耐熱アラミド繊維に中空セラミックビーズを加工。 炉前・鋳造・溶接作業に適した「高耐熱耐火シート」 アキレスと帝健が共同特許を出願 2008.07.08 アキレス株式会社(本社:東京都新宿区 社 長:中田 寛)は、この度、NI帝人商事(株) (本社:大阪市中央区 社長:森田 順二)の子 会社である(株)帝健(大阪市中央区 社長:丸 岡 健二)と共同で「高耐熱耐火シート」の製品 化に成功し、共同特許を出願いたしました。 <高耐熱耐火シート断面写真> 1.開発の背景・経緯 炉前作業や溶接作業などで着用される防火服や耐火服には、高熱輻射や溶滴の飛来を受ける可能性 があるため、十分な耐熱性が求められます。それらの服で使用されるアルミ生地の耐熱シートは、耐 熱性が不十分なことから、防火服や耐火服へ製品化する際に、耐熱部位を強化するなどの方法で耐熱 性を確保してきました。しかし、従来の方法では生産の手間が掛かることや、服の柔軟性が損なわれ て着用時に動きにくいなどの問題があり、耐熱シート自体の耐熱性能の向上が求められていました。 そこで今回、アキレスと帝健の共同技術により、耐熱シートとしては初めて、耐熱アラミド繊維の 上に中空のセラミックビーズを表面加工することにより、従来のシートと同等の柔軟性を兼ね備えな がら、耐熱性を飛躍的に向上させた「高耐熱耐火シート」の開発に成功しました。 2.製品構造とその特徴 「高耐熱耐火シート」は、帝人のメタ型アラミド繊維「テイジン®コーネックス®」の生地の表面 に、アキレスのゴム引き加工技術を使って、平均粒径 0.01~300μm の中空セラミックビーズを含有す るゴム層を積層させた構造になっています。 中空セラミックビーズは耐熱性に優れているだけでなく、 中空であるために断熱層としても機能し、 熱伝導を抑える効果があります。更に、最表面にアルミ層を積層することで熱反射性を向上させてい ます。 この構造により、従来のアルミ生地と同等の柔軟性を損なうことなく、耐熱性は約 8 倍以上、断熱 性は約 2 倍以上に向上しています。 3.今後の展開 「高耐熱耐火シート」は、㈱帝健から 7 月下旬より高炉・電炉・硝子メーカーの炉前作業、鋳造作業、 溶解作業向け防護服用途製品として販売を開始します。 <参考資料> 【 耐熱性試験 】 時 間 (sec) 60 50 40 30 20 10 0 従来品 【 柔軟性試験 】 新製品 <試験方法〉(株)帝健自社測定試験方法 1100℃バーナーで接炎し穴・亀裂が生じ るまでの時間を測定。 【 熱伝導率 】 熱伝導率(W/mK) 従来品 0.30 新製品 0.13 <試験方法>電熱線法 【 高耐熱耐火シート構造 】 120 100 剛 80 軟 60 度 40 (mm) 20 0 従来品 新製品 <試験方法〉JIS L 1096 A 法
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