(4)岡山大学大学院・教育学研究科『教育研究特論V』授業観察記録

(4)岡山大学大学院・教育学研究科『教育研究特論V』授業観察記録
①平成20年10月27日(月)5限「英語Ⅰ」1年6組(小寺裕之)Mapping & Summary Reproduction
[Procedure] ① Overlapping ② Repeating by the Phrase in pairs ③ Questions & Answers
④ Mapping ⑤ Summing-up ⑥ Summary Reproduction in pairs ⑦ Feedback:Noticing-the-gap
・マッピングシートを見たとき,1つの太い黒線で囲まれた○から線が出てるし,空欄もたくさんあるので,内容の
あらすじを考えて書くことができるかなと思ったが,生徒は慣れているようだった。活動に入る前に内容に対する Q&A
をして,その答えが空欄に入るようになっていたので,単に単語を抜き出して書きこむということにならず,あらす
じを考えながら活動できていた。板書が大変そうでした。マッピングに興味を持ちました。他にどのような実践がさ
れているか勉強します。
・まず生徒たちが皆まじめで落ち着いて授業に臨むことに感心しました。先生のわかりやすくスムーズな教室英語は
ひとつのインプットとして生徒たちの英語力向上に寄与していると思いました。授業の流れも周到に準備されたもの
であることを感じました。やはり,一時間一時間の授業の積み重ねが三年間で大きな力の差を生むことを改めて感じ
させられました。最終目標を3年間を見通して設定し,それに向けた細かい計画をもって臨む。当たり前のことです
が,実際のこととなると大変難しいことですが,南高が取り組まれてきた研究の内容はすばらしいと思いました。
・
「マッピング」の練習は非常におもしろかったです。グループでお互いに情報を交換することで,生徒によるコミュ
ニケーションや Noticing-the-gap ができる活動だと思いました。また,マッピングを完成していく活動は生徒たちに
「達成感」を感じさせる有効な活動だと思いました。ただし,英語の「リプロダクション」の前に日本語のサマリー
をすることは生徒のモチベーションを下げてしまうのではないかと思いました。
・今回の授業では,生徒が行うマッピングを初めて見させていただきました。マッピングがスムーズに行えるように,
新出語句の発音練習や,スラッシュ・リーディング,Q&Aの時間を十分設けていたのがとても良かったと思います。
実際のマッピングの作業ではマップの型が決まっていることで,戸惑いを覚える生徒もいたようでした。また,モデ
ルマップでは apples や bucket が2か所に入っていたり,pick - apples / enjoy a happy life のように,語句をどのレ
ベルまで細分化しているかにも違いがあったりと,最初からマップの型を決めることには生徒にとって良い面ばかり
ではないと思いました。生徒がマッピングという活動そのものに慣れるまでは,型を決めずに核(今回なら太枠に囲
まれた部分)だけを与え,生徒にフリーでマッピングさせ,できたものをお互いに比べる活動を取り入れてもいいか
なと思いました。要約については,今回は日本語でということでしたが,生徒がペア(グループ)ワークで助け合い
ながらスムーズにおこなっているようでした。ただし,ペアワークについては,どれでも言えることかもしれません
が,ひとりの生徒の発言に頼り切って作業を進める生徒がいたのが気になりました。
・マッピングやリプロダクションなど,生徒の活動が中心の授業展開が良かったと思います。サマリーに対するフィ
ードバックがあれば良かったのではないでしょうか。生徒全員にフィードバックすることが現実的に難しいという状
況であれば,サマリーを回収して書いてない人がいないかどうかチェックしておきたい。
・生徒がよく集中して活動できる授業内容だったと思います。マッピングの活動中,生徒がペアワーク,グループワ
ークをする際に,日本語でやっていたので,英語でできるだけ行うようにしたらもっと良いのではないかと思います。
マッピングの活動後,一番重要なところを答えさえるときに,もう少し時間をとって何人かの生徒に答えさえ,より
理解することに重点をおいた方がよいと思います。
・リプロダクションの授業を見せていただきました。生徒が1年生であるということを考えて,キーワードを黒板に
示しながら生徒の理解を助け,その後のマッピングやリプロダクションにつなげていく方法は,見ていて参考になり
ました。改善の余地があると思われる点としましては,生徒にマッピングをさせた後に,その関係図を用いて,テキ
ストのパラグラフの構造がどのようになっているのか考えさせる活動を行うことで,より有意義な授業になるのでは
ないかと思います。
・I liked the activity of putting a slash after each heard phrase of the read passage. I have done this myself
when studying Japanese and have found it helpful on focusing on how individual sentences are built and how
they connect into larger units. Shadowing seems to also reinforce this understanding. But in that activity, some
students seemed to have trouble following the passage, probably due to the interference of other students
shadowing. Students seemed much more concentrated during the pair work activity of listening and repeating.
Perhaps shadowing is more successful in language labs with individual headphones and microphones, where it
can be easier to block out other students' voices. Mind-mapping as a note-taking method is very good, I believe,
and I was glad to see the emphasis on it. This was done in pairs. I think that encouraging students to use
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English while collaborating in this kind of activity might be good for fluency, as the Japanese they were using
while negotiating which English words to use and where to place them, was very simple and I am sure that
most of them could have done those conversations partly or wholly in English.
②平成20年11月5日(月)5限「オーラル・コミュニケーションⅠ」1年2組(小寺裕之,Serene) Debate
[Procedure] ① 1st Speech (Listening) ② 2nd Speech (Note-taking) ③ Confirmation Questions
④ Rebuttal Speech ⑤ Summary Speech by the Audience ⑥ Judging
・先生が生徒の発話に対して,文法的な誤りがあれば,その都度しっかり recast されたり,聞き取りにくい発言は全
体に聞こえるように先生がもう一度繰り返されていたことがとても参考になった。私も頑張ります。 Confirmation
Questions で,内容の確認はできるが,自分が分からないところをスピーカーに聞くことが生徒は慣れていないよう
だった。聞き方を提示してもいいのでは。スピーチで生徒にとって具体的な例(3つの理由を支える)はイメージし
やすく,聞き取り,書き取りはしやすいようだ。しかし,その元となる理由3つをしっかりおさえていない生徒もい
た。For example のあとの具体例ばかりを書き取っている生徒もいた。高校生でも,英語らしい発音で発話させるこ
とは難しいのだと思った。
・ディベートの授業を参観するのは初めてで,どのような内容か大変興味がありました。あらかじめ十分準備がされ
て授業が行われている様子に,日々の指導の徹底ぶりを改めて感じさせられました。生徒にとってはかなり難しい活
動の子もいると思いますが,みんな前向きに取り組めていて,こういう活動の継続的な積み重ねがスピーキング力を
育てるのだろうと思いました。生徒の発音指導の難しさはよく言われますが,この点についての指導の工夫はどのよ
うなものがあるのか知りたいと思います。
・生徒に授業前に100語程度のスピーチを書かせる。これは英作文をする能力を育成するのに非常に役立つ活動だ
と思いました。また生徒たちが自分で作成したスピーチなので,内容がわかりやすい。これは生徒の達成感につなが
るいい活動だと思いました。しかしながら,ひとりの生徒が発表する際に他の生徒はあまり聞いていない気がしまし
た。全員で盛り上げていく「ディベート」が望ましいと思いました。
・高校生が行うディベートを初めて見させていただきました。活動全体を通してまず最初に思ったのは,オーディエ
ンスにもしっかりとした役割が与えられていて,ディベートを行っている生徒たちの発言内容をしっかり判断してい
くことが求められているのは,とても良いことだと思いました。また,ディベートを行っている生徒も,自分たちの
グループの勝利にこだわって主張していくだけでなく,相手の発言をしっかり理解し,それを踏まえて再び主張でき
ていたので,大変中身のあるディベートだという印象を受けました。ディベートの後に Confirmation Questions(内
容確認のための質問),Rebuttal Speech,Opinion で使用される表現のモデルを書いたプリントが配られていました
が,ディベートを行う前の授業などでプリントの内容を扱っているかが疑問に残りました。ある生徒に聞いたところ,
今回初めてプリントを渡されたということでしたので,もしプリントの内容をまだ生徒に教えていないようでしたら,
事前に意味やどのような場面でどのように表現を使用すればいいかを指導して,生徒たちが安心してディベートに臨
めるようにするのも大切なことだと思いました。
・生徒の発言や態度に対する先生のコメントや修正を主に観察させていただきました。特に単語の発音の修正は,で
きるだけ直後になされていたので,生徒にとってもより意識的 に修正できていたのではない かと思います。
Confirmation Questions のところでは,先生が生徒の言ったことを表現を変えて言われていて,インプットの量が増
すことになり良いと思いました。発言に対するコメントは Yes, OK, Good が多く目立ちましたが,当てられても自信
がなさそうにしている生徒に対する "OK",「だいじょうぶ」という声かけや,反駁意見への "Very serious" といった
先生自身の感想があり,生徒の意欲を向上させるためにも先生の発言というのは大切なのだと考えさせられました。
・生徒の発言に対して「リキャスト」があったのがとても良かったと思います。リキャストを授業の中に組み入れス
ムーズに授業を展開することは想像以上に難しいと思うし,かなりの教師の英語力が要求されると思う。リキャスト
の指導はとてもいい参考になりました。オーディエンスにもっと活動を与えたいと思いました。
・生徒がよく発言し,良い雰囲気の授業だったと思います。2つの考えに分け,意見を言わせ,相手の意見に対して
確認をすることで,相手側の意見をよく理解し,反対意見を言うときに重点(ポイント)をおさえて発言できるよう
にしていたと思います。相手の意見に対して確認するところまでは発言をよくしていたが,反対意見を述べるための
話し合いをするとき,なかなか意見が出せなかったようでした。ある程度,自分で意見を考えて話し合いにしたほう
が,英語で話し合いやすいのではないかと思います。
・生徒の発言を促すために,さまざまな種類の表現を生徒にインプットとしてあらかじめ与えておくというやり方は
すばらしいと思います。ただ,特に Confirmation Questions のところでは,You said.... や Your first reason is.... のよ
うな比較的簡単な表現しか使われていないようなので,他の表現がどのような場合に使えるのか,具体的に例を示す
ことで,単に表現を列挙する場合よりも多様な表現の使用を促すことができると思います。また,肯定・否定の発言
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内容をお互いに,または同じグループ内で事前にシェアしてから討論に入ると,反論やそれに対する反論で,より生
徒の発言を引き出すことができるのではないでしょうか。
・I thought the speech activity was good in most respects. Students had some problems forming rebuttals. I
think it might have helped to have the students use their confirmation questions as a foundation to their
rebuttals. They would have to find a rebuttal to each of their affirmed confirmation questions. That would focus
their attention on the arguments of the opponent's speech and drive them to form an opinion against those
specific arguments.
③平成20年11月17日(月)5限「英語Ⅱ」2年5組(西由仁子) Mapping & Story-retelling
[Procedure] ① Overlapping
⑤ Mapping
② Phrase-reading
⑥ Story-retelling in groups
③ Shadowing
④ Listening & Note-taking
⑦ Presentation of the Retold Stories
⑧ Feedback
・マッピングでは,生徒によっては難しい様子で,あまり進んでいない生徒も見られた。かなり自由な形のマッピン
グだが,模範例として挙げられた教師サイドのマッピングだけでは,生徒の中には自分のマッピングの何が不足なの
か分かりにくい者もいるのではないかと感じた。授業の始まりに先生の方から「服装を正すように」という指示があ
り,こうした指導も授業への取り組みを良くしていくことにつながっていると思いました。
・Paraphrase, Shadowing など,さまざまな活動を行うことを通して,生徒たちのコミュニケーション能力を育成す
る非常におもしろい授業だと思いました。ただし,シャドーイングの部分で,生徒たちが本当にシャドーイングして
いるのかが疑問です。
・今回は「ディクトグロス」と「マッピング」がひとつになった活動を初めて見させていただきました。私のイメー
ジでは,ディクトグロスだけでもかなりの能力が必要になると思いますが,必要かつ他との関連のある情報のみを聴
き取り,適切な箇所にマッピングをするのは更に複雑な作業だと思っていました。しかし,実際の生徒の作業を観察
していると,もちろん個人差はありますが,必要な情報をマッピングできている生徒が多かったですし,シェアリン
グの過程で情報の共有ができていたので,あまりマッピングできなかった生徒もシェアリングで頑張って理解しよう
としている様子でした。「ストーリー・リテリング」の活動では,リテリングは基本的に自らのマップを参考にしなが
らということでしたが,予習やフレーズリーディングで文章を記憶しているせいか,せっかくのマップを十分に活用
できていない生徒もいました。また,パラフレーズだけでも大変な作業だと思いますが,接続詞を用いて文章をなめ
らかにしたり,今回のねらいである「心情が伝わる表現」を心掛けるよう生徒により強調することで,内容が読み手
に伝わりやすい「ストーリー・リテリング」ができると思います。
・生徒の発言やエラーに対する先生のコメントや修正について主に観察させていただきました。Q&Aのとき,先生
のコメントは Yes, Good, Good job がほとんどで,すべて肯定的に受け入れられていたので,もう少し修正を促すな
どされても良かったのではないかと感じました。"When you are finished, ...." と口語的な表現を使われていたのが印
象的でした。
・生徒の音読の声が出ていたのでよかった。マッピングとリテリングの間にQ&Aやオーバーラッピングがあったの
が効果的だった。最後の自分の表現とテキストの表現の違いを読み取る作業がうまく生徒に伝わっていなかった。こ
のタスクがきちんと確立されれば,理解可能なインプットが促進されると思う。
・気になったことはグループでリプロダクションのシェアリングを行う際に,自分の文章を読んでいる人以外は皆黙
ってそれを聞いている姿が目立ったことです。その際に,発表している人の間違いを探させたり,自分が書いた文章
との違いをチェックさせたりすると,より有意義な活動になるのではないでしょうか。
・After the students retold the story individually, I think they could have benefited having more time checking
their grammar. Also, when instructing them that they are to retell the story, letting them know that they can
check their grammar later may remind them of error correction during the actual production. I liked that students
had to compare individual sentences and expressions from their retelling with the textbook and write down
sid-by-side the ones that are different. Perhaps the teacher could have emphasized that the students'
sentences, while being different, might be perfectly correct anyway, and that they should not change their own
sentence to match the original one unless they made a mistake for sure or after asking the teacher. In the end,
though, the teacher did pick out expressions from students that were grammatically correct and semantically
similar or identical to the original and emphasized the point of the exercises that way.
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④平成20年12月1日(月)5限「英語Ⅱ」2年5組(西由仁子) Double Passage
[Procedure] ① Reading the Summary ② Reading the Original Passage ③ Comparison of the Passages
④ Further Understanding of the Text through the Original Passage ⑤ Opinion Writing ⑥ Presentation
・スラッシュを入れながら英語の音声を聴くと,リスニングと内容理解が同時にできているのかなと思いました。ダ
ブル・パッセージの活動でしたが,2つとも表現の仕方が似ていたので,言語的な面の比較が難しいと思いました。
教材の選択も難しそうですね。
・原作と教科書の表現の違いを発見するという狙いなのか,登場人物の心情表現をより深く読み取ることで理解して
いくのか,少し曖昧に感じられました。どちらかに絞って別々に活動していくとよいのではないかと思いました。生
徒は辞書の意味などを確認しながら単語表現に含まれるより深いニュアンスを感じ取って作品の理解を深めている様
子でした。
・テキストでの文章とオリジナルを比較することを通して,生徒たちは違う表現に触れることができて,コミュニケ
ーション能力の育成に役立つ活動だと思いました。しかしながら,より言語的な面での異なる表現にフォーカスした
ほうが良かったと思います。
・原典の文章と教科書用に簡素化された文章との読み比べは,私にとって初めてのことだったのでとても勉強になり
ました。授業内容については,最初のスラッシュ・リーディングの時間をもう少しとって,教科書の文章にはなかっ
た新情報をペアワークで確認するという方法もあると思いました。情報の追加部分とパラフレーズを次の作業で一度
に行わせるとパラフレーズに焦点化できないため,必要に応じて段階的に読み比べをしたら生徒がより多くの表現を
比較できると思います。原典の文章と教科書用に簡素化された文章の読み比べは,生徒にとって生の英語に触れる良
い機会だと思います。表現を比べるだけでなく,原典の文章を声に出して読んでみることで,独特のリズムや韻の踏
み方など普段の授業では発見できないことが分かり,生徒にとって良い動機付けになると思います。大変貴重な授業
を見る機会を与えていただき本当にありがとうございました。
・高校の英語Ⅰ・Ⅱの授業では文法に焦点を当てることが多いのですが,今回"feeble"という単語が暗示する軽蔑,父
親と母親の発言量の差異がどのようなことを表しているかなど,文体論的なことについて言及・指導がなされていて
とても興味を持ちました(私自身が英語教育ではなく英語学の分野の研究をしているので,特にそう感じたのだと思
います)。生徒同士が自分が書いた文をお互いにシェアリングするときに,書いた英文まで日本語で言っている生徒も
いたので,書いた文くらいは英語で言うように指導されても良いのではないかと思いました。でも原文に当たり,原
文と教科書本文を読み比べるという活動はとても興味深かったです。
・物語の原典に触れることで「英語を勉強する」というよりもむしろ「英語を味わう」ことを生徒に伝えられるよう
な気がして授業が新鮮に感じた。質問箇所,質問内容をあらかじめ考えておくことで,授業の展開にメリハリが出せ
たので良かったと思います。オリジナルと比較する部分(文章表現)の選択が重要で,違いが分かりやすい表現を取
り上げたほうが,生徒もわかりやすいのではないかと思いました。
・原文と教科書の本文を照らし合わせ,違いに気づかせたり,原文を用いることで,生徒が教科書の内容をよく理解
できたのではないかと思います。授業で大切なところを日本語で説明されたのは,生徒にちゃんと理解させるためな
のかどうかわかりませんが,時間をとって質問して生徒に答えさせる方が,より生徒に気づかせることができ,内容
理解がさらにできたのではないかと思います。
・ダブルパッセージを取り入れた授業を見せていただきました。今回は言語の形式よりも,内容に重点を当てられて
いるということでしたが,その際に,オリジナルとテキストとの内容面での違いに生徒の意識を向ける活動を行うこ
ともできると思います。複雑さを避けるために,オリジナルの情報が削減されていることもあるでしょうし,逆にわ
かりやすく具体的に説明していることもあると思います。また,ディクトグロスで言語形式に生徒の意識を引き付け
る指導をされてきていることを考えると,本時の場合も,オリジナルとテキストで異なる表現で言い換えられている
箇所を強調されてもよかったと思います。
・When the students were to share in groups what they wrote on their worksheet (the mother's and Mary's
feelings, reasons and solutions regarding the grandfather) they could have benefited from more group
organization. To me, it seemed that at least some of the groups shared very little. It could have helped to have
each group have a captain who makes sure that each student takes their turn in listing their sentences. Giving
one student this responsibility sometimes helps to make sure that things go more smoothly within a group.
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岡山大学大学院・教育学研究科『教育研究特講V』授業実践「スキル・アップ指導」- Small Steps 岡山大学大学院生による模擬授業が行われた。本校での4回の授業観察をもとに,生徒にとって必要なスキルを
高めるための「言語活動」を準備していただいた。生徒は「ディクトグロス」という4技能を統合した言語活動
を行っている。大学院生による本実践では,読解力や表現力の「スキル」を高めるための指導方法を取り入れる
ことにより「段階的な指導」が行われるように工夫された授業が展開された。
①アイスランド紹介(Asking Questions)
[Mr. Magnus Gudni Kuwahara, Iceland]
課題:生徒は質問することが苦手であり,言語面でも疑問文を適切に作ることができていない。
目標:複数の英文資料を活用して「アイスランド」の高校生活を理解させ,生徒に英語で質問させる。
1)Introduction of Iceland
Show & Tell : Slide Show
<省略>
2)Icelandic High School Student #1 Maria
Hi, my name is Maria. I'm 17 years old and I'm in 2nd grade high school. When I'm not in school, I hang out with
my friends, watch TV and do homework. On Thursdays and Fridays after class and every other weekend, I work
in a clothes' shop. In my summer and winter vacation I work the whole day in the clothes' shop, and sometimes
in the evening, too. I have been working there since I was 15 years old. I work there to get extra pocket money
to buy clothes and to pay for the loan on my car. I, like many other students in my school, drive to school in my
own car. Even though I am working a lot, I also study hard and I am at the top of my class.
3)Icelandic High School Student #2 Vala
Hi, my name is Vala and I am 29 years old. I am married and I have two daughters, two cats and a dog. But like
Maria, I am also in high school, and I am in the same class as she is. When I was a teenager, I dropped out of
high school and started working in a restaurant. But now I want to become an animal doctor. First, though, I
must finish my high school. So during the day, I go to high school while my children are in kindergarten. And in
the evening, I take care of my family and pets and try to do some homework. In two more years I will have
finished high school and then I will move with my family to Denmark to study how to become an animal doctor.
4)Icelandic High School Student #3 Birgir
Hi, I am Birgir. I'm 19 years old and I am in my fourth and final year of high school. I like writing poetry,
especially Japanese haiku. I have been studying Japanese for two years in my high school. I also study English,
Danish, French and Italian. Everyone must study at least three foreign languages in Icelandic high schools. And
because we don't have to wear school uniforms in high school, I can wear what clothes I like to school. I work
part-time in a tourist center. In the summer and winter vacations I work there the whole day. I work there so I
can have money to travel with my girlfriend to London, Paris, Amsterdam, Rome and other interesting places.
5)Activity:
Think about some questions you want to ask Magnus about Icelandic High Schools or Icelandic high school
students. You can also ask any questions you want about Iceland.
● Sample Questions:
1) How long does it take you to go back to Iceland?
2) Why do the students work after school?
3) Why do they have to learn three foreign languages?
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②言い換え表現(Paraphrasing)
[宮原孝光先生]
課題:「リプロダクション」をする際に,聞き取れなかった部分を工夫して記述することができていない。
目標:同じ意味を別の表現方法を用いて表す方法を分類し,パターン化することにより習熟させる。
1)例を挙げる
① I like citrus fruits.
⇒ I like oranges, lemons, grapefruits, etc.
I like such fruits as oragnes, lemons, grapefruits, etc.
② They often start a conversation with compliments.
⇒ They often say "You look great!" or "I like your jacket." when they start a conversation.
2)表現を否定する
③ Remember to lock the door.
⇒ Don't forget to lock the door.
④ It's rude to ask such a question in my country.
⇒ It's not nice (good/polite) to ask such a question in my country.
3)品詞を変える
⑤ Ichiro plays baseball very well.
⇒ Ichiro is a good baseball player.
⑥ I decided to study abroad. My parents were surprised to hear that.
⇒ My decision to study abroad surprised my parents.
⑦ You don't need to wait any longer.
⇒ It is not necessary for you to wait any longer.
⇒ There is no necessity of your waiting any longer.
4)意味をわかりやすく述べる
⑧ The electric car doesn't pollute the air.
⇒ The electric car doesn't make the air dirty.
⑨ This place is famous for its sunset.
⇒ This place is famous because we can see a beautiful sunset from here.
A sunset from here is beautiful. So this place is famous.
⑩ I said "Hello" to her, but she ignored me.
⇒ I said "Hello" to her, but she didn't say anything.
but she didn't even look at me.
but she pretended not to hear me.
5)前提を述べる
⑪ Please close the window.
⇒ The window is open. I feel cold.
It's noisy outside.
⑫ Can I borrow your pen?
⇒ Do you have a pen?
I forgot to bring my pen.
⑬ I saw snow for the first time.
⇒ I have never seen snow before.
It was my first time to see snow.
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③英文作成(Constructing Sentences)
[大西康史先生]
課題:「リプロダクション」では,メモから自分で語句を補って英文を作成することができていない。
目標:キーワードを見つけてメモすることがまず困難な生徒もいるが,ここでは与えられた語句(内容語)
に,機能語(文法語)を適切に補って英文を作らせる。
Three rules:1) Don't change the word order.(語順を変えないこと)
2) Add appropriate words. (必要な単語を付け加えること)
3) Change the form of words. (語形変化に注意すること)
① Step 1:
「主語」と「動詞」の関係に注意して表現することができる。
I graduate Kurashiki Minami
Senior High School 1995
I graduated from Kurashiki Minami
Senior High School in 1995.
② Step 2:
「名詞」の使い方,「前置詞」の使い方に注意して表現することができる。
be no air conditioner
classroom those day
There was no air conditioner
in the classroom in those days.
③ Step 3:
「動詞の時制」に注意して表現することができる。
Kin-chan come Japan
three year ago
Kin-chan came to Japan
three years ago.
④ Step 4:
「完了形」を用いて多様に表現することができる。
Kin-chan live Japan
three year
Kin-chan has lived in Japan for three years.
Kin-chan has been living in Japan for three years.
⑤ Step 5:
「能動態」と「受動態」を用いて表現することができる。英文の意味が異なることに注意する。
Mr. Kodera love student
Mr. Kodera loves his students.
Mr. Kodera is lived by his students.
⑥ Step 6:
「比較級」の多様な表現方法が考えられる。より複雑な構文を活用して表現することができる。
Mr. Kodera run fast lion
Mr. Kodera can run faster than a lion.
Mr. Kodera can run as fast as a lion.
Mr. Kodera cannot run so fast as a lion.
⑦ Step 7:
「接続詞」または「前置詞」としての使い分けができる。
wash hand eat lunch
Wash your hands before you eat lunch.
Wash your hands before eating lunch.
⑧ Step 8:
「be 動詞」を用いた表現と「一般動詞」を用いた表現ができる。時制を変えることもできる。
why you interest English
Why are you interested in English?
Why did you get interested in English?
⑨ Step 9:より複雑な構文を用いて表現することができる。「代名詞」を正しく用いることができる。
teacher ask student know
anything left-handedness
The teacher asked the students if they knew
anything about left-handedness.
The teacher was asked by the students if she knew
anything about left-handedness.
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④英語の「つづりと発音」の歴史(History of English Word Pronunciation)
[梅田香先生]
課題:個々の単語の発音と,連続した音の発音,英文としてのイントネーションなどを理解して,英語らし
い発音ができていない。リプロダクションでも単語のつづりを正確に書くことができない。
目標:英語のつづり字と発音には規則性があること(フォニックス)に気づかせる。ゲーム感覚で,現代英
語では発音しなくなったつづり字を含む単語をグループでリストアップさせながら,英語の発音の歴史
の一端に触れさせる。
1) Imagine the old pronunciation of these words.
① sweet
② pool
③ mine
④ knee
⑤ climb
2) Look for....
① Words which begin with "h" but have no /h/ sound (e.g. hour):Group 1
② Words which end with "mb" but have no /b/ sound (e.g. climb):Group 2
③ Words which begin with "kn" but have no /k/ sound (e.g. knee):Group 3
Group (
)
☆ If you have finished yours, do the tasks of other groups and think why these letters are not pronounced.
● Sample Words:
Group 1:hour, honor, honorable, honest, honesty, etc.
Group 2:climb, bomb, comb, dumb, thumb, tomb, etc.
Group 3:knee, knife, kneel, knob, knock, know, etc.
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