2010年10月18日研究室ゼミ - 宇宙電波観測センター

電磁宇宙物理学研究室 研究室ゼミ 平成 22 年 10 月 18 日
M1 名越 遥
A radio continuum survey of the Galactic plane at 11 cm wavelength Ⅱ. The
area 358  ≤ l ≤ 76  , − 5  ≤ b ≤ 5 
Reich et al.
Astron. Astrophys. Suppl. Ser. 85, 633-690 (1990)
Abstract
我々は 358  ≤ l ≤ 76  , − 5  < b < 5  をカバーする銀河面の Effelsberg 11cm 電波連続波
サーベイの second section を示す。サーベイの角度分解能は 4′.3 で、検出感度は 50mK TΒ
(または約 20mJy/beam area)である。広域放射データにはより小さい望遠鏡で実行され
た低い角度分解能のものを加えられている。
1. Introduction.
―Effelsberg 100m 望遠鏡を用いた波長 11cm で b ≤ 5  緯度レンジの銀河面マップを作る
―観測は 1989 年に完了し、サーベイの first section は既に発表(Reich et al.1984;paperⅠ)
― 357 . 4 ≤ l ≤ 76  , b ≤ 1. 5 で銀河面の最も激しく狭い端が見える
―PaperⅠは 1212 の小直径ソースのソースリストを含む
―別紙(Junks et al.1987)は、最初のサーベイであり、l > 4 . 9 の部分の直線偏光放射を角度
分解能 6′ で与える
―本論文で与えられる second section は PaperⅠで同一の経度レンジをほぼカバー
―この領域では、より小さい望遠鏡によるサーベイを含んでいるために広域放射データ
はとりわけ注意すべき
―サーベイの third section はこの領域をカバー:
76  ≤ l ≤ 240  , b ≤ 5  (Furst et al.1990a,PaperⅡ)サーベイの全セクションから、
6483 の小直径ソースの一覧表は他の統計結果と共に PaperⅣに掲載(Furst et al.1990b)
2. Observations.
―受信機の詳細はサーベイで用いられ、アンテナ特性は PaperⅠで既に表わされている
―全ての領域は、少なくとも二度マップにされた
―銀緯のスキャン範囲は望遠鏡のエレベーション限界の 1 より低い経度を除いて常に 3. 6
1
―経度で典型的なスキャン範囲は隣の領域と 0 .1 重なるために、 3. または 3. 2 のどちらか
―いくつかの領域では銀系のスキャン範囲はマップの境界での強い放射複合体を避けるた
め、より小さくなる
3 チャンネルの冷却 FET 受信機
受信機
バンド幅 80MHz、中心周波数 2695 に調整
(例外は PaperⅠの Table1)
システム雑音温度
約 60K
HPBW (Effelsberg 100m望遠鏡)
4′.3
TΒ S 比[K/Jy]
2.51 ± 0.05
観測方法
2′ の距離間隔・速度 2  / min で銀緯をスキャン
b ≤ 1. 5 b = 1. 4 ~ b = 5 
,
Main calibrator
3C286(推定フラックス密度 10.4Jy)
(補助的なキャリブレータリストは PaperⅠ)
―最終的なマップから、いくつかの小さく低い放射の rms ノイズを測定
→20mK TΒ より低い量となることを発見
―20mK TΒ は期待値に近い値(see PaperⅠ)が、いくつかの小領域ではおそらく低レベ
ルの障害、または悪天候によるいくつかの障害のため、より高いノイズが見られる

―とても低い赤緯( l < 20 )でのノイズの増加は、背景放射寄与の増加による
3. Reduction.
○データ整理
1.Effelsberg 望遠鏡での電波連続波観測の手順を用いる
2.較正されたマップはNOD 2 formatで算出(Haslam.1974)
3.それぞれのスキャンの端での二つのデータ位置を、線形ベースライン補正
4.reduction step と直交方向でスキャンされたマップの組み合わせを Cyber 172 と
MPIfR の CONVEX C1 を用いて実行
―加えて日本の野辺山電波観測所の FACOM M380 をいくつかの編集作業に用いた
5.全ての個々のマップを相互作用的に描き、編集
6.衝撃の障害による spike は取り除き、温度ジャンプを補正
―可能であれば、他の歪んだデータはフラッグを付けている
7.ベースラインの歪みを unsharp masking の方法により除去(Sofue and Reich,1979)
8.同一領域の観測を、悪いデータから真実の構造を見分けるために比較
―昼間の観測のうちのいくつかは、太陽の影響のため却下(Kalberla et al.1980)
9.最終的なマップを算出
―全描写データは、経度・緯度方向のどちらか一方で観測されたすべてのデータを含
む二つのマップを合わせている
2
―基本的に三つの方法が用いられた:
① 異なる重みにおいて必要ならば、いくつかの場で両方のマップを合計した
② スキャニングの影響またはスキャンの端における経度と緯度のマップ間の差を
引き起こす場において、C.J.Salter によって導入された”basket wearing”と呼ば
れる手順、または”PLAIT” program(Emerson and Grare,1979)を用いた
―”basket-wearing”方法(see e.g.Sieber et al,1979)は反復プロセス
―”PLAIT”program はフーリエ面でのスキャンの影響を除去する(手順の詳細は
Emerson and Grave.1988)
③ 隣の最終マップの端の領域を比較し、マップは一般的な基準面を得るため曲が
った面を加えることにより調整
―特定の問題が以前発表された領域(PaperⅠ) b = 1. 5 と b = −1. 5 での基準面により得
られている(後者が銀緯方向のみのスキャンのため)
→高い緯度の広がりの基準面までの低い緯度データを調整するため、新たなデータ
を用いた
―手順から、 3 より大きな範囲の広域放射であることは明らか(一部分が欠損)
―これは減少する銀緯の、主に smooth な温度上昇である
―この広域構造は、
Bonn University の Stockert 25m 望遠鏡で 2.72GHz で実行されたが、
より低い分解能のサーベイ(Reich et al.1987;1990 in preparation)を含んでいる
システム雑音温度
約 100K
HPBW (Stockert 25m 望遠鏡)
19′
(最初の)サイドローブ
-22dB
観測方法
“nodding scan technique”
望遠鏡を local meridian に沿って上げ下げする
(Haslam et al.1974)
―結果のマップは隣り合ったストライプの重なり 0 . 5 で赤緯 10  幅
―いくつかのゼロレベルの変動から(最大)100mK の大きさで 5  を上回る広域放射の存在に
気付く
→それは 408MHz サーベイ(Haslam et al.1982)と 1420MHz サーベイ(Reich,1982;Reich
and Reich,1986)をもとに角度分解能 5  で推定されたマップを用いることにより除去(手
順の詳細は Muller and Reif.1987)
―Stockert 2.72GHz サーベイの最も低い赤緯は − 28. 5 なので、銀河中心領域( l < 4  )の広
域放射を追加するため Jonas et al.(1985)の 2.5GHz サーベイを用いた
3
―このサーベイは角度分解能 20′ であり、Stockert の温度スケールに適応する
―Effelsberg data での低い分解能データは、一マップに 2′ のグリッドを入れたものをそれ
ぞれつなげており、一般的な角度分解能 0 . 4 を畳みこむ
―それぞれのデータポイントで異なる温度は、Effelsberg data を加えている
―この手順によって隣り合うサーベイセクションの補正は改善され、広域放射は低分解能
データによって与えられた 50~100mK の正確性で加えられている
4. Results.
―サーベイの結果は Figure 1~52 と Figure 53~57 の等高線図で表す
―Figure では主ビーム輝度温度の等高線を示し、銀緯の温度勾配に沿って豊富な小規模放
射の詳細の全てを示すため、Sofue and Reich (1979)による方法を用いて”source”成分
と”diffuse”成分に original map を分解する:
l, b で smoothing beam 1 × 0 . 3 を用いた original map から Figure53~57 で見られ
る”diffuse”成分を導く
→2.7K の背景成分なしの広域銀河放射を表す”diffuse”成分を original map から差し引く
4.1 The contour maps○Figure1~52;
―赤道座標(Epoch1950.0)
― 1 グリッドで銀河座標の”source component”が見られる

―等高線間隔
-0.25K~0.0K
50mK ずつ、破線で表記
0.0K~0.6K
50mK ずつ、0.2K 毎に表記
0.6K~1.5K
100mK ずつ、1K,1.5K と表記
1.5K~3.5K
200mK ずつ、2.5K,3.5K と表記
3.5K~6K
500mK ずつ、6K と表記
6K~10K
1K ずつ、10K と表記
10K~30K
2K ずつ、20K,30K と表記
30K~80K
5K ずつ、10K 毎に表記
80K~340K
20K ずつ、40K 毎に表記
―PaperⅠと比較してそれぞれの Figure は sky より大きな領域が見られるので、多
数の高い強度等高線は除いた
―低い銀緯での放射の詳細は PaperⅠの Figure に掲載
○Figure53~57;
―Figure1~52 と同一の領域の”diffuse component”が見られる
―赤道座標は Epoch2000.0
4
―等高線間隔
1K まで
125mK ずつ、0.5K 毎に表記
1K より上
200mK ずつ、0.1K 毎に表記
―等高線上の矢印は常に関係のある最小温度を指し示す
4.2 Comments to individual figures○Figure1~4:いくつかの残っているスキャンの影響は低い放射領域で現れる
これはとても低いエレベーションで強い ground 放射の変動により引き起こされる
○Figure7:超新星残骸 G8.7-5.0 の完全な 11cm マップは Reich and Furst(1988)で発表
されている
○Figure28: b = 1. 4 でのマップは異なるセクションの適応の問題に悩まされる
○Figure35 and Figure37:PaperⅠで l ~ 50 . 7 、 l ~ 52 . と 52 の間のスキャンの影響

が見られるが、新たなデータの追加によって減らすことができた
○Figure47:サイドローブは、強くて分解されていないソース 3C410 のまわりで見られ、
観測されたフラックス密度は 6.39Jy
5. Concluding remarks
我々は角度分解能 4′.3 で波長 11cm での初めての銀河の第一象限の電波放射のマップを
与える。このサーベイの主目的は高い検出感度で、広がった銀河電波放射を観測するこ
とである。Effelsberg 100m 望遠鏡による 21cm で 4  より低い銀緯のよく似たサーベイ
は近年完成している。(Reish et al.1990)それらの二つのサーベイから、我々はいくつか
の新たな超新星残骸を確認した。(Reich et al.1988) サーベイマップを含む 11cm マッ
プは多くの天体で今までのところ発表されていない。それは以下;G358.4-1.9,G4.2-3.5,
G5.2-2.6,G15.1-1.6,G17.4-2.3,G17.8-2.6,G30.7-2.0,G36.6+2.6,G43.9+1.6
5
6
7
8