町家を改築し、 ている。入口の英国製のステンドグラスドア スパゲッティ（ミートソース）450円 運営団体：社会福祉法人第一善隣館 どんぐりの木 http://www.redecoreya.com/ 金沢市武蔵町16-19 TEL:076-255-1678 10:00〜18:00 水曜、第1・3日曜休 1〜3月は毎週日曜休 がいいのかいろいろと考えてみました」と話 を開いたら、コーヒーに合うどんなスイーツ と笑顔を見せ、井上厚子さんは「自分がカフェ を活かした空間が温かみを醸し出している」 木造二階建ての民家を改装した店内を巡っ た受講生の感想もさまざま。東浩子さんは「畳 の現状を紹介した。 くる。そんな交流の場になっている」 とカフェ 障がいを持ったスタッフがメニューを運んで ち寄り、中 学生が机に向かって 宿題に励み、 受講生として講座に参加した第一善隣館施 設長の宇野孝一さんが「お年寄りが気軽に立 の空間をうまく 子 さ ん は、「 町 家 を目指す笹次和 ティカフェ開設 かしたコミュニ 自宅の町家を活 得 た よ う だ っ た。 ランのヒントを と 話 し、 事 業 プ なっていますね」 とできる空間に 受 講 生 の 土 田 洋 子 さ ん は「 金 沢 の 特 徴 と も い え る『 町 家 』 を 活 用 す る こ と で、 ホ ッ 材が用いられている。 など、至るところにアンティークな部材や資 カフェ し、さらにプランを掘り下げたようだった。 運営者：工藤愛子 = カフェ どんぐりの木 つけた工藤さん（中央右）から説明を受けた と 題 し て、 実 際 に コ ミ ュ ニ テ ィ カ フェを訪ね、運営者から開設までの苦労や開 設後の工夫点などを聞いた。受講生は、各カ フェの取り組みを自らの励みにするととも に、プラン策定の参考とした。現場を目の当 けたイメージも広がっていったようだ。受講 オープンした。カウンターやテーブルに古民 たりにしたことで、受講生のプラン実現に向 生は、 町家を活かした金沢市武蔵町の 「カフェ 家の無垢材を再利用するなど、昔懐かしい風 カフェ） 」を見学に訪れた。 けるように工夫しています」と食へのこだわ 合いを十分に感じさせてくれるつくりとなっ 活用し、雰囲気のある居場所ができている。 りについて説明した。 コーヒー300円 たんとカレー450円 いうことも分かった」とうなずいていた。 に開設した。障がい者の就労支援に当たるＮ の場にしようという目的で、２０１２年暮れ が、地域の子どもや高齢者、障がい者の交流 して活動を続ける社会福祉法人「第一善隣館」 る 隠 れ 家 的 な カ フ ェ が「 Zenrin Café （善隣 カフェ）」。１９３４年から地域福祉の拠点と 「忍者寺」として知られる妙立寺近くにあ 「善隣館」が運営する交流の場 地域福祉の拠点 運営するうえで、スタッフの確保が大切だと （善隣 な っ て い る 同 市 野 町 の「 Zenrin Café どんぐりの木」と、障がい者の就労の場とも 材が用いられている = カフェどんぐりの木 ＰＯ法人が運営に協力しており、障がい者施 TEL：10:00〜16:00 日曜、祝日休 26 Community Cafe 27 カウンターをはじめ店内至るところにこだわりの部 設で作られた『たんとカレー』がおすすめメ 金沢市野町1-3-22 TEL:076-259-0059 ニューとなっている。 https://www.facebook.com/ZenrinCafe オーナーで同カフェを運営する工藤愛子さ んは「手づくりケーキや和スイーツにも趣向 Cafe を凝らし、近隣の方や観光客にも満足いただ 畳の空間が温もりを感じさせる店内 = Zenrin 受講生は、町家を活かしたカフェ開設にこぎ く受講生 = Zenrin Cafe カフェ Zenrin Cafe（ 善 隣 カ フ ェ ） 日替わりランチ（月・火・木・金曜）750円 コーヒー350円 受講生として参加した Zenrin Cafe（善隣カフェ）の宇野さんから話を聞 コミュニティ の 現場を訪ねて コミュニティカフェ紹介 石 川 Is h ikawa コミュニティカフェ紹介 講 座 アーカイブ 自 分 の イメー ジ を し、ワークショップを中心に講 座を行った。また、フィールド 言 葉 にし 、現 実 にする 。 ワークも多く行い受講生は現 京都の講座には 20 名が参加 代表 9/28 sat 2 コミュニティカフェって どんなとこ？ 10/12 sat 特定非営利活動法人 つながる KYOTO プロジェクト ちの居場所が生まれることになる。また、 2 つの居場所の影響を受けた全国のま や「新大宮みんなの基地」の桑田 この た京都造形大教授の熊倉敬聡さん ちの居場所も少なくないといえる。 東京の「三田の家」の運営にも携っ 祉活動から、それ以外の方にも開けた居場 事業計画発表会 24 年度より始まるなど、これ 12/7 sat ゆえ、受講生には共に作るということも想 業計画を作った。 行った。 本講座には京都や近くの大阪、兵庫だけ それをふまえた上で受講生は事 イメージを膨らましていく作業を 定した上で講座を受講してもらった。 と き に 起 こ る 問 題 を 解 説 し た。 た。また、この回より事業計画の 常に楽しみである。 梶宏さんが実際に運営を行った カフェを訪れ、運営者に質問し 「 地 縁 」と「 志 縁 」が 共 存 する 伝 統と 革 新 が 織 りなす居 場 所 作 り 京都は、日本の中で住民自治組織の活動 校）を起源とする元学区 このような中で、住民自治組織も今まで が盛んな地域である。特に中心部において （現在の小学校区とは異なる）を中心に明 は元学区民に対してのみの限定的な地域福 は番組小学校（ 治時代以降、まちづくりや地域福祉が発展 してきた。 所作りをはじめるようになっている。この る 形 と な っ て い る。 特 に 京 都 市 に お い て これら元学区を中心にそこに住まう人の は、「 高 齢 者 の 居 場 所 づ く り に 対 す る 助 成 ような流れで、京都には「志縁」ベースの しかしながら、住民の就労形態が自営か 制度」が平成 つながり作り、居場所作りが小学校（小学 ら雇用に変わったことや、新規の住民が地 らのみなさんの活動を受けて行政も支援に 居場所と「地縁」ベースの居場所が両立す 域とあまり関わらないマンションに流入し 校跡地を含む）を中心に行われている。 てきたことなどにより、地域の行事などを 乗り出しつつあり、興味を持つ人も増えて 今回の講座の中では受講生のみなさんに 含め、旧住民と新住民の関わりが弱まって にいえることだが、新住民を含め地域など グ ル ー プ ワ ー ク を 中 心 に 行 っ た。 居 場 所 きている。 と関わりを持たない人が増えてきている。 （コミュニティカフェ）の運営において、 きている。このような事情もあり、全国的 ただ、このような人達の中にも人と人との 64 かわる会理事長で自身も居場所 毅さんが解説した。それをもと 5 一人で行うことは非常に困難を伴う。それ づくりをおこなった経験のある つながりを求め、居場所を求める人が増え に参加者は任意のコミュニティ ている。 NPO 法人きょうと介護保険にか そのような京都の住民からの声に呼応す 社会調査の手法を社会学者の平本 るように、「まちの学び舎ハルハウス」や「ま 自分たちの事業計画を 作ってみよう！ ではなく、愛知や鹿児島などからも受講生 コミュニティを 調査してみよう！ 11/16 sat 2 ちの縁側とねりこの家」が誕生し、元学区 4 学んだ。 が参加した。 アーで回り、運営のコツなどを いことなども考えた。 による地域福祉やまちづくりとは異なる新 カフェを受講生と講師がバスツ のバスツアーに備えて、質問した 受 講 生 の 中 に は、 も う 新 し い 居 場 所 を れ～」など様々なコミュニティ 共有した。また、受講生は第 2 回 たな地域福祉やまちづくりが提供されるこ なの基地」、「集い場天気にな～ コミュニティカフェのイメージを 作った人も出てきている。今後の発展が非 め、「YAOMON」、「 新 大 宮 み ん ちの縁側とねりこの家」をはじ つの居場所の影響を受 し、その上で、受講生それぞれの と と な る。 こ の 「まちの学び舎ハルハウス」、「ま け、京都に多くの「志縁」を基盤としたま 色々な思いを持ってきた受講生た 11/3 sun Kyoto 先進事例を体感しよう！ ち。京都における先進事例の報告 3 特定非営利活動法人つながる KYOTO プロジェクト 理事長 こつじ・ひさのり 大学院にて孤独死の研究をす る中で、高齢者の社会的孤立を減少させる居場所 の効果に興味を持ち、居場所の運営や支援に関わ る。その中で仲間と共にまちの居場所やまちづく りの中間支援組織「特定非営利活動法人つながる KYOTO プロジェクト」を立ち上げる。京都市市 民参加推進フォーラム委員。 場の実情を学んだ。 1 京 都 小辻寿規 正寛さんが参加者の事業計画にア ドバイスした。本発表会は公開で 行われ、受講生にとって自らのプ 連 ランを発表する場となった。 携 団 体 紹 介 特定非営利活動法人 8/25 sun 2/23 sun 29 コミュニティカフェ 開設講座説明会 「まちの学び舎ハルハウス」の丹羽國子さんが居場所づくり を始めた当時の話などを参加者に伝えた。当日は近畿地方以 外からも様々な方が参加者として駆けつけ、全国各地の情報 交換も行った。 つながる KYOTO プロジェクト 京都市上京区土屋町通出水上ル弁天町 303 番地 http://datsumuensyakai.jimdo.com/ つながる KYOTO プロジェクトは「京都市未来まちづくり 100 人委員会」をきっかけに生まれた団体で、孤立を減らし、つ ながりを作るために、京都にまちの居場所を 1000 カ所作るこ コミュニティカフェ 全国交流発表会 東京の四谷で開催されたコミュニティカフェ全国交流会に とを目標に、多くの人たちにまちの居場所を知ってもらうべ 川嶋修司さんがプランを発表した。また、京都講座の受講生 を行っている。また、運営者や運営を希望する方に対してコ は、事業計画発表会で京都講座代表に選ばれた橋本伸子さん、 の一部も交流会に参加した。 く、シンポジウムや勉強会、見学体験ツアー、調査研究など ンサルティングや講演などを行っている。 Community Cafe 28 代から 「コミュニティカフェ開設講座 京都」 代までの男女が東は には、 囲から参加した。全 回の講義を通し を使うことや聞きたい内容をみんなで 決めて日程調整してインタビューする など初めての経験が多くあったが、平 本さんのフォローもあり、どのグルー プも無事に運営者にインタビューを行 うことができた。 ま た、 ま ち の 居 場 所 の 参 与 観 察 を 行ったこともある研究者の目線もふま えて話したこともあり、受講生にとっ て有意義な講習となった。 また、ワークショップの中では模造 紙や付箋を使ってみんなの意見をまと 説いた。 る上で重要だと話した。また、お客さ のかなどを決めることが事業計画を作 小辻さんは、プランを作る上でター ゲットを明確にすること、お金をどこ いかに魅せられるか の経験やバックグラウンドを持った専 める手法を指導し、ここで覚えたワー んに対していかに寄り添うべきなの いまま終わって何も得られないことを 門家であること、それをいかに利用し クショップの手法を使ってみんなの意 か、提供する商品の価値に納得しても 他の運営者からインタビューする時 の手法やものを考えるロジック、運営 のために必要な周辺情報のリサーチを ど の よ う に 行 っ て い く べ き か、 ま た、 そのためのお作法、情報の使い方を平 本毅さんから学んだ。 受講生達にとってはＩＣレコーダー が働く施設「ほっこり」を街中に作ることにし た。 「ほっこり」は月曜日から金曜日までの運営 で、土曜日、日曜日が空くこともあり、運営主 体の代表理事である橋本さんは土日の休みを 使って、障がいのある人も他の地域の人も自由 に集まれる場所を作ろうとしている。 この土日限定の場所では「ほっこり」に通う 人の保護者が中心となって運営を行う。そして 企 画 を 自 分 た ち で 行 い な が ら、 地 域 の 人 た ち にもその企画をどんどん考えてもらって、より らうためにいかに魅せることが有効な のか、情報戦略へのアドバイスなどが 行われた。 をも巻き込むことを考えて 介護につながっていない人 た。 りのネットワークをつなげ 「だれでも参加できる」、「和みの時間、場所を フェ開設講座では、「色んな場所で開催できる」 、 いる。それらの経験をふまえ、コミュニティカ あり、認知症医療の現場で治療や研究を行って レゼンテーションを行った。川嶋さんは医師で 一方、川嶋さんは、「認知症出前カフェ 集い、 ふれあい、つながり、広がる」のタイトルでプ 楽しみである。 に作ることができるのかというテーマがある。 し、受け入れ、共に生きていく共生社会をいか 人たちの存在を社会の多くの人達がいかに認知 橋本さんと川嶋さんの発表に通じることとし て、マイノリティな扱いを受けてしまいがちな 性を示す発表となった。 ポートをする出張型コミュニティカフェの可能 活性化し、認知症に理解のある社会を作ってい しても利用されていく中で、その可能性を提示 く 一 翼 を 担 う こ と を 想 定 し て い る。 認 知 症 サ 提供」、「専門職による相談、情報提供」をコン コミュニティカフェが今後、社会的包摂の場と の人やその家族、地域の人だけでなく、医療・ はじめ、色々なところに出向く。また、認知症 セプトに認知症出前カフェを提案した。 お り、 行 っ た 場 所 や そ の 周 年、 年と続く場所にしていきたいと語る。 橋本さん達の愛に溢れた居場所の今後がとても みんなに知ってもらえる存在になりたいと語っ からとってくるのか、売りは何にする て場所作りを行えるのかが重要である 見をまとめて居場所を運営していって た。参加者の方々は、それぞれ今まで ことを説明した。 コミュニティカフェ全国交流会には、 「コミュ ニティカフェ開設講座 京都」受講生の中から 選ばれた橋本伸子さん、川嶋修司さんが発表し た。橋本さんは障がいのある人と地域の交流を テーマに、川嶋さんは認知症の人や家族に対す る支援をテーマにプラン発表を行った。 橋本さんのプランは「ほっこりの・えんがわ 障がいのある人が働く場所を地域コミュニ ティの場に！」 。 橋本さんの住む舞鶴市は、障がいのある子ど も の 学 校 が 郊 外 に あ り、 障 が い の あ る 人 が 働 く 場 も ほ と ん ど が 郊 外 に あ る。 そ ん な 舞 鶴 に つながる KYOTO プロジェクトの萩原さん する発表となった。 認知症カフェを語る川嶋さん 外から学ぶことの重要性 欲しいと伝えた。 ること、そこからでないと納得できな 気持ちを伝え合ってはじめて前に進め 伝えた。萩原さんはきちんとお互いの べ、相手の考えを聞くことの重要性を つながる KYOTO プロジェクトの平本さん 運営をする中でさまざまな人と衝突 があってもきっちり自分の考えを述 講師の一人、萩原三義さんは参加者 の方々に何がやりたいのかを常に問う 何をやりたいのか 客さんに魅せるかなどを学んだ。 との難しさ、楽しさ、そしていかにお からコミュニティカフェを運営するこ さん、平本毅さんを中心とした講師陣 ロジェクトの小辻寿規さん、萩原三義 て、ＮＰＯ法人つながるＫＹＯＴＯプ 5 名古屋、西は鹿児島という大変広い範 20 て、ご家族も含め障がいのある人の支援をして き て、 他 の 方 々 が 障 が い のある人のことをよく知 らないことに寂しさを感 じ、 障 が い の あ る 人 た ち 70 認知症出前カフェは開催場所を選ばず、病院 や診療所、高齢者施設、コミュニティカフェを 10 夢をいかに現実にするのか。様々な方法を使って 理想のコミュニティカフェを手繰り寄せる。 「ほっこり」への思いを語る橋本さん 30 Community Cafe 31 5 開 設 講 座 ダ イ ジ ェ ス ト 橋本伸子さん（京都府舞鶴市）、川嶋修司さん（愛知県大府市） 京 都 Kyoto 全国交流会で事業プラン発表 ヘルパー職として 年以上働いてき た中で孤独な高齢者が多い現実を目 の 当 た り に し、 そ の 現 状 を な ん と か できないかと考えるようになり講座 に参加した。 杉谷紀子 （すぎたに・のりこ）さん 「花の駅」主宰。 年間看護師を務め る。 社 会 福 祉 士 で も あ り、「 花 の 駅 」 においては多くの人が心安らかに住 める場所を作ってもらうため生活介 護事業を行っている。 吉本弥よひ （よしもと・やよひ）さん 郵 便 局 退 職 後、 淡 路 島 に て 牧 場 ボ ラ ン テ ィ ア を 経 験。 そ の 後、 島 根 県 出 雲にて癌患者のターミナルケアに関 わった経験からヘルパーの道へ進み 介護福祉士資格を取得した。 住本博司 （すみもと・ひろし）さん 神戸市認可家庭的保育所赤ちゃん ホ ー ム 代 表。 子 育 て 中 の マ マ た ち が 気 軽 に 相 談 し あ え る 場 所、 マ マ た ち がリフレッシュできる交流の場とし て、 コ ミ ュ ニ テ ィ カ フ ェ の 開 設 を め ざす。 岡田佳代 （おかだ・かよ）さん バスツアーや現場のインタビューなど多くの たいなど、 様々であった。受講生は講座の他、 の手伝いをするためのスキルの向上を目指し カフェをコミュニティカフェにしたい、運営 ニティカフェを作りたい、現在運営している 開設講座 京都」には 名の受講生が参加し た。 受講生の参加動機は、 私財を投じてコミュ プランをより良くすることが参加の主な動機 ミュニティカフェにすることを決めた。その を し て き た 経 験 も ふ ま え、 自 宅 を 改 修 し コ 孤独な高齢者を減らしたいと考えた参加者 は一人ではない。住本博司さんは、ヘルパー い。」との意欲を持って参加した。 の学びを生かして将来的な希望を見出した して参加者が減っていく先細りから、講座で るが「メンバーが固定化され、亡くなったり 状を変えようと月１回の茶話会を開催してい 独な高齢者にたくさん出会ってきた。その現 る に あ た り、 施 設 の 跡 地 に 多 世 代 交 流 の コ 害者の生活介護事業施設「花の駅」が移転す 吉本弥よひさんは自身が主宰する重度心身障 高齢者の居場所作りと並んで受講生が興味 を持っていたのは多世代交流の居場所作り。 傾け熱心にノートを取った。 師からの孤独死や孤立といった話に特に耳を のテーマになった。これらの参加者達は、講 杉谷さんや住本さんのように高齢者の居場 所づくりを重要に考える参加者は多く、一つ ＊ ＊ ＊ いてきた中で一人暮らしや、家族がいても孤 時間を共有した。会場となった京都府、大阪 となった。「 地域には隠れた男性 のおひとり ミュニティカフェを開設したいと考え参加し 回の講座となった「コミュニティカフェ 府、兵庫県のほかにも愛知県や鹿児島県から さまがたくさんいる。この人たちのためにも た。講座に参加する中で、吉本さんは「利益 孤独な高齢者を減らしたい 全 の参加もあり、西日本のコミュニティカフェ 地域の中に居場所を作りたい。男目線だから にならない部分があっても、受講生達は他者 後ひとりぼっちになってしまうのではないか 若者の中には現在、社会貢献したいと思う 者も多い。そして、独身の者も多くおり、老 今後の動き のように語ってくれた受講生もいた。 ていた案よりもずっと良い案になった」。そ 「 他 人 の 話 を 聞 き、 共 に 考 え れ ば、 元 々 考 え に惹かれて手伝いたいという声が聞かれた。 多世代交流の場を作りたい 開設への熱気を感じることができた。 こそ作られるコミュニティカフェもある」と と自分のために頑張ろうとしてくれている。 年以上就 語った。 杉谷紀子さんは、ヘルパー職に 今まで色々な講座に参加してきたが、こんな 経験は初めて。すごく刺激を受けた」と語っ てくれた。 多くの受講生に共通していえることだが、 それぞれテーマがありつつも、どの世代もが 関われる居場所作りをしたいという共通の願 いがあった。 と考える者も少なくはない。このような現状 できるコミュニティカフェをつくりたいと考 にオープンする。また、吉本さんや全国交流 から、中村アヤさんは、自分も含めて今の若 岡田佳代さんは「神戸市認可家庭的保育所 赤ちゃんホーム」で、幼い子どもと関わる中 えるようになった。中村さんは発表会で、「出 会の発表者、橋本伸子さんも現在、開設に向 講座の終了後、それぞれの思いは現実に向 けて動き始めている。住本さんは友人の受講 で、お母さん達の子育ての悩みなどを気軽に 張スタイル、空き家活用スタイル、ソーシャ けて動いている。その他の受講生にも来年ま 者 が 社 会 貢 献 し つ つ、 老 後 も 含 め て ひ と り 相談できる場所がなかなか無いことを痛感し ルアパートメントスタイルなど様々な形でコ でにはコミュニティカフェを作ろうと計画し 生と共に自宅を改築し、コミュニティカフェ たという。一人で考え込んでしまわないで欲 ミュニティカフェを作っていきたい」とプラ ている者が ぼっちにならないように今から集まって交流 しい、子育てを頑張っているお母さんに少し ンを語った。そのような仲間を中村さんは今、 名程度いる。 月 でもリフレッシュできる場を提供したい。そ 全国から募集している。 受講生達はほとんどが本講座で知り合った が、 ワ ー ク シ ョ ッ プ や 共 同 の 調 査、 発 表 を 中には、今後、他の受講生のコミュニティカ フェの運営を手伝っていきたいと考える者も どこに手伝いに行けば良いのか分からないと いたり、運営を手伝いたいとは思っているが、 んだ仲間の動きを励みに、受講生は、夢を計 る。スピードに違いはあるものの、ともに学 同窓会も兼ねたイベントを今後行っていく 予定だがそこでの受講生の報告が楽しみであ いる。 考える者も少なくはなかった。しかし、講座 画に変え、現実のものとなるように一歩一歩 一人でやっていかなければならないと思って 「ハウスこのゆびとまれ」を２０１４年 のような思いでコミュニティカフェを作ろう 行ったこともあり非常に仲が良い。受講生の 中村アヤ （なかむら・あや）さん 婦 人 雑 貨 店 オ ー ナ ー。 団 塊 ジ ュ ニ ア として今後の社会を担う中でコミュ ニティカフェを運営して社会に貢献 し た い と 考 え 講 座 に 参 加。 様 々 な 形 のコミュニティカフェ開設を目指す。 に参加する中で「自分が空いている日は助け 着実に前進している。 受講生のカフェ・コンセプトを聞く中で、こ に行くね」という声が多く聞かれた。ほかの 受講生達が声を揃えて言ったことは「仲間 がいるんだ」ということだ。受講生の中には 共に作ることの重要性 子育てママ達の居場所をつくりたい 自分も含めた居場所をつくりたい の受講生とは共通な思いが多いからと、人柄 35 と考えるようになった。 10 32 Community Cafe 33 10 20 5 4 10 受講生の声 共に考え、共につくる。 京 都 Kyoto 「コミュニティカフェ開設講 座 京 都 」 で は、 「先進事例 を 体 感 し よ う！」 と 題 し て １日がかりのバスツアーを 開 催 し た。 「下京町衆倶楽部 拠点」から始まり、 「まちの縁側とねりこの 家」 、 「まちの学び舎ハルハウス（以下、ハル ハウス） 」 、 「つどい場てんきにな～れ」 、 「新 大宮みんなの基地」 、 「ＹＡＯＭＯＮ」と京都 京都市北区紫野十二坊町 16-16 TEL:075-451-6733 京雑炊ハルハウス 年中無休 6:00～10:00 まちの学び舎ハルハウス 月～水・金・土曜 10:00～16:00 ティカフェ発祥の地ということもできる。 で あ っ た た め、 ハ ル ハ ウ ス は 京 都 コ ミ ュ ニ 出来るまでは地縁の居場所づくりがほとんど ティカフェが多くある。また、ハルハウスが カ所「ハル くたくたになるほど現場を勉強し、充実した こともあり、次第にＹＡＯＭＯＮが地域の居 たことや地元の小学校のＰＴＡ会長になった 真さんが商店街の運営にも携わるようになっ 客さんが激減した。その後、運営者の佐々木 だったが近隣の大学の移転により大学生のお さんの喫茶部門として開業して、経営も順調 国にして、住み慣れた土地でお互いに助け合 ば、みんなで支え合える。日本を再びそんな されてい る。「向こう三軒両隣が 仲良くなれ 「 ハ ル ハ ウ ス 」 は、 看 護 師 で、 佛 教 大 学 で 教授を務めていた丹羽國子さんによって開設 の肴にそれぞれのコミュニティカフェにかけ Ｎがある出町商店街で惣菜を買い、それを酒 当日は最後の見学先であったこともあり、 ＹＡＯＭＯＮで懇親会を行った。ＹＡＯＭＯ ている。 佐々木さんの愛犬グーグーがお客さんとの 橋渡し的存在になり、そこから会話が生まれ れたコミュニ たりして開設さ り、 影 響 を 受 け ウハウを学んだ ハウス」と「ＹＡＯＭＯＮ」を紹介する。 ルハウスからノ バスツアー当日は、かつてハルハウスで運 営手法を学び、現在は「ふかふか家」を運営 場所になっていき、気づけばコミュニティカ １日となった。今回はその中の している牧田一穂さんに話を聞いた。ここ数 フェになっていた。 る思いなどを語り合った。 年、大学や商店街と連携し、地域のハブ役と い と い え る。 ハ 在は非常に大き ハルハウスの存 を 考 え た 場 合、 京都のコミュ ニティカフェ史 るコミュニティカフェになっている。 支え始め、今では地域の人達も運営に参加す い」 。そんな丹羽さんの思いに仲間が共感し、 い支えあい、健やかな生活が送れるようした http://www.kunihouse.jp してコミュニティカフェの運営に関わってい 学び舎ハルハウス 商店街と大学や行政等が関わる 際の窓口的な役割を佐々木さんは 京都のコミュニティカフェ 発祥の地 まちの学び舎 ハルハウス とができる＝まちの る牧田さんの話は、まちづくりを念頭に入れ 中を駆け巡った。受講生のみなさんは帰りは コミュニティカフェ紹介 ざまな野菜を摂るこ 担 っ て い る。 そ の 縁 で Ｙ Ａ Ｏ Ｍ Ｏ http://www.yaomon.net/ る受講生にとって有意義なものとなった。 Ｎ は、 近 く の 同 志 社 大 学 か ら ゼ ミ や 学 生 の 活 動 の 場 と し て の「 学 外 授業施設」に２０１３年度から指 定 さ れ て い る。 ま た、 た く さ ん の コーヒー 350円 紅茶 300円 喫茶店から コミュニティカフェへ 日曜、祝日休（臨時休業あり） 34 Community Cafe 35 名物の京雑炊。さま ＮＰＯや任意団体の事務局的存在 11:00〜19:00（左記時間以外は要予約） でもある。 TEL: 075-241-4416 2 は喫茶店からコミュニティ 「ＹＡＯＭＯＮ」 カフェになった事例である。最初は仕出し屋 京都市上京区今出川通寺町西入ル革堂内町522 まちの学び舎ハルハウス を与える＝まちの学び舎ハルハウス カフェ YAOMON 運営者:一般財団法人まちの縁側クニハウス＆ 吹き抜け構造になっており、利用者に開放感 受講生に YAOMON の成り立ちについて語る佐々木さん（中央左）＝ YAOMON コミュニティ の 現場を訪ねて コミュニティカフェ紹介 京 都 Kyoto 京雑炊 400 円 コーヒー 200 円 ゼリーなど 100 円～ 講 座 アーカイブ ２カ 所 の カフェで 終 日 体 験 運 営 者 から 生 の 話 を 聞く 講師 9/8 sun 2 地域にはどんな課題が…？ 課題解決の主役は誰だ？ 9/29 sun 長寿社会文化協会 ム」を作った時は、コミュニティカフェ ていないことを確信するようになった。 自分の想いが伝わり、方向性が間違っ 協力し合う必要性を市民活動中間支援組 ナーなどのさまざまな地域資源を見出し い。 そ の た め に、 サ ポ ー タ ー、 パ ー ト 億回の笑顔を作ろ という言葉をたくさん頂いた。 億円稼ぐより 1 カフェの 主 た る 目 的 は 地 域 課 題の 解 決 という言葉すら知らなかった。ただ、人 そのたびごとに、さらにたくさんの方が 織の先生に、具体的な事業計画作成方法 「 う」。私の目標である。 う。 1 信 念 も 経 営 も き ち んとして 継 続 を と人とを結ぶ場所と考え、「コミュニティ 利用して同じような幸福感を感じ取って を中小企業診断士の先生にご指導いただ 年前、私が「元気スタンド・ぷリズ 喫 茶 元 気 ス タ ン ド・ ぷ リ ズ ム 」 と 名 付 いただきたいと願っている。 るコミュニティカフェが必要とされる。 けた。 コミュニティカフェの主たる目的は、 全国ではたくさんの同志が色々な手法で 当時、全く飲食業の経験がなかったた 実習に通い勉強した。しかし、資金面や カフェの開設を考える人が抱いているそ め本を読み漁り、知人の協力を得て調理 経営面などの内側のノウハウは本などで のほか、さいたま市南区の「ヘルシーカ コミュニティカフェを展開している。 喫 茶 店 開 設 の 本 な ど を 読 む と、「 回 転 フェのら」の見学に行った。店舗を貸し れぞれの地域の課題の解決にあると思 知りたいこと、開設してみて気付いたこ 率×座席数」などと売上予測が書かれて 切りで見学するのでは、施設の箱を見る は見つけることはできなかった。 となど、なかなか明かされることのない いる。しかしコミュニティカフェにこの 今回の講座では、こうした開設当初に 内情に関しても各講師の方々から話を聞 だけになってしまう。そのカフェの雰囲 気を感じ取ることが一番重要であると考 計算が当てはまるのか？ 資金面や経営面だけを考えていくと、 え、お客様がいる店内を見学してもらっ くことができた。 正直申し上げて、私の運営しているコ どうしても一歩踏み出すことをためらっ 7 できそうな点、こうすればもっと行き 昨年度の中野区講座受講生が講座で得たものや開設事例を 話し、最後に、講師陣が講座内容を説明した。 東京講座からは加藤富美子さんと伊藤実千代さんが出席し た。加藤さんは、地元野菜で栄養バランスの良いランチや 弁当、行事食の提供など、食を重視したプランを発表。伊 藤さんは、子育てママと元気な高齢者をつなぐ場として、 めには経営もきちんとしなくてはならな 世代がコミュニケーションを図り、 つながる場だ」と話した。 いた。 田講師が「コミュニティカフェは地域課題解決に役立つ。全 今後、さまざまな社会問題を改善でき WAC 研修室（港区）に 35 人の受講希望者が集まった。柳 講座では「元気スタンド・ぷリズム」 WAC 研修室で打ち上げを行った。 た。 たくなると思う点など」をシートに書 き込み、発表者に渡した。講座後、 歩を踏み出していただけたら、コミュニ コミュニティカフェ 全国交流会成果発表会 発表し、4 人の講師が質問とコメン ティカフェの先輩として望外の喜びであ 37 コミュニティカフェ 開設講座説明会 ミュニティカフェは経営的に成功してい トを述べた。ほかの受講生が「協力 る。 sun 事業計画・資金計画の ブラッシュアップ 損益計画も作成した。金さんが小 完成させることが宿題となった。 2/23 sun 事業計画書を作成した人がプランを 教えてくださった。事業計画書を sun 12/1 後にその場で懇親会を開いた。 中小企業診断士の金順玉さんが担 ながら、さまざまな経費の目安を てしまう。 6 泉さんのカフェの経費を問いかけ 8/25 の内容をさらに煮詰めた。講座 質疑応答。 当。必要資金の洗い出しに始まり、 るとは言えない。しかしながら、私はコ き出し、事業計画書に書くカフェ プレゼン。元気スタンドを見学し、 きむ す の う たくさんの事例を見て、自分が運営す 話を聞いた。周りの協力者を書 カフェのイメージを考え、班内で 資金計画・損益計画の作成 では、何のためにコミュニティカフェ た経緯や続けている理由などの の弁当を食べた。自分が開きたい 11/17sun 公益社団法人 ま市南区の「ヘルシーカフェの ついて話を聞いた。昼食は惣菜店 5 ミュニティカフェをやめようと思ったこ ら」を訪問。カフェを立ち上げ るスタイルに合ったやり方を見つけてほ ニティカフェの立ち上げと運営に を 作 り た い の か？ 講 座 で は、 一 番 大 切 新井純子さんが運営するさいた 埼玉・幸手団地集会所で、コミュ とは一度もない。それはコミュニティカ 小泉さんのカフェ・総菜店がある しい。そして、無理のないやり方で、コ コミュニティカフェの 現場の声を聴く（2） コミュニティカフェの 現場の声を聴く（1） な「希望の木」の根っこの部分となる信 10/26 sat フェの目的が喫茶店と違い、営業利益だ 4 ミュニティカフェの開設に向けての一 るか？をシートに書き込み、プレゼン。 念をきちんと見出すことを再確認してい ほしいか？、③地域資源、④何をす KJ 法による地域課題の抽出を行った。 けを追求しているところではないから みたいテーマ、②地域がどうなって 池袋」などの事例を紹介し、班ごとに ただいた。 討論。午後は、①地域課題、取り組 柳田好史さんらが「みんなのえんがわ だ。 ら継続しよう」と呼びかけた。午後は コミュニティカフェを作るなら、存続 NPO の DVD を見たあと、グループ の困りごとの解決に取り組んでいる 日々、店内にはお客様の笑顔があふれ 事業拡大してきたことを話し、「やるな させなくては意味がない。存続させるた 介護・福祉サービスを基軸に、地域 ている。「ここがあって本当に良かった」 主任講師の小泉さんがカフェ開設経緯 10/12 sat To k y o あなたの「夢」を コミュニティカフェで実現する！ や総菜店、電動車いすレンタルなどと 3 元気スタンド・ぷリズム合同会社 代表 こいずみ・けいじ 高齢者が働ける場として、ぷリ ズムの隣接店舗に手作り惣菜・弁当の店「元気スタ ンド・ぷライス」を 2010 年開業。１人暮らしの人 の食生活のサポートや、埼玉県幸手市の地域支え合 い事業の事務局として高齢者などの在宅生活支援を 行う。現在、地域包括ケアと商店街の活性化を兼ね たコミュニティモールの構築に向け取り組んでいる。 東京の講座には 18 人が参加。運営者 4 人と中小企業診断士 1 人による座学・ワーク ショップ、現場見学・体験、事業計画書作成などの実践的な講座を行った。 1 東 京 小泉圭司 コミュニティカフェを活用することを話した。 Community Cafe 36 回を通して、元気スタンド・ 東京のコミュニティカフェ開設講座で は、全 バーを増やして」と説いた。 本多さんは「相手と少し斜めの位置 に座ったほうが相手も気軽に話しやす い」と傾聴の極意も話した。 厳しい目で店の分析を サル経験も多い中小企 飲食店のコきン むすのう 業 診 断 士 の 金 順 玉 さ ん は「 コ ミ ュ ニ カフェは高齢化や子育て支援などの地 の違いから話し始めた。「コミュニティ はまず、喫茶店とコミュニティカフェ Ｏ推進協議会代表理事の柳田好史さん 地 域 サ ロ ン「 み ん な の え ん が わ 池 袋」を運営するＮＰＯ法人としまＮＰ が円滑に動き出す」と力強く語る柳田 お互いに支え合って、初めて地域活動 店会、大学や行政など）がしっかりと 営 ス タ ッ フ ）、 サ ポ ー タ ー（ 町 会、 商 ネーター、プレーヤー（日常業務の運 「 活 動 の た め に は、 数 多 く の 地 域 の 人々とつながる必要がある。コーディ 生の大半がうなずいた。 はいろいろなものを組み合わせたほう 目立たせる仕掛けが必要。宣伝や販促 す。店内に引き入れるために、外観は い か け な が ら、 「外観は店の性格を表 スした。小泉さんのカフェの実例を問 分の店を見たほうがよい」とアドバイ の店を見るときのような厳しい目で自 空間性や非日常性が欲しい。利用者に ティカフェには、自分の家にはない異 域 課 題 解 決 が 目 的 で、 人 と の つ な が さ ん。「 夢 は、 課 題 が あ る か ら 夢 な ん がよい」と、事例を紹介しながら店舗 フェは継続できない」と話すと、受講 り、 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン の 確 保、 居 です。楽しくなければ社会貢献ではな 開設に役立つノウハウをたくさん紹介 居心地よく過ごしてもらうために、人 場所、趣味の場として利用される。解 い」と受講生を激励した。 加藤さんは、知り合いの一人暮らしの高齢者 から「夕食を一人で食べるのは寂しい。女性一 が疎かになっている」などと分析した。 が行事食を作れない」「塾通いの子供達の夕食 けられた。こうした子育て した。 人でも安心して行けるサロンのようなお店が フードコーディネーターらしく、食を重視し た事業計画を立てた。低農薬野菜を作っている ママと元気な高齢者をつなぐ場として、コミュ 中小企業診断士の金順玉さん 信頼できるメンバーを増やせ みんなのえんがわ池袋のスタッフ で、コミュニケーションマナー講師を している本多絵理子さんは「地域課題 に 対 す る ス タ ン ス が ぶ れ な い こ と が、 カフェなどのコミュニティビジネスを 継続させることにつながる。継続させ ティカフェを立ち上げ、赤ちゃんから高齢者ま るには口こみが重要。信頼できるメン コミュニティカフェ全国交流会での事業プラン こ で安心して住めるまちづくりをしたいと、講座 み 発表には、東京講座から加藤富美子さんと伊藤 に参加した。 ふ 実千代さんの二人の受講生が登壇した。カフェ マ（伊藤さん）と異なるが、二人とも多世代型 あったらいいな」と言われ、ずっと気になって 農家から規格外の野菜や家庭菜園で余った野菜 ニティカフェを活用できないかと考えた。 「子育て中の親子の居場所が少ない」「若いママ いた。 を地産地消で安く購入し、栄養バランスの良い 教室の開催、簡単な介護食の調理代行などだ。 地元の千葉県佐倉市が開いた 「コミュ その後、 ニティカフェの作り方」セミナーに参加し、コ 地域コミュニティの希薄 ス タ ッ フ と し て 配 置 し、 子 ど も を 短 時 間 見 て もらえるようにする。また、ママがゆっくりお 茶を飲めるように、子どもの遊びスペースを設 転換になるようなアロマセラピー、ベビーマッ 内装工事の一部を自分たちでやったり、厨房機 だ」と指導を受けた。 品を販売するための棚を貸したり、セミナー講 テストマーケティングに利用してもらう。 サポートをする。子育て商品を扱う企業には、 サージなどのセミナーを開く。趣味で作った作 次に発表したのは伊藤さん。コミュニティカ フ ェ に 興 味 を 持 っ た き っ か け は、 自 身 の 出 産 割以上が核家族世帯 師に起用したりして、ママの仕事再開のための 居 し て い る が、 区 内 の で、乳幼児の ～ 割の母親が子どもを保育園 講師の一人は「行政も絡んで、コミュニティ カフェが課題を解決してくれると素晴らしい事 に預けず、孤独な育児のためにストレスを抱い ていると想像した。また、日中の住宅街に高齢 業になる」と評価した。 8 8 だった。伊藤さんは東京都江戸川区で両親と同 置し、保育科等の学生を配置する。ママの気分 1 器は中古で済ませたりするなどして削るべき 2 者が多く、子どもを連れていると、よく声をか 6 さを少しでも改善するた めの手段としてコミュニ 発表会では、講師から「 千万円の投資では 年間 千万円前後の売り上げがないと厳しい。 ランチや弁当を作ったり、行事食の販売や料理 「乳幼児子育てママの支援」を発表する伊藤さん ミュニティカフェとはどういうものかを知る。 のカフェを志向している。 みんなのえんがわ池袋のスタッフの 本多絵理子さん 具体的には、常時子育てママの話し相手や相 談相手になる子育て経験者（元気な高齢者）を る人が一緒に食事ができるレストランがない」 が疎かになっている」「介護者と介護されてい の主な対象者は高齢者（加藤さん） 、子育てマ としま NPO 推進協議会代表理事の柳田好史さん 決したい地域課題や思いがないと、カ 楽しく社会貢献を 講座内容を振り返ってみる。 加わった。印象に残った講師の言葉や と中小企業診断士一人の講師が交代で ほかにコミュニティカフェ運営者三人 が主任講師・コーディネーターを務め、 ぷリズム合同会社代表の小泉圭司さん 6 取り組むべき地域課題として、「一人暮らし や夫婦だけの高齢者世帯では、孤食などで食事 コーディネーター、プレーヤー、サポーターが 支え合えば、地域活動が円滑に動き出す。 食を重視したプランを発表する加藤さん 38 Community Cafe 39 開 設 講 座 ダ イ ジ ェ ス ト 加藤富美子さん（千葉県佐倉市）、伊藤実千代さん（東京都江戸川区） 東 京 To k y o 全国交流会で事業プラン発表 渡辺洋子 豊田聡子 （とよだ・さとこ）さん （わたなべ・ようこ）さん 堀本恵子 障害のある人の就労を支援する事業 所 の 職 員。 普 段 は 雑 貨 作 り と パ ン の 配 達・ 販 売 の 場 所 に な っ て い る。 そ の 喫 茶 ス ペ ー ス を、 障 害 の あ る な し に か か わ ら ず 地 域 の 人 が 集 ま り、 交 流できるようなスペースにしようと 受講。 （ほりもと・けいこ）さん 大河内千鶴子 （おおこうち・ちづこ）さん 千葉市郊外にあるビジネスホテル１ 階 の 喫 茶 店 を 夫 が 経 営 し て い る。 宿 泊者に朝食を提供するだけで、日中、 営 業 し て い な い。 そ こ を 地 域 の 人 々 のコミュニティスペースとして活用 することを思いつき、受講。 人、 代以上 人 るうちに、自宅隣に所有している空き家の 坪）に、メンバー 人でコミュニティ きるよう、食品衛生責任者の資格を取得した。 カフェを開くことになった。ランチ営業がで を開いたりしていた。 古屋）の延藤安弘代表理事を招いて、勉強会 のが筒井雄二さん。「まちの縁側育くみ隊」（名 ＲＳＳＣ仲間の２人のコミュニティカフェ 開設を支援し、研究材料にしようとしている そして、３月から毎週木曜に育児サロン、金・ 階（約 などの講座を開くことを盛り込んだ。 会 社 経 営 で 多 忙 な 中、 別 組 織 で Ｎ Ｐ Ｏ法人やコミュニティカフェを立ち 上 げ た い と 考 え て い る。 柳 田 講 師 の Ｎ Ｐ Ｏ が 開 い た 講 座 を 受 け た 際、 居 合わせたＲＳＳＣの先輩に本講座の ことを聞き、２回目から受講。 代 軒としたためか、 隣の川崎市でも開講したことと、見学先を埼 玉のコミュニティカフェ 神奈川県民はおらず、東京・千葉・埼玉の人 仲間が参加した。 分に手が行き届かないから、自助、共助によ え た。「 コ ミ ュ ニ テ ィ づ く り で は、 行 政 は 十 用者が気軽に集えるサロンを開けないかと考 いる。その自宅の空きスペースを使って、利 でカラーコーディネーターの会社を経営して 堀本恵子さんも、同じ先輩に聞いて、 回 目から受講した。受講生の最年長だが、自宅 出ているが、いずれ辞めて、店に立つつもり 世代を問わず集える場所にしたい」 。勤めに てきた。それを「子育てママから高齢者まで う、店内に地域の人の手作り工芸品を展示し い 立 地。 そ れ で も、 宿 泊 者 の 目 に 留 ま る よ ていない。新興住宅地で昼間は人通りの少な に朝食を提供しているだけで、日中は営業し 土曜に大人向けのサロンを始めた。 大河内千鶴子さんは、昨年中野区で開設講 座を受けたＲＳＳＣの先輩に聞いて、受講し る働きが必要」と、綿密に地域課題を分析し だ。その日を夢見て、千葉県いすみ市から片 ２人と同様、使えるスペースがある渡辺洋 子さん。夫が経営する喫茶店はホテル宿泊者 の人生に前向きに取り組みたいと考 た。事業計画書には、多彩な人脈を生かして 道 育てを終えた女性達に集まってもらい、障害 いない。そこで「お年寄りや子育てママ、子 者（障害者）は力不足で、ほとんど機能して 事業所の職員。喫茶スペースがあるが、利用 豊田聡子さんも片道 時間かけて、千葉県 東金市から休まず通った。就労継続支援Ｂ型 で通った。 ウイ スキーは １ ５ ０ 円 な ど） を 提 供 す る。 家 本 酒、 ワイ ンは ２ ０ ０ 円、 焼 酎 の お 湯 割 り や （ ２ ０ ０ 円 程 度 ） と ア ル コ ー ル（ 発 泡 酒 や 日 性 高 齢 者。 夜 間（ 主 た る 対 象 者 は、 自 宅にと じ こ も り が ち な 男 た り す るコミュニ ティパブを 開 き たいという。 気軽に立ち寄り、 しゃべったり、 情報交換をし と囲碁の集まりを手伝っている。 夜にここで、 という計画に対して、講師から「セミナー形 ちが集う。 だが、 都心で昼休み時に開くカフェ る、支援する、人生後半の生き方を探る人た を提案した。高齢者の暮らしを体感・学習す た。第 今回の講座には、生涯学習機関、立教セカ ンドステージ大学（ＲＳＳＣ）で学ぶ 人の え る 中 で、 シ ニ ア の 地 域 デ ビ ュ ー や 地 域 コ カウンセリングや絵手紙、英会話、パソコン のある人との関わりを日常的にできる場所に 賃 は た だ で、 いた。講座の途中で事業計画をまとめ、市に 時 間 １ ０ ０ ０ 円の有 償 ボ ラン ＊ ＊ 受講生中最年少の横田明菜さんは 月、埼 玉県和光市に「アルコイリス・カフェ」を開 ＊ 式の方が現実的では」とアドバイスがあった。 したい」と話す。障害者のことを知ってもら ティアで運営すれば、安価に提供できるという。 時） に簡 単 なつま み うだけでなく、集まった人達で相互に助け合 ～ うようなつながりができればいいなと思って て、空き店舗を改装し、人材を確保した。法 試行した。 21 間のサロンを開いている桂政彦さんは、今春 フランチの提供のほかに、地域情報スペース、 人を立ち上げ、ドリンク・軽食、日替わりシェ 提出。埼玉県緊急雇用創出基金の助成金を得 から夜間にも開くという。ゆくゆくは自宅を クショップや講座を開いてもらう。店名のア また、スペースをレンタルして、市民にワー 情報ノートコーナー、小箱ショップを設けた。 年後に高齢者にな 地域サロンとして開放する「住み開き」も視 野に入れている。 加藤治弥さんは、 ～ ルコイリスはスペイン語で「虹」の意。 パーとし て高齢者にかかわっている。 自ら 主 夫 と し て 家 事 全 般 を こ な し、 介 護ヘル れていない、 若い世代は寝に帰るだけという にかかわる中で、市内のＮＰＯ間の連携が取 埼玉県和光市の地域新聞へ。取材や市民活動 メキシコへの青年海外協力隊から帰ったあと、 横田明菜 （よこた・あきな）さん 代の ～ も住む東京都心で働く・暮らす がら準備していくカフェを開きたいという。 街の姿に気づき、コミカフェ開設を思い立つ。 現役世代が、高齢者の暮らしにかかわりな 加藤治弥 （かとう・はるや）さん ～ 歳代に向けて「人生後半探検カフェ」 30 ＊ ＊ ＊ 男 性 も 場 所 の め ど が 立っている 人 が 多 かっ た。 海 老 塚 良 吉 さ ん は、 千 葉 県 船 橋 市の民 家 る し、 「共奏キッチン」の世話人も務める。 の サ ロ ン を 開 い て い る。 自 然 農 法 を 実 践 橋区の商店街イベントスペースで月２回 た あ と、 定 年 退 職。 自 ら が 住 む 東 京 都 板 パック旅行会社や外資系ＩＴ会社に勤め 桂政彦 （かつら・まさひこ）さん にあ る 「老 人 憩 の 家」 で 昼 間、 パソコン教 室 海老塚良吉 （えびづか・りょうきち）さん 元、 ＵＲの調査研究者。「比較都市住宅研究 会」 を主宰する一方、 外部の勉強会・講座に ＰＣ持参で参加し、ＦＢで詳細に報告してい る。自宅近くの「高齢者憩の家」で高齢男性 向けのコミュニティパブ開設を目指す。 2 3 3 18 20 いる。３月、近所のダム湖畔で屋外カフェを 東京都板橋区役所や社会福祉協議会の支援 を得て、商店街イベントスペースで月 回昼 2 50 50 2 時間半の距離をもとのともせず、無欠席 ミュニティの問題に関心を持った。大学のゼ が受講した。 ミで「みんなのえんがわ池袋」を研究してい 現 役 の 頃 は 助 産 師。 自 宅 周 辺 に、 子 どもの独立や伴侶を亡くしたことに よる高齢者だけの夫婦や独居世帯が 増 え て い る た め、 自 宅 隣 で 所 有 し て いる空き家で地域の育児支援と地域 コミュニティの拠点となれるカフェ を開設したいと考えた。 人。年齢は 東京のコミュニティカフェ開設講座に参加し たのは 60 と、比較的若い世代とシニア層が多かった。 30 ＊ ＊ ＊ 1 2 7 3 6 5 2 10 18 2 40 Community Cafe 41 40 40 受講生の声 早くも４人がスタート。 東 京 To k y o 東京のコミュニティカフェ開設講座では、「コ 介護予防のカフェから出発し http://homepage3.nifty.com/gs-purism/ 埼玉県幸手市栄3-2-106 TEL:0480-48-7372 平日・土曜9:00～20:00（冬9:00～19:00）、日曜休 コーヒー・紅茶など280円、日本茶180円 団地内の 高齢者たちが常連客 となり、「 日 あ た り ～ 人 来 ま す。 防グッズを販売したりしている。 て脳活性化訓練を行ったり、杖などの介護予 の情報を載せたり、大人向けドリルを紹介し いろどり弁当定食680円、日替わり弁当定食680円 滞在時間が ～ 時間の人 も い る 」。 当 初 の 目 標 の「 誰 かと話ができる環境」を作 り上げた。 次 に、 高 齢 者 に も 働 い て も ら お う と、 ２ ０ １ ０ 年、 ぷリズムの隣に弁当と総菜 を 販 売 す る「 元 気 ス タ ン ド・ ぷ ラ イ ス 」 も 開 店 し た。 高 けると、受講生の多くがうなずいていた。 もらおう。周りの協力者を探そう」と呼びか りの人に話していないなら、話をして聞いて ことがで きる」と話す。「やりた いことを周 新井さんは「のらでは、市民活動や公民館 で働いていた時以上にさまざまな人と出会う くれ、２００９年に「のら」を開業した。 員が意気投合。実家の土地に建物を新築して いう論文を書いた。その論文を読んだ県庁職 子育て誌に「コミレスは子育て支援の要」と ミュニティレストランをつくりたいと考え、 齢 者 宅 に 配 食 し な が ら、 同 海老ピラフ（スープ付き680円）、カレーライス480円 1 ミュニティカフェの現場の声を聴く」と題し コミュニティモールも構想 小泉さんはもともと、大手スーパーで社員 として働いていた。しかし、毎日のようにスー 30 て、 小泉圭司さんが運営する「元気スタンド・ 設のきっかけや運営について、成功談や失敗 パーの休憩スペースにやってくる高齢者から 運営者：のら合同会社 運営者：元気スタンド・ぷリズム合同会社 12 月 27 日に放送された。 ランチを頂く受講生をテレビ・クルーが取材。 ぷリズム」 （埼玉県幸手市）と新井純子さん 談、苦労や喜びの話も交えて、ざっくばらん 「家に居場所がない」という話を聞き、ショッ ケーキセット500円 5 が運営する「ヘルシーカフェのら」 （さいた な話を聞くことができた。座学とは違って、 ク を 受 け た。 そ れ を き っ か け に、「 高 齢 者 が 日間にわたり、開 現場で聴く話に、受講生は自分が開きたいカ 集える場所をつくりたい」と一念発起し、自 ま市南区）を訪問した。 フェのイメージを広げられたようだ。カフェ 子育て支援のコミレス 周りの人を巻き込んで 介護を受けないで楽しく元気に過ごせるよ うにと、店内ではメニューブックに介護予防 「ぷリズム」をオープンした。 宅近くの幸手団地の空き店舗に２００７年、 に懇親会も開いた。両カフェにはテレビ取材 も入り、コミュニティカフェが社会的に注目 されていると、 受講生は実感した様子だった。 時に見守りも行っている。 さらに、幸手市の日常生活サポートの事務 局や、地元病院の看護師に来てもらって簡単 な健康相談が受けられる「暮らしの保健室」 、 ハンドル形電動車いすのレンタルなど、次々 新井さんの手がける「のら」は、白い漆喰 の壁と木の床が温かな雰囲気を醸し出す。奥 と事業を拡大してきた。今後、並びの空き店 舗に高齢者向けのリハビリゲーム機や子ども の たりと食事ができる。ベビーマッサージや新 畳の「広場」では子どもを寝かせて、ゆっ の遊び場の「元気スタンド・ぷレイス」も計 画しており、ぷリズムなどとともに「コミュ 聞紙を使ったエコバッグづくりなども行って 使って、毎日、約 食提供している。 い る。 手 前 の レ ス ト ラ ン で は 地 元 の 野 菜 を ニティモール」に発展させたいという。 受講生からは「実直に課題解決に取り組む 姿勢を見せていただき、心が洗われるようで 「夫が転 勤族で、近所に相談で きる人がい ないので、子育てに苦労した」という新井さ した」 「お客様にはよそよそし過ぎず、なれ なれし過ぎないように気を遣う。配偶者の両 ソフトドリンク各種300円 3 コミュニティカフェ紹介 ん。家で子 育てしている人を支 援する場所、 20 親と同じような対応をしては、という心配り 和定食・洋定食1,000円、ドリンク付き1,200円 店の前にあるレンタルのセニアカー（電動車 元気スタンド・ 42 Community Cafe いす）について、小泉さんから説明を受ける。 43 16 火曜～土曜11:30～17:00、日・月曜休 20 取材も入った。 実際にお客がいる店内を見学。メニューを見てオーダーもした。 で出される食事も頂き、 「のら」では講座後 さいたま市南区鹿手袋7-3-2 いろいろな人が緩やかに連携する場所、だれ http://healthy-cafe-nora.jimdo.com/ になるほどと思った」などの感想が寄せられ TEL:048-607-3007 で も 来 ら れ て、 飲 食 が で き る 場 所 で あ る コ この日はテレビ東京「News アンサー」の カフェ ヘルシー カ フ ェ のら た。 営について、新井さんに話していただいた。 2 ぷリズム 「広場」で「のら」を立ち上げた経緯や運 コミュニティ の 現場を訪ねて コミュニティカフェ紹介 東 京 To k y o スパゲッティナポリタン580円 コミュニティカフェ開設講座で連携した全国の 4 団体はそれぞれ各地のコミュニティカフェを紹介する ガイドブックを制作しました。制作に当たった編集委員にガイドブック制作への思いを語ってもらいました。 京 都 版 石 川 県 版 編集委員 編集委員 平本 毅（ひらもと・たけし） 木和田 里美（きわだ・さとみ） コミュニケーションと人のつながりの研究をし ている大学教員。大学の授業でまちづくりの調 査を始めたのを機に、地域活動にかかわる。 NPO 法人つながる KYOTO プロジェクトの副理 事長と事務局長を務め、コミュニティカフェの 運営者と利用者の方々に常識を教わる日々を過 ごしている。 NPO 法人金沢観光創造会議のアートディレク ターを務める。デザイン会社エイチツーオーを 立ち上げ、代表取締役デザイナーとして、デザ イン業務に当たるとともに、オリジナルの手芸 作品「似顔絵あみぐるみ作家」としても活躍す る。お茶やお菓子を楽しみながら編み物をする 「ニットカフェ」を開設したのを機に、コミュ ニティカフェに関わるようになる。「ニットスタ ジオ Fika（フィーカ）」を運営する。 コ ミ ュ ニ テ ィ カ フ ェ ガ イド ブ ッ ク 編集委員の声 愛 知 県 版 神奈川県版 編集委員 編集委員 場所の力を活かす企画力で建築デザインを監 修。キモチをカタチにしながら、シクミやウゴ キにかえる住民参加型ワークショップの道先案 内人。コミュニティカフェや住民参加プロジェク トに参画し地域に根付いたソフト付ハード開発 を担う。「Com-cafe 三八屋」、「浜田のまちの縁 側」、「スズカコミュニティー」に参画。住んで いる地域では、住民参加で作られた児童館の指 定管理者としてシクミやウゴキづくりを実践中。 2011 年、ぐらす・かわさき入職。「農のあるま ちづくり」にてファーマーズマーケットや援農 等のイベント運営・事務局業務に携わりながら、 食と農の交流拠点の設立準備に関わる。2012 年にオープンした地産地消の八百屋・カフェ＆ コミュニティビジネスの支援施設「メサ・グラ ンデ」にて、 日々の運営からイベント企画、 コミュ ニティビジネス起業相談まで担当。 坪井 俊和（つぼい・としかず） 佐藤 ゆき恵（さとう・ゆきえ） つながりから学べるもの 運営者の方と出会い、 自信と勇気をもらう ガイドブックづくりは、 活動巡礼の旅になりました 他店の工夫に関心と共感 京都は市民が元気な街です。住民の中には、古都の文化に誇 子どもの頃、学校から帰ると、近所の女性たちが、わが家に 市民活動と呼ばれ社会と向き合い戦って来た仲間達は、時の変 神奈川県はとても広く、各地域で異なる特徴があります。各 中には退職して地域に戻ってきた高齢者も、働いている人も、 楽しそうに会話をしながら、編み物をしていました。 ティカフェを併設させていました。若者や障害児・者の就労支援 くさんあるのだと、実感できる取材でした。私たち自身も、川 フェ」を開催したのが 2009 年でした。教室ではない、気軽に たエコビレッジ、支援のプロとして等々多様なヒト・モノ・コトの りをもって地域活動に参加している人がたくさんいます。その 子育てをしている人も、学生もいます。こうした多様な立場の 人びと同士がつながり、交流することでさらに街が元気になり ます。私は自分の学生を、地域の人びとの話を聞くように言っ て街に送り出しますが、学生たちは先方に迷惑をかけながらも、 私が学校で教える内容より遥かにたくさんのことを学んで帰っ てきます。とくにコミュニティカフェの運営に携わっている 方々は、人をつなげる仕事をしているからか、特別に大事なこ とを学生に教えてくれますし、私自身もたいへん勉強させてい ただいています。そうした方々のことをもっと知りたくて、ガ イドブックを作りました。 私たちつながる KYOTO プロジェクトはまだ若い NPO で、人 も足りなければ活動のノウハウもありません。ガイドブック作 成の過程ではたくさんの方々に助けていただきました。ほうぼ うに迷惑をかけてなんとか完成したこのガイドブックで、取材 の過程で目にしたコミュニティカフェの生き生きした様子と、 集まり、わが子の話や世間話など、お茶やお菓子を食べながら 自分が大人になり、編み物などの手仕事を通じて「ニットカ 編み物を学ぶ環境を作りたいと思い開催しましたが、 「ニット カフェ」を続けていると気がついたことがありました。子ども の頃と同じ環境が、 「ニットカフェ」で作られていったのです。 集まった人々が自然と世間話に花を咲かせて、笑いが絶えない、 時には悩み事を相談し合う、そんな空間となっていったのです。 コミュニティカフェを開設、運営するには、大変なエネルギー と覚悟が必要なのも事実ですが、ガイドブックの取材で多くの 化に翻弄されながらも柔軟に乗り越える跳躍力を持ってコミュニ を行うNPO 法人、地域の生きがいづくりのサロン、若者が企て 物語が綴られていました。 NPO 法人まちの縁側育くみ隊を立ち上げたのは 11 年前。地域 に密着し老若男女がふらっと寄れるまちの縁側に、時代を救う可 能性を感じていました。 「志民発話のコミュニティの場・まちの縁 側」は多様な成長を遂げていて、曼陀羅多色刷りの様相「人も 心も暮らしから豊かに・思いをつなぐところ・若者もお年寄りも 世代を超えてミッションを感じたらひたすら動き出す・笑顔と涙が 運営者の方と出会い、自信と勇気をいただきました。 エネルギー・子育てまるごとまち育て・苦労も生き甲斐」と様々 方はぜひ、ガイドブックを参考に、足を運んでみてください。 コツコツ・ニコニコ・フワフワとして漂いながら賑わうコミュニティ が広がると思います。 いました。皆さんもコミュカフェ巡礼の旅へ出かけてください。 開設を目指す方だけでなく、素敵なひと時を楽しもうという そこにはきっといろいろな人との出会いがあり、新しい世界 に増殖していました。 これからさらに混沌とした世の中になっても、 カフェ・まちの縁側には、未来を生き抜く確かな生命力が宿って 地域に根付き、そこに必要な「居場所」を提供するカフェがた 崎市中部の中原区に「メサ・グランデ」という地産地消の八百 屋兼カフェを運営しはじめたところで、経営の大変さを、身を もって感じているので、各店の工夫の数々に、 「ほぅ」と感心 させられたり、 「そうそう」と共感したり。私たちだけじゃない、 頑張らなくちゃ、と思わされることが多々ありました。 それぞれのカフェが、熱い思いを込めて頑張っているのだと いうことを、ぜひとも多くの方に知っていただき、行ってみて いただきたいと思います。そして、その訪問が、地域に対する 問題意識を共有したり、語り合える仲間ができたり、場づくり に参加したりということにつながっていったら、素敵なことだ なと思います。 取材を担当しなかったカフェに私もすべて興味津々！ いつ か必ず行ってみたいと思うところばかりで、わくわくしながら 読んでいます。 出会った運営者の方々の人柄が少しでも伝われば幸いです。 問い合わせ先 NPO法人 つながるKYOTO プロジェクト 〒602-8168 京都市上京区土屋町通 出水上ル弁天町303番地 メール [email protected] 電話 050-3593-6615 45 問い合わせ先 問い合わせ先 NPO法人 金沢観光創造会議 NPO法人 まちの縁側育くみ隊 金沢市割出町647-2 名古屋市中区錦2-13-1 〒920-0062 メール [email protected] 電話 076-205-0272 〒460-0003 宮本ビル4階「まちの会所」内 メール [email protected] 電話 052-201-9878 問い合わせ先 NPO法人 ぐらす・かわさき （メサ・グランデ） 〒211-0044 川崎市中原区新城5-2-13 プリマSK武蔵新城1階 メール [email protected] 電話 044-872-9795 Community Cafe 44 コミュニティカフェ全国交流会 長寿社会文化協会（WAC）は2009年からコミュニティカフェの運営者、利用者、研究者、行政・社協関係者、 これ から始めたい人などによる交流会を開いている。今年度は2月23日（日）、東京・四谷の主婦会館で、WAM助成 事業の一環として、5都市の開設講座受講生代表によるプラン発表会も開き、 この事業で制作した各県のガイド ブックを配布した。180人の参加者は12のテーマ、18のグループに分かれたテーマ別交流会や懇親会でコミュ ニティカフェの運営や課題などについて語り合った。各自、交流を深め、ネットワークを広げていた。 コミュニティカフェ研究会を 4 回開催 現場で運営者から話を聴く 長寿社会文化協会（WAC）が2008年12月から開いている「コミュニティカフェ研究会」。2013年度はWAM助 成事業の中に組み入れ、実際の現場での開催も含め4回にわたって実施した。講演要旨は次の通り。 第32回 2013年7月 幻燈講演会 「まちの縁側を始めませんか？」 NPO法人まちの縁側育くみ隊代表理事・延藤安弘さん 会 場 は 、ぐ ら す・かわさきが運 営 す る コ ミュ ニ ティカフェ 「メサ・ グランデ 」。参 加 者は神奈川県内 のほか、都内、千 葉 県 から約 3 5 人 が集まり、独特の“延藤節”に耳を傾けた。 延藤さんは、英国の絵本を題材に「共に食べ、話し、 笑い、心を晴らす場づくり」から話し始め、イタリア・ボ ローニャの高齢者の居場所づくり、名古屋の「まちの縁 側GOGO！」による多世代の居場所づくり、まちの縁側5 千カ所を目指す長野市ボランティアセンターの場づく りなどの事例を次々と紹介した。 岡さんのいえ TOMO オーナー・小池良実さん 会場は、 「世田谷 トラストまち づ く り」の支援を受け、 「地域共生のい え」として2 0 0 7 年 にオープンした「岡 さんの家 TOMO」。 小学生からお年寄 りまで、さまざまな 世 代 が 、畳 の 間で ちゃぶ台を囲んでお茶やおしゃべりを楽しむ地域コミュニ ティの拠点だ。神戸の大学院生も含め、約20人が集まった。 岡さんのいえの成り立ちから始まり、地域のお母さんた ちが運営している週一度の「デーカフェ＆駄菓子屋」、岡さ んが戦前に残したおやつのレシピをパティシエが再現す る月一度の「再現カフェ」、半年ごとに出している地域向け の「しんぶん」、小学生向けのサマースクールなどの活動に ついて、小池さんと 「見守り隊員」に話してもらった。 コーヒーと再現カフェのケーキも頂き、研究会後、その場 で希望者が懇親会も行った。 第34回 2013年12月 第35回 2014年3月 NPO法人ちばMDエコネット理事・事務局長・山本佳美さん 主宰者・高田彰一さん コミュニティカフェ 「ひなたぼっこ」 共奏キッチン 東京・芝公園の 東京・芝公園の き、12人が参加し き、15人が参加し こ」は、 「街なかに は、その日集まっ WA C 研 修 室で 開 た。 「 ひ な た ぼっ 障 が い の ある人 が働き、皆が交流 WAC研修室で開 た。共奏キッチン た 人 が 一 緒 にご 飯を作って、食べ できる場所を作ろ て、語り合う異業 フェ。接客や調理と片付け、メニューブックの作成などの で行い、既に37回を数える。 向け住宅や公園に出かけての清掃業務と 「出張カフェ」、 いる有機野菜などの食材と産地、 「できるだけ世話を焼かない」 う」と、2002年に千葉県船橋市に出来たコミュニティカ カフェでの仕事のほかに、カフェを拠点に市内の高齢者 種交流会のような催し。2011年2月から月1回のペース 共奏キッチンが始まった経緯やどんな人が集まるか、使って 県内の農園での作業など知的障がい者の就労支援につ という主宰者としての心がけなどについて話してもらった。高 教室、ニットカフェ、 「歌声ライブ」、絵画展示などをして、 ち合いたいなにかがある。こんな関係性が広がっていったら、 いて話していただいた。また、書道や押し花、英語などの 一般の人に利用してもらう工夫について聞いた。 47 第33回 2013年11月 田さんは「言葉にはうまくできないけれど、大切にしたい、分か 今ある社会課題の多くは消えてしまうのでは」と話していた。 Community Cafe 46 公益社団法人 〒105-0011 TEL 長寿社会文化協会 東京都港区芝公園2-6-8 日本女子会館1階 03-5405-1501 FAX 03-5405-1502 E-mail [email protected] ホームページ ブログ http://www.wac.or.jp/ http://blog.canpan.info/com-cafe/
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