重点プロジェクト研究ヒートポンプ技術を用いた換気排熱等回収寒地住宅用暖冷房システムの研究開発共同研究機関名㈱林屋外断熱システム事業協同組合担当部科人間科学科居住環境科研究の目的ヒートポンプは使用する電力よりも数倍多くの熱エネルギーが得られる省エネルギー機器であるため、本州以南ではオールシーズンエアコンとして住宅に普及しています。しかし、北海道では気温が低いため暖房に使用できないか、あるいは低い効率で使用せざるを得なません。そこで、換気の排気および地中熱を熱源として、寒冷地に適した効率の良いヒートポンプ暖冷房システムを開発することを目的としています。高さ[m] 研究概要１．ヒートポンプに適した床暖房の開発全室床暖房が可能となる安価で施工が容易なΣビームに直接配管する方式を開発した。実験住宅に敷設し 5.2 4.8 4.4 4 3.6 3.2 2.8 2.4 2 1.6 1.2 0.8 0.4 0 -0.4 2F床送水温度41.8℃ 外気温　-16℃ 1F床 15 20 ハイブリッドヒートポンプと組み合わせて実測した 30 Σビーム床暖房と上下温度分布ところ、送水温度 40℃で十分な放熱性能があることが確認できました。 25 温度[℃] Σビーム床暖房循環ポンプ２．換気排熱ヒートポンプ排気熱交換器天井懐に設置した熱交換器により換気排熱を回収し、圧縮機膨張弁 EA ヒートポンプを稼動したところ、熱出力 2.3kW、 COP3.7 が得られました。灯油暖房を併用する場合の循環ポンプ適切なヒートポンプ出力が求められました。３．地熱・換気排熱ハイブリッドヒートポンプ地熱熱交換器（深さ 75m）シングル U チューブ 2 本ハイブリッドヒートポンプ暖房システム換気排熱の利用により、多大な費用がかかる地熱採熱灯油暖房電気暖房ハイブリッドヒートポンプ換気排熱ヒートポンプ（2.3kW・COP3.7）・灯油補助換気排熱ヒートポンプ（2.3kW、COP3.7）・電気ヒータ補助管を 40%削減でき、COP3.5 が得られました。４．省エネルギー性の評価測定結果をもとに一次エネルギーおよび CO2 排出量油暖房でバックアップした場合、およびハイブリッドヒートポンプの場合に大きな削減効果があります。 CO2排出量[kg] 削減効果を試算しました。換気排熱ヒートポンプを灯 6000 5000 4000 3000 2000 1000 0 札幌室蘭根室旭川（次世代省エネルギー住宅 1 戸当たり） CO2 排出量の比較活用方法・成果 Σビーム床暖房はヒートポンプのみならず一般のボイラでも適用できます。また、鋼材を用いない方式への応用も可能です。換気排熱ヒートポンプは補助熱源の組込み、制御の信頼性向上など、ハイブリッドヒートポンプはデフロスト制御や熱交換器の最適化の課題がありますが、情報提供や共同研究などにより製品化をめざしたいと考えています注）COP とは、ヒートポンプの熱出力を使用するエネルギー量（電力）でわった値。