鹿児島県感染症発生動向調査事業 2007 年 9 月 10 日∼2007 年 9 月 16 日 感染症のホームページアドレス http://www.pref.kagoshima.jp/kenko-fukushi/kenko-iryo/kansen/index.html ☆ 一∼五類感染症（全数報告疾病）の発生状況 ・ 一類感染症：発生報告なし ・ 二類感染症：結核 10 例（肺結核患者 8 例，粒状結核患者 1 例，脊椎カリエス患者 1 例） ・ 三類感染症：腸管出血性大腸菌感染症 3 例（うち有症者 2 例） 血清型・毒素型：O157 VT2（2 例） ，O111 VT1（1 例） ・ 四類感染症：発生報告なし ・ 五類感染症：クロイツフェルト・ヤコブ病 1 例 ☆ 定点報告疾病の発生状況 ・第 37 週の定点把握対象疾病の患者報告数は 408 人で，第 36 週より 16 人多かった。また，定点当たりの報告数は， 感染性胃腸炎，突発性発しん，A 群溶血性レンサ球菌咽頭炎の順に多かった（詳細については後述） 。 ・流行発生警報の基準値（開始基準値及び終息基準値）以上の保健所 【咽頭結膜熱（定点当たり報告数：開始 2.0，終息 0.1） 】 ：川薩保健所（1.00） ☆ 注目すべき感染症 ・麻しん，成人麻しんの動向：鹿児島県の感染症発生動向調査における麻しんは，第 37 週まで累積報告数 31 例の 報告があったが，成人麻しんの報告はなかった。麻しんの累積報告数の保健所別では，姶良保健所 17 例，鹿屋保健 所 8 例，鹿児島市保健所 3 例の順に多かった。年齢別では，10∼14 歳（13 例） ，1 歳（6 例） ，9 歳（3 例）の順に多 かった。また，第 22 週から実施された県医師会等の協力による全数把握における麻しん，成人麻しんの第 37 週ま での累積報告数は，それぞれ 29 例と 36 例であった。 右図に麻しんと成人麻しんの動向を示した。全数把握の報 告において第 28 週から第 31 週まで報告はなかったが，第 32 報告数 （麻しん） 90 麻しん（県小児科定点） 10 り，今週は 5 例であった。全数把握における麻しんが増加傾 60 成人麻しん（県全数把握） 50 6 40 4 また，麻しん患者に接触した場合や発熱，咳，発しんなどの 2 事前に連絡をしてから早めに受診するなど，今後，拡大する 70 成人麻しん（全国基幹定点） 8 向にある。麻しんの予防法としては，予防接種が有効である。 疑われる症状が出現した場合は，受診する予定の医療機関に 80 麻しん（県全数把握） 週に麻しんが 1 例，第 33 週に成人麻しんが 2 例，第 34 週か ら第 36 週まで麻しんがそれぞれ 1 例，3 例，3 例の報告があ 報告数 （成人麻しん） 麻しん・成人麻しんの動向 12 30 20 10 0 1 3 5 7 9 11 13 15 17 19 21 23 25 27 29 31 0 33 35 37 （報告週） ことがないように注意が必要である。 ・結核予防週間（平成 19 年 9 月 24 日から 30 日）について 県内においては期間中， 「忘れていませんか，結核 ∼今でも年間 3 万人が新たに発症しています∼」の標語の もと，結核に関する意識を高めることを目的として，ポスター・パンフレット等の作成および配布・講演会等を行 い，地域における普及啓発活動が実施されます。 １ ☆ 定点報告疾病（定点当たり報告数の上位３疾病）の発 生状況 (1) 感染性胃腸炎 第 37 週の感染性胃腸炎の報告数は 234 人で，前週より 22 人多 人／定点 30.00 感染性胃腸炎 2000年 2001年 2002年 2003年 2004年 2005年 2006年 2007年 25.00 20.00 く，定点当たりの報告数は 4.18 であった。第 31 週から 190 人前 後の報告数で増減を繰り返し推移していたが，先週，今週と 2 週 連続で増加している。 15.00 10.00 年齢別では，1 歳（37 人） ，10∼14 歳（33 人） ，∼11 ヶ月（32 5.00 人）の順に多かった。 保健所別の定点当たり報告数は，川薩保健所（10.75） ，鹿屋保 0.00 3 6 9 12 15 18 21 24 27 30 33 36 39 42 45 48 51 報告週 健所（7.20） ，鹿児島市保健所（5.92）が多い。 (2) 突発性発しん 第 37 週の突発性発しんの報告数は 42 人で，前週より 1 人少な く，定点当たりの報告数は 0.75 であった。第 30 週から 40 人前後 の報告数で増減を繰り返し推移している。 人 /定 点 2000年 2001年 2002年 2003年 2004年 2005年 2006年 2007年 突 発 性発 しん 1.40 1.20 1.00 0.80 年齢別では，∼11 ヶ月（26 人） ，1 歳（11 人） ，2 歳（3 人）の 0.60 順に多かった。 保健所別の定点当たり報告数は，川薩保健所（2.25） ，西之表 0.40 0.20 保健所（2.00） ，鹿屋保健所（1.40）が多 い。 0.00 1 (3) A 群溶血性レンサ球菌咽頭炎 第 37 週の A 群溶血性レンサ球菌咽頭炎の報告数は 33 人で，前 人／定点 週より 5 人多く，定点当たりの報告数は 0.59 であった。第 20 週 3.50 （定点当たり報告数 3.63）をピークとして減少していたが，第 33 3.00 週から 30 人前後の報告数で増減を繰り返し推移している。 2.50 年齢別では，1 歳（5 人） ，3 歳，7 歳，20 歳∼（それぞれ 4 人） ， 4 7 10 13 16 19 22 25 28 31 34 37 40 43 46 49 52 報 告週 A群溶血性レンサ球菌咽頭炎 4.00 2000年 2001年 2002年 2003年 2004年 2005年 2006年 2007年 2.00 1.50 4 歳，8 歳，10∼14 歳（それぞれ 3 人）の順に多かった。 1.00 保健所別の定点当たり報告数は，鹿児島市保健所（1.69） ，加 世田保健所（1.33） ，西之表保健所（1.00）が多い。 0.50 0.00 3 6 9 12 15 18 21 24 27 30 33 36 39 42 45 48 51 報告週 ☆ 鹿児島県のその他の感染症予防対策 ◆ 鹿児島県の風しんサーベイランス事業の報告結果： 風しん患者報告数（第 37 週） ：発生報告なし ◆ 鹿児島県の成人麻しんサーベイランス強化についての報告結果：成人麻しん患者報告数（第 37 週） ：発生報告なし ◆ 鹿児島県医師会等の協力における麻しんの全数把握調査結果： 麻しん患者，成人麻しん患者報告数（第 37 週） ：麻しん患者 5 例（10 歳未満 3 例，10 歳代 2 例） ◆ 鹿児島県の妊婦における抗体検査の調査事業報告結果 妊 婦 の 風 し ん 抗 体 保 有 状 況 （8月 ） H I法 （ 倍 ） 8倍 未 満 8倍 16倍 32倍 以 上 L A 法 （ I U / m l） ∼ 7 8∼ 15 16∼ 31 32∼ 検 査 総 件 数 （人 ） 8月 計 67 45 151 813 1 ,0 7 6 2007年 累 計 （％ ） 642 （ 7 .2 ） 525 （ 5 .9 ） 1 ,2 5 1 （ 1 4 .0 ） 6 ,5 0 5 （ 7 2 .9 ） 8 ,9 2 3 ２ ☆ 定点種別報告数 2007年 報 告 週 第 37 定点種別 対象疾患 報告数 インフルエンザ定点 0.03 咽頭結膜熱 13 0.23 ○ A群溶血性ﾚﾝｻ球菌咽頭炎 33 0.59 234 4.18 ○ 水痘 27 0.48 手足口病 16 0.29 7 0.13 42 0.75 百日咳 - 0.00 風しん - 0.00 15 0.27 麻しん 1 0.02 ○ 流行性耳下腺炎 7 0.13 ○ RSウイルス感染症 5 0.09 急性出血性結膜炎 - 0.00 流行性角結膜炎 - 0.00 細菌性髄膜炎 - 0.00 無菌性髄膜炎 - 0.00 ○ マイコプラズマ肺炎 5 0.42 クラミジア肺炎 - 0.00 成人麻しん - 0.00 ○ 感染性胃腸炎 伝染性紅斑 小児科定点 突発性発しん ヘルパンギーナ 眼科定点 基幹定点 定点当り 3 インフルエンザ (内科・小児科定点） 週 報 告 数 合 計 408 ○印は前週比増 感染症発生報告状況（定点報告疾病） 0.03 0.23 インフルエンザ 咽頭結膜熱 ○ A群溶血性ﾚﾝｻ球菌咽頭炎 ○ 感染性胃腸炎 ○ 水痘 手足口病 伝染性紅斑 突発性発しん 百日咳 風しん ヘルパンギーナ 麻しん ○ 流行性耳下腺炎 ○ RSウイルス感染症 急性出血性結膜炎 流行性角結膜炎 細菌性髄膜炎 無菌性髄膜炎 ○ マイコプラズマ肺炎 クラミジア肺炎 成人麻しん 0.59 4.18 0.48 0.29 0.13 0.75 0.27 0.02 0.13 0.09 0.42 0 ○印は前週比増 1.5 3 4.5 定点当たり報告数(人／定点） ３ 罹患数・ 定点当り罹患数、性・ 疾病・保健所別 総数 2007年37週(9月10日∼9月16日) インフルエンザ 罹患数 ＲＳウイルス感染症 定点当り 3 3 - 総 数 鹿児島市 指宿 加世田 伊集院 川薩 出水 大口 姶良 志布志 鹿屋 西之表 屋久島 名瀬 徳之島 0.00 - 成人麻しん 罹患数 総 数 鹿児島市 指宿 加世田 伊集院 川薩 出水 大口 姶良 志布志 鹿屋 西之表 屋久島 名瀬 徳之島 定点当り 0 … … 定点当り 5 1 4 - 咽頭結膜熱 罹患数 0.09 0.25 1.00 - 0 … … 罹患数 0.27 0.23 0.67 0.50 0.20 1.67 0.67 罹患数 定点当り 33 22 4 2 3 1 1 - 0.59 1.69 1.33 0.50 0.75 0.33 1.00 - 流行性耳下腺炎 定点当り 1 1 - 罹患数 0.23 0.15 0.33 1.00 0.14 0.20 1.33 麻しん 定点当り 15 3 2 2 1 5 2 Ａ群溶血性レンサ球菌咽頭炎 定点当り 13 2 1 4 1 1 4 ヘルパンギーナ 定点当り 0 - 総 数 鹿児島市 指宿 加世田 伊集院 川薩 出水 大口 姶良 志布志 鹿屋 西之表 屋久島 名瀬 徳之島 罹患数 0.03 0.13 - 風しん 罹患数 男女合計 0.02 -0.20 - 罹患数 0.13 0.23 0.25 - 1 1 1 - 水 定点当り 234 77 6 9 11 43 28 10 36 2 1 7 4 0.14 1.00 0.33 - 罹患数 定点当り 0 … … … … … … … … … … 0.00 … … … -… … -… … … … … 痘 罹患数 4.18 5.92 2.00 3.00 2.75 10.75 4.00 3.33 7.20 2.00 0.50 2.33 1.33 急性出血性結膜炎 定点当り 7 3 1 感染性胃腸炎 罹患数 手足口病 定点当り 27 9 4 2 3 5 3 1 0.48 0.69 1.00 0.67 0.43 1.00 1.00 0.33 流行性角結膜炎 罹患数 0 … … … 0.00 … … … - … … 伝染性紅斑 定点当り 16 4 1 1 6 4 … … … … … … … 罹患数 定点当り 0 … … 罹患数 0.29 0.31 0.25 0.25 1.20 1.33 細菌性髄膜炎（真菌性を含む） 定点当り … … … … … 罹患数 0.00 … … 突発性発しん 定点当り 7 4 1 2 - 0.13 0.31 0.33 0.67 - 無菌性髄膜炎 罹患数 百日咳 定点当り 42 16 2 1 9 1 4 7 2 - 0.00 … … 罹患数 定点当り 5 2 3 … … 罹患数 0.75 1.23 0.67 0.25 2.25 0.33 0.57 1.40 2.00 - マイコプラズマ肺炎 定点当り 0 … … 罹患数 0.42 2.00 3.00 … … 定点当り 0 - 0.00 - クラミジア肺炎（オウム病は除く） 罹患数 定点当り 0 … … 0.00 … … ４ 罹患数・定点当り罹患数、性・年齢階級・疾病別 男女合計 2007年37週 （ インフルエンザ） ∼5ヶ月 ∼11ヶ月 １歳 2 3 4 5 6 7 8 9 10∼14 15∼19 20∼29 30∼39 40∼49 50∼59 60∼69 70-79 （眼科） ∼5ヶ月 ∼11ヶ月 １歳 2 3 4 5 6 7 8 9 10∼14 15∼19 20∼29 30∼39 40∼49 50∼59 60∼69 70歳∼ ∼5ヶ月 ∼11ヶ月 合計 （小児科） （基幹） インフルエンザ 罹患数 定点当り ＲＳウイルス感染症 罹患数 定点当り 咽頭結膜熱 罹患数 定点当り Ａ群溶血性レンサ球菌咽頭炎 罹患数 定点当り 感染性胃腸炎 罹患数 定点当り 水痘 罹患数 定点当り 手足口病 罹患数 定点当り 伝染性紅斑 罹患数 定点当り 突発性発しん 罹患数 定点当り 百日咳 罹患数 定点当り 風しん 罹患数 定点当り ヘルパンギーナ 罹患数 定点当り 麻しん 罹患数 定点当り 流行性耳下腺炎 罹患数 定点当り 急性出血性結膜炎 罹患数 定点当り 流行性角結膜炎 罹患数 定点当り 細菌性髄膜炎(真菌性を含む) 罹患数 定点当り 無菌性髄膜炎 罹患数 定点当り マイコプラズマ肺炎 罹患数 定点当り クラミジア肺炎(ｵｳﾑ病は除く) 罹患数 定点当り 成人麻しん 罹患数 定点当り 0歳 3 0.03 5 0.09 13 0.23 33 0.59 234 4.18 27 0.48 16 0.29 7 0.13 42 0.75 15 0.27 1 0.02 7 0.13 5 0.42 - 4 0.07 1 0.02 2 0.04 - １∼４ 2 0.04 1 0.02 1 0.02 32 0.57 1 0.02 26 0.46 1 0.02 1 0.08 - １歳 2 3 4 5 6 7 8 9 10∼14 15∼19 20歳∼ ５∼９ 10∼14 15∼19 20∼24 25∼29 30∼34 35∼39 40∼44 45∼49 50∼54 55∼59 60∼64 2 0.04 1 0.02 5 0.09 37 0.66 7 0.13 6 0.11 11 0.20 3 0.05 1 0.02 2 0.17 - 2 0.04 1 0.02 27 0.48 6 0.11 5 0.09 2 0.04 3 0.05 2 0.04 1 0.02 1 0.08 - 1 0.02 4 0.07 4 0.07 20 0.36 5 0.09 1 0.02 4 0.07 1 0.08 - 2 0.04 3 0.05 15 0.27 4 0.07 2 0.04 - 1 0.02 1 0.02 15 0.27 1 0.02 2 0.04 2 0.04 4 0.07 3 0.05 - 2 0.04 10 0.18 1 0.02 - 2 0.04 4 0.07 7 0.13 1 0.02 1 0.02 1 0.02 - 3 0.05 8 0.14 1 0.02 - 2 0.04 7 0.13 - 3 0.05 33 0.59 1 0.02 1 0.02 1 0.02 - 7 0.13 1 0.02 - 4 0.07 12 0.21 - 65∼69 80歳∼ 70歳∼ - 1 0.01 - 1 0.01 - 1 0.01 - - - ５ 罹患数・定点当り罹患数、性・週・疾病別 男女合計 集計対象:2007年37週 合計 インフルエンザ ＲＳウイルス感染症 咽頭結膜熱 Ａ群溶血性レンサ球菌咽頭炎 感染性胃腸炎 水痘 手足口病 伝染性紅斑 突発性発しん 百日咳 風しん ヘルパンギーナ 麻しん 流行性耳下腺炎 急性出血性結膜炎 流行性角結膜炎 細菌性髄膜炎(真菌性を含む) 無菌性髄膜炎 マイコプラズマ肺炎 クラミジア肺炎(ｵｳﾑ病は除く) 成人麻しん 罹患数 定点当り 罹患数 定点当り 罹患数 定点当り 罹患数 定点当り 罹患数 定点当り 罹患数 定点当り 罹患数 定点当り 罹患数 定点当り 罹患数 定点当り 罹患数 定点当り 罹患数 定点当り 罹患数 定点当り 罹患数 定点当り 罹患数 定点当り 罹患数 定点当り 罹患数 定点当り 罹患数 定点当り 罹患数 定点当り 罹患数 定点当り 罹患数 定点当り 罹患数 定点当り 10 0.02 24 0.07 96 0.29 235 0.70 1206 3.59 157 0.47 195 0.58 52 0.16 247 0.74 392 1.17 6 0.02 47 0.14 16 0.38 1 0.01 17 0.24 - ５週前 ４週前 4 0.07 27 0.48 72 1.29 188 3.36 21 0.38 46 0.82 10 0.18 48 0.86 159 2.84 ３週前 4 0.04 5 0.09 16 0.29 39 0.70 199 3.55 22 0.39 36 0.64 8 0.14 28 0.50 94 1.68 7 0.13 7 0.13 - 6 0.86 1 0.08 1 0.08 - 4 0.07 16 0.29 28 0.50 183 3.27 37 0.66 36 0.64 8 0.14 47 0.84 59 1.05 1 0.02 11 0.20 - 36 0.64 3 0.05 11 0.20 - 3 0.03 5 0.09 13 0.23 33 0.59 234 4.18 27 0.48 16 0.29 7 0.13 42 0.75 - 29 0.52 1 0.02 4 0.07 - 3 0.43 4 0.33 - - - 今週 3 0.03 3 0.05 13 0.23 28 0.50 212 3.79 25 0.45 18 0.32 10 0.18 43 0.77 3 0.05 11 0.20 35 0.63 190 3.39 25 0.45 43 0.77 9 0.16 39 0.70 3 0.43 2 0.17 １週前 - 1 0.14 ２週前 5 0.42 - 15 0.27 1 0.02 7 0.13 3 0.43 - ６ ※第35週に鹿児島市保健所管内の小児科定点医療機関から，麻しん1例の追加がありました。 5 0.42 -
© Copyright 2024 ExpyDoc
