第4回「311復興チャット」開催のお知らせ [ PDF 1.15MB] - RCF復興支援

第4回311復興チャット
参考資料
海面漁業・海面養殖業 都道府県別漁獲量
•
被災三県、特に宮城県・岩手県の漁獲量は全国でも上位に位置している
都道府県別漁獲量(海面漁業)
都道府県別漁獲量(海面養殖業)
順位
都道府県
漁獲量(千t)
順位
都道府県
漁獲量(千t)
1
北海道
1313
1
北海道
151
2
長崎県
302
2
宮城県
119
3
宮城県
259
3
広島県
100
4
静岡県
193
4
青森県
86
5
茨城県
191
5
佐賀県
85
6
千葉県
176
6
愛媛県
77
7
三重県
172
7
熊本県
63
8
岩手県
152
8
岩手県
60
9
青森県
151
9
鹿児島県
60
12
福島県
100
10
福岡県
57
資料:農林水産省「漁業・養殖業生産統計年報」平成20年
1
漁協および養殖物マップ
•岩手県は、全域でほたて、わかめなど。北部では、
天然のうに・あわびも盛ん。
•宮城県は、北部:わかめ、中部:かき、南部:のり・かきが盛ん。
北部エリア
・気仙沼市 ・南三陸町
~かき・わかめ・ほたて~
北部エリア
・宮古市
・久慈市
ほたて貝
かき
わかめ
ほたて貝
わかめ
中部エリア
・石巻市 ・塩竈市
~かき・ギンザケ~
ほたて貝、ぎんざけ
ほや、かき
わかめ
わかめ
ぎんざけ
わかめ
南部エリア
・大船渡市
・大槌町
・陸前高田市
南部エリア
・名取市
~のり・かき~
ほたて貝
かき
わかめ
資料:宮城県漁協、岩手県漁連HP
2
海面養殖業 県別生産順位
• 養殖の主要7品目は、全国におけるシェアも非常に高い
都道府県名および生産量(千t)
1位
2位
3位
4位
5位
ほたてがい
北海道
118.0
青森県
85.9
宮城県
14.4
5.7%(24億)
岩手県
7.0
2.6%(12億)
-
かき類(殻付)
広島県
96.7
宮城県
45.0
23%(20億)
岩手県
14.0
6.3%(6.1億)
岡山県
11.3
三重県
5.7
わかめ類
岩手県
24.6
44.6%(9.7億)
宮城県
17.0
34.6%(6.7億)
徳島県
6.0
長崎県
1.2
神奈川県
0.7
こんぶ類
北海道
28.8
岩手県
16.2
28.2%
宮城県
1.5
4.8%
長崎県
0.03
徳島県
0.02
ぎんざけ
宮城県
12.0
99.9% (58億)
―
―
―
―
のり
佐賀
83.5
福岡
55.6
兵庫
32.8
愛知
21.6
宮城県
19.4
7.8%(4.6億)
ほや
宮城県
9.0
(81.5%、11億)
岩手
1.4
(13%、1.7億)
青森
0.3
北海道
0.0
―
資料:農林水産省「漁業・養殖業生産統計年報」平成20年
3
世界と日本漁業における貿易推移
•
世界的には貿易輸入量・額共に増加傾向だが、日本の輸出量・輸入金額は最盛期に比べ
て減尐しており、両者とも最盛期の2/3となっている
漁業における世界の貿易輸入量と日本の貿易輸出量
日本の貿易輸出量・輸入金額
世界の貿易輸入量
平成20年
3354万トン
輸入量
平成20年
1086億ドル
輸出量
平成22年
57万トン
輸入金額
輸入金額
資料:水産白書(平成23年度)
平成22年
1955億円
4
世界の国別生産量と日本の生産量の比較
・世界の水産業生産量は毎年増加
・但し上位四位の中国・インドネシア・インドが増加しているが、日本は無変化
主要国における年次別水産業生産量(平成16~20年)
151
152
156
159
79
78
79
79
その他
5.7
6.2
6.1
5.7
6.7
6.8
5.6
7
7.3
5.7
7
8.2
5.5
7.6
8.8
日本
インド
51
52
54
56
148
79
H16
H17
資料:『水産統計 平成22年度版』
H18
インドネシア
H19
58
中国
H20
5
漁業人口の割合
•
漁業人口は高齢化が進んでおり、2003年と比較して2008年ではより若手人材が減尐し、
高齢の就業者が増えている
日本の漁業就業人口(年代別)
資料;農林水産省「漁業センサス」
6
震災における被害
・ 全国で水産関係の被害額は1.2兆円を超える(11月10日現在:農林水産省発表)
主な被害
漁船
漁港施設
被害数
25,014隻
1,701
319漁港
8,230
養殖施設
共同利用施設
被害額(億円)
738
1,725施設
1,249
各県の被害
岩手県
・漁船:県内10,522隻のうち、これまでに9,673隻の被害が判明(被害額:216億円)
・県内の全111漁港のほぼ全て(108港)が壊滅的な被害(2,859億円)
・県内のほたて、かき、こんぶ、わかめ等の養殖施設が壊滅的な被害(132億円)
・県内の全13ヶ所の市場施設のうち、大半が壊滅的な被害(142億円)
・県内の全水産加工施設178工場のうち、大半が施設流出・損壊(全壊128、半壊16)(391億円)
宮城県
・漁船:県内13,570隻のうち、これまでに12,029隻の被害が判明(1160億円)
・県内の全142漁港が壊滅的な被害(4,242億円)
・県内のギンザケ、ほたて、かき、ほや、こんぶ、わかめ、ノリ類等の養殖施設が壊滅的な被害(487億円)
・県内の全10ヶ所の市場施設が壊滅的な被害(全壊、浸水、設備破損等)(105億円)
・県内の全水産加工施設439工場のうち、半数以上が壊滅的な被害(全壊323、半壊17、浸水38)(1081億円)
資料: 農林水産省HPより http://www.maff.go.jp/j/press/keiei/saigai/111111.html
7
行政/水産関係補正予算の概要【農水省:総額2,351億円】
• 第一次は漁船や施設の復旧に、第2次は共同利用施設の復旧にあてられる。また水産加工業は、経産省の融資が対象となる。
省庁
補正予算
農水
省
第一次補正予算
番号
施策内容
1 漁港関係等災害復旧事業(公共)
2 災害復旧と連携した水産基盤復旧復興対策(公共)
2,351
億円
5,640
億円
55億円
3億円
4 共同利用漁船等復旧支援対策事業
274億円
5 養殖施設復旧支援対策事業
267億円
18億円
7 漁場復旧対策支援事業
123億円
8 漁船保険・漁業共済の再保険金等の支払
860億円
9 漁船保険組合及び漁業共済組合支払保険金等補助事業
経産
省
250億円
3 水産関係施設等被害状況調査事業
6 水産業共同利用施設復旧支援事業
第二次補正予算
金額
80億円
10 無利子・無担保・無保証人融資の推進
223億円
1 水産業共同利用施設復旧支援事業
193億円
2 水産物の放射性測定調査委託事業
5億円
第一次補正予算
1 資金繰り支援
第二次補正予算
1 中小企業再生支援協議会の体制強化・機構設立支援
2 再生企業に対する利子補給
3 再チャレンジ向けの日本政策金融公庫融資
5100億円
31億円
184億円
10億円
4 中小企業基盤整備機構による仮設工場・仮設店舗整備事業
215億円
5 地域の中核的な中小企業等のグループの施設復旧・整備への支援
100億円
資料:農林水産省HPより「平成23年度水産関係補正予算の概要」
8
民間/支援状況 ~ニュース記事より抜粋~
• 民間からの支援も多数。漁船・機材の提供が多い。
宮城県気仙沼市
気仙沼市でカキ養殖のための環境作りに取り組んでいるNPO「森は
海の恋人」と連携し、環境づくりのためのツアーを実施
8月19日その他
トップツアー
8月20日その他
立ち上がれ!ど真ん中・おおつちプロジェ
岩手県大槌町
クト(大槌町の水産加工・販売4業者)
生産施設が復活したら新巻きサケや海産物を届けることを約束して
支援者をウェブで募った
8月20日その他
滋賀県立大学の学生
宮城県南三陸町
「番屋」と呼ばれる作業小屋を歌津地区にある田の浦漁港に建設
8月22日漁船・機材提供
キャノン
岩手県・宮城県・福島県
冷凍コンテナなどの機材を提供する「東北漁業再開支援基金」に、協
賛金1億円を拠出
8月22日漁船・機材提供
東北漁業再開支援基金・希望の烽火
宮城県女川町・石巻市
冷凍コンテナ提供
8月22日漁船・機材提供
プロジェクト舫
東北3県
千葉県内で集めた中古漁船38隻を寄贈
8月22日漁船・機材提供
伊藤忠食品・広島県
宮城県気仙沼市
かき養殖業者に対し、資材提供および作業協力
8月22日サービス
セキュリテ被災地応援ファンド
宮城県・岩手県
応援したい企業を個人が選択、支援できる。1口1万500円から申し
込みができ、500円の手数料を除いた1万円が企業の出資金、応援
金(寄附金)に充てられる。
8月25日漁船・機材提供
東北漁業再開支援基金・希望の烽火
宮城県石巻市船越地区
フォークリフト1台を贈呈
8月25日漁船・機材提供
和歌山県、(株)マリンルームオオタ
岩手県宮古市、大船渡市、気仙沼 船9隻 (うち放置艇6隻)、 船外機9基、 船外機部品6組を、使用できる
市
状態に整備して県トラック協会 (龍田潤三会長) の協力で搬送
8月26日その他
広島、呉、東広島、廿日市、江田島の5市
宮城県気仙沼市
と坂町の計11漁協所属のカキ養殖業者
広島県内のカキ養殖業者が、26日から3日間、現地の業者と協力し
て養殖いかだを組み立てる
8月26日漁船・機材提供
沖縄県うるま市の漁業関係者有志
岩手県宮古市
東日本大震災の被災地を支援する「海人(うみんちゅ)プロジェクト」と
題した取り組み。宮古市のNPO法人いわてマリンフィールドに6隻、
閉伊川漁協に2隻を寄贈
8月26日漁船・機材提供
苫小牧漁業協同組合
復興支援で漁船1隻を寄贈する。漁船は、昨年までホッキ漁に使用し
宮城県名取市閖上(ゆりあげ)地
ていた第八三鐘丸(4.21トン、最大乗員10人)。現地のアカガイ漁
区
に使われる
8月28日漁船・機材提供
山口県漁協はぎ統括支店
宮城県気仙沼市
山口県萩市の中古漁船3隻を譲渡
8月30日漁船・機材提供
日本財団
宮城県気仙沼市
三陸沿岸の水産業・造船業の再生支援プロジェクトの第一弾として、
大型クレーン2台と発電機など総額4億7000万円分を寄贈
9月5日漁船・機材提供
米NGO「オペレーション・ブレッシング・イン
宮城県気仙沼市
ターナショナル」
アワビ業などで用いる中古の小型船42隻を寄贈
9月6日その他
ヤマト福祉財団
宮城県・岩手県・福島県
水産加工事業者生産回復事業(16億円)、養殖用資機材等緊急整備
事業(5億円)、水産物供給施設整備事業(6億円)など
9月7日その他
イオン
岩手県久慈市
サンマ一隻分をまるごと買い取り、全量を買い取り保証。
資料:河北新報Web版他
9
支援に関する課題
苦境の県産魚介類 流通・加工も再建急務
震災から5カ月が過ぎ、盛岡市羽場の市中央卸売市場では連日のように競り人の威勢のいい声が響き渡る。しかし、そこに集まるの
は北海道、青森県など他県産のサンマやイカ-。震災前、盛んに市場に並んだ県産魚介類はわずかしかない。
「三陸産の取引量は大きく減った」。活気を取り戻し始めた市場の雰囲気とは裏腹に、同市場の卸売業者・盛岡水産の佐賀政司社長
の表情は険しい。
同社の卸売市場での県産魚介類の取り扱いは3割程度だったが、震災で3、4月の入荷はほぼ停止。現在は、漁業再開に伴い鮮魚の
取引で1~2割程度まで回復したが、県外産の海産物を入荷し取扱量を補填(ほてん)している状態だ。
県内の市場は盛岡市中央卸売市場や魚市場など16市場あり、内陸を含む11市場が再開。水揚げされた魚介類を加工する沿岸の水
産施設が大きな被害を受けたため、現在は鮮魚中心の市場展開。一部漁協で漁が再開されたウニ、ホヤなどもほとんど流通していない。
佐賀社長は「水揚げ量が多くても加工業者や漁協施設が再建し、魚介類を保存できる冷凍・冷蔵施設の不足も解消されないと回復は
遠い」と訴える。
流通の影響は首都圏にも波及している。水産物で世界最大級の取り扱い規模を誇る東京の台所・築地市場で、4月に本県業者が出
荷した水産物取扱量は鮮魚30トン(前年同期比67%減)、海藻類16トン(同55%減)、貝類1トン(同99%減)。三陸産は7月ごろから
仕入れが可能になったが、継続的な入荷は見込めない状況だ。
その余波を受けるのは仕入れ先の飲食店。東京・JR御徒町駅近くの居酒屋「南部百姓家(ひゃくしょうや)」は東北の郷土料理が人気
で三陸産魚介類を多く提供。しかし、市場にはホヤ、ドンコ、ワカメが出回らず、ホヤは青森県や北海道産で代替している。
おかみの榎(えのき)勝子さん(67)は「岩手のホヤは『臭みが尐ない』と評判。一日も早く復活してほしい」と願う。
県は産地魚市場を核とした流通・加工体制の構築を目指す方針。県水産振興課の寺島久明総括課長は「県産魚介類の市場価値を維
持するためにも漁業環境、加工機能を含む周辺施設の整備を早く進められるよう国に働き掛ける」と対応を急ぐ。
原発事故に伴う風評被害も懸念される中、今後は県内外で高評価を受けてきた
「三陸ブランド」の埋没をいかに防ぐかが課題。水産関係施設の一体整備だけでなく、
市場関係者を含む各関係機関が連携を強化し全国に向けて安全性をアピールする
姿勢が求められる。
資料:岩手日報「東日本大震災ロング企画 動き出す水産業①」8月11日付
10
放射能/風評被害対策
• 原発事故の影響で日本産食品に対する各国からのイメージが著しく低下
• 中国では日本ブランドの食品・飲料に関して「信頼できる」が42%低下
• ブランディングとマーケティング支援が急務
震災前後の日本ブランドに対するイメージ変化データ
分類別震災前後の日本ブランドに対するイメージ変化分析結果
資料: 株式会社インターブランドジャパンプレスリリース(http://www.interbrand.com/Libraries/Press_Release_JP/PressRelease5252011_fix.sflb.ashx)
11
論点
効率化
• いかに漁業のみでなく、加工・流通の視点で
地域単位での取り組みとするか
若手人口
の
巻き込み
• 東北漁業に携わる若手人材を、いかにふやすか
海外展開
• 国内市場が縮小する中、いかに海外へ展開するか
12
協業化
• 今までは個々人で、漁船を持ち、漁業を行っていたが、漁船不足などにより、今後は協業が
求められる
協業化導入記事
漁業再建へ「協業化」導入 津波被害の東北
東日本大震災の被害が大きかった岩手、宮城両県の漁協が、漁業再建に向け、組織的に漁や養殖を行う「協業化」を導入して
いく方針を固めたことが27日、両漁協関係者への取材で分かった。宮城県は漁業の国有化や商社化を打ち出しており、個人経
営が主流だった漁業形態の抜本的改革が本格化しそうだ。
漁業関係者によると、宮城県漁協は震災後、全組合員約1万人に対して漁業継続を希望するかどうかなどを問う意識調査を実
施し、大半の組合員が「継続」の意向を示した。
この結果を受けて県漁協は対応を協議、協業化は(1)漁師の個別努力での再建は困難(2)コスト削減と経営の効率化に有利
(3)国や県の支援が得やすい―とした。
協業化では各地区の漁協や下部組織の支所が養殖施設や漁船を購入。数人でつくる組合員グループに貸し出して養殖や漁を
行う。既に収益が早く得られるワカメの養殖再開を目指す動きが出ており、気仙沼市では種ガキを発注した漁協もある。今後、海
中のがれき撤去や漁港整備を国や県に要望していく。
岩手県漁連は「自然な流れ」と推進方針。福島漁連(福島県)も、被害が大きかった一部の漁協で「有力な選択肢」と前向きな声
が出ているとした。
岩手、宮城、福島の3県では約2万9千隻あった漁船の約9割が流失したり陸に打ち上げられるなどしたほか、養殖施設もほぼ
全滅した。個人でゼロから本格的に再開するには1人当たり数千万円が必要とされる。
一方、昔ながらの個人経営による漁業形態が一変することへの懸念も根強い。漁船や漁具の被害程度が異なるケースもあり、
全体の合意形成には曲折も予想される。
資料:共同通信記事 4月27日付
13
水産特区構想とは・・・
養殖業の特定区間漁業権の優先順位を撤廃すること
現在は、①漁協 → ②漁業者世帯の7割以上が所属する法人 → ③漁業者7人以上が株主または社員の法人
という優先順位があり、実際はほぼ漁協が所有している。
目的
水産業を大規模化・集約化するとともに、民間企業も「漁業権」を取得しやすい
ように規制を緩和し、生産・加工・販売面で、漁業者がより民間資本の力を得
やすくなる環境を整えること。
メリット(宮城県知事の主張)
①漁業者がより民間資本の力を得やすくなる
→尐ない投資で事業再開が可能・民間企業の技術革新・失業保険が活用でき、リスク軽減
②成功モデルを作っていけば、水産業に魅力を感じる若者が増え、後継者不足の問題を解決できる可
能性も見えてくる
デメリット(宮城県漁協の主張)
①民間が参入すれば、浜の文化や規律が乱れてしまう
②民間企業はうまくいかなければすぐに撤退する。ギンザケの時のように、漁業者が多額の借金を抱
え、廃業を余儀なくされてしまうのではないか
14