第1章 みんなを結ぶ”みらい”のまち - つくばみらい市

第1章
みんなを結ぶ“みらい”のまち
(都市基盤の整備)
前期基本計画
第1節 計画的な土地利用の推進‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 40
第2節 道路の整備‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 44
第3節 公共交通の整備‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 47
第4節 交流拠点・地域拠点の整備‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 49
第5節 河川等の整備 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 52
第6節 情報通信基盤の整備‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 54
Tsukubamirai City Comprehensive plan
つくばみらい市総合計画
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第1節
計画的な土地利用の推進
▏現況と課題
本市は,自然環境と都市環境が共存するまちです。市内には小貝川,鬼怒川という二大
河川が流れ,小貝川沿いの低地部は広大な水田地帯となっています。また,東部や西部は
丘陵地で,畑地や低地林が広がっていますが,住宅団地や工業地域,ゴルフ場なども造成
され,都市機能の強化も図られています。
第1章
平成19年1月時点での土地利用状況は,地目別に見ると市域全体(79.14㎢)のうち,
農地が約55%(43.16㎢)
,山林が約7%(5.52㎢)
で,都市的土地利用は約18%(14.06
第1節
計画的な土地利用の推進
㎢)となっています。
一方,法律的な位置付けから見ると,本市は,首都圏整備法による近郊整備地帯となっ
ており,本市の全域が都市計画区域として指定され,このうち7.73㎢が市街化区域に,
残る71.41㎢が市街化調整区域に指定されています。そして,これまで都市計画法による
土地利用の適正な規制,誘導を進める中,市街化区域内については都市的な機能を有した
計画的な土地利用を推進しながら良好な市街地形成を誘導し,市街化調整区域においては
自然環境の保全等を図っています。
今後,合併後の一体の都市として総合的に整備,開発及び保全を行っていくため,伊奈
都市計画区域と水海道都市計画区域の再編と,それに伴う都市計画諸制度の導入を検討す
るなど都市計画制度を見直し,適正な土地利用を進めていく必要があります。
また,本市は東京都心から40km圏内という立地から,様々な広域的プロジェクトが進
められ,常磐自動車道谷和原インターチェンジの開設や常総ニュータウンの開発などが行
われてきました。現在では,つくばエクスプレス沿線整備事業も推進されていることから,
今後は,自然環境と都市環境のバランスのとれた計画的な土地利用を誘導し,周辺都市に
負けない魅力ある市街地づくりが求められています。
一方,土地利用の根幹を成す地籍調査については,合併前の旧伊奈町で平成15年11月
に地籍調査事業実施計画を策定し,合併後,旧谷和原村分を含め,合計31.81㎢を調査対
象面積として,事業を実施しています。今後,都市化が進む本市域では,土地取引など地
籍調査によるデータの利用度が高まることから,引き続き事業を行う必要があります。
■地目別土地利用面積 単位:千㎡
宅
山
原
雑
そ
総
田
畑
地
林
野
種地
の他
面積
平成15年
28,307
15,552
9,253
5,706
826
9,229
10,267
79,140
平成16年
28,229
15,544
9,289
5,709
827
9,233
10,309
79,140
平成17年
28,222
15,518
9,303
5,829
826
9,132
10,310
79,140
平成18年
28,133
15,224
9,442
5,616
815
9,278
10,632
79,140
平成19年
28,082
15,076
9,658
5,516
805
9,339
10,664
79,140
※各年1月1日現在の面積を集計 資料:税務課
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用途地域図
第1章
第1節
計画的な土地利用の推進
41
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▏基本方針
自然環境と都市環境の調和を基本とした適切な土地利用に向けて,地域別整備方針を踏
まえた適切な土地利用を誘導するとともに,都市計画マスタープランの策定により総合
的かつ計画的な推進を図ります。
地域の魅力をいかしながら,活力ある市街地を整備するため,みらい平駅周辺地区への
定住化を促進するとともに,地域の実情に合わせた計画的なまちづくりを推進します。
指標名
実績値
(H19 年度)
目標値
(H24 年度)
指標の考え方
−
策 定
(H 21 年度)
総合的・計画的な都市づくりを推
進するため,都市計画マスタープ
ランの策定を目標とします。
2.0%
25.0%
着実な進行を図るため,地籍調査
の進ちょく率を目標とします。
86.6%
(H17 年度)
86.6%
第1章
都市計画マスター
プランの策定
地籍調査の調査
完了率
第1節
計画的な土地利用の推進
昼夜間人口比
市内における昼間の通勤・通学人
口の維持を目標とします。(実績値
は,平成17年国勢調査のデータによる。
)
▏施策の体系
適切な土地利用の誘導
都市構造の構築
地籍調査の実施
計画的な市街地の整備
みらい平駅周辺の計画的なまちづくり
活力あるまちづくりの推進
▏施策の内容
【適切な土地利用の誘導】
■都市構造の構築
まちづくりに当たっては,自然環境と都市環境の調和を基本とした適切な土地利
用を誘導し,地域の実情に合わせた計画的な整備を推進していきます。
都市計画マスタープランの策定を進め,計画的かつ総合的な土地利用を推進します。
市街地の整備については,みらい平駅周辺地区及び小絹駅周辺地区を「交流拠点」
と位置付け,また,谷井田地区及び伊奈東地区を「地域拠点」と位置付けてまち
づくりを推進していきます。
良好な住環境整備や企業立地を促進するため,地区計画制度等を活用し,計画的
な土地利用を図ります。
■地籍調査の実施
つくばエクスプレスの開業に関連した種々の開発事業に伴う土地取引の増加など
に対応し,土地の適正な保全と合理的な利活用を図るため,計画的に地籍調査事
業を進めます。
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土地所有者の理解と協力を得るため,PR 活動を充実するとともに,庁内における
事業への協力体制を一層強化します。
【計画的な市街地の整備】
■みらい平駅周辺の計画的なまちづくり
地域間競争に打ち勝つまちづくりを行うため,みらい平駅周辺地区については,
積極的な事業推進を図り,本地域内への居住・定住を促進していきます。
「つくばスマートコリドール構想」を推進し,地域の魅力をいかしつつ,計画的な
まちづくりを進めます。
第1章
■活力あるまちづくりの推進
地域の実情を考慮したまちづくりを進めるため,国・県等の各種制度について検
討を行いながら,本市で活用すべき制度は積極的に活用し,地方分権社会に対応
第1節
計画的な土地利用の推進
していきます。
みらい平駅周辺の街並み
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第2節
道路の整備
▏現況と課題
本市の道路体系は,西部を国道294号,北部に国道354号,ほぼ中央には常磐自動車が
整備され,14本の県道が市内を走っています。そのほか,現在,埼玉県三郷市からつく
ばエクスプレスと並行してつくば市までをつなぐ都市軸道路の整備などが進められてい
る状況です。
第1章
広域的な道路体系の充実は,本市の活力を向上する上でも非常に重要なものです。その
ため,国道や県道の整備促進について,近隣市と調整を図りながら国・県等関係機関への
第2節
道路の整備
要望活動を行うなど,今後も積極的に取組を進めていく必要があります。
また,市内の生活道路等については,歩道と車道の区分のない道路や狭あいな道路が多
いことに加え,主要道路の交通渋滞を避けるための抜け道として利用されることなども多
く,危険が生じている状況です。そのため,道路改良等を実施することにより,これらを
改善していくことが求められています。
これらのことを踏まえながら,本市では,広域的な道路体系を充実させるとともに,子
どもや高齢者を始めすべての方に安全な道路,環境や防災に配慮した道路等,多様な機能
を十分に発揮させる道路づくりに取り組んでいく必要があります。
■都市計画道路一覧 道路番号
3・2・1
3・2・2
3・3・3
3・3・4
3・4・5
3・4・6
3・4・7
3・2・8
3・2・17
3・2・18
3・2・19
3・2・22
3・3・1
3・3・24
3・4・9
3・4・10
3・4・11
3・4・12
3・4・13
3・4・20
3・4・21
3・4・25
3・4・26
3・5・6
道路名称
小張・南太田線
弥藤次線※
高岡・谷井田線
間ノ原・弥藤次線
新田浦・出山線
小島新田・小張線
間ノ原線
守谷・伊奈・谷和原線
東楢戸・台線
東楢戸線
田・東楢戸線※
守谷・伊奈・谷和原線
谷和原・三坂線
南・伊左衛門新田線
大山・茶畑線
玉台橋・西楢戸線
守谷・小絹線
小絹停車場・大谷津線
小絹・筒戸線
田・西楢戸線
合ノ内・原山線
台線
伊左衛門新田線
細代停車場・美妻橋線
幅員
30m
30m
25m
25m
18m
18m
16m
30m
30m
30m
20m
30m
25m
27m
18m
16m
16m
16m
16m
16m
20m
16m
18m
12m
延長
2,550m
630m
5,690m
990m
670m
3,960m
420m
1,640m
5,580m
370m
1,610m
3,090m
14,580m
880m
1,740m
6,220m
2,660m
1,220m
1,530m
550m
1,010m
1,010m
680m
8,530m
※東楢戸字細久保及び小張字弥藤次地内に駅前広場を設ける。
資料:都市計画課(平成19年12月1日現在)
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▏基本方針
地域間交流を推進するため,様々な関係機関と連携しながら首都圏中央連絡自動車道や
都市軸道路の建設促進を図るほか,広域的な道路体系の充実に向けて関係機関への要望
活動を行います。
交通の安全性と円滑化を図るため,道路の新設・改良を積極的に推進するとともに,適
正な維持管理に努めます。
指標名
実績値
(H19 年度)
目標値
(H24 年度)
指標の考え方
65. 1%
合併特例債事業となっている市道
整備事業の進ちょく率
0.5%
(H18 年度)
61.8%
市内道路網の充実を図るため,市
道整備の事業進ちょく率を目標と
します。
第2節
道路の整備
7.3%
市内道路網のアクセス強化を図る
ため,( 仮称 ) 豊体横町下宿線,東
楢戸・台線,2 路線の整備進ちょ
く率を目標とします。
第1章
合併特例債事業となっている「( 仮
称 ) 豊体横町下宿線」
・「東楢戸・
台線」整備事業の進ちょく率
▏施策の体系
広域交通道路網の整備促進
市内生活道路等の整備
国・県道等の整備促進
市道等の整備
魅力ある道路環境の整備
適切な道路の維持管理
▏施策の内容
【広域交通道路網の整備促進】
■国・県道等の整備促進
みらい平駅を中心とした広域的な道路体系の構築に向け,都市軸道路の整備促進
について,県を始めとした関係機関に働きかけを行います。
近隣市との交流を効果的に進めるため,広域幹線道路や地域幹線道路の整備につ
いて,近隣市との調整を図りながら,県に対して要望を行います。
常磐自動車道と直結し,成田,横浜方面へつながる首都圏中央連絡自動車道の早
期建設について,県やその他の市町村と協力し,国等への要望活動を実施します。
高速道路の利便性を高めるため,アクセス道路等の充実・整備について,関係機
関に要請します。
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【市内生活道路等の整備】
■市道等の整備
集落間交通の渋滞緩和と,集落内交通の混雑解消を図るため,広域幹線道路や地
域幹線道路の整備を促進するとともに,市内道路網の整備を行います。
道路交通を円滑化させるため,交差点の改良整備に努めるほか,安全・安心な道
路交通を確保するため,歩道の設置整備を進めます。
■魅力ある道路環境の整備
道路の快適性を高め,地域住民のふれあい空間としての活用を図るため,沿道の
緑化と定期清掃を推進します。
第1章
人と車の安全な通行を確保するため,交差点改良や狭あいな道路における安全確
保などに努めるとともに,街路灯や防護柵,道路標識,反射鏡などの交通安全施
設の整備を進め,安全な道路づくりを推進します。
第2節
道路の整備
高齢者や障害者も歩きやすいよう,歩道の設置や段差の解消などバリアフリー化
に努めるとともに,歩行者の妨げとなる障害物の撤去など,人にやさしい道路づ
くりを推進します。
■適切な道路の維持管理
定期的なパトロールの実施とともに,破損箇所等の早期発見,早期補修など,道
路の適切な維持管理に努めます。
道路台帳の整備を進め,的確な現況把握と計画的な維持管理を行います。
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第3節
公共交通の整備
▏現況と課題
平成17年8月のつくばエクスプレスの開業により,関東鉄道常総線及びJR常磐線に
加え,新たな鉄道交通が整備されたことから,鉄道による市民の移動性は格段に向上し
ています。しかし,路線バスの運行路線は一部地域に限られており,公共交通空白地域
が多く,結果として市内の自家用車保有率が高い状況にあります。そのため,本市では,
第1章
移動手段として自家用車の利用が大半を占め,通勤時などに交通渋滞となっている地域も
あります。
第3節
公共交通の整備
また,みらい平駅周辺地区における土地需要の増大や居住者の増加が見られるほか,高
齢化社会の到来により,交通弱者といわれる高齢者の増加が予想されるなど,市内の公共
交通ニーズに変化が生じてきています。
本市における公共交通機関としては,つくばエクスプレスのほか,関東鉄道常総線と路
線バス,タクシーなどがありますが,さらに,平成19年度からコミュニティバスの運行
を開始し,公共交通ネットワークの形成を進めています。
今後,みらい平駅周辺地区の整備が進むにつれ,つくばエクスプレスの利用が増大する
ことが予想されることから,みらい平駅へ向かう公共交通ネットワークを充実させていく
とともに,市内全体の公共交通体系を勘案しながらバス路線を構築し,住みよいまちづく
りの推進を図る必要があります。
▏基本方針
住みよいまちづくりに向けて,広域的な視点に基づきながら市内全体の公共交通体系の
構築に努めます。
市民の交流と市内移動の円滑化に向け,コミュニティバスの運行等により,バス交通の
充実を図ります。
鉄道駅へのアクセス性を向上させ,つくばエクスプレスや常総線利用者の利便性向上に
努めるほか,鉄道沿線地域のイメージアップを図ります。
指標名
公共交通機関に対す
る市民満足度
コミュニティバス
利用者数
実績値
(H19 年度)
目標値
(H24 年度)
指標の考え方
34.7%
(H18 年度)
50.0%以上
公共交通に対する意識調査(実施
予定)における市民の公共交通に
関する満足度の向上を目標としま
す。(実績値は,総合計画市民アン
ケート調査より)
−
2,500 人 / 月
市民に利用されるコミュニティバ
スとして,利用者数の確保を図る
ことを目標とします。
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▏施策の体系
公共交通体系の構築
バス交通の充実
広域公共交通の充実
コミュニティバス等の運行
路線バスの運行促進
鉄道利用の充実
鉄道の利便性向上
▏施策の内容
第1章
【公共交通体系の構築】
■広域公共交通の充実
第3節
公共交通の整備
住みよいまちづくりを推進するため,鉄道,路線バス,コミュニティバス,タクシー,
さらには自家用車や自転車なども含めた,新しい公共交通体系の構築を図ります。
公共交通を充実させるため,広域的な視点のもと,つくばエクスプレスや路線バス,
さらには近隣市で実施するコミュニティバスなどの連携について検討を進めます。
【バス交通の充実】
■コミュニティバス等の運行
交通空白地域に住む交通弱者(車を持たない高齢者や児童等)等の移動手段を確
保するため,コミュニティバスの運行を実施します。
コミュニティバスの運行に当たっては,市内の公共交通体系を勘案しながら,バ
ス路線を構築し,住みよいまちづくりの推進を図ります。
■路線バスの運行促進
市民の交通手段を確保するため,路線バス事業者に対し,既存路線の維持を要請
していくとともに,利用者の需要に応じた路線編成となるよう働きかけていきます。
長期的視点に立ち,鉄道とバスの機能分担と連携によるバスネットワークの形成
に向けて取り組んでいきます。
【鉄道利用の充実】
■鉄道の利便性向上
鉄道駅へアクセスする路線バスやコミュニティバスなど公共交通機関を充実させ
ることにより,駅利用促進を図ります。
鉄道利用者の利便性向上のため,鉄道事業者等に対し,要望活動を実施します。
鉄道の利用拡大及び沿線地域のイメージ向上を図るため,関係自治体と連携して,
効果的な広報活動等を展開します。
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第4節
交流拠点・地域拠点の整備
▏現況と課題
本市では,交流拠点として,みらい平駅周辺地区及び小絹駅周辺地区の市街地を位置付
け,また,地域拠点として,谷井田地区及び伊奈東地区の市街地を位置付けています。
現在,みらい平駅周辺地区を中心とした土地区画整理事業が,県により順調に進ちょく
しています。平成24年度の事業完了に向けて,平成18年度から第2期エリア(区域北西部)
第1章
の整備に着手し,都市計画道路,区画道路,上下水道,造成工事等の更なる整備促進を図っ
ています。しかし,計画的に整備されてきた上下水道,道路等に比べ,行政窓口や地域の
第4節
交流拠点・地域拠点の整備
集会施設,小・中学校等の公共公益施設整備などが課題となっている状況です。また,住
宅市場は社会情勢,経済状況など複合的要因により影響を受けることから,つくばエクス
プレス沿線開発が進む他都市との競合が避けられない本市では,定住化を促進するため,
多面的な見地から需要を喚起していくことが重要です。
また,小絹駅周辺市街地については,絹の台等の住宅地が整備されているほか,常磐自
動車道谷和原インターチェンジや国道294号があるなど交通の要所となっています。しか
し,隣接する守谷市と比較すると商業施設が少ないなどの課題もあります。また,国道
294号線及び常総ふれあい道路が整備されているものの,朝夕の交通渋滞が激しく,狭あ
いな既存市街地内道路が抜け道となっている状況であり,良好な住環境づくりにおいて,
それらへの対策が必要となっています。
一方,地域拠点となっている谷井田地区及び伊奈東地区は,市街化区域に指定されてい
ますが,まちの開発から時間が経過しており,閉店する店舗等も増え,活力が低下してい
る状況です。交流拠点と連絡する道路を整備することなどにより利便性を高め,これらの
地区の活力を取り戻すための取組が必要となっています。
今後も,
交流拠点と地域拠点のそれぞれの役割を認識しながら,
道路の整備や都市的機能
の整備を図りつつ,地域の発展に寄与する効果的なまちづくりを進めることが重要です。
【伊奈・谷和原丘陵部一体型特定土地区画整理事業】
資料:特定事業推進課
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▏基本方針
交流拠点と地域拠点の連携により,相乗効果を生み,地域全体の活力向上につながるま
ちづくりを進めます。
交流拠点となるみらい平駅周辺地区及び小絹駅周辺地区について,広域道路ネットワー
クの構築などにより,良好な市街地の形成を図ります。
地域拠点となる谷井田地区及び伊奈東地区について,交流拠点との連絡網の整備を促進
するとともに,良好な住環境の整備や商業系の立地誘導を図ります。
指標名
第1章
都市計画道路「守谷・小絹線」
の整備進ちょく率
実績値
(H19 年度)
第4節
交流拠点・地域拠点の整備
目標値
(H24 年度)
指標の考え方
8.5%
23.5%
小絹駅周辺地区の都市機能の充実を
図るため,都市計画道路「守谷・小
絹線」の整備進ちょく率を目標とし
ます。
−
62.5%
交流拠点と地域拠点を結ぶ広域道路
の整備を図るため,地区幹線3号の
事業進ちょく率を目標とします。
合併特例債事業となっている
「地区幹線3号」の事業進ちょ
く率
▏施策の体系
交流拠点の整備
みらい平駅周辺市街地の整備
小絹駅周辺市街地の整備
地域拠点の整備
住宅系市街地の整備
▏施策の内容
【交流拠点の整備】
■みらい平駅周辺市街地の整備
交流拠点として,居住機能を中心に業務・商業系を含めた魅力ある複合市街地の
形成を目指します。
土地区画整理事業の推進を図りながら,使用収益開始された土地が順次,有効に
土地利用されるために,本地区内外の情報を収集し,定住化の推進に係る施策へ
反映させていきます。
都市軸道路の一部である都市計画道路「東楢戸・台線」の整備を促進し,みらい
平駅周辺地区と近隣地区の連携による広域交通道路網を実現し,都市機能の円滑
化による地域振興を図ります。
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■小絹駅周辺市街地の整備
交流拠点として,まちの成熟化を進め,より良好な市街地の形成に向けて都市機
能の充実を図ります。
小絹駅周辺地区と守谷市守谷駅周辺地区とを結ぶ,都市計画道路「守谷・小絹線」
を整備します。
【地域拠点の整備】
■住宅系市街地の整備
谷井田地区・伊奈東地区の市街地は,地域拠点として,共に良好な住環境の整備
第1章
を促進します。また,谷井田地区県道沿いには商業系の立地誘導を図ります。
交流拠点であるみらい平駅周辺地区及び小絹駅周辺地区との連絡道路となる,広
域幹線道路や地域幹線道路の整備を促進します。
第4節
交流拠点・地域拠点の整備
道路の整備に当たっては,歩行者の安全を確保するため,歩道の設置を図ります。
みらい平駅を出発するコミュニティバス
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第5節
河川等の整備
▏現況と課題
河川は,洪水による浸水被害を防止・解消する治水機能,農業用水を供給する利水機能
だけでなく,多様な自然環境や水辺空間をいかした憩いの場,地域文化をはぐくむ場とし
ての役割を果たしています。しかし,急速な都市化の進展に伴う河川を取り巻く著しい環
境の変化は,河川の持つ治水機能の低下と環境悪化を招いており,安全で快適な都市づく
第1章
りを進めていくためには,河川の整備を積極的に進めていくことが求められています。
本市には,一級河川に指定された河川として,鬼怒川,小貝川,西谷田川,高岡川,中
第5節
河川等の整備
通川,谷口川及び真木川があります。これらの河川は,治水対策だけでなく農業用水にも
利用され,水害防止や環境を保全する上から,計画的な改修及び整備が進められています。
しかし,依然として大雨によるたん水被害が生じている地区があり,市内に降った雨水の
排水機能,流域の面積に耐えうる河川の改修整備が遅れている状況です。
かつて,昭和61年8月の台風10号による大雨により,危険な状況となったこともある
小貝川については,河川災害復旧事業等により堤防のかさ上げ工事が実施され,堤防の強
化が図られましたが,大雨による出水時には,周辺の河川等への影響も含め充分に警戒す
る必要があります。
また,中通川についても,茨城県が事業主体として河川改修工事が実施されていますが,
流下能力が低く,小貝川への排水能力も十分でないため,台風や集中豪雨の際に,周辺に
被害を及ぼしている状況であり,早期の改修完了が望まれています。
一方,過去の小貝川河川整備において,河道線形の変更に伴い,旧河川として残された
「古川」については,小貝川増水時における調節池としての機能を有していますが,たん水
や降雨により護岸の浸食が激しく,地形の保存や住宅地への影響が懸念されていることか
ら,護岸の改修工事が進められています。
本市では,今後も引き続き,防災機能の強化に向けた河川の改修・整備を促進するとと
もに,水辺環境に配慮した安全で親しみやすい河川環境の保全・活用を図っていく必要が
あります。
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▏基本方針
市内の各河川について,浸水被害の防止・解消など,防災機能の強化に向けた改修・整
備を促進します。
水辺空間の保全に配慮した各種河川整備や河川美化・浄化の推進など,河川環境の保全・
活用を進めます。
指標名
護岸整備延長(古川)
指標の考え方
1回/年
1回/年
水害に強い地域づくりと,地域住
民の生活の安定を目指すため,国・
県等に対し,引き続き河川改修事
業促進の要望活動を実施します。
440.0m
900.0m
(H 23 年度)
護岸の洗掘及び浸食を防止し,住
宅地の安全を確保するため,護岸
整備を着実に進めていくことを目
標とします。
第5節
河川等の整備
目標値
(H24 年度)
第1章
河川改修事業促進要
望回数
実績値
(H19 年度)
▏施策の体系
河川環境の保全・活用
水辺空間の保全・整備
河川美化・浄化の推進
水路等の維持管理
▏施策の内容
【河川環境の保全・活用】
■水辺空間の保全・整備
市内を流れる一級河川について,国・県等関係機関と十分な調整を図りながら,
防災機能の強化に向けた改修・整備を促進します。
河川の持つ良好な自然環境や多種多様な動植物の保全に努め,沿川の自然,歴史
的文化遺産や地域特性に配慮しながら,水辺空間の保全・整備を図ります。
■河川美化・浄化の推進
市民に,河川と生活との関係を正しく認識してもらい,河川美化・浄化意識の高
揚を図るため,清掃活動(クリーン作戦)等の実施を継続します。
河川美化・浄化の推進のため,地域住民への周知を行いながら,悪質な不法投棄
等がないよう,更なる啓もう活動等の実施に努めます。
■水路等の維持管理
浸水被害の防止・解消を図るため,浸水の危険性がある河川や排水路について,
緊急性等を勘案しつつ,計画的に整備を進めます。
河川管理施設の機能を常に最大限に発揮できるよう,必要に応じて関係施設の点
検及び整備に努めます。
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第6節
情報通信基盤の整備
▏現況と課題
近年の情報通信技術の飛躍的な進歩は,インターネットに代表される高度情報化社会の
到来をもたらし,社会の様々な分野に多大の影響を与え,情報化が急速に進展しつつあり
ます。
国では「全国ブロードバンド構想」(平成13年総務省)により,国土における情報基盤の
第1章
整備推進を位置付け,平成14年には「e-Japan重点計画-2002」
(IT戦略本部決定)におい
て,「2005年度を目標とする地域公共ネットワークの全国整備の実現」を目指してきまし
第6節
情報通信基盤の整備
た。さらに平成18年には「u-Japan推進計画2006」に基づき,2010年までにユビキタス
ネット社会を実現し,世界最先端のICT国家を目指すとしています。
本市においても,
「電子自治体」の実現に向けて,情報化推進に対する基本的な考え方や
目標を明らかにした総合的な計画を両町村において策定(伊奈町地域情報化基本計画(平
成1 3年3月)
,谷和原村情報化計画書(平成14年3月)
)したほか,ホームページの開設や,
職員一人1台を目標としたパソコンの配備,職員庁内LAN の構築によるグループウェア
などの基本ソフトの導入など,行政の情報化と地域の情報化に努めてきました。合併時に
は,それら両町村のインフラやシステムなどを統合し,市民サービス向上と事務効率の向
上を図っています。
今後も電子自治体の推進を図り,高度な市民サービスを提供するとともに,行政の効率
化・透明化を推進できる総合行政情報システムを構築しながら,市民だれもが情報化によ
る利便性を享受できる情報通信基盤の更なる充実化に努めていく必要があります。
▏基本方針
光ファイバー網の整備を促進し,地域の活力をはぐくむ情報インフラの充実に取り組む
とともに,地域情報化の推進に努めるほか,行政内部の情報通信技術環境の充実や情報
セキュリティ対策の構築を図り,情報環境の整備を進めます。
指標名
光ファイバー世帯カ
バー率
実績値
(H19 年度)
66.8%
目標値
(H24 年度)
指標の考え方
84.1%
光ファイバー回線に申込み可能な
地域の拡大に向けた整備を促進し,
だれでもどこでも快適に情報を得
られる環境づくりの充実度を目標
とします。
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▏施策の体系
情報環境の整備
地域情報化の推進
電子自治体の推進
▏施策の内容
【情報環境の整備】
■地域情報化の推進
第1章
高度情報通信ネットワーク社会の構築を図るため,通信事業者や電気事業者に対
し,情報インフラとしての光ファイバー網の整備を積極的に働きかけていきます。
市民を対象とした基礎技能の習得を目的とした講習会を継続して実施し,IT利
第6節
情報通信基盤の整備
用技術の向上と推進を図ります。
■電子自治体の推進
行政事務の効率化のために構築した行政情報ネットワークを十分に活用すること
により,情報の共有化・事務の円滑化に努めます。
市民サービス向上のため,
「電子自治体」の基盤として,国内全市町村を結ぶ住民
基本台帳ネットワークの運用や各種情報提供などの電子的行政サービスの充実を
図ります。
県や他市町村共同によるシステム開発,管理運営手法について研究し,開発コス
トの削減や事務の効率化を図ります。
各種研修の充実など,職員一人ひとりの情報処理能力を高めるための人材育成を
図ります。
情報セキュリティポリシーに基づき,本市の保有する情報資産の管理における安
全性を確保します。また,電子自治体の構築に当たっては,システムの冗長化等
により安定したサービスの提供を確保するとともに,個人情報等の漏えい防止策
を講じます。
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第1章
第6節
情報通信基盤の整備
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