資産運用 相続 贈与 事業承継 ライフプラン 金融 経済 税金 税制改正 資産ナビ NEWS LETTER 資産ナビグループ事務局 PHONE (03)3491-3866 2007.2 [email protected] 43navi.43navi.43navi.43navi.43navi.43navi.43navi.43navi.43navi.43navi.43navi.43navi.43navi.43navi.43navi.43navi.43navi.43navi. 「中小企業の景況感」20年の回顧と今後の展望 長期デフレで低迷が続く景況感! 景況指数は一進一退! 経営課題は「ヒト」にあり! 20年間を振り返ると… ●売上高はGDP成長率と近似! 商工中金の「中小企業月次景況観測」による と(以下同じ)、この20年間の中小企業の売 上高(前年同月比増加率)は、日本のGDP成 長率の動きに近似した形状に。今回の景気回復 局面でも、2001年12月を底にマイナス幅が 縮小し、03年からプラスに転じ、現在は売上 増が4年目を迎えています。 景気回復の波 に乗れるか 、 繰り 資金 ? は 状況 採算 設備投 資、 雇用状 況は? ●足元の景況指数は一進一退! 景況判断指数をみると(図表1)、従来はマ クロ景気の循環との関係で、景気後退時には 真っ先に下降し、景気拡大時には最後に地面か ら離れる、いわゆる「ジャンボの後輪」現象が 観察できました。例えば、円高不況を乗り越え ついに「いざなぎ景気」を超えたものの、中 小企業にとっては「実感なき」景気回復が続い ています。今月号は、商工中金の調査資料か ら、20年間の中小企業の景況感を振り返り、 今後の企業経営を考えてみましょう。 (図表1)中小企業景況判断指数の推移([50]より上=[好転]、下=[悪化]) 8 5 / 6 6 0 8 6 / 1 1 山 谷 円 高 不 況 9 1 / 2 8 7 / 9 5 8 . 5 9 3 / 1 0 山 9 7 / 5 山 谷 9 9 / 1 谷 第 2 次 平 成 不 況 第 1 次 平 成 不 況 0 0 / 1 1 山 0 2 / 1 谷 第 3 次 平 成 不 況 0 6 / 3 5 1 . 5 5 5 9 4 / 7 , 9 5 0 . 1 0 4 / 3 , 0 4 / 7 5 0 . 8 9 6 / 3 5 0 . 7 5 0 0 6 / 1 2 4 9 . 1 0 0 / 9 4 9 . 8 4 5 8 6 / 8 4 4 . 9 4 0 9 2 / 9 4 2 . 1 9 8 / 6 3 6 . 7 0 1 / 1 1 3 8 . 1 3 5 8 5 / 1 8 7 / 1 8 9 / 1 9 1 / 1 9 3 / 1 9 5 / 1 9 7 / 1 9 9 / 1 0 1 / 1 0 3 / 1 0 5 / 1 (年 / 月 ) (出典:商工中金「中小企業月次景況観測」) 注1:「景況判断指数」={([好転]企業数×1+[不変]企業数×0.5)÷調査対象企業数}×100 *指数が50を上回っていれば景況が前月より[好転]したことを表し、50を下回っていれば[悪化]したことを表す。 2:景況の[好転]、[悪化]の分岐点は50。 3:網掛けは景気後退局面 4:2004年8月まで『800社調査』ベース、2004年9月以降は『1000社調査』ベース。 Copyright© Consulting Alpha, Inc. All Rights Reserved NEWS RELEASE 2007.2 43navi.43navi.43navi.43navi.43navi.43navi.43navi.43navi.43navi.43navi.43navi.43navi.43navi.43navi.43navi.43navi.43navi.43navi. た後の第11循環の拡張開始期(1986年12月 ∼)には、マクロ景気に6ヵ月遅れの87年6 月から回復基調となり、後退局面(91年3月 ∼)では、同4ヵ月早い90年11月から[悪化] し始めました。 ところが、最近はその動きが消滅し、拡大局 面でも指数は[好転]を示す50超が続かず、ま た、後退局面での「谷の深さ」が際だっていま す。「いざなぎ景気」を超えた今回の景気拡張 期でも、売上増は3年を超えたにもかかわら ず、景況判断指数は50を挟んで一進一退の状 況に(図表1および2)。 ★「ジャンボの後輪」現象とは? ジャンボ・ジェット機の後輪は、零戦などと異 なり、着陸(景気後退)の際には、先に滑走路 に接し、飛び立つ(景気拡大)時は 最後に離れます。その動きから、前 輪(世間全体の景気)に数ヵ月前後 して現れる中小企業の景況感に喩え て言われる比喩。 ●販売価格はわずかながら上昇! 然小さい状況に。 ●コスト増が企業収益を直撃! 仕入価格DI(同)は、販売価格DIと同様[下 落]気味に推移していたものの、景気拡大局面 では、販売価格と異なり度々プラス値 に。中小企業は、売り値を通すのが難 しく、需給逼迫時の仕入価格の値上げ は呑まざるを得ない立場にあることが うかがわれます。 2004年以降、状況はさらに悪化し、仕入価 格DIは、04年3月に+10.8の二桁を記録して から急上昇を続け、06年8月には+25.4と調 査開始以来最大に。背景は、中国をはじめとす る新興諸国の経済発展を受けた国際商品市況の 高騰で、一過性の現象では済まないおそれが。 販売価格DIと仕入価格DIとの格差は極めて大 きく、中小企業は、原材料価格高騰分の製品・ サービス価格への転嫁が困難な状況 が鮮明になっています。 中国の石油消費量・原油輸入量 (万バレル/日) 販売価格DI(前月比、[上昇]-[下落]の企業 割合)は、バブル景気崩壊後に[下落]超が続 き、デフレ進行のなか、「戦後最大の不況」の 後退局面の1998年11月に▲17.2を記録、 「IT景気崩壊」の後退局面の01年12月には▲ 17.3の最悪値を記録。その後アテネ五輪直前 の04年4月に13年振りでプラスとなり、06 年5月以降は[上昇]超が定着したものの、その [上昇]超幅は06年12月においても+0.5と依 800 700 600 500 400 300 200 100 0 (万トン/年) 14,000 12,000 10,000 8,000 6,000 4,000 2,000 0 消費量:左軸 輸入量:右軸 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 消費量 輸入量 (出典: BP Statistical Review of World Energy 2006) (図表2)<最近の景気循環と主な出来事> 循 環 拡大局面の通称 第10循環 ハイテク景気 第11循環 平成(バブル)景気 第12循環 さざ波景気 第13循環 IT景気 第14循環 ?景気 循環期間中の主な出来事 ○貿易摩擦→円・ドル委員会 ○半導体・コンピュータ産業の躍進 ○プラザ合意→円高不況 ○財テクブーム、地上げ ○消費税導入 ○国鉄分割・民営化 ○冷戦終了 ○ブラックマンデー(1987年10月) ○阪神・淡路大震災 ○アジア通貨危機 ○為替、一時1ドル=79.75円 ○金融ビッグバン ○大手証券、経営破綻 ○米、同時多発テロ ○大手流通、倒産 ○中小企業基本法改正 ○ペイオフ解禁 ○産業再生機構発足 ○郵政民営化決定 Copyright© Consulting Alpha, Inc. All Rights Reserved 景気の転換点/期間(月数) 谷/拡張期間 山/後退期間 1983年2月 /28ヵ月 1985年6月 /17ヵ月 1986年11月 /51ヵ月 1991年2月 /32ヵ月 1993年10月 /43ヵ月 1997年5月 /20ヵ月 1999年1月 /22ヵ月 2000年11月 /14ヵ月 2002年1月 − NEWS RELEASE 2007.2 43navi.43navi.43navi.43navi.43navi.43navi.43navi.43navi.43navi.43navi.43navi.43navi.43navi.43navi.43navi.43navi.43navi.43navi. ●資金繰りは[好転]まであと一歩! 資金繰りDI(前月比、[好転]-[悪化]の企業 割合)は、1998年9月に▲14.1と最悪値を 記録。その後不良債権問題が収束し、金融機関 が積極姿勢に転じたため、外部資金に余裕がで きてゼロ付近まで改善。しかし、採算の悪化が 続き、内部資金が潤沢でないため、[好転]基調 には至っていません。 中堅・中小企業向け貸出残高の推移 6.0 (%) 4.0 2.0 0.0 -2.0 -4.0 -6.0 -8.0 -10.0 -12.0 95/1 政府系三機関計 国内銀行 99/1 ●経営課題は[ヒト]と[経営力]! 近未来に向けて重要となる経営課題をみる と、第1は[ヒト]で10年前と同じく人材の確 保・育成が最優先に。第2は[経営 組織・体制]で10年前より大きく 増え、経営力を充実・強化しよう とする意欲がうかがえます。 近未来に向けて重要となる経営課題 (年度/四半期) 網掛けは景気後退局面 97/1 4.4%に上昇し、中小企業の将来には冷徹な見 方が趨勢に。 また、[自社にとっての近未来]については、 [事業の発展が見込める時代]となると考える経 営者が同28.5%から18.4%に減る一方で、 [事業発展はそれ程見込めないが現状維持は十 分可能な時代]と考える割合が同49.1%から5 8.5%に増えており、厳しい環境に生き残りを かける姿勢が表れています。 01/1 03/1 05/1 (出典: 日本銀行『民間金融機関の資産・負債』等) 100 (%) 96年5月調査 80 06年7月調査 60 ●設備・雇用は[不足]感が強まる! 大 学 等 と の連 携 企 業 間 ネ ット ワ ー ク マー ケ テ ィ ン グ 情報 モノ ︵機 械 ・設 備 等 ︶ Copyright© Consulting Alpha, Inc. All Rights Reserved 技 術 ・ノウ ハウ 商工中金が中小企業経営者に[近未来(約10 年後)]についてアンケート調査を行ったとこ ろ、近未来は中小企業の時代に[なっている]と の回答は前回96年調査の17.7%から10.1% に 減 少、[ な っ て い な い ] は 同 42.1% か ら 5 カネ ︵資 金 ・財 務 ︶ ●厳しい環境に生き残りをかける! 0 経 営 組 織 ・体 制 中小企業の将来像は? 20 ヒ ト ︵人 材 ︶ 生産設備DI(現状の水準、[不足]-[過剰]の 企業割合)は、1991年12月以降、[過剰]超 が続き、需要不足の中、98年12月と99年5 月には▲19.8を記録、02年2月にも▲18.0の 大幅な[過剰]超に。05年9月には、ほぼ14年 ぶりに[不足]超に転じ、足元では[不足]超が定 着しています。 雇用状況DI(同)は、1997年3月に+2.7 の[不足]超となった後、[過剰]感が強まり、9 8年7月と02年1月には▲10.0と大幅な[過剰] 超に。今回 の回復 局面 では、04 年2月から[不足]超の傾向が続 き、9 月・12 月 に は + 11.5 と、 92年4月の+12.8以来の[不足] 感が強まっています。 40 ●ヘッジファンドは究極の分散投資!? (出典: 商工中金『中小企業経営者の 近未来観 調査』) ●外部資源の活用も重要に! 競争が厳しくなるなか、経営環境の変化に機 敏に対処するには、自社の経営資源を中核事業 に集中すると共に、限りある経営資源を補完す ることが重要に。そのためには、異業種や各分 野の専門家、官・学など、外部の経営資源を柔 軟に活用し、さらに戦略的な提携やネットワー クの構築していくことも大切になります。 限られた経営資源を最大限に 活用しなければならない厳しい 環境の下、中小企業には経営力 の一層の充実・強化が求められ ています。 NEWS RELEASE 2007.2
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