(新)研究推進体インタビュー 環境共生フロンティア研究拠点(研究代表者:宮本文穂教授) 9月22日(水)曇り。気温30℃を記録しまだ暑さが続く中、工学部総合研究棟の宮 本先生の部屋を訪ねました。入口には「安全環境センター」の看板が掲げられていて、部 屋はきちんと整理されていました。先生ご自身の研究は、“橋梁を含む道路網の耐久性診断 及び最適維持管理システム” “"橋梁構造物の耐用性診断エキスパートシステム” “コンクリ ート構造物の維持管理支援システム”といった「構造物の状態モニタリング・状態認識」 に関するものです。 2009 年度には、山口県と山口大学との共同研究として推進された「橋梁維持管理データ ベースシステム(J-BMS DB‘09)の開発」が完成しました。J-BMS は、橋梁の維持管理 業務の統合型のシステムであり、一般的な維持管理フローである「点検・調査」、「評価・ 診断」 、 「計画・対策(補修・補強) 」の各ステップにおいて様々な支援を行う複数のサブシ ステムから構成されます。具体的には、橋梁の劣化診断を行うシステム、劣化予測を行う システム、劣化要因を推定するシステム、予算を考慮した維持管理対策を選定するシステ ムおよび橋梁諸元などの各種データを扱うデータベース(DB) システムなどの開発がお こなわれました。老朽化する社会基盤施設の維持管理へ適用し、 「世界標準化」への道が開 かれると期待されます。 研究推進体全体では、「次世代に引き継げる安全・安心の公共インフラ整備のためのライ フタイムマネジメント(長寿命化)研究開発」、「次世代に引き継げる生態系の保全と修復 のための高機能生物の探索・作成と活用および次世代に引き継げる安全・安心の低炭素社 会の実現のための膜技術の確立」のテーマで研究が行われています。これからの国際社会 では、地球環境、防災問題、老朽化する社会基盤施設の維持管理等の社会問題がこれまで 以上に深刻になるため、公共インフラマネジメント技術の集成、開発研究は国際社会に大 きなインパクトを与えると考えられます。
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