ダウンロード(PDF 983KB)はこちら - 佐賀県医療センター好生館

佐
賀
県
医
療
セ
ン
タ
ー
好
生
館
Surgery++
SAGA-KEN MEDICAL CENTRE , Department of Gastroenterological Surgery
ニュースレター 第5号 2013年 春
新病院時代の到来
平成5月7日佐賀県医療センター好生館
として、新たなスタートを切りました。
消化器外科スタッフ
今年のテーマ
今年度も医師の交代がありました。新戦力
新病院スタートとともに何でも新しくす
も加わり9名体制のこれまで以上に充実し
るのではなく、理念は原点に戻ってより
た体制で診療しております。(ページ 2)
良い医療の提供をめざします。
平成24年の手術実績
手術数の変遷(ページ 3)
手術数は増加し、中でも鏡視下手術の割
合が増加しています。
外来予定
毎日、新患担当をおいております。(ペー
ジ 4)
好生館消化器外科へのご連絡は
☎:0952−24−2171 FAX:0952−29−9390 までお願いします。
ご挨拶
新病院時代の幕開け -がん統括診療部長挨拶 - いよいよ新病院のスタートです。心機一転、新築の快適な環境での診療が始まっているものの、反面まだまだ
戸惑いや混乱の渦中でもあります。しかし立ち止まってはいられません。休診中に積み残された定期手術に追
われつつ、以前にも増して運ばれてくる急患症例にも対応し続ける毎日です。新病院開院とともに皆一丸とな
って少しずつ身を削っております(笑)。
5月より好生館消化器外科は田中聡也部長による新体制となりました。田中部長による上部消化管、隅健次
君の下部消化管、三好篤君の肝胆膵と、それぞれの専門分野での棲み分けが明確となり、若手の教育体制とし
ても充実してきています。新しい手術室は手術スタッフのモチベーションを高め、技術の向上にも身が入りま
す。
しかし最近では待機、緊急いずれの手術もその多くが鏡視下手術となり、患者にとっての負担軽減の反面、
外科医の負担は増加する一方となっています。これまでのように外科医が手術、化学療法、緩和治療の全てを
手がける医療には無理が生じ、これは好生館のみならず外科における全国的な傾向となり、外科医を志す医師
の減少にも反映しています。がん治療を担う医師らによる適正な治療分担が急務と考えられます。これからは
置き去りにされるがん患者を作らぬよう、がん治療体制の改善にも力を入れていかねばなりません。医療連携
を通じて、皆様方にも様々なご協力をお願いすることもあろうかと存じます。その際はどうぞ宜しくお願い申
し上げます。(佐藤清治)
新病院エントランスのステンドグラス
佐賀の四季をテーマに制作されました。
佐賀県医療センター好生館 消化器外科
1
消
化
器
外
科
平成25年度消化器外科の体制 本年1月より姉川Drが着任しております。
また平成25年4月と6月に、移動があり新戦力の三好篤、江川紀幸、鶴安浩の3名が赴任しました。
隅 健次(外科医長)
田中聡也(消化器外科部長)
佐藤清治(がん統括診療部長)
新病院開院とともに「がん統括診療部長」
好生館勤務も6年目を迎え、5
大腸疾患診療を主に行っております。患
を拝命いたしました。とはいえ外科医でな
月より「消化器外科部長」を拝
者さんが幸せな人生を送れることを第
くなった訳ではなく、皆の迷惑を顧みず、
命しました。佐藤部長の指導を
仰ぎながら急性期病院の使命を
一の目標とし、腹腔鏡による低侵襲手
外来や手術も引き続き継続させていただき
術∼開腹拡大手術まで、手術を中心と
果たすべく働き続けます。
ます。今後ともよろしくお願い致します。
した診療を誠心誠意行います。
姉川 剛(外科医長)
篠崎 由賀里(外科医長)
三好 篤(外科医長)
これまで佐賀大学で肝胆膵疾患、とくに肝
日々感じるのは地域の先生方のお力添え
臓癌の鏡視下治療、集学的治療に取り組ん
があっての好生館という事です。超高齢化
できました。佐賀県の肝がん死亡率を減少
させるために内科の先生と協力しながら外
科医として出来る事を精一杯頑張りたいと
思います。
卒後13年目になります。大学院では
社会になり、疾患だけでなく介護の問題
門脈圧亢進症を学び、大学院卒業後
は主に、消化管における鏡視下手術
なども加わって、かかりつけの先生方が患
を学んでいます。鏡視下手術のmerit
者さんにとってどれほど頼りになる存在
を最大限に活用し、より低侵襲な治
療を目指しています。
かという事を強く実感しています。今後も
先生方との連携を大切に励んで参りたい
と思いますので、どうぞよろしくお願い申
し上げます。
山地 康大郎(外科医師)
鶴 安浩(外科医員)
江川 紀幸(外科医員)
医師として8年目です。昨年度から当院勤務と
卒後5年目、江川紀幸と申します。好生館
なり、定期手術、急患手術、化学療法、終末
には本年6月より赴任いたしました。当院
期医療と、寝る間も惜しいような貴重な診療
外科スタッフの一員として働けることに
経験を非常に数多くさせて頂きました。そろ
喜びを感じています。今後とも指導のほ
そろ寝る間くらいは・・・と思っていたとこ
どよろしくお願い申し上げます。
卒後3年目、今年4月から好生館にて働
かせていただいてます。佐賀生まれ、佐
賀育ちの生粋の佐賀人です。ご迷惑をお
かけすることが多々あると思いますが、
少しでも佐賀の役に立てるよう一生懸命
頑張りますのでよろしくお願いいたしま
ろでしたが、なんともう一年、好生館に残留
す。
となりました。新病院となり、昨年よりさら
にパワーアップして乗り切っていく所存で
す。よろしくお願いいたします。
お
世
話
に
な
り
ま
し
た
廣橋喜美(高木病院副院長へ)、田中雅之(高木病院へ)、伊藤孝太朗(佐賀大学へ)は、移動になりました。
好生館在職中は、皆様に大変お世話になりありがとうございました。
2
佐賀県医療センター好生館 消化器外科
消好化生器館外 科消手化術器症外例科数スのタ推ッ移フ
平成24年
平成23年
平成22年
平成21年
手術総件数
645
631
576
535
定期手術
489
484
392
390
緊急手術
163
147
184
145
食道手術
8
8
9
16
食道悪性腫瘍手術(うち鏡視下)
5
8
7
9
胃・十二指腸手術
78
92
91
89
�胃全摘術(うち鏡視下)
22(6)
34(8)
27(3)
31(3)
�幽門側胃切除術(うち鏡視下)
37(12)
43(21)
44(18)
34(15)
胃局所切除(うち鏡視下)
3(3)
7(6)
6(6)
1(1)
�胃空腸吻合術(うち鏡視下)
6
6
7
2
�穿孔性潰瘍手術(うち鏡視下)
2
2
2(1)
3
小腸・虫垂手術
103
57
92
93
�小腸切除術(うち鏡視下)
20(11)
14(9)
16(3)
12
�虫垂切除術(うち鏡視下)
74(56)
36(14)
53(26)
55(4)
結腸・直腸・肛門
159
163
143
116
�結腸悪性腫瘍手術(うち鏡視下)
59(43)
75(43)
65(34)
66(15)
�結腸良性腫瘍手術(うち鏡視下)
3(3)
1(1)
3(3)
3
�人工肛門・腸瘻造設・閉鎖
45
40
39
18
�直腸悪性腫瘍前方切除術(うち鏡視下)
20(15)
19(9)
21(7)
17(5)
直腸切断術(うち鏡視下)
6
7
7
1
�その他直腸手術
8
3
0
2
�痔核・痔瘻・裂肛手術
1
2
0
1
肝・胆・膵・脾
132
108
126
97
�肝切除術(亜区域以上)(うち鏡視下)
9
5
5
5
�肝部分切除術(うち鏡視下)
13
5
2(1)
1
�胆道悪性腫瘍手術
0
4
0
1
�胆嚢摘出術(うち鏡視下)
94(89)
79(76)
103(96)
74(68)
�胆管消化管吻合術
2
1
0
2
�膵頭十二指腸切除術(うち鏡視下)
2
4
4
2
�膵体尾部悪性腫瘍手術(うち鏡視下)
2
2
0
4
�脾摘出術(うち鏡視下)
2(2)
7(7)
9(4)
6
�汎発性腹膜炎手術(うち鏡視下)
14(1)
11
2
7
�後腹膜腫瘍手術
1
1
2
0
�癒着剥離術(うち鏡視下)
8(2)
14
2
22
�腹壁ヘルニア手術
11
12
9
8
�鼠径ヘルニア
80
90
35
51
鏡視下手術
259
201
203
100
佐賀県医療センター好生館 消化器外科
3
手
術
実
績
手術数増加-昨年の手術実績について
昨年の手術件数は、645件でした。うち緊急手術が163件(25%)を占めています。手術件数は年々増加しております。佐賀の
人口は増えていませんし、佐賀の人々が手術対象疾患に罹患しやすくなった訳ではないと思われますので、手術を行う施設が
減っていっていることが原因と考えられます。当科の割当てベッド数はおよそ34床で、うち化学療法、終末期、保存療法など
手術以外の患者さんの入院も有りますので、実質手術患者のベッドは20床台です。このベッド数で上記の状態をまわすと、患
者一人あたりの入院日数は、11日前後となります。長期入院が必要な患者さんもおられる中でこのような数字が達成でき、わ
れわれがで多数の手術をこなせているのは連携していただいている医療機関や当院の他部署のサポートあってこそと痛感して
おります。今後も、好生館が急性期病院としての役割を果たし、多くの手術を安全に施行していく為に、術前術後の療養や終
末期医療など手術を必要としない患者さんのご加療については、他院との連携を強化していきたいと考えております。皆様の
ご協力をよろしくお願いいたします。
ト
ピ
ッ
ク
ス
今年のテーマは、「原点回帰」
好生館の理念の一つであり『好生館』の由来となっている、中国の「書経」の一節『好生の徳は民心に洽(あま
ね)し(人の生命を大切にする徳を万人にゆきわたらせる)』。最新の医療を必要な人すべてに提供してゆくとい
うこの考えは、150年の好生館の歴史において途切れることなく伝えられています。またもう一つの理念「学問ナク
シテ名医ニナルハ覚束ナキ儀ナリ 」藩校弘道館の教授であった古賀穀堂が、1806年(文化3年)に『学制管見』を著
わし、この中で、医学教育の必要性を訴え述べたものです。この2つの言葉を再度、胸に刻み診療に従事してまい
ります。
消
化
器
外
科
外
来
消化器外科週間スケジュール
月
火
水
新患
午前11時
三好篤
田中聡也
隅健次
姉川剛
まで受付
手術
手術
木
総回診
金
篠崎由賀里
カンフ
佐藤清治
手術
ァレン
再来
三好篤
佐藤清治
篠崎由賀里
ス
手術
田中聡也
隅健次
姉川剛
午前午後
救急患者に関しては、新患担当および当番医が午前午後とも対応します。時間外は、救急部が初期対応を行い、必要に応じて
当番医が対応します。
•救急患者さん以外のご紹介は、新患担当にお願いいたします。
•学会等で担当医が不在の場合は、交代の医師が担当させていただくこともありますので ご了承ください。
•ご紹介いただきました患者さんにつきまして、ご不明な点などございましたら、お問い合わせいただきますようお願いい
たします。退院後は、癌などの定期検査を含め紹介していただいた医療機関とともに当院での経過観察を行うことを基本と
しております。ご多忙とは存じますがご協力お願いいたします。
編集後記
タイトルについて
これまでSurgeryとしていましたが、新病院移転を契機に++をつけました。これは当館のシンボルマーク
(横複十字)をイメージしつつ、ダブルプラスでプラス思考、プラス志向を意味し、今後しっ
かり佐賀の人々に貢献していきたいという思いを込めたものです。これまで以上に新好生館消化器外科をよ
ろしくお願いいたします。
4
田中聡也(消化器外科部長)
佐賀県医療センター好生館 消化器外科