福 島 第 一 原 子 力 発 電 所 事 故 の 放 射 能 が 野 生 動 物 と

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福島第一原子力発電所事故の放射能が
野生動物と生態系に与える影響
~
長期モニタリングで解明を
石 田
2011 年 3 月 11 日午後 14 時 46 分に発生した大地震
健
~
*
人にとっては,現状も許容範囲かもしれない。しかし,
とそれにともなった大津波によって引き起こされた
避難を強いられ元の生活の場から引き離され,容易に
福島第一原子力発電所事故は,農地においては主に
は新たな生活基盤を築けず,生き甲斐をみつけようと
深さ 15cm 程度までの表層土に 21),森林においては
している人たちも少なからずいらっしゃる。そういう
表層土や落葉腐植層,常緑樹の樹冠を中心に放射能に
方たちは,いつどこまでもどると何によって判断した
よる汚染を引き起こしている a)。空間放射線量率の
らよいのか。さらに,なにも知らずに放射能汚染の
比較的高い地帯は,事故原発の北西方向に約 40km
もっとも高い地域に生息しつづけている野生生物
までの主に阿武隈山地北部に集中して広がり
b, c)
,
たちはどうなるのか。そのことを,なるべく記録し,
この地域からは大部分の人々が避難して,ほぼ無人
放射線量の測定値が持つ『生物にとっての意味』
(=
地帯になった。このことで,野生鳥獣をはじめとする
適応度の変化)を少しでも検証することが求められて
生態系に,さまざまな影響が現れてくると予測される。
いると思う。
福島県下の事故原発周辺ほか,日本各地で,市民や
人類は,福島第一原発事故のようなきわめて大きな
行政によって,空間や食品の放射線量が測定されて
原子力に関わる事件,
事故を5 回経験したのみであり,
おり,空間線量率の概略の分布は,文科省発表の全
科学的な評価に耐える検証をすることはなかなか
b)
国についての空間線量推定も公表されている 。線
困難である。放出された核種や総線量,分布など,
量を測定した結果の数値は,たくさんある。
今回の事故は過去の事件・事故と条件や状況がかなり
一方で,人にとっての比較的低線量(例えば毎年
異なっており,その影響評価についてどのような研究
5~10 ミリシーベルト前後)の長期(例えば 10 年以上)
手法が最適なのかは,ある意味では誰も知らないと
にわたる被曝,とくに内部被曝の影響についての理解
言えよう。不幸にして,過去 4 つの大事件や事故,
や解釈,あるいはその影響を避けるための対処法に
多数のより小さい事故の検証データもある。これらの
ついては,さまざまな意見や価値観があり,統一され
教訓を,将来の世代に伝える新たな努力を地道に積み
た見解はない。一つの例として,起こりうる健康影響
重ねることは,やはりしておきたい。
についてのリスク評価対象として,国際放射線防護
委員会(ICRP)は致死ガン・遺伝性障害・IQ 低下のみ
野 生 生 物 を 観 測 す る 意 義
を対象とし,欧州放射線リスク委員会(ECRR)は
事故を起こした日本の研究者の責務として,事故
その 3 つに加えて,非致死ガン・乳児死亡・出生率
原因の解明や事故災害の解決方法に加えて,野生生物
低下・低体重出産・心臓病等も評価対象とする。
や生態系に対する影響についても,基礎的な情報を
乱暴な言い方をすると,前者は目に見える人数の
世界に発信する役割が期待されているだろう。また,
個人が死ななければよいという基準にも思われ,
野外に体ひとつで暮らし続けている野生動物の生息
後者は集団の適応度の低下をより細かく評価しよう
状況,生態や生理状態を観察,観測して示すことに
とする姿勢が現れている(文献 17 の表 7.4,なお後述
よって,事故原子炉周辺の住民の安全確保,安心の
の科学についての節を参照のこと)。
獲得や今後の生活復興の参考にしてもらうほか,
明らかな健康リスクをうける心配が(客観的に)
一般市民にも合理的で直感的にも納得しやすい
少なく,自分の意思で対応がとれる立場の大部分の
基礎情報を提供できると期待される。いわゆる,
*
東京大学 (Ken Ishida)
0369-5247/13/\500/1 論文/JCOPY
石田:福島第一原子力発電所事故の放射能が野生動物と生態系に与える影響
3
生物指標と呼ばれる手法である。生物多様性保全の
な取り組みが望まれる。その一部は,未来世代に対し
観点からも,原発事故の放射線の直接の影響と,
て,私たちが残すことのできる財産となるだろう。
人間活動の低下や除染等の活動のさまざまな環境
変化が,野生生物の相互作用を通して生態系やそれ
ぞれの野生生物に与える間接の影響を明らかに
阿 武 隈 山 地 の 景 観 と 生 態 系
阿武隈山地は,宮城県南部~福島県東部~茨城県
するための,長期モニタリングを模索する活動が,
北部の南北約 170km,東西には約 50km の範囲に
我々を含めて,環境省事業や国内外の大学,各種
亘っている。低標高の峰と細かい渓谷が,複雑な
研究機関等の研究者によって始まっている。
地形を織りなしている。標高 1,192m の大滝根山
原子力災害の生態系や野生生物への影響評価と
保全については,ICRP(2008)による基準があり
5)
,
(北緯 37 度 21.3 分・東経 140 度 42.1 分),
標高 995m
の移ヶ岳(北緯 37 度 29 分・東経 140 度 37 分)
,標高
この基準にもとづいてノネズミやカモ,ミミズ,
967m の鎌倉岳(北緯 37 度 28 分・東経 140 度 41.3 分),
キノコなどを定期的に採取し,個体の持っている
標高 952m の蓬田岳(北緯 37 度 15.9 分・東経 140
放射線量を測定するモニタリング調査事業は,環境
度 32.1 分)などの残丘群の周辺に,標高 600m 程度
省によって行われているらしい。比肩できる情報と
のなだらかな山稜や緩斜面が広がっている。地質は,
して,チェルノブイリ原子力発電所事故後の 25 年
主として古期花崗岩からなり,古生界~中生界の
余りにおける研究結果がある
12)
。ただし,チェルノ
砂岩・石灰岩・変成岩類,古第三系,新第三系も
ブイリ事故の状況やベラルーシ,ウクライナ周辺の
分布している。老年山地特有の上流から下流まで
自然,社会環境が福島とは著しく異なる。例えば,
続く幅の広い浅い谷や低標高の峠が,山地のあちら
事故の起こった季節や汚染濃度や飛散した核種の
こちらにある 1, d)。
違いがあり,チェルノブイリ原発事故直後に近くで
東の太平洋岸には,幅 5~10km 程度で,鉄道の常
見られた赤く枯れたような森林は,福島第一事故
磐線や国道 6 号線などの交通路のある「浜通り」と,
原発周辺にはない。松食い虫(線虫)病で枯れたアカ
西の奥羽山地との間には,阿武隈川沿いの郡山市や
マツが点在するのみである。
二本松市,福島市といった福島県の主要都市,東北
チェルノブイリ事故に関連する野生生物について
新幹線や東北自動車道,国道 4 号線などの主要交通路
の情報はあるものの 12),事故直後からの長期モニタ
のある「中通り」の,南北に細長い 2 つの平地にはさ
リングによる生態系への影響を追跡した結果は
まれている。浜通りは,その 3 分の 1 近くを今回の
知られておらず,少なくとも私たちが参照できる
大津波に洗われた。浜通りの平野部から阿武隈山地に
知見は限られている。また,阿武隈山地は,後述
入るとすぐ,細い谷がおりなす渓流になる。この急な
するように多様な景観が比較的狭い地域に凝縮し
斜面には,植林がなされている。人口密度は,低く
連続して分布する特徴を持ち,中央部の阿武隈高地
人里はほとんどない。高度をあげ標高 400m 前後に
では自然林生態系と里山景観が入り組み,連続して
達すると高原状台地になっており,田畑や牧草地の
いて,生物多様性が高い。落葉樹の優占する冷温帯林
広がり周囲の山林と混じる阿武隈高地である。ほと
気候で,冬には少量の積雪もあり,季節変化や年変動
んどの頂は標高 600~700m 程度のなだらかな山容で,
も大きい。従って,より多面的で広域をカバーする
広々とした山里や里山の景観を有している(写真 1,2)
。
ような,阿武隈山地北部の生態系に適した手法を模索
最高峰の大滝根山は,山系のほぼ中央に位置する。
することも重要であろう。チェルノブイリ事故の前例
高地の西側ではふたたびなだらかな斜面がくだり,
からも,人間活動が低下することによる影響も大きい
人口の多い,中通り地方の細長い低地平野にいたる。
ことが示唆されている
14)
。
気候は,冬の月平均気温が 1~4℃,夏は 24~25℃の
これらの観察,測定結果はかならずしも明瞭なもの
比較的冷涼な冷温帯で,夏に降水量が多く冬に少ない。
ではなく,その解釈には幅があり,議論や合意形成が
飯館村の年間平均降水量は 1450mm 程度と世界の
12, 27)
。従って,最適な研究,
中では多く,冬には降雪があって根雪となる。天然
モニタリング手法を予め知っている者はおらず,人類
林の発達した区域には,モミ,イヌブナ,イヌシデ,
の未知領域の解明のためには,さらに,多様で多面的
ケヤキ,トチ,サワグルミ,イタヤカエデなどが
十分にはできていない
4
畜産の研究
第67巻 第1号 (2013年)
阿 武 隈 山 地 の 野 生 鳥 獣
哺乳類は,イノシシ,キツネ,タヌキ,アナグマ,
ハクビシン,ニホンザル,ニホンリス,ヤマネ,アカ
ネズミ,ヒメネズミ,アズマモグラ,ヒミズ,キク
ガシラコウモリ,コキクガシラコウモリ,ニホンテン
グコウモリ等が生息している 13)。
シカは少数個体の生息が確認されているものの,
分布地点は散在し,以前養鹿が行われていたことから,
逃げだした飼育個体,あるいはそのような個体が記録
の一部に混じっている可能性も指摘されている。
写真 1 阿武隈高地の川俣町山木屋上田代地区の景観。
農地と残丘陵の雑木林,植林が混在し,小さい川や水路や小
さい岩山もあり異質性の高い景観を形成している。(2012 年
8 月)
主に,北部の宮城県方面から移入のある可能性がある
ものの,生息密度は現在は未だ低い(稲葉 私信)。
イノシシは,痕跡も多く,観察頻度も高い。ツキノワ
グマは定着していないという説が優勢ではある
ものの,ニホンミツバチの巣を補食した例など,
不定期に出現していることが確認されている(吉田
幸四郎ほか私信)。北部の福島市付近での記録も
ある一方,南部でも少数の観察例が報告されている
(28),稲葉私信)
。私自身の1年半,12 回の観察期間
中に,イノシシ,キツネ,ハクビシン,ノウサギ,
ニホンザル,ニホンリスは直接観察したが,ツキノワ
グマの糞,足跡,爪跡,クマ棚などの痕跡は確認
できなかった。足跡や筍を掘り起こした採食跡など,
写真 2 牛の放牧(波江町小丸)
。
渡辺典一氏は,震災・原発事故以前から過疎化と人手不足へ
の対応として,放牧による肉牛の粗放生産を手がけている。
放射能濃度が高い場所なので出荷はできないが,事故後も牛
のもとへ通って放牧を続け,電気柵で管理する牧草地の維持
に役立てている。名前をつけてかわいがっているので,牛た
ちが駆け寄ってくる。原発事故から1年ほどして牛たちもだ
いぶ「野生化」したようで,最近は歩速が落ちている様子。
多くの仔牛も産まれる一方,人の介護がなく難産で親子とも
死亡したこともあったという。避難地域の農地は,放置され
ると薮化し遠からず雑木林に遷移する。シカとクマがいない
有利さもあり,好適な農地としても利用できる北阿武隈高地
の平原で,何年後かに農業を再開できるように,牛や山羊の
放牧も一途であろう。
イノシシは,痕跡も多く観察された。
鳥類は,ウグイス,ヒヨドリ,ホオジロ,ホトト
ギス,ハシブトガラス,シジュウカラ,キジ,カワ
ラヒワ,メジロ,キジバト,ガビチョウ(外来種)
,
コゲラ,スズメ,オオヨシキリ,ハシボソガラス,
カッコウ,ツツドリ,モズ,アオゲラ,キセキレイ,
ヤブサメ,ムクドリ,ハクセキレイ,ツバメ,キビ
タキ,サンショウクイ,アオサギ,ヒガラ,ヤマガラ,
カケス,サシバ,ハイタカ,イカル,オオルリ,ミソ
サザイ,ヒバリ,アオバト(以上,2012 年 6 月の 38
地点における定点観測の出現頻度の多い順)
,コサギ,
ミゾゴイ,カルガモ,オシドリ,オオタカ,ノスリ,
生育し,スギやヒノキの植林が混在する。なだらかな
チョウゲンボウ,トビ,フクロウ,ヤマドリ,ヤマ
谷頭部の扇状地では,放牧,稲作,花卉栽培,等の
セミ,カワセミ,アカゲラ,オオアカゲラ,セグロ
農業が営まれており,飯館村や川俣町,浪江町,葛尾村,
セキレイ,カヤクグリ,トラツグミ,ツグミ(冬),
田村市,川内村など中央部の高原状台地の区域には
コルリ,コガラ,エナガ,キバシリ,カシラダカ(冬),
比較的広い農耕地と広葉樹二次林の,いわゆる里山,
オナガ等が生息している 13, 19)。
山里の生物多様性の高い生態系が広がっている。
私が,浪江町,葛尾村,川俣町,二本松市,田村市,
飯舘村を中心にした地域において,2012 年 7 月~
石田:福島第一原子力発電所事故の放射能が野生動物と生態系に与える影響
5
2012 年 10 月に計 12 回,定点調査,録音および任意
ように,直接目にみえづらい環境汚染の影響を顕著
観察を実施した範囲では,落葉樹の着葉期にはウグ
に表す生物指標として,鳥類は多くの事例を示して
イス,1年を通してホオジロが広い範囲でもっとも
くれた。原発事故の環境モニタリングのための生物
高頻度に観察され,捕食者の猛禽であるノスリも
指標としても,鳥類には多くの利点がある。定点
谷あいで多く観察された。この地域における過去の
調査と録音記録は,鳥類群集の多様性変化や,特定
調査記録が少なく 19),1点報告書が見つかったものの,
の種の増減を確認することが,目的の 1 つである。
非公開資料になっており
10)
,私はまだ閲覧できてい
予測される変化としては,人が生活しなくなること
ない。したがって直接の比較情報がない。しかし,
による間接効果として,人家付近に生息し営巣する
これまでの観察記録からは,放射能の影響を直接うけ
スズメやツバメが減少する可能性がある。放射線量
ていると考えられる結果はまだ得られていない。
の高い地点と低い地点をまたいで広域を移動する
モニタリング対象としての鳥類群集
ような大型の種や,当地に短期間だけ生息する旅鳥
などでは,影響があったとしても軽微で確認すること
鳥類保護の標語の 1 つとして,
「今鳥におこって
はできないと思われる。一方,観察頻度が高い優占種
いることは,明日には人におこる」"Today birds,
で,異なる空間線量率の広い範囲に分布し,各個体は
tommorrow men" というものがある。
狭い範囲に長期間居続けるウグイスやホオジロに
筆者は,試行錯誤しながら実施している調査手法
おいては,個体や集団に放射線の直接の影響が検出
として,鳥類の定点観察(定点カウント)
,録音によ
できる可能性があるであろう。少数ながら捕獲個体の
る生物音記録,ウグイスの捕獲(写真 3)による生体
筋肉中から高い線量の検出されたことが報告され
試料採取の 3 つを主に行っている。鳥類は,低地の
ている e),線量の高い地上部で活動するヤマドリや
陸域を含めて約 150 種余りと,この地方にも比較的
キジにも,長期間の間に影響が確認される可能性が
多種が生息し,大部分は昼間に活動して視認できる
あると考えている。
大きさであることや,声を発する種が多く,飛ぶこと
ただし,震災前から進んでいる過疎化の影響もすで
などの行動特性から観察が比較的容易な動物である。
にある。2012 年夏の時点では飯舘村の避難地域内の
一部の種は,その声を録音することによって生息の
市街地でツバメを多数観察した一方,人が住んでいる
有無や生息状況を記録できる。これは,自動録音装置
二本松市百目木における聞き取りと確認した観察
を利用して,第三者にも再確認可能なデータを長期間
結果では,事故以前からツバメの巣のカラスによる
継続的に取得できることも意味する。人と同じ内温
捕食圧がすでに高く,生息密度が低下していた。
性の脊椎動物である鳥類は,人に近い代謝機構を持
百目木では,2012 年の繁殖期にはそれ以前の数年より
ち,放射線等に対する感受性も近いと仮定できる 24)。
も繁殖成績はよかったという意見の住人もいた。
昔の鉱山で,鳥籠にカナリアを入れて連れて行き
個々の集団の短期的な変動もあるため,数年以上の
有毒ガスの発生を知る手がかりとした例や,レイ
チェル・カーソンの「沈黙の春」などで紹介された
経過観察が必要である。
その他に,猛禽としては観察頻度が割合に高かった
ノスリは,農耕地などの草地で地上にいるノネズミ
などを多く捕食する。線量の高い地区で,線量がとく
に高い地表付近に穴も掘って生息するノネズミ類を
多く捕食する個体に放射線被曝の影響が生じる
可能性があるほか,放置された農地が高い丈の草で
覆われ,いずれ雑木林に植生遷移した場合には,
ノスリの餌場は減る。個体への影響と集団への影響が,
異なるしくみで重なる可能性もあるため,避難地区で
も除草等の実施されている地点や異なる線量の地点
写真 3 浪江町赤宇木地区で捕獲したウグイス
を含む,より広範囲での長期間の観察が,影響評価
のために必要だと考えられる。
6
畜産の研究
第67巻 第1号 (2013年)
なお,福島第一事故原発から出て汚染を起こした
活動するため,地上部にかすみ網を張って捕獲でき,
セシウム 134 とセシウム 137 には生物学的半減期が
またさえずりの録音を再生して網に誘因すること
あり,カリウムと似たしくみで代謝されるため,食物
も可能なため,野鳥の中では比較的捕獲が容易な
連鎖の最上位にいる猛禽類においてもいわゆる
種でもある。同時に,雄はなわばりを構えて繁殖する
生物濃縮が起こることは想定しづらい。一方で,ヤマ
生態的特徴から,捕獲地点周辺における放射線量率の
ドリは冬に大量のシダ類を食していることが知ら
測定値と,各個体あるいは集団の外部被曝量との線形
れており,シダ類はキノコ類とならんで高い放射線量
の相関が期待できる。さらに,上述したような広域
を保持することが知られているので,その影響が検
多地点での記録が必要という理由から重要だと
知される可能性があるだろう。ヤマドリ等の地上で営
考えられる点として,ホ~ホケキョと記されるさえ
巣する種では,例えばイノシシやキツネなどの捕食者
ずりの声がほとんどの一般市民に知られている
の密度や活動が,人の避難によって増大して,巣や雛
野生動物であり,多数の市民にも参加してもらって
の被捕食圧が高くなることも想定される。このよう
広域モニタリングをできる余地がある。長時間活発
に,それぞれの鳥の種の生態によって,直接と間接の
に声を出す雄については,自動録音記録によっても,
影響が異なる結果になると予測される。一部の種が
生息期間や活動量といった生息状況が容易に記録
減ることによる間接効果や生物どうしの相互作用
でき,音声データが分析に耐える。これらの好条件
によって,増加する種もいると想定される。2011 年冬
を理由に,今後,長期の個体と集団のモニタリング
の最初の落葉後は放射線量低下が大きい,地上から
対象にしたいと考えている。
離れた落葉樹の樹冠で活動し,樹上でも活動する
2011 年 8 月,
繁殖期後の換羽が始まっている時期に
クマネズミやヒメネズミ,飼いネコなどの捕食圧が
捕獲した 4 羽の雄のウグイスの主に尾羽を採取して,
低下する可能性もある森林性の鳥類には,増加する
イメージングプレートという放射線を検知する板に
種もあるかもしれない。
3 日間という短い時間密着させて放射線を検出した
鳥の食物となる昆虫やミミズ等のうち,生活史の
ところ,くっきりとした羽毛の輪郭と濃い斑点が多数
一部で地表や地表に近い地中を利用するものも多い。
点在する像が得られた。これらの羽毛にある核種と
それらの食物の変化が,鳥類に影響することも考え
線量を測定したところ,セシウム 134,セシウム 137
られる。いずれにしても,長期間,もともとある
などが検出され,2 つのセシウムを合わせて 29~
気象等や密度による各個体群の短期変動も同時に
531Bq/g の放射線量があることがわかった 8)。この
評価できるよう,広域長期のモニタリングを続ける
羽毛の汚染物質は,アルコールで強く拭いたり,
ことが望ましい。
超音波洗浄機に 20 分間かけてもほとんど落ちない
モニタリング対象としてのウグイス
ぐらい強く,羽毛に固着していた。2012 年7月と
8 月に捕獲した,ウグイスの雄や雌の成鳥と幼鳥からは,
ウグイスは,海岸から高山の山頂付近までの薮に
同じ試験でごく薄い像が得られ,測定した 2 個体の
生息し,日本の鳥類の中でもっとも広い生息分布域
羽毛の放射線量は約 10~50 分の 1 になっていた。
を持つ種の1つで,多くの広域調査で優占種となっ
活動する薮の葉などが汚染されていないものに入れ
ている。私は,主に秩父山地において,ウグイスを
替わって,鳥が直接に触れる放射線量が低下して
含む鳥類群集をかすみ網で捕獲し標識する方法で,
いると推測された。このように1年間鳥の体について
森林の低木層の鳥類群集をモニタリングしてきた。
いた換羽前の羽毛の汚染量を測定することにより,
ウグイスは今までに 350 個体余りを捕獲し,ストレス
鳥を生かしたままでその被曝量を予測することが
ホルモンに関する研究
関する研究
6)
26)
や,血液原虫の感染に
にも参加した。
ウグイスは,本モニタリング地域においても,広く,
多数が高密度で分布していることが確認された。放棄
可能かもしれない。羽づくろいや接触によって羽毛
が汚染される仕組みを想定しながら,異なる汚染地点
でウグイスを捕獲して羽毛を採取し,測定を続け,
予測被曝線量との関係を検討する予定である。
された農地が薮になっており,一時的にはウグイス
2011 年 8 月に捕獲した個体の中には,
お尻に大きな
の好む環境が増えている。地上近くの低い場所で
おできのある個体も1羽混じっていたものの,この
7
石田:福島第一原子力発電所事故の放射能が野生動物と生態系に与える影響
ように外見ではっきりと確認できる症状を発見,検出
野 生 鳥 獣 か ら 検 出 さ れ る
することは,福島の調査地点の放射能レベルにおい
放 射 性 セ シ ウ ム
ては難しいかもしれない。そこで,野外で暮らす野生
動物の長期,低線量の被曝の影響を知りうる個体の健
康状態の指標として,ストレスも測定しようとして
いる
8, 25)
食品などと同様に,野生動物の筋肉から得られた
放射線量も,各県から公表されている
e, f, g)
。事故
。また,プレパラートの上に血液を薄く引き
原発に近い阿武隈山地に,現在の北限の分布域として
延ばす塗抹試料も保存する。2011 年 8 月に捕獲した
生息するイノシシでは,福島県を中心に哺乳類の中
4 個体のウグイスの内 1 個体(おでき個体)から赤血
でとくに多数の個体から高い値が報告されている。
8)
球に寄生する原虫が検出された 。埼玉県の秩父山地
イノシシは,地面を掘り返して木の根や筍,地表近
で捕獲したウグイスでは 58 個体中 6 個体から原虫
くに生息する無脊椎動物等を多く食べている。摂食
が検出され,樹洞営巣性のシジュウカラ類からの検
時に,地表付近で放射能汚染が高い腐植や土も,食
出率が高かった 6)。原虫による感染も,それぞれの種
物の生物といっしょに多く体内に取り込むはずで
の生態や個体の健全度と関連していると考えられ,
あり,予測されるとおりの結果である。210Bq/kg
もう 1 つの目安になる。なお,今回見つかったと同様
の汚染個体が,千葉県の君津市でも報告された。現
のおできのあるウグイスは,和歌山県でも 2 羽,2006
時点では,こうした放射線量を保持した個体の生理
年の換羽季節に確認されている(熊代直生 私信)。
状態や病変,生態への影響についての解剖学的知見
野生生物は,さまざまなストレスを受けており,放
は報告されていないようである。イノシシは地面を
射線もその一部として作用し,個体の適応度に影響を
掘り起こすことにより,今後も継続的に高い被曝を
与えていると考えられる 8)。異なる空間線量の地域に
うけ続ける可能性が高く,個体や集団への放射線の
生息するウグイスの,被曝量とストレスレベルや原虫
影響が現れてくることが予測される。イノシシが農
感染率を比較することにより,福島第一原発事故由来
地や林床を掘り起こした跡を,別の動物が利用する
の放射線が個体および集団にどのくらい影響を与え
ことによる間接の影響もあるかもしれない。
ているのか,可能な限り評価したいと考えている。
阿武隈山地にはシカがほとんど生息しないこと
野生動物の個体や集団が受けた放射線の影響に
から,高放射線量地帯からのシカについての報告は
ついて,影響が認められないことも含めて知るために,
ない。会津山地と隣接する栃木県から,比較的高い
本来は,その個体の被曝量を直接に知りたい。しかし,
濃度での放射能汚染をうけたシカの報告が多くあ
それは多数を捕殺しないでは困難なため,現地での
る。一方,主な汚染地帯から離れた埼玉県秩父市浦
捕獲個体について,ホールボディカウントを試みる
山地区から 2 種類のセシウムの合計 820Bq/kg の雌
ことも検討している。ただし,そのための計測機器が
の個体が,2012 年 10 月に報告された(g) ,埼玉県
高価で,バックグラウンド放射線を遮蔽するための
自然保護課 私信)
。捕獲地点の空間線量からは予想
鉛ブロックが 60kg 程度も必要なので,フィールド
しにくい汚染レベルだと言え,栃木県等から移動し
に持ち歩くには重い。また,有意な結果を得る上で
てきたのか,捕獲地点周辺に狭い範囲の高濃度放射
もなるべく高い線量の地点でも調査を実施したい
能汚染地点があったり,高い放射能を持つキノコ類
が,独自の判断と計画で調査しようとする研究者に
16000
対して,警戒区域への研究のための立ち入り許可制限
14000
があり,一方で帰宅困難とされる制限区域が,場所に
12000
よっては拡大する。貴重となりえる記録を積極的に
10000
残すために,関係省庁や自治体,機関は研究のための
Bq/kg
Cs137 + Cs134
8000
6000
立ち入り許可の体制やルールづくりを,すすめて
4000
いただきたい。
2000
500Bq/kg 未満
0
図 1 福島県(147 例,最高 14,600Bq/kg)と近県(52 例,
2,470Bq/kg)で捕獲されたイノシシの筋肉中の放射性セシ
ウムによる線量(~2012 年3月の資料)
8
畜産の研究
第67巻 第1号 (2013年)
を多く食したなどのしくみがあるのか,今後の解明
などの大型野生獣にくらべると確立されている 11, 15)。
が待たれる。今後は,シカが摂食する地上付近の植
原発事故の避難によって,過疎化が促進された側面も
物の葉等の表面についた放射性物質が,枯れた植物
あるため,今後のイノシシとサルの動向や,シカや
とともに地上に堆積し,上から落葉等に覆われて
クマの侵入の有無,程度や,放射能レベルの低下後
徐々に地下に入るので,シカ肉の汚染も徐々に低下
にも農地として再活用できるような管理体制が問わ
すると予測される。本誌で紹介されていたスウェー
れる(写真 2)
。他方で,放射性物質によって標識さ
デンの放牧されたトナカイの事例では,事故後 25
れた個体がいることによって,周辺地域との移動特性
年以上経過しても,苔から接収される放射性セシウ
や汚染の拡散の実態が確認できる可能性もあり,こう
ムの濃度が一定のレベルで検出されおり
20)
,これも
長期間のモニタリングが必要であろう。
ツキノワグマは,阿武隈山地にほとんどいないこと
から,シカ同様に,会津山地や栃木県からの報告があ
る。シカに比べると,雑食性のため,個体差や地域差
した知見は,将来の野生動物の保護管理や放射線量
低下後の農林業の再開に活かせるかも知れないので,
研究者や行政の間での情報共有が望まれる。
何 が 科 学 的 で 客 観 的 か ?
の大きい結果,汚染レベルやその変化にはより大きな
最初に,ICRP 基準と ECRR 基準を比べ,後者の
ばらつきが出ると想定される。イノシシやシカに比べ
ほうが生物学的なものに思えるという説明をした。
て分布域が狭く,生息密度,捕獲個体数ともに少ない
しかし,実社会を運営するのにどちらがより勝れた
ため,データも多くは期待できない。福島県下の会津
基準であるか,あるいは科学的かといことは一概に
山地では,シカよりも高い放射線量が報告されており,
は決められない。そのことを理解するには,科学と
北側の岩手県と宮城県からの報告は少数ながら,汚染
はなにかを問う必要もある。
レベルは低い。2012 年 10 月に新潟県十日市市から 2
エリオット・ソーバー22)は,現代のほとんどの科
種類のセシウム合計 760Bq/kg の個体が報告されてい
学研究に用いられる統計の意味を問うた解説をし
る。原稿執筆時点で雌雄等の情報は未確認である。秩
ている。その著書の第一章を訳し,かつ原著の問題
父山地において筆者が研究した事例から推測すると,
点を著者に指摘して改訂原稿としての邦文を掲載
会津山地から隣接する新潟県への移動は,少なくとも
したという松王政浩氏の解題と合わせて 23),参考に
雄では日常的にあると考えられる。
できるだろう。残念ながら,私はその哲学的本質を
日本各地の中山間地域とも呼ばれるような地域
十分に深くは理解できない。理解できたと考える範囲
において,野生獣による農業被害等が過疎化を促進
では,現代統計学では,頻度主義,ベイズ主義および
する顕著な社会問題になっており,阿武隈山地の一
尤度主義の間で厳しい論戦がはられている。私が
部地域でもこの傾向が震災と事故の前からあった。
知っている生態学等の研究領域の事例も参考にする
この地域に現時点ではシカとクマがほとんど侵入
と 3, 4),複雑な系を対象とするような生物学や進化
していないことは,日本の他の大部分の地域にくら
学においては,
しばしば後の 2 者が重用されている。
べて野生生物の保護管理上の大きな利点であろう。
ソーバーは,頻度主義に批判的である。頻度主義
とくに,農業被害の大きいイノシシについては,防御
の統計分析は,コイン投げやガラポンくじ引きの例
柵を利用する効果的な防除手法が,シカやクマ,サル
で説明されるように単純明快な前提や仮説に基づ
いた,決定論寄りな確率を計算する。検証の条件に
合わない前提や仮説は排除(無視)しようとする。複
雑な現実社会や生命現象に,科学的に応用できる範
囲は限られる。頻度主義統計で解釈できる範囲だけ
で,社会の需要をまかなうことはできない。
ソーバーの説明を参考にすると,低放射線量内部
被曝の健康影響については,同様に思われる。いわば
西部戦線異常なしの状態で,世界が変わり,価値観が
写真 2 筆者らが設置した録音機(上)と線量バッヂ(下)
変わる時代の大原発事故にあってはどの立場も一長
石田:福島第一原子力発電所事故の放射能が野生動物と生態系に与える影響
9
いた。まさに,その通りのことを言っている。インター
最初の観測値
後からの観測値
別の場所の観測値
ネットや書籍等から,すぐれた資料が多数容易に入手
できるので,自ら正当な情報を取捨選択し理解に
努めれば,安心は手に入る。一方で,他人(国など)
・・・・
今あるデータ
からの予測方法として
単純な説明の方が勝れている可能性
0.01μ Sv
0.1μ Sv
1μ Sv
10μ Sv/hr
図 2 尤度によるモデル選択,説明力と予測力の解説図。
放射線を含む多数の環境要因が,個体や組織の DNA 破
損,修復,症状として発現するさまは,系統推定にも例
えることができるだろう。
任せで安心するのは無理,という道理を理解しな
ければならない。とはいえ,「南無阿弥陀仏」や
「南無妙法蓮華経」と念仏を唱えるように,現実を
受け容れて心の安らぎを得ることも,個々人の生きる
知恵として尊重したい。科学的であることや,客観的
であろうとすることだけが解決策ではないとは悟る
べきであろう。
一短あり,なかなか打開しない。例えば,物理学者の
結
田崎晴明氏が懇切丁寧で良心的な解説をネットで
公開されている j)。しかし,放射線の健康影響評価に
ついては,頻度主義の解説にとどまっている。
尤度(ものごとの起こりそうな確率)主義の特徴に
語
筆者は,奥秩父山地で 10 年余りツキノワグマを
捕獲し発信器をつけて追跡したり,大型の毒蛇の中
でも特に大きなハブがいる奄美大島の山中で夜中や
ついては,ソーバーの解説とともに,生物系統学に
明け方にも歩き回って鳥類の調査などをしてきた。
ついて田辺昌史氏がウェブで公開されている解説も
クマもハブも,身に危険をもたらす可能性のある怖い
参考になるだろう(k),図 2)
。尤度主義の立場からみ
存在になり得る。一方で,相手の性質を知り,油断
ると,起きたことの説明力には ECRR 基準が勝れ,
せずに対処できているうちは,興味深く,共感や畏敬
予測力においては ICRP 基準が勝れていると,私に
の念をもてる,すばらしい野生の存在でもある。
は考えられる。これから何がおこるかを固唾を飲ん
放射能は,人の手で作り出したものである点は異なる。
で見守る状況では,はずす危険を減らすように
しかし,まだ 1 年半あまりではあるが,放射能に
ICRP 基準を尊重した対応が現実的であり,後から落
ついても同様の念を抱きつつある。放射能には観測
ち着いてじっくりそのことを検証する上では ECRR
計器を用いる必要があるものの,その影響や結果に
基準が勝れている可能性があるとも解釈される。どこ
ついては五感を用いて,相手の振る舞いを知ること
まで多くの要因を勘案すべきか,常に議論の余地が
からすべては始まるのではないだろうか。
つきまとう。また,事象の生起確率(期待値)につい
本稿では,科学的な知見も交えつつ,1年半余りの
て,自由(勝手)に事前確率を設定し,検証した上で事
期間,阿武隈山地北部の現場に通って自分の五感で
後確率に計算しなおすというベイズ主義は,臨機応
得てきたことや,これからどのような世界になって
変,順応主義といえ,途中の,検証者の立場によっ
いくのか,あるいはなって欲しいのかという個人的な
てそれぞれ異なる個別の課題には,応用範囲が広く,
推測や感傷も加味して,割合自由な散文調に書かせ
使ってみたくなるだろう。その場合は,多量のデー
ていただいた。
タを取得して迅速に分析する力量も問われる。した
2012 年10 月24 日の朝日新聞の
「オピニオン」
欄で,
がって,これらの拮抗する 3 つの思想をそれぞれが
原子力発電の日本の継続利用を提唱するアメリカ
利用する,という三刀流が望ましいのではないかと,
戦略国際問題研究所所長のジョン・ハムレ氏は,
「核
私には解釈される。放射線医学や物理学の専門家に
不拡散に加えて中国にはその問題もある。鉄道の運行
よる,そうした解説の出現も待たれる。
や食料品の生産で安全が確保されていない国で,
頻度主義の危うさというものを,科学に疎い市民は
さらに 100 基以上の原発が建設されたらどうなるか
意外と生活の知恵から直感的に理解しているのかも
ということだ。」と述べている。世界のどこかで
しれない。新聞の投稿に,高校合格率 20%との模試の
いずれまた次の重大原発事故が起こると予測する
成績評価をうけた中学生の娘さんが「5 校受ければ
人は,原発の利用について異なる意見の人の間にも
1 校受かるんだ」と言ったという「冗談」が載って
共通し,私も同様に考える。私が希少鳥類の保全など
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畜産の研究
第67巻 第1号 (2013年)
に長年通っている奄美大島にも,黄砂が降る。奄美
の固有種で,地上採食するオオトラツグミやアマミ
ヤマシギたちにも,新たな絶滅危惧の要因ができる
かもしれない。人々の生活にも影響が生じるだろう。
福島から遠い地域の人たちも,ほんとうに自身の
問題として関心を持ちつづけてよいだろう。
起きていることのどの部分を見ようとするのか,
どのように観ようとするのかを決めるにあたって,
自ずと経験や価値観が反影される。大震災と大原発
事故の結果を評価するためには事実を知ることが
大切であり,その観察と記録には長い時間と多くの
目が必要である。不幸にして起こしてしまった二重,
三重の災害を,未来世代への教訓として活かすために,
もっと多くの研究者や市民が,それぞれの価値観に
基づいた多様な視点から現地を見て,記録して欲しい
と願う。
※注記:福島第一原発事故の鳥や蝶への影響を示したとする
論文がいくつか,学術誌等にすでに発表されている。これ
らは,短期間の調査結果を阿武隈山地の生態系の特徴を充分
には考慮せずに考察しており,調査方法と解析方法に疑問
点がある。本稿の命題から外れるため,意図的に引用や論
説はしなかった。
引 用 文 献
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k)http://www.fifthdimension.jp/documents/molphytextbook/models
election_lecture.pdf
(田辺昌史さん 分子進化の統計モデリングとモデル選択・講
義編)60 枚目の「モデル選択って何?」以下,最後の 12 枚)