平成 20 年度 - 鯖江市

■
鯖
江
市
の
環
境 概 要(平成 20 年度)
年度)■
1 大気環境
大気 環境の
環境 の 保全
大気の汚染は、工場・事業所の活動や自動車などから排出されるいおう酸
化物や窒素酸化物などの汚染物質によって引き起こされます。市では、大気の
状況を的確に把握するために、一般環境大気については 4 地点(県設置:神明
局、鯖江局、市設置:御幸局、鯖江東局)、自動車排出ガスについては県が1
地点(自排丹南局)において常時監視測定を行っています。
(1)
二酸化いおう
二酸化い おう( 主に 燃 料や原料 中に含 有す る いおう分 が燃焼 する こ とに
よって生じ、呼吸器系への悪影響、酸性雨の原因ともなる。)については、
一般大気観測局 3 局で測定しています。
平成 20 年度の結果を環境基準と比較した場合、3 局ともに基準値を大き
く下回っていました。また、1時間値の年平均値の最高値は、御幸局の
0.002ppm であり、県の環境上の指導基準(1時間値の年平均値が 0.015ppm
以下)についても達成されていました(表 1-1)。1時間値の年平均値の経
年変化は、減少傾向にあります。(図 1-1)
表 1-1
測 定
局 名
用 途
地 域
平成 20 年度 二酸化いおう測定結果
有効測定
測定時間
日 数
1 時間値
の年平均値
A
B
C
D
( 日)
( 時間)
( ppm)
時間
%
日
%
( ppm)
( ppm)
E
F
( 日)
神 明
第1 種中高層
住
専
360
8643
0. 001
0
0
0
0
0. 024
0. 003
無
0
鯖江東
第1 種中高層
住
専
357
8528
0. 000
0
0
0
0
0. 007
0. 001
無
0
御 幸
第2 種中高層
住
専
349
8375
0. 002
0
0
0
0
0. 040
0. 005
無
0
(注)
A:1時間値が 0.1ppm を超えた時間数と割合
B:日平均値が 0.04ppm を超えた日数と割合
C:1時間値の最高値
D:日平均値の 2%除外値
E:日平均値が 0.04ppm を超えた日数が2日以上連続したことの有無
F:環境基準の長期的評価による日平均値が 0.04ppm を超えた日数
- 1 -
図 1-1
二酸化いおうの経年変化
ppm
0. 05
0. 04
神明局
鯖江東局
御幸局
環境基準
0. 03
0. 02
0. 01
0
S49
51
53
55
57
59
61
63
H2
4
6
8
10
12
14
16
18
20
年 度
(2)
二酸化窒素
二酸化窒素(呼吸器に悪影響を及ぼすほか、酸性雨や光化学スモッグの原
因ともなる。)については、一般大気観測局のうち県が設置している鯖江局、
神明局の 2 局において測定を行っています。
二酸化窒素の測定結果は、測定局ごとに日平均のうち低い方から 98%に
相当する値(日平均値の年間 98%)が 0.06ppm 以下かどうかで評価するこ
ととなっていますが、平成 20 年度の結果を環境基準と比較すると、両局と
もに環境基準は達成されていました(表 1-2)。また、経年変化を1時間値
の年平均値でみると、概ね横ばいの状況にあります(図 1-2)。
表 1-2
測
局
(注)
定
名
用
地
途
域
有効測定
日 数
平成 20 年度 二酸化窒素測定結果
測定時間 年平均値
A
( 日)
( 時間)
( ppm)
( ppm)
B
C
D
時間 % 時間 %
E
F
G
日
%
日
%
( ppm)
( 日)
鯖
江
第1 種
低 層
住 専
362
8641
0. 010
0. 046
0
0
0
0
0
0
0
0
0. 019
0
神
明
第1 種
中高層
住 専
363
8665
0. 009
0. 040
0
0
0
0
0
0
0
0
0. 018
0
A:1時間値の最高値
B:1時間値が 0.2ppm を超えた時間数と割合
C:1時間値の 0.1ppm 以上 0.2ppm 以下の時間数と割合
D:日平均値が 0.06ppm を超えた日数と割合
E:日平均値が 0.04ppm 以上 0.06ppm 以下の日数と割合
F:日平均値の年間 98%値
G:98%値評価値による日平均値が 0.06ppm を超えた日
- 2 -
図 1-2
二酸化窒素の経年変化
ppm
0. 07
0. 06
鯖江局
0. 05
神明局
環境基準
0. 04
0. 03
0. 02
0. 01
0
S59
61
63
H2
4
6
8
10
12
14
16
18
20
年 度
(3)
浮遊粒子状物質
一般大気観測局である県設置の鯖江局、神明局、および市設置の御幸局、
鯖江東局で、重量濃度測定法と直線的な関係を有するベータ線吸収法により
測定しています。
環境基準と比較した場合、4 局ともに長期的評価は達成していましたが、
短期的評価でみると、1時間値が、鯖江東・御幸局において、基準値である
0.20 mg/m 3 を 超 え て お り 、 継 続 し て 環 境 基 準 は 達 成 さ れ ま せ ん で し た 。
(表 1-3)
また、経年変化を1時間値の年平均値でみると、全局でほぼ横ばいです。
(図 1-3)
表 1-3
測
局
有効測定
日
数
平成 20 年度 浮遊粒子状物質測定結果
測定時間 年平均値
定
名
用 途
地 域
鯖
江
第1 種
低 層
住 専
364
8728
0. 019
神
明
第1 種
中高層
住 専
364
8744
鯖江東
第1 種
中高層
住 専
364
御
第2 種
中高層
住 専
350
( 日)
(注)
幸
A
( 時間) ( mg/m3) 時間
B
C
D
( mg/m3) ( mg/m3)
E
F
( 日)
( 日)
%
日
%
0
0
0
0
0. 160
0. 043
無
0
0. 022
0
0
0
0
0. 169
0. 049
無
0
8752
0. 018
1
0. 01
0
0
0. 211
0. 042
無
0
8418
0. 022
1
0. 01
0
0
0. 293
0. 047
無
0
A:1時間値が 0.20 mg/m 3 を超えた時間数と割合
B:日平均値が 0.10 mg/m 3 を超えた日数と割合
C:1時間値の最高値
D:日平均値の 2%除外値
E:日平均値が 0.10 mg/m 3 を超えた日が 2 日以上連続したことの有無
F:環境基準の長期的評価による日平均値が 0.10 mg/m 3 を超えた日数
- 3 -
図 1-3
浮遊粒子状物質の経年変化
3
mg/m
0. 10
鯖江局
鯖江東局
環境基準
0. 08
神明局
御幸局
0. 06
0. 04
0. 02
0. 000
S63
H2
4
6
8
10
12
14
16
18
20
年 度
(4)
光化学オキシダント
オキシダント濃度は、県が設置している鯖江局、神明局の 2 箇所で測定し
ています。長期的評価では環境基準を大きく下回っていますが、短期的評価
でみると昼間の 1 時間値が、鯖江局は 8.8%、神明局では 7.7%の割合で環
境基準を超えており、近年では微増傾向にあります(表 1-4、図 1-4)。
しかし、光化学スモッグ注意報発令基準値(1時間値が 0.12ppm 以上)
に達することはなく、光化学スモッグ注意報の発令はありませんでした。
近年のオキシダント濃度の増加原因については、光化学オキシダントの注
意報の発令が広域化していることなどから、国内の発生源のほか、アジア地
域からの越境輸送による影響があるとの指摘もあります。
表 1-4
測定局名
平成 20 年度 光化学オキシダント測定結果
昼間測定
日 数
昼間測定
時 間
A
( 日)
( 時間)
( ppm)
日
時間
時間( %)
日
B
C
D
E
時間
( ppm)
( ppm)
用途地域
鯖 江
第1 種
低 層
住 専
365
5461
0. 034
85
482
8. 8
0
0
0. 103
0. 049
神 明
第1 種
中高層
住 専
365
5445
0. 033
74
420
7. 7
0
0
0. 105
0. 048
(注)
A:昼間(6 時から 20 時)の 1 時間値の年平均値
B:昼間の 1 時間値が 0.06ppm を超えた日数と時間数及び超えた時間数の測定時間に対する割
合
- 4 -
C:昼間の 1 時間値が 0.12ppm 以上の日数と時間数
D:昼間の 1 時間値の最高値
E:昼間の日最高 1 時間の年平均値
図 1-4
光化学オキシダントの経年変化
ppm
0. 07
0. 06
鯖江局
0. 05
神明局
環境基準
0. 04
0. 03
0. 02
0. 01
0
S63
H2
4
6
8
10
12
14
16
18
20
年 度
(5) 酸性雨調査
大気中に含まれる酸性物質の影響により、雨水が酸性化(pHが 5.6 以下
を「酸性雨」という。)しています。市では、市役所の屋上において、2 ヵ
月に 1 回、定期的に雨水の分析調査を行っています。
平成 20 年度は、pHの平均が 5.5(最大 6.0、最小 4.6)であり、経年で
は、近年徐々に改善傾向にあります。
図 1-5
酸性雨調査pH経年変化
7. 0
6. 5
6. 0
pH
5. 6
5. 5
5. 0
4. 5
4. 0
3. 5
H14
15
16
17
年度
- 5 -
18
19
20
2
水 環境の
環境 の 保全
(1)
公共用水域の水質
河川は地域の農業、工業用水などに利用されるほか、優れた自然景観、身
近な水辺環境の重要な要素でもあり、河川環境を守っていくためには、事業
所排水や家庭からの生活雑排水の浄化を促進し、水質の保全に取り組むこと
が重要です。
市では、有機物の汚れを把握するBOD(生物化学的酸素要求量)やpH
(水素イオン濃度)などの生活環境項目の調査を、市内の 13 河川 22 地点で
定期的に行っています。
平成 20 年度は、2 ヵ月に 1 回(年間 6 回、穴田川は毎月)実施しました。
環境基準の類型指定がされている日野川、浅水川、鞍谷川、吉野瀬川、穴田
川のBODの測定結果は表 2-1 のとおりであり、浅水川の上流では、BOD
が環境基準の一部超過があったが、その他の水域では環境基準に適合してい
ます。BOD経年変化(図 2-1)では、浅水川が漸増傾向にあるが、他の主
要河川では、ほぼ横ばいの状況にあります。
なお、穴田川全域については、平成 20 年 3 月 28 日にB類型での類型指定
がなされました。
表 2-1 平成 20 年度 BOD調査結果
B O D ( mg /l )
調査項目
環境基準
調査地点
白鬼女橋
日野川
3 mg /l 以 下
最大
最小
平均
75%値
適合
3. 0
0. 8
1. 6
1. 7
○
丹南橋
3 mg /l 以 下
3. 1
0. 9
2. 0
2. 8
○
糺 橋
3 mg /l 以 下
2. 8
1. 0
1. 8
1. 9
○
下新庄橋
3 mg /l 以 下
4. 7
1. 2
3. 0
3. 8
×
曲木橋
3 mg /l 以 下
3. 3
1. 6
2. 4
2. 8
○
徳尾橋
5 mg /l 以 下
4. 4
1. 4
2. 4
2. 6
○
浅水川
天神橋
5 mg /l 以 下
4. 3
2. 5
3. 2
3. 5
○
川島橋
5 mg /l 以 下
3. 1
2. 2
2. 8
3. 2
○
鞍谷川
浮 橋
5 mg /l 以 下
3. 8
1. 8
2. 3
2. 3
○
長表橋
3 mg /l 以 下
2. 7
< 0. 5
1. 8
2. 4
○
榛木橋
3 mg /l 以 下
2. 8
< 0. 5
1. 6
1. 8
○
高見橋
5 mg /l 以 下
2. 6
1. 2
1. 6
1. 9
○
穴田川
吉野瀬川
75%値:
全 デ ー タ を そ の 値 の 小 さ い も の か ら 順 に 並 べ て 、 ( 0 . 7 5 ×n ) 番 目 ( n は 日
間平均値の データ 数)の データ値を いいま す。年 間を通じた 日間平 均値の 全データの
うち、あてはめようとする類型の基準値を満たしているデータ数の占める割合が7
5%以上ある場合、その基準に適合しているものと評価します。
- 6 -
図 2-1
主要河川のBOD経年変化
mg/l
日
野
川
白鬼女橋
5
糺橋
4
環境基準
3
2
1
0
S49
51
53
55
57
59
61
63
2
4
6
8
10
12
14
16
18
20
年 度
mg/l
下新庄橋
浅 水 川
8
7
6
5
4
3
2
1
0
S49
上 流
曲木橋
環境基準
51
53
55
57
59
61
63
2
4
6
8
10
12
14
16
18
20
年 度
mg/l
浅 水 川
15
14
13
12
11
10
9
8
7
6
5
4
3
2
1
0
S49
下 流
徳尾橋
天神橋
環境基準
51
53
55
57
59
61
63
2
4
6
8
10
12
14
16
18
20
年 度
mg/l
鞍
谷
川島橋
川
10
9
浮橋
8
7
環境基準
6
5
4
3
2
1
0
S49
51
53
55
57
59
61
63
2
4
6
8
10
12
14
16
18
20
年 度
mg/l
吉 野 瀬 川
高見橋
8
7
環境基準
6
5
4
3
2
1
0
S49
51
53
55
57
59
61
63
2
4
6
8
10
12
14
16
18
20
年 度
穴 田 川
mg/l
長表橋
5
榛木橋
4
環境基準( H20. 3~)
3
2
1
0
S59
61
63
2
4
6
8
年 度
- 7 -
10
12
14
16
18
20
(2)
地下水の水質保全
地下水の水質については、平成 2 年度以降、豊地区をはじめ、神明地区、
鯖江地区、立待地区、上河内町、莇生田町の6箇所で汚染区域が指定され、
市では、汚染区域の濃度監視調査である定期モニタリングを実施して継続的
な監視を行うとともに、平成 5 年度からは、各区域内の濃度軽減のため、揚
水処理施設を設置するなどにより、地下水の浄化対策を進めています。
近年では、一部にトリクロロエチレン等の濃度が増加している地点がある
ものの、全体的には、濃度は横ばいから減少傾向にあります。
(3)
土壌環境の保全
平成 17 年 4 月から土壌汚染対策法に規定する事務の一部が県から市に移
譲されています。同法第 3 条(水質汚濁防止法に規定する特定施設のうち有
害物 質 使用 特定 施 設を 廃止 し た場 合に 届 け出 る義 務 )に 基づ く 届出 件数は
13 件あり、そのうち、平成 20 年度の受理件数は 2 件でした。
(4)
地盤沈下の防止
地盤沈下防止対策として、地下水位の変動を市内 5 地点で継続して観測す
るとともに(表 5-1)、条例による届出や環境保全協定の締結により、事業
所の揚水量の把握に努めています。
表 5-1 地下水位の年平均値推移
単位[ m ]
長泉寺
住 吉
東鯖江
神 中
下河端
井戸深度 61m
地盤高 14. 28m
井戸深度 110m
地盤高 17. 05m
井戸深度 64m
地盤高 19. 85m
井戸深度 65m
地盤高 11. 60m
井戸深度 65m
地盤高 12. 81m
観測地点
年 度
3
1
1
4
5
年 度
年 度
4. 77
4. 36
3. 38
3. 29
5. 08
5. 05
1. 23
1. 09
9. 52
9. 62
1
6
年 度
5. 12
3. 30
5. 18
1. 06
10. 64
1
7
年 度
5. 15
3. 53
5. 28
7. 91
10. 74
1
8
年 度
4. 50
3. 28
4. 88
6. 56
9. 45
1
9
年 度
4. 55
4. 57
4. 89
4. 94
9. 25
2
0
年 度
4. 12
5. 53
4. 46
17. 30
8. 37
騒音・
騒音 ・ 振動の
振動 の 防止
騒音に関する環境基準は、「一般地域」と「道路に面する地域」に分けて、地
域の類型や時間帯別に定められています。なお、振動に関する環境基準は定め
られていません。市では、比較的交通量の多い幹線道路(11 路線 17 地点)で、
周辺環境への影響を把握するため、道路交通騒音および道路交通振動を測定し
ています。
- 8 -
(1)
道路交通騒音
平成 20 年度の道路交通騒音の結果では、4 路線 6 地点で時間帯により環
境基準を超過しており、前年度に比べて基準超過路線が増加しています。騒
音規制法第 17 条に基づく要請限度 ※ との比較では、国道 8 号線の 1 地点が要
請限度を若干超過しています。(表 3-1)
表 3-1
平成 20 年度 道路交通騒音の測定結果
L
路線名
測定地点
№
測定結果
Aeq( d B )
※ 注1
L
環境基準
Aeq( d B )
L
要請限度
Aeq( d B )
交 通 量
( 台/10分)
※注2
昼間
夜間
昼間
夜間
昼間
夜間
昼間
夜間
1
神中町2 丁目
74
73
70
65
75
70
364
124
2
宮前2 丁目
71
69
70
65
75
70
314
113
3
水落町3 丁目
61
57
70
65
75
70
129
17
68
62
70
65
75
70
116
17
国 道
8 号線
国
道
4 1 7 号線
4
糺
町
5
柳町1 丁目
69
61
70
65
75
70
96
12
6
鳥羽2 丁目
68
63
70
65
75
70
104
17
7
桜町2 丁目
67
62
70
65
75
70
92
14
8
北野町1 丁目
66
58
70
65
75
70
94
14
9
定
町
64
56
70
65
75
70
48
7
10
日 の 出 町
68
63
70
65
75
70
74
12
11
御幸町2 丁目
63
56
70
65
75
70
148
20
12
鳥羽3 丁目
72
66
65
60
75
70
135
24
13
有定町1 丁目
65
61
65
60
75
70
103
19
市 道
染 南 線
14
神中町2 丁目
65
61
65
60
75
70
84
12
市 道
鯖江駅北線
15
旭町4 丁目
64
58
65
60
75
70
53
8
市 道
丸山北野線
16
三六町1 丁目
64
53
65
60
75
70
49
3
市 道
上鯖江線
17
住吉町3 丁目
62
58
60
55
70
65
75
10
県
道
福井鯖江線
県 道
青野鯖江線
次
県道西尾
鯖江停車場線
県道鯖江
清 水 線
市 道
西縦貫線
昼間:午前6時から午後10時まで
夜間:午後10時から午前6時まで
※ 要請限度:市は、指定地域内における自動車騒音が、要請限度を超えていること
により道路の周辺の生活環境が著しく損なわれると認めるときに、県
公安委員会に対して道路交通法の規定による措置を執るべきことを要
請します。
注 1 : 「 測 定結 果 」 欄中、 太 字 の 数 値は 環 境 基準を 、 背 面 塗 りつ ぶ し は要請 限 度 を 超
過したことを示しています。
注2:交通量は、自動二輪以上の車両の台数
- 9 -
(2)
道路交通振動
道路交通振動の測定結果は、表 3-2 のとおりであり、振動規制法第 16 条
に基づく要請限度と比較すると、全地点で限度値を下回っていました。
表 3-2
平成 20 年度 道路交通振動の測定結果
交 通 量
要 請 限 度
( dB)
測定結果( dB) ※
注1
路線名
測定地点
№
昼
間
昼
間
夜
間
( 台/10分 )
※注2
昼
間
1
神中町2 丁目
4 6
○
7 0
6 5
3 8 1
( 17. 3%)
2
宮前2 丁目
4 3
○
7 0
6 5
3 1 8
( 17. 6%)
3
水落町3 丁目
3 0 未満
○
7 0
6 5
1 3 2
( 3. 0%)
4 1
○
7 0
6 5
1 1 0
( 9. 1%)
国道8 号線
国道4 1 7 号線
4
糺
町
5
柳町1 丁目
3 2
○
7 0
6 5
1 0 1
( 5. 0%)
6
鳥羽2 丁目
4 4
○
6 5
6 0
1 1 6
( 5. 2%)
7
桜町2 丁目
4 2
○
7 0
6 5
9 7
( 6. 2%)
8
北野町1 丁目
3 0 未満
○
6 5
6 0
8 8
( 3. 4%)
9
定
町
3 7
○
6 5
6 0
4 5
( 4. 4%)
10
日 の 出 町
3 2
○
7 0
6 5
7 4
( 5. 4%)
11
御幸町2 丁目
3 7
○
6 5
6 0
1 2 2
( 8. 2%)
12
鳥羽3 丁目
4 5
○
6 5
6 0
1 2 9
( 9. 3%)
13
有定町1 丁目
4 5
○
7 0
6 5
1 0 4
( 8. 7%)
市道染南線
14
神中町2 丁目
3 9
○
7 0
6 5
8 5
( 3. 5%)
市道鯖江駅北線
15
旭町4 丁目
3 7
○
6 5
6 0
5 8
( 3. 4%)
市道丸山北野線
16
三六町1 丁目
3 0 未満
○
6 5
6 0
6 0
( 3. 3%)
市道上鯖江線
17
住吉町3 丁目
3 1
○
6 5
6 0
7 9
( 5. 1%)
県道福井鯖江線
県道青野鯖江線
次
県道西尾鯖江停車場線
県道大森神明停車場線
市道西縦貫線
※
昼間:午前6時から午後10時まで
夜間:午後10時から午前6時まで
注 1 :「 測 定結 果 」欄 中、 上 段の 数 値は 測 定結 果を 、 下段 の ○は 要 請限 度達 成 、 △
は要請限度を超えたことを示しています。
注2:交通量は 、自動二輪以上の車両の台数をいい、(
の混入率を示す。
- 10 -
)は積載量 4t を超える車両
4
悪臭の
悪臭 の 防止
悪臭は、感覚公害として不快感など人に心理的な影響や、吐き気など身体的
な影響をおよぼすことがあります。
一般に臭気に関する苦情や被害は局地的であり、比較的発生源の周辺に限ら
れることから、悪臭防止法では規制する地域を指定して、その地域内にある工
場・事業所の事業活動に伴い発生する物質についての規制を行っています。
平成 20 年度は、産業廃棄物処理関係の事業所に対して立入調査を実施しま
したが、敷地境界での濃度は規制基準以下でした。
また、福井県公害防止条例の悪臭に係る特定施設となっている鶏や牛の飼養
施設への立入調査を行い、家畜のふん尿の適正処理等の指導を行いました。
なお、平成 20 年度に市へ入った悪臭についての苦情件数は 13 件あり、苦情
の内容としては、ほとんどが工場周辺から発生する臭気についてのものでした。
5
化学物質による
化学物質 による環境汚染
による 環境汚染の
環境汚染 の 防止
市では、大気 1 地点、河川 6 地点について、ダイオキシン類濃度の調査をし
ています。平成 20 年度は、環境基準(表 6-1)を超えて検出された地点はあり
ませんでした。(表 6-2 、6-3)
表 6-1
ダイオキシン類に係る環境基準
媒
大
水
土
表 6-2
基
準
値
年間平均値 0.6 pg-TEQ/m 3 以下
年間平均値 1 pg-TEQ/l 以下
1000 pg-TEQ/g(dry) 以下
体
気
質
壌
大気中のダイオキシン類測定結果
西番町8-34-2
西番ふれあ い会館
調査地点
ダ イオキシン類
0. 018
( pg-TEQ/m3)
( 4回測定平均値)
表 6-3
公共用水域のダイオキシン類測定結果
調査地点
日野川
( 石田橋)
浅水川
( 天神橋)
鞍谷川
( 浮橋)
黒津川
( 水門)
吉野瀬川
( 高見橋)
穴田川
( 榛木橋)
0. 068
0. 081
0. 068
0. 15
0. 069
0. 075
ダ イオキシン類
( pg-TEQ/l )
- 11 -
6
公害苦情
公害苦情の
苦情の処理
典型 7 公害に関する種類別苦情件数、総件数およびそれらの経年変化を図 7-1 に
示しましたが、平成 20 年度の総件数は 42 件であり、油流出等による水質汚濁(18
件)が最も多く、悪臭(13 件)、騒音(7 件)、大気汚染(3 件)と続いています。
図 7-1
苦情発生件数の経年変化
70
60
50
大気汚染
40
水質汚濁
件 数
30
騒音
振動
20
悪臭
10
そ の他
0
15
16
17
18
19
20
年 度
7
空 き地等の
地等の管理に
管理に関する指導
する指導
市では、鯖江市環境市民条例の規定に基づき、空き地等の所有者に対して、適
正管理を義務付けており、放置されている空き地等の所有者に対して指導を行う
とともに、近隣住民からの苦情等に対応しています。
市内の対象となる空き地等の数は 765 件あり、平成 20 年度の指導・処理状況
は表 8-1 のとおりです。
表 8-1
空き地等の指導・処理状況
苦
指導した件数
312 件
8
情
処
理
空き地に関す
る苦情件数
空き家に関す
る苦情件数
所有者等が対
処した件数
対策実施率
65 件
6件
60 件
85%
工場・
工場・事業場の
事業場の監視
本市では、鯖江市公害防止条例に基づき、特定工場の立入調査を実施して、排
水の監視を行うほか、住民の健康保護と生活環境の保全を目的として、燃料使用
量や排水量の多い大規模工場(染色・その他)および有害物質排出工場(電気
メッキ業)などを対象に、環境保全協定を締結して、法令の排出基準より厳しい
基準を設け、定期的に立入調査等を行って、公害の発生防止に努めています。
平成 20 年度は、対象となる 49 工場・事業場について、大気・水質または悪臭
- 12 -
に関して、延べ 105 回立入調査を実施した結果、排出基準の適合率は 98%であ
り、基準超過等の違反があった工場等については、個別に改善指導を行いました。
なお、平成 21 年 3 月末現在の環境保全協定締結工場数は 24 工場であり、業種
別締結状況は図 9-1 のとおりです。
図 9-1
業種別協定締結状況
電気メ ッ キ
33%
その他
38%
染色整理
29%
9
自然環境の
自然環境 の 保全
(1)
自然環境の保全に向けた取り組み
平成 9 年に制定されました鯖江市環境基本条例では、森林、農地、水辺等に
おける自然環境については、その地域の自然的社会的条件に応じて体系的に保
全するとともに、生態系の多様性の確保、野生生物の種の保存その他の生物の
多様性の確保を図ることを基本指針として、平成 12 年 3 月に鯖江市環境基本
計画が策定されました。
さらに、平成 14 年 3 月には鯖江市環境市民条例が施行され、自然環境を保
全するための事項について、以下のとおり規定しています。
・
環境基本計画および緑の基本計画に基づく緑の保全および緑化の推進に
関する施策の実施(市)
①
・
土地の所有者、管理者等の樹木等植栽による緑化の推進(市民)
・
管理する工場等の敷地内の緑化および保全(事業者)
・
保全すべき巨木や地下水等の環境資源の適正管理
・
自然に生息する野生生物の保護および生育環境の確保
・
事業を実施する場合の環境影響評価の実施(事業者)
動植物の生息環境保全
平成 17 年には、市制 50 周年を記念して、本市の豊かな自然環境のシンボル
となる、市の花「
「 つつじ」
「 さくら」
「 おしどり」
つつじ 」 、木「
さくら 」 、鳥「
おしどり 」 が制定され、今
後は、こうした動植物の生育環境を将来的に保全していくとともに、自然保護
意識の向上を図るための啓発活動が必要です。
特に、オシドリは、環境の変化には非常に敏感であり、福井県レッドデータ
ブックにおいても、「県域準絶滅危惧」に分類されていますが、生息に関する
- 13 -
情報が少ない種でもあることから、生育環境の保全を図るとともに、生息数の
調査等を行う必要があります。
市では、豊かな自然環境の指標となるオシドリとゲンジボタルの生息環境を
保全するため、鯖江市環境市民条例の規定による環境保全区域の指定をするこ
ととし、鯖江市環境審議会の答申をもとに、平成 21 年 4 月 1 日から 10 年を期
間として、河和田川、金谷川の 2 箇所を指定しました。
今後は、周辺の環境監視を行うとともに、地域住民や環境保護活動団体との
協働による自然保護啓発活動に努めます。
②
湧水の保全
平成 20 年 2 月に、上河内町の「
「 桃源清水」
「 三場坂清水」
ふ
桃源清水 」と「
三場坂清水」 が、県の「ふ
くいのおいしい水
くいのおいしい 水 」 の認定を受けたことを受け、平成 20 年度は、地域の歴
史・文化と湧水保全活動に積極的に取り組んでいる上河内町文化を考える会に
委託し、4 月、8 月、11 月の 3 回、清水と歴史・文化のふれあいイベントを開
催し、市内外から約 200 人の参加をいただき、わがまち自慢の名水をPRして
いただきました。このことを契機として、今後も、市と地域住民との協働によ
る湧水保全活動を進めていくこととしています。
(2)
団体活動の支援
本市においては、河川などへの廃棄物の不法投棄により、河川の自然環境が
悪化している状況があり、こうした状況を改善していくためには、不法投棄に
対して防止対策を講じることが必要ですが、市や市民団体等が主体となって、
環境保全(美化)活動の実践や、自然観察会などの学習会を開催するなどによ
り、環境美化・自然保護意識の醸成に努めることが重要です。
本市では、現在、昭和 47 年に設立され、市内全戸が会員となっている「日
野川(支流を含む)を清く美しくする会」が中心となって、年間を通した河川
愛護・美化活動を実施しております。
(3)
市民との協働による清掃美化活動の実施
市では、平成 17 年度から、毎年 3 月の最終日曜日に各町内で実施される
「市民クリーンデー」に合わせ、「日野川クリーンアップ作戦」と銘打って、
市職員をはじめ、消防、県、国の関係機関の職員などに参加協力を呼びかけ、
日野川の堤防や法面に不法投棄されたごみの回収作業を行っています。
平成 20 年度は平成 21 年 3 月 29 日に約 150 名の参加により、日野川の白鬼
女橋から石田橋付近までの区間の清掃を実施し、2 時間の作業で、およそ 1 ト
ンのごみを回収しました。
市では、今後も継続して清掃作業を実施するとともに、さらに多くの団体等
に参加を呼びかけ、環境美化活動の輪を広げていきたいと考えています。
- 14 -