参考資料2 繊維製品品質表示規程の一部改正について 参考資料 1. 列記表示について(現状)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P1 2. ショーツ等装飾下着の列記表示について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P2 3. レースの列記表示について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P3 4. 空紡式の糸等の列記表示について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P4 5. 屑糸等を原料とする詰物の列記表示について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P5 6. 混用率の除外可能な繊維について(現状)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P6 7. 裏毛ニット生地及び裏毛ニット生地を生地として使用している衣料品の 混用率の除外について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P7 8. レース生地の地組織以外の混用率の除外について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P8 9. はっ水性表示について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P9 10. 繊維製品品質表示規程の構成・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P11 列記表示について(現状) 1.列記表示の概要 数種類の柄糸等を用いたり、異なった組成の生地を接ぎ合わせる等してデザインに 趣向を凝らした複雑な組成の繊維製品も多数市場に出回っているが、このような特定 の繊維製品については、厳密な百分率表示が必ずしも消費者の利益とはならない場合、 あるいは、百分率表示が困難な場合がある。このため、繊維製品品質表示規程第三条 第1号の規定に基づく原則的な表示方法に代えて、百分率表示を省き繊維名のみを混 用率の大きなものから順次列記した表示とすることができるとの例外規定が同規程 第五条第三項に定められている。 なお、原則に則った表示とするか、列記表示とするかは、表示者の選択に任されて いる。 組成表示の原則に則った表示(例) 綿 ナイロン レーヨン 列記表示(例) 60% 30% 10% 綿 ナイロン レーヨン ○○繊維株式会社 TEL △△△△△△ ○○繊維株式会社 TEL △△△△△△ 2.列記表示が認められている製品 (1) 品目により指定されているもの 靴下、ファンデーションガーメント(補整用下着)、手袋、水着 など (2) 生地の構造により指定されているもの ・レース生地並びにこれを用いた衣料品等 ・起毛された織物並びにこれを用いた衣料品等 ・オパール加工生地並びにこれを用いた衣料品等 ・組織により紋様を表した織物並びにこれを用いた衣料品等 など (3) 組成繊維や糸といった原料により指定されているもの ・ネップヤーン等の変わり糸を用いた生地並びにこれを用いた衣料品等 ・麻と綿又はビスコース繊維を組み合わせた生地並びにこれを用いた衣料品等 など -1- ショーツ等装飾下着の列記表示について 1.改正事項(案) 「ブラジャー、コルセットその他のファンデーションガーメント」に加え、「ショー ツ、キャミソールその他の装飾下着(※) 」についても列記表示の対象商品とする。 ※ 装飾下着とは日本標準商品分類(総務省)上、以下の商品をいう。 ・スリップ ・ペチコート ・キャミソール ・テディ ・ショーツ 等 2.改正を検討する背景 近年、ショーツ等の装飾下着はファンデーションガーメントとペアで販売されている 場合が多く、また、多機能を有しファンデーションガーメントと同素材を使用している 場合も多いため、表示においてファンデーションガーメントと区別する積極的な理由が ない。 また、縫い付けのラベルで表示を行っているが、直接肌に身に付けるアイテムの特性 上、表示ラベルの大きさに限界があり、小文字で表示することによりユニバーサル性に 欠ける問題もある( 「参考」御参照)。 ショーツ等の装飾下着が列記表示可能となった後も、製造業者等表示者が製品購入後 の維持管理面での家庭洗濯等の取扱絵表示の適正化に努めることにより、組成繊維の混 用率表示がなくても消費者の利益を損なうことは少ない。 【参考】装飾下着表示(現状の例) 身生地 前部 ポリエステル 後部 綿 ポリウレタン レース 地組織 ナイロン 100% 90% 10% 身生地 ナイロン ポリエステル ポリウレタン 45% 45% 10% レース ポリエステル ナイロン その他 100% ○○デザイン(株) TEL ○○−○○○○ テープ ナイロン ポリウレタン 75% 25% ○○デザイン(株) TEL ○○−○○○○ -2- レースの列記表示について 1.改正事項(案) 「ケミカルレース生地及び表生地にケミカルレース生地のみを使用して製造し又は加 工した衣料品等」、「レース生地(地組織を有するものに限る。)及び表生地にレース生 地のみを使用して製造し又は加工した衣料品等の地組織以外の部分」、 「衣料品等(手工 レース製品に限る。 ) 」及び「レース生地を使用して製造し又は加工した衣料品等(上述 に掲げるものを除く。)のレース生地を使用した部分」についてのみ列記表示が可能と なっているが、「レース生地及びレース生地を使用して製造し又は加工した衣料品等の レース生地を使用した部分」について列記表示の対象商品とする(整理・統合)。 【③】 【①】 ケミカルレース及び表生 地にケミカルレース生地 のみを使用して製造等し た衣料品等 手工レース製品に限っ た衣料品等 【②】 【④】 地組織を有するレース及 び表生地に地組織を有す るレース生地を使用して 製造等した衣料品の地組 織以外の部分 レース生地を使用して製 造等した衣料品等(①及 び②を除く。)のレース生 地を使用した部分 整理・統合 レース生地 レース生地を使用して製造 等した衣料品等のレース生 地を使用した部分 2.改正を検討する背景 事業者にとって実際のレースがケミカルレース、地組織を有するレース、手工レース がどの区分に該当するか判断することが困難な場合が多い。 レースの特性上、混用率測定時のサンプリング部位によって異なるデータが出てしま う場合がある。消費者により理解しやすい表示とするためにもレース全体について列記 表示を可能とする。 -3- 空紡式の糸等の列記表示について 1.改正事項(案) 「屑糸、ノイル又は反毛(※)を使用する紡毛式の糸及びこれを使用して製造した生 地並びに表生地に当該生地を使用して製造等した衣料品」に加え、空紡式の糸等につい ても列記表示の対象商品とする。 ※ 反毛(はんもう)とは、糸くず、毛織物くず等をほぐして得た毛を反毛機にかけて綿状にしたもの。 2.改正を検討する背景 屑糸等をリユースすることが可能な空紡式の糸は、“ゼロ・エミッション”(※)の手 法により環境保全に資するため、近年注目を集めているが、屑糸等の品質のバラツキか ら正確な百分率の組成表示は困難である。 ※ ゼロ・エミッションとは、産業に投入される全ての資源を最終製品に活用したり、他の産業・生産工程に付加価 値を持たせた資源として活用することによって、発生した廃棄物の全てを、もう一度資源として有効に利用する仕組み 【参考1】紡毛式による紡績方法(対象:毛、綿 等) 紡毛式の糸とは紡毛紡績機によって製造された糸を示す。紡毛紡績は比較的繊維長の 短い繊維を原料として、ミュール精紡機等によって撚りを施して糸を作るもの。 紡毛紡績は梳毛紡績に比べ簡単であるため、その原料として短い屑糸や反毛等を使用 することができる。 【参考2】空紡式による紡績方式(対象:綿 等) 空紡式の糸とはオープンエンド紡績機(ローター式)によって製造された糸を示す。 ローター内で形成された糸の端(オープンエンド)を自由に回転させると、ローターの 溝部で束状に配列した繊維群の端に絡まり、ローターの回転によって糸端に撚りが加わ る。 粗紡、精紡、巻糸の3工程を1工程に合理化。 -4- 屑糸等を原料とする詰物の列記表示について 1.改正事項(案) 「屑糸、ノイル又は反毛を使用する紡毛式(・空紡式)の糸を使用して製造した生地」 に加え、「屑糸、ノイル又は反毛を原料として製造する詰物」についても列記表示の対 象商品とする。 2.改正を検討する背景 屑糸等をリユースする詰物は、ゼロ・エミッション” (※)の手法により環境保全に 資するが、原料の品質のバラツキから百分率の組成表示は困難である。また、実際に産 地によっては座布団の詰物に、屑糸等をほぐし綿状にしたものを使用し製造している。 ※ ゼロ・エミッションとは、産業に投入される全ての資源を最終製品に活用したり、他の産業・生産工程に付加価 値を持たせた資源として活用することによって、発生した廃棄物の全てを、もう一度資源として有効に利用する仕組み 【参考】屑糸等を原料とする詰物を使用した座布団の製造工程 【①】 【②】 【③】 【④】 【⑤】 【⑥】 ① 原料(反毛等を含む。 )を製綿機に投入 ② カード機で製綿中 ③ 製綿されたわた ④ 座布団側へのわた入れ ⑤ 座布団の中綴じ(中心のとじ) ⑥ 完成 -5- 混用率の除外可能な繊維について(現状) 1.混用率の除外方法 特定の部分、又は特殊な目的のために使用されている糸等で大きな比率を占めないも のが繊維製品の組成繊維中にある場合は、必要な事項を付記した場合に限り、当該繊維 を組成繊維から除いて混用率を算定し、表示を単純化することができる。 具体的な表示方法は以下のとおり。 【例1】 綿 100% ( 表 組 織 ) ○○繊維(株) TEL ○○−○○○○ 裏毛ニット生地を生地として使用している衣料品等について、以下の組成の場合、 「表」である旨を付記した場合、 「裏毛」の組成は表示しなくてもよい。 (表組織) 綿 100% (裏毛) 綿 50% ポリエステル 50% 【例2】 レース部分 ポリエステル 100% ( 地 組 織 ) ○○繊維(株) TEL ○○−○○○○ 地組織を有するレースについて、以下の組成の場合、「地組織」である旨を付記した 場合、地組織以外の部分の組成は表示しなくてもよい。 (レース) ポリエステル 70% ※地組織部分 綿 30% -6- 裏毛ニット生地及び裏毛ニット生地を生地として使用している 衣料品等の混用率の除外について 1.改正事項(案) 「裏毛ニット生地及び裏毛ニット生地を生地として使用している衣料品等」について、 裏毛の組成繊維についても除外せず表示する。 2.改正を検討する背景 「裏毛ニット生地及び裏毛ニット生地を生地として使用している衣料品等」について、 現在では、裏毛に使用している糸はそのほとんどが、百分率表示が可能となっている。 仮に、百分率表示が不可能な糸であった場合、多くは、屑糸等を使用した紡毛式による 糸であるため、当該糸の表示は現行規程上、列記表示が可能となっている。 このため、 「裏毛ニット生地及び裏毛ニット生地を生地として使用している衣料品等」 の裏毛に係る混用率の除外については、裏毛を除外せずに、表裏に係る表示を行う。 【参考】裏毛ニット生地を生地として使用している衣料品等の表示 綿 100% 綿 ポリエステル 80 % 20% ( 表 組 織 ) ○○繊維(株) TEL ○○−○○○○ ○○繊維(株) TEL ○○−○○○○ 裏毛ニット生地を生地として使用している衣料品等について、以下の組成の場合。 (表組織) 綿 100% (裏毛) 綿 50% ポリエステル 50% -7- レース生地の地組織以外の混用率の除外について 1.改正事項(案) 「表生地の一部にレース生地(地組織を有するものに限る)を使用して製造又は加工 した衣料品等のそのレース生地を使用した部分の地組織以外の組成繊維」について、地 組織以外の組成繊維についても除外せず表示する。 2.改正を検討する背景 「表生地の一部にレース生地(地組織を有するものに限る)を使用して製造又は加工 した衣料品等のそのレース生地を使用した部分の地組織以外の組成繊維」については地 組織である旨を表示すると、刺繍糸等の地組織以外の組成繊維を除外して地組織のみの 組成繊維に係る混用率を表示すれば問題がないことになっている。 しかしながら、刺繍糸等を有するレース生地を使用する衣料品等について、刺繍糸等 の組成繊維の存在が情報提供されない場合、当該衣料品等の維持管理面において消費者 が不利益を被る可能性がある。 このため、「表生地の一部にレース生地(地組織を有するものに限る)を使用して製 造又は加工した衣料品等のそのレース生地を使用した部分の地組織以外の組成繊維」に ついては、地組織以外の組成繊維の混用率を除外せずに表示を行う。 【参考】表生地の一部にレース生地(地組織を有するものに限る)を使用して製造又は 加工した衣料品等の表示 ポリエステル 100% ポリエステル レーヨン 綿 ( 地 組 織 ) ○○繊維(株) TEL ○○−○○○○ ○○繊維(株) TEL ○○−○○○○ 地組織を有するレース生地を使用している衣料品等について、以下の組成の場合。 (基布) ポリエステル 100% (刺繍糸) レーヨンと綿を使用しているが詳細な混用率は不明 -8- 「はっ水性」表示について 1.はっ水性の JIS について 「はっ水性」とは日本工業規格(JIS) L 1092(繊維製品の防水性試験方法)の中で 規定している試験方法によって試験を行い、一定水準以上のはっ水性能をもつ性質をい う。 平成21年2月に当該 JIS が改正され、前処理として、これまでのパークロロエチレ ン法による処理に新たに石油系法による処理が加わった。また、項番や比較見本の点数 も一部改正があった。 2.はっ水性の規制に係る改正について 1.のとおり JIS L 1092 の改正により、新たに石油系法による前処理が加わり、ま た、これまで繊維製品品質表示規程に引用していた項番や比較見本の点数が変更したた め、繊維製品品質表示規程を改正する。 具体的な改正点は以下のとおり。 (1) 評価点数及び項番について 改正(案) 現行 <はっ水度について> <はっ水度について> 試験方法:7.2 試験方法:6.2 等 等 級:二級 <前処理について> 級:二点 <前処理について> 水処理:6.2.1c) 水処理:5.2a) ドライクリーニング処理 ドライクリーニング処理:5.2b) パークロロエチレン法:6.2.2 a) 石油系法:6.2.2b) -9- (2)省略可能な前処理について 石油系法による前処理が加わったため、省略可能な前処理は表の通り。 表示及び内容 省略可能な前処理 省略可能な理由 JIS L0217の2.2の 石油系法によるドラ 樹脂に対する溶解力を示 表4(ドライクリーニング)の イクリーニング処理 す「カウリブタノール価」 番号401の取扱い絵表示 について、パークロロエチ レンが90、石油系が最大 でも45となっているた め、石油系法による前処理 ドライクリーニングができ を省略しても問題なし。 る。溶剤は,パークロロエ ※全国クリーニング生活 チレン又は石油系のものを 衛生同業組合連合会調 使用する。 べ JIS L0217の2.2の パークロロエチレン 当該表示は「溶剤は石油系 表4(ドライクリーニング)の 法によるドライクリ のものを使用する。」との 番号402の取扱い絵表示 ーニング処理 内容から、パークロロエチ レン法による前処理を行 う必要がないため。 ドライクリーニングができ る。溶剤は,石油系のもの を使用する。 - 10 - 繊維製品品質表示規程の構成 繊維製品品質表示規程 繊維の組成 表示事項 洗濯等取扱方法 第一条、第二条 はっ水性 表示の原則 繊維の組成 別表第一(一条関係) にて対象品目と表示 すべき事項を規定 繊維名 混用率 第三条、 第四条 洗濯等取扱方法 取扱絵表示 はっ水性 表示者名及びその連絡先 見やすい箇所に見やすく表示 特殊な表示方法 第五条 指定用語 第六条 繊維の組成 (「以上」・ 「未満」表示 列記表示 などの 簡略な表示方法を規定) (表示の際に使用すべ き繊維の名称を表す 用語を規定) 少量多種混入繊維 デザイン・形態・原料・ 加工方法等が特別のもの 裏生地 羊毛 100%織物服地 特例 繊維の組成 除外繊維 第七条、第七条の二 はっ水性 耐洗濯性 許容範囲 混用率 第八条 用語等の制限 繊維の組成の表示 第九条 一般名称 商標 ふとんの詰め物の表示 取扱絵表示の表示 はっ水性の表示 - 11 -
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